JP3950364B2 - ドア構造 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
この発明は、ドア構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
特開平7−96569号公報(IPC B32B 32/12)には、ハニカム状補強体を利用したドア等に利用されるパネルが開示されている。このパネルは、当該公報の文言をかりて説明すると、枠状のフレームと、このフレームの両面に装着され、アルミ箔の両面にクラフト紙を貼着して形成されたボードと、フレームの枠室に配置されるハニカム状の補強体とから成る。補強体はボール紙から成るハニカム状に形成されていることから、フレーム及びボードに加わる応力の分散効率が高い。その結果、少ない材料で所定の強度を得ることができ、ドアの軽量化が図れる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の構造では、ハニカム状の補強体によって所定の強度を得つつドアの軽量化が図れるものの、ハニカム状の補強体がボード間のサウンドブリッジとなってしまい、遮音性に劣るという不満がある。
【0004】
この発明は、上記の事情に鑑み、高強度で軽量化を図りつつ遮音性に優れたドア構造を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この発明のドア構造は、上記課題を解決するために、枠体の両面にボードを貼り合わせて成るドア構造において、前記ボードの内面に各々多孔補強材が固着されており、多孔補強材同士は接触しないように構成されたことを特徴とする。
【0006】
上記の構成であれば、ボードの内面に多孔補強材が固着されたことで、ボードの剛性が高められ、低音域での遮音性が向上する。そして、多孔補強材同士は接触しないため、多孔補強材はサウンドブリッジとはならず、音の固体伝搬防止による遮音性向上も得られる。
【0007】
前記多孔補強材間の空隙に吸音材が設けられているのがよい。これによれば、吸音材にて中高音域での遮音性も向上することになる。
【0008】
前記多孔補強材の孔内に粘弾性体を充填して成るのがよい。これによれば、粘弾性体自体による振動エネルギー吸収による遮音が図れる上に、粘弾性体の充填箇所の配置態様によって音の透過損失の特性を調整し得ることになり、特定波長帯の遮音性向上が図れる。
【0009】
前記多孔補強材の孔内に弾性棒状体を配置し、この弾性棒状体を両ボードの内面に接触させてもよい。弾性棒状体は硬質のものではないからサウンドブリッジとして働くことはない。ここで、一つのボードについて見れば、前記弾性棒状体はサウンドブリッジではなく制振体としてボードを支持することになる。そして、これによってコインシデンス(質量則において或る周波数域になったときに透過損失が質量則より下回る現象)による性能低下が回避されることになる。また、多孔補強材における孔内を利用して弾性棒状体を配置するのであるから、多孔補強材に対して特別な加工は不要であるという利点もある。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、この発明のドア構造を図1乃至図4に基づいて説明していく。
【0011】
図1はこの実施形態のドア構造を示した断面図である。枠体1は例えば角材を方形状に組んで成るものであり、この実施形態では更なる横架角材や縦角材は設けていない。この枠体1の両面にボード2・3を貼り合わせており、いわゆるフラッシュドアと呼ばれる構造になっている。前記ボード2・3の内面にはそれぞれ多孔補強材4・5が固着されている。多孔補強材4・5の固着には接着剤を用いればよい。
【0012】
多孔補強材4・5としては、図4に示す構造のものを用いることができる。図4(a)は六角形状の孔が多数形成されたハニカム構造を示している。このようなハニカム構造が多孔補強材として一般的であるが、図4(b)に示すような四角形状の孔が形成された構造、或いは、図4(c)に示すような波形状の孔が形成された構造を用いることができる。また、図示はしていないが、円形状の孔が形成された構造なども用いることができる。多孔補強材4・5は、この実施形態では紙(ボール紙)製のものを用いて軽量化を図っているが、樹脂製や軽金属製等の多孔補強材を用いても構わない。
【0013】
多孔補強材4と多孔補強材5との間には空隙が形成されている。すなわち、多孔補強材4・5は独立して存在するものであり、各多孔補強材4・5は片面のみがボード2・3に固着されており、両者は接触してはいない。そして、前記空隙には吸音材(グラスウール、ロックウール等)6が設けられている。なお、吸音材6としては断熱材としても機能するものを用いるのがよい。
【0014】
上記の構成であれば、ボード2・3の内面に多孔補強材4・5が固着されたことで、ボード2・3の剛性が高められ、低音域での遮音性が向上する。そして、一方の多孔補強材4と他方の多孔補強材5との間には空隙が形成されており、多孔補強材4・5はサウンドブリッジとはならず、音の固体伝搬防止による遮音性向上も得られる。更に、前記空隙には吸音材6が設けられているので、中高音域での遮音性も向上することになる。
【0015】
ドア構造の他の例を図2に示す。この図2に示すドア構造においては、多孔補強材4・5における一部の孔内に粘弾性体7を充填している。粘弾性体7は、成形ブチル材、発泡ゴム材、シリコンゲルなどの材料から成る。これによれば、粘弾性体7自体による振動エネルギー吸収で遮音が図れる上に、粘弾性体7の充填箇所の配置態様によって音の透過損失の特性を調整し得ることになり、所望周波数での遮音性向上が図れる。すなわち、ボード2・3間に空間が存在する構造では、共鳴透過(太鼓的に音が発生)によって特定周波数での遮音性能の落ち込みが生じがちとなるが、粘弾性体7の充填箇所の配置態様を変えることで、上記落ち込みの周波数帯を可聴音域外へとずらすことが可能である。
【0016】
図3に示すドア構造においては、前記多孔補強材4・5における一部の孔内に棒状の弾性棒状体(例えば、成形ブチル材、発泡ゴム材等)8を設け、この弾性棒状体8を両ボード2・3の内面に接して存在させている。弾性棒状体8の配置ピッチをどの程度にするかは弾性棒状体8の物性(損失係数,ばね定数など)、更には用いるボード(材質,厚みなど)によって異なるが、その目指すところは遮音性の向上であり、実験によって或いはシミュレーションによって弾性棒状体8の物性の具体値が求まることになる。弾性棒状体8は硬質のものではなく、サウンドブリッジとして働くことはない。ここで、一つのボード2(3)について見れば、前記弾性棒状体8はサウンドブリッジではなく制振体としてボード2(3)を支持することになる。そして、これによってコインシデンスによる性能低下が回避されることになる。或る箇所の弾性棒状体8とこれに接続する二枚のボード2(3)の所定範囲について考察すると、弾性棒状体8のばね定数と前記所定範囲のボード重量とで決まる2質点系の固有振動数が存在することになる。一つの二重ボード構造に複数存在することになる前記固有振動数をばらつかせたり、或いは統一するとしても空間の空気ばねによる共鳴透過周波数と異ならせることとするのがよく、これによれば、二重ボード構造の共鳴透過による性能の落ち込みがより低減されることになる。また、多孔補強材4・5における孔内を利用して弾性棒状体8を配置するのであるから、多孔補強材4・5に対して特別な加工は不要であるという利点もある。
【0017】
なお、図2の構造と図3の構造を組み合わせた構造、すなわち、前記多孔補強材4・5における一部の孔内に粘弾性体7を充填すると共に、他の孔内に弾性棒状体8を設け、前記弾性棒状体8を両ボード2・3の内面に接して存在させることも有効である。
【0018】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、ボードの内面に多孔補強材が固着されたことで、ボードの剛性が高められ、低音域での遮音性が向上する。そして、多孔補強材同士は接触しないため、多孔補強材はサウンドブリッジとはならず、音の固体伝搬防止による遮音性向上も得られる。前記空隙に吸音材を設けた構成であれば、中高音域での遮音性も向上することになる。前記多孔補強材の孔内に粘弾性体や弾性棒状体を設けた構成であれば、更に遮音性が向上する。また、粘弾性体や弾性棒状体の配置に多孔補強材における孔内を利用するから、多孔補強材に対して特別な加工は不要であるという利点もある。
【0019】
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施形態のドア構造を示した断面図である。
【図2】この発明の実施形態のドア構造の他の例を示した断面図である。
【図3】この発明の実施形態のドア構造の他の例を示した断面図である。
【図4】同図(a)乃至(c)は多孔補強材の具体例を示した説明図である。
【符号の説明】
1 枠体
2 ボード
3 ボード
4 多孔補強材
5 多孔補強材
6 吸音材
7 粘弾性体
8 弾性棒状体
Claims (4)
- 枠体の両面にボードを貼り合わせて成るドア構造において、前記ボードの内面に、各孔の軸方向が互いに平行であって前記孔の開口形状が六角形に限らないハニカム状の多孔補強材が各々固着されており、前記多孔補強材同士は接触せず、前記多孔補強材の孔内に粘弾性体を充填して成ることを特徴とするドア構造。
- 枠体の両面にボードを貼り合わせて成るドア構造において、前記ボードの内面に、各孔の軸方向が互いに平行であって前記孔の開口形状が六角形に限らないハニカム状の多孔補強材が各々固着されており、前記多孔補強材同士は接触せず、前記多孔補強材の孔内に弾性棒状体を配置し、この弾性棒状体を両ボードの内面に接触させていることを特徴とするドア構造。
- 請求項1に記載のドア構造において、前記多孔補強材の孔内に弾性棒状体を配置し、この弾性棒状体を両ボードの内面に接触させていることを特徴とするドア構造。
- 請求項1ないし3のいずれかに記載のドア構造において、前記多孔補強材間の空隙に吸音材が設けられていることを特徴とするドア構造。
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