JP3949502B2 - 無煙調理台 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、焼肉店、居酒屋、焼鳥店等において、テーブルやカウンター等の調理台で焼き物をする際、その煙が店内に拡がらないようにするための料理用の無煙調理台に関し、詳しくは、一台の調理台に数人が着席した場合等に、加熱器具を増やして効率よく焼き物をすることを可能とした無煙調理台に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、焼肉店等の飲食店において、焼き物をする際の煙が店内に立ち込めるのを防止するため、調理台本体の天板に調理台本体の下方に設けた吸煙部に連通し、吸引作用を有する開口部が設けられ、この開口部に立設状態の吸引流路を有する排煙フードが着脱可能に設けられると共に、排煙フードの前方に加熱器具が載置される無煙調理台が提案されている。
【0003】
この無煙調理台は排煙フードの下部が開口部に嵌め込まれ、加熱器具から立ち昇る煙は、加熱器具の後部の排煙フードの吸込口から排煙フードの吸引流路を通り、天板の下方の吸煙部に吸い込まれる。
そして、焼き物をしない時には排煙フードを取り外し、上面が天板の上面と面一になる蓋板を嵌め込み、天板上を広く使用できるようにしている。
又、排煙フードは開口部に一方向に向けて一台のみ設置されているので、これに対応して加熱器具の使用も一台であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
焼肉店等でテーブル等の調理台を囲んで数人が着席した場合に、排煙フードは調理台の開口部に一台のみ設置されているため、これに対応して加熱器具は一台しか使用できず、着席しているお客が一緒に同時に食することは不可能で、焼き上がるのを待つ時間が長くなるのである。特にパーティーや宴会等ではその傾向が強かったのである。
【0005】
又、一旦調理台の加熱器具が置かれている側に着席すると、途中で着席場所を移動して焼き手を交代することは面倒で、殆ど最後まで一人で焼き続けていなければならなく、大変に忙しく、ゆっくりと味わって食べることができなかったのである。
【0006】
上記点より本発明は、調理台本体の下方に設けた吸煙部に連通する開口部に対して、調理台上に二台の加熱器具を載置し、お客が対座して同時に使用することができると共に、排煙フードの向きを変換可能とし、調理台の周囲のどの位置に着席したお客でも加熱器具の使用を可能とした無煙調理台を提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため請求項1の本発明無煙調理台は、調理台本体の天板に、調理台本体の下方に設けた吸煙部に連通し、吸引作用を有する開口部が設けられ、前記開口部に立設状態の吸引流路を有する排煙フードが着脱可能に設けられると共に、排煙フードの前方に加熱器具が載置される無煙調理台において、前記開口部に互いに背を向けて一対の排煙フードが着脱可能に設けられていることを特徴とするものである。
【0008】
このような構成とすることにより、互いに背を向けた一対の排煙フードの前方に加熱器具を夫々載置して、お客は対座した状態で一つの開口部に同時に二台の加熱器具の使用が可能となる。
【0009】
次に、請求項2の本発明無煙調理台は請求項1の無煙調理台において、開口部が正方形に形成され、この開口部に着脱可能に嵌合すると共に、前記排煙フードの吸引流路に連通する吸引孔を設けたプレートが一対の排煙フードの下部に設けられ、排煙フードは水平方向に90°の角度で方向変換可能となっていることを特徴とするものである。
【0010】
このような構成とすることにより、排煙フードを方向変換する時は、排煙フードをプレートと共に外し、90°の角度で方向変換し、再び開口部に嵌合することにより、台が方形の調理台であれば、台のどの側に着席しても加熱器具を使用できる。
【0011】
次に、請求項3の本発明無煙調理台は請求項1の無煙調理台において、開口部が真円の円形に形成され、この開口部に着脱可能に嵌合すると共に、前記排煙フードの吸引流路に連通する吸引孔を設けたプレートが一対の排煙フードの下部に設けられ、排煙フードは水平方向に任意角度に方向変換可能となっていることを特徴とするものである。
【0012】
このような構成とすることにより、排煙フードを方向変換する時は、排煙フードをプレートと共に回動すれば、台が方形、円形に不拘に、台のどの位置に着席しても加熱器具を使用できる。
【0013】
次に、請求項4の本発明無煙調理台は請求項1、2又は3の無煙調理台において、一対の排煙フードは分離可能に設けられていることを特徴とするものである。
【0014】
このような構成とすることにより、排煙フードを分離して一台のみ加熱器具を使用することも可能となる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態を図面に基づき説明する。
図1は本発明無煙調理台の一実施の形態を示す斜視図、図2は同上の断面図である。
而して、図中1は加熱調理するテーブル、カウンター等の調理台本体であり、この調理台本体1の天板2に正方形の開口部3が形成されている。開口部3の形状は正方形に限定されるものではなく、長方形でもよい。
【0016】
4は開口部3の周縁部にビス等の止着部材(図示せず)で固定した金属製の化粧枠であり、この化粧枠4は開口部3の周縁部の天板2上に裏面が当設する水平な係合鍔部4Aと連続する側壁が内側下方に向け上段部4Bと下段部4Cを有する階段状に形成されている。
そして、化粧枠4の上段部4Bに排煙フード5の下部に固定された正方形のプレート6が着脱可能に嵌合し載置されている。
又、開口部3が長方形の場合は、これに対応して当然プレート6も長方形となる。
【0017】
排煙フード5は上部が前方側(加熱器具載置側)へ傾斜し、その下方は垂直に立設している内部が吸引流路7Aとなる左右の吸煙パイプ7と、この左右の吸煙パイプ7間に渡設され、下面側に吸引口8Aを設け、両側が吸煙パイプ7の上部口端に着脱可能に嵌合し、吸込口8Aから吸い込んだ煙を吸煙パイプ7の吸引流路7Aに案内するパイプ状の吸引トップ8と、左右の吸煙パイプ7の上部間に炭火コンロ、ガスコンロ等の加熱器具9の背面側の上方部を覆うように斜設された風防板10から構成されている。
【0018】
風防板10はガラス板で、左右の吸煙パイプ7の対向した外側側部に固定された断面がコ字形の枠体11に嵌め込まれている。
6Aはプレート6に穿設した吸煙パイプ7の内部の吸引流路7Aに連通する吸引孔である。
【0019】
このような構成を有する排煙フード5が互いに背を向けて一対プレート6に、その下部を溶接等により固定されている。
尚、排煙フード5はかかる構成のものに限定されるものでないことは勿論である。
【0020】
12は上面が開口した水槽であり、この水槽12の側壁の上部外側に水平な係合鍔部12Aが形成され、この係合鍔部12Aの裏面が化粧枠4の下段部4C上に載置され、水槽12は支持されている。
又、水槽12の側壁の略中央部より下方に水13が収容され、水槽12の一方の対向する両側壁の略中央部より上方に窓孔12Bが夫々設けられている。
【0021】
この窓孔12Bの内側にフィルター14が、窓孔12Bの両側に設けた枠体15に上方から着脱可能に嵌入されている。
16は水槽12の外側に吸引流路17が形成される間隔をおいて設置された外ケースであり、この外ケース16は上面が開口された箱体で、両側の側壁の上部が天板2の開口部3の内側壁にビス等の止着部材18で固定されている。又外ケース16の底壁の略中央部に吸引孔16Aが設けられている。
【0022】
19は外ケース16の外側に所定の間隔をおいて設置されたキャビネットであり、このキャビネット19は上面が開口された箱体で、このキャビネット19の側壁の上部に外側に屈曲した水平な鍔部19Aが形成され、この鍔部19Aが天板2の裏面にビス等の止着部材20で固定されている。
そして、キャビネット19の底壁の略中央部に孔19Bが穿設され、この孔19Bに内部に風量調整器付防火用ダンパーが収納された筒状の収納ケース21が挿通されている。
【0023】
この収納ケース21の一方の口端部は外ケース16の吸引孔16Aに連結して吸引流路17に連通し、他方の口端部は吸引用排気ファン(図示せず)を有する床下の吸引ダクト(図示せず)に下部が連通する接続ダクト22の上部に嵌合している。
この接続ダクト22、収納ケース21、外ケース16、フィルター14を有する水槽12で吸煙部が構成されている。
【0024】
このような構成を有する無煙調理台の作用を説明すれば、一対の排煙フード5の前方の天板2上に炭火コンロ、ガスコンロ等の加熱器具9を夫々載置し焼き物をすれば、立ち昇る煙は排煙フード5の吸引トップ8の吸引口8Aから吸煙パイプ7内に吸引され、内部の吸引流路7Aから水槽12内に吸引される。
【0025】
水槽12内で煙は水13で洗浄されると共に、フィルター14で油脂分が除去され、窓孔12Bから水槽12と外ケース16の間に形成された吸引流路17を流通し、外ケース16の吸引孔16Aと連通する風量調整器付防火用ダンパーを収納した収納ケース21内を通り、接続ダクト22から床下の吸引ダクトを経て外部へ排気される。
【0026】
次に、図3は請求項2の無煙調理台の方向変換の作用を示す部分平面図であり、天板2の開口部3が正方形に形成されている。
そして、この開口部3に着脱可能に嵌合する正方形のプレート6に互いに背を向けて左右一対の排煙フード5の吸煙パイプ7の下部が溶接等により夫々固定されている。
プレート6には吸煙パイプ7の内部の吸引流路7Aに連通する吸引孔6Aが穿設されている。したがって、プレート6は水平方向に90°の角度で自由に嵌合でき、それと共に排煙フード5は方向変換される。
【0027】
次に、図4は請求項3の無煙調理台の部分斜視図であり、天板2の開口部3が真円の円形に形成されている。
そして、この開口部3に着脱可能に嵌合する真円の円形のプレート6に互いに背を向けて左右一対の排煙フード5の吸煙パイプ7の下部が夫々溶接等により固定されている。
プレート6には前同様、吸煙パイプ7の内部の吸引流路7Aに連通する吸引孔6Aが穿設されている。したがって、プレート6は水平方向に自由に回動し、それと共に排煙フード5は任意角度に方向変換される。
【0028】
次に、図5及び図6は請求項4の無煙調理台の部分斜視図であり、図5は正方形の開口部3に着脱可能に嵌合するプレート6が中央部で二枚に分離され、夫々のプレート6B、6Cに排煙フード5の吸煙パイプ7の下部が溶接等により固定されている。
したがって、一方の排煙フード5を開口部3から取り外して図6に示すように一台だけの使用を可能としている。
この場合、取り外した開口部3に上面が天板2の上面と面一になる蓋板23が嵌合される。
尚、開口部3が真円の円形で、これに着脱可能に嵌合するプレート6が真円の円形の場合も前同様につき図面及び説明は省略する。
【0029】
【発明の効果】
本発明によれば、調理台本体の下方に設けた吸煙部に連通する開口部に互いに背を向けた一対の排煙フードが設けてあるため、排煙フードの前方に加熱器具を夫々載置して、お客は対座した状態で同時に二台の加熱器具の使用が可能となり、パーティーや宴会等、多人数のグループであっても効率良く焼くことが可能で、従来のように焼き上がるのに長時間待つことはなく、一緒に揃って食することができる。
又、排煙フードの方向変換が可能であるため、調理台の周囲のどの位置に着席しても、排煙フードを方向変換して加熱器具の使用が可能となり、従来のように調理台の加熱器具が置かれている側に着席すると、最後まで一人で焼き続けることはなく、途中で排煙フードを方向変換し、焼き手を交代することが可能である。
又、一対の排煙フードを分離して一台のみに使用も可能であるため、人数に応じた対応が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明無煙調理台の一実施の形態を示す斜視図である。
【図2】本発明無煙調理台の一実施の形態を示す断面図である。
【図3】請求項2の本発明無煙調理台の作用を示す部分平面図である。
【図4】請求項3の本発明無煙調理台の一実施の形態を示す斜視図である。
【図5】請求項4の本発明無煙調理台の一実施の形態を示す斜視図である。
【図6】請求項4の本発明無煙調理台の作用を示す部分斜視図である。
【符号の説明】
1 調理台本体
2 天板
3 開口部
4 化粧枠
5 排煙フード
6 プレート
6A 吸引孔
7 吸煙パイプ
7A 吸引流路
9 加熱器具
12 水槽
13 水
14 フィルター
16 外ケース
17 吸引流路
21 収納ケース
22 接続ダクト
23 蓋板
Claims (4)
- 調理台本体の天板に、調理台本体の下方に設けた吸煙部に連通し、吸引作用を有する開口部が設けられ、前記開口部に立設状態の吸引流路を有する排煙フードが着脱可能に設けられると共に、排煙フードの前方に加熱器具が載置される無煙調理台において、前記開口部に互いに背を向けて一対の排煙フードが着脱可能に設けられていることを特徴とする無煙調理台。
- 開口部が正方形に形成され、この開口部に着脱可能に嵌合すると共に、前記排煙フードの吸引流路に連通する吸引孔を設けたプレートが一対の排煙フードの下部に設けられ、排煙フードは水平方向に90°の角度で方向変換可能となっていることを特徴とする請求項1記載の無煙調理台。
- 開口部が真円の円形に形成され、この開口部に着脱可能に嵌合すると共に、前記排煙フードの吸引流路に連通する吸引孔を設けたプレートが一対の排煙フードの下部に設けられ、排煙フードは水平方向に任意角度に方向変換可能となっていることを特徴とする請求項1記載の無煙調理台。
- 一対の排煙フードは分離可能に設けられていることを特徴とする請求項1、2又は3記載の無煙調理台。
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