JP3949409B2 - 導電性セラミックベアリングボール、ボールベアリング、ベアリング付きモータ及びハードディスク装置及びポリゴンスキャナ - Google Patents

導電性セラミックベアリングボール、ボールベアリング、ベアリング付きモータ及びハードディスク装置及びポリゴンスキャナ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は導電性セラミックベアリングボール、該導電性セラミックベアリングボールの製造方法及び該導電性セラミックベアリングボールを用いたボールベアリングならびに該ボールベアリングを用いたベアリング付きモータ、ハードディスク装置及びポリゴンスキャナに関する。
【0002】
【従来の技術】
ベアリングボールは軸受鋼等の金属にて構成されたものが一般的であるが、一層の耐摩耗性を付与するために、セラミック製のベアリングボールを使用したものも普及し始めている。使用されるセラミックは例えば窒化珪素質セラミック、アルミナ質セラミックあるいはジルコニア質セラミック等である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記のようなベアリングボールはいずれも絶縁体であり、ベアリング転動体となって回転するうちに、摩擦により発生する静電気により帯電しやすい性質がある。このような帯電が過度に生ずると、例えば小径ボール等の場合は製造中にボールが装置(例えば容器)等に付着する、あるいはボールにゴミが付着してしまう等、スムーズな工程進行が妨げられる場合がある。
【0004】
また、精密電子機器、例えばコンピュータハードディスクドライブの軸受等として使用されるベアリングボールは、高速回転にて使用されるため、ボールや内輪あるいは外輪に静電気によるホコリ等の異物が付着すると、異音や振動の原因となることも少なくない。
【0005】
また、このような精密電子機器に用いられるベアリングボールに関して、絶縁性セラミック基質中に導電性セラミックを分散させた組織を持つ導電性セラミックベアリングボールを作成する試みがあるが、導電性を向上のために導電性セラミック相を多量に含有させると、ベアリングボールの強度や耐摩耗性が不足してしまう場合がある。また、使用する原料中の不純物の種類によっては、コンピュータ用ハードディスクドライブやポリゴンスキャナなどの高速回転する精密電子機器に適用された場合に、異音や振動等の原因となる欠陥を生ずる場合がある。
【0006】
さらに、高速回転でベアリングが使用される場合、摺動による自己発熱などによりベアリングの温度は最高60℃〜100℃前後まで上昇する。このとき、ボールの構成セラミックと内輪あるいは外輪を構成する鋼材との熱膨張係数の差が大きいと、ボールと内/外輪とのクリアランスが大きくなって、ベアリングの回転精度が損なわれてしまう問題を生ずる。
【0007】
本発明の課題は、ボールに帯電が生じにくく、また実用に十分な強度・耐摩耗性を有するとともに、内輪や外輪を構成する鉄系材料との線膨張係数差が小さく、ひいては摩擦発熱により温度上昇したときのベアリングの回転精度が損なわれる不具合を抑制できる導電性セラミックベアリングボールと、これを用いたボールベアリング、さらに該ボールベアリングを用いたベアリング付きモータ、該ベアリング付きモータを用いたハードディスク装置及びポリゴンスキャナを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段及び作用・効果】
上記の課題を解決するために、本発明の導電性セラミックベアリングボールは、窒化珪素質相と窒化チタン系相とが混在した組織を有し、かつ20℃〜100℃における平均の線膨張係数が2×10−6/K〜5×10−6/Kとなるように、窒化珪素質相と窒化チタン系相との含有量比が調整されており、真球度が0.08μm以下であり、直径不同が0.10μmであることを特徴とする。また、本発明のボールベアリングは、ベアリング転動体として、鉄を主成分とする鉄系金属よりなる内輪と外輪との間に、上記本発明の導電性セラミックベアリングボールが複数個組み込まれたことを特徴とする。ベアリングの内輪と外輪とは、例えば高炭素クロム軸受鋼(例えばJIS G 4805(1990)に規定されたSUJ1、SUJ2あるいはSUJ3など)や、マルテンサイト系ステンレス鋼(例えばSUS440など)など、Ni含有量が3重量%以下(0重量%を含む)の鋼材で構成することができる。
【0009】
窒化珪素質セラミックは他のセラミック材料に比べて軽量で耐摩耗性に優れ、また機械的強度及び靭性の点でバランスの取れた材料である。そのため、各種摺動部品や切削工具、さらにはベアリングボールなど、構造材料として広く使用されている。しかしながら、極めて絶縁性の高いセラミックであり、ベアリングボールに適用した場合に前述の帯電の問題を生じやすい側面がある。そこで、本発明では、導電性に優れ、しかも窒化珪素質基質中に分散させたときにセラミック全体の強度低下を引き起こしにくい窒化チタン系相を分散させた組織の複合セラミックによりボールを構成する。窒化チタンは、強度や耐摩耗性の点では単独では窒化珪素よりも劣るが、窒化珪素質相との格子整合性が比較的高いことから、ある程度均一に分散していれば、導電性向上のために窒化珪素質基質中に相当量の配合を行なっても、分散強化作用によりセラミック全体の強度や耐摩耗性を低下させにくい特質を有する。
【0010】
他方、セラミックボールを、例えば、ハードディスク装置、CD−ROMドライブ、MOドライブあるいはDVDドライブなどのコンピュータ用周辺機器、あるいはレーザープリンタ等のポリゴンスキャナなどの精密機器における回転駆動部軸受用のベアリングボールとして使用する場合、これらの精密機器における回転駆動部の軸受には、例えば8000rpm以上(さらに高速性の要求される場合には、10000rpm以上ないし30000rpm以上)の高速回転が要求される。そして、このような高速回転にて使用された場合が使用される場合、摺動による自己発熱などによりベアリングの温度は最高60〜100℃前後まで上昇する。ここで、ベアリング用セラミックボール素材として従来使用されている窒化珪素質セラミックの場合、ベアリング使用環境温度として問題となる室温(20℃)から100℃までの平均の線膨張係数は1.4×10−6/℃であり、ベアリングの内輪あるいは外輪を構成する鉄系材料の線膨張係数(おおむね8×10−6/℃)とは大きな開きがある。そのため、温度上昇が生ずると、ボールと内/外輪とのクリアランスが大きくなって、ベアリングの回転精度が損なわれてしまう問題を生ずる。
【0011】
しかしながら、本発明者らが検討を重ねた結果、窒化チタンを配合した窒化珪素質セラミックは、窒化珪素質セラミックを単体で使用した場合と比較して、20℃から100℃までの平均の線膨張係数の値を大きくすることができることが判明した。そして、特に、窒化珪素質相と窒化チタン系相との含有量比を調整することにより、複合セラミックの20℃から100℃までの平均の線膨張係数を2×10−6/K〜5×10−6/Kに調整するとき、複合セラミックの強度や耐摩耗性を良好に維持しつつ、ベアリング内外輪を構成する鉄系材料との線膨張係数の差を効果的に縮小して、温度上昇時にベアリングの回転精度が損なわれる不具合を防止ないし抑制できるようになることを見出し、本発明を完成させるに至ったのである。
【0012】
ここで、単に鉄系材料との線膨張係数の差が小さいセラミックとしては、例えば特開平11−153142号公報等に開示されているジルコニア系のセラミックボールがある。しかしながら、ジルコニア系のセラミックボールが破壊する場合、ボール内部を大きく横切る破断面を呈して突然破壊する形態となる場合が多く、ベアリング使用時において破壊が生じた場合は、直ちにモータの停止につながってしまう難点がある。例えばハードディスク装置等の場合は、データ書き込み中にモータが急停止すると、書き込み失敗や記録セクタの損傷など大きな問題につながることもある。これに対し、本発明にて使用される複合セラミックでは、燐片状小片がボール表面からじわじわ剥離する破壊形態(いわゆるフィッシュアイ形態)となるため、突発的なボール全損を生じにくい。従って、ボールに破壊が生じても、モータの急停止等にはつながりにくい利点を有する。
【0013】
なお、複合セラミックの20℃から100℃までの平均の線膨張係数が2×10−6/K未満になると、ベアリングの温度が上昇した際に、セラミックボールと内/外輪とのクリアランスが大きくなって、ベアリングの回転精度が損なわれてしまう問題につながる。他方、線膨張係数は窒化チタンの含有量が高くなるほど大きくすることができるが、窒化チタンの含有量を相当増加させても5×10−6/Kを超える線膨張係数は実現困難であり、仮に実現できたとしても窒化珪素質相の含有率が低くなりすぎるために、強度や耐摩耗性を十分に確保することが困難となる。なお、複合セラミックの20℃から100℃までの平均の線膨張係数は、より望ましくは2.5×10−6/K〜5×10−6/Kとするのがよい。また、ベアリングがさらに温度上昇する場合を考慮すれば、複合セラミックの20℃から200℃までの平均の線膨張係数が3×10−6/K〜6×10−6/K、望ましくは3.5×10−6/K〜6×10−6/Kとなっているのがよい。
【0014】
次に、本明細書においては、窒化チタン系相とは、窒化チタンを主成分とする相のことである。また、窒化珪素質相は、β化率が70体積%以上(望ましくは90体積%以上)の窒化珪素を主体とする相のことである。この場合、窒化珪素は、SiあるいはNの一部が、Alあるいは酸素で置換されたもの、さらには、Li、Ca、Mg、Y等の金属原子が固溶したものであってもよい。例えば、次の一般式にて表されるサイアロンを例示することができる;
β−サイアロン:Si6−zAl8−z(z=0〜4.2)
α−サイアロン:M(Si,Al)12(O,N)16(x=0〜2)
M:Li,Mg,Ca,Y,R(RはLa,Ceを除く希土類元素)。
【0015】
また、本発明において複合セラミックは、酸化物系焼結助剤成分として、周期律表の3A、4A、5A、3B(例えばAl(アルミナなど))及び4B(例えばSi(シリカなど))の各族の元素群及びMgから選ばれる少なくとも1種を含有させることができる。これらは焼結体中では主に酸化物状態にて存在する。なお、3A族の焼結助剤成分としては、Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luが一般的に用いられる。これらの元素Rの含有量は、CeのみRO、他はR型酸化物にて換算する。これらのうちでもY、Ce、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Ybの各重希土類元素の酸化物は、焼結体の強度、靭性及び耐摩耗性を向上させる効果があるので好適に使用される。また、このほかに、マグネシアスピネル、ジルコニア等も焼結助剤として使用が可能である。
【0016】
本明細書においては、「主成分」(「主体」あるいは「主に」等も同義)とは、特に断りがない限り、着目している物質においてその成分の含有率が50重量%以上であることを意味する。
【0017】
上記の複合セラミックの組織は、窒化珪素質相と窒化チタン系相とが、例えば焼結助剤成分に由来するガラス質及び/又は結晶質の結合相にて結合した形態のものとなる。なお、焼結助剤成分は、主に結合相を構成するが、一部が主相中に取り込まれることもありえる。さらに、結合相中には、焼結助剤として意図的に添加した成分のほか、不可避不純物、例えば窒化珪素原料粉末に含有されている酸化珪素などが含有されることがある。
【0018】
そして、本発明のセラミックベアリングボールに使用する複合セラミックは、窒化チタン系相の含有量は10〜70質量%とするのがよい。窒化チタン系相の含有量が10質量%未満になると、複合セラミックの線膨張係数の値を、前述の2×10−6/K以上の値に確保することができなくなる。他方、窒化チタン系相の含有量が70質量%を超えると、窒化珪素質相の含有率が低くなりすぎるために、強度や耐摩耗性を十分に確保することが困難となる。
【0019】
また、本発明にて使用する複合セラミックは、窒化チタン系相以外の部分が窒化珪素質相と粒界相とにより主に構成されるが、同様の観点において、その合計含有量は30〜90質量%、望ましくは35〜70質量%となっているのがよい。この場合、粒界相の含有量は3〜10質量%とするのがよい(従って、窒化珪素質相の含有量は20〜87質量%、望ましくは25〜67質量%である)。粒界相が3重量%未満では緻密な焼結体が得にくくなる。他方、粒界相が10重量%を超えると、ボールの強度や靭性、耐熱性あるいは耐摩耗性の低下にもつながる。粒界相の含有量は、望ましくは3〜8重量%とするのがよい。
【0020】
また、本発明の導電性セラミックベアリングボールを構成する複合セラミックは、すでに説明した通り、窒化チタン系相が導電性の相として機能するため、セラミックに適度な導電性を付与することでベアリングボールの帯電が効果的に防止ないし抑制することができる。この場合、ベアリングボールの表面電気抵抗率は10Ω・cm以下に確保することで該効果が高められる。なお、本明細書において電気抵抗率とは、構成セラミックにて形成されたボール表面に探針を接触させることにより、4探針法にて測定された電気抵抗率をいう
【0021】
以下、本発明の導電性セラミックベアリングボールの望ましい製造方法について説明する。本発明の導電性セラミックベアリングボールは、窒化チタン粉末と窒化珪素質粉末とを含有する原料粉末の球状成形体を焼成した後、外面研磨することにより製造することができる。原料として使用する窒化チタン粉末は、レーザー回折式粒度計にて測定した50%粒子径が3.0μm以下であるのがよい。50%粒子径が3.0μmより大きくなると、ベアリングボールの研磨面に現われる窒化チタン系相の結晶粒子が脱落したとときに相当大きな空隙が形成され、ベアリングとして使用する際に異音や振動が生じやすくなる場合がある。他方、粒子径を必要以上に小さくすることは、粉砕時間の長大化など、原料粉末の調製コストの高騰を招くので、このような不具合が生じない範囲にて粒子径を調整する。窒化チタン粉末の50%粒子径は、より望ましくは0.9〜1.5μmの範囲にて調整するのがよい。
【0022】
また、窒化チタン粉末中の酸素の含有率は3質量%以下であるのがよい。酸素含有率が3質量%を超えると、導電性に劣る酸化チタンが多量に生ずるため、得られるベアリングボールの導電性を十分に確保することが困難となる場合がある。また、窒化チタン粉末が酸化チタン被膜に覆われていると、焼結時の拡散が阻害されて焼結性が低下するので、緻密なセラミックボールが得られなくなる場合がある。窒化チタン粉末中の酸素含有率は、望ましくは2質量%以下とするのがよく、より望ましくは、コスト上の問題を生じない範囲にて、極力含有されていないのがよい。
【0023】
次に、窒化チタン粉末中の鉄の含有率は0.3質量%以下であるのがよい。窒化チタン粉末中の鉄成分は、その多くが窒化チタン粉末製造時において粉砕装置側から摩耗混入する鉄系コンタミである。そして、窒化チタン粉末中の鉄含有率が0.3%を超えると、得られるセラミックボール中には、前記した鉄系コンタミに由来するFe系介在物の含有量が増加し、研磨面に露出した該介在物の影響で、ベアリングとして使用した際に異音や振動が発生しやすくなる場合がある。窒化チタン粉末中の鉄成分は、好ましくは0.1%以下とするのがよく、より望ましくは、コスト上の問題を生じない範囲にて、極力含有されていないのがよい。
【0024】
次に、原料として使用する窒化珪素質粉末は、レーザー回折式粒度計にて測定した50%粒子径が0.8μm以下であり、かつBET比表面積値が10〜13m/gであるのがよい。BET比表面積値を10〜13m/gとすることで、得られるセラミックボールにおける窒化珪素質結晶粒子の局部的な粗大化を抑制でき、また、窒化チタン系結晶粒子の分散性を高めることができるので、強度や耐摩耗性が改善され、かつベアリングとしての使用時に異音や振動の発生を抑制できる。BET比表面積値が10m/g未満になると、原料粉末の段階で粗大な窒化珪素質粉末粒子の比率が増えることから、得られるセラミックボールには局部的に粗大化した窒化珪素質結晶粒子が多く形成されやすくなる場合がある。その結果、研磨面にて粗大化した窒化珪素質結晶粒子が脱落するに伴い、大きな空隙が形成されやすくなり、ベアリングとしての使用時おける異音や振動の発生原因となる場合がある。他方、BET比表面積値が13m/gを超える窒化珪素質粉末は、粉砕時間の長大化など高コスト化を招く上、流動性が悪化するため製造時の取り扱いが困難となる場合がある。
【0025】
一方、原料として使用する窒化珪素質粉末の50%粒子径は、これを0.8μm以下とすることで、得られるベアリングボールの強度が向上し、さらに、研磨面にて脱落する結晶粒子の寸法も総じて小さくなることから、真球度や直径不同などで表される研磨面の精度を確保しやすくなる。他方、窒化珪素質粉末の粒径を必要以上に小さくすることは、粉砕時間の長大化など、原料粉末の調製コストの高騰を招くので、このような不具合が生じない範囲にて粒子径を調整する。窒化珪素質粉末の粒径は、より望ましくは0.3〜0.6μmの範囲にて調整するのがよい。
【0026】
原料となる窒化珪素質粉末はα化率(全窒化珪素中に占めるα窒化珪素の比率)が70%以上のものを使用することが望ましく、これに焼結助剤として、希土類元素、3A、4A、5A、3Bおよび4B族の元素群から選ばれる少なくとも1種を酸化物換算で1〜10重量%、好ましくは2〜8重量%の割合で混合する。なお、原料配合時においては、これら元素の酸化物のほか、焼結により酸化物に転化しうる化合物、例えば炭酸塩(例えば炭酸マグネシウム)や水酸化物等の形で配合してもよい。
【0027】
以上の説明において、粒子の小粒径側からの相対累積度数を、図9に示すように、評価対象となる粒子を粒径の大小順に配列し、その配列上にて小粒径側から粒子の度数を計数したときに、着目している粒径までの累積度数をNc、評価対象となる粒子の総度数をN0として、nrc=(Nc/N0)×100(%)にて表される相対度数nrcとして定義する。そして、X%粒子径とは、前記した配列においてnrc=X(%)に対応する粒径をいう。例えば、50%粒子径とは、nrc=50(%)に対応する粒径をいう。
【0028】
また、レーザー回折式粒度計の測定原理は公知であるが、簡単に説明すれば、試料粉末に対しレーザー光を照射し、粉末粒子による回折光をフォトディテクタにより検出するとともに、その検出情報から求められる回折光の散乱角度と強度とから粒径を知ることができる。セラミック原料粉末は、図8に模式的に示すように、添加された有機結合材の働きや静電気力の作用など種々の要因により、複数の一次粒子が凝集して二次粒子を形成していることが多い。この場合、レーザー回折式粒度計による測定では、入射レーザー光の凝集粒子による回折挙動と孤立した一次粒子による回折挙動とで大きな差異を生じないため、測定された粒径が、一次粒子単体で存在するものの粒径なのか、あるいはこれが凝集した二次粒子の粒径なのかが互いに区別されない。すなわち、該方法で測定した粒子径は、図8における二次粒子径Dを反映した値となる(この場合、凝集を起こしていない孤立した一次粒子も広義の二次粒子とみなす)。また、これに基づいて算出される平均粒子径あるいは50%粒子径とは、いずれも二次粒子の平均粒子径あるいは50%粒子径の値を反映したものとなる。なお、後述する転動造粒用に成形用素地粉末を調整する場合、粉末の粒度は、その成形用素地粉末に調整前の段階の数値を意味するものとする。
【0029】
他方、成形用素地粉末の比表面積値は吸着法により測定され、具体的には、粉末表面に吸着するガスの吸着量から比表面積値を求めることができる。一般には、測定ガスの圧力と吸着量との関係を示す吸着曲線を測定し、多分子吸着に関する公知のBET式(発案者であるBrunauer、Emett、Tellerの頭文字を集めたもの)をこれに適用して、単分子層が完成されたときの吸着量vmを求め、その吸着量vmから算出されるBET比表面積値が用いられる。ただし、近似的に略同等の結果が得られる場合は、BET式を使用しない簡便な方法、例えば吸着曲線から単分子層吸着量vmを直読する方法を採用してもよい。例えば、ガス圧に吸着量が略比例する区間が吸着曲線に現われる場合は、その区間の低圧側の端点に対応する吸着量をvmとして読み取る方法がある(The
Journal of American Chemical Society、57巻(1935年)1754頁に掲載の、BrunauerとEmettの論文を参照)。いずれにしろ、吸着法による比表面積値測定においては、吸着する気体分子は二次粒子中にも浸透して、これを構成する個々の一次粒子の表面を覆うので、結果として比表面積値は、一次粒子の比表面積、ひいては図8の一次粒子径dの平均値を反映したものとなる。なお、このような吸着法により測定した比表面積値は、当然に、後述する転動造粒用の成形用素地粉末に調整する前と後とで、その数値に大きな変動はない。
【0030】
本発明のボールベアリングは、例えば、ハードディスク装置、CD−ROMドライブ、MOドライブあるいはDVDドライブなどのコンピュータ用周辺機器、あるいはレーザープリンタ等のポリゴンスキャナなどの精密機器における回転駆動部軸受用のベアリングボールとして有効に使用することができる。これらの精密機器における回転駆動部の軸受には、例えば8000rpm以上(さらに高速性の要求される場合には、10000rpm以上ないし30000rpm以上)の高速回転が要求されるが、本発明のボールベアリングは、このような高速回転にて使用された場合でも、異音や振動などの発生を効果的に防止ないし抑制するとともに、表面上での剥離などが起こりにくく耐摩耗性に優れている。また、ベアリングボールの帯電が効果的に防止ないし抑制できるので、例えば小径ボール等において、製造中にボールが静電気により装置(例えば容器)用に付着してスムーズな工程進行が妨げられたりする不具合が生じにくくなる。また、ボールの帯電による異物の付着に起因した異音や振動の発生も効果的に防止ないし抑制される。
【0031】
このような高速回転用のベアリングボールとして使用する場合、使用中の異音や振動の発生を抑制するためには、ボールの真球度は0.08μm以下、直径不同は0.10μm以下の精度に確保されていることが望ましい。このように真球度あるいは直径不同を調整することで、高速回転で使用されても、長期間にわたってその寿命を確保することができる。この「真球度」及び「直径不同」は、JIS B 1501に規定されている。
【0032】
なお、ベアリングの適用分野によっては、ベアリングボールの導電性が向上することにより、上記のような静電気による帯電とは別の以下のような効果を生ずる場合がある。例えば、半導体ウェーハの測定装置、例えばその平面度の測定装置においては、回転測定テーブル上にウェーハを乗せて回転させながらウェーハと回転測定テーブルとの間に通電して静電容量を測定し、その静電容量の測定値に基づいてウェーハの平面度を評価する方法が採用されているが、このような場合、回転測定テーブルへの通電は、ベアリングとテーブルの回転軸とを導通路として行われるのが通常である。従って、ベアリングの内外輪の間での導通路を確保するために、上記分野に使用されるベアリングボールは従来、軸受用鋼などの金属がもっぱら使用されていた。しかしながら、金属製のベアリングボールは耐摩耗性がセラミックと比較すると劣るため、発塵や短寿命等の欠点があった。他方、ボール材質として通常の絶縁性のセラミックを用いたのでは導通路を確保できない問題がある。
【0033】
そこで、本発明のように、ボールの構成セラミックの一部を窒化チタン系相により構成して導電性を付与することにより、金属よりも耐摩耗性が優れたセラミックを使用しつつも、上記のような測定装置に必要な導通路の確保も行なうことが可能となる。なお、このようにベアリングボールを介した電気的測定を行なう場合は、ボールの構成セラミックの電気抵抗率を多少低め、例えば10Ω・cm以下に設定するのがよい。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。図4は、成形用素地粉末調製に使用する装置の一実施例である。該装置において、熱風流通路1は縦に配置された熱風ダクト4を含んで形成され、その熱風ダクト4の中間には、熱風の通過を許容し乾燥メディア2の通過は許容しない気体流通体、例えば網や穴空き板等で構成されたメディア保持部5が形成されている。そして、そのメディア保持部5上には、アルミナ、ジルコニア、及びそれらの混合セラミックのいずれかを主体とするセラミック球からなる乾燥メディア2が集積され、層状の乾燥メディア集積体3が形成されている。
【0035】
他方、原料粉末は、窒化珪素粉末、窒化チタン粉末及び焼結助剤粉末を配合し、さらに水系溶媒を加えてボールミルやアトライターにより湿式混合(あるいは湿式混合・粉砕)して得られる泥漿の形で準備される。窒化チタン粉末は、例えば酸素の含有率が3.0質量%以下、鉄の含有率が0.3質量%以下、かつレーザー回折式粒度計にて測定した50%粒子径が3.0μm以下のものが使用される。また、窒化珪素質粉末は、レーザー回折式粒度計にて測定した50%粒子径が例えば0.8μm以下であり、BET比表面積値が例えば10〜13m/gのものが使用される。なお、粉末の配合は、例えば窒化チタン粉末(焼成により窒化チタン系相となる)が10〜70質量%、窒化珪素粉末(焼成により窒化珪素質相となる)が20〜87質量%、酸化物系焼結助剤粉末(焼成により粒界相となる)が3〜10質量%となるように行なわれる。
【0036】
図6に示すように、乾燥メディア集積体3に対し、熱風が熱風ダクト4内においてメディア保持部5の下側から乾燥メディア2を躍動させつつ上側に抜けるように流通される。他方、図4に示すように、泥漿6は泥漿タンク20からポンプPにより汲み上げられ、該乾燥メディア集積体3に対して上方から落下供給される。これにより、図7に示すように、泥漿が熱風により乾燥されて乾燥メディア2の表面に粉末凝集層PLの形で付着する。
【0037】
そして、熱風の流通により、乾燥メディア2は躍動・落下を繰り返して相互に打撃を加え合い、さらにその打撃による擦れ合いにより、粉末凝集層PLは成形用素地粉末粒子9に粉砕される。この解砕された成形用素地粉末粒子9は、孤立した一次粒子形態のものも含んでいるが、多くは一次粒子が凝集した二次粒子となっている。該成形用素地粉末粒子9は、一定以下の粒径のものが熱風とともに下流側に流れていく(図4)。他方、ある程度以上に大きい解砕粒子は、熱風で飛ばされずに再び乾燥メディア集積体3に落下して、メディア間でさらに粉砕される。こうして、熱風とともに下流側に流された成形用素地粉末粒子9は、サイクロンSを経て回収部21に成形用素地粉末10として回収されている。
【0038】
図4において、乾燥メディア2の直径は、熱風ダクト4の流通断面積に応じて適宜設定する。該直径が不足すると、メディア上に形成される粉末凝集層への打撃力が不足し、所期の範囲の粒子径を有した成形用素地粉末が得られない場合がある。他方、直径が大きくなり過ぎると、熱風を流通しても乾燥メディア2の躍動が起こりにくくなるので同様に打撃力が不足し、所期の範囲の粒子径を有した成形用素地粉末が得られない場合がある。なお、乾燥メディア2は、なるべく大きさの揃ったものを使用することが、メディア間に適度な隙間を形成して、熱風流通時のメディアの運動を促進する上で望ましい。
【0039】
また、乾燥メディア集積体3における乾燥メディア2の充填深さt1は、熱風の流速に応じて、メディア2の流動が過不足なく生ずる範囲にて適宜設定される。充填深さt1が大きくなり過ぎると、乾燥メディア2の流動が困難となり、打撃力が不足して所期の範囲の粒子径を有した成形用素地粉末が得られない場合がある。また、充填深さt1が小さくなり過ぎると、乾燥メディア2が少なすぎて打撃頻度が低下し、処理能率低下につながる。
【0040】
次に、熱風の温度は、泥漿の乾燥が十分に進み、かつ粉末に熱変質等の不具合が生じない範囲にて適宜設定される。例えば泥漿の溶媒が水を主体とするものである場合、熱風温度が100℃未満になると、供給される泥漿の乾燥が十分進まず、得られる成形用素地粉末の水分含有量が高くなり過ぎて凝集を起こしやすくなり、所期の粒子径の粉末が得られなくなる場合がある。
【0041】
さらに、熱風の流速は、乾燥メディア集積体3を回収部21へ飛ばさない範囲にて適宜設定する。流速が小さくなり過ぎると、乾燥メディア2の流動が困難となり、打撃力が不足して所期の範囲の粒子径を有した成形用素地粉末が得られない場合がある。また、流速が大きくなり過ぎると、乾燥メディア2が高く舞い上がり過ぎて却って衝突頻度が低下し、処理能率の低下につながる。
【0042】
こうして得られた成形用素地粉末10は、転動造粒成形法により球状に成形することができる。すなわち、図1に示すように、成形用素地粉末10を造粒容器132内に投入し、図2に示すように、その造粒容器132を一定の周速にて回転駆動する。なお、造粒容器132内の成形用素地粉末10には、例えばスプレー噴霧等により水分Wを供給する。図3に示すように、投入された成形用素地粉末は、回転する造粒容器内に形成される傾斜した粉末層10kの上を転がりながら球状に凝集して成形体80となる。転動造粒装置30の運転条件は、得られる成形体Gの相対密度が61%以上となるように調整される。具体的には、造粒容器32の回転速度は10〜200rpmにて調整され、水分供給量は、最終的に得られる成形体中の含水率が10〜20重量%となるように調整される。
【0043】
転動造粒を行なうに際しては、成形体成長を促すため、図1に示すように、別途、成形核体50(セラミック粉末をプレス成形あるいは樹脂バインダとともに射出成形することにより製造できる)を造粒容器132内に投入しておくことが望ましい。こうすれば、図3(a)に示すように、成形核体50が成形用素地粉末層10k上を転がりながら、同図(b)に示すように、該成形核体50の周囲に成形用素地粉末10が球状に付着・凝集して球状成形体80となる(転動造粒工程)。この成形体80を焼結することにより、ベアリング素球90が得られる。なお、図2において成形用素地粉末10のみを造粒容器132内に投入して、成形体成長時よりも低速にて容器を回転させることにより粉末の凝集体を生成させ、十分な量及び大きさの凝集体が生じたら、その後容器132の回転速度を上げて、その凝集体を核体50として利用する形で成形体80の成長を行ってもよい。この場合は、上記のように別工程にて製造した核体を、敢えて成形用素地粉末10とともに容器132内に投入する必要はなくなる。
【0044】
成形核体50は、多少の外力が作用しても崩壊せずに安定して形状を保つことができる。その結果、図3(a)に示すように成形用素地粉末層10k上で転がった際にも、自重による反作用を確実に受けとめることができる。また、図3(e)に示すように、転がった時に巻き込んだ粉末粒子を表面にしっかりと押しつけることができるので、粉末が適度に圧縮されて密度の高い凝集層10aを成長できるものと考えられる。なお、核体を使用せずに転動造粒を行なうことも可能である。この場合、図3(d)に示すように、核体に相当する凝集体100は、成形初期の段階においては凝集度がやや低く軟弱なため、欠陥発生等につながらないように、容器の回転速度を多少落とすことが得策である。
【0045】
上記のような成形体80を焼成すれば、窒化珪素質相と窒化チタン系相と粒界相とが相互に分散した複合セラミック素球(以下、単に素球ともいう)を得ることができる。焼成は、1atmを超え、200atm以下の少なくとも窒素を含有する雰囲気下で焼成を行なうガス圧焼成か、1atm以下の少なくとも窒素を含有する雰囲気下で焼成を行なう常圧焼成により行なう。焼成温度は例えば1500〜1800℃の範囲で設定するのがよい。焼成温度が1500℃未満では、ポア等の欠陥を消滅させることができず強度が低下する一方、この温度が1800℃を越える場合には、粒成長によって焼結体の強度が低下するため好ましくない。なお、この焼成は、一次焼成及び二次焼成の2段階焼成によって行なうこともできる。例えば、一次焼成は、窒素を含む10気圧以下の常圧又はガス圧により、非酸化性雰囲気下にて1800℃以下で行い、一次焼成後の焼結体相対密度を78%以上、好ましくは90%以上となるように行なうことが望ましい。一次焼成後の焼結体相対密度が78%未満では、二次焼成後にポア等の欠陥が多く残る傾向があるため、好ましくない。また、二次焼成は、窒素を含む200気圧以下の常圧又はガス圧により、非酸化性雰囲気にて、1500から1800℃で行なうことができる。焼成の圧力が200気圧を超えると、得られる焼結体素球の表面硬さが上昇して研磨等の加工が困難となり、製品ボールの寸法精度を確保できなくなる場合がある。
【0046】
焼結により得られた素球は、前述の転動造粒法により成形体の相対密度を61%以上に高めることで、緻密化がより顕著に進み、球表層部に空隙等の欠陥が一層残留しにくくなる。この素球に、寸法調整のための粗研磨を経た後に、固定砥粒を用いて精密研磨することにより、本発明の導電性セラミックベアリングボールが得られる。該導電性セラミックベアリングボールは、真球度を0.08μm以下に確保できる。さらに、直径不同は0.10μm以下に確保することが可能である。
【0047】
図10に示すように、上記のようにして得られた導電性セラミックベアリングボール43は、鉄系金属製、例えば軸受鋼製の内輪42及び外輪41の間に組み込めば、ラジアル型のボールベアリング40が得られる。ボールベアリング40の内輪42内面に軸SHを固定すれば、導電性セラミックベアリングボール43は、外輪41又は内輪42に対して回転又は摺動可能に保持される。そして、該導電性セラミックベアリングボール43を構成する複合セラミックは、窒化チタン系相を30〜70質量%含有し、残部が主に窒化珪素質相及び粒界相よりなるものであり、20℃〜100℃における平均の線膨張係数が2×10−6/K〜5×10−6/Kとなる。この値は、窒化チタン系相を含有しない窒化珪素質セラミックの値よりも大きく、外輪41あるいは内輪42を構成する鉄系材料の線膨張係数に近づく。従って、ボールベアリング40を後述するハードディスク駆動機構やポリゴンスキャナに組み込んで高速回転させた場合にも、その温度上昇によりボール43と内輪42及び外輪41とのクリアランスが大きくなって、ベアリングの回転精度が損なわれてしまう問題を抑制することができる。
【0048】
また、該導電性セラミックベアリングボール43を構成する複合セラミッは、電気抵抗率が10Ω・cm以下と、比較的高い導電性を有するものとなる。その結果、帯電が効果的に防止ないし抑制される。例えば、製造後の導電性セラミックベアリングボールのロットをハンドリングする際に容器等へボールが静電気付着しにくくなり、工程流れをスムーズに保つことができる。また、ボールベアリング40に組み込んで使用した際に、静電気によるほこり等の異物付着が生じにくく、高速回転時でも振動や異音の発生を顕著に抑制することが可能となる。
【0049】
図11は、上記ボールベアリングを用いたハードディスク駆動機構の一構成例を示す縦断面図である。該ハードディスク駆動機構100は、本体ケース102の底内面中央に、筒状の軸保持部108が垂直に立ち上がる形態で形成され、その内側に筒状のベアリング保持ブッシュ112が同軸的に嵌め込まれている。ベアリング保持ブッシュ112は、外周面にブッシュ固定用フランジ110が形成され、これが軸保持部108の片端に当接する形で軸線方向の位置決めがなされている。また、ベアリング保持ブッシュ112の内側両端には、それぞれ本発明の導電性セラミックボール144を内輪140及び外輪136の間に複数配置した、図10と同様の構造のボールベアリング116,118が同軸的にはめ込まれ、ベアリング保持ブッシュ112の内周面から突出して形成されたベアリング固定フランジ132の両端部にそれぞれ当接・位置決めされている。
【0050】
ボールベアリング116,118の各内輪140,140内にはディスク回転軸146が挿通固定され、ベアリング116,118によりベアリング保持ブッシュ112ひいては本体ケース102に対して回転可能に支持されている。ディスク回転軸146の一端側には扁平筒状のディスク固定部材(回転部材)152が一体化されており、その外周縁に沿って壁部154が下向きに伸びる形で形成されている。その壁部154の内周面には励磁用永久磁石126が取付けられる一方、その内側には、ベアリング保持ブッシュ112の外周面に固定された界磁用コイル124が励磁用永久磁石126と対向する形で配置されている。界磁用コイル124と励磁用永久磁石126とはディスク回転駆動用の直流モータ122を構成する。また、ディスク固定部材152の壁部154の外周面からは、ディスク固定用フランジ156が張り出しており、ここに記録用ハードディスク106の内周縁部が、押さえプレート121との間に挟まれる形で保持・固定されている。なお、押さえプレート121を貫通する形で、固定用ボルト151がディスク回転軸146にねじ込まれている。
【0051】
磁界用コイル124への通電によりモータ122が作動し、ディスク固定部材152をロータとして回転駆動力を生ずる。これにより、ディスク固定部材152に固定されたハードディスク106は、ベアリング116,118により支持されたディスク回転軸146の軸線周りに、例えば5400〜15000rpmにて高速回転駆動される。
【0052】
次に、図12に、ヘッドアーム駆動部分を含めたハードディスクドライブ装置(以下、HDDと略記する。)の構造を示した。この構造では、ハブ401を介して磁気ディスク402を回転自在に支持する回転軸403と、先端に磁気ヘッド(図示せず。)を取付けたヘッドアーム404の回転軸405という2つの回転軸を有し、これらの回転軸403,405は、軸方向に間隔を開けて配置された2個1組みの、すでに説明したものと同じ構造の本発明のボールベアリング406,407で支持している。そして、磁気ディスク402の回転軸403を支持する一組の玉軸受406の内輪408は、回転軸403と一体に回転するように取り付け、外輪409をスピンドルモータ(回転軸403を出力軸とし、ベアリング406とともに本発明のベアリング付きモータを構成している)410の筒形固定子411の内周に嵌めて固定し、深皿形回転子412の中心に回転軸403を固定して回転軸403をスピンドルモータ410で回転させている。
【0053】
このような構造によって回転自在に支持された磁気ディスク402は、スピンドルモータ410の回転速度に応じて高速回転するが、その際に磁気記録データを読み書きする磁気ヘッドを取付けたヘッドアーム404も適宜に動作する。ヘッドアーム404の末端は回転軸405の上部で支持され、この回転軸405
を図外のVCM等からなるアクチュエータで軸周りに回転させ、ヘッドアーム404の先端を所要角度だけ旋回させて磁気ヘッドを所要位置に移動させる。このように回転軸405の回転動作により、磁気ディスク402の記録有効域における所要の磁気記録データの読み書きが可能となる。
【0054】
次いで、図13は、上記ボールベアリングを用いたポリゴンスキャナの一例を示すものである((a)は正面図、(b)は平面図、(c)は縦断面図である)。ポリゴンスキャナ300は写真撮影やコピー等の画像処理さらにはレーザープリンタにおいて、走査光ビームを生成するために用いられるものであり、基体311とそれを蓋するカバー312とよりなる略円筒状の密閉ケース313に、本発明のベアリング付きモータであるモータ314(ここではアウターロータ型とされている)が収容され、その固定軸315の両端がそれぞれ基体311及びカバー312に固定される。多角形板状体の各側面に反射鏡が形成されてなるポリゴンミラー316はこの例では正八角形板状体とされており、その中央部に形成された取付孔316aにモータ314のロータ317が挿通され、これに一体回転可能に固定される。そして、ロータ317は、図10と同様の構造の、本発明のボールベアリング323,323を介して固定軸315により回転可能に支持されている。モータ314は、最大回転数が例えば10000rpm以上ないし30000rpm以上にて高速回転する。
【0055】
基体311の側面にはポリゴンミラー316と対向する位置に光ビーム入出射用の窓318が設けられており、窓318には窓ガラス319が取付けられている。窓ガラス319は窓318に外側からはめ込まれ、一対の板ばね321によって押圧固定される。図中、322は板ばね321の他端側を基体311に固定するための取付けねじである。なお、基体311の内面側には、窓ガラス319の突当て面を構成するための突出部311aが存在している。
【0056】
モータ314の駆動により、ポリゴンミラー316は固定シャフト315の軸心回りに回転し、この回転するポリゴンミラー316に、レーザー光などの光ビームが窓318を介して所定の方向から入射される。ポリゴンミラー316の各側面の反射鏡は回転しながら、順次その入射光ビームを反射し、この反射光によって走査光ビームが生成され、この走査光ビームが窓318から出射される。
【0057】
他方、図14は、半導体ウェーハ(例えばシリコンウェーハ)の平面度の測定装置を示すものである。この装置では、回転測定テーブル200上にウェーハWを乗せて回転させながらウェーハWと回転測定テーブル200との間に通電して静電容量を測定し、その静電容量の測定値に基づいてウェーハWの平面度を評価するものである。回転テーブル200は軸201を介してモータ203により回転駆動されるとともに、そのラジアル方向の軸受が上記のボールベアリング40によりなされている。回転測定テーブル200への通電は、ベアリング40と軸200とを導通路として、測定用電源201によりなされる。
【0058】
【実験例】
本発明の効果を確認するために、以下の実験を行った。
原料となる窒化珪素質粉末及び窒化チタン粉末として以下のものを用意した:
▲1▼窒化珪素質粉末(50%粒子径0.5μm、BET比表面積値12m/g)100重量部と、炭酸マグネシウム粉末(50%粒子径0.6μm)1重量部と、酸化アルミニウム粉末(50%粒子径0.2μm)1重量部と、酸化ジルコニウム粉末(50%粒子径2μm)2重量部と、酸化セリウム粉末(50%粒子径1.5μm)2重量部との配合物(以下、焼結助剤含有窒化珪素質粉末という);
▲2▼窒化チタン粉末(50%粒子径1.1μm、酸素含有率2.0質量%、鉄含有率0.05質量%)
なお、粉末の50%粒子径はレーザー回折式粒度計(堀場製作所(株)製、品番:LA−500)により、また、BET比表面積値はBET比表面積測定装置(ユアサアイオニクス(株)製、マルチソープ12)により、それぞれ測定した。
【0059】
上記の窒化珪素質粉末に窒化チタン粉末を表1に示す各種質量比率となるように配合し、その配合物100重量部に溶媒としての純水50重量部と、適量の有機結合剤とを加えてアトライターミルにより10時間混合を行い、成形用素地粉末の泥漿を得た。泥漿は、図5に示す装置により成形用素地粉末とした。次に、各成形用素地粉末をそれぞれ転動造粒することにより、直径約2.5mmの球状成形体を作製した。得られた球状成形体は、100気圧のN雰囲気中で温度1700℃にて3時間焼成した。
【0060】
焼成後のボールは、表面を、真球度が0.08μm、算術平均粗さが0.012μmとなるように精密研磨し、直径2mmの導電性セラミックベアリングボールとした。他方、寸法4mm×8mm×20mmの板状の測定用試験片を作製し、電気比抵抗値(電気抵抗率に相当)を長手方向の直流4端子法にて測定した。また、各試験片をヒータにより20℃から200℃まで加熱し、長手方向の寸法変化を、レーザー干渉計を用いて測定するとともに、その結果から20℃〜100℃、及び20℃〜200℃の平均の線膨張係数を求めた。
【0061】
他方、研磨済みのベアリングボールを、高炭素クロム軸受鋼(JIS:SUJ)製の外輪と内輪との間に配置し、図10のようなベアリングを構成した。そして、その外輪にマイクロホン(ピックアップセンサ)を取り付け、さらに外輪を固定し、内輪を10000rpmにて回転させたときの、音の発生の有無を測定した。判定は、そのセンサ出力が30dBを超えた場合に異音発生(×)、30〜25dBの場合に軽微な異音発生(△)、25dB未満の場合に正常(○)として行った(◎はベストモード)。他方、試験後にセラミックボールの外観に異常を生じたもの(はくりが有るもの)を不可(×)、セラミックボールの外観に極軽微なものを除いては異常が見られなかったものを可(△)、試験後にセラミックボールの外観に全く異常が見られなかったもの(はくりが無いもの)を良(○)として判定した(◎はベストモード)。以上の結果を表1に示す。
【0062】
【表1】
Figure 0003949409
【0063】
この結果からも明らかなように、本発明の請求項に記載した数値範囲を満足するセラミックボールを使用したベアリングに関しては、音響及び試験後の外観のいずれにおいても良好な結果が得られていることがわかる。
【図面の簡単な説明】
【図1】転動造粒の工程説明図。
【図2】図1に続く工程説明図。
【図3】転動造粒成形工程の進行過程を説明する図。
【図4】相対累積度数の概念を示す説明図。
【図5】成形用素地粉末の製造装置の一例を概念的に示す縦断面図。
【図6】図1の装置の作用説明図
【図7】図2に続く作用説明図。
【図8】一次粒子径と二次粒子径との概念を説明する図。
【図9】結晶粒子の寸法の定義を示す説明図。
【図10】本発明のセラミックボールを用いたボールベアリングの模式図。
【図11】図10のボールベアリングを用いたコンピュータ用ハードディスク駆動機構の一例を示す縦断面図。
【図12】ヘッド駆動機構を備えたコンピュータ用ハードディスク装置の一例を示す断面図。
【図13】図10のボールベアリングを用いたポリゴンスキャナの一例を示す断面図。
【図14】図10のボールベアリングを用いた電気測定装置の一例を示す模式図。
【符号の説明】
40、116、118、406、407 セラミックボールベアリング
43、144、413、414 導電性セラミックベアリングボール
122 モータ
404 ヘッドアーム
100 ハードディスク駆動機構
300 ポリゴンスキャナ

Claims (14)

  1. 窒化珪素質相と窒化チタン系相とが混在した組織を有し、かつ20℃〜100℃における平均の線膨張係数が2×10−6/K〜5×10−6/Kとなるように、前記窒化珪素質相と前記窒化チタン系相との含有量比が調整されており、
    真球度が0.08μm以下であり、直径不同が0.10μmであることを特徴とする導電性セラミックベアリングボール。
  2. 前記窒化チタン系相を10〜70質量%含有し、前記窒化珪素質相と粒界相とを合計にて30〜90質量%含有する請求項1記載の導電性セラミックベアリングボール。
  3. 前記窒化珪素質相の含有量が20〜87質量%であり、前記粒界相の含有量が3〜10質量%である請求項2記載の導電性セラミックベアリングボール。
  4. 表面電気抵抗率が10Ω・cm以下である請求項1ないし3のいずれかに記載の導電性セラミックベアリングボール。
  5. ベアリング転動体として、鉄を主成分とする鉄系金属よりなる内輪と外輪との間に、請求項1ないし4のいずれかに記載の導電性セラミックベアリングボールが複数個組み込まれたことを特徴とするボールベアリング。
  6. ハードディスク装置のハードディスク回転主軸部分の軸受部品又はヘッドアームの駆動回転軸の軸受部品として使用される請求項5に記載のボールベアリング。
  7. 請求項5又は6に記載のボールベアリングを軸受部品として用いたことを特徴とするベアリング付きモータ。
  8. ハードディスク装置のハードディスク回転駆動部に使用される請求項7に記載のベアリング付きモータ。
  9. ポリゴンスキャナのポリゴンミラー駆動部に使用される請求項7記載のベアリング付きモータ。
  10. 最大回転数が8000rpm以上の高速回転用モータである請求項7ないし9のいずれかに記載のベアリング付きモータ。
  11. 請求項8又は10に記載のベアリング付きモータと、そのベアリング付きモータにより回転駆動されるハードディスクとを備えたことを特徴とするハードディスク装置。
  12. 請求項9又は10に記載のベアリング付きモータと、そのベアリング付きモータにより回転駆動されるポリゴンミラーとを備えたことを特徴とするポリゴンスキャナ。
  13. 鉄の含有量が0.3重量%以下である請求項1〜4記載の導電性セラミックベアリングボール。
  14. 鉄の含有量が0.1重量%以下である請求項1〜4記載の導電性セラミックベアリングボール。
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