JP3949063B2 - 記録媒体取付け用ハブ、記録再生特性評価装置および記録媒体取付け方法 - Google Patents
記録媒体取付け用ハブ、記録再生特性評価装置および記録媒体取付け方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ディスクリートトラック型の記録媒体におけるトラックの中心と回転軸との間の偏心量を低減可能な記録媒体取付け用ハブおよび記録再生特性評価装置、並びにディスクリートトラック型の記録媒体をハブに取り付ける際における記録媒体のトラックの中心とハブの回転軸との間の偏心量を低減可能な記録媒体取付け方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、トラック間を物理的な溝で分離することによってトラック相互間の磁気的干渉を低減してトラック間隔を狭め、情報を高密度で記録可能に構成された記録媒体であるディスクリートトラック型の記録媒体(以下、「ディスクリートトラック媒体」ともいう)が開発されている。このディスクリートトラック媒体は、一般的な磁気記録媒体(トラック間に溝のない磁気ディスク)と同様にして、その外形がディスク(円板体)状に形成されると共に、その中心部に円形の装着孔が形成されている。また、ディスクリートトラック媒体としては、そのトラックが磁気的な連続体として形成されている記録媒体が一般的であるが、磁気的に分離されたビットが配列されてトラック状に形成されているディスクリートビットトラック媒体も含まれる。このディスクリートトラック媒体においても、通常の記録媒体と同様にして、磁気ヘッドを用いて、表面に形成されたトラックに情報を記録し、かつ記録した情報を再生することにより、トラックの記録再生特性を評価する必要がある。
【0003】
ところで、ディスクリートトラック媒体では、製造精度上、装着孔の中心(ディスクリートトラック媒体の中心)とトラックの中心との間に約40μmの位置ずれが生じる可能性がある。また、トラックの記録再生特性を評価する記録再生特性評価装置における記録媒体取付け用ハブ(以下、「ハブ」ともいう)にディスクリートトラック媒体を取り付けた際にも、ハブの外径よりもディスクリートトラック媒体の装着孔の内径が大径に形成されていることに起因して、ハブへのディスクリートトラック媒体の取付位置が約30μm位置ずれするおそれがある。さらに、ディスクリートトラック媒体における装着孔の内径の製造上の公差によって取付け位置が約20μmばらつくおそれもある。
【0004】
したがって、記録再生特性評価装置に装着される際には、ディスクリートトラック媒体は、これらの位置ずれやばらつきに起因して、ハブの回転軸とディスクリートトラック媒体のトラックの中心との間において約90μm偏心した状態で装着されるおそれがある。この場合、偏心量が大きければ、記録再生特性評価装置においてディスクリートトラック媒体を回転させた際に、記録再生特性評価装置の磁気ヘッドの軌跡とディスクリートトラック媒体のトラックとが一致する区間が短くなる。したがって、この一致する区間、つまり磁気ヘッドのオントラック時間が短くなることに起因して、オントラック時間内にトラックから読み出した情報に基づくトラックの記録再生特性の評価を正確に行うのが困難であるという問題点が存在する。すなわち、一回転当たりに得ることができる測定情報が少ないため、記録再生特性の評価に要する時間が長時間化して、サーマルドリフトなどの外的要因の影響を受け易く、高精度の評価が困難であるという問題点も存在する。
【0005】
このため、例えば特開平5−20757号に開示されている技術、すなわち、バイメタル等の熱的に変形する素子をハブに配置して、ハブの回転軸と記録媒体のトラックにおける中心との間の偏心量を低減するという技術を利用して、オントラック時間を長くすることが考えられる。また、特開平5−314642号に開示されている技術、すなわち、ばね力によって記録媒体を記録再生特性評価装置のハブにクランプさせた状態で、記録再生特性評価装置に配設した補正機構(顕微鏡、マイクロメータヘッドおよびその回転駆動部)を用いて記録媒体の取付位置を変更してハブの回転軸とディスクリートトラック媒体におけるトラックの中心との間の偏心を補正するという技術を利用して、オントラック時間を長くすることも考えられる。
【0006】
【特許文献1】
特開平5−20757号公報(第2−3頁)
【特許文献2】
特開平5−314642号公報(第3頁)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前者の技術には、ハブの構造が複雑になることに起因して、ハブの組み立て精度が低下するため、偏心補正できる精度に限界があるという問題点が存在する。また、後者の技術には、補正機構を記録再生特性評価装置に配設する必要があるため、記録再生特性評価装置が大形化し、しかも記録媒体を交換する度に偏心補正を行う必要があるという問題点が存在する。
【0008】
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであり、簡易な構成でありながら、ディスクリートトラック型の記録媒体におけるトラックの中心と回転軸との間の偏心量を低減し得る記録媒体取付け用ハブ、大形化を回避しつつ記録媒体におけるトラックの中心と回転軸との間の偏心量を低減し得る記録再生特性評価装置を提供することを主目的とする。また、ディスクリートトラック型の記録媒体をハブに取り付ける際に、記録媒体のトラック中心とハブの回転軸との間の偏心量を低減し得る記録媒体取付け方法を提供することを他の主目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成すべく本発明に係る記録媒体取付け用ハブは、回転機構に取り付け可能に形成された固定ハブと、その軸線を前記回転機構の回転軸に略一致させた状態で前記固定ハブに着脱自在に装着されると共にその上面が記録媒体載置面として形成された着脱ハブと、当該着脱ハブの前記軸線に対するディスクリートトラック型の記録媒体におけるトラックの中心の偏心量を調整可能でかつ前記記録媒体載置面上に前記記録媒体を固定可能に構成された保持機構とを備えている。
【0010】
また、本発明に係る記録再生特性評価装置は、上記の記録媒体取付け用ハブと、前記固定ハブが取り付けられて前記記録媒体取付け用ハブを回動させる前記回転機構と、前記記録媒体に対して情報の記録再生を行うための磁気ヘッドとを備えている。
【0011】
また、本発明に係る記録媒体取付け方法は、回転機構に取り付け可能に形成された固定ハブにその軸線を前記回転機構の回転軸に略一致させた状態で着脱自在に装着される着脱ハブにおける記録媒体載置面にそのトラックの中心と当該着脱ハブの軸線とを略一致させた状態でディスクリートトラック型の記録媒体を固定し、当該記録媒体が固定された前記着脱ハブを前記固定ハブに取り付ける。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明に係る記録媒体取付け用ハブ、記録再生特性評価装置および記録媒体取付け方法の好適な実施の形態について説明する。
【0013】
最初に、本発明に係る記録再生特性評価装置の構成について、図面を参照して説明する。
【0014】
図1に示す記録再生特性評価装置1は、記録媒体評価装置であって、ハブ2、出力軸3aを備えた回転機構としてのモータ3、磁気ヘッド4、アクチュエータ5および制御部6を備え、ディスクリートトラック媒体7に対して情報の記録および再生を行うことによってディスクリートトラック媒体7の記録再生特性を評価可能に構成されている。
【0015】
ハブ2は、同図に示すように、固定ハブ11、着脱ハブ12および保持機構13を備えて構成されている。この場合、固定ハブ11は、外形が円柱状に形成されると共に、その軸線がモータ3における出力軸3aの軸線(回転軸A)に略一致する状態で出力軸3aに取り付けられている。また、固定ハブ11は、その上面中央部に円柱状の凸部11aが形成されると共に、凸部11aの上面中央部に雌ねじ孔11bが軸線に沿って形成されている。
【0016】
着脱ハブ12は、外形が円柱状に形成され、固定ハブ11の凸部11aに嵌合可能な底面視円形状の凹部12aが下面中央部に形成されると共に、平坦面に形成された記録媒体載置面としての上面の中央部に円柱突起12bが形成されている。この場合、円柱突起12bは、その外径がディスクリートトラック媒体7の装着孔7aの内径よりも小径(例えば約200μm小径)に形成されると共に、その外周面に雄ねじ(図示せず)が形成されている。また、着脱ハブ12には、円柱突起12bの上面から凹部12aの内底面に達する貫通孔12cが軸線に沿って形成されている。上記した構成により、着脱ハブ12は、固定ハブ11の凸部11aに凹部12aを嵌合させることにより、固定ハブ11の軸線、すなわち出力軸3aの回転軸Aに軸線を略一致させた状態で固定ハブ11の上部に着脱自在に取り付けられ、さらに固定ねじ14を貫通孔12cに挿入して固定ハブ11の雌ねじ孔11bと螺合させることにより、固定ハブ11に対して一体的に(相対回転不能に)固定される。また、着脱ハブ12の円柱突起12bには、締付けナット15が螺合されている。上記した保持機構13は、この締付けナット15、上記した着脱ハブ12の上面、および着脱ハブ12の円柱突起12bによって構成される。
【0017】
なお、モータ3の出力軸3a、固定ハブ11および着脱ハブ12は機械加工によってそれぞれ製造されるため、出力軸3aの軸線と固定ハブ11の軸線との間、および固定ハブ11の軸線と着脱ハブ12の軸線との間には偏心が生じる。したがって、厳密には、これらの部材同士の軸線を完全に一致させるのは困難である。しかしながら、各部材を高精度に加工することにより、各部材間の偏心を約10μmに収めることができ、この偏心量は上記した他の要因に起因する偏心量に比べて非常に小さくなっている。このため、本明細書では、理解を容易にすべく、この程度(10μm程度)の偏心が各部材間に生じていたとしても、各部材の軸線同士が略一致しているものとして説明する。
【0018】
なお、固定ハブ11の凸部11aを楕円や多角形等の非円形の平面形状に形成し、かつ凹部12aの底面視形状をその相補的形状に形成することもできる。この構成を採用した場合、着脱ハブ12は、固定ハブ11に凹凸嵌合した状態において、固定ハブ11に対して相対回転不能な状態で取り付けられる。この構成によれば、モータ3の回転力を固定ハブ11を介して着脱ハブ12に確実に伝達することができる。また、逆に、固定ハブ11側に凹部を形成し、かつ着脱ハブ12側に凸部を形成することで着脱ハブ12と固定ハブ11とを凹凸嵌合させる構成を採用することもできる。
【0019】
モータ3は、作動信号Saを入力しているときに回転してハブ2を一定の回転数で回転させる。磁気ヘッド4は、入力した情報をディスクリートトラック媒体7に記録する機能と、ディスクリートトラック媒体7から読み出した情報を出力する機能とを備えている。アクチュエータ5は、入力した制御信号Sbの指示に従ってディスクリートトラック媒体7上で磁気ヘッド4を移動させる。
【0020】
制御部6は、CPUおよびメモリ等によって構成され、記録再生特性評価装置1の各構成要素に対する動作制御を実行する。具体的には、制御部6は、作動信号Saを出力することによってモータ3の動作を制御する。また、制御部6は、制御信号Sbを出力することによってアクチュエータ5の動作を制御する。さらに、制御部6は、メモリに記憶されている情報を読み出して磁気ヘッド4に出力すると共に、磁気ヘッド4を介してディスクリートトラック媒体7から読み出した情報を入力してメモリに記憶する。また、制御部6は、ディスクリートトラック媒体7から読み出した情報に基づいてディスクリートトラック媒体7におけるトラックの記録再生特性を評価するするための各種データを生成する。
【0021】
次に、記録媒体装着装置21の概要構成について図2を参照して説明する。この記録媒体装着装置21は、ディスクリートトラック媒体7を、そのトラックの中心が着脱ハブ12の軸線と略一致するように調整して着脱ハブ12に取り付けるために使用される装置であって、一例として、着脱ハブ用装着部(以下、「装着部」ともいう)22、測長顕微鏡23、ディジタル表示装置24、2つのマイクロメータヘッド25(図3参照。図2には、1つのみを図示する)、各マイクロメータヘッド25に設けられた回転駆動部26、リモートコントローラ27、媒体固定部28、およびX−Yステージ29を備えて構成されている。この場合、測長顕微鏡23は、装着部22に装着された着脱ハブ12の中心(軸線)C(図3参照)に対するディスクリートトラック媒体7におけるトラックT(同図参照)の中心Bの偏心量を算出して出力する。この場合、その偏心量は、X−Yステージ29におけるX軸方向およびY軸方向の各ずれ量(ΔX,ΔY)として算出される。ディジタル表示装置24は、測長顕微鏡23によって算出された偏心量を記憶すると共にディジタル表示する。各回転駆動部26は、リモートコントローラ27を介して入力される制御信号に基づいて所定方向に所定角度回転することにより、対応するマイクロメータヘッド25を所望量だけ突出入させる。媒体固定部28は、X−Yステージ29の上面に配設されると共に、ディスクリートトラック媒体7を保持してX−Yステージ29上に固定する機能を備えている。X−Yステージ29は、基台30上に載置されると共に、突出入する各マイクロメータヘッド25によって駆動されることにより、媒体固定部28を装着部22に対してX軸方向およびY軸方向に相対移動させる。したがって、各マイクロメータヘッド25を突出入させることにより、媒体固定部28に保持されたディスクリートトラック媒体7と装着部22に装着された着脱ハブ12との相対位置が任意に変化する。
【0022】
次いで、ディスクリートトラック媒体7におけるトラックTの記録再生特性評価装置1に対する偏心除去方法について、模式図を参照して説明する。
【0023】
まず、図2,3に示すように、着脱ハブ12を記録媒体装着装置21の装着部22に装着する。次いで、同図に示すように、ディスクリートトラック媒体7を媒体固定部28に固定する。この場合、ディスクリートトラック媒体7の装着孔7a内に着脱ハブ12の円柱突起12bを進入させて、ディスクリートトラック媒体7の内周側下面を着脱ハブ12の上面に当接させる。この場合、着脱ハブ12における円柱突起12bの外径がディスクリートトラック媒体7の装着孔7aの内径よりも小径に形成されているため、各マイクロメータヘッド25を突出入させてX−Yステージ29を駆動することにより、ディスクリートトラック媒体7を着脱ハブ12に対して任意の方向に向けて最大で所定量(約100μm)だけ移動可能となっている。この場合、移動可能なこの所定量は、上記したハブ2の回転軸Aとディスクリートトラック媒体7におけるトラックTの中心Bとの最大偏心量(例えば、上記した約90μm)を補正し得る移動量以上に規定されている。
【0024】
次いで、ディジタル表示装置24に表示されているディスクリートトラック媒体7におけるトラックTの中心Bと着脱ハブ12の中心Cとの偏心量を観察しつつリモートコントローラ27を操作して、この偏心量がゼロになるようにディスクリートトラック媒体7を移動させる(トラックTの中心Bの着脱ハブ12の中心Cへの位置決め作業を実施する)。例えば、図3に示すように、トラックTの中心Bが着脱ハブ12の中心Cに対して左側に偏心している場合、ディスクリートトラック媒体7を右方向に移動させて、図4に示すように、トラックTの中心Bを着脱ハブ12の中心C上に移動させる。
【0025】
次いで、偏心量がゼロになった場合には、図5に示すように、円柱突起12bに締付けナット15を螺合して、締付けナット15と着脱ハブ12の上面との間でディスクリートトラック媒体7を挟持してディスクリートトラック媒体7を着脱ハブ12に固定する。次いで、ディジタル表示装置24に表示されている偏心量がゼロか否かを再確認する。その確認の結果、偏心量がゼロの場合には、着脱ハブ12へのディスクリートトラック媒体7の取付け作業を完了する。なお、ゼロでない場合には、締付けナット15を緩めて、上記した位置決め作業を繰り返す。この記録媒体装着装置21では、測長顕微鏡23の性能(測定精度)に起因する約3μmの偏心量内でディスクリートトラック媒体7を着脱ハブ12に対して位置決めすることができる。したがって、上記した位置決め作業により、着脱ハブ12の中心Cに対するディスクリートトラック媒体7におけるトラックTの中心Bの偏心量が約3μm以内(略一致した状態)となるようにディスクリートトラック媒体7を着脱ハブ12に固定することができる。
【0026】
次いで、ディスクリートトラック媒体7が固定された着脱ハブ12を記録再生特性評価装置1の固定ハブ11に取り付ける。この場合、上記したように、固定ハブ11に対する着脱ハブ12の偏心量が約10μmのため、ディスクリートトラック媒体7は、トラックTの中心Bと回転軸Aとの間の偏心量が約13μm(=約10μm+約3μm)以内となるようにハブ2に固定される。最後に、固定ねじ14を貫通孔12c内に挿入して雌ねじ孔11bに螺合させて、着脱ハブ12を固定ハブ11に固定する。これにより、記録再生特性評価装置1を作動させることで、以後、ディスクリートトラック媒体7のトラックに関する記録再生特性が評価される。
【0027】
このように、この記録再生特性評価装置1によれば、固定ハブ11および着脱ハブ12の2つにハブ2を分割し、かつ着脱ハブ12の中心(軸線)Cに対するディスクリートトラック媒体7におけるトラックTの中心Bの偏心量を調整して着脱ハブ12の上面にディスクリートトラック媒体7を固定可能な保持機構13を着脱ハブ12に設けるという簡易な構成により、装着孔7aの中心に対するトラックTの中心Bの偏心量が大きいディスクリートトラック媒体7であっても、この偏心量を最小限に抑えつつディスクリートトラック媒体7をハブ2に固定することができる。このため、記録再生特性評価装置1において、ディスクリートトラック媒体7のトラックに関する記録再生特性を評価する際のオントラック時間を十分に長くできる結果、高い精度でトラックに関する記録再生特性を評価することができる。また、ディスクリートトラック媒体7の一回転当たりのオントラック時間を十分に長くできるため、一回転当たりに得ることができる測定情報を増やすことができる結果、記録再生特性の評価に要する時間を十分に短縮することができる。したがって、記録再生特性の評価時間が長時間化することで問題となるサーマルドリフトなどの外的要因の影響を最小限に抑えることができるため、一層高精度の評価を行うことができる。
【0028】
また、着脱ハブ12をディスクリートトラック媒体7毎に用意し、記録媒体装着装置21を使用して着脱ハブ12にディスクリートトラック媒体7を一旦取り付けた後では、着脱ハブ12とディスクリートトラック媒体7とを分離せずに一体として保管する方法を採用することもできる。この方法によれば、保管したディスクリートトラック媒体7におけるトラックの記録再生特性を再度評価する際に、記録媒体装着装置21を使用することなく、記録再生特性評価装置1にディスクリートトラック媒体7を着脱ハブ12と共に装着するだけで偏心量の少ない状態で記録再生特性を評価することができる結果、評価に要する時間を大幅に短縮することができる。
【0029】
なお、本発明は、上記した実施の形態に限定されない。例えば、本発明の実施の形態では、円柱突起12bの外周面に雄ねじを形成して締付けナット15を螺合させることにより、ディスクリートトラック媒体7を着脱ハブ12に固定する固定機構を採用した例について説明したが、ねじ構造に代えてバヨネット構造等の各種の公知の固定機構を採用することができる。また、モータ3の出力軸3a自体を固定ハブとして構成する場合には、この出力軸3aに対して着脱ハブ12を着脱自在に取り付けて構成することもできる。
【0030】
また、図6に示す固定構造をモータ3の出力軸3aへの固定ハブの固定構造、固定ハブへの着脱ハブの固定構造、および着脱ハブへのディスクリートトラック媒体7の固定構造に採用することにより、ディスクリートトラック媒体7をねじによって固定することもできる。この場合、同図に示すように、固定ハブ31は、外形が円柱状に形成されると共に、上面中央部に開口する中心孔31aが中心部に形成されている。また、固定ハブ31の上面には、中心孔31aを取り囲むようにして円筒体31bが立設されている。また、中心孔31aを構成する固定ハブ31の内底面から固定ハブ31の下面に貫通する貫通孔31cが中心孔31aと同軸に形成されている。また、固定ハブ31の上面には、ねじ孔31dが一例として等角度間隔で4つ設けられている。また、固定ハブ31の下面には、固定ハブ31の中心部から離間した位置にピン31eが一例として2本立設されている。
【0031】
着脱ハブ32は、図6に示すように、その外形が下端側から上端側に向けて段階的に小径になる円筒状に形成されている。具体的には、着脱ハブ32は、各々の内径が同径に形成された外径の異なる3種類の円筒体(大径筒体32a、中径筒体32b、小径筒体32c)をこの順に各軸線を一致させた状態で一体的に積層した構成と等価な構成に形成されている。この場合、大径筒体32aは、その外径がディスクリートトラック媒体7の装着孔7aの内径よりも大径に形成されている。また、中径筒体32bは、その高さ(厚み)がディスクリートトラック媒体7の厚みよりも若干短めに形成され、その外径がディスクリートトラック媒体7における装着孔7aの内径よりも小径に形成されている。また、中径筒体32bおよび大径筒体32aには、中径筒体32bの上面から大径筒体32aの下面に貫通しねじ孔31dに連通する貫通孔32dが軸線と平行に形成されている。さらに、中径筒体32bの上面には、各貫通孔32dの中間位置にねじ孔32eがそれぞれ形成されている。
【0032】
出力軸3aは、図6,7に示すように、上面中央部に開口するねじ孔3bが中心部に形成されると共に、ピン31eを挿入可能な凹部3cがピン31eに対応する位置に形成されている。この場合、凹部3cの内径は、ピン31eの外径よりも大径に形成されている。
【0033】
固定用円板33は、中心孔33aの内径が小径筒体32cの外径よりも若干大径に形成されると共に、図8に示すように、着脱ハブ32の貫通孔32dおよびねじ孔32eの各位置に対応して貫通孔33bが中心孔33aの周囲に8つ形成されている。この場合、ディスクリートトラック媒体7に対する保持機構36は、大径筒体32aの上面、固定用円板33、およびねじ孔32eと螺合する取付ねじ34によって構成される。
【0034】
次いで、ディスクリートトラック媒体7におけるトラックTの記録再生特性評価装置1に対する偏心除去方法について説明する。
【0035】
まず、図6に示すように、固定ハブ31を出力軸3a上に固定する。具体的には、各ピン31eを出力軸3aの凹部3cに挿入した状態で出力軸3aの上面に固定ハブ31を載置し、さらに、固定ハブ31の中心孔31aから貫通孔31cに取付ねじ41を挿入してその先端部をねじ孔3bに螺合させることにより、固定ハブ31を出力軸3aに相対回転不能に固定する。この場合、貫通孔31cの内径よりも小径の取付ねじ41を使用することにより、貫通孔31cと取付ねじ41との間、および凹部3cとピン31eとの間にそれぞれクリアランスが生じる。このため、取付ねじ41のねじ締め前の状態では、このクリアランスを利用して固定ハブ31を出力軸3a上で円筒体31bの外周面を測定面としてダイヤルゲージなどを用いて中心位置を調整することにより、出力軸3aの回転軸に固定ハブ31の中心軸を略一致させることができる。したがって、固定ハブ31の製造精度に影響されることなく、出力軸3aの回転軸に固定ハブ31の中心軸を略一致させた状態で固定ハブ31を出力軸3aに固定することができる。
【0036】
次いで、着脱ハブ12の場合と同様にして、着脱ハブ32にディスクリートトラック媒体7を位置決めして固定する。具体的には、記録媒体装着装置21を使用することにより、着脱ハブ32における大径筒体32aの上面(記録媒体載置面)においてディスクリートトラック媒体7の位置を移動させて着脱ハブ32の中心にディスクリートトラック媒体7におけるトラックTの中心Bを略一致させる(位置決めする)。続いて、中心孔33a内に小径筒体32cを挿入することによって固定用円板33をディスクリートトラック媒体7および中径筒体32bの上面に載置した後、固定用円板33の貫通孔33b内に取付ねじ34を挿入して着脱ハブ32のねじ孔32eに螺合させることにより、大径筒体32aの上面と固定用円板33の下面との間でディスクリートトラック媒体7を挟持して固定する。
【0037】
次いで、着脱ハブ32内に固定ハブ31の円筒体31bを挿入して、固定ハブ31の上面に着脱ハブ32を載置する。続いて、固定用円板33の貫通孔33bおよびこの貫通孔33bに連通する着脱ハブ32の貫通孔32d内に取付ねじ35を挿入して固定ハブ31のねじ孔31dに螺合させることにより、着脱ハブ32を固定ハブ31に固定する。したがって、図6に示す固定構造を採用することにより、図1に示す固定構造と比較して、固定ハブ31の中心軸と出力軸3aの回転軸との位置合わせ精度を高くすることができるため、より高い精度でディスクリートトラック媒体7のトラックTの中心Bを出力軸3aの回転軸に略一致させることができる。
【0038】
【発明の効果】
以上のように、本発明に係る記録媒体取付け用ハブおよび記録媒体取付け方法によれば、回転機構に取り付け可能に形成された固定ハブにその軸線を回転機構の回転軸に略一致させた状態で着脱自在に装着される着脱ハブにおける記録媒体載置面にそのトラックの中心と着脱ハブの軸線とを略一致させた状態でディスクリートトラック型の記録媒体を固定し、記録媒体が固定された着脱ハブを固定ハブに取り付けることにより、回転機構の出力軸または固定ハブの回転軸に対するトラックの中心の偏心量を低減することができるため、簡易な構成でありながら、回転機構の出力軸またはハブの回転軸に対するトラックの中心の偏心量を最小限に抑えつつ記録媒体をハブに固定することができる。
【0039】
また、本発明に係る記録再生特性評価装置によれば、上記の記録媒体取付け用ハブと、固定ハブが取り付けられて記録媒体取付け用ハブを回動させる回転機構と、ディスクリートトラック型の記録媒体に対して情報の記録再生を行うための磁気ヘッドとを備えたことにより、ハブの回転軸に対するトラックの中心の偏心量を最小限に抑えつつ記録媒体をハブに固定することができるため、記録媒体のトラックに関する記録再生特性を評価する際のオントラック時間を十分に長くすることができる結果、高い精度でトラックに関する記録再生特性を評価することができる。また、記録媒体の一回転当たりのオントラック時間を十分に長くでき、それによって一回転当たりに得ることができる測定情報を増やすことができる結果、記録再生特性の評価に要する時間を十分に短縮することができる。したがって、記録再生特性の評価時間が長時間化することに起因して問題となるサーマルドリフトなどの外的要因の影響を最小限に抑えることができるため、一層高精度の評価を行うことができる。また、記録媒体を着脱ハブに一旦取り付けた後では、着脱ハブと記録媒体とを分離せずに一体として保管することにより、保管した記録媒体におけるトラックの記録再生特性を再度評価する際に、記録媒体装着装置を使用することなく、記録再生特性評価装置に記録媒体を着脱ハブと共に装着するだけで偏心量の少ない状態で記録再生特性を評価することができる結果、評価に要する時間を大幅に短縮することができる。さらに、補正機構などを必要としないため、装置の大形化を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態に係る記録再生特性評価装置1の構成図である。
【図2】 記録媒体装着装置21の構成図である。
【図3】 記録媒体装着装置21において、着脱ハブ12上にディスクリートトラック媒体7を載置した状態の模式的な平面図である。
【図4】 図3に示す状態から、ディスクリートトラック媒体7におけるトラックTの中心Bを装着部22の中心C上に移動させた状態の模式的な平面図である。
【図5】 記録媒体装着装置21において、締付けナット15を使用して着脱ハブ12にディスクリートトラック媒体7を固定した状態の断面図である。
【図6】 モータ3の出力軸3aに固定ハブ31を固定する固定構造、固定ハブ31に着脱ハブ32を固定する固定構造、および着脱ハブ32にディスクリートトラック媒体7を固定する固定構造の断面図である。
【図7】 図6におけるモータ3の平面図である。
【図8】 図6に示す構成においてディスクリートトラック媒体7を着脱ハブ32に載置した状態(取付ねじ34,35による固定前の状態)の平面図である。
【符号の説明】
1 記録再生特性評価装置
2 ハブ
3 モータ
3a 出力軸
4 磁気ヘッド
5 アクチュエータ
6 制御部
7 ディスクリートトラック媒体
11,31 固定ハブ
12,32 着脱ハブ
12b 円柱突起
13 保持機構
14,41 固定ねじ
15 締付けナット
21 記録媒体装着装置
22 装着部
23 測長顕微鏡
24 ディジタル表示装置
25 マイクロメータヘッド
26 回転駆動部
27 リモートコントローラ
A 回転軸
Claims (3)
- 回転機構に取り付け可能に形成された固定ハブと、その軸線を前記回転機構の回転軸に略一致させた状態で前記固定ハブに着脱自在に装着されると共にその上面が記録媒体載置面として形成された着脱ハブと、当該着脱ハブの前記軸線に対するディスクリートトラック型の記録媒体におけるトラックの中心の偏心量を調整可能でかつ前記記録媒体載置面上に前記記録媒体を固定可能に構成された保持機構とを備えている記録媒体取付け用ハブ。
- 請求項1記載の記録媒体取付け用ハブと、前記固定ハブが取り付けられて前記記録媒体取付け用ハブを回動させる前記回転機構と、前記記録媒体に対して情報の記録再生を行うための磁気ヘッドとを備えている記録再生特性評価装置。
- 回転機構に取り付け可能に形成された固定ハブにその軸線を前記回転機構の回転軸に略一致させた状態で着脱自在に装着される着脱ハブにおける記録媒体載置面にそのトラックの中心と当該着脱ハブの軸線とを略一致させた状態でディスクリートトラック型の記録媒体を固定し、当該記録媒体が固定された前記着脱ハブを前記固定ハブに取り付ける記録媒体取付け方法。
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