JP3948910B2 - 食器洗い機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、食器洗い機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、食器洗い機において、洗浄槽内に溜めた洗浄水(洗剤が溶けた水)をヒータによって所定の洗い温度まで加熱するとともに、この加熱した洗浄水をポンプによってノズルへ送り、ノズルによって食器に洗浄水を噴きつけて食器を洗い、すすぐ構成のものが知られている。
【0003】
このような食器洗い機においては、泡立ちのしやすい一般の食器用洗剤を使用すると、洗浄運転中に異常発泡を起こしてしまい、これにより洗浄性能が極端に低下したり、乾燥風の吸気口や排気口から泡漏れを起こしてしまう虞がある。このため、このような食器洗い機の洗剤としては、泡立ちの小さい専用洗剤が使用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
専用洗剤を使用する旨は取扱説明書などに明記されているものの、それでも使用者により、誤って一般の食器用洗剤が使用されてしまう場合がある。
【0005】
本発明は、使用者が誤って一般の食器用洗剤を使用し、異常発泡が起きても、これに適切に対応できる食器洗い機を提案することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
本発明の食器洗い機は、洗浄槽の底部に溜めた水を洗浄手段の動作によって食器に噴きつけて食器の洗い、すすぎを行う食器洗い機において、
フロートと、前記洗浄槽内の水位が洗浄運転を行うための洗浄水位よりも高い異常水位になったり洗浄槽内で異常発泡が生じたりして前記フロートが上昇することにより、異常状態を検知する異常検知手段と、
洗浄運転中に、前記異常検知手段により前記洗浄槽内の異常状態が検知されると、洗浄運転を中止して排水動作を行い、前記洗浄槽内に溜められた水を排水する異常処理手段と、
前記異常処理手段によって排水動作が行われたとき、この排水動作によって前記洗浄槽内の水位が正常に低下したか否かを検知する排水状態検知手段と、
前記異常処理手段による排水の終了後、前記洗浄槽内に給水して泡を消す動作を行う泡消手段と、
異常を報知するための報知手段と、を備え、
前記異常処理手段によって排水動作が行われた結果、前記異常検知手段により異常状態が検知されなくなり、且つ前記排水状態検知手段により前記洗浄槽内の水位が正常に低下したと検知された場合には、発泡異常であると判断して、前記泡消手段による泡消し動作を行うとともに前記報知手段により発泡異常を報知し、
一方、前記異常処理手段によって排水動作が行われた結果、前記異常検知手段により異常状態が検知されたままである、及び/又は前記排水状態検知手段により前記洗浄槽内の水位が正常に低下していないと検知された場合には、機器の故障異常であると判断して、前記泡消手段による泡消し動作を行わずに前記報知手段により機器の故障異常を報知する、
ことを特徴としている。
【0007】
この構成では、泡立ちやすい一般の食器用洗剤が使用されるなどの原因によって、洗浄運転中に異常発泡が起こると、これを検知して洗浄運転を中止する。よって、これ以上の発泡が止まるので、機外への泡漏れを防止できる。また、洗浄運転中止後は、排水を行うことにより洗浄槽内の水をほぼすべて捨てる。よって、再び洗浄運転に発泡しやすい水が使用されることがないので、次に洗浄運転を行ったときに再び異常発泡が起きるのを防止できる。
【0009】
この構成では、排水後、さらに洗浄槽内に残った泡を消すよう動作する。例えば、給水及び排水を行なって洗浄槽内の泡を機外へ洗い流す。または、給水して洗浄槽内に新たな水を溜め、洗浄手段を動作させ洗浄槽内に水を噴きつけて洗浄槽内を洗い、洗浄槽内の泡を消し、その後排水して水とともに洗剤分を機外へ捨てる。これにより、残った洗剤分を除去できるので、次に洗浄運転を行ったときに異常発泡が起きるのを一層防止できる。
【0017】
常発泡の場合は、排水が行われることにより、正常に水位低下が起きるので、異常検知手段は、すぐに異常水位でなくなったと検知する。また、排水状態検知手段では正常に水位低下したことが検知される。
【0018】
一方、給水弁が故障し給水が止まらないような場合や異常検知手段自身が故障した場合は、排水を行ったとしても、異常検知手段が異常水位を検知したままになる。あるいは、排水状態検知手段で正常に水位低下していないと検知されることになる。上記構成では、このようなことが検知された場合、発泡異常ではないと判断して、機器の故障異常として報知し、泡消し動作を行わないようにする。したがって、無駄に発泡に対する処理を継続してしまうことがなく、確実な処理を行うことができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による食器洗い機の一実施形態について、各図面を参照して説明する。なお、左右の表現は食器洗い機の正面視によるものとする。
【0022】
図1に示すように、本実施形態の食器洗い機1は、いわゆる卓上型であり、流し台100のシンク101の横のスペースA(壁とシンクとの間)に設置される。
且つ、食器洗い機1の前面、即ち扉2が、流し台100の正面を向くように設置されており、使用者が食器洗い機1への食器の出し入れを容易に行なうことができる。
【0023】
この食器洗い機1は、外形寸法が従来の卓上型の食器洗い機と異なり、横幅の寸法が奥行の寸法に比べてかなり小さく、横幅:奥行=1:1.5以上となっている。具体的には、横幅Wが約335mm、奥行Dが約520mm、高さHが約520mmである。(図1から図3を参照)
キャビネット3の底面には前後左右に4つの脚4が設けられている。左右の脚4の幅Xは約190mmである。また、キャビネット3の一側面とこの一側面に遠い側の脚4の底面の一番外側との寸法Y(以下、側面−脚寸法という)は約280mmである。
【0024】
一般に、市販されている流し台においては、シンク横のスペースAで一番狭いものは150mmである。食器洗い機では270mmの大皿が洗浄できる必要があるため、このスペースに設置できる食器洗い機の実現は極めて難しい。シンク横のスペースAで次に狭いものは300mmである。したがって、片側が壁となる300mmのスペースに設置できるためには、上述の側面−脚寸法を300mm以下とする必要がある。
【0025】
横幅Wを大きくすれば、側面−脚寸法との関係から左右の脚4の幅Xが縮まってきて、食器洗い機1を安定して支持できなくなる。したがって、安定した支持を確保するため、横幅Wは350mm以下とするのが好ましい。さらに、270mmの大皿を収容するためには、設計上、横幅Wは300mm以上にする必要がある。したがって、本発明の卓上型の食器洗い機1では、横幅Wは300mm以上350mm以下とするのが好ましい。
【0026】
上記のような寸法構成とすることにより、シンク101の横のスペースAが十分にない流し台においても、扉2が流し台100の正面を向いた(同方向を向いた)状態で設置することが可能となる。
【0027】
キャビネット3内には洗浄タンク5が配置されている。この洗浄タンク5は、前面に食器投入口6が形成された樹脂タンク7と、樹脂タンク7の上部内壁を覆うように取り付けられた、耐腐食性の金属、例えばステンレス製のパネル8とからなる。
【0028】
前記樹脂タンク7は、前面及び下面が開放する上タンク7aと上面が開放する下タンク7bとを結合して作られている。前記パネル8は、天面及びこの天面の後縁から垂下した後面及び天面の両側縁から垂下した側面を有している。パネル8の下端8aは上タンク7aと下タンク7bとの継ぎ目部よりも下方に位置する。即ち、継ぎ目部はパネル8によって覆われており、洗浄時に継ぎ目部から水が漏れ難いようにしている。前記洗浄タンク5は、キャビネット3の外形に合わせて、やはり奥行の寸法に比べて横幅の寸法が小さくなっている。具体的には、横幅が約290mm、奥行が約450mm、高さ約460mmである
前記洗浄タンク5の底面には、一部の底を深くして貯水槽9を形成している。この貯水槽9は底面前部の左寄りに形成されている。この貯水槽9は、洗浄兼排水ポンプ10(以後、洗浄ポンプと略す)につながっている。この貯水槽9の上部には食器から出た残滓を回収する残滓フィルタ11が着脱可能に備えられている。残滓フィルタ11の前側には取っ手11aが設けられている。
【0029】
前記洗浄タンク5の底面において、前記貯水槽9の後方部分、即ち右側の中央から後方にかけての部分は、左側の部分に比べて高く隆起させ、隆起部12を形成している。この隆起部12には、長尺なノズルベース13を長手方向(前後方向)に配置している。ノズルベース13は、流路を構成するために中空となっており、前記洗浄ポンプ10の吐出し側につながっている。なお、前記洗浄ポンプ10は洗浄タンク5の外底面であって隆起部12の裏面に取り付けられている。
【0030】
前記ノズルベース13の先端部の上面には前ノズル軸14が形成されており、この前ノズル軸14には前ノズルアーム15が回転自在に支持されている。また、ノズルベース13の中央やや後ろ側の上面には後ノズル軸16が形成されており、この後ノズル軸16には後ノズルアーム17が回転自在に支持されている。前ノズルアーム15は、主に前記洗浄タンク5内の前側に収容された食器を洗浄するためのものであり、上面には噴射口を備えたノズル15aが複数設けられている。後ノズルアーム17は、主に洗浄タンク5内の後側に収容された食器を洗浄するためのものであり、上面には噴射口を備えたノズル17aが複数設けられている。
【0031】
こうして、洗浄時、洗浄ポンプ10が洗浄動作を行うと、洗浄タンク5底部に溜められた水は、洗浄ポンプ10によって、ノズルベース13へ送られ、ノズルベース13を通って前ノズルアーム15及び後ノズルアーム17へと送られる。これにより、ノズルアーム15、17は回転しながら上方に向かって水を噴射し、食器カゴ(後述する)に収容された食器に水が掛けられ、食器が洗浄される。
【0032】
また、排水時、洗浄ポンプ10が排水動作を行うと、洗浄タンク5底部の水が排水ホース18を通って機外へ排出される。卓上型の食器洗い機の場合には、排水ホース18の先はシンク101内に入れられるので、シンク101内に排水されることになる。
【0033】
さて、前記ノズルベース13の先端部13aは少し中央側に曲がっており、後ノズル軸が形成されている部位13bは少し中央側に張り出している。これにより、前ノズルアーム15の中心(前ノズル軸14)及び後ノズルアーム17の中心(後ノズル軸16)を前記洗浄タンク5内の左右方向における中心部に位置するようにしている。また、ノズルベース13の先端部13aは、残滓フィルタ11の上方に張り出している。且つ、残滓フィルタ11とノズルベース13との間には、残滓フィルタ11を取り外すための空間Bを開けている。より具体的には、前記隆起部12にノズルベース13を配置することで前記空間Bが確保されている。
【0034】
縦長であり横幅が狭い洗浄タンク5の場合、横幅で規制されるためノズルアーム15、17はあまり長くできない。このため、前ノズルアーム15を十分に前に配置しないと前側の食器を十分に洗浄できない。また、残滓フィルタ11の着脱のしやすさを考えると、貯水槽9は洗浄タンク5の前部に配置しなければならない。上記構成では、ノズルベース13を、残滓フィルタ11の取り外し空間Bを確保した上で、残滓フィルタ11、即ち貯水槽9の上方まで張り出させているので、前ノズル軸14を、即ち前ノズルアーム15を十分前側に配置させることができ、前側の食器を十分に洗浄することができる。しかも、残滓フィルタ11を容易に着脱することができる。
【0035】
前記隆起部12において、前記ノズルベース13の後端部の左隣には給水ノズル19が設けられている。この給水ノズル19は、前記洗浄タンク5と一体成形された給水口20と、給水口20を覆う給水カバー21とからなる。この給水ノズル19は、給水ホース22に接続されており、給水ホース22から送られてきた水はこの給水ノズル19から洗浄タンク5内へ供給される。これにより、洗浄タンク5内に水が溜められる。
【0036】
前記洗浄タンク5の底部における、右側の部分(ノズルベース13の右隣の位置)には、後部から中央やや前部にかけて、前後方向に長く延びたヒータ23(シーズヒータ)が配置さている。このヒータ23は、洗浄時には前記洗浄タンク5の底部に貯められた水を温める。また、乾燥時には洗浄タンク5内、及び送風装置(後述する)よって洗浄タンク5内に送られてきた風を温める。このヒータ23は、加熱面積を大きくするため、外ループ23aと内ループ23bとからなる二重ループ形状をなし、後端部23cは右に曲げられており、端子部23dは洗浄タンク5の後部側壁からタンク外に出るようにしている。横幅が狭い洗浄タンク5では、後壁側に比べて側壁側のほうがスペースに余裕があり、余裕のある側壁側に端子部23dを出しているので、端子部23dが他の構成部材の邪魔になりにくい。
【0037】
前記ヒータ23の後方であって前記洗浄タンク5の後壁下部近傍には、吸気室24が設けられている。この吸気室24の前面下部には、洗浄タンク5内への吸気口24aが設けられている。洗浄タンク5の外底面における右側後部の位置(洗浄ポンプの隣)には、送風ファン25aを備えた送風装置25が設けられている。送風装置25の動作によって外気が取り込まれて吸気室24へと送られ、乾燥風として吸気口24aから洗浄タンク5内へ送出される。吸気室24の内天面24bは球面状をなし、下方から上方に向かって吸気室24内に吹出した風がスムーズに吸気口24aに送られる(図7参照)。また、外天面24cも球面状に形成されているので、洗浄後にこの外天面24cに水が残りにくい。なお、前記ヒータ23の端子部23dは、上述したように、洗浄タンク5の側壁からタンク外へ出ているので、ヒータ23の後方に吸気室24があっても邪魔にならない。
【0038】
前記ヒータ23の上方及び前方はヒータカバー26で覆われている。このヒータカバー26の材質は、耐腐食性の金属、例えば、ステンレスとする。ヒータカバー26の後端は、前記吸気口24aに接続されている。ヒータカバー26の上面26aには、下側に張り出すルーバー27が2列になって多数設けられている。また、ヒータカバー26の前面26bには小さな丸孔28が多数開いている。従来、ヒータカバー26の上面26aには、前面26bと同様の小さな丸孔が多数形成されていたが、箸の先端部分などが丸孔からヒータカバー26内に入ってしまいヒータ23と接触してしまう虞があった。ここでは、ルーバー27を形成することにより箸の先端部分などの侵入を防止することができる。
【0039】
乾燥時には、送風装置25及びヒータ23が動作する。送風装置25の動作によって、洗浄タンク5内に送り込まれた風は、ヒータ23を通って温められて上昇し、上方にある食器に当たって、食器から水分を奪った後、扉2に設けた排気口(後述する)から機外へ排出される。
【0040】
前記ルーバー27の開口方向は、吸気口24aからの風の流れ方向と同じ方向としている。即ちルーバー27の開口が風の流れ方向に向かないようにしている。ルーバー27の開口方向が風の流れ方向に向いていると、ルーバー27に沿って風が流れ、風の前方への勢いが増し、暖かい風が洗浄タンク5内の食器に当たらずに前面の排気口(後述する)から排気されてしまう。この点、ルーバー27の開口が風の流れ方向に向かないようにしているので、上記のような現象を防止することができる。
【0041】
前記洗浄タンク5の前側において、右壁面の外側には水位検知室29が設けられている。この水位検知室29は、接続ホース(図示せず)を介して前記貯水槽9につながっている。
【0042】
図15に示すように、水位検知室29内には、洗浄運転を行うための水位である洗浄水位を検知するための通常水位フロート81と、洗浄水位よりも高い位置に設定した異常水位を検知するための異常水位フロート82とが配置されている。通常水位フロート81の上方には通常水位検知スイッチ77が配置されており、異常水位フロート82の上方には異常水位検知スイッチ83が配置されている。通常水位検知スイッチ77及び異常水位検知スイッチ83は、ともにリードスイッチである。
【0043】
前記通常水位フロート81の上端には磁石84が取り付けられている。通常水位フロート81が下降位置にあるときには、磁石84が前記通常水位検知スイッチ77に近接していて通常水位検知スイッチ77はオン状態にある。水位上昇に伴って通常水位フロート81が上昇すると磁石84が離れていき、洗浄水位になると通常水位検知スイッチ77はオフ状態となる。これにより、洗浄水位が検知される。
【0044】
前記異常水位フロート82の上端には磁石85が取り付けられている。異常水位フロート82が下降位置にあるときには、磁石85が前記異常水位検知スイッチ83から離間していて異常水位検知スイッチ83はオフ状態にある。水位上昇に伴って異常水位フロート82が上昇すると磁石85が近づいていき、異常水位になると異常水位検知スイッチ83はオン状態となる。これにより、異常水位が検知される。
【0045】
横幅が狭い洗浄タンク5の場合には、後壁側に比べて側壁側のほうがスペースに余裕があり、余裕のある側壁側に水位検知室29を設けているので、水位検知室29が他の構成部材の邪魔になりにくい。また、この水位検知室29は、貯水槽9から遠い方の壁面の外側に設けているので、洗浄タンク5内で発生した泡が水位検知室29に侵入し難く、泡の影響による水位検知精度の低下を防止できる。
【0046】
さて、前記洗浄タンク5内に収容された食器は、食器カゴ30にて保持される。この食器カゴ30は、複数の線材にてカゴ状に形成されたものである。食器カゴ30は、主に皿や碗を保持する下カゴ31と、下カゴ31の後部の上方に設け、主にコップ、湯のみなどを保持する上カゴ32(棚状になっている)とから構成される。この食器カゴ30は、洗浄タンク5の外形に合わせてスリム形状となっている。即ち、奥行の寸法に比べ横幅の寸法がかなり小さくなっている。
【0047】
本実施形態の食器洗い機1のように、奥行に対してかなり横幅の狭い、スリム型の食器洗い機の場合、上カゴ32を下カゴ33の後部上方に設けるのが好ましい。即ち、食器カゴ30は、後部の一部をキャビネット3内に残した状態で大部分が扉2の裏面に引き出されるが、食器カゴ30が縦長の場合には、後の方まで食器を入れやすくするために引き出し量が多くなるので、食器の重みで食器洗い機1本体が前に転倒しやすくなる。ここでは、上カゴ32を後部に配置することにより、食器が収容された状態の食器カゴ30の重心をより後にすることができ、食器を収容した状態で食器カゴ30を引き出したときの食器洗い機1本体の転倒を防止できる。また、上カゴ32が設置状態のままであっても、下カゴ31に食器を入れやすい。
【0048】
下カゴ31には、食器の種類に対応して各種保持部が設けられている。前部中央には大皿保持部33が設けられている。大皿保持部33は、上部が逆ハの字に拡がった一対のピン34を前後方向に複数並べたものであり、隣接する一対のピン34の間に皿を挟むことにより、皿を立設保持する。大皿保持部33の後方右寄りには茶碗保持部35が設けられている。茶碗保持部は、中央部を椀形にかたどったゲート36を前後方向に複数並べたものであり、隣接するゲート36間に茶碗を挟んで立設保持する。この茶碗保持部35は、通常は茶碗を保持するが、どんぶりも保持できるよう構成されている。大皿保持部33の後方左寄りには汁椀保持部37が設けられている。この汁椀保持部37は、やや後方に傾いた方形のゲート38を前後方向に複数並べたものであり、隣接するゲート38間に汁椀を挟んで立設保持する。大皿保持部33の前方及び側方、即ち下カゴにおけるの前部周縁部は、小皿保持部39となっている。小皿保持部39には、カゴの外枠との間で小皿を保持するゲート40が備えられている。
【0049】
大皿保持部33と汁椀保持部37との間には、箸やスプーンなどを収容する樹脂製のスタンド41が着脱可能に取り付けられる。このスタンド41の左側面は、下カゴ31の左の外枠に近接しており、この外枠には、スタンド41に対応してスタンド41よりも背が高く、スタンド41の奥行よりも若干幅が広いゲート42を形成している。このゲート42により、スタンド41に収容した箸などが下カゴ31の外に倒れるのを防止している。
【0050】
前記下カゴ31の後部には、上カゴ32の後部を囲むように枠体43が設けられている。枠体43は、右枠43a、左枠43b及び後枠43cからなる。上カゴ32は、上カゴ32の前部を構成する前カゴ44と後部を構成する後カゴ45とからなる。後カゴ45は、後枠43cから形成された支持部材46により、設置状態では後ろ側が低くなるようやや傾いた状態で支持される。また支持部材46を支点にして設置状態から上方へ回動可能である。前カゴ44は、後カゴ45の前端に設けられた支持部47によって支持され、設置状態では後カゴ45と同じように後ろ側が低くなるようやや傾いた状態となる。また、支持部47を支点にして上方に回動可能である。
【0051】
前記上カゴ32の下方に大きな食器を入れるときには、上カゴ32が邪魔になる場合がある。この場合には上カゴ32をしまうことができる。即ち、まず、前カゴ44を回動させて後カゴ45の上に重ねる。次に前カゴ44が重なった状態で後カゴ45を回動させ後枠43cにもたれさせる。このように、上カゴ32を二つに折りたたんだ後、後枠43cへもたれさせて立設保持するのである。
【0052】
前記上カゴ32の右端と右の外枠(右枠43a)との間には、隙間Cが設けられている。この隙間Cは、下カゴ31の右端にまな板を立てた状態で収容したときに、まな板の上部を逃がすものである。
【0053】
上カゴのうち、後カゴ45には、コップが2列にして並べられ、1列に4個の標準的なコップが並べられる。後カゴ45には合計8個の標準的なコップを収容できる。各列の一番右端のコップは、コップの一部が隙間Cにはみ出す状態となるが、コップの側面部を右枠43aで支えることができるので、安定的に支えられる。なお、隙間Cにまな板が収容された場合は、一番右端のコップは置くことができず、収容できるコップは6個になる。
【0054】
一方、前カゴ44の左右には枠体43がないため、前カゴ44の両側端に枠部48を設けている。このため、この前カゴ44では、まな板が収容されてなくても隙間Cは利用できない。よって、このままでは後カゴ45と同じようにコップを4つ置くことができない。ここでは、前カゴ44の右端部を前側に少し張り出すように延長させ、張出部49を設けている。そして、一番右側のコップを左隣りのコップよりも少し前にずらして収容できるようにしている(図4参照)。こうして、隙間C部分を使わなくてもコップを4つ並べられるようにしている。
【0055】
本実施形態の食器洗い機1では、前記扉2を開いた状態で、扉2の裏側へ前記食器カゴ30を引き出せる構造としている。このため、前記下カゴ31の底部の四隅にはローラ50が設けられている。また、前記洗浄タンク5の両側壁下部には、食器カゴ30を洗浄タンク5内に支持すると共に、ローラ50が転がるレール部51が設けられている。扉2側の構造については後述する。
【0056】
さて、下カゴ31において、汁椀保持部37には、食器が比較的密な状態で収容されている。これは、汁椀保持部37では、底の深い汁椀が隙間少なく並べられるためである。一方、茶碗保持部35には食器が比較的疎な状態で収容されている。これは、汁椀に比べて底の浅い茶碗がある程度余裕(隙間)を持った状態で並べられているからである。茶碗保持部35では、どんぶりを収容することを考慮し、余裕を持たせているのである。
【0057】
よって、上カゴ32において、茶碗保持部35の上方、即ち右側に収容されたコップには、後ノズルアーム17から噴射された水が十分に届くが、汁椀保持部37の上方、即ち左側に収容されたコップには水が十分に届かない虞がある。
【0058】
本実施形態の食器洗い機1では、上カゴ32の左側に収容されたコップを洗浄すべく、洗浄タンク5の左側壁の内面下部に補助ノズル体52を設けている。この補助ノズル体52は前後方向に延びた長尺な形状を有し、前面には噴射口を有する4つのノズル52aが設けられている。これらノズル52aは上カゴ32の左側に収容されたコップに向かって水を噴射する。この補助ノズル体52の後端部には接続口53が設けられており、送水管54の一端が接続される。この送水管54の他端は前記ノズルベース13の後端上面に接続されている。この送水管54は、ノズルベース13との接続口から洗浄タンク5の後壁内面に沿って一旦上方へ延びた後、左方向に水平に延び、洗浄タンク5の左後コーナー部分で補助ノズル体52の接続口53に接続される構成となっている。
【0059】
こうして、下カゴ31の食器の収納状態が密であり、この領域の上方であるがために後ノズルアーム17からの水が当たりにくい上カゴ32の領域(左側の領域)に補助ノズル体52によって水を噴射するようにしているので、この部分に配置されたコップを十分に洗浄することができる。
【0060】
また、送水管54は、洗浄タンク5内に配置されているので、万一、補助ノズル体52やノズルベース13との接続やシールが不十分で、この部分から水が漏れ出したとしても、洗浄タンク5内に漏れるだけであり、機外に漏れることはない。しかも、洗浄タンク5の側壁にある補助ノズル体52に対して、送水管54を洗浄タンク5の後壁から回し込むようにして接続しているので、送水管54が前記レール51を横切るようなことがなく、送水管54によって食器カゴ30の引き出しや収納の動作を妨げられることがない。
【0061】
なお、送水管54のノズルベース13との接続位置は、前記給水ノズルの近傍になるようにすると共に、送水管54と前記給水カバー21とを共に樹脂製として一体成形している。
【0062】
キャビネット3の前面、即ち前記食器投入口6を覆う前記扉2は、下端が開閉自在に支持されており、下端を軸に前方に開く。この扉2の前面の上部中央には取っ手55が設けられており、取っ手55の両側には、排気口56が設けられている。
【0063】
前記扉2の裏面における両端部分には、扉の開放時に前記食器カゴ30を扉2の裏面に引き出した際、前記ローラ51を受けるローラ受け57が設けられている。このローラ受け57は、扉2の上下方向に延びている。このローラ受け57は扉2の端部の裏面を中央部よりも後方に隆起させて形成している。
【0064】
図12に示すように、食器カゴ30を完全に引き出した状態では、食器カゴ30の前のローラ50がローラ受け57に載っており、後のローラ50はレール部51上に載っている。
【0065】
前記扉2の裏面上部には、扉2の裏面と排気カバー58とにより前記排気口56への排気風路59を形成している。この排気風路59は、両方の排気口56を結ぶ略U字型をなし、中央下面には洗浄タンク5からの風の導出口60が設けられている。洗浄タンク5内からの排気は、この導出口60から排気風路59内に入り、排気風路59内を通って両方の排気口56から機外へ排出される。
【0066】
ここで、排気口56からは、乾燥時に高温の蒸気が排出されるため、安全性の面から排気口56と取っ手55との間にはある程度の距離を設けなければならない。このため、横幅が狭い本実施形態の食器洗い機1の場合、扉2の横幅が狭いため、排気口56がどうしても扉2の端部に寄ってしまう。こうなると、図11に示すように、扉2の裏面では、排気カバー58の両端58aはローラ受け57の部分にはみだしてしまう。本実施形態では、排気カバー58の表面とローラ受けの表面とが略面一になるようにし、排気カバー58の端部58aがローラ受け57を兼ねるようにしたので、食器カゴ30の扉2の裏面への引き出しに支障をきたさない。
【0067】
前記洗浄タンク5の右側壁下部の外面であって前記水位検知室29の後方の位置には、温度センサ61が配置されている(図5参照)。この温度センサ61は、例えばサーミスタであり、洗いやすすぎ時に洗浄タンク5の底部に溜められた水の温度を検知するためのものである。また、乾燥時に洗浄タンク5内の雰囲気温度を検知するためのものでもある。
【0068】
図13はこの食器洗い機1の扉2の下方に設けられている操作パネル62の平面図である。この操作パネル62には、電源スイッチ63、スタートキー64、コース選択キー65、乾燥コース選択キー66が備えられている。また、コース選択キー65で選択された洗浄運転コースを示す複数のコース表示灯67、乾燥コース選択キー66で選択された乾燥運転コースを示す複数の乾燥コース表示灯68、残時間や異常内容を数字やアルファベットで表示するための表示器69、給湯又は給水の選択を示す給湯表示灯70が備えられている。この図13では表示器69はセグメント表示器になっているが、ドットマトリクスなどによる他の表示器であってもよい。また、スタートキー64は一時停止のキーを兼ねており、運転動作中にスタートキー64が押されるとその時点で運転を一時中断し、その状態から再度このスタートキー64が押されると、先に中断した時点での続きから運転を再開するようになっている。
【0069】
洗浄運転コースは洗いから乾燥までを行うコースであり、「標準」「スピーディ」「高温80℃」「蒸気」「予約」の5つのコースが用意されている。ここで、「予約」以外のコースが本発明の通常コースに相当する。乾燥運転コースは、乾燥のみを行うコースであり、「乾燥60分」「乾燥20分」「カラッと仕上げ」の3つのコースが用意されている。
【0070】
コース選択キー65は、洗浄運転コースを選択するものであると同時に、食器洗い機1が水道栓に接続されているか、給湯器に接続されているかを設定するものでもある。即ち、使用者は、このコース選択キー65を操作して、洗浄運転コースを選択するとともに、食器洗い機1が給湯器に接続されている場合には、給湯設定して、給湯器が接続されていることを食器洗い機1に対して知らせる。このとき、給湯表示灯70が点灯する。
【0071】
図14は本実施形態の食器洗い機1の要部の電気系構成図である。制御部71は、CPU72、ROM73、RAM74、タイマー75などを含むマイクロコンピュータを中心に構成されており、ROM73には後述のような動作を行うための制御プラグラムが格納されている。この制御プラグラムに従ってCPU72が各種演算や処理を実行することにより後述の機能が達成される。制御部71には前記電源スイッチ63、スタートキー64、コース選択キー65、乾燥コース選択キー66などから操作信号が入力されると共に、扉2の開閉を検知する開閉検知スイッチ76、前記温度センサ61、通常水位検知スイッチ77、異常水位検知スイッチ83から検知信号が入力されるようになっている。なお、本実施形態では、温度センサ61は0.5℃ステップで温度を検知するものとなっている。制御部71は、表示器69に対して所定の表示を行わせると共に、コース表示灯67、乾燥コース表示灯68、給湯表示灯70を点灯制御する。また、必要に応じてブザー78を鳴動させる。更に、制御部71は、負荷駆動部79を介して、給水弁80、洗浄ポンプ10及び送風ファン25aの動作を制御する。
【0072】
さて、本発明の実施形態の食器洗い機1では、洗浄運転中に洗浄タンク5内で異常発泡が発生すると、これを検知して洗浄運転を中止し、泡消し動作を行うように制御しており、以下、この制御動作について図16のフローチャートに基づき説明する。
【0073】
スタートキー64が押され運転が開始されると、制御部71は、給水弁80を開いて洗浄水位まで給水する。洗浄タンク5内には、使用者により、運転に際して洗剤が投入されており、この給水によって洗浄タンク5内には洗剤が溶け込んだ水(洗浄水)が溜められる。
【0074】
次に、洗浄ポンプ10及びヒータ23を動作させ、洗浄タンク5内の食器に前ノズルアーム15、後ノズルアーム17及び補助ノズル体52から洗浄水を噴きかけ、食器の洗いを行う。
【0075】
この洗いの間、異常水位検知スイッチ83によって、異常水位になったか否かが常時監視されている(ステップS1)。何もなければ、洗い動作が継続される(ステップS2)。
【0076】
ところで、使用者が誤って一般の食器用洗剤を使用した場合には、この洗い運転が行われている間に、洗浄タンク5内で異常発泡が発生する可能性が高い。そして、異常発泡が発生した場合、その泡によって異常水位フロート82が持ち上げられ、異常水位検知スイッチ83がオンする。
【0077】
これにより、ステップS1で、異常水位検知スイッチ83が0.2秒以上オンしたと判定すると、制御部71は、洗浄運転を中止し、異常処理の運転を行う。
【0078】
まず、回数カウンタCTを0にするとともに(ステップS3)、洗浄ポンプ10を50秒間排水動作して、洗浄タンク5内の水をほぼすべて排水する(ステップS4)。このように、異常発泡の原因となる洗浄水を捨ててしまうと、次に、洗浄タンク5内に残った泡を消して残留洗剤を機外へ排出する泡消し動作を行なう。
【0079】
まず、第1の泡消し動作を行う。即ち、給水弁80を開いて給水を行ない、15秒が経過するか、通常水位検知スイッチ77がオフすると、給水弁80を閉じる(ステップS7)。次に、洗浄ポンプ10を洗浄動作させる(ステップS8)。より詳しくは、ポンプの間欠運転を10回行った後、20秒間連続運転する。これにより、洗浄タンク5内に、前ノズルアーム15などから水が噴きつけられ、洗浄タンク5の内壁などに残った泡が洗い流される。そして、洗浄ポンプ10の洗浄動作が終了すると洗浄ポンプ10を50秒間排水動作する(ステップS9)。これにより、洗浄タンク5内の水とともに残留洗剤を機外へ排出する。これが終わると、回数カウンタCTのカウント値を1つ増やす(ステップS10)。
【0080】
このステップS7〜S9による第1の泡消し動作は、ステップS11で回数カウンタCTのカウンタ値が2回を越えたと判定されるまで、即ち、合計3回行われる。
【0081】
なお、1回目の泡消し動作が終わると、ステップS5で回数カウンタCTのカウンタ値が1になったと判定され、制御部71は、異常発泡が発生したことを示すユーザーエラーを表示器69に表示させる(ステップS12)。例えば、「U3」と表示する。表示「U」は使用者の誤った使い方により発生した異常(ユーザーエラー)を示すものであり、これに対し、機器の故障による異常の場合には、頭に「E」の表示をつける。
【0082】
このように第1の泡消し動作を終了すると、次に第2の泡消し動作を行う。まず、30分間運転を停止したまま、自然放置する(ステップS13)。そして、30分が経過すると、制御部71は、給水弁80を開いて洗浄水位まで給水する(ステップS14)。そして、第1の泡消し動作のステップS8と同様に洗浄ポンプ10を洗浄動作させて洗浄タンク5内を洗う(ステップS15)。これが終わると、洗浄ポンプ10を50秒間排水動作して、洗浄タンク5内の水を排水する(ステップS16)。こうして、第2の泡消し動作が終了すると、制御部71は、異常処理の運転を終えて、運転を停止する(ステップS17)。但し、ユーザーエラーの表示は継続する(ステップS18)。
【0083】
このように、洗浄運転中に異常発泡が起こると、これを検知して洗浄運転を中止する。よって、これ以上の発泡が止まるので、機外への泡漏れを防止できる。また、洗浄運転中止後は、排水を行うことにより一般の食器用洗剤が入れられた洗浄タンク5内の水をほぼすべて捨てる。よって、再び洗浄運転に発泡しやすい洗浄水が使用されることがないので、次に洗浄運転を行ったときに再び異常発泡が起きるのを防止できる。さらに、第1の泡消し動作と第2の泡消し動作を行うことにより、洗浄タンク5内に残った洗剤分を極めて除去できるので、次に洗浄運転を行ったときに異常発泡が起きるのを一層防止できる。
【0084】
また、発泡異常を表示するのは、1回目の泡消し動作が終わった時点としているので、使用者が気付いたばかりに排水途中に電源を切ってしまい、排水を止めてしまうということが起きない。その上、報知に気付いた使用者が電源を切るなどしても、少なくともある程度の泡消し動作が確保できる。さらに、使用者に実際に発泡の存在を確認させることができる。
【0085】
さて、洗い運転中に異常水位検知スイッチ83がオンする状況としては、上述した異常発泡の他、次のような場合がある。1つは、給水弁80が故障するなどして給水が止まらなくなり洗浄タンク5内の水位が異常水位まで達してしまう場合である。もう1つは、異常水位検知スイッチ83自身が故障してオンしてしまう場合である。
【0086】
したがって、このような機器の故障異常と発泡異常とを区別すべく、次のように対応している。
【0087】
ステップS19において、ステップS1で異常水位を検知した後、再び異常水位検知スイッチ83が0.2秒以上オンしたか否かを検知するようにしている。また、ステップS6において、通常水位検知スイッチ77がオンしたか(洗浄水位よりも低く水位が低下したか)否かを検知している。
【0088】
異常水位検知スイッチ83自身が故障してオン状態になった場合には、ステップS4で排水を行っても、異常水位検知水位スイッチ83はオン状態のままである。こうなると、ステップ19で異常水位検知スイッチ83が再びオンしたと判定される。すると、制御部71は、発泡異常ではなく機器の故障異常であると判断して、異常処理の動作を中止し、機器の故障を示す異常表示を表示器69に表示させる。例えば、「E3」と表示する。
【0089】
給水が止まらない給水異常が発生したときには、その給水能力が高い(漏れ出る流量が多い)ような場合には、ステップ4で排水を行っても、正常な排水が行えない。即ち、洗浄タンク5内の水位が十分に低下しない。この場合、通常水位検知スイッチ77がオフしたままとなるので、ステップ6でこれが判定され、制御部71は、発泡異常ではなく機器の故障異常であると判断して、異常処理の動作を中止し、機器の故障を示す異常表示を表示器69に表示させる。
【0090】
一方、給水異常であっても給水能力が低い(水が少しずつ漏れ出している)ような場合には、ステップ4での排水で一旦は洗浄タンク5内の水位がかなり低下するのでステップ6では検知されない。
【0091】
この場合、第1の泡消し動作、第2の泡消し動作において、異常な水位上昇が起こることになる。このときは、ステップS8やステップS15で洗浄タンク5内に水を溜めて洗浄動作を行っているときに、もしくは、ステップS13で待機しているときに、水位が異常水位に到達する可能性が高い。こうなると、ステップS19で異常水位検知スイッチ83が再びオンしたと判定される。すると、制御部71は、発泡異常ではなく機器の故障異常であると判断して、泡消し動作を中止し、機器の故障を示す異常表示を表示器69に表示させる。
【0092】
このように、発泡異常を機器の故障異常と区別できるようにし、発泡異常ではないと判断した場合には、機器の故障異常として報知し、泡消し動作を行わない(中止する)ようにする。したがって、無駄に発泡に対する処理を継続してしまうことがなく、確実な処理を行うことができる。
【0093】
以上、本発明の実施形態の食器洗い機1の構成について説明したが、本発明は、例えば以下に示すように、上記実施形態に限定されるものではない。
【0095】
泡消し動作としては、洗浄タンク5内に給水してこの給水により特に泡の多いタンクの底部を洗い、その後排水するようにしてもよい。積極的に泡を消す動作を行えば、どのようなものでもよい。
【0096】
異常発泡の報知は、異常の処理における最初の排水後、直ちに行ってもよい。また、泡消し動作が完全に終わってから行ってもよい。
【0097】
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の変更を施すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態よる食器洗い機の流し台への設置状態を示す図である。
【図2】 食器洗い機の側面図である。
【図3】 食器洗い機の正面図である。
【図4】 食器洗い機の内部構成を示す側面縦断面図である。
【図5】 食器洗い機の内部構成を示す平面横断面図である。
【図6】 食器洗い機の内部構成を示す正面縦断面図である。
【図7】 ヒータカバー、吸気室及び乾燥装置の構成を示す要部の断面図である。
【図8】 食器カゴの平面図である。
【図9】 食器カゴの側面図である。
【図10】 上カゴをしまった状態を示す食器カゴの要部の側面図である。
【図11】 扉の裏面の構成を示す扉を開いた状態の要部の平面図である。
【図12】 食器カゴを引き出した状態を示す食器洗い機の概略図である。
【図13】 操作パネルの構成を示す操作パネルの平面図である。
【図14】 本実施形態の食器洗い機の電気系構成図である。
【図15】 水位検知室の詳細な構成を示す要部の断面図である。
【図16】 異常発泡に対する異常処理の制御動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
5 洗浄タンク(洗浄槽)
10 洗浄兼排水ポンプ(洗浄手段、異常処理手段、泡消手段)
15 前ノズルアーム(洗浄手段)
17 後ノズルアーム(洗浄手段)
52 補助ノズル体(洗浄手段)
69 表示器(報知手段)
71 制御部(異常処理手段、泡消手段)
77 通常水位検知スイッチ(排水状態検知手段)
80 給水弁(泡消手段)
83 異常水位検知スイッチ(異常検知手段)

Claims (1)

  1. 洗浄槽の底部に溜めた水を洗浄手段の動作によって食器に噴きつけて食器の洗い、すすぎを行う食器洗い機において、
    フロートと、前記洗浄槽内の水位が洗浄運転を行うための洗浄水位よりも高い異常水位になったり洗浄槽内で異常発泡が生じたりして前記フロートが上昇することにより、異常状態を検知する異常検知手段と、
    洗浄運転中に、前記異常検知手段により前記洗浄槽内の異常状態が検知されると、洗浄運転を中止して排水動作を行い、前記洗浄槽内に溜められた水を排水する異常処理手段と、
    前記異常処理手段によって排水動作が行われたとき、この排水動作によって前記洗浄槽内の水位が正常に低下したか否かを検知する排水状態検知手段と、
    前記異常処理手段による排水の終了後、前記洗浄槽内に給水して泡を消す動作を行う泡消手段と、
    異常を報知するための報知手段と、を備え、
    前記異常処理手段によって排水動作が行われた結果、前記異常検知手段により異常状態が検知されなくなり、且つ前記排水状態検知手段により前記洗浄槽内の水位が正常に低下したと検知された場合には、発泡異常であると判断して、前記泡消手段による泡消し動作を行うとともに前記報知手段により発泡異常を報知し、
    一方、前記異常処理手段によって排水動作が行われた結果、前記異常検知手段により異常状態が検知されたままである、及び/又は前記排水状態検知手段により前記洗浄槽内の水位が正常に低下していないと検知された場合には、機器の故障異常であると判断して、前記泡消手段による泡消し動作を行わずに前記報知手段により機器の故障異常を報知する、
    ことを特徴とする食器洗い機。
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