JP3948758B2 - 圧縮プリプレグの製造方法及び該プリプレグを用いた成形品の製造方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、プリプレグを用いた成形品の製造方法に関し、更に詳しくは、素材である繊維集合体を圧縮したまま形状固定された圧縮プリプレグを用いた成形品の製造方法に関する。
【0002】
【従来技術】
一般にプリプレグは繊維強化プラスチックの中間素材として広く用いられており、繊維材に熱硬化性樹脂を含浸し、更に通常は以降の工程における取扱いを容易にするため、樹脂は予備重合させて適度な粘着性を持たせる。
このプリプレグはその素材の形状により、一方向プリプレグ、織布プリプレグ、編組プリプレグ、マットプリプレグ等に分類されるが、これらは、オープンモールド法、プレス成形法、フィラメントワインディング法によって、賦形され、更に熱硬化して所定の形状の物が得られる。
【0003】
プリプレグの形状は使用している繊維材の形状に大きく左右されるが、構造上からも異にする。例えば、繊維を一方向に引き揃えた一方向プリプレグにおいては繊維間を熱硬化性樹脂で埋め気泡混入が無いように作られるが、加圧による体積の圧縮と除圧による体積の復元とが可能な嵩高い素材の織布、編組、マット等の繊維材においては、気泡が当然混在する。これら嵩高い繊維材を用いたプリプレグは、例えば気泡が均一に入った、いわゆる発泡体構造を持った低嵩密度成形品である各種フィルター、断熱材、軽量構造材等の用途に多く利用される。
【0004】
【発明が解決しょうとする課題】
この低嵩密度成形品の製造法は種々考えられるが、プリプレグを利用する場合、その繊維材には最終成形品の嵩密度以下のものを選択し、それに熱硬化性樹脂を含浸してプリプレグとなし、それらを所定量積層後、プレス成形にて設計密度になるように圧縮し、熱硬化する方法がとられる。成形法は圧縮法に限られ、そのため形状が複雑であったり筒状体であったりする場合、これらの成形は極めて難しかった。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、従来のプリプレグが加圧圧縮下で主に利用されるに対し、その発想を転換し、圧の開放下で利用しうるプリプレグについて鋭意研究した結果、通常は圧縮された状態で維持されるが加熱によって圧縮の解放が容易であるプリプレグの製造方法を見い出し、本発明を完成することに至った。
【0006】
即ち、本発明は常温固形の熱硬化性樹脂を繊維上または繊維間に保持させた繊維集合体を加熱して該熱硬化性樹脂を溶融させた後、圧縮かつ該樹脂が固化する温度に冷却することによって得られた圧縮プリプレグを成形型内に配置後、加熱し、加熱によって復元したプリプレグで型内を満たし、更に熱硬化せしめることを特徴とする成形品の製造方法を提供するものである。
【0007】
本発明によって得られる圧縮プリプレグを使用することによって特に種々の嵩高い成形体や複雑な形状の成形体の製造が可能となる。
【0008】
即ち、嵩高い成形品の製造においては、成形型内に所定量の圧縮プリプレグを設置した後、加熱すると、繊維材間を埋めて繊維同士を接着していた熱硬化性樹脂が溶融して、圧縮していた繊維材が元の状態に膨張復元し型内に密度が均質な状態で充填されるため、引き続いて加熱を続けることで樹脂が熱硬化し最終的に密度の均質な嵩高い成形体を容易に得ることができる。
【0009】
また本圧縮プリプレグは圧縮されているために従来の嵩高いプリプレグと比較して取扱い性も非常に良好である。
【0010】
本発明に用いられる繊維集合体は、炭素繊維、黒鉛繊維、耐炎繊維、活性炭素繊維等の炭素質繊維やガラス繊維、セラミック繊維等の無機繊維、アラミド、ポリプロ、セルロース、ポリアクリルニトリル等の有機繊維を用いたものである。これらの繊維を得るための原料や製造法には、全く制限されない。これらの集合体の具体的な形状としては、マット、ニードルパンチされたフェルト、不織布、湿式抄紙法によって作られたペーパー等を挙げることができる。後述するように、樹脂を含浸させた繊維集合体の圧縮(体積の減少)や、昇温復元による繊維集合体の膨れ(体積の戻り)が比較的広い範囲で可能となるマット、フェルト等の形状のものは広範囲にわたる嵩密度の成形体を容易に成形できるので好ましく、特にフェルトは取扱い易く好適である。
【0011】
本発明における熱硬化性樹脂は、室温以上で融点或いは軟化点を持つ樹脂を1種類、またはそれらを2種類以上組み合わせたもののいずれでも良い。また圧縮プリプレグをつくる過程で、一度溶融した樹脂を熱硬化する前に冷却圧縮しなければならない必要から、樹脂の融点或いは軟化点温度における熱硬化時間の出来るだけ長いもの、あるいは樹脂の融点或いは軟化点温度と熱硬化温度の差が出来るだけ大きいのが望ましい。これら熱硬化性樹脂の具体例としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フラン樹脂、ポリイミド樹脂等が挙げられる。
【0012】
ここにおいて熱硬化性樹脂の使用量は、繊維集合体と樹脂の合計100部に対して、通常1〜90重量部の範囲であるが、成形工程での材料の取扱い性が良好で、且つ成形体の強度を保つためには、30〜70部が望ましい。
【0013】
又、本発明で用いられる熱硬化性樹脂を含浸した繊維集合体中には、価格低下、物性向上等を目的として各種粉末、例えばカーボンブラック、グラファイト、セラミック粉等を添加することも可能である。
【0014】
繊維集合体に熱硬化性樹脂を含浸し、その形状を圧縮固定する方法は種々考えられるが、目的から外れない方法であればいずれでも良く、特に限定するものではない。例えば含浸方法としては、溶剤に分散あるいは溶解した熱硬化性樹脂を含浸し、その後、溶剤を乾燥除去する方法等が一般的である。次いで、樹脂が繊維間に保持された繊維集合体を、樹脂の融点或いは軟化点以上の温度に加熱し、樹脂が溶融した状態のまま加圧冷却し樹脂の融点或いは軟化点以下とすることで、圧縮された繊維材の繊維同士が樹脂で接着された形態を保持したシート状繊維集合体を得る。工程中、加熱の際に熱硬化性樹脂の反応が進んで熱硬化する前に加圧冷却するように、その温度及び保持時間等の製造条件は決定されなければならない。圧縮プリプレグの製造工程は樹脂含浸工程から連続して行うことも可能であり、一般的には分割するよりも連続して行った方が効率的である。この場合、熱硬化性樹脂溶液或いは分散液を繊維材に含浸し、次いで溶媒の蒸発する温度に加熱して溶媒を乾燥除去した後、引き続き樹脂の融点或いは軟化点以上の温度に加熱して樹脂を溶融させ、その状態で加圧冷却部に連続的に導く。或いは、加熱部において加熱温度を最初から樹脂の融点或いは軟化点以上の温度に設定しておくことで溶媒を除去しつつ、樹脂の溶融を行うことも可能である。
【0015】
【実施例】
次いで本発明を実施例によって更に説明する。尚、例中の%は特に断りのない限り重量基準である。
【0016】
実施例1
ピッチ系汎用炭素繊維[(株)ドナック製ドナカーボ、繊維径13.5μm、平均繊維長12cm]を用いて、ニードルパンチにより500g/m2のフェルトを作成した。このフェルトにノボラック型フェノール樹脂[融点85℃,ゲル化時間3分/150℃]の60%メタノール溶液を含浸し、120℃で50秒間、乾燥させ、引き続き20℃に冷却された圧縮ロールを通して樹脂含有量50%、厚みが2.5mmのプリプレグシートを得た。
【0017】
このシートを50cm×19mに切断し、フッ素系離型剤を表面に塗布した50cmφ×48cmφ×50cmHのFRP製成形用型(成形内型)の外側に巻き付け、更にその上に62cmφ×60cmφ×50cmHのFRP製成形用型(成形外型)を配置した。全体を150℃の乾燥機中に放置したところ、プリプレグシートは膨れて成形用内型及び外型に密着したので、引き続き該乾燥機中に60分間放置し熱硬化させた後、内型及び外型を引き抜いた。均質な円筒状成形体を得た。
【0018】
比較例1
実施例1と同様な方法で含浸、乾燥したシートを圧縮しないで、プリプレグシートを得た。厚みは10mmであった。このプリプレグシートを用い、実施例1と同様な方法でFRP性成形用型(成形内型)外側に巻き付けた。これを、60cmφ×50cmHを縦に2つ割りにした成形用割外型の内部に配置し、該外型にて圧縮して外型にてプリプレグを圧縮して割り型を密着させた。この際、割型の接続部にプリプレグの収縮皺が発生した。また、該成形体を横割りにして検査したところ、割型の接続部付近に嵩密度の異常に高い部分が有った。
【0019】
実施例2
ピッチ系汎用炭素繊維[(株)ドナック製ドナカーボ、繊維径13.5μm、平均繊維長12cm]を用いて、ニードルパンチにより300g/m2のフェルトを作成した。このフェルトに実施例1と同様なフェノール樹脂の60%メタノール溶液を実施例1と同様な方法で含浸、乾燥させ、引き続き20℃に冷却された圧縮ロールを通して樹脂含有量70%、厚み1.0mmのプリプレグシートを得た。
【0020】
このシートを10cm×4.7mに切断し、フッ素系離型剤を表面に塗布した25cmφ×10cmHの成形用金型(成形内型)の外側に巻き付け、更にその上に27cmφ×10cmHの成形用金型(成形外型)を配置した。全体を150℃の乾燥機中に放置したところ、プリプレグシートは膨れて成形用内型及び外型に密着したので、引き続き該乾燥機中に10分間放置し熱硬化させた後、内型及び外型を引き抜いた。均質な円筒状成形体を得た。
【0023】
【発明の効果】
本発明方法で得られる圧縮プリプレグは、取扱性が良好であり、又加熱により膨れる性質を有するので、該性質を利用することによって従来法では成形し難かった成形体の生産に使用できる。
【産業上の利用分野】
本発明は、プリプレグを用いた成形品の製造方法に関し、更に詳しくは、素材である繊維集合体を圧縮したまま形状固定された圧縮プリプレグを用いた成形品の製造方法に関する。
【0002】
【従来技術】
一般にプリプレグは繊維強化プラスチックの中間素材として広く用いられており、繊維材に熱硬化性樹脂を含浸し、更に通常は以降の工程における取扱いを容易にするため、樹脂は予備重合させて適度な粘着性を持たせる。
このプリプレグはその素材の形状により、一方向プリプレグ、織布プリプレグ、編組プリプレグ、マットプリプレグ等に分類されるが、これらは、オープンモールド法、プレス成形法、フィラメントワインディング法によって、賦形され、更に熱硬化して所定の形状の物が得られる。
【0003】
プリプレグの形状は使用している繊維材の形状に大きく左右されるが、構造上からも異にする。例えば、繊維を一方向に引き揃えた一方向プリプレグにおいては繊維間を熱硬化性樹脂で埋め気泡混入が無いように作られるが、加圧による体積の圧縮と除圧による体積の復元とが可能な嵩高い素材の織布、編組、マット等の繊維材においては、気泡が当然混在する。これら嵩高い繊維材を用いたプリプレグは、例えば気泡が均一に入った、いわゆる発泡体構造を持った低嵩密度成形品である各種フィルター、断熱材、軽量構造材等の用途に多く利用される。
【0004】
【発明が解決しょうとする課題】
この低嵩密度成形品の製造法は種々考えられるが、プリプレグを利用する場合、その繊維材には最終成形品の嵩密度以下のものを選択し、それに熱硬化性樹脂を含浸してプリプレグとなし、それらを所定量積層後、プレス成形にて設計密度になるように圧縮し、熱硬化する方法がとられる。成形法は圧縮法に限られ、そのため形状が複雑であったり筒状体であったりする場合、これらの成形は極めて難しかった。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、従来のプリプレグが加圧圧縮下で主に利用されるに対し、その発想を転換し、圧の開放下で利用しうるプリプレグについて鋭意研究した結果、通常は圧縮された状態で維持されるが加熱によって圧縮の解放が容易であるプリプレグの製造方法を見い出し、本発明を完成することに至った。
【0006】
即ち、本発明は常温固形の熱硬化性樹脂を繊維上または繊維間に保持させた繊維集合体を加熱して該熱硬化性樹脂を溶融させた後、圧縮かつ該樹脂が固化する温度に冷却することによって得られた圧縮プリプレグを成形型内に配置後、加熱し、加熱によって復元したプリプレグで型内を満たし、更に熱硬化せしめることを特徴とする成形品の製造方法を提供するものである。
【0007】
本発明によって得られる圧縮プリプレグを使用することによって特に種々の嵩高い成形体や複雑な形状の成形体の製造が可能となる。
【0008】
即ち、嵩高い成形品の製造においては、成形型内に所定量の圧縮プリプレグを設置した後、加熱すると、繊維材間を埋めて繊維同士を接着していた熱硬化性樹脂が溶融して、圧縮していた繊維材が元の状態に膨張復元し型内に密度が均質な状態で充填されるため、引き続いて加熱を続けることで樹脂が熱硬化し最終的に密度の均質な嵩高い成形体を容易に得ることができる。
【0009】
また本圧縮プリプレグは圧縮されているために従来の嵩高いプリプレグと比較して取扱い性も非常に良好である。
【0010】
本発明に用いられる繊維集合体は、炭素繊維、黒鉛繊維、耐炎繊維、活性炭素繊維等の炭素質繊維やガラス繊維、セラミック繊維等の無機繊維、アラミド、ポリプロ、セルロース、ポリアクリルニトリル等の有機繊維を用いたものである。これらの繊維を得るための原料や製造法には、全く制限されない。これらの集合体の具体的な形状としては、マット、ニードルパンチされたフェルト、不織布、湿式抄紙法によって作られたペーパー等を挙げることができる。後述するように、樹脂を含浸させた繊維集合体の圧縮(体積の減少)や、昇温復元による繊維集合体の膨れ(体積の戻り)が比較的広い範囲で可能となるマット、フェルト等の形状のものは広範囲にわたる嵩密度の成形体を容易に成形できるので好ましく、特にフェルトは取扱い易く好適である。
【0011】
本発明における熱硬化性樹脂は、室温以上で融点或いは軟化点を持つ樹脂を1種類、またはそれらを2種類以上組み合わせたもののいずれでも良い。また圧縮プリプレグをつくる過程で、一度溶融した樹脂を熱硬化する前に冷却圧縮しなければならない必要から、樹脂の融点或いは軟化点温度における熱硬化時間の出来るだけ長いもの、あるいは樹脂の融点或いは軟化点温度と熱硬化温度の差が出来るだけ大きいのが望ましい。これら熱硬化性樹脂の具体例としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フラン樹脂、ポリイミド樹脂等が挙げられる。
【0012】
ここにおいて熱硬化性樹脂の使用量は、繊維集合体と樹脂の合計100部に対して、通常1〜90重量部の範囲であるが、成形工程での材料の取扱い性が良好で、且つ成形体の強度を保つためには、30〜70部が望ましい。
【0013】
又、本発明で用いられる熱硬化性樹脂を含浸した繊維集合体中には、価格低下、物性向上等を目的として各種粉末、例えばカーボンブラック、グラファイト、セラミック粉等を添加することも可能である。
【0014】
繊維集合体に熱硬化性樹脂を含浸し、その形状を圧縮固定する方法は種々考えられるが、目的から外れない方法であればいずれでも良く、特に限定するものではない。例えば含浸方法としては、溶剤に分散あるいは溶解した熱硬化性樹脂を含浸し、その後、溶剤を乾燥除去する方法等が一般的である。次いで、樹脂が繊維間に保持された繊維集合体を、樹脂の融点或いは軟化点以上の温度に加熱し、樹脂が溶融した状態のまま加圧冷却し樹脂の融点或いは軟化点以下とすることで、圧縮された繊維材の繊維同士が樹脂で接着された形態を保持したシート状繊維集合体を得る。工程中、加熱の際に熱硬化性樹脂の反応が進んで熱硬化する前に加圧冷却するように、その温度及び保持時間等の製造条件は決定されなければならない。圧縮プリプレグの製造工程は樹脂含浸工程から連続して行うことも可能であり、一般的には分割するよりも連続して行った方が効率的である。この場合、熱硬化性樹脂溶液或いは分散液を繊維材に含浸し、次いで溶媒の蒸発する温度に加熱して溶媒を乾燥除去した後、引き続き樹脂の融点或いは軟化点以上の温度に加熱して樹脂を溶融させ、その状態で加圧冷却部に連続的に導く。或いは、加熱部において加熱温度を最初から樹脂の融点或いは軟化点以上の温度に設定しておくことで溶媒を除去しつつ、樹脂の溶融を行うことも可能である。
【0015】
【実施例】
次いで本発明を実施例によって更に説明する。尚、例中の%は特に断りのない限り重量基準である。
【0016】
実施例1
ピッチ系汎用炭素繊維[(株)ドナック製ドナカーボ、繊維径13.5μm、平均繊維長12cm]を用いて、ニードルパンチにより500g/m2のフェルトを作成した。このフェルトにノボラック型フェノール樹脂[融点85℃,ゲル化時間3分/150℃]の60%メタノール溶液を含浸し、120℃で50秒間、乾燥させ、引き続き20℃に冷却された圧縮ロールを通して樹脂含有量50%、厚みが2.5mmのプリプレグシートを得た。
【0017】
このシートを50cm×19mに切断し、フッ素系離型剤を表面に塗布した50cmφ×48cmφ×50cmHのFRP製成形用型(成形内型)の外側に巻き付け、更にその上に62cmφ×60cmφ×50cmHのFRP製成形用型(成形外型)を配置した。全体を150℃の乾燥機中に放置したところ、プリプレグシートは膨れて成形用内型及び外型に密着したので、引き続き該乾燥機中に60分間放置し熱硬化させた後、内型及び外型を引き抜いた。均質な円筒状成形体を得た。
【0018】
比較例1
実施例1と同様な方法で含浸、乾燥したシートを圧縮しないで、プリプレグシートを得た。厚みは10mmであった。このプリプレグシートを用い、実施例1と同様な方法でFRP性成形用型(成形内型)外側に巻き付けた。これを、60cmφ×50cmHを縦に2つ割りにした成形用割外型の内部に配置し、該外型にて圧縮して外型にてプリプレグを圧縮して割り型を密着させた。この際、割型の接続部にプリプレグの収縮皺が発生した。また、該成形体を横割りにして検査したところ、割型の接続部付近に嵩密度の異常に高い部分が有った。
【0019】
実施例2
ピッチ系汎用炭素繊維[(株)ドナック製ドナカーボ、繊維径13.5μm、平均繊維長12cm]を用いて、ニードルパンチにより300g/m2のフェルトを作成した。このフェルトに実施例1と同様なフェノール樹脂の60%メタノール溶液を実施例1と同様な方法で含浸、乾燥させ、引き続き20℃に冷却された圧縮ロールを通して樹脂含有量70%、厚み1.0mmのプリプレグシートを得た。
【0020】
このシートを10cm×4.7mに切断し、フッ素系離型剤を表面に塗布した25cmφ×10cmHの成形用金型(成形内型)の外側に巻き付け、更にその上に27cmφ×10cmHの成形用金型(成形外型)を配置した。全体を150℃の乾燥機中に放置したところ、プリプレグシートは膨れて成形用内型及び外型に密着したので、引き続き該乾燥機中に10分間放置し熱硬化させた後、内型及び外型を引き抜いた。均質な円筒状成形体を得た。
【0023】
【発明の効果】
本発明方法で得られる圧縮プリプレグは、取扱性が良好であり、又加熱により膨れる性質を有するので、該性質を利用することによって従来法では成形し難かった成形体の生産に使用できる。
Claims (5)
- 常温固形の熱硬化性樹脂を繊維上または繊維間に保持させた繊維集合体を加熱して該熱硬化性樹脂を溶融させた後、圧縮かつ該樹脂が固化する温度に冷却して圧縮プリプレグを製造し、次いで、得られた圧縮プリプレグを成形型内に配置後、加熱し、加熱によって膨張復元したプリプレグで型内を満たし、更に熱硬化せしめることを特徴とする成形品の製造方法。
- 前記した常温固形の熱硬化性樹脂を繊維上または繊維間に保持させた繊維集合体が、加圧による体積の圧縮と除圧による体積の復元とが可能な繊維集合体に常温固形の熱硬化性樹脂を繊維上または繊維間に保持させたものである請求項1記載の製造方法。
- 加圧による体積の圧縮と除圧による体積の復元とが可能な繊維集合体に、常温固形の熱硬化性樹脂を溶媒に溶解させた溶液を含浸させた後、加熱して溶媒を除去しつつ熱硬化性樹脂を溶融させた後、圧縮かつ該樹脂が固化する温度に冷却して圧縮プリプレグを製造し、次いで、得られた圧縮プリプレグを成形型内に配置後、加熱し、加熱によって膨張復元したプリプレグで型内を満たし、更に熱硬化せしめることを特徴とする成形品の製造方法。
- 繊維集合体が、炭素繊維あるいはガラス繊維の集合体である請求項1、2または3記載の製造方法。
- 繊維集合体が、炭素繊維あるいはガラス繊維からなるフェルトまたは不織布である請求項1、2または3記載の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33289292A JP3948758B2 (ja) | 1992-12-14 | 1992-12-14 | 圧縮プリプレグの製造方法及び該プリプレグを用いた成形品の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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---|---|---|---|
JP33289292A JP3948758B2 (ja) | 1992-12-14 | 1992-12-14 | 圧縮プリプレグの製造方法及び該プリプレグを用いた成形品の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06179214A JPH06179214A (ja) | 1994-06-28 |
JP3948758B2 true JP3948758B2 (ja) | 2007-07-25 |
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ID=18259972
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP33289292A Expired - Fee Related JP3948758B2 (ja) | 1992-12-14 | 1992-12-14 | 圧縮プリプレグの製造方法及び該プリプレグを用いた成形品の製造方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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FR2956664B1 (fr) * | 2010-02-19 | 2013-04-26 | L Aveyron Composite Atel | Nouveaux materiaux composites, leurs procedes de fabrication et leurs utilisations |
CN114683587B (zh) * | 2022-04-13 | 2023-04-25 | 华东交通大学 | 一种碳纤维复合材料t型接头及其制作方法、修复方法 |
-
1992
- 1992-12-14 JP JP33289292A patent/JP3948758B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH06179214A (ja) | 1994-06-28 |
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A521 | Written amendment |
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