JP3185309B2 - 筒状多孔質炭素成形体の製造方法 - Google Patents
筒状多孔質炭素成形体の製造方法Info
- Publication number
- JP3185309B2 JP3185309B2 JP01505692A JP1505692A JP3185309B2 JP 3185309 B2 JP3185309 B2 JP 3185309B2 JP 01505692 A JP01505692 A JP 01505692A JP 1505692 A JP1505692 A JP 1505692A JP 3185309 B2 JP3185309 B2 JP 3185309B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- mold
- molded body
- binder
- molding
- fiber
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Moulding By Coating Moulds (AREA)
- Carbon And Carbon Compounds (AREA)
- Inorganic Fibers (AREA)
- Nonwoven Fabrics (AREA)
- Paper (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、筒状多孔質炭素成形体
の製造方法に関し、更に詳しくは、均質な該成形体の容
易な製造方法に関する。
の製造方法に関し、更に詳しくは、均質な該成形体の容
易な製造方法に関する。
【0002】
【従来技術】多孔質炭素成形体は、炭素材の特性である
化学的安定性、不活性雰囲気下での耐熱性、導電性等を
生かした種々の用途、例えば超高温用断熱材、電極材、
フィルター等に用いられる。
化学的安定性、不活性雰囲気下での耐熱性、導電性等を
生かした種々の用途、例えば超高温用断熱材、電極材、
フィルター等に用いられる。
【0003】多孔質炭素成形体の製法として、一般的に
は、繊維状物質を主材として、これを樹脂等のバインダ
ーにて成形、及び焼成し炭素化もしくは黒鉛化して得る
方法がある。この方法に於いて、繊維状物質にはパル
プ、ポリアクリルニトリル、ポリエステル等の有機繊
維、あるいは炭素繊維、黒鉛繊維等の無機繊維が、各々
単独あるいはそれらを複合して用いられる。有機繊維使
用の場合には、焼成工程に於ける素材の収縮を防ぐため
に、繊維表面に酸化皮膜を形成する等、いわゆる何らか
の不融化処理を施したり、焼成工程での収縮の無い炭素
繊維との複合にする等の方策が講じられることが多い。
従って、多孔質炭素成形体の製造に於いては、炭素繊維
を主材とする方法が最も容易な一般的方法といえる。
は、繊維状物質を主材として、これを樹脂等のバインダ
ーにて成形、及び焼成し炭素化もしくは黒鉛化して得る
方法がある。この方法に於いて、繊維状物質にはパル
プ、ポリアクリルニトリル、ポリエステル等の有機繊
維、あるいは炭素繊維、黒鉛繊維等の無機繊維が、各々
単独あるいはそれらを複合して用いられる。有機繊維使
用の場合には、焼成工程に於ける素材の収縮を防ぐため
に、繊維表面に酸化皮膜を形成する等、いわゆる何らか
の不融化処理を施したり、焼成工程での収縮の無い炭素
繊維との複合にする等の方策が講じられることが多い。
従って、多孔質炭素成形体の製造に於いては、炭素繊維
を主材とする方法が最も容易な一般的方法といえる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで多孔質炭素成
形体を所定の形状に成形する方法として、ひとつにはミ
ルドあるいはチョップ等の短繊維と、粉状あるいは液状
のバインダーの混合物を、成形用型に充填あるいは、流
し込み、熱硬化後に型から取り出す方法がある。この方
法においては、成形体の形状が複雑形状である場合に
は、繊維と樹脂の混合物を均質に型に充填、あるいは流
し込むのが難しく、また短繊維を使用するために、嵩密
度の低い成形体の製造が非常に困難である。
形体を所定の形状に成形する方法として、ひとつにはミ
ルドあるいはチョップ等の短繊維と、粉状あるいは液状
のバインダーの混合物を、成形用型に充填あるいは、流
し込み、熱硬化後に型から取り出す方法がある。この方
法においては、成形体の形状が複雑形状である場合に
は、繊維と樹脂の混合物を均質に型に充填、あるいは流
し込むのが難しく、また短繊維を使用するために、嵩密
度の低い成形体の製造が非常に困難である。
【0005】もうひとつの方法として、繊維状物質にバ
インダーを含浸し、これを圧縮成形する方法がある。こ
の方法では、繊維状物質に低嵩密度品を使用し、さらに
圧縮の程度を変えれば成形体の嵩密度の制御が広い範囲
で可能となる。しかしながら、この方法では2対の成形
型によって製造できる平板、長方体、あるいは凸面体に
ついては比較的容易に製造可能である。しかし、筒状成
形体については、繊維状物質に低嵩密度品を用いれば用
いるほどその製造は非常に困難となる。即ち、筒状成形
体の成形では、成形用内型にプリプレグを巻き付け、成
形用外型にて締め付け固定する必要があることから成形
型は分割した割型になるが、締め付けて固定する過程
で、素材をどうしても均一に圧縮できないために密度分
布にばらつきが発生して、良好な成形体が成形できな
い。そこで従来は筒状品については、筒状品を縦割に分
割して、各々別々に成形した後、何らかの方法で接着す
る方法がとられることがあるが、接着部分の力学特性、
熱特性、あるいは電気特性等の不均一化は免れない。
インダーを含浸し、これを圧縮成形する方法がある。こ
の方法では、繊維状物質に低嵩密度品を使用し、さらに
圧縮の程度を変えれば成形体の嵩密度の制御が広い範囲
で可能となる。しかしながら、この方法では2対の成形
型によって製造できる平板、長方体、あるいは凸面体に
ついては比較的容易に製造可能である。しかし、筒状成
形体については、繊維状物質に低嵩密度品を用いれば用
いるほどその製造は非常に困難となる。即ち、筒状成形
体の成形では、成形用内型にプリプレグを巻き付け、成
形用外型にて締め付け固定する必要があることから成形
型は分割した割型になるが、締め付けて固定する過程
で、素材をどうしても均一に圧縮できないために密度分
布にばらつきが発生して、良好な成形体が成形できな
い。そこで従来は筒状品については、筒状品を縦割に分
割して、各々別々に成形した後、何らかの方法で接着す
る方法がとられることがあるが、接着部分の力学特性、
熱特性、あるいは電気特性等の不均一化は免れない。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、これらの
課題を解決すべく鋭意研究した結果、筒状成形体用成形
型の成形内型にバインダーを含浸した繊維集合体を巻き
付けた後、全体を袋状物で覆い、その内部を減圧して該
繊維集合体を圧縮し、これを成形外型内に配置し、圧縮
を解除後、熱硬化して得た筒状成形体を焼成することに
よって容易に均質な筒状炭素成形体が得られることを見
い出し、本発明を完成するに至った。
課題を解決すべく鋭意研究した結果、筒状成形体用成形
型の成形内型にバインダーを含浸した繊維集合体を巻き
付けた後、全体を袋状物で覆い、その内部を減圧して該
繊維集合体を圧縮し、これを成形外型内に配置し、圧縮
を解除後、熱硬化して得た筒状成形体を焼成することに
よって容易に均質な筒状炭素成形体が得られることを見
い出し、本発明を完成するに至った。
【0007】即ち、本発明は、バインダーを含浸させた
繊維集合体を用いて筒状成形体を成形し、次いで焼成し
て炭素化もしくは黒鉛化する筒状多孔質炭素成形体の製
造において、該筒状成形体用成形型の成形内型の外側に
バインダーを含浸させた繊維集合体を該成形内型の外側
と該成形外型の内側との間隙を超えて巻き付けてから、
これを袋状物で覆い、次いで該袋状物の内部を減圧し
て、巻き付け肉厚を該成形内型の外側と該成形外型の内
側との間隙以下となした後、該成形外型内に配置し、次
いで該袋状物の減圧を解除して該繊維集合体を成形外型
の内側に密着させ、この状態で熱硬化させた後、成形型
を脱着し、次いで焼成して炭素化もしくは黒鉛化するこ
とを特徴とする筒状多孔質炭素成形体の製造方法を提供
するものである。
繊維集合体を用いて筒状成形体を成形し、次いで焼成し
て炭素化もしくは黒鉛化する筒状多孔質炭素成形体の製
造において、該筒状成形体用成形型の成形内型の外側に
バインダーを含浸させた繊維集合体を該成形内型の外側
と該成形外型の内側との間隙を超えて巻き付けてから、
これを袋状物で覆い、次いで該袋状物の内部を減圧し
て、巻き付け肉厚を該成形内型の外側と該成形外型の内
側との間隙以下となした後、該成形外型内に配置し、次
いで該袋状物の減圧を解除して該繊維集合体を成形外型
の内側に密着させ、この状態で熱硬化させた後、成形型
を脱着し、次いで焼成して炭素化もしくは黒鉛化するこ
とを特徴とする筒状多孔質炭素成形体の製造方法を提供
するものである。
【0008】本発明に用いられる繊維集合体は、炭素繊
維、黒鉛繊維、耐炎繊維、活性炭素繊維等の炭素質繊維
やその他炭化珪素繊維、窒化珪素繊維、ピッチ繊維等の
無機繊維、アラミド、ポリプロ、セルロース、ポリアク
リルニトリル等の有機繊維、等の繊維を用いたものであ
る。なかでも焼成工程での収縮のない炭素質繊維、特に
炭素繊維を用いたものがよい。これらの繊維を得るため
の原料や製造法には、全く制限されない。これらの集合
体の具体的な形状としては、マット、ニードルパンチさ
れたフェルト、湿式抄紙法によって作られたペーパー等
を挙げることができる。後述するように、袋状物内の減
圧による繊維集合体の圧縮(嵩の減少)や、同減圧の解
除による繊維集合体の膨れ(嵩の戻り)が比較的広い範
囲で可能となるマット、フェルト等の形状のものは広範
囲にわたる嵩密度成形体を容易に成形できるので好まし
く、特にフェルトは取扱い易く好適である。
維、黒鉛繊維、耐炎繊維、活性炭素繊維等の炭素質繊維
やその他炭化珪素繊維、窒化珪素繊維、ピッチ繊維等の
無機繊維、アラミド、ポリプロ、セルロース、ポリアク
リルニトリル等の有機繊維、等の繊維を用いたものであ
る。なかでも焼成工程での収縮のない炭素質繊維、特に
炭素繊維を用いたものがよい。これらの繊維を得るため
の原料や製造法には、全く制限されない。これらの集合
体の具体的な形状としては、マット、ニードルパンチさ
れたフェルト、湿式抄紙法によって作られたペーパー等
を挙げることができる。後述するように、袋状物内の減
圧による繊維集合体の圧縮(嵩の減少)や、同減圧の解
除による繊維集合体の膨れ(嵩の戻り)が比較的広い範
囲で可能となるマット、フェルト等の形状のものは広範
囲にわたる嵩密度成形体を容易に成形できるので好まし
く、特にフェルトは取扱い易く好適である。
【0009】本発明におけるバインダーは、有機質及び
無機質のいずれか、またはそれらを組み合わせたものの
いずれでも良く、なかでも400℃以上で炭化するもの
が好ましいが、必ずしも後処理による炭化によって残る
収率(残炭率)が高いものでなくともよい。これらバイ
ンダーの具体例としては、エポキシ樹脂、フェノール樹
脂、不飽和ポリエステル樹脂、フラン樹脂、ポリイミド
樹脂等の熱硬化樹脂やシリコーン、SBR、NBR等の
ゴム状物質及びピッチ類が挙げられるが、なかでも残炭
率が高い点でフェノール樹脂が好ましい。
無機質のいずれか、またはそれらを組み合わせたものの
いずれでも良く、なかでも400℃以上で炭化するもの
が好ましいが、必ずしも後処理による炭化によって残る
収率(残炭率)が高いものでなくともよい。これらバイ
ンダーの具体例としては、エポキシ樹脂、フェノール樹
脂、不飽和ポリエステル樹脂、フラン樹脂、ポリイミド
樹脂等の熱硬化樹脂やシリコーン、SBR、NBR等の
ゴム状物質及びピッチ類が挙げられるが、なかでも残炭
率が高い点でフェノール樹脂が好ましい。
【0010】ここにおいてバインダーの使用量は、繊維
集合体とバインダーの合計100部に対して、通常1〜
90重量部の範囲であるが、成形工程での材料の取扱い
性が良好で、且つ成形体の強度を保つためには、30〜
70部が望ましい。
集合体とバインダーの合計100部に対して、通常1〜
90重量部の範囲であるが、成形工程での材料の取扱い
性が良好で、且つ成形体の強度を保つためには、30〜
70部が望ましい。
【0011】又、本発明で用いられるバインダーを含浸
した繊維集合体中には、価格低下、物性向上等を目的と
して各種粉末、例えばカーボンブラック、グラファイト
等を添加することも可能である。
した繊維集合体中には、価格低下、物性向上等を目的と
して各種粉末、例えばカーボンブラック、グラファイト
等を添加することも可能である。
【0012】繊維集合体にバインダーを含浸する方法は
種々考えられるが、目的から外れない方法であればいず
れでも良く、特に限定するものではない。例えば繊維集
合体に加熱溶融されたバインダーを含浸するホットメル
ト法や、溶剤に分散あるいは溶解したバインダーを含浸
し、その後、溶剤を乾燥する方法等がある。いずれの場
合もバインダーを加熱処理で半硬化させてプリプレグ化
しておくと取扱い性は向上する。
種々考えられるが、目的から外れない方法であればいず
れでも良く、特に限定するものではない。例えば繊維集
合体に加熱溶融されたバインダーを含浸するホットメル
ト法や、溶剤に分散あるいは溶解したバインダーを含浸
し、その後、溶剤を乾燥する方法等がある。いずれの場
合もバインダーを加熱処理で半硬化させてプリプレグ化
しておくと取扱い性は向上する。
【0013】バインダーを含浸させた繊維集合体を用い
た筒状成形体を成形する方法は、以下の手順による。
た筒状成形体を成形する方法は、以下の手順による。
【0014】即ち(1)バインダーを含浸させた繊維集
合体を、筒状成形体用成形型の成形内型の外側に該成形
内型の外側と該成形外型の内側との間隙(成形後の筒状
成形体の肉厚に相当する)を超えて巻き付ける。この際
の巻き付け肉厚は、繊維集合体の嵩密度やバインダーの
含浸濃度等によって変更しうる。一般に、嵩密度の低い
ものを用いた場合は成形内型の外側と該成形外型の内側
との間隙(成形後の筒状成形体の肉厚に相当する)に比
べて巻き付け肉厚をかなり大きくすることができるが、
嵩密度の比較的高いものの場合は該間隙と比べわずかに
大きいだけの巻き付け肉厚で充分である。なお、成形体
製造の実際においては、最終筒状成形体の設計嵩密度か
ら計算されるバインダー含浸繊維集合体の必要量を計り
取り、これを成形内型に巻き付けることが行なわれる。
合体を、筒状成形体用成形型の成形内型の外側に該成形
内型の外側と該成形外型の内側との間隙(成形後の筒状
成形体の肉厚に相当する)を超えて巻き付ける。この際
の巻き付け肉厚は、繊維集合体の嵩密度やバインダーの
含浸濃度等によって変更しうる。一般に、嵩密度の低い
ものを用いた場合は成形内型の外側と該成形外型の内側
との間隙(成形後の筒状成形体の肉厚に相当する)に比
べて巻き付け肉厚をかなり大きくすることができるが、
嵩密度の比較的高いものの場合は該間隙と比べわずかに
大きいだけの巻き付け肉厚で充分である。なお、成形体
製造の実際においては、最終筒状成形体の設計嵩密度か
ら計算されるバインダー含浸繊維集合体の必要量を計り
取り、これを成形内型に巻き付けることが行なわれる。
【0015】(2)該繊維集合体が巻き付けられた成形
内型全体を袋状物で覆い、この内部を減圧し、該繊維集
合体を圧縮することにより、該繊維集合体を内型に密着
させ、巻き付け肉厚を該間隙以下とする。
内型全体を袋状物で覆い、この内部を減圧し、該繊維集
合体を圧縮することにより、該繊維集合体を内型に密着
させ、巻き付け肉厚を該間隙以下とする。
【0016】(3)そのままの状態を保ったまま、これ
を筒状成形体用成形型の成形外型の内に配置し、次いで
袋状物の減圧を解除することによって該繊維集合体を外
型に密着させる。
を筒状成形体用成形型の成形外型の内に配置し、次いで
袋状物の減圧を解除することによって該繊維集合体を外
型に密着させる。
【0017】(4)この状態で熱硬化させた後、内型及
び外型を脱着し、成形体を得る。なお、成形体の外側に
付着している袋状物は、この後の焼成工程で障害がない
かぎり特に取り払う必要はない。必要によっては取り払
っても勿論かまわない。
び外型を脱着し、成形体を得る。なお、成形体の外側に
付着している袋状物は、この後の焼成工程で障害がない
かぎり特に取り払う必要はない。必要によっては取り払
っても勿論かまわない。
【0018】前記した本発明方法で用いる筒状成形体成
形型は、その成形内型の外側に該成形内型の外側と該成
形外型の内側との間隙が少なくとも10mmとなる成形
型である。
形型は、その成形内型の外側に該成形内型の外側と該成
形外型の内側との間隙が少なくとも10mmとなる成形
型である。
【0019】また本発明で用いられる袋状物は、バイン
ダー含浸繊維集合体を巻き付けた成形用内型を覆うに必
要最小の大きさ以上である。また袋の内部を減圧したと
きにバインダーを含浸させた繊維集合体を均一に圧縮す
るためには、充分な柔軟性を持つ通気性のない材質であ
るとよい。このようなものとして、例えばポリアミド樹
脂、フッ素樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹
脂、ポリアセタール樹脂等の熱可塑樹脂、シリコーン、
SBR、NBR等のゴム状物質等を挙げることが出来
る。また該袋状物の厚みは、成形体の寸法精度を保つた
めには薄い方が良く、1mm以下が望ましい。
ダー含浸繊維集合体を巻き付けた成形用内型を覆うに必
要最小の大きさ以上である。また袋の内部を減圧したと
きにバインダーを含浸させた繊維集合体を均一に圧縮す
るためには、充分な柔軟性を持つ通気性のない材質であ
るとよい。このようなものとして、例えばポリアミド樹
脂、フッ素樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹
脂、ポリアセタール樹脂等の熱可塑樹脂、シリコーン、
SBR、NBR等のゴム状物質等を挙げることが出来
る。また該袋状物の厚みは、成形体の寸法精度を保つた
めには薄い方が良く、1mm以下が望ましい。
【0020】このような方法によって成形した筒状成形
体は、次いで窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気中、
または真空中で1000℃以上の温度で焼成することに
より目的とする多孔質炭素成形体を得ることができる。
目的によっては更に2000℃以上の温度で焼成するこ
とにより黒鉛化することも可能である。
体は、次いで窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気中、
または真空中で1000℃以上の温度で焼成することに
より目的とする多孔質炭素成形体を得ることができる。
目的によっては更に2000℃以上の温度で焼成するこ
とにより黒鉛化することも可能である。
【0021】得られた多孔質炭素成形体は、炭素材の特
性である化学的安定性、不活性雰囲気下での耐熱性、導
電性等を生かした種々の用途、例えば超高温用断熱材、
電極材、フィルター等に用いられる。
性である化学的安定性、不活性雰囲気下での耐熱性、導
電性等を生かした種々の用途、例えば超高温用断熱材、
電極材、フィルター等に用いられる。
【0022】
【実施例】次いで本発明を実施例によって更に説明す
る。尚、例中の%は特に断りのない限り重量基準であ
る。
る。尚、例中の%は特に断りのない限り重量基準であ
る。
【0023】実施例1 ピッチ系汎用炭素繊維[(株)ドナック製ドナカーボ、
繊維径13.5μm、平均繊維長12cm]を用いて、
ニードルパンチにより500g/m2のフェルトを作成
した。このフェルトにノボラックフェノール樹脂の60
%メタノール溶液を含浸、乾燥させて樹脂含有量50%
のプリプレグシートを得た。このシートを50cm×1
9mに切断し、フッ素系離型剤を表面に塗布した50c
mφ×48cmφ×50cmHのFRP製成形用型(成
形内型)の外側に巻き付けた。(巻き付け肉厚:19c
m)
繊維径13.5μm、平均繊維長12cm]を用いて、
ニードルパンチにより500g/m2のフェルトを作成
した。このフェルトにノボラックフェノール樹脂の60
%メタノール溶液を含浸、乾燥させて樹脂含有量50%
のプリプレグシートを得た。このシートを50cm×1
9mに切断し、フッ素系離型剤を表面に塗布した50c
mφ×48cmφ×50cmHのFRP製成形用型(成
形内型)の外側に巻き付けた。(巻き付け肉厚:19c
m)
【0024】更にこれを50μT×120cmW×250
cmLのポリプロピレン製の袋で覆い、袋の内部を約4
00torrまで減圧し、プリプレグシートを成形用型
に圧縮密着させた。(圧縮時の巻き付け肉厚:7cm)
これを62cmφ×60cmφ×50cmHのFRP製
成形用型(成形外型)の内側に入れた後、減圧を解除し
た。プリプレグシートは膨れて成形用外型に密着したの
で150℃×60分の条件で熱硬化させた後、内型及び
外型を引き抜いた。得られた成形体を真空中、2000
℃で1時間焼成し、60cmφ×50cmφ×50cm
H、嵩密度が0.16g/cm3の均質な円筒状多孔質黒
鉛成形体を得た。
cmLのポリプロピレン製の袋で覆い、袋の内部を約4
00torrまで減圧し、プリプレグシートを成形用型
に圧縮密着させた。(圧縮時の巻き付け肉厚:7cm)
これを62cmφ×60cmφ×50cmHのFRP製
成形用型(成形外型)の内側に入れた後、減圧を解除し
た。プリプレグシートは膨れて成形用外型に密着したの
で150℃×60分の条件で熱硬化させた後、内型及び
外型を引き抜いた。得られた成形体を真空中、2000
℃で1時間焼成し、60cmφ×50cmφ×50cm
H、嵩密度が0.16g/cm3の均質な円筒状多孔質黒
鉛成形体を得た。
【0025】比較例1 実施例1と同様な方法で、FRP性成形用型(成形内
型)外側に巻き付けた。これを、60cmφ×50cm
Hを縦に2つ割りにした成形用割外型の内部に配置し、
該外型にて圧縮して外型にてプリプレグを圧縮して割り
型を密着させた。この際、割型の接続部にプリプレグの
収縮皺が発生した。その後、実施例1と同様な方法で熱
硬化し、更に焼成して嵩密度0.16g/cm3の円筒
状多孔質黒鉛成形体を得た。該成形体を横割りにして検
査したところ、割型の接続部付近に嵩密度の異常に高い
部分が有り、測定したところ0.26g/cm3であっ
た.
型)外側に巻き付けた。これを、60cmφ×50cm
Hを縦に2つ割りにした成形用割外型の内部に配置し、
該外型にて圧縮して外型にてプリプレグを圧縮して割り
型を密着させた。この際、割型の接続部にプリプレグの
収縮皺が発生した。その後、実施例1と同様な方法で熱
硬化し、更に焼成して嵩密度0.16g/cm3の円筒
状多孔質黒鉛成形体を得た。該成形体を横割りにして検
査したところ、割型の接続部付近に嵩密度の異常に高い
部分が有り、測定したところ0.26g/cm3であっ
た.
【0026】実施例2 ピッチ系汎用炭素繊維[(株)ドナック製ドナカーボ、
繊維径13.5μm、平均繊維長12cm]を用いて、
ニードルパンチにより300g/m2のフェルトを作成
した。このフェルトにノボラックフェノール樹脂の60
%メタノール溶液を含浸、乾燥させて樹脂含有量70%
のプリプレグシートを得た。このシートを10cm×
4.7mに切断し、フッ素系離型剤を表面に塗布した2
5cmφ×10cmHの成形用金型(成形内型)の外側
に巻き付けた。(巻き付け肉厚:4.2cm)
繊維径13.5μm、平均繊維長12cm]を用いて、
ニードルパンチにより300g/m2のフェルトを作成
した。このフェルトにノボラックフェノール樹脂の60
%メタノール溶液を含浸、乾燥させて樹脂含有量70%
のプリプレグシートを得た。このシートを10cm×
4.7mに切断し、フッ素系離型剤を表面に塗布した2
5cmφ×10cmHの成形用金型(成形内型)の外側
に巻き付けた。(巻き付け肉厚:4.2cm)
【0027】更にこれを100μT×45cmW×100
cmLのポリプロピレン製の袋で覆い、袋の内部を約1
50torrまで減圧し、プリプレグシートを成形型に
圧縮密着させた。(圧縮時の巻き付け肉厚:1.8c
m)これを27cmφ×φ×10cmHの成形用金型
(成形外型)の内側に入れた後、減圧を解除した。プリ
プレグシートは膨れて成形用外型に密着したので150
℃×10分の条件で熱硬化させた後、内型及び外型を引
き抜いた。得られた成形体を真空中、1000℃で1時
間焼成し、27cmφ×25cmφ×10cmH、嵩密
度が0.46g/cm3の均質な円筒状多孔質炭素成形
体を得た。
cmLのポリプロピレン製の袋で覆い、袋の内部を約1
50torrまで減圧し、プリプレグシートを成形型に
圧縮密着させた。(圧縮時の巻き付け肉厚:1.8c
m)これを27cmφ×φ×10cmHの成形用金型
(成形外型)の内側に入れた後、減圧を解除した。プリ
プレグシートは膨れて成形用外型に密着したので150
℃×10分の条件で熱硬化させた後、内型及び外型を引
き抜いた。得られた成形体を真空中、1000℃で1時
間焼成し、27cmφ×25cmφ×10cmH、嵩密
度が0.46g/cm3の均質な円筒状多孔質炭素成形
体を得た。
【0028】実施例3 ピッチ系汎用炭素繊維[(株)ドナック製ドナカーボ、
繊維径13.5μm、平均繊維長7.7cm]を用い
て、エポキシ樹脂をバインダーとする湿式抄紙法によっ
て抄紙し100g/m2のシートを作成した。このシー
トにノボラックフェノール樹脂の70%メタノール溶液
を含浸、乾燥させて樹脂含有量50%のプリプレグシー
トを得た。このシートを30cm×21mに切断し、フ
ッ素系離型剤を表面に塗布した25cmφ×30cmH
の成形用金型(成形内型)の外側に巻き付けた。(巻き
付け肉厚:7.5cm)
繊維径13.5μm、平均繊維長7.7cm]を用い
て、エポキシ樹脂をバインダーとする湿式抄紙法によっ
て抄紙し100g/m2のシートを作成した。このシー
トにノボラックフェノール樹脂の70%メタノール溶液
を含浸、乾燥させて樹脂含有量50%のプリプレグシー
トを得た。このシートを30cm×21mに切断し、フ
ッ素系離型剤を表面に塗布した25cmφ×30cmH
の成形用金型(成形内型)の外側に巻き付けた。(巻き
付け肉厚:7.5cm)
【0029】更にこれを50μT×50cmW×150c
mLのポリエチレン製の袋で覆い、袋の内部を約400
torrまで減圧し、プリプレグシートを成形用金型に
圧縮密着させた。(圧縮時の巻き付け肉厚:2.8c
m)これを30cmφ×30cmHの成形用金型(成形
外型)の内側に入れた後、減圧を解除した。プリプレグ
シートは膨れて成形用外型に密着したので150℃×2
0分の条件で熱硬化させた後、内型及び外型を引き抜い
た。得られた成形体を真空中、1000℃で1時間焼成
し、30cmφ×25cmφ×30cmH、嵩密度が
0.13g/cm3の均質な円筒状多孔質炭素成形体を
得た。
mLのポリエチレン製の袋で覆い、袋の内部を約400
torrまで減圧し、プリプレグシートを成形用金型に
圧縮密着させた。(圧縮時の巻き付け肉厚:2.8c
m)これを30cmφ×30cmHの成形用金型(成形
外型)の内側に入れた後、減圧を解除した。プリプレグ
シートは膨れて成形用外型に密着したので150℃×2
0分の条件で熱硬化させた後、内型及び外型を引き抜い
た。得られた成形体を真空中、1000℃で1時間焼成
し、30cmφ×25cmφ×30cmH、嵩密度が
0.13g/cm3の均質な円筒状多孔質炭素成形体を
得た。
【0030】
【発明の効果】本発明方法で得られた筒状炭素成形体
は、均一な嵩密度を持ち、接着部の無い一体成形体であ
る。
は、均一な嵩密度を持ち、接着部の無い一体成形体であ
る。
【図1】円筒状成形体用の成形内型にバインダー含浸繊
維集合体を巻き付けた状態を示す平面図とA−A’断面
図である。
維集合体を巻き付けた状態を示す平面図とA−A’断面
図である。
【図2】該繊維集合体の巻き付けられた成形内型を袋状
物で覆った状態を示すA−A’断面図である。
物で覆った状態を示すA−A’断面図である。
【図3】成形外型の内に配置後、袋状物内の減圧を解除
した直後の状態を示すA−A’断面図である。
した直後の状態を示すA−A’断面図である。
【図4】バインダー含浸繊維集合体が膨れ、成形外型に
密着した状態を示すA−A’断面図である。
密着した状態を示すA−A’断面図である。
1 円筒成形内型 2 バインダー含浸繊維集合体 3 袋状物 4 円筒成形外型
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI D21H 13/50 B29C 67/14 A // B29K 105:04 B29L 23:00
Claims (6)
- 【請求項1】 バインダーを含浸させた繊維集合体を用
いて筒状成形体を成形し、次いで焼成して炭素化もしく
は黒鉛化する筒状多孔質炭素成形体の製造において、該
筒状成形体用成形型の成形内型の外側にバインダーを含
浸させた繊維集合体を該成形内型の外側と該成形外型の
内側との間隙を超えて巻き付けてから、これを袋状物で
覆い、次いで該袋状物の内部を減圧して、巻き付け肉厚
を該成形内型の外側と該成形外型の内側との間隙以下と
なした後、該成形外型内に配置し、次いで該袋状物の減
圧を解除して該繊維集合体を成形外型の内側に密着さ
せ、この状態で熱硬化させた後、成形型を脱着し、次い
で焼成して炭素化もしくは黒鉛化することを特徴とする
筒状多孔質炭素成形体の製造方法。 - 【請求項2】 繊維集合体の繊維が、炭素繊維である請
求項1記載の製造方法。 - 【請求項3】 繊維集合体が、炭素繊維フェルトである
請求項1記載の製造方法。 - 【請求項4】 バインダーを含浸させた繊維集合体が、
プリプレグである請求項1記載の製造方法。 - 【請求項5】 袋状物が、熱可塑性樹脂からなるもので
ある請求項1、2、3または4記載の製造方法。 - 【請求項6】 型が円筒状多孔質炭素成形体用成形型で
ある請求項1、2、3、4または5記載の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP01505692A JP3185309B2 (ja) | 1992-01-30 | 1992-01-30 | 筒状多孔質炭素成形体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP01505692A JP3185309B2 (ja) | 1992-01-30 | 1992-01-30 | 筒状多孔質炭素成形体の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05208876A JPH05208876A (ja) | 1993-08-20 |
JP3185309B2 true JP3185309B2 (ja) | 2001-07-09 |
Family
ID=11878186
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP01505692A Expired - Fee Related JP3185309B2 (ja) | 1992-01-30 | 1992-01-30 | 筒状多孔質炭素成形体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3185309B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100401301B1 (ko) * | 2001-03-29 | 2003-10-10 | 주식회사 태양테크 | 화학용액조 제조방법 |
CN110268562B (zh) * | 2018-03-07 | 2022-08-23 | 杰富意化学株式会社 | 锂离子二次电池用负极材料的制造方法 |
-
1992
- 1992-01-30 JP JP01505692A patent/JP3185309B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05208876A (ja) | 1993-08-20 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US20060177663A1 (en) | Carbon-carbon composite article manufactured with needled fibers | |
JP2004315297A (ja) | ナノカーボンコンポジット材及びその製造方法 | |
US4101354A (en) | Coating for fibrous carbon material in boron containing composites | |
US3724386A (en) | Ablative nose tips and method for their manufacture | |
JP3185309B2 (ja) | 筒状多孔質炭素成形体の製造方法 | |
JPH03150266A (ja) | 炭素/炭素複合材料の製造方法 | |
JP3235682B2 (ja) | 筒状多孔質炭素成形体の製造方法 | |
JPH0578182A (ja) | 多孔質炭素成形品の製法および電極材 | |
EP0539476B1 (en) | Carbon-carbon composite material | |
JP2003286085A (ja) | 多孔質炭素板およびその製造方法 | |
JP2004134108A (ja) | 多孔質炭素電極基材前駆体シート状物の製造方法 | |
GB2112827A (en) | Carbon fiber materials | |
JP2594952B2 (ja) | 成形断熱材及びその製法 | |
JP3288433B2 (ja) | 炭素繊維強化炭素複合材料前駆体 | |
JPS6360156A (ja) | 高炭素複合材料 | |
JPH052625B2 (ja) | ||
JPH06206780A (ja) | 活性多孔質炭素構造体の製造方法 | |
KR940010099B1 (ko) | 콜타르-페놀수지 혼합물을 이용한 탄소/탄소 복합재료 제조방법 | |
JPH05306167A (ja) | 短繊維強化c/cコンポジットの製造方法 | |
JPH0352426B2 (ja) | ||
JP2632955B2 (ja) | 多孔質炭素板の製造法 | |
JP3948758B2 (ja) | 圧縮プリプレグの製造方法及び該プリプレグを用いた成形品の製造方法 | |
JP3983401B2 (ja) | C/c材からなる成形体の製造方法 | |
JPH01264967A (ja) | 黒鉛成形体の製造方法 | |
JP2005104779A (ja) | 多孔質炭素板の製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |