JP2004315297A - ナノカーボンコンポジット材及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【目的】ナノカーボンの本来有している特性が実現できるナノカーボン含有率の高いナノカーボンコンポジット材を提供することを目的とするものである。
【構成】カーボンナノチューブ(1)またはカーボンナノファイバ(1)が炭素(2)で3次元的に繋がっており、且つ空隙部(3)を有する多孔質体(4)であり、前記多孔質体(4)の前記空隙部(3)に樹脂、ゴム、金属、またはカーボン系材料が含浸されていることを特徴とする。
【選択図】図1
【構成】カーボンナノチューブ(1)またはカーボンナノファイバ(1)が炭素(2)で3次元的に繋がっており、且つ空隙部(3)を有する多孔質体(4)であり、前記多孔質体(4)の前記空隙部(3)に樹脂、ゴム、金属、またはカーボン系材料が含浸されていることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する分野】
本発明は、ナノカーボンコンポジット材及びその製造方法に関するものである。本発明でのナノカーボン1とはアスペクト比が10以上、径がナノ単位であるカーボンナノチューブ(CNT)、またはカーボンナノファイバ(CNF)の総称していう。
【0002】
【従来の技術】
従来から、樹脂にカーボンブラック、炭素繊維等のカーボンを配合することによって、所望の導電性を樹脂組成物が提案されている。これに対して近年、成形体に優れた導電性、力学特性を付与するために、従来のカーボンブラックや炭素繊維に替わり、カーボンナノチューブを配合する試みが行われてきた。カーボンナノチューブをマトリクス中に含む複合材料が提案されている。(特許第2641712号公報)。樹脂組成物中においてカーボンナノチューブの形態としては、樹脂中にカーボンナノチューブが凝集体を形成、または絡み合ったものが知られている。(特許第3034027号公報)。また、カーボン含有樹枝組成物に近い物理特性を有するものとしては、層状珪酸塩の珪酸塩層が分子レベルで均一にポリアミドの樹脂中に分散しているナノコンポジット樹脂が知られている。(特開2000−345029号公報)。カーボンナノチューブが凝集しないでからみあいなく樹脂中に分散している樹脂組成物、成形材料、成形体が知られている。(特開2003−12939号)。
【0003】
【特許文献1】
特許第2641712号公報(請求項1参照)
【特許文献2】
特許第3034027号公報(請求項1参照)
【特許文献3】
特開2000−345029号公報(請求項1参照)
【特許文献4】
特開2003−12939号(請求項1参照)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の従来技術は、ナノカーボン1が有している、優れた特性を十分に利用できていないという問題点がある。
【0005】
本発明は上述した点に鑑み、ナノカーボン1の本来有している特性が実現できるナノカーボンコンポジット材を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決する手段】
上記の課題を解決するため、本発明のナノカーボンコンポジット材は、カーボンナノチューブ1またはカーボンナノファイバ1が炭素2で3次元的に繋がっており、且つ空隙部3を有する多孔質体4であり、前記多孔質体4の前記空隙部3に樹脂、ゴム、金属、またはカーボン系材料が含浸されていることを特徴とする。
【0007】
上記の本発明のナノカーボンコンポジット材は、ナノカーボン1が炭素2で繋がった構造を有する多孔質体4はナノカーボン1と炭素2は3次元的に強固に繋がっているのでナノカーボン1の本来の特性を有しており、前記多孔質体4の空隙部3に含浸されたコンポジット材は含浸材の特性をはるかに凌ぐ特性が得られるということになる。また、上記多孔質体4には、樹脂、ゴム、金属、またはカーボン系材料を含浸できるので、各種の材料に適用でき、応用範囲も広いものとなる。
【0008】
更に、本発明のナノカーボンコンポジット材は、請求項1において、上記のカーボンナノチューブ1またはカーボンナノファイバ1は最大90wt%までの含有率を有することを特徴とする。
【0009】
上記の本発明のナノカーボンコンポジット材は、カーボンナノチューブ1またはカーボンナノファイバ1は最大90wt%までの含有率を有することにより、ナノカーボンの特性をより生かしたコンポジト材の提供が可能となる。
【0010】
更に、本発明のナノカーボンコンポジット材は、カーボンナノチューブ(1)またはカーボンナノファイバ(1)が炭素(2)とフラーレン、または炭素(2)とカーボンブラックで3次元的に繋がっており、且つ空隙部(3)を有する多孔質体(4)であり、前記多孔質体(4)の前記空隙部(3)に樹脂、ゴム、金属、またはカーボン系材料が含浸されていることを特徴とする。
【0011】
上記の本発明のナノカーボンコンポジット材は、ナノカーボン1が炭素2とフラーレン、炭素2とカーボンブラックで繋がれたものであるので、炭素のみに較べて、フラーレンまたはカーボンブラックの特性を付加することが可能となる。
【0012】
更に、本発明のナノカーボンコンポジット材は、請求項3において、上記のカーボンナノチューブ(1)またはカーボンナノファイバ(1)とフラーレンまたはカーボンブラックの総量が最大90wt%までの含有率を有することを特徴とする。
【0013】
上記の本発明のナノカーボンコンポジット材は、カーボンナノチューブ(1)またはカーボンナノファイバ(1)とフラーレンまたはカーボンブラックの総量が最大90wt%までの含有率を有することにより、ナノカーボンの特性をより生かしたコンポジト材の提供が可能となる。
【0014】
更に、本発明のナノカーボンコンポジット材の製造方法は、ナノカーボン1と熱硬化性樹脂と水系またはアルコール系の希釈剤とを混練する工程(以下、混練工程という)、上記の混練工程を経た混練物から前記希釈液と前記熱硬化性樹脂に含まれている液分を蒸発させる工程(以下、乾燥工程という)、上記の乾燥工程を経たナノカーボン・樹脂混合物13を脱泡しながら所定の圧力、所定の温度で成形する工程(以下、プレス成形という)、上記のプレス成形を経た成形品14を脱酸雰囲気で加熱して樹脂分を炭化させ、ナノカーボン1が炭素2で繋がった多孔質体4とする工程(以下、炭化工程という)、上記炭化工程を経た多孔質体4の空隙部3に樹脂、ゴム、金属、またはカーボン系材料を含浸させる工程(以下,含浸工程という)からなることを特徴とする。
【0015】
上記の本発明のナノカーボンコンポジット材の製造方法は、前記炭化工程で得られる多孔質体4は、ナノカーボン1が炭素2で繋がったものであり、前記混練工程で少量の熱硬化性樹脂で多量のナノカーボン1を混ぜ合わせることができるので高密度の多孔質体が得られ、本来ナノカーボン1が有する、優れた特性が発揮できるものである。さらに、上記の多孔質体には、合成樹脂、ゴム、金属、カーボン系材料を含浸できるので、応用範囲も広いものとなる。
【0016】
【作用】
本発明のナノカーボンコンポジット材が優れた特性を有するものであるかについて、以下に説明する。
上記の本発明のナノカーボン1が炭素2で繋がった多孔質体4の模式図を、図1に示す。図1に示すように、カーボンナノチューブ(CNT)1またはカーボンナノファイバ(CNF)1が炭素2で繋がって、3次元的にネットワークを形成している構造を有しており、且つ空隙部3を有した多孔質体4となっている。カーボンナノチューブ(CNT)1またはカーボンナノファイバ(CNF)1と炭素2との結びつきは強固であり、三次元的に繋がっているので、ナノカーボン1の本来有している特性を維持されたものとなる。
上記のカーボンナノチューブ(CNT)1またはカーボンナノファイバ(CNF)1の優れた特性を有する多孔質体4に、含浸材料として、樹脂、ゴム、金属、カーボン系材料を多孔質体4の空隙部3に含浸させることにより、含浸材料の物性・機械的特性をはるかに超えるものが得られるのである。
なお、上記の本発明での多孔質体は、英語のPreform と同義語である。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明のナノカーボンコンポジット材は、ナノカーボン1を炭素2で3次元的に繋がったネットワーク型の多孔質体4を作ることにあり、更に上記の多孔質体4に樹脂、ゴム、金属、カーボン系材料を含浸させることにある。
以下、本発明の上記の特徴について具体的に説明する。
【0018】
(実施例1)
まず、本発明のカーボンナノファイバ1を炭素で繋がった多孔質体4の製造方法について説明する。
【0019】
まず、カーボンナノファイバ(CNF)1と溶液タイプの熱硬化性樹脂と希釈液(水系またはアルコール系)を用意し、それらを混ぜ合わせる混練工程を行う。溶液タイプの熱硬化性樹脂としてはフェノール、エポキシ、ポリウレタン等が使用できる。希釈液は、水系は純水、蒸留水が、アルコール系はエチルアルコール、メチルアルコール等が使用できる。
希釈液を用いる理由は、ナノカーボン1の比表面積大きいので、例えば、5gのCNF1に5gの熱硬化性樹脂を入れた場合、砂に水を少し入れたようにCNF1の全部に樹脂がいきわたらず混ざらないので、希釈液を用いて粘度を下げ、溶媒量を増加させて、CNF1の全部に樹脂が混ざるようにする。したがって、希釈液の量は、CNF1に熱硬化性樹脂が十分に混ざる量にする。
混練方法は、手動もしくは自動混練機を用いて行う。混練時間はCNF1が全体的光沢を持つようになるまで十分な時間をかけて行う。
【0020】
次に、混練工程を終えた混練物を空気中で加熱して希釈液と熱硬化性樹脂中の液分を蒸発させる乾燥工程を行う。加熱温度は熱硬化性樹脂の硬化温度よりも低い重合反応が起こらない温度で十分な時間をかけて行う。例えば、硬化温度が150℃の熱硬化樹脂の場合、乾燥温度が60〜80℃では1時間、40〜55℃では7〜9時間が適当である。上記の乾燥工程で混錬物をかき混ぜると効率よく蒸発させることができる。
【0021】
次に、乾燥工程を終えたナノカーボン・樹脂混合物13を脱泡しながら所定の圧力、所定の温度で成形するプレス工程を行う。プレス工程の1例を図2を用いて具体的に説明する。図2はプレス成形装置を示す。雌金型5中に上記の乾燥工程を経たナノカーボン・樹脂混合物13を載置し、雄金型6を用いて圧力を加えながら、雌金型5の周囲に配設されたヒーター7により熱硬化性樹脂を加熱して熱硬化性樹脂を硬化させる。この作業は、真空中で行われ、ナノカーボン・樹脂混合物13中含まれる空気及び熱硬化性樹脂の重合に伴う揮発分を取り除くようにする。上記の圧力は0〜1000kg/cm2を加える。加熱温度は熱硬化性樹脂の硬化温度とする。このときの圧力は炭化工程での多孔質体4の密度と関係し、圧力を高くすると空隙が少ない多孔質体4となり、圧力を低くすると大きい空隙を有する多孔質体4となる。
圧力を加える時間は熱硬化性樹脂の硬化が終了する時間まで少くなくとも行う。
【0022】
次に、上記のプレス成形を経た成形品14を脱酸雰囲気で加熱して樹脂分を炭化させ、ナノカーボン1が炭素で繋がった多孔質体4とする炭化工程を行う。
脱酸雰囲気を炭で行う場合の具体例を図3に模式図で示す。第1のステンレス容器(またはアルミナ容器)11に上記のプレス工程を経た成形品14を載置し、前記第1のステンレス容器11の周りを炭10で覆い、炭10は第2のステンレス容器12で保持されている。第2のステンレス容器12の周囲にヒーター7を設け、大気中で500〜1200℃の温度で樹脂分を炭化させる。この炭10はナノカーボン1及び樹脂より早く酸素と反応するためナノカーボン1及び樹脂の酸化を防ぐことができる。上記の図3に示す装置の場合、炭化処理を大気中で行う電気炉であるため1200℃までの温度しか加えることができないが、不活性雰囲気の黒鉛炉で行う場合は、500℃〜3000℃の温度範囲で炭化が可能となる。炭化温度は高温にする程(3000℃に近くする程)炭素はグラファイト化されたものが得られる。上記の図3の装置で800℃で炭化を行った、ナノカーボン1が炭素2で強固に繋がったマトリクス多孔質体4の模式図を図1に示す。
【0023】
上記の多孔質体4のCNFの含有率と抵抗率(Ω・cm)の関係、CNFの含有率と熱伝導率(W/cm・K)の関係、CNFの含有率と密度(g/cm3)の関係を測定した結果を、それぞれ図6、7、8に示す。○印はプレス工程を終えた成形品、●印は炭化工程を終えた多孔質体4での測定値を示す。いずれの結果もCNFの含有率が高くすることができるので、それに伴って電気特性の抵抗率の低い、熱伝導性の良い特性、優れた軽量化特性を有する材料が得られることが解かる。
【0024】
上記の混練工程において、熱硬化性の樹脂にフラーレン(60個以上の炭素原子が強く結合して球状に閉じたネットワーク構造を形成しているもの)、またはカーボンブラックを含有したものを用いると、炭化工程で得られる多孔質体はナノカーボン1が炭素2とフラーレン、炭素2とカーボンブラックで繋がれたものができる。このものは、炭素のみに較べて、フラーレンまたはカーボンブラックの特性を付加することが可能となる。
【0025】
次に、上記の炭化工程を終えたナノカーボン1が炭素2で強固に繋がったマトリクス多孔質体4の空隙部3に樹脂、ゴム、金属、カーボン系材料を含浸させると含浸材料の特性をはるかに凌ぐものが得られる。
上記の含浸材料としては、樹脂は熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、ゴムは天然ゴム、合成ゴム、金属はマグネシウム、アルミニウム、カーボン系材料としてはグラッシカーボンが適用できる。
【0026】
含浸方法としては、圧力方式と吸引方式が適用できる。図4は圧力方式の含浸装置を模式図で示したものである。雌金型5と雄金型6からなる圧縮用金型の中に本発明の多孔質体4と含浸材料15を挿入し、圧力により含浸材15を多孔質体4に含浸させる。前記圧縮用金型はヒーターにより加熱することができる。充填材が樹脂モノマーを硬化剤により硬化させる場合はヒーターによる加熱は必要としない。この圧力方式は、上記の含浸材料のすべてに適用できる。
図5は吸引方式の含浸装置を模式図で示したものである。この吸引方式は充填材15が金属、カーボン系材料には適用できないが、硬化剤により固まる材料に対して有効な方法である。
【0027】
【発明の効果】
上記の如く、本発明のナノカーボンコンポジット材は、ナノカーボン1が炭素2で繋がった構造を有する多孔質体4はナノカーボン1と炭素2は3次元的に強固に繋がっているのでナノカーボン1の本来の特性を有しており、前記多孔質体4の空隙部3に含浸されたコンポジット材は含浸材の特性をはるかに凌ぐ特性が得られるということになる。また、上記多孔質体4には、樹脂、ゴム、金属、またはカーボン系材料を含浸できるので、各種の材料に適用でき、応用範囲も広いものとなる。
【0028】
更に、本発明のナノカーボンコンポジット材は、カーボンナノチューブ1またはカーボンナノファイバ1は最大90wt%までの含有率を有することにより、ナノカーボンの特性をより生かしたコンポジト材の提供が可能となる。
【0029】
更に、本発明のナノカーボンコンポジット材は、ナノカーボン1が炭素2とフラーレン、炭素2とカーボンブラックで繋がれたものであるので、炭素のみに較べて、フラーレンまたはカーボンブラックの特性を付加することが可能となる。
【0030】
更に、本発明のナノカーボンコンポジット材は、カーボンナノチューブ(1)またはカーボンナノファイバ(1)とフラーレンまたはカーボンブラックの総量が最大90wt%までの含有率を有することにより、ナノカーボンの特性をより生かしたコンポジト材の提供が可能となる。
【0031】
更に、本発明のナノカーボンコンポジット材の製造方法は、前記炭化工程で得られる多孔質体4は、ナノカーボンチューブ1が炭素2で繋がったものであり、前記混練工程で少量の熱硬化性樹脂で多量のナノカーボンチューブ1を混ぜ合わせることができるので高密度の多孔質体4が得られ、本来カーボンナノチューブ1が有する、優れた特性が発揮できるものである。さらに、上記の多孔質体には、合成樹脂、ゴム、金属、カーボン系材料を含浸できるので、応用範囲も広いものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のナノカーボンが炭素で強固に繋がったマトリクス多孔質体の模式図を示すものである。
【図2】本発明のプレス工程でのプレス装置の具体例を模式図で示したものである。
【図3】本発明の炭化工程での脱酸雰囲気を炭で行う場合の炭化装置の具体例を模式図で示したものである。
【図4】本発明の含浸工程での圧力方式による含浸装置の具体例の模式図を示したものである。
【図5】本発明の含浸工程での吸引方式による含浸装置の具体例の模式図を示したものである。
【図6】本発明の炭化工程を経た多孔質体4のCNFの含有率と抵抗率(Ω・cm)の関係を示したものである。
【図7】本発明の炭化工程を経た多孔質体4のCNFの含有率と熱伝導率(W/cm・K)の関係を示したものである。
【図8】本発明の炭化工程を経た多孔質体4のCNFの含有率と密度(g/cm3)の関係を示したものである。
【符号の説明】
1 ナノカーボン(カーボンナノチューブまたはカーボンナノファイバ)
2 炭素
3 空隙部
4 多孔質体
5 雌金型
6 雄金型
7 ヒーター
8 真空口
9 真空圧力容器
10 炭
11 第1のステンレス容器(またはアルミナ容器)
12 第2のステンレス容器
13 乾燥工程を終えたナノカーボン・樹脂混合物
14 プレス工程を終えた成形品
15 含浸材料
【発明の属する分野】
本発明は、ナノカーボンコンポジット材及びその製造方法に関するものである。本発明でのナノカーボン1とはアスペクト比が10以上、径がナノ単位であるカーボンナノチューブ(CNT)、またはカーボンナノファイバ(CNF)の総称していう。
【0002】
【従来の技術】
従来から、樹脂にカーボンブラック、炭素繊維等のカーボンを配合することによって、所望の導電性を樹脂組成物が提案されている。これに対して近年、成形体に優れた導電性、力学特性を付与するために、従来のカーボンブラックや炭素繊維に替わり、カーボンナノチューブを配合する試みが行われてきた。カーボンナノチューブをマトリクス中に含む複合材料が提案されている。(特許第2641712号公報)。樹脂組成物中においてカーボンナノチューブの形態としては、樹脂中にカーボンナノチューブが凝集体を形成、または絡み合ったものが知られている。(特許第3034027号公報)。また、カーボン含有樹枝組成物に近い物理特性を有するものとしては、層状珪酸塩の珪酸塩層が分子レベルで均一にポリアミドの樹脂中に分散しているナノコンポジット樹脂が知られている。(特開2000−345029号公報)。カーボンナノチューブが凝集しないでからみあいなく樹脂中に分散している樹脂組成物、成形材料、成形体が知られている。(特開2003−12939号)。
【0003】
【特許文献1】
特許第2641712号公報(請求項1参照)
【特許文献2】
特許第3034027号公報(請求項1参照)
【特許文献3】
特開2000−345029号公報(請求項1参照)
【特許文献4】
特開2003−12939号(請求項1参照)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の従来技術は、ナノカーボン1が有している、優れた特性を十分に利用できていないという問題点がある。
【0005】
本発明は上述した点に鑑み、ナノカーボン1の本来有している特性が実現できるナノカーボンコンポジット材を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決する手段】
上記の課題を解決するため、本発明のナノカーボンコンポジット材は、カーボンナノチューブ1またはカーボンナノファイバ1が炭素2で3次元的に繋がっており、且つ空隙部3を有する多孔質体4であり、前記多孔質体4の前記空隙部3に樹脂、ゴム、金属、またはカーボン系材料が含浸されていることを特徴とする。
【0007】
上記の本発明のナノカーボンコンポジット材は、ナノカーボン1が炭素2で繋がった構造を有する多孔質体4はナノカーボン1と炭素2は3次元的に強固に繋がっているのでナノカーボン1の本来の特性を有しており、前記多孔質体4の空隙部3に含浸されたコンポジット材は含浸材の特性をはるかに凌ぐ特性が得られるということになる。また、上記多孔質体4には、樹脂、ゴム、金属、またはカーボン系材料を含浸できるので、各種の材料に適用でき、応用範囲も広いものとなる。
【0008】
更に、本発明のナノカーボンコンポジット材は、請求項1において、上記のカーボンナノチューブ1またはカーボンナノファイバ1は最大90wt%までの含有率を有することを特徴とする。
【0009】
上記の本発明のナノカーボンコンポジット材は、カーボンナノチューブ1またはカーボンナノファイバ1は最大90wt%までの含有率を有することにより、ナノカーボンの特性をより生かしたコンポジト材の提供が可能となる。
【0010】
更に、本発明のナノカーボンコンポジット材は、カーボンナノチューブ(1)またはカーボンナノファイバ(1)が炭素(2)とフラーレン、または炭素(2)とカーボンブラックで3次元的に繋がっており、且つ空隙部(3)を有する多孔質体(4)であり、前記多孔質体(4)の前記空隙部(3)に樹脂、ゴム、金属、またはカーボン系材料が含浸されていることを特徴とする。
【0011】
上記の本発明のナノカーボンコンポジット材は、ナノカーボン1が炭素2とフラーレン、炭素2とカーボンブラックで繋がれたものであるので、炭素のみに較べて、フラーレンまたはカーボンブラックの特性を付加することが可能となる。
【0012】
更に、本発明のナノカーボンコンポジット材は、請求項3において、上記のカーボンナノチューブ(1)またはカーボンナノファイバ(1)とフラーレンまたはカーボンブラックの総量が最大90wt%までの含有率を有することを特徴とする。
【0013】
上記の本発明のナノカーボンコンポジット材は、カーボンナノチューブ(1)またはカーボンナノファイバ(1)とフラーレンまたはカーボンブラックの総量が最大90wt%までの含有率を有することにより、ナノカーボンの特性をより生かしたコンポジト材の提供が可能となる。
【0014】
更に、本発明のナノカーボンコンポジット材の製造方法は、ナノカーボン1と熱硬化性樹脂と水系またはアルコール系の希釈剤とを混練する工程(以下、混練工程という)、上記の混練工程を経た混練物から前記希釈液と前記熱硬化性樹脂に含まれている液分を蒸発させる工程(以下、乾燥工程という)、上記の乾燥工程を経たナノカーボン・樹脂混合物13を脱泡しながら所定の圧力、所定の温度で成形する工程(以下、プレス成形という)、上記のプレス成形を経た成形品14を脱酸雰囲気で加熱して樹脂分を炭化させ、ナノカーボン1が炭素2で繋がった多孔質体4とする工程(以下、炭化工程という)、上記炭化工程を経た多孔質体4の空隙部3に樹脂、ゴム、金属、またはカーボン系材料を含浸させる工程(以下,含浸工程という)からなることを特徴とする。
【0015】
上記の本発明のナノカーボンコンポジット材の製造方法は、前記炭化工程で得られる多孔質体4は、ナノカーボン1が炭素2で繋がったものであり、前記混練工程で少量の熱硬化性樹脂で多量のナノカーボン1を混ぜ合わせることができるので高密度の多孔質体が得られ、本来ナノカーボン1が有する、優れた特性が発揮できるものである。さらに、上記の多孔質体には、合成樹脂、ゴム、金属、カーボン系材料を含浸できるので、応用範囲も広いものとなる。
【0016】
【作用】
本発明のナノカーボンコンポジット材が優れた特性を有するものであるかについて、以下に説明する。
上記の本発明のナノカーボン1が炭素2で繋がった多孔質体4の模式図を、図1に示す。図1に示すように、カーボンナノチューブ(CNT)1またはカーボンナノファイバ(CNF)1が炭素2で繋がって、3次元的にネットワークを形成している構造を有しており、且つ空隙部3を有した多孔質体4となっている。カーボンナノチューブ(CNT)1またはカーボンナノファイバ(CNF)1と炭素2との結びつきは強固であり、三次元的に繋がっているので、ナノカーボン1の本来有している特性を維持されたものとなる。
上記のカーボンナノチューブ(CNT)1またはカーボンナノファイバ(CNF)1の優れた特性を有する多孔質体4に、含浸材料として、樹脂、ゴム、金属、カーボン系材料を多孔質体4の空隙部3に含浸させることにより、含浸材料の物性・機械的特性をはるかに超えるものが得られるのである。
なお、上記の本発明での多孔質体は、英語のPreform と同義語である。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明のナノカーボンコンポジット材は、ナノカーボン1を炭素2で3次元的に繋がったネットワーク型の多孔質体4を作ることにあり、更に上記の多孔質体4に樹脂、ゴム、金属、カーボン系材料を含浸させることにある。
以下、本発明の上記の特徴について具体的に説明する。
【0018】
(実施例1)
まず、本発明のカーボンナノファイバ1を炭素で繋がった多孔質体4の製造方法について説明する。
【0019】
まず、カーボンナノファイバ(CNF)1と溶液タイプの熱硬化性樹脂と希釈液(水系またはアルコール系)を用意し、それらを混ぜ合わせる混練工程を行う。溶液タイプの熱硬化性樹脂としてはフェノール、エポキシ、ポリウレタン等が使用できる。希釈液は、水系は純水、蒸留水が、アルコール系はエチルアルコール、メチルアルコール等が使用できる。
希釈液を用いる理由は、ナノカーボン1の比表面積大きいので、例えば、5gのCNF1に5gの熱硬化性樹脂を入れた場合、砂に水を少し入れたようにCNF1の全部に樹脂がいきわたらず混ざらないので、希釈液を用いて粘度を下げ、溶媒量を増加させて、CNF1の全部に樹脂が混ざるようにする。したがって、希釈液の量は、CNF1に熱硬化性樹脂が十分に混ざる量にする。
混練方法は、手動もしくは自動混練機を用いて行う。混練時間はCNF1が全体的光沢を持つようになるまで十分な時間をかけて行う。
【0020】
次に、混練工程を終えた混練物を空気中で加熱して希釈液と熱硬化性樹脂中の液分を蒸発させる乾燥工程を行う。加熱温度は熱硬化性樹脂の硬化温度よりも低い重合反応が起こらない温度で十分な時間をかけて行う。例えば、硬化温度が150℃の熱硬化樹脂の場合、乾燥温度が60〜80℃では1時間、40〜55℃では7〜9時間が適当である。上記の乾燥工程で混錬物をかき混ぜると効率よく蒸発させることができる。
【0021】
次に、乾燥工程を終えたナノカーボン・樹脂混合物13を脱泡しながら所定の圧力、所定の温度で成形するプレス工程を行う。プレス工程の1例を図2を用いて具体的に説明する。図2はプレス成形装置を示す。雌金型5中に上記の乾燥工程を経たナノカーボン・樹脂混合物13を載置し、雄金型6を用いて圧力を加えながら、雌金型5の周囲に配設されたヒーター7により熱硬化性樹脂を加熱して熱硬化性樹脂を硬化させる。この作業は、真空中で行われ、ナノカーボン・樹脂混合物13中含まれる空気及び熱硬化性樹脂の重合に伴う揮発分を取り除くようにする。上記の圧力は0〜1000kg/cm2を加える。加熱温度は熱硬化性樹脂の硬化温度とする。このときの圧力は炭化工程での多孔質体4の密度と関係し、圧力を高くすると空隙が少ない多孔質体4となり、圧力を低くすると大きい空隙を有する多孔質体4となる。
圧力を加える時間は熱硬化性樹脂の硬化が終了する時間まで少くなくとも行う。
【0022】
次に、上記のプレス成形を経た成形品14を脱酸雰囲気で加熱して樹脂分を炭化させ、ナノカーボン1が炭素で繋がった多孔質体4とする炭化工程を行う。
脱酸雰囲気を炭で行う場合の具体例を図3に模式図で示す。第1のステンレス容器(またはアルミナ容器)11に上記のプレス工程を経た成形品14を載置し、前記第1のステンレス容器11の周りを炭10で覆い、炭10は第2のステンレス容器12で保持されている。第2のステンレス容器12の周囲にヒーター7を設け、大気中で500〜1200℃の温度で樹脂分を炭化させる。この炭10はナノカーボン1及び樹脂より早く酸素と反応するためナノカーボン1及び樹脂の酸化を防ぐことができる。上記の図3に示す装置の場合、炭化処理を大気中で行う電気炉であるため1200℃までの温度しか加えることができないが、不活性雰囲気の黒鉛炉で行う場合は、500℃〜3000℃の温度範囲で炭化が可能となる。炭化温度は高温にする程(3000℃に近くする程)炭素はグラファイト化されたものが得られる。上記の図3の装置で800℃で炭化を行った、ナノカーボン1が炭素2で強固に繋がったマトリクス多孔質体4の模式図を図1に示す。
【0023】
上記の多孔質体4のCNFの含有率と抵抗率(Ω・cm)の関係、CNFの含有率と熱伝導率(W/cm・K)の関係、CNFの含有率と密度(g/cm3)の関係を測定した結果を、それぞれ図6、7、8に示す。○印はプレス工程を終えた成形品、●印は炭化工程を終えた多孔質体4での測定値を示す。いずれの結果もCNFの含有率が高くすることができるので、それに伴って電気特性の抵抗率の低い、熱伝導性の良い特性、優れた軽量化特性を有する材料が得られることが解かる。
【0024】
上記の混練工程において、熱硬化性の樹脂にフラーレン(60個以上の炭素原子が強く結合して球状に閉じたネットワーク構造を形成しているもの)、またはカーボンブラックを含有したものを用いると、炭化工程で得られる多孔質体はナノカーボン1が炭素2とフラーレン、炭素2とカーボンブラックで繋がれたものができる。このものは、炭素のみに較べて、フラーレンまたはカーボンブラックの特性を付加することが可能となる。
【0025】
次に、上記の炭化工程を終えたナノカーボン1が炭素2で強固に繋がったマトリクス多孔質体4の空隙部3に樹脂、ゴム、金属、カーボン系材料を含浸させると含浸材料の特性をはるかに凌ぐものが得られる。
上記の含浸材料としては、樹脂は熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、ゴムは天然ゴム、合成ゴム、金属はマグネシウム、アルミニウム、カーボン系材料としてはグラッシカーボンが適用できる。
【0026】
含浸方法としては、圧力方式と吸引方式が適用できる。図4は圧力方式の含浸装置を模式図で示したものである。雌金型5と雄金型6からなる圧縮用金型の中に本発明の多孔質体4と含浸材料15を挿入し、圧力により含浸材15を多孔質体4に含浸させる。前記圧縮用金型はヒーターにより加熱することができる。充填材が樹脂モノマーを硬化剤により硬化させる場合はヒーターによる加熱は必要としない。この圧力方式は、上記の含浸材料のすべてに適用できる。
図5は吸引方式の含浸装置を模式図で示したものである。この吸引方式は充填材15が金属、カーボン系材料には適用できないが、硬化剤により固まる材料に対して有効な方法である。
【0027】
【発明の効果】
上記の如く、本発明のナノカーボンコンポジット材は、ナノカーボン1が炭素2で繋がった構造を有する多孔質体4はナノカーボン1と炭素2は3次元的に強固に繋がっているのでナノカーボン1の本来の特性を有しており、前記多孔質体4の空隙部3に含浸されたコンポジット材は含浸材の特性をはるかに凌ぐ特性が得られるということになる。また、上記多孔質体4には、樹脂、ゴム、金属、またはカーボン系材料を含浸できるので、各種の材料に適用でき、応用範囲も広いものとなる。
【0028】
更に、本発明のナノカーボンコンポジット材は、カーボンナノチューブ1またはカーボンナノファイバ1は最大90wt%までの含有率を有することにより、ナノカーボンの特性をより生かしたコンポジト材の提供が可能となる。
【0029】
更に、本発明のナノカーボンコンポジット材は、ナノカーボン1が炭素2とフラーレン、炭素2とカーボンブラックで繋がれたものであるので、炭素のみに較べて、フラーレンまたはカーボンブラックの特性を付加することが可能となる。
【0030】
更に、本発明のナノカーボンコンポジット材は、カーボンナノチューブ(1)またはカーボンナノファイバ(1)とフラーレンまたはカーボンブラックの総量が最大90wt%までの含有率を有することにより、ナノカーボンの特性をより生かしたコンポジト材の提供が可能となる。
【0031】
更に、本発明のナノカーボンコンポジット材の製造方法は、前記炭化工程で得られる多孔質体4は、ナノカーボンチューブ1が炭素2で繋がったものであり、前記混練工程で少量の熱硬化性樹脂で多量のナノカーボンチューブ1を混ぜ合わせることができるので高密度の多孔質体4が得られ、本来カーボンナノチューブ1が有する、優れた特性が発揮できるものである。さらに、上記の多孔質体には、合成樹脂、ゴム、金属、カーボン系材料を含浸できるので、応用範囲も広いものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のナノカーボンが炭素で強固に繋がったマトリクス多孔質体の模式図を示すものである。
【図2】本発明のプレス工程でのプレス装置の具体例を模式図で示したものである。
【図3】本発明の炭化工程での脱酸雰囲気を炭で行う場合の炭化装置の具体例を模式図で示したものである。
【図4】本発明の含浸工程での圧力方式による含浸装置の具体例の模式図を示したものである。
【図5】本発明の含浸工程での吸引方式による含浸装置の具体例の模式図を示したものである。
【図6】本発明の炭化工程を経た多孔質体4のCNFの含有率と抵抗率(Ω・cm)の関係を示したものである。
【図7】本発明の炭化工程を経た多孔質体4のCNFの含有率と熱伝導率(W/cm・K)の関係を示したものである。
【図8】本発明の炭化工程を経た多孔質体4のCNFの含有率と密度(g/cm3)の関係を示したものである。
【符号の説明】
1 ナノカーボン(カーボンナノチューブまたはカーボンナノファイバ)
2 炭素
3 空隙部
4 多孔質体
5 雌金型
6 雄金型
7 ヒーター
8 真空口
9 真空圧力容器
10 炭
11 第1のステンレス容器(またはアルミナ容器)
12 第2のステンレス容器
13 乾燥工程を終えたナノカーボン・樹脂混合物
14 プレス工程を終えた成形品
15 含浸材料
Claims (5)
- カーボンナノチューブ(1)またはカーボンナノファイバ(1)が炭素(2)で3次元的に繋がっており、且つ空隙部(3)を有する多孔質体(4)であり、前記多孔質体(4)の前記空隙部(3)に樹脂、ゴム、金属、またはカーボン系材料が含浸されていることを特徴とするナノカーボンコンポジット材。
- 上記のカーボンナノチューブ(1)またはカーボンナノファイバ(1)は最大90wt%までの含有率を有することを特徴とする請求項1に記載のナノカーボンコンポジット材。
- カーボンナノチューブ(1)またはカーボンナノファイバ(1)が炭素(2)とフラーレン、または炭素(2)とカーボンブラックで3次元的に繋がっており、且つ空隙部(3)を有する多孔質体(4)であり、前記多孔質体(4)の前記空隙部(3)に樹脂、ゴム、金属、またはカーボン系材料が含浸されていることを特徴とするナノカーボンコンポジット材。
- 上記のカーボンナノチューブ(1)またはカーボンナノファイバ(1)とフラーレンまたはカーボンブラックの総量が最大90wt%までの含有率を有することを特徴とする請求項3に記載のナノカーボンコンポジット材。
- カーボンナノチューブ(1)またはカーボンナノファイバ(1)と、熱硬化性樹脂と、水系またはアルコール系の希釈剤とを混練する工程(以下、混練工程という)、上記の混練工程を経た混練物から前記希釈液と前記熱硬化性樹脂に含まれている液分を蒸発させる工程(以下、乾燥工程という)、上記の乾燥工程を経た乾燥されたナノカーボン・樹脂混合物(13)を脱泡しながら所定の圧力、所定の温度で成形する工程(以下、プレス成形という)、
上記のプレス成形を経た成形品(14)を脱酸雰囲気で加熱して樹脂分を炭化させ、ナノカーボン(1)が炭素で三次元的に繋がった多孔質体(4)とする工程(以下、炭化工程という)、上記炭化工程を経た多孔質体(4)の空隙部(3)に樹脂、ゴム、金属、またはカーボン系材料を含浸させる工程(以下,含浸工程という)からなることを特徴とするナノカーボンコンポジット材の製造方法。
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