JP3948059B2 - 自動車のデファレンシャルギヤケースの懸架装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、デファレンシャルギヤケースの懸架装置に係り、特にプロペラシャフトの出力をデファレンシャルギヤに伝達する被駆動軸と、前記デファレンシャルギヤからの出力を駆動車輪に伝達するドライブシャフトとがデファレンシャルギヤケースに付属され、前記プロペラシャフトと前記被駆動軸がプロペラシャフトの後側ジョイントにより連結され、前記デファレンシャルギヤケースは、前記ドライブシャフトの前後で弾性支持素子を介してサブフレームに支持され、該サブフレームが車体に支持されるデファレンシャルギヤケースの懸架装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のデファレンシャルギヤケースの懸架装置として、例えば特公昭58−24291に示したようなものが知られている。このデファレンスギヤケースの懸架装置は、図12に示したように、デファレンシャルギヤケース1の前後を車体左右方向に配設されるフロントサブフレーム2及びリヤサブフレーム3にそれぞれ固定すると共に、フロントサブフレーム2及びリヤサブフレーム3の各端部を4つの弾性材4a,4b,4c,4dを介して車体に支持したものである。
【0003】
デファレンスギヤケース1には、車両前進走行の際に、デファレンシャルギヤケース1がプロペラシャフト5から受ける駆動トルクTと、ドライブシャフト6から受ける反動トルクtが作用する。駆動トルクTによって4つの弾性材4a,4b,4c,4dにはそれぞれ図12に示す方向にF1〜F4の力が加わり、また反動トルクtによって4つの弾性材4a,4b,4c,4dにはそれぞれf1〜f4の力が加わる。このデファレンシャルギヤケース1の懸架装置は、駆動トルクTと反動トルクtが合致する方向で作用する弾性材4a,4cのばね定数を他の弾性材4b,4dのばね定数よりも大きくし、駆動トルクTと反動トルクtが合致する方向で作用する力に対応させたものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来のデファレンシャルギヤケース1の懸架装置にあっては、車両走行時に生じるプロペラシャフト5からの駆動トルクTと、ドライブシャフト6からの反動トルクtがデファレンシャルギヤケース1に作用し、弾性材4が変位することによってデファレンスギヤケース1が傾き、プロペラシャフト5の後側ジョイント7やドライブシャフトジョイント8に屈曲角が生じて振動騒音が発生する可能性があった。
【0005】
そこで、本発明は、プロペラシャフトからの駆動トルクとドライブシャフトからの反動トルクがデファレンシャルギヤケースに作用しても、プロペラシャフトの後側ジョイント及びドライブシャフトジョイントの屈曲角が過大にならないデファレンスギヤケースの懸架装置を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
すなわち、上記課題を解決するために本発明の請求項1に係るデファレンシャルギヤケースの懸架装置の特徴は、プロペラシャフトの出力をデファレンシャルギヤに伝達する被駆動軸と、デファレンシャルギヤからの出力を駆動車輪に伝達するドライブシャフトとがデファレンシャルギヤケースに付属され、前記プロペラシャフトと前記被駆動軸がプロペラシャフトの後側ジョイントに連結され、前記デファレンシャルギヤケースは、前記ドライブシャフトの前後で弾性支持素子を介してサブフレームに支持され、該サブフレームが車体に支持されるデファレンシャルギヤケースの懸架装置において、前記被駆動軸に略直交する平面を運動する2本のリンクを前記デファレンシャルギヤケースと前記サブフレーム間に架け渡し、前記リンクの一方のデファレンシャルギヤケース側取り付け点を被駆動軸よりも上側に配置し、他方のデファレンシャルギヤケース側取り付け点を被駆動軸よりも下側に配置すると共に、被駆動軸に回転モーメントが加わるときデファレンシャルギヤケースが下方に移動するように前記リンクの延長線の交点を配置したことにある。
【0007】
また、本発明の請求項2に係るデファレンシャルギヤケースの懸架装置の特徴は、上記2本のリンクのデファレンシャルギヤケース側取り付け点は、車両上方から見て、上記被駆動軸の軸受けと、上記デファレンシャルギヤケース内の傘歯車に連結する上記ドライブシャフトの軸受けとを結ぶ線と直交し、且つデファレンシャルギヤの重心を通る直線上に位置することにある。
【0008】
また、本発明の請求項3に係るデファレンシャルギヤケースの懸架装置の特徴は、プロペラシャフトの出力をデファレンシャルギヤに伝達する被駆動軸と、デファレンシャルギヤからの出力を駆動車輪に伝達するドライブシャフトとがデファレンシャルギヤケースに付属され、前記プロペラシャフトと前記被駆動軸がプロペラシャフトの後側ジョイントに連結され、互いに剛性を整合される2つの弾性支持素子と2本のリンクを介してデファレンシャルギヤケースをサブフレームに支持するデファレンシャルギヤケースの懸架装置において、前記2つの弾性支持素子の一方がドライブシャフトの前側に位置し、他方がドライブシャフトの後側に位置すると共に、前記2本のリンクの一方のデファレンシャルギヤケース側取り付け点がプロペラシャフトよりも上側に位置し、他方のデファレンシャルギヤケース側取り付け点がプロペラシャフトよりも下側に位置し、2本のリンクのデファレンシャルギヤケース側取り付け点は、車両上方から見て、被駆動軸の軸受けとデファレンシャルギヤケース内の傘歯車と連結するドライブシャフトの軸受けを結ぶ線と直交し、且つデファレンシャルギヤの重心を通る直線上に位置し、2本のリンクの延長線の交点がプロペラシャフトに対して車両の右側に位置することにある。
【0009】
また、本発明の請求項4に係るデファレンシャルギヤケースの懸架装置の特徴は、プロペラシャフトの出力をデファレンシャルギヤに伝達する被駆動軸と、デファレンシャルギヤからの出力を駆動車輪に伝達するドライブシャフトとがデファレンシャルギヤケースに付属され、前記プロペラシャフトと前記被駆動軸がプロペラシャフトの後側ジョイントに連結され、互いに剛性を整合される3つ以上の弾性支持素子と2本のリンクを介してデファレンシャルギヤケースをサブフレームに支持するデファレンシャルギヤケースの懸架装置において、前記弾性支持素子の少なくとも1つがドライブシャフトの前側に位置し、他の弾性支持素子はドライブシャフトの後側に位置すると共に、前記2本のリンクの一方のデファレンシャルギヤケース側取り付け点がプロペラシャフトよりも上側に位置し、他方のデファレンシャルギヤケース側取り付け点がプロペラシャフトよりも下側に位置し、2本のリンクのデファレンシャルギヤケース側取り付け点は、車両上方から見て、被駆動軸の軸受けとデファレンシャルギヤケース内の傘歯車と連結するドライブシャフトの軸受けを結ぶ線と直交し、且つデファレンシャルギヤの重心を通る直線上に位置し、2本のリンクの延長線の交点がプロペラシャフトに対して車両の右側に位置することにある。
【0010】
また、請求項5に係るデファレンシャルギヤケースの懸架装置の特徴は、前記2本のリンクを前記サブフレーム及び前記デファレンシャルギヤケースに弾性部材を介して回転可能に連結し、該弾性部材の車両前後方向及び上下方向の剛性を、車両左右方向の剛性と比較して小さくすることにある。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に基づいて本発明に係るデファレンシャルギヤケースの懸架装置の実施例を詳細に説明する。図1及び図2は、本発明に係るデファレンシャルギヤケースの懸架装置の第1実施例を示したものである。まず、構成を図1及び図2に基づいて説明する。デファレンシャルギヤケース11(以下ギヤケース11という)は、後車軸伝動装置としては公知の差動装置、例えば傘歯車差動装置を含み、この差動装置の被駆動軸15がギヤケース11の前部から車両前方向に引き出され、後側ジョイント17によってプロペラシャフト18と連結されている。プロペラシャフト18は、図示しない前側ジョイントによって変速機から車両後方に引き出される駆動軸と連結される。このプロペラシャフト18によりトルクが変速機から差動装置へと伝達される。また、差動装置から各駆動車輸ヘトルクを伝達するためにギヤケース11から各駆動車輪に対して被駆動軸15に対しほぼ直角をなす方向にドライブシャフト19が通じている。
【0012】
ギヤケース11は、ドライブシャフト19の前後で2つの弾性支持素子12a及び12bを介して、サブフレーム13に弾性的に支持される。サブフレーム13は、ギヤケース11の前後で車体左右方向に延びるフロントサブフレーム13a及びリヤサブフレーム13bと、ギヤケース11の左右で車体前後方向に延びるサイドサブフレーム13cとからなり、フロントサブフレーム13a及びリヤサブフレーム13bの両端はサイドサブフレーム13cに結合される。このサブフレーム13は四隅で弾性結合部材14a,14b,14c,14dを介して車体に弾性的に支持される。
【0013】
ギヤケース11とサイドサブフレーム13cとの間には、被駆動軸15に直交する平面を運動する2本のリンク16a,16bが架け渡されている。図2に示したように、この2本のリンク16の内、上部リンク16aのギヤケース11側の取り付け点26aは、被駆動軸15よりも上側に位置し、また下部リンク16bのギヤケース11側の取り付け点26bは、被駆動軸15よりも下側に位置する。また、2本のリンク16a,16bは、図2に示したように、車両前方から見てギヤケース11の左側において、その延長線上の交点Pで交わっている。さらに、図1に示したように、2本のリンク16a,16bのギヤケース11側の取り付け点26a,26bは、車両上方から見て被駆動軸15の軸受け部20aと、ギヤケース11内の傘歯車21に連結するドライブシャフト19の軸受け部20bとを結ぶ直線(a−a)と直交し、且つデファレンシャルギヤケースの重心Gを通る直線(b−b)上に位置する。
【0014】
次に作用を説明する。自動車の前進走行の際には、図1に示すように、被駆動軸15の軸線の周りとドライブシャフト19の軸線の周りに大きさの異なる駆動トルクTp及び反動トルクTdがそれぞれ生じ、これら駆動トルクTp、反動トルクTdの合成トルクTがギヤケース11に作用する。加速時には、被駆動軸15回りの駆動トルクTpは車両前方からみて時計回りに作用し、ドライブシャフト19回りの反動トルクTdは、車両側方から見てギヤケース11の前端を持ち上げる方向に作用するため、プロペラシャフト18の後側ジョイント17及びドライブシャフトジョイント22の屈曲角を過大にしようとする。
【0015】
本発明に係るデファレンシャルギヤケースの懸架装置では、上部リンク16aのギヤケース11側の取り付け点26aを被駆動軸15よりも上側に配置する一方、下部リンク16bのギヤケース11側の取り付け点26bを被駆動軸15よりも下側に配置したことによって、ギヤケース11の被駆動軸15回りの回転変位を規制する。従って、図3に示したような駆動トルクTpによるギヤケース11の回転変位を許すことがない。図4は、被駆動軸15の駆動トルクTpとデフロール角の関係を、リンク16を設けない従来例と本発明のものとを比較して示したグラフである。従来例と比較すると同じ駆動トルクTpが加わった場合にデフロール角を低減することができる。
【0016】
図5は、被駆動軸15に時計回りの駆動トルクTpが作用したときのギヤケース11の変位を示したものである。2本のリンク16a,16bは、その延長線が被駆動軸15よりも車両前方からみて車両の左側に位置する交点Pで交わるように配置されるため、駆動トルクTpが作用するとギヤケース11は、車両の左側の交点Pを中心にして車体下方側に移動し、これに伴って後側ジョイント17も車体下方向に移動する。
【0017】
図6は、2本のリンク16a,16bを設けない従来例のデファレンスギヤケースの懸架装置において、ドライブシャフト19に反動トルクTdが作用したときの後側ジョイント17の屈曲を示したものである。ドライブシャフト19回りに反動トルクTdが作用すると、ギヤケース11も回転し、後側ジョイント17には屈曲角αが生じる。これに対して図7は、本発明のデファレンスギヤ懸架装置のドライブシャフト19に反動トルクTdが作用した場合の後側ジョイント17の屈曲を示したものである。上述したように、被駆動軸15の駆動トルクTpによりギヤケース11を車体下方に移動し、後側ジョイント17も車体下方向に移動するため、ドライブシャフト19回りの反動トルクTdによる後側ジョイント17の車体上方向の変位が打ち消され、後側ジョイント17に生じる屈曲角を前記αより小さいβに低減することができる。図8は、駆動トルクTpと後側ジョイント17の上下変位の関係を、従来例と本発明を比較して示したグラフである。この図に示すように、本発明では後側ジョイント17の上下変位を従来例に比較して低減することができるため、後側ジョイント17に生じる屈曲角を低減することができる。
【0018】
また、上述したように、2本のリンク16a,16bのギヤケース11側の取り付け部26a,26bを、車両上方向からみた時に被駆動軸15の軸受け20aと、傘歯車21に連結しているドライブシャフト19の軸受け部20bとを結ぶ直線(a−a)と直交させ、且つギヤケース11の重心Gを通る直線(b−b)上に配置したため、ギヤケース11内の傘歯車21の噛み合い誤差により生じる振動がリンク16からサブフレーム13に伝達しにくくなる。ギヤケース11内の傘歯車21の噛み合い誤差により生じる振動は、被駆動軸15及び傘歯車21と連結しているドライブシャフト19の軸受け部20bからギヤケース11に伝達され、ギヤケース11を振動させると共に、ギヤケース11を支持する弾性支持素子12あるいはリンク16からサブフレーム13や車体に伝わる。そして、この振動成分は傘歯車21の歯数で決まるプロペラシャフト18、またはドライブシャフト19の回転次数成分であり、ギヤケース11がマス(質量)、弾性支持素子12がバネとして作用するギヤケース11の剛体共振周波数と比べて高い周波数の振動である。このような高い周波数帯の入力に対してギヤケース11は、重心回りの振動変位をするので、被駆動軸15の軸受け部20aと傘歯車21と連結しているドライブシャフト19の軸受け部20bを結ぶ直線に直交し、且つギヤケース11の重心Gを通る直線上の点は他の部位と比べて相対的に振動変位が小さくなる。従って、このような点にリンク16の取り付け部を配置することにより、リンク16からサブフレーム13に伝達する振動を最小限にすることができる。図9は、ギヤケース11の先端とリンク16の取り付け部での振動変位を比較したグラフである。この図に示したように、高い周波数帯では、リンク16の取り付け部の振動変位は、ギヤケース11の先端の振動変位よりも小さくなる。
【0019】
図10は、本発明に係るデファレンシャルギヤケースの懸架装置の第2実施例を示したものである。本実施例は、第1実施例と異なり、ギヤケース11をドライブシャフト19の前方で2つの弾性支持素子12a,12cを介してサブフレーム13に支持すると共に、ドライブシャフト19の後方で1つの弾性支持素子12bを介して支持したものである。また、第1実施例と同様に、ギヤケース11とサブフレーム13との間には被駆動軸15に直交する平面を運動する2本のリンク16a,16bが架け渡されている。そして、2本のリンク16a,16bのギヤケース11側の取り付け点26a,26bは、車両上方から見て被駆動軸15の軸受け部20aと、ギヤケース11内の傘歯車21に連結するドライブシャフト19の軸受け部20bとを結ぶ直線(a−a)と直交し、且つギヤケース11の重心Gを通る直線(b−b)上に位置している。この実施例では、第1実施例と同様な作用を奏する他、3つの弾性支持素子12a,12b,12cを介してギヤケース11を懸架するので、路面からの入力に対してもより安定してギヤケース11を支持することができる。
【0020】
図11は、本発明に係るデファレンシャルギヤケースの懸架装置のうち、リンク16の一実施例を示したものである。この実施例におけるリンク16は、弾性部材23を介してギヤケース11及びサブフレーム13に回転可能に連結される。この弾性部材23は、車両前後及び上下方向の剛牲が車両左右方向の剛性と比較して小さく設定される。ギヤケース11には車両前後方向の力は作用しないこと、また、車両上下方向の入力に対するギヤケース11の支持は弾性支持素子12が担うことから、弾性部材23の車両前後及び上下方向の剛性が小さくてもギヤケース11の支持は可能である。本実施例では、ギヤケース11内の傘歯車21の噛み合い誤差により生じる振動を弾性部材23により効果的に遮断することが可能である。
【0021】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る自動車のデファレンシャルギヤケースの懸架装置によれば、被駆動軸に略直交する平面を運動する2本のリンクを前記デファレンシャルギヤケースと前記サブフレーム間に架け渡し、リンクの一方のデファレンシャルギヤケース側の取り付け点を被駆動軸の上側に配置し、他方のデファレンシャルギヤケース側の取り付け点を被駆動軸の下側に配置したため、デファレンシャルギヤケースの被駆動軸回りの回転変位を規制することができる。また、被駆動軸に回転モーメントが加わるときデファレンシャルギヤケースが下方に移動するようにリンクの延長線の交点を配置したため、被駆動軸に回転トルクが作用するとデファレンシャルギヤケースは、2本のリンクの交点を中心にして車体下方に移動する。従って、ドライブシャフトジョイント及びプロペラシャフトの後側ジョイントに生じる屈曲角を低減することができ、プロペラシャフトの後側ジョイントやドライブシャフトジョイントに屈曲角が生じて振動騒音が発生するのを防止することができる。
【0022】
また、2本のリンクのデファレンシャルギヤケース側取り付け部を車両上方向からみて、被駆動軸の軸受けと、傘歯車に連結しているドライブシャフトの軸受け部とを結ぶ直線に直交し、且つデファレンシャルギヤケースの重心を通る直線上に配置したため、ギヤケース内の傘歯車の噛み合い誤差により生じる振動がリンクからサブフレームに伝達する振動を最小限にすることができる。
【0023】
さらに、2本のリンクをサブフレーム及びデファレンシャルギヤケースに弾性部材を介して回転可能に連結し、該弾性部材の車両前後方向及び上下方向の剛性を、車両左右方向の剛性と比較して小さくしたため、デファレンシャルギヤケース内の傘歯車の噛み合い誤差により生じる振動を弾性部材により効果的に遮断することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るデファレンシャルギヤケースの懸架装置の第1実施例を示す平面図である。
【図2】上記図1のA−A線断面図である。
【図3】デファレンシャルギヤケースの回転作用を示す図である。
【図4】駆動トルクとデファレンシャルギヤケースのデフロール角の関係を示すグラフである。
【図5】駆動トルクが加わったときにデファレンシャルギヤケースが下方に移動する様子を示す作用図である。
【図6】反動トルクが加わったときのデファレンシャルギヤケースの回転を示す車体側面図である。
【図7】駆動トルク及び反動トルクが加わったときのデファレンシャルギヤケースの移動を示す車体側面図である。
【図8】駆動トルクとプロペラシャフトの後側ジョイント上下変位の関係を示すグラフである。
【図9】周波数と振動変位の関係を示すグラフである。
【図10】本発明に係るデファレンシャルギヤケースの懸架装置の第2実施例を示す平面図である。
【図11】本発明に係るデファレンシャルギヤケースのリンクの一実施例を示す図である。
【図12】従来のデファレンシャルギヤケースの懸架装置を示す斜視図である。
【符号の説明】
11 デファレンシャルギヤケース
12 弾性支持素子
13 サブフレーム
15 被駆動軸
16a 上部リンク
16b 下部リンク
17 後側ジョイント
18 プロペラシャフト
19 ドライブシャフト
20a 被駆動軸の軸受け部
20b ドライブシャフトの軸受け部
23 弾性部材
Claims (5)
- プロペラシャフトの出力をデファレンシャルギヤに伝達する被駆動軸と、デファレンシャルギヤからの出力を駆動車輪に伝達するドライブシャフトとがデファレンシャルギヤケースに付属され、前記プロペラシャフトと前記被駆動軸がプロペラシャフトの後側ジョイントに連結され、前記デファレンシャルギヤケースは、前記ドライブシャフトの前後で弾性支持素子を介してサブフレームに支持され、該サブフレームが車体に支持されるデファレンシャルギヤケースの懸架装置において、
前記被駆動軸に略直交する平面を運動する2本のリンクを前記デファレンシャルギヤケースと前記サブフレーム間に架け渡し、前記リンクの一方のデファレンシャルギヤケース側取り付け点を被駆動軸よりも上側に配置し、他方のデファレンシャルギヤケース側取り付け点を被駆動軸よりも下側に配置すると共に、被駆動軸に回転モーメントが加わるときデファレンシャルギヤケースが下方に移動するように前記リンクの延長線の交点を配置したことを特徴とするデファレンシャルギヤケースの懸架装置。 - 上記2本のリンクのデファレンシャルギヤケース側取り付け点は、車両上方から見て、上記被駆動軸の軸受けと、上記デファレンシャルギヤケース内の傘歯車に連結する上記ドライブシャフトの軸受けとを結ぶ線と直交し、且つデファレンシャルギヤの重心を通る直線上に位置することを特徴とする請求項1記載のデファレンシャルギヤケースの懸架装置。
- プロペラシャフトの出力をデファレンシャルギヤに伝達する被駆動軸と、デファレンシャルギヤからの出力を駆動車輪に伝達するドライブシャフトとがデファレンシャルギヤケースに付属され、前記プロペラシャフトと前記被駆動軸がプロペラシャフトの後側ジョイントに連結され、互いに剛性を整合される2つの弾性支持素子と2本のリンクを介してデファレンシャルギヤケースをサブフレームに支持するデファレンシャルギヤケースの懸架装置において、
前記2つの弾性支持素子の一方がドライブシャフトの前側に位置し、他方がドライブシャフトの後側に位置すると共に、前記2本のリンクの一方のデファレンシャルギヤケース側取り付け点がプロペラシャフトよりも上側に位置し、他方のデファレンシャルギヤケース側取り付け点がプロペラシャフトよりも下側に位置し、2本のリンクのデファレンシャルギヤケース側取り付け点は、車両上方から見て、被駆動軸の軸受けとデファレンシャルギヤケース内の傘歯車と連結するドライブシャフトの軸受けを結ぶ線と直交し、且つデファレンシャルギヤの重心を通る直線上に位置し、2本のリンクの延長線の交点がプロペラシャフトに対して車両の右側に位置することを特徴とするデファレンシャルギヤケースの懸架装置。 - プロペラシャフトの出力をデファレンシャルギヤに伝達する被駆動軸と、デファレンシャルギヤからの出力を駆動車輪に伝達するドライブシャフトとがデファレンシャルギヤケースに付属され、前記プロペラシャフトと前記被駆動軸がプロペラシャフトの後側ジョイントに連結され、互いに剛性を整合される3つ以上の弾性支持素子と2本のリンクを介してデファレンシャルギヤケースをサブフレームに支持するデファレンシャルギヤケースの懸架装置において、
前記弾性支持素子の少なくとも1つがドライブシャフトの前側に位置し、他の弾性支持素子はドライブシャフトの後側に位置すると共に、前記2本のリンクの一方のデファレンシャルギヤケース側取り付け点がプロペラシャフトよりも上側に位置し、他方のデファレンシャルギヤケース側取り付け点がプロペラシャフトよりも下側に位置し、2本のリンクのデファレンシャルギヤケース側取り付け点は、車両上方から見て、被駆動軸の軸受けとデファレンシャルギヤケース内の傘歯車と連結するドライブシャフトの軸受けを結ぶ線と直交し、且つデファレンシャルギヤの重心を通る直線上に位置し、2本のリンクの延長線の交点がプロペラシャフトに対して車両の右側に位置することを特徴とするデファレンシャルギヤケースの懸架装置。 - 前記2本のリンクを前記サブフレーム及び前記デファレンシャルギヤケースに弾性部材を介して回転可能に連結し、該弾性部材の車両前後方向及び上下方向の剛性を、車両左右方向の剛性より小さくしたことを特徴とする請求項1、3及び4のいずれかに記載のデファレンシャルギヤケースの懸架装置。
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