JP3948052B2 - 搬送変換機構 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁力により被搬送物を吸着して搬送する方法に関し、詳しくは、第1搬送路から第2搬送路に被搬送物を移載する際に、被搬送物の搬送状態を第1搬送路の搬送状態から第2搬送路の搬送状態に変換するための搬送変換機構に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
例えば、磁性を有するリードフレームやフープ端子などの被搬送物を搬送する場合において、例えば、一方の搬送経路(第1搬送路)から、搬送速度などの異なる他方の搬送経路(第2搬送路)に被搬送物を移し換える(移載する)ことが必要になる場合がある。
【0003】
そのような場合において、従来は、
( 1 )搬送条件(連続送りの場合の搬送速度や間欠送りの場合の搬送距離など)を変換するために、本来の搬送機構とは別に、プッシャーや送り爪による押し出し方式やピックアンドプレース方式などの移し換え機構を設けて、一方の搬送経路から他方の搬送経路への移載を行う方法や、
(2)一方の搬送経路と他方の搬送経路の搬送動作を移し換えの際に同期させ、被搬送物を他方の搬送経路に確実に移し換えた後、所定の搬送動作を行う方法
などが用いられている。
【0004】
しかし、上記(1)のように、搬送装置に本来の搬送機構とは別の移し換え機構を設けるようにした場合には、
(a)構成が複雑になり、設備が大型化して、コストの増大を招く、
(b)プッシャーや送り爪による移し換え機構の動作は、通常、往復動作となるため、戻り動作時間がタクトタイムに影響し、高速化が妨げられる、
(c)また、無理に高速化した場合には、振動や騒音の原因となる
というような問題点がある。
また、上記(2)のように、一方の搬送経路と他方の搬送経路の搬送動作を移し換えの際に同期させるようにした場合には、移載中は、各搬送経路での加工作業などができなくなり、作業時間の短縮を余儀なくされる
というような問題点がある。
【0005】
本発明は、上記問題点を解決するものであり、設備の大型化を招いたりすることなく、第1搬送路上から第2搬送路上に被搬送物を搬送する際に、被搬送物の搬送条件(例えば、連続送りの場合の搬送速度や間欠送りの場合の搬送距離など)を速やかに変換することが可能な搬送変換機構を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明(請求項1)の搬送変換機構は、
磁性を有するワークである被搬送物を、非磁性体からなる搬送媒体であるベルトの、被搬送物が吸着される吸着面側とは逆の面側に配設された固定磁石によりベルト上に吸着して搬送するように構成された第1搬送路から、同じく磁性を有するワークである被搬送物を、非磁性体からなる搬送媒体であるベルトの、被搬送物が吸着される吸着面側とは逆の面側に配設された固定磁石によりベルト上に吸着して搬送するように構成された第2搬送路に被搬送物を移載する際に、被搬送物の搬送状態を第1搬送路の搬送状態から第2搬送路の搬送状態に変換するための搬送変換機構であって、
第1搬送路と第2搬送路の境界部の、前記ベルトの前記被搬送物が吸着される吸着面側とは逆の面側に磁石を配設し、該磁石から前記境界部にかかる磁力を制御することにより、被搬送物の搬送状態を第1搬送路の搬送状態から第2搬送路の搬送状態に変換すること
を特徴としている。
【0007】
第1搬送路と第2搬送路の境界部に磁石を配設し、該磁石から境界部にかかる磁力を制御することにより、第1搬送路から第2搬送路へ被搬送物を移載する際の被搬送物の搬送状態(連続送りの場合の搬送速度や間欠送りの際の搬送距離など)を、第1搬送路の搬送状態から第2搬送路の搬送状態に速やかに変換することが可能になる。また、従来のプッシャーや送り爪による押し出し方式やピックアンドプレース方式などを用いていないため、プッシャーや送り爪などの戻り動作時間がタクトタイムに影響するようなことがなく、移載中に、各搬送経路での加工作業などができなくなるようなことを回避して、十分な作業時間を確保することが可能になり、その点でも搬送の高速化を図ることが可能になる。
【0008】
また、本発明(請求項2)の搬送変換機構は、前記第1搬送路と前記第2搬送路の境界部に配設された磁石から前記境界部にかかる磁力を制御する方法として、前記境界部に変位可能に磁石を配設し、前記磁石の位置を変える方法、及び、前記境界部に電磁石を配設し、電磁石への給電をON−OFFする方法のいずれか一方を用いることを特徴としている。
【0009】
境界部に変位可能に磁石を配設し、前記磁石の位置を変える方法、及び、境界部に電磁石を配設し、電磁石への給電をON−OFFする方法のいずれか一方を用いることにより、第1搬送路と第2搬送路の境界部の磁力を容易に制御することが可能になり、第1搬送路から第2搬送路へ被搬送物を移載する際に、被搬送物の搬送状態(連続送りの場合の搬送速度や間欠送りの際の搬送距離など)を、効率よく速やかに変換することが可能になる。
【0010】
なお、磁石を移動させるための駆動手段としては、エアシリンダや電磁ソレノイドなどを用いることが可能であり、その場合、従来のプッシャーや送り爪による押し出し方式やピックアンドプレース方式などに比べて動作量を小さいため、高速化が図りやすく、振動や騒音面でも問題となるようなことが少ない。
【0011】
また、本発明(請求項3)の搬送変換機構は、
前記第1搬送路と前記第2搬送路の境界部に配設された磁石から前記境界部にかかる磁力を制御する方法として、前記境界部の、第1搬送路に近い位置に第1搬送路側磁石を配設し、第2搬送路に近い位置に第2搬送路側磁石を配設するとともに、第1及び第2搬送路側磁石の位置を変える方法、及び、前記第1及び第2搬送路側磁石として電磁石を用い、前記電磁石への給電をON−OFFする方法のいずれか一方を用いることを特徴としている。
【0012】
境界部に、第1搬送路側磁石と第2搬送路側磁石を配設するとともに、第1及び第2搬送路側磁石の位置を変える方法、又は、第1及び第2搬送路側磁石として電磁石を用い、該電磁石への給電をON−OFFする方法を用いることにより、第1搬送路と第2搬送路の境界部に配設された磁石から境界部にかかる磁力を効率よく制御することが可能になる。
【0013】
また、本発明(請求項4)の搬送変換機構は、
前記第1搬送路と前記第2搬送路の境界部に配設された磁石から前記境界部にかかる磁力の制御を、前記被搬送物が前記第1搬送路と前記第2搬送路の境界部に達したときに行うことを特徴としている。
【0014】
被搬送物が第1搬送路と第2搬送路の境界部に達したときに、第1搬送路と第2搬送路の境界部付近の磁力の制御を行うことにより、第1搬送路の搬送状態から第2搬送路の搬送状態への搬送状態の変換を効率よく行うことが可能になる。
【0015】
また、本発明(請求項5)の搬送変換機構は、
前記第1搬送路と第2搬送路の搬送形態が、
(a)被搬送物を連続的に搬送する連続送りどうしの組み合わせであって、第1搬送路と第2搬送路のいずれか一方の搬送速度が他方の搬送速度より大きい場合、
(b)被搬送物を間欠的に搬送する間欠送りどうしの組み合わせであって、第1搬送路と第2搬送路のいずれか一方の搬送工程における搬送距離が他方の搬送距離より大きい場合、
(c)連続送りと間欠送りの組み合わせの場合
のいずれか一つであることを特徴としている。
【0016】
前記境界部にかかる磁力を制御することにより、第1搬送路と第2搬送路の搬送形態が、上記のような連続送りどうしの組み合わせ、間欠送りどうしの組み合わせ、又は連続送りと間欠送りの組み合わせのいずれの場合にも、以下に説明するように、被搬送物の搬送状態を第1搬送路の搬送状態から第2搬送路の搬送状態に効率よく変換することが可能になる。
【0017】
[連続送りどうしの組み合わせの場合]
ここでは、図1に示すように、第1の磁石11上に、非磁性体からなる第1のベルト12を移動可能に配設した第1搬送路12aから、第2の磁石21上に、非磁性体からなる第2のベルト22を移動可能に配設した第2搬送路22aに被搬送物1を移載する場合を例にとって説明する。なお、第1搬送路12a及び第2搬送路22aはいずれも連続送りであり、第2搬送路22aの搬送速度は第1搬送路12aの搬送速度の1/2である。
【0018】
まず、図1(a)に示すように、先頭の被搬送物1(1a)が、境界部Aの第2搬送路側磁石23(下位置にある)と第2搬送路22aにまたがった位置にあり、また、2番目の被搬送物1(1b)の先端部分が第1の磁石11の終端部上に達した状態では、被搬送物1(1a)は第2搬送路22aの搬送状態に拘束され、第1搬送路12aの搬送速度の1/2の搬送速度で第2搬送路22a上を連続的に搬送されるが、被搬送物1(1b)は、第1搬送路側磁石13が上位置にあり(すなわち、第1搬送路側磁石13がONに相当する状態にある)、第2搬送路側磁石23が下位置にある(すなわち、第2搬送路側磁石23がOFFに相当する状態ある)ことから、被搬送物1(1b)は、第1搬送路12aの搬送状態に拘束され、第1のベルト22により搬送されて、図1(b)に示すように、第1搬送路12aと第2搬送路22aの境界部Aに達する。
【0019】
この状態で、図1(c)に示すように、第1搬送路側磁石13が下位置、第2搬送路側磁石23が上位置に移動すると、被搬送物1(1b)は、第1搬送路側磁石13の拘束を脱し、第2搬送路側磁石23の拘束を受けることになり、搬送状態が第2搬送路22aの搬送状態に拘束されることになる。すなわち、図1(d)に示すように、被搬送物1(1b)は、第2搬送路側磁石23と第2の磁石21により吸引され、第2搬送路22aの搬送状態に拘束されて、第1搬送路12aの搬送速度の1/2の搬送速度で、被搬送物1(1a)と連なるように第2搬送路22a上を搬送される。
【0020】
なお、ここでは、第2搬送路22aの搬送速度が第1搬送路12aの搬送速度より小さい(第1搬送路12aの搬送速度の1/2)場合について説明したが、以下に説明するように、第2搬送路22aの搬送速度が第1搬送路12aの搬送速度より大きい場合にも同様にして変換が行われる。
【0021】
例えば、図2(a)に示すような状態においては、被搬送物1(1a)は、第2搬送路22a上にあるため、第2搬送路22aの搬送状態に拘束されて、第1搬送路12aの搬送速度より大きい搬送速度で第2搬送路22a上を連続的に搬送されるが、被搬送物1(1b)は、先端部が第1搬送路側磁石13の終端部の上側に達しているが、第1搬送路側磁石13が上位置にあり、第2搬送路側磁石23が下位置にあることから、第1搬送路12aの搬送状態に拘束され、第1搬送路12aを構成するベルト12により、第2搬送路22aの搬送速度より小さい搬送速度で搬送され、図2(b)に示すように、第1搬送路12aと第2搬送路22aの境界部Aに達する。
【0022】
この状態で、図2(c)に示すように、第1搬送路側磁石13が下位置、第2搬送路側磁石23が上位置に移動すると、被搬送物1(1b)は、第1搬送路側磁石13の拘束を脱し、第2搬送路側磁石23の拘束を受け、第2搬送路22aの搬送状態に拘束されることになる。その結果、第1搬送路12aの搬送速度よりも大きい搬送速度で、図2(d)に示すように、第2搬送路22a上を搬送される。
【0023】
[間欠送りどうしの組み合わせの場合]
まず、第1搬送路及び第2搬送路がいずれも間欠送りで、第1搬送路における各間欠送りの際の搬送距離が第2搬送路の搬送距離よりも大きい場合、例えば、図3(a)に示すように、被搬送物1(1a)が境界部Aの第2搬送路側磁石23(下位置にある)と第2搬送路22aにまたがった位置にある場合、この被搬送物1(1a)は、第2搬送路22aの搬送状態の拘束を受け、第1搬送路12aの搬送距離よりも小さい搬送距離で第2搬送路22a上を間欠的に搬送されることになる。
一方、先端部分が第1搬送路側磁石13の終端部上にある被搬送物1(1b)は、第1搬送路12aの拘束を受け、第2搬送路22aの搬送距離よりも大きい搬送距離で間欠的に搬送される。
【0024】
そして、図3(b)に示すように、被搬送物1(1b)が搬送されて、第1搬送路12aと第2搬送路22aの境界部Aに達した時点で、第1搬送路側磁石13及び第2搬送路側磁石23が移動して、第3図(c)に示すように、第1搬送路側磁石13が下位置、第2搬送路側磁石23が上位置にくると、被搬送物1(1b)は、第1搬送路12aの拘束を脱し、第2搬送路側磁石23の拘束を受けることになり、搬送状態が第2搬送路22aの搬送状態に拘束されることになる。その結果、被搬送物1(1b)は、第1搬送路12aの搬送距離よりも小さい搬送距離で第2搬送路22a上を間欠的に搬送される(図3(d))。
【0025】
なお、ここでは、各間欠送りの際の第2搬送路22aの搬送距離が第1搬送路12aの搬送距離より小さい場合について説明したが、第2搬送路22aの搬送距離が第1搬送路12aの搬送距離より大きい場合にも上記の例に準じた動作により搬送状態の変換が行われる。
すなわち、図4(a)に示すように、第2搬送路22a上にある被搬送物1(1a)は、第2搬送路22aの搬送状態に拘束されて、第1搬送路12aより大きい搬送距離で第2搬送路22a上を間欠的に搬送される。また、被搬送物1(1b)は、先端部が第1搬送路側磁石13の終端部の上側に達しているが、第1搬送路側磁石13が上位置にあり、第2搬送路側磁石23が下位置にあることから、第1搬送路12aの搬送状態に拘束され、第2搬送路22aの搬送距離より小さい搬送距離で間欠的に搬送され、第1搬送路12aと第2搬送路22aの境界部Aに達する。
【0026】
この状態で、図4(c)に示すように、第1搬送路側磁石13が下位置、第2搬送路側磁石23が上位置に移動すると、被搬送物1(1b)は、第1搬送路側磁石13の拘束を脱し、第2搬送路側磁石23の拘束を受けるようになるため、搬送状態が第2搬送路22aの搬送状態に拘束されることになる。その結果、被搬送物1(1b)は、第1搬送路12aの搬送距離より大きい搬送距離で、図4(d)に示すように、第2搬送路22a上を間欠的に搬送される。
【0027】
[連続送りと間欠送りの組み合わせの場合]
まず、第1搬送路が連続送りであり、第2搬送路が間欠送りである場合について説明する。図5(a)に示すように、被搬送物1(1a)が、連続送りの第1搬送路12aと間欠送りの第2搬送路22aの境界部Aに達した時点では、第1搬送路側磁石13が下位置にあり、第2搬送路側磁石23が上位置にあることから、被搬送物1(1a)は、第2搬送路22aの搬送状態に拘束されることになる。すなわち、被搬送物1(1a)は、第2搬送路22aの搬送条件で間欠的に搬送され、図5(b)に示すように、第2搬送路22aを構成する第2の磁石21の上方にまで搬送され、その位置に停止する。なお、この被搬送物1(1a)は、すでに第1搬送路12aの拘束を完全に脱しているので、その後、第2搬送路の搬送条件にしたがって間欠的に搬送されることになる。
【0028】
一方、第1搬送路12aの搬送条件に拘束されている被搬送物1(1b)は、連続的に搬送されて、先端部分が第1搬送路側磁石13の終端部上に達した時点で、図5(c)に示すように、第1搬送路側磁石13が上位置、第2搬送路側磁石23が下位置に移動すると、被搬送物1(1b)は、引き続き第1搬送路側磁石13に拘束され、第1搬送路12aの搬送条件にしたがってその先端部分が、図5(d)に示すように、第2搬送路側磁石23の上方に達する位置まで連続的に搬送される。
【0029】
そして、特に図示しないが、被搬送物1(1b)がさらに搬送され、第1搬送路側磁石13及び第2搬送路側磁石23の上方(すなわち、図5(a)の被搬送物1(1a)の位置に相当する位置)に達した時点で、第1搬送路側磁石13が下位置に、第2搬送路側磁石23が上位置に移動すると、被搬送物1(1b)は、第2搬送路22aの拘束を受け、第2搬送路22a上を間欠的に搬送されることになる。
【0030】
次に、第1搬送路12aが間欠送り、第2搬送路22aが連続送りである場合の動作について説明する。
図6(a)に示すように、被搬送物1(1a)が、境界部Aの第2搬送路側磁石23(下位置にある)と第2搬送路22aにまたがった位置にあるため、被搬送物1(1a)は、第1搬送路12aの拘束を脱して第2搬送路22aの拘束を受け、第2搬送路22a上を連続的に搬送されることになる。
【0031】
一方、被搬送物1(1b)は、その先端部分が、境界部Aの第1搬送路側磁石13(上位置にある)の終端部の上方に達しており、第1搬送路側磁石13が上位置、第2搬送路側磁石23が下位置にあることから、第1搬送路12aの拘束を受け、第1搬送路12aの搬送条件にしたがって間欠的に搬送され、被搬送物1(1a)が第2搬送路22aを連続的に搬送されている間も所定時間(間欠送りのサイクルのうちの停止時間)だけ、その位置に停止している。
その後、所定の時間が経過すると、被搬送物1(1b)が間欠的に搬送されて所定の距離だけ移動し、第1搬送路側磁石13及び第2搬送路側磁石23の上方(すなわち、境界部A)に達する。そして、この時点で、図6(c)に示すように、第1搬送路側磁石13が下位置、第2搬送路側磁石23が上位置に移動することにより、被搬送物1(1b)は第1搬送路12aの拘束を脱して、第2搬送路22aの搬送状態に拘束され、第2搬送路22a上を連続的に搬送されることになる。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を示してその特徴とするところをさらに詳しく説
明する。
なお、図7は本発明の一実施形態にかかる搬送変換機構の構成を示す斜視図である。
【0033】
この実施形態の搬送変換機構は、固定磁石11と、固定磁石11上に移動可能に配設された非磁性体からなるベルト(搬送媒体)12と、ベルト12を搬送するローラ15a,15bとを備えてなる第1搬送路12aから、同様に、固定磁石21と、固定磁石21上に移動可能に配設された非磁性体からなるベルト(搬送媒体)22と、ベルト22を搬送するローラ25a,25bとを備えてなる第2搬送路22aに被搬送物(リードフレームやフープ端子などの磁性ワーク)1を移載する際に搬送状態を変換するための搬送変換機構であり、第1搬送路12aと第2搬送路22aの境界部Aの、第1搬送路12aに近い位置に配設された第1搬送路側磁石13、第1搬送路側磁石13を上下動させるための駆動手段14、第2搬送路22aに近い位置に配設された第2搬送路側磁石23、第2搬送路側磁石23を上下動させるための駆動手段24を備えて構成されている。なお、この実施形態では、第1搬送路側磁石13及び第2搬送路側磁石23として永久磁石が用いられており、また、第1搬送路側磁石13及び第2搬送路側磁石23を上下動させるための駆動手段14,24として、エアシリンダが用いられている。
【0034】
次に、上記のように構成された搬送変換機構の動作を、図6及び図7を参照しつつ説明する。
例えば、第1搬送路12aが間欠送り、第2搬送路22aが連続送りである場合、図6(a)に示すように、先頭の被搬送物1(1a)が、境界部Aの第2搬送路側磁石23(下位置にある)と第2搬送路22aにまたがった位置に達し、かつ、第1搬送路12a上を間欠送りされた2番目の被搬送物1(1b)の先端部分が、境界部Aの第1搬送路側磁石13(上位置にある)の上方に達した時点においては、第1搬送路側磁石13が上位置、第2搬送路側磁石23が下位置にあることから、被搬送物1(1a)は、第1搬送路12aの拘束を脱して第2搬送路22aの拘束を受け、第2搬送路22a上を連続的に搬送される。
【0035】
一方、被搬送物1(1b)は、第1搬送路側磁石13が上位置にあることから、第1搬送路12aの拘束を受け、第1搬送路12aの搬送条件にしたがって間欠的に搬送されことになり、被搬送物1(1a)が第2搬送路22aを連続的に搬送されている間も所定時間(間欠送りのサイクルのうちの停止時間)だけ、その位置に停止している。
【0036】
その後、所定の時間が経過すると、被搬送物1(1b)が間欠的に搬送されて所定の距離だけ移動し、第1搬送路側磁石13及び第2搬送路側磁石23の上方(すなわち、境界部A)に達する。そして、この時点で、図6(c)に示すように、第1搬送路側磁石13が下位置、第2搬送路側磁石23が上位置に移動することにより、被搬送物1(1b)は第1搬送路12aの拘束を脱して、第2搬送路22aの搬送状態に拘束され、第2搬送路22a上を連続的に搬送されることになる。
このようにして、間欠送りから連続送りへの変換が円滑に行われることにより、第1搬送路から第2搬送路への移載を確実に行うことが可能になる。
【0037】
なお、第1搬送路と第2搬送路の搬送形態が、連続送りどうしの組み合わせである場合や、間欠送りどうしの組み合わせである場合にも、上記実施形態の場合に準じた手順により、被搬送物の搬送状態を第1搬送路の搬送状態から第2搬送路の搬送状態に確実に変換することができる。
【0038】
なお、上記実施形態では、第1搬送路側磁石13及び第2搬送路側磁石23として永久磁石を用いた場合について説明したが、永久磁石の代わりに電磁石を用いることも可能であり、その場合、電磁石への給電をON−OFFすることにより、境界部の磁力を制御することができるため、磁石を上下動させるための駆動手段を設けることが不要になる。
【0039】
また、上記実施形態では、磁石を上下動させるための駆動手段としてエアシリンダを用いた場合について説明したが、電磁ソレノイドなどの他の駆動手段を用いることも可能である。
【0040】
また、本発明は、さらにその他の点においても上記実施形態に限定されるものではなく、被搬送物の種類や具体的な形状、第1搬送路と第2搬送路の具体的な構成、第1搬送路と第2搬送路の境界部に配設された磁石の位置を変えて境界部の磁力を制御する場合の磁石の移動方向などに関し、発明の要旨の範囲内において種々の応用、変形を加えることが可能である。
【0041】
【発明の効果】
上述のように、本発明(請求項1)の搬送変換機構は、第1搬送路と第2搬送路の境界部に磁石を配設し、その磁石から境界部にかかる磁力を制御するようにしているので、大がかりな設備を必要とせず、第1搬送路から第2搬送路へ、磁性を有するワークである被搬送物を移載する際の被搬送物の搬送状態(連続送りの場合の搬送速度や間欠送りの際の搬送距離など)を、第1搬送路の搬送状態から第2搬送路の搬送状態に速やかに変換することができる。また、従来のプッシャーや送り爪による押し出し方式やピックアンドプレース方式などを用いていないため、プッシャーや送り爪などの戻り動作時間がタクトタイムに影響するようなことがないため、移載中に、各搬送経路での加工作業などができなくなるようなことを回避して、十分な作業時間を確保することが可能になり、その点でも搬送の高速化を図ることが可能になる。
【0042】
また、本発明の搬送変換機構においては、境界部に変位可能に磁石を配設し、前記磁石の位置を変える方法、及び、境界部に電磁石を配設し、電磁石への給電をON−OFFする方法のいずれか一方を用いることが可能であり、これにより、第1搬送路と第2搬送路の境界部の磁力を容易に制御することができるとともに、第1搬送路から第2搬送路へ被搬送物を移載する際に、被搬送物の搬送状態(連続送りの場合の搬送速度や間欠送りの際の搬送距離など)を効率よく速やかに変換することが可能になる。なお、磁石を移動させるための駆動手段として通常用いられるエアシリンダや電磁ソレノイドなどは、従来のプッシャーや送り爪による押し出し方式やピックアンドプレース方式などに比べて動作量を小さいため、高速化が図りやすく、振動や騒音面でも問題となるようなことが少ない。
【0043】
また、本発明の搬送変換機構においては、境界部に、第1搬送路側磁石と第2搬送路側磁石を配設するとともに、第1及び第2搬送路側磁石の位置を変える方法、又は、第1及び第2搬送路側磁石として電磁石を用い、該電磁石への給電をON−OFFする方法を用いることにより、第1搬送路と第2搬送路の境界部に配設された磁石から境界部にかかる磁力を効率よく制御することができる。
【0044】
また、本発明の搬送変換機構においては、被搬送物が第1搬送路と第2搬送路の境界部に達したときに、第1搬送路と第2搬送路の境界部付近の磁力の制御を行うことにより、第1搬送路の搬送状態から第2搬送路の搬送状態への搬送状態の変換を効率よく行うことができる。
【0045】
また、本発明の搬送変換機構は、第1搬送路と第2搬送路の搬送形態が、連続送りどうしの組み合わせ、間欠送りどうしの組み合わせ、又は連続送りと間欠送りの組み合わせのいずれの場合にも適用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の搬送変換機構の動作説明図であり、第1搬送路及び第2搬送路がいずれも連続送りで、第1搬送路の搬送速度が第2搬送路の搬送速度よりも大きい場合の動作説明図である。
【図2】 本発明の搬送変換機構の動作説明図であり、第1搬送路及び第2搬送路がいずれも連続送りで、第2搬送路の搬送速度が第1搬送路の搬送速度よりも大きい場合の動作説明図である。
【図3】 本発明の搬送変換機構の動作説明図であり、第1搬送路及び第2搬送路がいずれも間欠送りで、第1搬送路の搬送距離が第2搬送路の搬送距離よりも大きい場合の動作説明図である。
【図4】 本発明の搬送変換機構の動作説明図であり、第1搬送路及び第2搬送路がいずれも間欠送りで、第2搬送路の搬送距離が第1搬送路の搬送距離よりも大きい場合の動作説明図である。
【図5】 本発明の搬送変換機構の動作説明図であり、第1搬送路が連続送りで、第2搬送路が間欠送りである場合の動作説明図である。
【図6】 本発明の搬送変換機構の動作説明図であり、第1搬送路が間欠送りで、第2搬送路が連続送りである場合の動作説明図である。
【図7】 本発明の一実施形態にかかる搬送変換機構の構成を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 被搬送物(磁性ワーク)
11 固定磁石(磁石)
12 ベルト(搬送媒体)
12a 第1搬送路
13 第1搬送路側磁石
14 駆動手段(エアシリンダ)
15a,15b ローラ
21 固定磁石(磁石)
22 ベルト(搬送媒体)
22a 第2搬送路
23 第2搬送路側磁石
24 駆動手段(エアシリンダ)
25a,25b ローラ
A 境界部
Claims (5)
- 磁性を有するワークである被搬送物を、非磁性体からなる搬送媒体であるベルトの、被搬送物が吸着される吸着面側とは逆の面側に配設された固定磁石によりベルト上に吸着して搬送するように構成された第1搬送路から、同じく磁性を有するワークである被搬送物を、非磁性体からなる搬送媒体であるベルトの、被搬送物が吸着される吸着面側とは逆の面側に配設された固定磁石によりベルト上に吸着して搬送するように構成された第2搬送路に被搬送物を移載する際に、被搬送物の搬送状態を第1搬送路の搬送状態から第2搬送路の搬送状態に変換するための搬送変換機構であって、
第1搬送路と第2搬送路の境界部の、前記ベルトの前記被搬送物が吸着される吸着面側とは逆の面側に磁石を配設し、該磁石から前記境界部にかかる磁力を制御することにより、被搬送物の搬送状態を第1搬送路の搬送状態から第2搬送路の搬送状態に変換すること
を特徴とする搬送変換機構。 - 前記第1搬送路と前記第2搬送路の境界部に配設された磁石から前記境界部にかかる磁力を制御する方法として、前記境界部に変位可能に磁石を配設し、前記磁石の位置を変える方法、及び、前記境界部に電磁石を配設し、電磁石への給電をON−OFFする方法のいずれか一方を用いることを特徴とする請求項1記載の搬送変換機構。
- 前記第1搬送路と前記第2搬送路の境界部に配設された磁石から前記境界部にかかる磁力を制御する方法として、前記境界部の、第1搬送路に近い位置に第1搬送路側磁石を配設し、第2搬送路に近い位置に第2搬送路側磁石を配設するとともに、第1及び第2搬送路側磁石の位置を変える方法、及び、前記第1及び第2搬送路側磁石として電磁石を用い、前記電磁石への給電をON−OFFする方法のいずれか一方を用いることを特徴とする請求項1又は2記載の搬送変換機構。
- 前記第1搬送路と前記第2搬送路の境界部に配設された磁石から前記境界部にかかる磁力の制御を、前記被搬送物が前記第1搬送路と前記第2搬送路の境界部に達したときに行うことを特徴とする請求項1,2又は3記載の搬送変換機構。
- 前記第1搬送路と第2搬送路の搬送形態が、
(a)被搬送物を連続的に搬送する連続送りどうしの組み合わせであって、第1搬送路と第2搬送路のいずれか一方の搬送速度が他方の搬送速度より大きい場合、
(b)被搬送物を間欠的に搬送する間欠送りどうしの組み合わせであって、第1搬送路と第2搬送路のいずれか一方の搬送工程における搬送距離が他方の搬送距離より大きい場合、
(c)連続送りと間欠送りの組み合わせの場合
のいずれか一つであることを特徴とする請求項1,2,3,4又は5記載の搬送変換機構。
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JP12322197A Expired - Lifetime JP3948052B2 (ja) | 1997-04-25 | 1997-04-25 | 搬送変換機構 |
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JP (1) | JP3948052B2 (ja) |
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JP3930854B2 (ja) | 2003-12-22 | 2007-06-13 | 本田技研工業株式会社 | マグネット吸着式コンベアシステム及びその運転設定方法 |
-
1997
- 1997-04-25 JP JP12322197A patent/JP3948052B2/ja not_active Expired - Lifetime
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