JP3947888B2 - 電子制御式ミシン - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子制御式ミシンに関し、特に送り歯を針板上面よりも低く退避させた退避状態に切換えて、加工布を手動で移動させながら縫製するミシン側の手動送りモード設定を改善するようにしたものに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子制御式のミシンにおいては、針棒を揺動可能に支持するとともに、送り歯を布送り可能に設け、針棒を揺動機構を介して揺動駆動する揺動用ステッピングモータと、送り歯をこれに連結された布送り機構を介して送り動作する送り用ステッピングモータとを設け、選択した直線模様やジグザグ模様等の縫製データ(針落ち位置データ)に基づいて、これら揺動用ステッピングモータと送り用ステッピングモータとを、針棒の上下動に調時して駆動制御するようにしている。
【0003】
ところで、この電子制御式ミシンに、送り歯を針板上面よりも低く退避させた退避状態に切換える送り歯退避機構を設け、押え足を手動送り専用のものに交換するとともに、送り歯退避機構を介して送り歯を退避状態に切換え、例えば、キルティングをユーザーが手動で移動させながら縫製することで、好みの図形や絵を描くようにしている。
【0004】
例えば、本願出願人が提案した特開平10−146481号公報に記載のミシンにおいては、操作レバーの操作で送り歯を退避状態に切換える送り歯退避機構と、上糸をパルスモータにより強制的に繰り出す上糸繰出し機構と、押え棒の高さ位置から加工布の布厚を検出する布厚センサなどを設け、手動操作レバーで押え足が針板上の押圧位置に降ろされて縫製開始された直後に、布厚センサから受けた布厚信号から布厚を差し引いた値を高さ位置信号Tとし、送り歯が退避状態に切換えられていて、この高さ位置信号Tが「0」のときに手動送りモード(フリーモーションの縫製モード)であることを判定するようにしている。
【0005】
そして、手動送りモードで縫製が開始されると、上糸経路の途中部に設けられた糸取りバネが、加工布の手動操作による移動で大きく弾性変形したときに、上糸が上糸繰出し機構を介して強制的に繰り出されるようになっている。一方、手動送りモード以外の通常の自動送りモードで縫製が開始されたときは、選択された模様の送り量と針振り量と布厚とに基づいた糸量が1針分の縫製動作毎に強制的に繰り出すようになっている。ところで、手動操作レバーにより押え足を昇降させる場合、手動操作レバーを必ず手で操作するので、押え足の昇降操作が面倒なことから、最近では、操作者の膝で操作するヒザ操作レバーを介して押え足を昇降操作できるようにしたミシンが実用に供されてきている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
前述した特開平10−146481号公報に記載のミシンのように、送り歯を退避状態に切換えて手動送りモードにより加工布を手動送りしながら縫製可能な上、ヒザ操作レバーを介して押え足を昇降操作できるようにした場合に、その手動送りモードによる縫製開始に際して、膝でヒザ操作レバーを操作して押え足を上昇させた状態から、ヒザ操作レバーを元の待機位置に確実に復帰させる迄に起動スイッチを操作して縫製を開始する場合には、縫製開始時における押え棒の高さが、手動送りモードを判定する所定の高さ位置よりも高いと判定される。
【0007】
即ち、手動送りモードではなく、通常の自動送りモードであると判定されて設定されることになり、直線等の選択した模様の各縫製動作毎に、縫製データ等に基づく縫目形成に必要な所定の糸量しか繰出されないことになり、糸調子不良になるという問題がある。
本発明の目的は、ユーザー自身でミシンの状態を手動送りモードに確実に切換えること、この手動送りモードの設定状態を表示により簡単に確認できること、手動送りモードの設定時における押え足等の誤操作を警告できること、手動送りが適している模様を選択したときにだけ手動送りモードを許可できること、等である。
【0008】
【課題を解決するための手段】
【0009】
【0010】
【0011】
【0012】
【0013】
【0014】
【0015】
【0016】
【0017】
【0018】
【0019】
【0020】
請求項の電子制御式ミシンは、縫針を取付けた針棒と、押え足を取付ける押え棒と、送り歯を針板上面よりも低く退避させた退避状態に切換える送り歯退避機構とを設け、送り歯を退避状態にして加工布を手動送りする手動送りモードにて縫製可能な電子制御式ミシンにおいて、糸駒から縫針に至る上糸経路の途中において上糸を繰出す糸繰出し手段と、上糸経路の途中において上糸の張力に応じて弾性変形する糸取りバネと、加工布の厚さを検出する布厚検出手段と、送り歯が退避状態でないときには検出された布厚と送り量と針振り量とに基づいて糸繰出し手段の繰出し量を制御するとともに、送り歯が退避状態のときには糸取りバネの変形状態に応じて糸繰出し手段の繰出し量を制御する制御手段とを設けたことを特徴とするものである。
【0021】
即ち、制御手段は、送り歯退避機構により送り歯が退避状態でないときには、検出された布厚と、縫製する模様の送り量と針振り量とに基づいて求めた繰出し量で糸繰出し手段を駆動し、縫製に必要な上糸量を強制的に繰り出す一方、送り歯が退避状態のときには、手動で加工布を移動させるのに応動して糸取りバネが弾性変形しているときに、糸繰出し手段を駆動して、移動に必要な上糸量を強制的に繰り出す。
【0022】
【0023】
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面に基いて説明する。
本実施形態は、刺繍枠駆動装置(所謂、刺繍装置)を着脱可能に装着することで、実用模様に加えて種々の刺繍模様の縫製が可能な電子制御式ミシンに本発明を適用した場合の例である。
電子制御式ミシンMは、図1に示すように、ミシンベッド部1と、ベッド部1の右端部から立設された脚柱部2と、脚柱部2の上端からベッド部1に対向するように左方へ延びるアーム部3と、ベッド部1の略左半部分の手前側に着脱可能に装着されたベッドテーブル4とを有する。
【0025】
アーム部3には、ミシンモータ52で駆動される主軸10が配設され、この主軸10の回転で針棒11を上下動させる針棒上下動機構13と、振り幅データに基づいて制御される針揺動用パルスモータ53で針棒11を揺動させる針振り機構14が設けられている。更に、図示を省略するが、天秤を針棒11の上下動に調時して上下動させる天秤駆動機構等が設けられている。更に、針棒11に接近させて設けられた押え棒15の下端に手動送り用押え足16が取付けられている。ここで、アーム部3の頭部5には、縫製作業の起動と停止を指令する起動停止スイッチ18が設けられている。
【0026】
アーム部3の前面には大型でカラーの液晶ディスプレイ(以下、単にカラーディスプレイと言う)20が設けられ、このカラーディスプレイ20には、実用模様や刺繍模様等の種々の縫目模様や各種の機能名、更には種々のメッセージ等が表示される。このカラーディスプレイ20の前面には、複数の刺繍模様や模様名や機能を示す機能名の表示位置の各々に対応させて、透明電極からなる複数のタッチキー21をマトリックス状に設けたタッチパネル(図示略)が設けられている。即ち、所望の刺繍模様の選択や機能の指示を、これら刺繍模様や模様名や機能名に対応するタッチキー21を押圧操作することで実現することができる。
【0027】
アーム部3には、図示を省略するが、更に、糸駒から上糸を強制的に繰出す上糸繰出し機構23と、この上糸繰出し機構23を駆動する上糸繰出し用パルスモータ54とが設けられ、縫製に必要な上糸がこのパルスモータ54の駆動により上糸繰出し機構を介して繰出されるようになっている。
ところで、前記押え棒15には、図6に示すように、加工布Wを針板6上に押圧する通常の押え足17を取付け可能であるが、説明の都合上、手動送り用押え足16が取付けられている。
【0028】
この手動送り用押え足16は、図2、図6に示すように、取付け溝16aを有するホルダー部16bと、このホルダー部16bに設けられた支持部16cと、この支持部16cに挿通された駆動軸16dと、この駆動軸16dの下端部に一体的に設けられた布押え16eと、駆動軸16dのバネ受け部16fと支持部16cとの間の駆動軸16dに外装された圧縮コイルバネ16gとから構成され、この圧縮コイルバネ16gにより、布押え16eが常に下方に弾性付勢されている。そして、布押え16eには、長細い針穴16hが形成され、駆動軸16dの上端を屈曲形成した係止部16iが針棒11の針抱きに設けられた止めネジ(図示略)に上側から係合している。
【0029】
即ち、針棒11が上昇する途中の高さから、圧縮コイルバネ16gのバネ力に抗して布押え16eが上昇し、針棒11が下降する途中の高さから、圧縮コイルバネ16gのバネ力により、布押え16eで加工布を所定の弱い圧力で押圧するようになっている。ここで、図6に示すように、通常の押え足17を押えホルダー17aを介して押え棒15に取付け、加工布Wを押圧しないとき(左側の図)の押え棒15の下端の高さ位置を基準の「H0」とすると、加工布Wを押圧するとき(中央の図)の押え棒15の下端の高さ位置は高さ位置「H0」よりも高い「H1」となる一方、手動送り用押え足16を押え棒15に取付けたとき(右側の図)の押え棒15の下端の高さ位置は、高さ位置「H0」よりも低い「H2」である。
【0030】
ところで、前記押え棒15の近傍部には、押え棒15の高さ位置を検出する位置検出センサ(これが位置検出手段や布厚検出手段に相当する)25が設けられており、この位置検出センサ25からは、これら高さ位置「H0」〜「H2」を含む種々の高さに対応する高さ信号Hを出力するようになっている。
また、糸駒から縫針12の目孔に至る上糸経路の途中部には、上糸が繰出されるときの張力に応じて弾性変形する糸取りバネ(図4参照)27が設けられるとともに、この糸取りバネ27が上糸の張力で弾性変形した状態を検出して糸張り信号を出力する糸張り検出センサ(図4参照)28が設けられている。
【0031】
次に、ベッド部1の上面には、針板6が設けられ、その針板6の下側には、加工布Wを布送りする送り歯30が設けられるとともに、下糸ボビンを収容し縫針12と協働する糸輪捕捉器(例えば、水平釜)等が設けられている。そして、その送り歯30は、アーム部3内に配設された主軸10の回転により駆動される送り歯前後動機構31により前後駆動されるとともに、送り歯上下動機構32により上下駆動される。脚柱部2の側面側には、オプション的に追加される多数の刺繍模様の模様データ(縫製データと模様表示データ)を記録したROMカード60を、内部のカード用コネクタ60a(図参照)に差し込んで接続可能になっている。
【0032】
ところで、ベッド部1には、送り歯30を針板6上面よりも低く退避させた退避状態に切換える送り歯退避機構(図示略)が設けられ、図3に示すように、ベッドテーブル4をスライドさせたときに露出する側面壁部には、その送り歯退避機構を介して送り歯30を退避状態に切換える切換えレバー33が突出状に設けられている。即ち、その切換えレバー33を右側の退避位置へ移動操作することにより、送り歯退避機構により送り歯30が退避状態に切換えられる。そして、この状態のときには、操作者は加工布Wを任意の移動方向に所望の移動量だけ移動させることができる。所謂、フリーモーション縫製が可能になっている。
【0033】
ところで、前記ベッド部1のベッドテーブル4を取外し、別体である刺繍用ユニット35(図4参照)を着脱可能に装着できるようになっている。即ち、この刺繍用ユニット35を装着したときには、切換えレバー33を退避位置に自動的に移動操作するとともに、刺繍枠に保持した加工布Wに種々の刺繍模様をカラフルに縫製できるようになっている。そして、刺繍用ユニット35をベッド部1に装着したときには、装着検出スイッチ(SW)36によりその装着状態を検出できるようになっている。但し、刺繍用ユニット35が装着されないときに、直線模様やジグザグ模様等の実用模様が縫製可能である。
【0034】
次に、電子制御ミシンMの制御系について説明する。
に示すように、制御装置40は、入力インターフェース41と、CPU42とROM43及びRAM44とを含むコンピュータと、出力インターフェース45と、これらを接続するデータバスなどのバス46とを有する。入力インターフェース41には、糸張り検出センサ28と、起動停止スイッチ18と、タッチネルに設けられたタッチキー21と、位置検出センサ25と、主軸10の複数の回転位相を検出するタイミング信号発生器47と、装着検出スイッチ36などが接続されている。但し、入力インターフェース1には、A/D変換器などが設けられている。
【0035】
出力インターフェース45には、送り調節器を含む送り量調整機構50を駆動する送り量調整用パルスモータ51と、ミシンモータ52と、針揺動用パルスモータ53と、上糸繰出し用パルスモータ54と、カラーディスプレイ(LCD)20の為のディスプレイコントローラ(LCDC)55と、刺繍用ユニット35のモータ等が接続されている。また、前記ROMカード60のROM61はコネクタ60aを介してバス46に接続されている。
【0036】
前記ROM43には、実用模様や刺繍模様を選択する模様選択制御、実用模様を縫製する縫製制御や表示制御の一般的な制御プログラムに加えて、選択した刺繍模様に対してカラーディスプレイ20を介して拡大や縮小や回転等の編集処理を施す編集処理と、選択された刺繍模様を刺繍縫製する刺繍縫製処理とを含む模様選択編集縫製制御の制御プログラム等が予め格納されている。尚、表示制御を含む模様選択制御は後述するように、本願特有の制御である。
【0037】
更に、ROM43の模様データメモリ(模様データ記憶手段に相当する)43aには、図5に示すように、数字やアルファベットの文字模様(第1文字模様、第2文字模様、第3文字模様・・・)の各々に関する表示データとその縫製データとからなる文字模様データ、直線やジグザグ等を含む複数の実用模様(第1実用模様、第2実用模様、第3実模様・・・)の各々に関する表示データとその縫製データとからなる実用模様データ、比較的使用頻度の高い多数の刺繍模様(第1刺繍模様、第2刺繍模様、第3刺繍模様・・・・・)の各々に関する模様データが刺繍模様の種類別にグループ分けし模様番号を付して格納されている。
【0038】
ここで、各実用模様データには、模様選択に際して縫目模様を表示する表示データ、ジグザグ的な縫目の振り幅データ、送りピッチデータ、通常押え足17の種類、縫製開始時の針落ち位置データ、更には本願特有の表示許可フラグPFのデータ(これがフラグ情報に相当する)などが格納されている。尚、表示許可フラグPFのデータは、図9に示す複数の実用模様のうち、直線模様を含む殆どの模様については、後述する手動送りキー21aの表示を許可する「1」のフラグデータが設定されているが、三重縫い(上段の中央)、たちめかがり縫い(中段の右側2つ、下段の中央)等の逆送り動作を含むジグザグ模様については、手動送りに適していないことから、手動送りキー21aの表示を許可しない「0」のフラグデータが格納されている。
【0039】
一方、ROMカード60としては、模様種類毎に複数枚分準備されており、これらROMカード60のROM61にはROM43と同様に、比較的使用頻度の低い多数の刺繍模様(第1刺繍模様、第2刺繍模様、第3刺繍模様・・・・・)の模様データが格納され、多数の刺繍模様の模様データは、刺繍模様の種類別にグループ分けし模様番号を付して格納されている。
【0040】
前記RAM44には、選択された実用模様や刺繍模様の模様番号が格納されるメモリ、選択された実用模様の振り幅データ、送りピッチデータ、押え棒15の高さ信号などを格納するメモリなどが設けられている。更に、RAM44には、前述した各種の制御に必要なメモリ類(フラグやポインタやカウンタ等のメモリ、レジスタやバッファ等)が必要に応じて設けられている。
【0041】
次に、制御装置40で実行される表示制御を含む模様選択制御のルーチンについて、図7〜図8のフローチャートに基づいて説明する。但し、図中符号Si(i=10、11、12・・・)は各ステップを示すものである。
電源の投入によりこの制御が開始されると、先ず、RAM44に設けられた各メモリをクリアする等の初期化処理が実行される(S10)。次に、装着検出スイッチ36からの検出信号に基づいて、刺繍用ユニット35がベッド部1に装着されているときには(S11:Yes )、カラーディスプレイ20に表示された複数の刺繍模様のうちから所望の1つを選択して縫製する刺繍模様縫製処理が実行される(S21)。
【0042】
しかし、刺繍用ユニット35が装着されていないときには(S11:No)、実用模様の縫製が可能であるので、デフォルトとして設定されている模様(例えば、直線模様)が読み込まれ(S12)、その設定された実用模様を選択模様表示領域に表示する実用模様選択画面がカラーディスプレイ0に表示される(S13)。例えば、図9に示すように、カラーディスプレイ0には、デフォルト模様として選択された1番目の直線模様「直線(1)」を画面上段の選択模様表示領域10aに有する実用模様選択画面が表示される。
【0043】
次に、その選択された縫目模様の表示許可フラグPFのデータに基づいて、このフラグデータが「1」で手動送りキー21aの表示が許可されているときには(S14:Yes )、その手動送りキー21aがカラーディスプレイ0に表示され(S15)、送りモードフラグMFが強制的にリセットされて、手動送りモードでないモード、つまり縫製データに基づいて送り動作が送り歯30の前後移動により行われる自動送りモードが設定される(S16)。例えば、図9に示すように、選択模様表示領域10aに、手動送りキー21aが単に表示される。即ち、「手動送り」の機能名が表示されるとともに、その機能名に対応する手動送りキー21aが設けられている。
【0044】
次に、縫目模様に対応する模様キー21bが操作されたときには(S17・S18:Yes )、その選択された縫目模様がRAM44の選択模様番号メモリに格納して設定され(S24)、手動送りキー21aが一旦消去され且つ送りモードフラグMFが強制的にリセットされ(S25)、S13〜S16が実行され、その縫目模様を選択模様表示領域10aに表示する一方、表示許可フラグPFがセットされているときに限って手動送りキー21aが通常に表示される。例えば、図10に示すように、模様キー21bを操作して、下段中央の縫目「たちめかがり」が選択されたときには、この縫目模様の表示許可フラグPFがリセットされているので、手動送りキー21aが消去される。
【0045】
次に、手動送りキー21aが表示されているときに、その手動送りキー21aが操作されたときに(S17:Yes 、S18:No、S19:Yes )、送りモードフラグMFがリセットされていて、自動送りモードが設定されているときには(S26:No)、その送りモードフラグMFがセットされて手動送りモードが設定され(S29)、手動送りキー21aが反転表示される(S30)。
【0046】
例えば、模様キー21bを操作して上段左から2番目の縫目「直線(2)」が選択されいるときには、手動送り可能であって手動送りキー21aが表示されているときに、その手動送りキー21aが操作されると、その手動送りキー21aが反転表示される。即ち、この手動送りキー21aが反転表示されることで、手動送りモードが設定されていることが分かる。一方、送りモードフラグMFがセットされていて、手動送りモードが設定されているときには(S26:Yes )、その送りモードフラグMFがリセットされて自動送りモードが設定され(S27)、手動送りキー21aが通常に表示される(S28)。
【0047】
一方、模様キー21bや手動送りキー21a以外の機能キーが操作されたときには(S17:Yes 、S18〜S19:No)、その操作された機能キーに対応する処理が実行される(S20)。そして、起動停止スイッチ18の操作により縫製処理が開始されたときには(S17:No、S22:Yes )、実用模様縫製処理(図8参照)が実行される(S23)。
この制御が開始されると、先ずミシンモータ52が駆動され(S30)、位置検出センサ25の高さ信号Hが読み込まれる(S31)。
【0048】
次に、送りモードフラグMFがセットされていて手動送りモードが設定されているときには(S32:Yes )、手動送りモードにより上糸を繰出するように上糸繰出し機構23が駆動される(S33)。即ち、この上糸繰出し駆動制御について簡単に説明すると、縫針12が上昇している送り可能期間において、操作者は加工布Wを手動で任意の方向に移動させる。このとき、加工布Wにつながっている上糸が引っ張られて、糸張り検出センサ28から張り状態検出信号が入力されているときに、上糸繰出し用パルスモー54を駆動することにより、上糸が糸駒から連続的に繰出され、加工布Wの移動が可能になる。
【0049】
次に、読み込まれた高さ信号Hが手動送り用押え足16を装着したときの高さ位置「H2」よりも高いとき、つまり図6に示すように、手動送り用押え足16ではなく、通常の押え足17が押えホルダー17aを介して装着された状態のときには(S34:Yes )、手動送り用押え足の装着を促す警告メッセージがカラーディスプレイ0に表示され(S35)、ミシンモータ52の駆動が停止され(S38)、この制御を終了して模様選択制御のS17にリターンする。
【0050】
そして、正規の手動送り用押え足16が装着されたときには、高さ信号Hが高さ位置「H2」以下になり(S34:No)、何のエラーメッセージも表示されることなくS36に移行する。そして、加工布Wが移動される毎に1針分の縫製処理が実行され(S36)、縫製停止指令が入力されないときには(S37:No)、S31以降が繰り返して実行され、加工布Wを手動で移動しながら縫目が順次形成される。そして、起動停止スイッチ18が操作されて縫製処理が終了するときには(S37:Yes )、ミシンモータ52の駆動が停止され(S38)、この制御を終了して模様選択制御のS17にリターンする。
【0051】
ところで、送りモードフラグMFがリセットされていて自動送りモードが設定されているときには(S32:No)、自動送りモードによる上糸を繰出するように上糸繰出し機構23が駆動される(S39)。即ち、この上糸繰出し駆動制御について簡単に説明すると、選択された縫目模様の縫製データにおける次の1針分の送りデータと針振りデータと、位置検出センサ25からの高さ信号Hから求めた布厚とから、縫い動作に必要な上糸の繰出し量が演算で求められ、この繰出し量となるように上糸繰出し用パルスモー54が駆動される。
【0052】
次に、読み込まれた高さ信号Hが、手動送り用押え足16を装着したときの高さ位置「H2」であるとき、つまり図6に示すように、通常の押え足17ではなく、手動送り用押え足16が装着された状態のときには(S40:Yes )、自動送り用押え足の装着を促す警告メッセージがカラーディスプレイ0に表示され(S41)、ミシンモータ52の駆動が停止され(S38)、この制御を終了して模様選択制御のS17にリターンする。そして、正規の通常の押え足17が装着されたときには、高さ信号Hが高さ位置「H2」よりも高くなり(S40:No)、何のエラーメッセージも表示されることなく、S36以降が繰り返し実行されて縫目が順次形成される。
【0053】
そして、起動停止スイッチ18が操作されて縫製処理が終了するときには(S37:Yes )、ミシンモータ52の駆動が停止され(S38)、この制御を終了して前記S17にリターンする。
ここで、カラーディスプレイ20やLCDC55などが表示手段に相当し、模様選択制御の特にS15などが指示手段に相当し、模様選択制御の特にS30などがモード識別表示制御手段に相当し、実用模様縫製処理制御の特にS35、41などが警告表示制御手段に相当し、模様選択制御の特にS14〜S15などが機能名表示制御手段に相当する。
【0054】
次に、このように構成された電子制御式ミシンMにおける作用及び効果について説明する。
ROM43の模様データメモリ43aに記憶した複数の実用模様データのうち、直線模様などの手動送りで縫製可能な縫目模様については、フラグデータ「1」の表示許可フラグPFを記憶するようにし、選択された縫目模様の表示許可フラグPFがセット状態のときに限って手動送りキー21aがカラーディスプレイ20に表示されるので、この手動送りキー21aを操作することで、ミシンMの状態を手動送りモードに切換えるように確実に指示することができる。
【0055】
また、手動送りキー21aを操作して手動送りモードが設定されたときには、その手動送りキー21aが反転表示されるので、手動送りモードが設定されているか否かを反転表示により、容易に且つ一目瞭然に確認することができる。
また、位置検出センサ25で読み込まれた高さ信号Hが手動送り用押え足16を装着したときの高さ位置「H2」よりも高いときで、通常の押え足17が間違って装着された状態のときには、手動送り用押え足の装着を促す警告メッセージにより、押え足の間違いを操作者に確実に気付かせることができる。
【0056】
更に、位置検出センサ25で読み込まれた高さ信号Hが手動送り用押え足16を装着したときの高さ位置「H2」であって、手動送り用押え足16が間違って装着された状態のときには、自動送り用押え足の装着を促す警告メッセージにより、押え足の間違いを操作者に確実に気付かせることができる。
ところで、前述した送り歯退避機構の切換えレバー33を退避位置側へ移動操作することで、送り歯30が退避状態に切換えられたことを退避検出センサ(これが送り歯検出手段に相当する)65(図4参照)で検出するようにし、この退避検出センサ65で送り歯30の退避状態への切換えが検出されたときに、手動送りキー21aを表示するようにしてもよい。
【0057】
尚、カラーディスプレイ20に表示する手動送りキー21aは、「赤」や「緑」などの刺激的な色で表示したり、点滅表示させるようにしてもよく、また、手動送りモードが設定されたときと非設定状態のときとで表示色を異ならせるようにしてもよい。また、手動送りモードで縫製するに際して、通常の押え足17を間違えて装着したときの警告として、ブザーを鳴動させたり、スピーカから音声で警告するようにしてもよい。また、本発明は前記実施形態に限定して解釈されるべきではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲において、前記実施形態の各部の制御に、既存の技術や当業者に自明の技術に基いて種々の変更を加えることもあり得る。更に、本縫いミシン等の種々の電子制御式ミシンに本発明を適用し得ることは勿論である。
【0058】
【発明の効果】
【0059】
【0060】
【0061】
【0062】
【0063】
【0064】
【0065】
請求項の発明によれば、針棒と押え棒と送り歯退避機構とを設け、送り歯が退避状態にして加工布を手動送りする手動送りモードにて縫製可能な電子制御式ミシンにおいて、糸繰出し手段と、糸取りバネと、布厚検出手段と、制御手段とを設けたので、送り歯を退避状態でないときには、検出された布厚と縫製する模様の送り量と針振り量とに基づいて求めた繰出し量で縫製に必要な上糸量が強制的に繰り出されて自動送りによる通常の縫製処理が実行される。一方、送り歯が退避状態に切換えられて手動送り可能なときには、手動で加工布を移動させるのに必要な上糸量が強制的に繰り出されて手動送りによる縫製処理が実行される。
【0066】
図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る電子制御式ミシンの斜視図である。
【図2】頭部の部分拡大斜視図である。
【図3】ベッドテーブルを有するベッド部の部分拡大斜視図である。
【図4】電子制御式ミシンの制御系のブロック図である。
【図5】模様データメモリに記憶されている各種のデータ構造の説明図表である。
【図6】通常の押え足と手動送り用押え足との側面図である。
【図7】模様選択制御のフローチャートである。
【図8】実用模様縫製処理制御のフローチャートである。
【図9】直線(1)を選択した実用模様選択画面の表示例を示す図である。
【図10】たちめかがりを選択した図9相当図である。
【図11】手動送りモードにおける図9相当図である。
【符号の説明】
M 電子制御式ミシン
6 針板
1 針棒
12 縫針
15 押え棒
16 手動送り用押え足
17 通常の押え足
20 カラー液晶ディスプレイ
21a、21b タッチキー
23 上糸繰出し機構
25 位置検出センサ
27 糸取りバネ
30 送り歯
40 制御装置
42 CPU
43 ROM
43a 模様データメモリ
44 RAM
54 上糸繰出し用パルスモータ
65 退避検出センサ

Claims (1)

  1. 縫針を取付けた針棒と、押え足を取付ける押え棒と、送り歯を針板上面よりも低く退避させた退避状態に切換える送り歯退避機構とを設け、送り歯を退避状態にして加工布を手動送りする手動送りモードにて縫製可能な電子制御式ミシンにおいて、
    糸駒から縫針に至る上糸経路の途中において上糸を繰出す糸繰出し手段と、
    前記上糸経路の途中において上糸の張力に応じて弾性変形する糸取りバネと、
    加工布の厚さを検出する布厚検出手段と、
    前記送り歯が退避状態でないときには検出された布厚と送り量と針振り量とに基づいて糸繰出し手段の繰出し量を制御するとともに、送り歯が退避状態のときには糸取りバネの変形状態に応じて糸繰出し手段の繰出し量を制御する制御手段と、
    を設けたことを特徴とする電子制御式ミシン。
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