JP3947048B2 - 防波堤 - Google Patents

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裕之 中本
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中電技術コンサルタント株式会社
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、外海と内海を区画するように海底に設置される防波堤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、港湾においては、ケーソンなどによって防波堤が設けられており、この防波堤によって外海と内海とが区画され、内海側に閉鎖的水域が形成されている。この内海側の閉鎖的水域は外海からの海水の流通性が不十分であり、内海での海水が汚れてしまうという問題がある。
【0003】
そこで、防波堤に透水機能を設けることで、内海側の閉鎖的水域における海水の流れを発生して外海との海水の流通性を向上し、内海での海水の汚れを防止するようにしたものが各種提案されている。例えば、特開平11−350449号公報に開示された海水交換型防波堤にあっては、越波が生じる高さのケーソンの港内側に後退型パラペットを設け、このケーソンとパラペットとの間に遊水室を設けると共に、遊水室と内海とを連通管によって連通させ、ケーソンを越えた波を遊水室に取り込み、これにより生じた水位差で海水を連通管によって内海に導入するようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、潮の満ち引きにより外海では朝夕で海水に水位差が生じる。そのため、上述した従来の海水交換型防波堤にて、海水の水位が下がったときには、波がケーソンを越えず、遊水室の海水を内海に導入することができず、内海側の閉鎖的水域における海水の流れが促進されずに海水の汚れを十分に防止することができないという問題がある。
【0005】
なお、特開平8−311843号公報には、高さの異なって傾斜する3つの波遡上板を設けることで、潮の満ち引きによる水位変動に対応可能とした防波堤が開示されている。ところが、この公報に開示された防波堤では、3つの波遡上板により水位変動に対応することができるものの、開口部及び濾層により直接外海と内海を連通しているため、外海の波のエネルギが開口部を通して内海に伝わりやすく、内海の海面を十分穏やかに維持することができない。
【0006】
本発明はこのような問題を解決するものであって、海水位が変動しても確実に透水機能を作用させて閉鎖的水域における海水の流通性を向上し、内海での海水の汚れを確実に防止可能とした防波堤を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するための請求項1の発明の防波堤は、外海と内海を区画するように海底に設置された防波堤本体と、前記外海に対向して該防波堤本体に設けられた傾斜壁と、該傾斜壁における高さの異なる位置に形成された複数の集水部と、該各集水部の前記内海側に設けられた複数の遊水部と、前記各集水部と前記各遊水部とを連通する連通路と、前記各遊水部と前記内海とを連通するように前記防波堤本体の下部に設けられた複数の導水部とを具え、前記集水部は前記傾斜壁面の高さの異なる位置に形成された複数の集水溝であって、該集水溝は前記連通路との接続部に向けて下方に傾斜していることを特徴とするものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0012】
図1に本発明の一実施形態に係る防波堤の断面、図2に本実施形態の防波堤の正面視、図3に本実施形態の防波堤が適用された港湾を表す概略を示す。
【0013】
本実施形態において、図3に示すように、港湾においては、岸壁11から所定距離離れた沖合にケーソンなどによって防波堤12,13が設置され、その間に船舶の出入航路14が設けられている。また、この防波堤12,13によって外海15と内海16とが区画され、内海16が閉鎖的水域となっている。そして、この防波堤12,13の一部に本実施形態の透水機能を有する防波堤17が設けられている。
【0014】
この本実施形態の防波堤17において、図1及び図2に示すように、防波堤本体21は鉄筋コンクリートにより中空箱型形状に形成され、基礎部22が海底18に設置されている。
【0015】
防波堤本体21の前部、つまり、外海15側には傾斜壁23が形成され、この傾斜壁23の後方、つまり、内海16側には傾斜壁23より高い縦壁部24を形成されている。そして、この傾斜壁23には3つの集水部としての集水溝25,26,27が高さの異なる位置に形成されており、傾斜壁23が3つの傾斜面23a,23b,23cに分割されている。この各集水溝25,26,27の内海16側には3つの遊水部28,29,30が防波堤本体21の幅方向に並設されており、各集水溝25,26,27と各遊水部28,29,30とは各連通路31,32,33によってそれぞれ連通している。
【0016】
この各集水溝25,26,27は断面コ字形状をなして防波堤本体21の幅方向に沿って形成され、各連通路31,32,33の一端部が各集水溝25,26,27に開口して連通しているが、この各集水溝25,26,27は連通路31,32,33との連結開口に向けて下方に傾斜している。一方、縦壁部24の下部には内海16に連通する導水部としての導水孔34,35,36が左右方向に沿ってそれぞれ複数形成されており、この導水孔34,35,36により内海16と各遊水部28,29,30とを連通することができる。
【0017】
そして、この導水孔34,35,36には配管37,38,39が連結されており、この配管37,38,39の先端部は内海16の所定の位置まで延出されている。
【0018】
上述した防波堤17が所定の位置に設置されて外海15と内海16とが区画された港湾にて、干潮時には、図1に実線で示すように、外海15の海面の高さは低く、防波堤本体21の第1傾斜面23a及び第1集水溝25が機能する。即ち、波が傾斜壁23に到達して第1傾斜面23aを遡上してこれを越えると第1集水溝25に入り、連通路31を通して第1遊水部28に取り込まれる。このとき、波は第1傾斜面23aに誘導され、適正に第1集水溝25に入り、この第1集水溝25の傾斜により連通路31に集水され第1遊水部28に至る。そして、この第1遊水部28と内海16との水位差により海水が各第1導水孔34から配管37により内海16に導入される。そのため、内海16内で適正な流れが生成されて海水の滞留部が減少し、内海16での海水の汚れが防止される。
【0019】
一方、満潮時には、図1に二点鎖線で示すように、外海15の海面の高さが高くなり、防波堤本体21内の第3傾斜面23c及び第3集水溝27が機能する。即ち、波が傾斜壁23に到達して第3傾斜面23cを遡上してこれを越えると第3集水溝27に入り、連通路33を通して第3遊水部30に取り込まれる。このとき、波は第3傾斜面23cに誘導され、適正に第3集水溝27に入り、この第3集水溝27の傾斜により連通路33に集水され第3遊水部30に至る。そして、この第3遊水部30と内海16との水位差により海水が各第3導水孔36から配管39により内海16に導入される。そのため、内海16内で適正な流れが生成されて海水の滞留部が減少し、内海16での海水の汚れが防止される。
【0020】
なお、干潮と満潮の移行時には、外海15からくる波の高さが中となり、防波堤本体21内の第2傾斜面23b及び第2集水溝26が機能するが、作用は前述した干潮時及び満潮時と同様であるため説明は省略する。
【0021】
このように本実施形態の防波堤17にあっては、防波堤本体21の前部に傾斜壁23を形成すると共に、後部に傾斜壁23より高い縦壁部24を形成し、この傾斜壁23に3つの集水溝25,26,27を高さの異なる位置に形成して3つの傾斜面23a,23b,23cに分割し、各集水溝25,26,27の内海16側に3つの遊水部28,29,30を並設し、各集水溝25,26,27と各遊水部28,29,30とは連通路31,32,33によってそれぞれ連通し、縦壁部24の下部には遊水部28,29,30と内海16とを連通する導水孔34,35,36を形成している。
【0022】
従って、干潮時と満潮時では外海15の海面が上昇あるいは下降して水位差が発生するものの、この水位差に対応して傾斜壁23(傾斜面23a,23b,23c)と高さの異なる各集水溝25,26,27を形成しており、波は傾斜壁に到達してこれを越えて各集水溝25,26,27に入り、連通路31,32,33を通して遊水部28,29,30に取り込まれるため、各遊水部28,29,30と内海16との水位差により海水を各導水孔34,35,36を通して内海16に確実に導入され、内海16に適正な流れを生成して海水の滞留部が減少して内海16での海水の汚れを防止することができる。
【0023】
また、3つの集水溝25,26,27に対して、3つの連通路31,32,33、遊水部28,29,30、導水孔34,35,36をそれぞれ独立して設けている。従って、第3傾斜面を越えて集水溝27に入った海水が遊水部28,29,30等を通して逆流し、別の集水溝25,26から外海15に流動することはなく、海水を各導水孔34,35,36を通して内海16に確実に導入することができる。
【0024】
この場合、各導水孔34,35,36に配管37,38,39を連結しており、この配管37,38,39の先端部を内海16の所定の位置まで延設することで、導水孔34,35,36からの逆流を防止できると共に、内海16内の海水の流れを制御することができる。
【0025】
更に、各集水溝25,26,27は連通路31,32,33との連結開口に向けて下方に傾斜しており、集水溝25,26,27に入った海水を確実に連通路31,32,33に集水して遊水部28,29,30に取り込むことができる。
【0026】
なお、上述の実施形態では、防波堤本体21の傾斜壁23に3つの集水溝25,26,27を高さの異なる位置に形成して傾斜面23a,23b,23cを設けたが、その数は3つに限定されるものではなく、設置する防波堤17の幅に応じて2つあるいは4つ以上であってもよい。
【0027】
【発明の効果】
以上、実施形態において詳細に説明したように、防波堤によれば、外海と内海を区画するように海底に設置される防波堤本体に、外海に対向して傾斜壁を設け、この傾斜壁における高さの異なる位置に複数の集水部を形成すると共に、各集水部の内海側に複数の遊水部を設け、各集水部と各遊水部とを連通路により連通すると共に、各遊水部と内海とを連通するように防波堤本体の下部に複数の導水部を設けたので、干潮時と満潮時で外海の海面に水位差が発生しても、この水位差に対応して傾斜壁及び高さの異なる複数の集水部が形成されており、波は各傾斜壁に到達してこれを越えて各集水部に適正に入り、連通路を通して遊水部に取り込まれるため、遊水部と内海との水位差により海水を各導水孔を通して内海に確実に導入することができ、内海に適正な流れを生成して海水の滞留部が減少して内海での海水の汚れを防止することができる。
【0028】
請求項1の発明の防波堤によれば、集水部を傾斜壁面の高さの異なる位置に形成した複数の集水溝とし、この集水溝を連通路との接続部に向けて下方に傾斜させたので、集水溝の構成を簡略化して低コスト化を図ることができると共に、集水溝に入った海水を確実に連通路に集水して遊水部に取り込むことができる。
【0029】
上記の防波堤によれば、防波堤本体に傾斜壁の内海側に位置して傾斜壁より高い縦壁部を設けたので、簡単な構成で高波を消波して内海の流れに適正に変換することができる。
【0030】
上記の防波堤によれば、導水部に内海の所定の位置まで延設する配管を連結したので、配管の先端部を内海の所定の位置まで延設することで、導水孔からの逆流を防止できると共に、内海内の海水の流れを所望の流れに容易に制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る防波堤の断面図である。
【図2】本実施形態の防波堤の正面図である。
【図3】本実施形態の防波堤が適用された港湾を表す概略図である。
【符号の説明】
15 外海
16 内海
17 防波堤
18 海底
21 防波堤本体
23 傾斜壁
23a 第1傾斜面
23b 第2傾斜面
23c 第3傾斜面
24 縦壁部
25 第1集水部
36 第2集水部
27 第3集水部
28 第1遊水部
29 第2遊水部
30 第3遊水部
31 第1連通路
32 第2連通路
33 第3連通路
34 第1導水孔(導水部)
35 第2導水孔(導水部)
36 第3導水孔(導水部)
37,38,39 配管

Claims (1)

  1. 外海と内海を区画するように海底に設置された防波堤本体と、前記外海に対向して該防波堤本体に設けられた傾斜壁と、該傾斜壁における高さの異なる位置に形成された複数の集水部と、該各集水部の前記内海側に設けられた複数の遊水部と、前記各集水部と前記各遊水部とを連通する連通路と、前記各遊水部と前記内海とを連通するように前記防波堤本体の下部に設けられた複数の導水部とを具え、
    前記集水部は前記傾斜壁面の高さの異なる位置に形成された複数の集水溝であって、該集水溝は前記連通路との接続部に向けて下方に傾斜していることを特徴とする防波堤。
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