JP2004204645A - 海水交換型防波堤 - Google Patents
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- Y02A—TECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
- Y02A10/00—TECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE at coastal zones; at river basins
- Y02A10/11—Hard structures, e.g. dams, dykes or breakwaters
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Abstract
【課題】本発明は簡便な構造で港内外、特に湾内底部と港外の海水交換機能に優れた海水交換型防波堤を提供する。
【解決手段】提体に港内外を連通する第1の導水経路を設け、該導水経路の港外側の端部開口部を押し波、引き波の水平方向の流れにより負圧が生じる水平面上に、他端の開口部を湾内底部に設け、更に前記面上に前記開口部と交互に凸部を配置し、更に前記面上の開口部の後方に壁体により内室を設け、該内室と港内を更に第2の導水経路で連通する。または提体の港外側に海水面の上下に亘る開口部を有する内室を設け、前記内室内の押し波、引き波の水平方向の流れによる負圧が生じる水平面上に第1の導水経路の端部開口部を備え、更に、前記内室内に壁体により分室を設け、該内室内分室と港内を連通する第2の導水経路を設ける。
【選択図】 図1
【解決手段】提体に港内外を連通する第1の導水経路を設け、該導水経路の港外側の端部開口部を押し波、引き波の水平方向の流れにより負圧が生じる水平面上に、他端の開口部を湾内底部に設け、更に前記面上に前記開口部と交互に凸部を配置し、更に前記面上の開口部の後方に壁体により内室を設け、該内室と港内を更に第2の導水経路で連通する。または提体の港外側に海水面の上下に亘る開口部を有する内室を設け、前記内室内の押し波、引き波の水平方向の流れによる負圧が生じる水平面上に第1の導水経路の端部開口部を備え、更に、前記内室内に壁体により分室を設け、該内室内分室と港内を連通する第2の導水経路を設ける。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、港内外で海水循環が可能な防波堤に関し、特に港内の湾底近傍のように循環性におとる部分の海水と港外の海水との交換が容易で海水の循環性に優れたものに関する。
【0002】
【従来の技術】
防波堤は港内水域を静穏にすることが目的のため、海水の循環交換性が低く、従来より水質悪化が問題となってきた。
【0003】
そこで防波堤の提体に海水透過機能を付加し、港内と港外の海水を交換することが提案されてきた。
【0004】
図5は、防波堤の港外と港内を導水管で連通し、潮汐や潮流により海水の循環交換を行うことを提案している(従来技術1)。
【0005】
図6は、防波堤の港外側前面に潜提を設け、該潜提上での砕波により防波堤の港外側前面で水位を上昇させ、導水管により港内へ一方向流で港外の海水を導入することを提案している(従来技術2)。
【0006】
また、特許文献1、特許文献2、および特許文献3には防波堤の提体に港内外の海水を連通するようスリットを有し、更に鉛直壁により海水交換の効率を向上させた遊水室を設けた海水交換型防波堤が開示されている。
【0007】
【特許文献1】特開平9−31937号公報
【0008】
【特許文献2】特開平9−41341号公報、
【0009】
【特許文献3】特開平11−124829号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
このように、従来提案されてきたものは港外の海水を導入するため提体に港内外を連通する導水管や、スリットを設けているが、主に港外から港内への海水の移動を促進するもので、港内から港外への海水の移動は十分でなく、また、水面付近に開口部が設けられているため、海面からの酸素供給が乏しく溶存酸素量が少ない湾底部近傍では海水循環が不十分となりやすく水質悪化が懸念されてきた。
【0011】
特に、夏季において、表層では海水温が高く比重が小さくなり、一方、内層、湾庭に近い領域では海水温が上昇せず、相対的に比重が大きくなるため双方の海水が混合しない成層状態となり、従来の方法で港外から海水を導入しても十分に水質を改善することができなかった。
【0012】
そこで、本発明では、比較的水温が低く鉛直混合し難い湾底部近傍にも港外の新鮮な海水を安定して効率良く供給し、港内の水質悪化を防止する防波堤を提供する。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、潮汐や潮流でなく波動に着目し、波運動における水平方向の流れによって生じる圧力低下(負圧)を港内外の海水循環に利用することを検討し、本発明の完成に至った。
【0014】
すなわち、本発明は
1.港内外を結ぶ導水経路により海水の交換を行う防波堤であって、押し波、引き波の水平方向の流れにより負圧が生じる水平面上に第1の導水経路の港外側端部開口部を設けた海水交換型防波堤。
【0015】
2.前記面上に前記開口部と交互に凸部が配置されている1記載の海水交換型防波堤。
【0016】
3.前記面上の開口部の後方に壁体により内室を設け、該内室と港内を更に第2の導水経路で連通する1または2記載の海水交換型防波堤。
【0017】
4.港外側に海水面の上下に亘る開口部を有する内室と、前記内室内の海寄り側で押し波、引き波の水平方向の流れによる負圧が生じる水平面上に港外側端部開口部を有する第1の導水経路を備えた提体を有する海水交換型防波堤。
【0018】
5.更に、前記内室内に壁体により分室を設け、該内室内分室と港内を連通する第2の導水経路を設けた4記載の海水交換型防波堤。
【0019】
6.第1の導水経路の港内側端部開口部を港内の湾底近傍としたことを特徴とする1ないし5のいずれか一つに記載した海水交換型防波堤。
【0020】
【発明の実施の形態】
実施例を基に本発明について詳細に説明する。
図1は本発明の一実施例を示すもので、防波堤の断面を示している。
提体1は、港外側の海水面下に押し波、引き波の水平方向の流れにより負圧が生じる面として水平面2を有し、該水平面2に導水経路(第1の導水経路)を構成する第1の導水管3の端部が開口(港外側開口部4)している。第1の導水管3の他端は港内の湾底近傍に開口(港内側開口部5)し、該導水管3により港内外は連通している。
【0021】
提体の水平面2上では水深が浅くなり、港外側の波浪の流速は押し波、引き波ともに増大し、そのため水平面2上に開口する第1の導水管3の港外側開口部4と港内側開口部5との間に港内の海水を吸い出すように圧力差が生じ、該圧力差によって港内外の海水交換が行われる。
【0022】
上述したように、本発明の海水交換効果は押し波、引き波の水平方向の流速による負圧を利用するもので、波浪の水平方向流速が早くなるほどその負圧は増大するから、▲1▼水平面2を海面下で静水面近傍とすること(但し、水平面の水深が過度に浅くなると防波堤本体への衝撃破砕圧が生じるようになるため、干潮時の静水面から設計有義波高の半分程度とすることが好ましい。)
▲2▼第1の導水管3の端部を押し波、引き波に対する提体の影響が少ない該水平面2の港外寄りに開口させること。▲3▼第1の導水管3の港外側開口部4近傍で押し波、引き波を縮流させることが海水交換効果を向上させるため有効である。
【0023】
押し波、引き波を縮流させる場合、▲1▼該開口部近傍の水平面上に開口部と交互に凸部により狭隘部を設けること、▲2▼提体に内室を設け、該内室内に第1の導水管3の端部を開口することが提体の構造を複雑とせず施工上有利である。
【0024】
図2は第1の導水経路を構成する導水管の港外側開口部4と凸部6を交互に配した海水交換型防波堤の一例を断面図、斜視図で示すもので、提体1の前壁7にスリット状の開口部8を設け非開口部を凸部6とし、押し波、引き波が前記開口部8を通過する際の縮流により流速を増大させ、負圧による港内側開口部5からの湾内海水の吸出し効果を更に向上させるものである。
【0025】
この場合、後壁9により押し波、引き波の流速が影響されるのを避けるため、第1の導水管3の港外側端部は前記スリット状開口部8の港外側に開口させることが望ましい。
【0026】
更に海水交換を効率良く行うため、他の導水経路(第2の導水経路)を併用し、港外から港内へ直接海水を導入することも可能である。
【0027】
尚、提体にスリット状開口部を有する防波堤の場合、スリット状開口部による縮流により、消波機能が向上することが知られており(例えば、特許文献3)、本発明を適用することにより海水交換機能に加えて優れた消波機能を併せもつ防波堤が可能となる。
【0028】
図3は、図2の海水交換型防波堤に他の導水経路(第2の導水経路)を構成する第2の導水管11を設けたもので、水平面2の第1の導水管3の港外側開口部4の後方の壁体10を乗り越えた海水を第2の導水管11により港内に導入し、更に海水交換機能を向上させたものである。
【0029】
図4は押し波、引き波の流速を増大させるための狭隘部として、港外側に開口部を有する内室12を提体1内に設け、該内室12内の海面下の水平面2上に第1の導水管3の端部を開口させた防波堤の斜視図を示すものである。
【0030】
壁体10により、内室12内に分室13を設け、押し波、引き波の一部を直接分室内に取り込み、港内に第2の導水管11により導入させる。
【0031】
図3、4において壁体10は、その高さを静水面と等しくした場合、導水効果がもっとも大きくなる。
【0032】
本発明において第1の導水管3の港外側端部が開口する面は波動の水平方向の流れにより負圧が生じる面であれば良く、特にその形状は規定しないが 水平面とした場合、負圧がもっとも大きく、押し波による押し込みも少なく優れた海水循環効果が得られる。
【0033】
本発明で、第1の導水管3の湾内における開口部5は所望する海水交換能力に応じてその位置を決めることが可能である。湾底近傍に設けると、海水の鉛直混合が効率的となり、水質改善効果が大きい。
【0034】
また、本発明の説明において導水経路は導水管としたが、丸管、角管などが使用できその形状は問わず、第1、第2の導水経路を構成する導水管の本数は特に規定しない。
【0035】
管径は貝殻などによる目詰まりを防止し、構造強度を確保するため0.5〜1.5mとするのが好ましい。
【0036】
【発明の効果】
本発明によれば、防波堤本来の機能を失わず、簡便な構造により港内外、特に湾底近傍の海水を効率的に湾外に排出することが可能で、また、従来の海水交換型防波堤と組み合わせ、更に海水交換能力を向上させることが可能であるから環境保全上きわめて有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施例を示す図
【図2】本発明の他の実施例を示す図
【図3】本発明の他の実施例を示す図
【図4】本発明の他の実施例を示す図
【図5】従来技術1を示す図
【図6】従来技術2を示す図
【符号の説明】
1・・・提体
2・・・水平面
3・・・第1の導水管
4・・・第1の導水管の港外側開口部
5・・・第1の導水管の港内側開口部
6・・・凸部
7・・・前壁
8・・・開口部
9・・・後壁
10・・・壁体
11・・・第2の導水管
12・・・内室
13・・・分室
【発明の属する技術分野】
本発明は、港内外で海水循環が可能な防波堤に関し、特に港内の湾底近傍のように循環性におとる部分の海水と港外の海水との交換が容易で海水の循環性に優れたものに関する。
【0002】
【従来の技術】
防波堤は港内水域を静穏にすることが目的のため、海水の循環交換性が低く、従来より水質悪化が問題となってきた。
【0003】
そこで防波堤の提体に海水透過機能を付加し、港内と港外の海水を交換することが提案されてきた。
【0004】
図5は、防波堤の港外と港内を導水管で連通し、潮汐や潮流により海水の循環交換を行うことを提案している(従来技術1)。
【0005】
図6は、防波堤の港外側前面に潜提を設け、該潜提上での砕波により防波堤の港外側前面で水位を上昇させ、導水管により港内へ一方向流で港外の海水を導入することを提案している(従来技術2)。
【0006】
また、特許文献1、特許文献2、および特許文献3には防波堤の提体に港内外の海水を連通するようスリットを有し、更に鉛直壁により海水交換の効率を向上させた遊水室を設けた海水交換型防波堤が開示されている。
【0007】
【特許文献1】特開平9−31937号公報
【0008】
【特許文献2】特開平9−41341号公報、
【0009】
【特許文献3】特開平11−124829号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
このように、従来提案されてきたものは港外の海水を導入するため提体に港内外を連通する導水管や、スリットを設けているが、主に港外から港内への海水の移動を促進するもので、港内から港外への海水の移動は十分でなく、また、水面付近に開口部が設けられているため、海面からの酸素供給が乏しく溶存酸素量が少ない湾底部近傍では海水循環が不十分となりやすく水質悪化が懸念されてきた。
【0011】
特に、夏季において、表層では海水温が高く比重が小さくなり、一方、内層、湾庭に近い領域では海水温が上昇せず、相対的に比重が大きくなるため双方の海水が混合しない成層状態となり、従来の方法で港外から海水を導入しても十分に水質を改善することができなかった。
【0012】
そこで、本発明では、比較的水温が低く鉛直混合し難い湾底部近傍にも港外の新鮮な海水を安定して効率良く供給し、港内の水質悪化を防止する防波堤を提供する。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、潮汐や潮流でなく波動に着目し、波運動における水平方向の流れによって生じる圧力低下(負圧)を港内外の海水循環に利用することを検討し、本発明の完成に至った。
【0014】
すなわち、本発明は
1.港内外を結ぶ導水経路により海水の交換を行う防波堤であって、押し波、引き波の水平方向の流れにより負圧が生じる水平面上に第1の導水経路の港外側端部開口部を設けた海水交換型防波堤。
【0015】
2.前記面上に前記開口部と交互に凸部が配置されている1記載の海水交換型防波堤。
【0016】
3.前記面上の開口部の後方に壁体により内室を設け、該内室と港内を更に第2の導水経路で連通する1または2記載の海水交換型防波堤。
【0017】
4.港外側に海水面の上下に亘る開口部を有する内室と、前記内室内の海寄り側で押し波、引き波の水平方向の流れによる負圧が生じる水平面上に港外側端部開口部を有する第1の導水経路を備えた提体を有する海水交換型防波堤。
【0018】
5.更に、前記内室内に壁体により分室を設け、該内室内分室と港内を連通する第2の導水経路を設けた4記載の海水交換型防波堤。
【0019】
6.第1の導水経路の港内側端部開口部を港内の湾底近傍としたことを特徴とする1ないし5のいずれか一つに記載した海水交換型防波堤。
【0020】
【発明の実施の形態】
実施例を基に本発明について詳細に説明する。
図1は本発明の一実施例を示すもので、防波堤の断面を示している。
提体1は、港外側の海水面下に押し波、引き波の水平方向の流れにより負圧が生じる面として水平面2を有し、該水平面2に導水経路(第1の導水経路)を構成する第1の導水管3の端部が開口(港外側開口部4)している。第1の導水管3の他端は港内の湾底近傍に開口(港内側開口部5)し、該導水管3により港内外は連通している。
【0021】
提体の水平面2上では水深が浅くなり、港外側の波浪の流速は押し波、引き波ともに増大し、そのため水平面2上に開口する第1の導水管3の港外側開口部4と港内側開口部5との間に港内の海水を吸い出すように圧力差が生じ、該圧力差によって港内外の海水交換が行われる。
【0022】
上述したように、本発明の海水交換効果は押し波、引き波の水平方向の流速による負圧を利用するもので、波浪の水平方向流速が早くなるほどその負圧は増大するから、▲1▼水平面2を海面下で静水面近傍とすること(但し、水平面の水深が過度に浅くなると防波堤本体への衝撃破砕圧が生じるようになるため、干潮時の静水面から設計有義波高の半分程度とすることが好ましい。)
▲2▼第1の導水管3の端部を押し波、引き波に対する提体の影響が少ない該水平面2の港外寄りに開口させること。▲3▼第1の導水管3の港外側開口部4近傍で押し波、引き波を縮流させることが海水交換効果を向上させるため有効である。
【0023】
押し波、引き波を縮流させる場合、▲1▼該開口部近傍の水平面上に開口部と交互に凸部により狭隘部を設けること、▲2▼提体に内室を設け、該内室内に第1の導水管3の端部を開口することが提体の構造を複雑とせず施工上有利である。
【0024】
図2は第1の導水経路を構成する導水管の港外側開口部4と凸部6を交互に配した海水交換型防波堤の一例を断面図、斜視図で示すもので、提体1の前壁7にスリット状の開口部8を設け非開口部を凸部6とし、押し波、引き波が前記開口部8を通過する際の縮流により流速を増大させ、負圧による港内側開口部5からの湾内海水の吸出し効果を更に向上させるものである。
【0025】
この場合、後壁9により押し波、引き波の流速が影響されるのを避けるため、第1の導水管3の港外側端部は前記スリット状開口部8の港外側に開口させることが望ましい。
【0026】
更に海水交換を効率良く行うため、他の導水経路(第2の導水経路)を併用し、港外から港内へ直接海水を導入することも可能である。
【0027】
尚、提体にスリット状開口部を有する防波堤の場合、スリット状開口部による縮流により、消波機能が向上することが知られており(例えば、特許文献3)、本発明を適用することにより海水交換機能に加えて優れた消波機能を併せもつ防波堤が可能となる。
【0028】
図3は、図2の海水交換型防波堤に他の導水経路(第2の導水経路)を構成する第2の導水管11を設けたもので、水平面2の第1の導水管3の港外側開口部4の後方の壁体10を乗り越えた海水を第2の導水管11により港内に導入し、更に海水交換機能を向上させたものである。
【0029】
図4は押し波、引き波の流速を増大させるための狭隘部として、港外側に開口部を有する内室12を提体1内に設け、該内室12内の海面下の水平面2上に第1の導水管3の端部を開口させた防波堤の斜視図を示すものである。
【0030】
壁体10により、内室12内に分室13を設け、押し波、引き波の一部を直接分室内に取り込み、港内に第2の導水管11により導入させる。
【0031】
図3、4において壁体10は、その高さを静水面と等しくした場合、導水効果がもっとも大きくなる。
【0032】
本発明において第1の導水管3の港外側端部が開口する面は波動の水平方向の流れにより負圧が生じる面であれば良く、特にその形状は規定しないが 水平面とした場合、負圧がもっとも大きく、押し波による押し込みも少なく優れた海水循環効果が得られる。
【0033】
本発明で、第1の導水管3の湾内における開口部5は所望する海水交換能力に応じてその位置を決めることが可能である。湾底近傍に設けると、海水の鉛直混合が効率的となり、水質改善効果が大きい。
【0034】
また、本発明の説明において導水経路は導水管としたが、丸管、角管などが使用できその形状は問わず、第1、第2の導水経路を構成する導水管の本数は特に規定しない。
【0035】
管径は貝殻などによる目詰まりを防止し、構造強度を確保するため0.5〜1.5mとするのが好ましい。
【0036】
【発明の効果】
本発明によれば、防波堤本来の機能を失わず、簡便な構造により港内外、特に湾底近傍の海水を効率的に湾外に排出することが可能で、また、従来の海水交換型防波堤と組み合わせ、更に海水交換能力を向上させることが可能であるから環境保全上きわめて有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施例を示す図
【図2】本発明の他の実施例を示す図
【図3】本発明の他の実施例を示す図
【図4】本発明の他の実施例を示す図
【図5】従来技術1を示す図
【図6】従来技術2を示す図
【符号の説明】
1・・・提体
2・・・水平面
3・・・第1の導水管
4・・・第1の導水管の港外側開口部
5・・・第1の導水管の港内側開口部
6・・・凸部
7・・・前壁
8・・・開口部
9・・・後壁
10・・・壁体
11・・・第2の導水管
12・・・内室
13・・・分室
Claims (6)
- 港内外を結ぶ導水経路により海水の交換を行う防波堤であって、押し波、引き波の水平方向の流れにより負圧が生じる水平面上に第1の導水経路の港外側端部開口部を設けた海水交換型防波堤。
- 前記面上に前記端部開口部と交互に凸部が配置されている請求項1記載の海水交換型防波堤。
- 前記面上の開口部の後方に壁体により内室を設け、該内室と港内を更に第2の導水経路で連通する請求項1または2記載の海水交換型防波堤。
- 港外側に海水面の上下に亘る開口部を有する内室と、前記内室内の海寄り側で押し波、引き波の水平方向の流れによる負圧が生じる水平面上に港外側端部開口部を有する第1の導水経路を備えた提体を有する海水交換型防波堤。
- 更に、前記内室内に壁体により分室を設け、該内室内分室と港内を連通する第2の導水経路を設けた請求項4記載の海水交換型防波堤。
- 第1の導水経路の港内側端部開口部を港内の湾底近傍としたことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか一つに記載した海水交換型防波堤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002377844A JP2004204645A (ja) | 2002-12-26 | 2002-12-26 | 海水交換型防波堤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002377844A JP2004204645A (ja) | 2002-12-26 | 2002-12-26 | 海水交換型防波堤 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004204645A true JP2004204645A (ja) | 2004-07-22 |
Family
ID=32814893
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002377844A Pending JP2004204645A (ja) | 2002-12-26 | 2002-12-26 | 海水交換型防波堤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004204645A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007308884A (ja) * | 2006-05-16 | 2007-11-29 | Toyo Constr Co Ltd | 鉛直方向海水交換装置 |
CN107386200A (zh) * | 2017-08-01 | 2017-11-24 | 交通运输部天津水运工程科学研究所 | 一种适用于分汊河段航道整治的丁坝尺寸确定方法 |
-
2002
- 2002-12-26 JP JP2002377844A patent/JP2004204645A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007308884A (ja) * | 2006-05-16 | 2007-11-29 | Toyo Constr Co Ltd | 鉛直方向海水交換装置 |
JP4687901B2 (ja) * | 2006-05-16 | 2011-05-25 | 東洋建設株式会社 | 鉛直方向海水交換装置 |
CN107386200A (zh) * | 2017-08-01 | 2017-11-24 | 交通运输部天津水运工程科学研究所 | 一种适用于分汊河段航道整治的丁坝尺寸确定方法 |
CN107386200B (zh) * | 2017-08-01 | 2019-07-16 | 交通运输部天津水运工程科学研究所 | 一种适用于分汊河段航道整治的丁坝尺寸确定方法 |
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