JP2000073327A - 浮体バルブ付き海水交換型防波堤 - Google Patents

浮体バルブ付き海水交換型防波堤

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JP2000073327A
JP2000073327A JP10257517A JP25751798A JP2000073327A JP 2000073327 A JP2000073327 A JP 2000073327A JP 10257517 A JP10257517 A JP 10257517A JP 25751798 A JP25751798 A JP 25751798A JP 2000073327 A JP2000073327 A JP 2000073327A
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悦子 高田
Takehiko Mikami
武彦 三上
Hiroki Ito
弘樹 伊藤
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UNYUSHO DAINI KOWAN KENSETSUKYOKU
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UNYUSHO DAINI KOWAN KENSETSUKY
UNYUSHO DAINI KOWAN KENSETSUKYOKU
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 入射波のエネルギーを有効活用し、かつ所定
超越波も阻止し得る波力式海水交換型防波堤を提供す
る。 【解決手段】 頂部24aの位置が内室内海水位よりも
所定頂部高さだけ高くなるようにして函体2の内部の浮
体室23内の海水に浮ぶとともに内室内海水位の昇降に
連動して昇降する浮体バルブ24を設け、浮体バルブ2
4の上部に設けられた前部斜面24bによって外海側の
海水を入水口25から取り込み浮体室23内に流入させ
た後に出水口26から内海側へ流出させるように構成し
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、防波堤に関し、特
に、波力を利用して外海側の海水を内海側へ流入させ内
海側の海水環境を常に良好に維持し得る浮体バルブ付き
海水交換型防波堤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、防波堤は、防波堤外の外海の波浪
が防波堤内に侵入することを防ぎ、防波堤内を静穏に保
持するため、港湾等の外かく施設として建設されてき
た。
【0003】しかし、従来の防波堤では、防波堤の内外
の海水の交流(以下、「海水交換」という。)が少なく
なることが多かった。このため、特に夏季においては、
表層の海水は温度がつねに高くなるため単位体積重量
(比重)が軽くなってつねに上層に位置し、一方、海底
付近の底層の海水は温度が相対的に低くなるため単位体
積重量(比重)が重くなってつねに下層に位置すること
となり、海水がいわゆる「成層状態」となる。このよう
な状態では、上層と下層の海水が対流しなくなり、海底
付近の下層水には、海面からの酸素が供給されず、溶存
酸素量の少ない「貧酸素水塊」となるため、生物の棲息
が極めて困難となり、環境が悪化する。このことから、
防波堤の内海側の海水環境の維持が課題となっていた。
【0004】このため、堤体を介して海水交換が可能な
形式の防波堤(以下、「海水交換型防波堤」という。)
として、各種の構成のものが提案されている。
【0005】このような海水交換型防波堤の一つとし
て、潮汐による海水位の差(以下、「潮位差」とい
う。)を利用して海水交換を行うもの(以下、「潮位差
式海水交換型防波堤」という。)がある。これは、設置
海域付近に、海水を貯留可能な池(以下、「貯留池」と
いう。)として利用し得る地形が存在する、等の自然地
勢的条件に恵まれていれば、実現は可能である。しか
し、このような地勢的条件が満たされない場合には、防
波堤背後に貯留池を人工的に建設する必要がある。特
に、水深が大きい場合や面積が大きな場合には、多額の
工事費がかかり、効果に対し経済的に見合わない、とい
う問題があった。
【0006】他の方式として、電動モーター等を駆動源
とするポンプを堤体に設け、外海側の海水を汲み上げて
内海側に流入させるとともに、内海側の表層と底層を攪
拌するもの(以下、「ポンプ式海水交換型防波堤」とい
う。)も提案されているが、電力の費用の面で、経済的
ではない、という問題があった。
【0007】このため、海水交換型防波堤としては、波
力を利用して海水交換を行うもの(以下、「波力式海水
交換型防波堤」という。)が一般的である。これは、外
海側から防波堤に到来し打ち寄せる波(以下、「入射
波」という。)の上下動のエネルギーを利用し、海水を
防波堤の内海側へ一方向流として流入させるとともに消
波するようにしたものである。この波力式海水交換型防
波堤は、その構成と機能により、以下の形式のものが知
られている。
【0008】 直立消波防波堤の堤体を波が透過し得
る構造とし、入射波のエネルギーを抑制しつつ、内海側
に流入させるもの(以下、「透過タイプ」という。)。
【0009】 海水を誘導する通水管を堤体内に配設
し、開閉弁等によって逆流を防止しつつ入射波を一方向
流とし、内海側に流入させるもの(以下、「通水管タイ
プ」という。)。
【0010】 堤体前面に消波工や遊水桝等を設けて
海水位が上昇するようにし、この海水位上昇を利用して
入射波を一方向流とし、内海側に流入させるもの(以
下、「水位上昇タイプ」という。)。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来の波力式海水交換型防波堤では、防波堤内の水域
を静穏に保つため、外海側から内海側への海水の流入量
は、ある程度以下に制約されている。すなわち、入射波
の消波に主体がおかれるため、入射波の上下動のエネル
ギーは消散されるのみで有効に活用されてはいない、と
いう問題があった。
【0012】また、上記した従来の波力式海水交換型防
波堤では、津波や高潮等、外海側海水位が所定高潮位よ
りも高くなる波(以下、「所定超越波」という。)に対
する流入阻止機能はまったく考えられていないため、所
定超越波が防波堤の内海側に流入してしまう、という問
題もあった。
【0013】本発明は上記の問題を解決するためになさ
れたものであり、本発明の解決しようとする課題は、入
射波のエネルギーを有効活用し、かつ所定超越波も阻止
し得る波力式海水交換型防波堤を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明に係る浮体バルブ付き海水交換型防波堤は、
函体の内部に空洞状の内室を設け、前記函体の前壁の上
部位置に、外海側の海水を前記内室に導入する入水口を
設け、前記函体の後壁に、前記内室内の海水を内海側へ
導出する出水口を設け、浮力を有するように形成された
浮体であって、前記内室内の海水に浮ぶとともに前記浮
体の頂部の位置が前記内室内の海水の水位である内室内
海水位よりも所定頂部高さだけ高くなるように配置さ
れ、前記内室内海水位の昇降に連動して昇降するように
構成され、弁としての機能を果たす浮体バルブを設け、
前記浮体バルブの上部に設けられた海水取込手段によっ
て前記外海側の海水を前記入水口から取り込み前記内室
内に流入させる外海水取込機能と、次いで、前記海水の
流入によって上昇する前記内室内海水位に連動して上昇
する前記浮体バルブの前記内室内海水位より高い部分で
ある浮体上部により、前記内室内に流入した海水の前記
外海側への逆流を防止する逆流防止機能と、前記逆流防
止機能と同時に、前記内室内に一時的に貯えられた海水
を、前記内海側の海水の水位である内海側海水位と前記
内室内海水位との水頭差に応じて前記内海側へ流出させ
る海水交換機能と、前記海水交換機能によって、前記外
海側の海水の水位である外海側海水位とほぼ等しくなる
前記内室内海水位に応じて、前記浮体バルブの頂部を、
前記外海側海水位よりも前記所定頂部高さだけつねに高
く維持させる浮体位置自動調整機能と、前記外海側海水
位が所定高潮位よりも高くなる所定超越波が前記外海側
から襲来した場合には、前記浮体バルブが前記入水口を
完全に閉塞し、前記所定超越波が前記内海側に侵入する
ことを阻止する超越波侵入阻止機能を有することを特徴
とする。
【0015】上記した浮体バルブ付き海水交換型防波堤
において、好ましくは、前記内室は、前記函体の内部に
形成された空洞であって、前記外海側から海水を取り込
み、一時的に貯留し、かつ前記内海側へ送出させる遊水
室と、前記函体の内部に形成された空洞であって、前記
遊水室と連通するとともに前記浮体バルブを昇降可能に
構成された浮体室を有する。
【0016】また、上記した浮体バルブ付き海水交換型
防波堤において、好ましくは、前記海水取込手段は、前
記浮体バルブの前記外海側の上部において前記頂部へ向
かって高さが高くなるように形成された斜面である。
【0017】また、上記した浮体バルブ付き海水交換型
防波堤において、好ましくは、前記海水取込手段は、前
記浮体バルブの上部に設けられ、前記入水口と前記内室
とを連通させる海水取込口である。
【0018】また、上記した浮体バルブ付き海水交換型
防波堤において、好ましくは、前記海水取込口の両側の
拡張部により、前記浮体バルブの浮力又は前記昇降の固
有振動数を調節する。
【0019】また、上記した浮体バルブ付き海水交換型
防波堤において、好ましくは、前記出水口は、前記函体
の後壁の下部位置に設けられ、前記出水口の前記内海側
には、前記内室から前記内海側へ流出する海水を前記内
海側の海底付近まで誘導して排出する導水管路が接続す
る。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態につい
て、図面を参照しながら説明する。
【0021】(1)第1実施形態 図1は、本発明の第1実施形態である浮体バルブ付き海
水交換型防波堤の構成を示す図であり、図1(A)はA
−A断面図を、図1(B)はB−B断面図を、それぞれ
示している。また、図2は、本発明の第1実施形態であ
る浮体バルブ付き海水交換型防波堤の構成を示すC−C
断面図である。
【0022】図1,2に示すように、第1実施形態の浮
体バルブ付き海水交換型防波堤101は、海底B上に構
築された傾斜堤状のマウンド部1と、マウンド部1上に
据え付けられた浮体バルブ付き海水交換型防波堤ユニッ
ト2及び隣接ケーソン部3を備えて構成されている。図
1(A)において、L10は防波堤の外海側の海水位
を、L20は防波堤の内海側の海水位を、W1は波を、
それぞれ示している。
【0023】マウンド部1は、海底B上に石を台形断面
形状に積み上げて形成された捨石部10と、捨石部10
の斜面と頂面の一部を石で被覆する被覆石部11を有し
ている。
【0024】浮体バルブ付き海水交換型防波堤ユニット
2は、ケーソン部20と、中詰材21と、上部コンクリ
ート22と、浮体バルブ24と、導水管路29を有して
いる。また、隣接堤ケーソン3は、浮体バルブ付き海水
交換型防波堤ユニット2に隣接する部分であり、公知の
直立堤形式のケーソンで構成されている。
【0025】ケーソン部20は、鉄筋コンクリート(R
C)又はプレストレストコンクリート(PC)等からな
る板状部材あるいは壁状部材等のコンクリート部材で構
成され、内部に中詰材21を収容するための中空室が形
成された箱状の構造物であり、マウンド部1の頂部の平
面上に据え付けられる。中詰材21は、砂や割石等から
なり、ケーソン部20の中空室内に充填され、ケーソン
部20の強度を増すとともに重量を増してケーソン部2
0の安定性を増大させる。
【0026】また、ケーソン部20の上部には、鉄筋コ
ンクリート製の上部コンクリート22が結合されてい
る。上部コンクリート22は、略厚板状の部材であり、
その下面中央付近に凹部22aが形成されている。ま
た、上部コンクリート22の上面と凹部22aとを連通
する空気孔22bが開設されている。
【0027】ケーソン部20と上部コンクリート22
は、函体を構成しており、この函体の内部には、略直方
体状の空洞である浮体室23と遊水室27が形成されて
いる。浮体室23と遊水室27は、ケーソン部20内の
隔壁20dによって分離されている。浮体室23の上部
は、上部コンクリート22の下面の凹部22aと連通し
ている。また、浮体室23の上部と凹部22aは、上部
連通開口28aによって遊水室27の上部と連通してい
る。また、浮体室23の下部は、下部連通開口28bに
よって遊水室27の下部と連通している。ここに、浮体
室23と凹部22aと遊水室27は、内室に相当してい
る。
【0028】また、ケーソン部20の前壁20aと上部
コンクリート22の前壁22cにより構成される函体の
前壁の上部位置には、開口である入水口25が形成され
ている。この入水口25は、浮体室23及び凹部22a
に連通している。入水口25は、防波堤の外海側の海水
を内室である浮体室23及び遊水室27に導入する機能
を有している。
【0029】また、ケーソン部20の前壁20aの頂部
に連接するようにして前壁斜面20cが形成されてい
る。
【0030】また、ケーソン部20と上部コンクリート
22により構成される函体の後壁の下部位置には、開口
である出水口26が形成されている。この出水口26
は、遊水室27の下部に連通している。出水口26は、
内室である浮体室23及び遊水室27内の海水を防波堤
の内海側に導出する機能を有している。出水口26に
は、導水管路29の一方の開口部が連通しており、導水
管路29はマウンド部1の斜面に沿うように配設され、
導水管路29の他方の開口部はこの防波堤の内海側の海
底付近に配置されている。
【0031】浮体バルブ24は、RC,PC,鋼等から
なる箱状部材であり、内部に空気が密閉された中空室等
を有し、海水に浮くための浮力を有するように構成され
ている。浮体バルブ24は、略直方体状に形成され、そ
の上部には、前部斜面24bと後部斜面24cが形成さ
れている。前部斜面24bと後部斜面24cは、直線状
の頂部24aにおいて互いに連接している。したがっ
て、前部斜面24bは、頂部24aへ向かうにつれて高
さが高くなるように形成された斜面となっており、後部
斜面24cは、頂部24aから防波堤の内海側へ向かう
につれて高さが低くなるように形成された斜面となって
いる。また、浮体バルブ24の前部斜面24bの傾斜度
は、ケーソン部20の前壁斜面20cの傾斜度とほぼ同
一の値に設定されている。
【0032】また、浮体バルブ24は、後述するよう
に、頂部24aの位置が海水位L10よりも所定頂部高
さΔh(図3参照)だけ高くなるように構成されてい
る。
【0033】浮体バルブ24の断面形状は、浮体室23
の断面形状と相似であり、浮体バルブ24の寸法は浮体
室23の寸法よりわずかに小さい値となっている。この
ため、浮体バルブ24は、浮体室23内に収容可能とな
っており、内室である浮体室23及び遊水室27内の海
水位(以下、「内室内海水位」という。)の昇降に連動
して昇降するように構成されている。また、上部コンク
リート22の凹部22aは、浮体バルブ24の上部(前
部斜面24b,頂部24a,後部斜面24c)と嵌合す
る形状となっている。
【0034】次に、第1実施形態の浮体バルブ付き海水
交換型防波堤ユニット2の作用について、図1ないし図
5を参照しつつ説明する。図3は、本発明の第1実施形
態である浮体バルブ付き海水交換型防波堤ユニットにお
ける浮体バルブの作用を示す図であり、図3(A)は干
潮時における作用を、図3(B)は満潮時における作用
を、図3(C)は所定超越波の場合における作用を、そ
れぞれ示している。図4は、本発明の第1実施形態であ
る浮体バルブ付き海水交換型防波堤ユニットにおける海
水交換のメカニズムを説明する図である。また、図5
は、本発明の第1実施形態である浮体バルブ付き海水交
換型防波堤ユニットにおける浮体バルブの上下動と海水
流入性能の関係を示すグラフである。
【0035】図3(A)に示すように、防波堤の外海側
の海水の水位(以下、「外海側海水位」という。)がL
11となる干潮時には、浮体室24及び遊水室27内の
海水位(以下、「内室内海水位」という。)L12も外
海側海水位L11とほぼ等しくなり、浮体バルブ24
は、その頂部24aが海水位L11,L12よりも所定
頂部高さΔhだけ高くなる。また、浮体バルブ24の上
部の前部斜面24bは、ケーソン部20の前壁斜面20
cのほぼ延長線上に位置するようになり、両者は「傾斜
堤」を構成する。
【0036】このため、防波堤の外海側(図1(A)及
び図3(A)の左側)からの入射波は、入水口25か
ら、浮体バルブ24の前部斜面24bとケーソン部20
の前壁斜面20cが構成する傾斜堤の表面を容易に遡上
して取り込まれ、浮体バルブ24の頂部24aから後部
斜面24cへと流下し、上部連通開口28aから遊水室
27内へ流入し、遊水室27の下方の下部連通開口28
bから浮体室23内へ流入する。この機能を、以下、こ
の浮体バルブ付き海水交換型防波堤ユニット2の「外海
水取込機能」という。
【0037】上記したように、浮体バルブ24の前部斜
面24bとケーソン部20の前壁斜面20cの傾斜度
(傾斜角度)は、海水の流入性能に影響するため、流入
効率が最大となるような適宜の角度に設定される。この
傾斜角度は、例えば、120〜150度程度の値であ
る。
【0038】この場合、浮体バルブ24の上部に設けら
れた前部斜面24bは、海水取込手段に相当している。
この海水取込機能については、図4において詳述する。
【0039】次に、遊水室27及び浮体室23の内部に
一時的に貯えられた海水は、内室内海水位L12と、防
波堤の内海側の海水の水位(以下、「内海側海水位」と
いう。)との水頭差に応じて出水口26から流出し、導
水管路29を経て防波堤の内海側の海底付近へ流入す
る。この機能を、以下、この浮体バルブ付き海水交換型
防波堤ユニット2の「海水交換機能」という。この海水
交換機能については、図4において詳述する。
【0040】上記した外海水取込機能及び海水交換機能
は、外海側海水位が変化しても、それに追随して実行さ
れる。図3(B)に示すように、外海側海水位がL13
となる満潮時においても、内室内海水位L14は外海側
海水位L13とほぼ等しくなり、浮体バルブ24は、そ
の頂部24aが海水位L13,L14よりも所定頂部高
さΔhだけ高くなり、浮体バルブ24の上部の前部斜面
24bは、「傾斜堤」を構成する。したがって、この場
合にも、外海側(図1(A)及び図3(B)の左側)か
らの入射波は、入水口25から、浮体バルブ24の前部
斜面24bが構成する傾斜堤の表面を容易に遡上して取
り込まれ、浮体バルブ24の頂部24aから後部斜面2
4cへと流下し、遊水室27内を経て浮体室23内へ流
入する。このように、内室内海水位に応じて、浮体バル
ブ24の頂部24aを、外海側海水位よりも所定頂部高
さΔhだけつねに高く維持させる機能を、以下、この浮
体バルブ付き海水交換型防波堤ユニット2の「浮体位置
自動調整機能」という。
【0041】外海側海水位がさらに高くなり、図3
(C)に示すように、外海側海水位L15が所定高潮位
よりも高くなる所定超越波、例えば津波や高潮が外海側
から襲来した場合には、浮体室23内に流入した海水に
より浮体バルブ24が上昇し、浮体バルブ24の上部が
上部コンクリート22の下面に形成された凹部22aに
嵌合し、浮力によって浮体バルブ24の上部は凹部22
aの天井面に押し付けられる。この際、凹部22内の空
気は、空気孔22bから外部へ抜ける。これにより、入
水口25は浮体バルブ24の前壁部により完全に閉塞さ
れ、外海側の海水は遊水室27へ流入することができな
くなり、所定超越波が防波堤の内海側に侵入することが
阻止される。したがって、防波堤の内海側が静穏に保た
れ、環境の良い海上交通・運輸、並びに水産活動の場と
なる。この機能を、以下、この浮体バルブ付き海水交換
型防波堤ユニット2の「超越波侵入阻止機能」という。
【0042】次に、図4に基づき、上記した浮体バルブ
付き海水交換型防波堤ユニット2における海水交換のメ
カニズムをさらに詳細に説明する。図4(A)は、浮体
バルブ24が下降しており、防波堤の外海側(図の左
側)から波W2が侵入し、海水が入水口25から浮体室
23及び遊水室27へ流入する状況を示している。
【0043】外海側から浮体室23及び遊水室27へ流
入した海水は、遊水室27の下部の下部連通開口28b
から浮体室23へ流れ込み、浮体室23内の海水位を上
昇させる。この内室内海水位の上昇に連動して、図4
(B)に示すように、浮体バルブ24が上昇する。浮体
バルブ24の頂部24aは、遊水室27内の海水位L1
8より所定頂部高さΔhだけ高くなろうとするから、こ
の頂部24aにより、遊水室27内に流入した海水は、
防波堤の外海側へ逆流することが防止される。この機能
を、以下、この浮体バルブ付き海水交換型防波堤ユニッ
ト2の「逆流防止機能」という。
【0044】一方、図4(B)に示すように、遊水室2
7内の海水位L18は、一時的に外海側海水位L17よ
りも高くなる。内海側海水位(図示せず)は、ほぼ外海
側海水位L17と等しいから、図4(B)に示す場合に
は、遊水室27内の海水位L18は内海側海水位よりも
高くなる。このため、内室内海水位L18と内海側海水
位との水頭差に応じて、海水が出水口26から流出し、
導水管路29により誘導され、内海側の海底付近に排出
されるのである。これにより、溶存酸素量の少ない内海
側海底部の海水に、溶存酸素量の多い外海側の海水が混
合され、内海側の海水が浄化され水質や環境が改善され
る。
【0045】上記した水頭差による海水の内海側への流
入が進むにつれ、遊水室27内の海水位L18は低下
し、最終的には外海側海水位L17とほぼ等しくなり、
この時点で海水の内海側への流入は停止する。
【0046】上記したように、浮体バルブ24の上下動
の固有周期は、海水の遊水室27への流入性能、及び防
波堤の内海側への送出性能に影響するため、内海側への
流入効率が最大となるような最適な位相差を持つように
設定される。浮体バルブ24の上下動の固有周期は、例
えば、5〜10秒程度の値である。
【0047】なお、図4(A)に示す状態から図4
(B)に示す状態へ移行する際に、浮体バルブ24の上
昇に伴い、遊水室27内の海水は、下部連通開口28b
を通って浮体室23の下部に吸引され一時的に流入す
る。これにより、防波堤の外海側から取り込まれる海水
の量がさらに増大する、という効果が発揮される。浮体
室23の下部に一時的に貯留された海水は、浮体バルブ
24の下降により、ポンプ作用によって下部連通開口2
8bから押し出され、出水口26から内海側へ送出され
る。
【0048】上記したように、浮体バルブ24は、浮体
室23及び遊水室27内の海水位に応じて昇降し、外海
側海水を取り込むとともに内海側に送出し、かつ、津波
等の所定超越波が襲来した場合には内室への海水の進入
を遮断する、という「弁」としての機能を果たす。
【0049】また、遊水室27は、外海側から海水を取
り込み、一時的に貯留し、かつ内海側へ送出させる機能
を果たす。
【0050】また、浮体室23は、遊水室27と連通す
るとともに、浮体バルブ24を昇降可能に収容する機能
を果たす。
【0051】図5は、第1実施形態の浮体バルブ付き海
水交換型防波堤ユニット2と、浮体バルブ24を固定さ
せて傾斜堤とした場合の海水流入量を、導水管路29の
内部の海水流速v(センチメートル/秒)により比較し
たグラフである。図において、白三角点は第1実施形態
の浮体バルブ付き海水交換型防波堤ユニット2の場合
を、黒三角点は浮体バルブ24を固定した場合を、それ
ぞれ示している。また、Tは波の周期(秒)を表し、点
線はT=4秒の場合を、実線はT=7秒の場合を、破線
はT=10秒の場合を、それぞれ示している。また、グ
ラフの横軸である遡上高Δh(メートル)は、図5の上
部に図示されているように、波が浮体バルブ24を遡上
し流入する場合の高さ(海水位からの高さ)を示してい
る。
【0052】図5からわかるように、浮体バルブ24を
固定した場合(黒三角点の場合)には、波の遡上高Δh
が増大するにつれて、海水流入量の指標である導水管路
内流速vは急激に低下している。これに対し、第1実施
形態のように、波力により浮体バルブ24を上下動させ
た場合には、海水流入量の指標である導水管路内流速v
は浮体固定の場合に比べ同等以上である。また、波の遡
上高Δhが増大しても、海水流入量の指標である導水管
路内流速vの低下の度合は小さい。波の周期Tが変化し
た場合も、上記の傾向は同様であり、波に追従して海水
流入機能を向上させることがわかる。
【0053】(2)第2実施形態 本発明は、他の構成によっても実現可能である。次に、
本発明の第2実施形態の浮体バルブ付き海水交換型防波
堤について、図6及び図7を参照しながら説明を行う。
図6は、本発明の第2実施形態である浮体バルブ付き海
水交換型防波堤の構成を示す図であり、図6(A)はD
−D断面図を、図6(B)はE−E断面図を、それぞれ
示している。また、図7は、本発明の第2実施形態であ
る浮体バルブ付き海水交換型防波堤の構成を示すF−F
断面図である。
【0054】図6,7に示すように、第2実施形態の浮
体バルブ付き海水交換型防波堤102は、第1実施形態
の場合と同様のマウンド部(図示せず)と、このマウン
ド部上に据え付けられた浮体バルブ付き海水交換型防波
堤ユニット4及び隣接ケーソン部5を備えて構成されて
いる。
【0055】浮体バルブ付き海水交換型防波堤ユニット
4は、ケーソン部40と、上部コンクリート42と、浮
体バルブ44を有している。また、隣接堤ケーソン5
は、浮体バルブ付き海水交換型防波堤ユニット4に隣接
する部分であり、公知の直立堤形式のケーソンで構成さ
れている。
【0056】ケーソン部40は、RC又はPC等からな
る板状部材あるいは壁状部材等のコンクリート部材で構
成され、内部に第1実施形態の場合と同様な中詰材(図
示せず)を収容するための中空室が形成された箱状の構
造物であり、マウンド部(図示せず)の頂部に据え付け
られる。
【0057】また、ケーソン部40の上部には、RC製
の上部コンクリート42が結合されている。上部コンク
リート42は、略厚板状の部材であり、その下面中央付
近に凹部42aが形成されている。また、上部コンクリ
ート42の上面と凹部42aとを連通する空気孔42b
が開設されている。
【0058】ケーソン部40と上部コンクリート42
は、函体を構成しており、この函体の内部には、略直方
体状の空洞である浮体室43と遊水室47が形成されて
いる。浮体室43と遊水室47は、ケーソン部40内の
隔壁40dによって分離されている。浮体室43の上部
は、上部コンクリート42の下面の凹部42aと連通し
ている。また、浮体室43の上部と凹部42aは、上部
連通開口48aによって遊水室47の上部と連通してい
る。また、浮体室43の下部は、下部連通開口48bに
よって遊水室47の下部と連通している。ここに、浮体
室43と凹部42aと遊水室47は、内室に相当してい
る。
【0059】また、ケーソン部40の前壁40aと上部
コンクリート42の前壁42cにより構成される函体の
前壁の上部位置には、開口である入水口45が形成され
ている。この入水口45は、浮体室43及び凹部42a
に連通している。
【0060】また、ケーソン部40の前壁40aの頂部
に連接するようにして前壁斜面40cが形成されてい
る。
【0061】また、ケーソン部40と上部コンクリート
42により構成される函体の後壁の下部位置には、開口
である出水口46が形成されている。この出水口46
は、遊水室47の下部に連通している。出水口46に
は、第1実施形態の場合と同様な導水管路(図示せず)
の一方の開口部が連通している。
【0062】浮体バルブ44は、RC,PC,鋼等から
なる箱状部材であり、内部に空気が密閉された中空室等
を有し、海水に浮くための浮力を有するように構成され
ている。浮体バルブ44は、略直方体状に形成され、そ
の上部には、海水取込口44dが開設されている。この
海水取込口44dの底面は、前部斜面44bと頂部44
aと後部斜面44cにより形成されている。前部斜面4
4bと後部斜面44cは、直線状の頂部44aにおいて
互いに連接している。したがって、前部斜面44bは、
頂部44aへ向かうにつれて高さが高くなるように形成
された斜面となっており、後部斜面44cは、頂部44
aから防波堤の内海側へ向かうにつれて高さが低くなる
ように形成された斜面となっている。また、浮体バルブ
44の前部斜面44bの傾斜度は、ケーソン部40の前
壁斜面40cの傾斜度とほぼ同一の値に設定されてい
る。
【0063】また、図7に示すように、海水取込口44
dの左右両側は、拡張部44e,44fとなっている。
【0064】また、浮体バルブ44は、浮体バルブ44
が浮ぶ海水の水位に対して、頂部44aの位置が所定頂
部高さΔhだけ高くなるように構成されている。
【0065】浮体バルブ44の断面形状は、浮体室43
の断面形状と相似であり、浮体バルブ44の寸法は浮体
室43の寸法よりわずかに小さい値となっている。この
ため、浮体バルブ44は、浮体室43内に収容可能とな
っており、内室である浮体室43及び遊水室47内の内
室内海水位の昇降に連動して昇降するように構成されて
いる。また、上部コンクリート42の凹部42aは、浮
体バルブ44の上部と嵌合する形状となっている。ま
た、海水取込口44dは、海水取込手段に相当してい
る。
【0066】このような構成の浮体バルブ付き海水交換
型防波堤ユニット4によっても、上記した外海水取込機
能と、逆流防止機能と、海水交換機能と、浮体位置自動
調整機能と、超越波侵入阻止機能を発揮させることがで
きる。
【0067】これらの利点に加え、第2実施形態の浮体
バルブ付き海水交換型防波堤ユニット4は、以下の利点
も有している。
【0068】1)浮体バルブ44の形状・寸法が大きい
ため、大きな浮力を得ることができ、かつ一定の吃水を
保持することができる。すなわち、図7に示すように、
海水取込口44dの左右両側は拡張部44e,44fと
なっているため、この拡張部44e,44fの重量を調
整すれば、頂部44aが海水面下となっても、その高さ
を一定に保持することができる。また、復元力が大きい
ので、海水面との相対的な高さをほぼ一定に維持するこ
とが容易にできる。
【0069】2)内室内へ海水を効率的に流入させるた
めには、波の周期に対して浮体バルブが適切に上下動す
る必要があるが、浮体バルブの上下動は浮体バルブの固
有振動数(あるいは固有周期)に影響される。浮体バル
ブの固有振動数を調節する重要な要素の一つは、浮体の
水線面積であるが、第2実施形態の浮体バルブ44にお
いては、海水取込口の左右両側に拡張部44e,44f
が設けられているため、この拡張部44e,44fの水
線面積を適切に設計することにより、海水流入効率を最
大にすることができる。
【0070】なお、本発明は、上記各実施形態に限定さ
れるものではない。上記各実施形態は、例示であり、本
発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的
に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、
いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含され
る。
【0071】例えば、上記各実施形態においては、海域
において港湾に用いられる防波堤を例に挙げて説明した
が、本発明はこれには限定されず、河川や湖沼において
も応用可能であり、港湾以外に用いられる防波機能を有
する施設にも応用可能である。また、上記各実施形態に
おいては、マウンド部と直立堤部からなる混成堤形式の
防波堤の直立堤部の内部に内室や浮体バルブ等を設ける
例について説明したが、本発明はこれには限定されず、
マウンド部のないいわゆる直立堤形式の防波堤やその他
の形式の防波堤にも応用可能である。
【0072】また、上記各実施形態においては、出水口
が函体の後壁の下部位置に設けられる例について説明し
たが、本発明はこれには限定されず、他の構成、例え
ば、出水口が函体の後壁の略中央位置に設けられるも
の、あるいは出水口が函体の後壁のやや上方位置に設け
られるものなどであってもよい。
【0073】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る浮体
バルブ付き海水交換型防波堤によれば、頂部の位置が内
室内海水位よりも所定頂部高さだけ高くなるようにして
函体内部の内室内の海水に浮ぶとともに内室内海水位の
昇降に連動して昇降し弁としての機能を果たす浮体バル
ブを設け、浮体バルブの上部に設けられた海水取込手段
によって外海側の海水を入水口から取り込み内室内に流
入させた後に出水口から内海側へ流出させるように構成
したので、入射波のエネルギーを有効活用して海水交換
を行い、かつ津波等の所定超越波も阻止することができ
る、という利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態である浮体バルブ付き海
水交換型防波堤の構成を示す図であり、図1(A)はA
−A断面図を、図1(B)はB−B断面図を、それぞれ
示している。
【図2】本発明の第1実施形態である浮体バルブ付き海
水交換型防波堤の構成を示すC−C断面図である。
【図3】本発明の第1実施形態である浮体バルブ付き海
水交換型防波堤ユニットにおける浮体バルブの作用を示
す図であり、図3(A)は干潮時における作用を、図3
(B)は満潮時における作用を、図3(C)は所定超越
波の場合における作用を、それぞれ示している。
【図4】本発明の第1実施形態である浮体バルブ付き海
水交換型防波堤ユニットにおける海水交換のメカニズム
を説明する図である。
【図5】本発明の第1実施形態である浮体バルブ付き海
水交換型防波堤ユニットにおける浮体バルブの上下動と
海水流入性能の関係を示すグラフである。
【図6】本発明の第2実施形態である浮体バルブ付き海
水交換型防波堤の構成を示す図であり、図6(A)はD
−D断面図を、図6(B)はE−E断面図を、それぞれ
示している。
【図7】本発明の第2実施形態である浮体バルブ付き海
水交換型防波堤の構成を示すF−F断面図である。
【符号の説明】
1 マウンド部 2 浮体バルブ付き海水交換型防波堤ユニット 3 隣接ケーソン部 4 浮体バルブ付き海水交換型防波堤ユニット 5 隣接ケーソン部 10 捨石部 11 被覆石部 20 ケーソン部 20a 前壁 20b 後壁 20c 前壁斜面 20d 隔壁 21 中詰材 22 上部コンクリート 22a 凹部 22b 空気孔 22c 前壁 23 浮体室 24 浮体バルブ 24a 頂部 24b 前部斜面 24c 後部斜面 25 入水口 26 出水口 27 遊水室 28a 上部連通開口 28b 下部連通開口 29 導水管路 40 ケーソン 40a 前壁 40b 後壁 40c 前壁斜面 40d 隔壁 42 上部コンクリート 42a 凹部 42b 空気孔 42c 前壁 43 浮体室 44 浮体バルブ 44a 斜面頂部 44b 前部斜面 44c 後部斜面 44d 海水取込口 44e,44f 拡張部 45 入水口 46 出水口 47 遊水室 48a 上部連通開口 48b 下部連通開口 101,102 浮体バルブ付き海水交換型防波堤 B 海底 L10,L11,L13,L15〜L17 外海側海水
位 L12,L14,L18 内室内海水位 L20 内海側海水位 W1〜W3 波
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高田 悦子 神奈川県横浜市中区北仲通5−57 運輸省 第二港湾建設局横浜調査設計事務所内 (72)発明者 三上 武彦 神奈川県横浜市中区北仲通5−57 運輸省 第二港湾建設局横浜調査設計事務所内 (72)発明者 伊藤 弘樹 神奈川県横浜市中区北仲通5−57 運輸省 第二港湾建設局横浜調査設計事務所内 Fターム(参考) 2D018 BA12

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 函体の内部に空洞状の内室を設け、 前記函体の前壁の上部位置に、外海側の海水を前記内室
    に導入する入水口を設け、 前記函体の後壁に、前記内室内の海水を内海側へ導出す
    る出水口を設け、浮力を有するように形成された浮体で
    あって、前記内室内の海水に浮ぶとともに前記浮体の頂
    部の位置が前記内室内の海水の水位である内室内海水位
    よりも所定頂部高さだけ高くなるように配置され、前記
    内室内海水位の昇降に連動して昇降するように構成さ
    れ、弁としての機能を果たす浮体バルブを設け、 前記浮体バルブの上部に設けられた海水取込手段によっ
    て前記外海側の海水を前記入水口から取り込み前記内室
    内に流入させる外海水取込機能と、 次いで、前記海水の流入によって上昇する前記内室内海
    水位に連動して上昇する前記浮体バルブの前記内室内海
    水位より高い部分である浮体上部により、前記内室内に
    流入した海水の前記外海側への逆流を防止する逆流防止
    機能と、 前記逆流防止機能と同時に、前記内室内に一時的に貯え
    られた海水を、前記内海側の海水の水位である内海側海
    水位と前記内室内海水位との水頭差に応じて前記内海側
    へ流出させる海水交換機能と、 前記海水交換機能によって、前記外海側の海水の水位で
    ある外海側海水位とほぼ等しくなる前記内室内海水位に
    応じて、前記浮体バルブの頂部を、前記外海側海水位よ
    りも前記所定頂部高さだけつねに高く維持させる浮体位
    置自動調整機能と、 前記外海側海水位が所定高潮位よりも高くなる所定超越
    波が前記外海側から襲来した場合には、前記浮体バルブ
    が前記入水口を完全に閉塞し、前記所定超越波が前記内
    海側に侵入することを阻止する超越波侵入阻止機能を有
    することを特徴とする浮体バルブ付き海水交換型防波
    堤。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の浮体バルブ付き海水交換
    型防波堤において、 前記内室は、 前記函体の内部に形成された空洞であって、前記外海側
    から海水を取り込み、一時的に貯留し、かつ前記内海側
    へ送出させる遊水室と、 前記函体の内部に形成された空洞であって、前記遊水室
    と連通するとともに前記浮体バルブを昇降可能に構成さ
    れた浮体室を有することを特徴とする浮体バルブ付き海
    水交換型防波堤。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の浮体バルブ付き海水交換
    型防波堤において、 前記海水取込手段は、 前記浮体バルブの前記外海側の上部において前記頂部へ
    向かって高さが高くなるように形成された斜面であるこ
    とを特徴とする浮体バルブ付き海水交換型防波堤。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の浮体バルブ付き海水交換
    型防波堤において、 前記海水取込手段は、 前記浮体バルブの上部に設けられ、前記入水口と前記内
    室とを連通させる海水取込口であることを特徴とする浮
    体バルブ付き海水交換型防波堤。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の浮体バルブ付き海水交換
    型防波堤において、 前記海水取込口の両側の拡張部により、前記浮体バルブ
    の浮力又は前記昇降の固有振動数を調節することを特徴
    とする浮体バルブ付き海水交換型防波堤。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の浮体バルブ付き海水交換
    型防波堤において、 前記出水口は、前記函体の後壁の下部位置に設けられ、 前記出水口の前記内海側には、前記内室から前記内海側
    へ流出する海水を前記内海側の海底付近まで誘導して排
    出する導水管路が接続することを特徴とする浮体バルブ
    付き海水交換型防波堤。
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