JP3946503B2 - スチレン系エラストマー樹脂組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、柔軟でブロー成形性に優れるスチレン系エラストマー樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般にブロー成形は、各種ボトルや中空容器などの成形体の製造において多用されている成形方法であり、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリエステル樹脂などの硬質樹脂や、軟質塩化ビニル樹脂などの軟質樹脂が、中空容器などの製造に多用されている。近年、軟質の中空容器においては、環境意識の高まりから軟質塩化ビニル樹脂を敬遠する傾向があり、それらの代替としてスチレン系エラストマー樹脂組成物が注目されている(特開平6−73246号公報、特開平8−34884号公報)。
【0003】
スチレン系エラストマーを含有する樹脂組成物は、通常、ポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂などのポリオレフィン系樹脂との組成物が一般的である。これらの組成物は、スチレン系エラストマーの添加量を多くすると柔軟になるが、その反面、ブロー成形性が低下するという問題があった。
【0004】
また、ブロー成形性が良好なスチレン系エラストマーとポリプロピレン樹脂との組成物としては、特開平11−60835号公報により提案されているが、該組成物は、ポリプロピレン樹脂の含量が多く、柔軟性に欠けるという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかして、本発明の目的は、柔軟性に優れ、ブロー成形性に優れるスチレン系エラストマー樹脂組成物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を解決するために、鋭意検討した結果、スチレン系エラストマーおよびポリオレフィン系樹脂からなり、特定の貯蔵弾性率およびメルトテンション(溶融張力)を有する樹脂組成物が、ブロー成形性に優れることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明は、
(1) スチレン系エラストマーおよびポリオレフィン系樹脂からなり、25℃における貯蔵弾性率が5.0×107Pa以下であり、かつ230℃におけるメルトテンションが1g以上であることを特徴とするブロー成形用樹脂組成物であって;
(2) スチレン系エラストマーおよびポリオレフィン系樹脂の質量比が、60:40〜80:20であり;
(3) スチレン系エラストマーが、少なくとも1つのスチレン系重合体ブロック(A)と少なくとも1つの水添共役ジエン系重合体ブロック(B)とからなるブロック共重合体であり;
(4) 水添共役ジエン系重合体ブロック(B)が、
(4−B1) 1,2−結合単位および3,4−結合単位の含有量が10〜75モル%であるポリイソプレンからなり、かつポリイソプレンの炭素−炭素二重結合の70%以上が水素添加された水添ポリイソプレンブロック(B1)、
(4−B2) イソプレンおよびブタジエンを質量比5/95〜95/5の割合で共重合して得られるイソプレン/ブタジエン共重合体からなり、1,2−結合単位および3,4−結合単位の含有量が20〜85モル%であり、かつイソプレン/ブタジエン共重合体の炭素−炭素二重結合の70%以上が水素添加された水添イソプレン/ブタジエン共重合体ブロック(B2)、並びに
(4−B3) 1,2−結合単位の含有量が45モル%以上であるポリブタジエンからなり、かつポリブタジエンの炭素−炭素二重結合の70%以上が水素添加された水添ポリブタジエンブロック(B3)、
からなる群から選ばれる少なくとも1種の重合体ブロックであり;かつ
(5) スチレン系エラストマーにおけるスチレン系単量体単位の含有量が10〜40質量%;
であるブロー成形用樹脂組成物である。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について説明する。
本発明の樹脂組成物は、スチレン系エラストマーおよびポリオレフィン系樹脂からなる。ポリオレフィン系樹脂としては、オレフィンモノマーから製造される各種ポリオレフィン系樹脂が使用でき、例えば、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、高圧法エチレン−α−オレフィン共重合体等のポリエチレン系樹脂;ポリプロピレンのホモポリマー、エチレンとプロピレンのランダムコポリマー、エチレンブロックを含むブロックタイプポリプロピレン、プロピレンとエチレンとブテン−1とのターポリマー等のポリプロピレン系樹脂;などが挙げられ、これらのうち1種または2種以上を用いることができる。また、ブロー成形時のメルトテンションを上げるため、電子線照射などにより架橋構造を導入したポリオレフィン系樹脂を使用することもできる。
【0009】
また、上記のスチレン系エラストマーとしては、スチレン系重合体ブロック(A)と水素添加(水添)共役ジエン系重合体ブロック(B)とからなるブロック共重合体である。スチレン系重合体ブロック(A)は、スチレン系単量体単位から構成されており、かかるスチレン系単量体としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−プロピルスチレン、4−シクロヘキシルスチレン、4−ドデシルスチレン、2−エチル−4−ベンジルスチレン、4−(フェニルブチル)スチレン等が挙げられ、これらの中でもスチレンが好ましい。
【0010】
上記のブロック共重合体におけるスチレン系単量体単位の含有量は、10〜40質量%の範囲内であるのが好ましい。スチレン系単量体単位の含有量が10質量%未満の場合には、ブロック共重合体の機械的強度が低下し、40質量%を超えると、該ブロック共重合体の溶融粘度が高くなって、ポリオレフィン系樹脂と均一に混合することが困難となり、成形加工上の制約を受けることがある。
【0011】
スチレン系重合体ブロック(A)の数平均分子量は特に制限されないが、2,500〜20,000の範囲内であるのが好ましい。
【0012】
上記の水添共役ジエン系重合体ブロック(B)としては、水添ポリイソプレンブロック(B1)、水添イソプレン/ブタジエン共重合体ブロック(B2)および水添ポリブタジエンブロック(B3)からなる群から選ばれる少なくとも1種の重合体ブロックである。ブロック(B)が2種以上の重合体ブロックからなるものである場合、重合体ブロック(B1)〜(B3)の相互の結合形態は、交互、ランダムなど何れであってもよい。
【0013】
水添ポリイソプレンブロック(B1)としては、1,2−結合単位と3,4−結合単位との含有量(以下、「ビニル結合単位含有量」ということがある。)が10〜75モル%の範囲内、好ましくは10〜60モル%の範囲内であるポリイソプレンからなり、かつポリイソプレンの炭素−炭素二重結合の70%以上が水素添加された水添ポリイソプレンブロックが好ましい。水添ポリイソプレンブロック(B1)におけるビニル結合単位含有量が10モル%未満の場合には、樹脂組成物から得られる成形体の透明性が十分ではなく、75モル%を超える場合には、水添ポリイソプレンブロック(B1)のガラス転移温度(Tg)が高くなり過ぎて、樹脂組成物から得られる成形体の柔軟性が損なわれる傾向がある。また、ポリイソプレンブロックの炭素−炭素二重結合の水素添加率が70%未満の場合、ブロック共重合体とポリオレフィン系樹脂との相溶性が低下し、樹脂組成物から得られる成形体の透明性が損なわれる傾向がある。
【0014】
水添ポリイソプレンブロック(B1)の数平均分子量は特に制限されないが、10,000〜200,000の範囲内であるのが好ましい。
【0015】
水添イソプレン/ブタジエン共重合体ブロック(B2)としては、イソプレンとブタジエンを質量比5/95〜95/5の割合で共重合して得られるイソプレン/ブタジエン共重合体からなり、1,2−結合単位と3,4−結合単位との含有量(ビニル結合単位含有量)が20〜85モル%の範囲内、好ましくは20〜60モル%であり、かつイソプレン/ブタジエン共重合体の炭素−炭素二重結合の70%以上が水素添加された水添イソプレン/ブタジエン共重合体ブロックであるのが好ましい。上記のイソプレン/ブタジエン共重合体において、イソプレン単位の割合が95質量%を超えると、水添イソプレン/ブタジエン共重合体ブロック(B2)のビニル結合単位含有量が75モル%以上の場合にそのガラス転移温度が(Tg)が高くなりすぎて、樹脂組成物から得られる成形体の柔軟性が損なわれることがあり、一方イソプレン単位の含有量が5質量%未満の場合、水添イソプレン/ブタジエン共重合体ブロック(B2)のビニル結合単位含有量が30モル%未満の場合に樹脂組成物から得られる成形体の透明性が低下する傾向がある。
【0016】
また、水添イソプレン/ブタジエン共重合体ブロック(B2)におけるビニル結合単位含有量が20モル%未満の場合には、樹脂組成物から得られる成形体の透明性が十分でないことがあり、一方85モル%を超える場合には、水添イソプレン/ブタジエン共重合体ブロック(B2)のガラス転移温度(Tg)が高くなり過ぎ、樹脂組成物から得られる成形体の柔軟性が損なわれることがある。イソプレン/ブタジエン共重合体の炭素−炭素二重結合の水素添加率が70%未満の場合、ブロック共重合体は、ポリオレフィン系樹脂との相溶性が劣り、樹脂組成物から得られる成形体の透明性が低下する傾向がある。
【0017】
水添イソプレン/ブタジエン共重合体ブロック(B2)におけるイソプレン単位とブタジエン単位との結合形態は特に制限されず、ランダム、ブロック、テーパードなどいずれの形態であってもよい。また、水添イソプレン/ブタジエン共重合体ブロック(B2)の数平均分子量は特に制限されないが、10,000〜200,000の範囲内であるのが好ましい。
【0018】
水添ポリブタジエンブロック(B3)としては、1,2−結合単位の含有量が45モル%以上、好ましくは45〜75モル%、より好ましくは45〜60モル%の範囲内であるポリブタジエンからなり、かつポリブタジエンの炭素−炭素二重結合の70%以上が水素添加された水添ポリブタジエンブロックが好ましい。水添ポリブタジエンブロック(B3)におけるビニル結合単位含有量が45モル%未満の場合には、樹脂組成物から得られる成形体の透明性が低下する傾向がある。また、ポリブタジエンの炭素−炭素二重結合の水素添加率が70%未満の場合、ブロック共重合体は、ポリオレフィン系樹脂との相溶性が劣り、樹脂組成物から得られる成形体の透明性が低下する傾向がある。
【0019】
水添ポリブタジエンブロック(B3)の数平均分子量は特に制限されないが、10,000〜200,000の範囲内であるのが好ましい。
【0020】
なお、重合体ブロック(B1)〜(B3)の上記したビニル結合単位含有量は、イソプレンおよび/またはブタジエンをアニオン重合法などの公知の方法で重合する際に、テトラヒドロフランなどのルイス塩基を重合系に共存させることにより調節することができる。
【0021】
上記のブロック共重合体における各重合体ブロックの結合様式には特に制限はなく、線状、分岐状またはこれらの任意の組合せであってもよい。ブロック共重合体の分子構造としては、A−(B−A)n、(A−B)n(ここで、Aはスチレン系重合体ブロック(A)を、Bは水添共役ジエン系重合体ブロック(B)を表し、nは1以上の整数である)等が挙げられる。また、ブロック共重合体の水添前の分子構造は、ジビニルベンゼン、錫化合物またはシラン化合物等をカップリング剤とした星型(例えば、(A−B)mX、ここでmは2以上の整数、Xはカップリング剤の残基を表す)であってもよい。
【0022】
ブロック共重合体としては、上記の各種の分子構造を有するものを単独で使用しても、例えばトリブロック型のものとジブロック型のものの混合物などのように異なる分子構造のものを2種以上併用してもよい。かかるブロック共重合体の数平均分子量は、30,000〜300,000の範囲内であるのが好ましい。
【0023】
また、上記のスチレン系エラストマーには、メルトテンションを上げるため、電子線照射による架橋方法、過酸化物等を用いた通常の架橋方法などにより架橋して使用することもできる。
【0024】
本発明の樹脂組成物は、上記のスチレン系エラストマーおよびポリオレフィン系樹脂からなり、25℃における貯蔵弾性率が5.0×107Pa以下、好ましくは3.5×107Pa以下であり、かつ230℃におけるメルトテンション(溶融張力)が1g以上、好ましくは1.5g以上である。
貯蔵弾性率は、一般的な動的粘弾性測定装置、例えばレオスペクトラー(レオロジ社)などを用いて測定することができる。貯蔵弾性率が5.0×107Paより高いと本発明の主旨である柔軟な成形体が得られない。
メルトテンションは、キャピログラフなどの溶融流動性測定装置および付属のメルトテンション測定装置などを用いて、樹脂組成物をシリンダー内において230℃で4分間予熱した後、ピストンによって20mm/分の速度でキャピラリー(φ1mm、L/D=10)より吐出し、吐出されたストランドを10m/分の一定速度で引き取る際の応力として測定することができる。メルトテンションが1gより低い場合には、ブロー成形時、パリソンのドローダウンとブローアップ時の成形体破れが多発し、成形が困難になる。
【0025】
スチレン系エラストマーとポリオレフィン系樹脂の配合割合は、スチレン系エラストマー:ポリオレフィン系樹脂の質量比で60:40〜80:20の範囲内であり、70:30〜80:20の範囲内であるのが好ましい。
【0026】
本発明のスチレン系エラストマー樹脂組成物には、膠着を防止するため、タルク、炭酸カルシウム、マイカなどの無機フィラー、またはアクリル樹脂架橋ビーズ、ポリウレタン架橋ビーズ、ポリスチレン架橋ビーズなどの有機架橋粒子等を含有させることができる。無機フィラーまたは有機架橋粒子の含有量としては、5〜20質量%の範囲内が好ましく、5〜10質量%の範囲内がより好ましい。無機フィラーまたは有機架橋粒子の含有量が20質量%を超えると、ブロー成形性が低下する傾向がある。上記の無機フィラーおよび有機架橋粒子は、1種または2種以上を用いることができる。
【0027】
また、本発明のスチレン系エラストマー樹脂組成物には、その性能を損なわない範囲内で、滑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、着色剤、結晶核剤等の各種添加剤を含有させることができる。これらの添加剤の含有量は、通常、樹脂組成物100質量部に対して0.01〜5質量部の範囲内であるのが好ましい。また、本発明のスチレン系エラストマー樹脂組成物には、その性能を損なわない範囲内で、鉱物油などの柔軟化剤を含有させることもできる。柔軟化剤の含有量は、通常、スチレン系エラストマー樹脂組成物100質量部に対して100質量部以下であるのが好ましい。
【0028】
また、上記のスチレン系エラストマー樹脂組成物には、本発明の趣旨を損なわない範囲内であれば、例えば、水添ポリイソプレン、水添ポリブタジエン、水添スチレン−ブタジエンランダム共重合体、水添スチレン−イソプレンランダム共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体またはこれらのアイオノマー、エチレン−アクリル酸エチル共重合体等の他のポリマーを含有させることができる。
【0029】
本発明のスチレン系エラストマー樹脂組成物は、ブロー成形用であり、その他、フィルム成形法、異形押出成形法、真空成形法、圧空成形法、カレンダー成形法、発泡成形法、紡糸など任意の成形法を使用する事も可能である。
【0030】
【実施例】
以下、実施例および比較例により、本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。実施例または比較例で用いた樹脂、成形機、測定方法などは以下のとおりである。
・ポリオレフィン系樹脂1:ポリプロピレン樹脂(ランダムタイプ、グランドポリマー製F327)
・ポリオレフィン系樹脂2:ポリプロピレン樹脂(ホモタイプ、モンテル製SD613)
・ポリオレフィン系樹脂3:ポリエチレン樹脂(低密度ポリエチレン、日本ポリケム製HE30)
・スチレン系エラストマー1:[水添スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体;数平均分子量10万、スチレン含量20%、水添率90%、ビニル結合単位含有量55%]
・スチレン系エラストマー2:[水添スチレン−(イソプレン/ブタジエン)−スチレンブロック共重合体、数平均分子量10万、スチレン含量20%、イソプレン/ブタジエン=60/40(質量比)、水添率82%、ビニル結合単位含有量60%]
・スチレン系エラストマー3:[水添スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、数平均分子量10万、スチレン含量20%、水添率83%、ビニル結合単位含有量72%]
【0031】
○貯蔵弾性率測定:
引張り型動的粘弾性装置(DVE−V4 FTレオスペクトラー、レオロジ社製)を用い、以下の条件で測定した。
測定温度:25℃
サンプル断面形状:厚み1mm×幅5mm
チャック間距離:10mm
歪み率:0.03%
周波数:1Hz/正弦波
静荷重:自動静荷重制御
【0032】
○メルトテンション測定:
キャピログラフ(島津製作所製)のメルトテンション測定装置を用い、樹脂組成物をシリンダー内において230℃で4分間予熱した後、ピストンによって20mm/minの速度でキャピラリー(φ1mm、L/D=10)より吐出し、ストランドを10m/minの一定速度で引き取り、途中で滑車を介してストレスゲージにて荷重を読み取り記録し、測定開始後、荷重曲線が安定してから20秒間の読みの平均値をメルトテンションとした。
○押出ブロー成形性:
φ22単軸成形機(プラエンジ製)に図1の割型3の様な簡易系を設けてブロー成形し、ブロー成形性を評価した。
○触感:
ブロー成形品を手で触った際の柔軟性を、(○:柔軟、×:硬い)の基準により評価した。
【0033】
<実施例1>
ポリプロピレン樹脂(ポリオレフィン系樹脂2)とスチレン系エラストマー1とを質量比25/75の割合で配合した樹脂組成物を、図1に示す押出ブロー成形機を用い、丸形の中空成形品(図2)に成形した。樹脂組成物のメルトテンション、成形時のブロー成形性、貯蔵弾性率、および触感(硬さ)を表1に示す。
【0034】
<実施例2>
ポリプロピレン樹脂(ポリオレフィン系樹脂2)とスチレン系エラストマー1を20/80の割合で配合した樹脂組成物を用いて実施例1と同様の手法でブロー成形し評価した。結果を表1に示す。
【0035】
<実施例3>
ポリプロピレン樹脂(ポリオレフィン系樹脂2)とスチレン系エラストマー1を40/60の割合で配合した樹脂組成物を用いて実施例1と同様の手法でブロー成形し評価した。結果を表1に示す。
【0036】
<実施例4>
ポリプロピレン樹脂(ポリオレフィン系樹脂2)、ポリエチレン樹脂(ポリオレフィン系樹脂3)およびスチレン系エラストマー1を12.5/12.5/75の割合で配合した樹脂組成物を用いて実施例1と同様の手法でブロー成形し評価した。結果を表1に示す。
【0037】
<実施例5>
ポリプロピレン樹脂(ポリオレフィン系樹脂2)とスチレン系エラストマー2とを質量比25/75の割合で配合した樹脂組成物を用いて実施例1と同様の手法でブロー成形し評価した。結果を表1に示す。
【0038】
<実施例6>
ポリプロピレン樹脂(ポリオレフィン系樹脂2)とスチレン系エラストマー3とを質量比25/75の割合で配合した樹脂組成物を用いて実施例1と同様の手法でブロー成形し評価した。結果を表1に示す。
【0039】
<比較例1>
ポリプロピレン樹脂(ポリオレフィン系樹脂2)とスチレン系エラストマー1とを質量比50/50の割合で配合した樹脂組成物を用いて実施例1と同様の手法でブロー成形し評価した。結果を表1に示す。
【0040】
<比較例2>
ポリプロピレン樹脂(ポリオレフィン系樹脂2)とスチレン系エラストマー1を10/90の割合で配合した樹脂組成物を用いて実施例1と同様の手法でブロー成形しようとしたが、成形品が破れ、ブロー成形出来なかった。結果を表1に示す。
【0041】
<比較例3>
ポリプロピレン樹脂(ポリオレフィン系樹脂1)とスチレン系エラストマー1とを質量比25/75の割合で配合した樹脂組成物を用いて実施例1と同様の手法でブロー成形しようとしたが成形品が破れブロー成形出来なかった。結果を表1に示す。
【0042】
【表1】
【0043】
表1の結果から、貯蔵弾性率が5.0×107Pa以下であり、メルトテンションが1g以上である実施例1〜6のスチレン系エラストマー樹脂組成物は、柔軟で、かつ、ブロー成形性が良好であった。これに対して、貯蔵弾性率が5.0×107Paより大きい樹脂組成物を用いた比較例1では、ブロー成形性は良好であるが得られた成形品は硬い触感であった。またメルトテンションが1gより低い樹脂組成物を用いた比較例2、3では、ブロー成形時に成形品が破れ、満足いく成形品が得られなかった。
【0044】
【発明の効果】
本発明によれば、柔軟でブロー成形性に優れたスチレン系エラストマー組成物が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】押出ブロー成形機
【図2】丸形中空成形体
【符号の説明】
1 φ22押出機
2 パリソン
3 割型
4 エアブロー
5 ダイス
6 丸形中空成形体
Claims (1)
- (1) スチレン系エラストマーおよびポリオレフィン系樹脂からなり、25℃における貯蔵弾性率が5.0×107Pa以下であり、かつ230℃におけるメルトテンションが1g以上であることを特徴とするブロー成形用樹脂組成物であって;
(2) スチレン系エラストマーおよびポリオレフィン系樹脂の質量比が、60:40〜80:20であり;
(3) スチレン系エラストマーが、少なくとも1つのスチレン系重合体ブロック(A)と少なくとも1つの水添共役ジエン系重合体ブロック(B)とからなるブロック共重合体であり;
(4) 水添共役ジエン系重合体ブロック(B)が、
(4−B1) 1,2−結合単位および3,4−結合単位の含有量が10〜75モル%であるポリイソプレンからなり、かつポリイソプレンの炭素−炭素二重結合の70%以上が水素添加された水添ポリイソプレンブロック(B1)、
(4−B2) イソプレンおよびブタジエンを質量比5/95〜95/5の割合で共重合して得られるイソプレン/ブタジエン共重合体からなり、1,2−結合単位および3,4−結合単位の含有量が20〜85モル%であり、かつイソプレン/ブタジエン共重合体の炭素−炭素二重結合の70%以上が水素添加された水添イソプレン/ブタジエン共重合体ブロック(B2)、並びに
(4−B3) 1,2−結合単位の含有量が45モル%以上であるポリブタジエンからなり、かつポリブタジエンの炭素−炭素二重結合の70%以上が水素添加された水添ポリブタジエンブロック(B3)、
からなる群から選ばれる少なくとも1種の重合体ブロックであり;かつ
(5) スチレン系エラストマーにおけるスチレン系単量体単位の含有量が10〜40質量%;
であるブロー成形用樹脂組成物。
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