JP3946330B2 - データ処理システム - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は、携帯端末装置等の第1データ処理装置を第2データ処理装置の操作部の一部として装着可能にしたデータ処理システムに関し、特に、第2データ処理装置から第1データ処理装置に対して安定した電源供給状態を維持・制御できるように構成したデータ処理システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
操作部の操作により入力された処理データに基づいてデータの処理動作を実行する第2データ処理装置として、カラーディジタル複写機が知られている。このカラーディジタル複写機では、スキャナ等の画像入力部から入力されたカラー原稿の画像に対して所定の画像処理を施し、画像処理後の画像データに基づいてカラープリンタ部からカラー原稿の画像を再現した複写画像を出力する。
【0003】
このようなカラーディジタル複写機において、特開平5−145673号公報には、外部の汎用パソコン等を第2操作手段として使用し、第2操作手段において設定入力された操作パラメータに基づいてカラーディジタル複写機における処理を実行するようにした構成が開示されている。また、実公平2−6451号公報には、予め設定入力された操作モードを記憶する操作部を複写機本体に対して着脱自在にし、複写機本体に装着された操作部に記憶されている操作モードによる複写動作を実行するようにした構成が開示されている。
【0004】
このように、従来より、第2データ処理装置に対して別体の外部装置である第1データ処理装置から入力された処理データに基づいてデータの処理動作を実行するようにしたデータ処理システムが提案されており、第1データ処理装置として所謂モバイルコンピュータ等の携帯端末を用いることが考えられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のデータ処理システムでは、第1データ処理装置及び第2データ処理装置の電源について外部装置の使用時間や外部装置におけるデータの保存状態の観点から考慮したものがなく、特に、第1データ処理装置として携帯端末を使用する場合に、携帯端末から第2データ処理装置に対してデータを送信する際にも携帯端末に備えられた電源電池のみを常時使用することとすると、携帯端末をデータ処理システムにおける外部装置として長時間使用することができない問題がある。
【0006】
この問題を解決するために、データ処理装置から携帯端末に対して電源を供給することとすると、携帯端末における起動時及び終了時の処理手順がデータ処理装置の起動時及び終了時の処理手順と相違する場合に、携帯端末とデータ処理装置との接続状態を不用意に切断することによって携帯端末が記憶しているデータが破壊され、適正なデータ処理を行うことができなくなる問題がある。
【0007】
この発明の目的は、第2データ処理装置に携帯端末装置等の第1データ処理装置を接続してデータ処理システムを構成した場合に、第1データ処理装置との間のデータの送受信だけでなく、第1データ処理装置に対する電源供給状態をも第2データ処理装置において制御することにより、第2データ処理装置に接続する第1データ処理装置を時間的制約を受けることなく使用することができるとともに、第1データ処理装置が記憶しているデータの破壊を防止して適正に活用することができるデータ処理システムを提供することにある。
【0008】
請求項1に記載した発明は、処理データの入力操作を受け付ける第1データ処理装置と、処理データに基づく処理動作を実行する第2データ処理装置と、を接続し、第1データ処理装置と第2データ処理装置との間でデータの送受信を行うデータ処理システムにおいて、
第1データ処理装置及び第2データ処理装置が処理データの入力操作の待機状態が所定時間継続した際に電源を切断する電源節電機能を個別に備えるとともに、
第1データ処理装置と第2データ処理装置とが接続されている間に第1データ処理装置の電源節電機能と第2データ処理装置の電源節電機能とを同時に有効にし、第1データ処理装置は第2データ処理装置に接続されている状態では第2データ処理装置からの指示によって電源節電機能への切換を無効にし、
第2データ処理装置の電源節電機能が所定時間を計時した時に、第1データ処理装置が処理データを不揮発性メモリに退避させ、かつ、第2データ処理装置が処理動作状態を不揮発性メモリに退避させた後に、第1データ処理装置及び第2データ処理装置の電源を切断することを特徴とする。
【0009】
請求項1に記載した発明においては、第1データ処理装置と第2データ処理装置とが接続されている状態では、第1データ処理装置と第2データ処理装置とが同時に電源節電モードにされる。したがって、第2データ処理装置に接続されている第1データ処理装置において所定時間継続して処理データの入力操作が行われなかった場合にも、電源節電機能により第1データ処理装置の電源のみが切断されることがな、第2データ処理装置とともにデータ処理システムを構成している間において第1データ処理装置の電源が単独で切断されることによるデータ処理システムの使用不能状態の発生が未然に防止される。
【0010】
請求項2に記載した発明は、処理データの入力操作を受け付ける第1データ処理装置と、処理データに基づく処理動作を実行する第2データ処理装置と、を接続し、第1データ処理装置と第2データ処理装置との間でデータの送受信を行うデータ処理システムにおいて、
第1データ処理装置及び第2データ処理装置が処理データの入力操作の待機状態が所定時間継続した際に電源を切断する電源節電機能を個別に備えるとともに、第1データ処理装置と第2データ処理装置とが接続されている間に第1データ処理装置の電源節電機能と第2データ処理装置の電源節電機能とを同時に有効にし、
前記第1データ処理装置が処理データの入力操作に係る複数のプログラムを記憶するとともに、第1データ処理装置と第2データ処理装置とが接続されている間に前記複数のプログラムの一部のプログラムの実行を禁止することを特徴とする。
【0011】
請求項2に記載した発明においては、第2データ処理装置に接続されている状態の第1データ処理装置において一部のプログラムの実行が禁止される。したがって、第2データ処理装置とともに構成するデータ処理システムに不要なプログラムが第1データ処理装置において起動することがない。
【0012】
請求項3に記載した発明は、処理データの入力操作を受け付ける第1データ処理装置と、処理データに基づく処理動作を実行する第2データ処理装置と、を接続し、第1データ処理装置と第2データ処理装置との間でデータの送受信を行うデータ処理システムにおいて、
第1データ処理装置及び第2データ処理装置が処理データの入力操作の待機状態が所定時間継続した際に電源を切断する電源節電機能を個別に備えるとともに、第1データ処理装置と第2データ処理装置とが接続されている間に第1データ処理装置の電源節電機能と第2データ処理装置の電源節電機能とを同時に有効にし、
前記第2データ処理装置が前記第1データ処理装置が有する処理データの入力操作部材と機能が共通する単一又は複数の入力操作部材を備え、第1データ処理装置と第2データ処理装置とが接続されている間に第1データ処理装置と第2データ処理装置とにおいて機能が共通する入力操作部材について一方の入力操作部材による処理データの入力操作のみを有効にすることを特徴とする。
【0013】
請求項3に記載した発明においては、単一のデータ処理システムを構成する第1データ処理装置と第2データ処理装置とにおいて機能が共通する入力操作部材が存在する場合に、一方の入力操作部材のみが有効にされる。したがって、第1データ処理装置及び第2データ処理装置のそれぞれから同一の機能に係る処理データが入力されることがない。
【0014】
請求項4に記載した発明は、前記第1データ処理装置が内部電源を備えるとともに、前記第2データ処理装置が第1データ処理装置に電源を供給する単一又は複数の電源供給部を備え、電源供給部による第1データ処理装置に対する電源供給状態を検出し、電源供給状態の検出結果に応じて内部電源、又は、いずれかの電源供給部から第1データ処理装置に電源を供給することを特徴とする。
【0015】
請求項4に記載した発明においては、第1データ処理装置に対する第2データ処理装置からの電源供給状態に応じて、第1データ処理装置の内部電源、又は、第2データ処理装置の電源供給部のいずれかから第1データ処理装置の電源が選択的に供給される。したがって、第1データ処理装置に対して適宜最適な手段により電源が供給される。
【0016】
請求項5に記載した発明は、前記第1データ処理装置が充電可能な内部電源を備え、前記第1データ処理装置と第2データ処理装置とが接続されている間に前記第2データ処理装置が前記電源供給部を介して第1データ処理装置の内部電源を充電することを特徴とする。
【0017】
請求項5に記載した発明においては、第1データ処理装置の内部電源が第2データ処理装置の電源供給部を介して充電される。したがって、第2データ処理装置とによってデータ処理システムを構成している間に、第1データ処理装置を単独で動作させる際の電源が確保される。
【0018】
請求項6に記載した発明は、第1データ処理装置と第2データ処理装置とが接続されている間に、第2データ処理装置における電源節電機能が有効にされるまでの待機状態の継続時間を第1データ処理装置における電源節電機能が有効にされるまでの待機状態の継続時間として設定することを特徴とする。
【0019】
請求項6に記載した発明においては、第1データ処理装置と第2データ処理装置とが接続されている状態では、第1データ処理装置における電源節電機能が有効にされるまでの待機状態の継続時間として第2データ処理装置における電源節電機能が有効にされるまでの待機状態の継続時間が設定される。したがって、第1データ処理装置における電源節電機能が有効にされるまでの待機状態の継続時間が経過した時に、第1データ処理装置と第2データ処理装置との間でのデータ遣り取りを必要とすることなく、第1データ処理装置と第2データ処理装置とにおける電源節電モードが同時に実行される
【0020】
【発明の実施の形態】
以下に、この発明の実施形態の一例として、携帯端末装置を第1データ処理装置とし、ディジタルカラー複写機(以下、単に複写機という。)を第2データ処理装置とするデータ処理システムを例にあげて説明する。なお、第1データ処理装置及び第2データ処理装置としては、処理データの送受信を行うことを条件として種々の装置を適用することができる。
【0021】
図1は、この発明の実施形態に係るデータ処理システムを構成する複写機の構成を示す図である。複写機1の上面には、原稿台111及び図外の操作パネルが設けられている。原稿台111の上面には、自動原稿送り装置112が原稿台111の上面を開閉自在にして装着されている。一方、複写機1の内部には、画像読取部110、画像形成部210及び用紙給紙部211が構成されている。
【0022】
自動原稿送り装置112としては、積層載置された複数枚の両面原稿を1枚ずつ表裏面を反転して原稿台111に搬送できる自動両面原稿送り装置を用いることができる。自動両面原稿送り装置は、両面原稿については、1枚の原稿をその表面が原稿台111に対向するように搬送し、表面に対する画像読取処理が終了した後にその原稿の表裏面を反転して裏面が原稿台111に対向するように搬送し、1枚の原稿の表裏面について画像読取処理が終了すると、その原稿を排出して次の原稿について同様に原稿台111への搬送を行う。この自動原稿送り装置112における原稿搬送動作は、複写機1の全体の動作の一部として制御される。
【0023】
画像読取部110は、露光ランプ及びミラーを搭載した第1走査ユニット113、ミラーを搭載した第2走査ユニット114、光学レンズ115及び光電変換素子116を備えている。第1走査ユニット113及び第2走査ユニット114は、原稿台111の下面を原稿台111に平行に移動し、露光ランプの光によって原稿台111に対向する原稿の画像を走査して原稿の画像面における反射光を光学レンズ115に配光する。光学レンズ115は、原稿の画像面における反射光を光電変換素子116に結像する。光電変換素子116は、原稿の画像面における反射光に応じた電気信号を画像信号として出力する。
【0024】
用紙給紙部211は、給紙カセットに収納された用紙を1枚ずつ分離して画像形成部210方向に給紙する。用紙給紙部211から給紙された用紙は、レジストローラ212に前端部を当接して一旦停止した後、レジストローラ212の回転により画像形成部210の動作に同期して画像形成部210に導かれる。画像形成部210の下部には、搬送ベルト機構213が配置されている。搬送ベルト機構213は、駆動ローラ214と従動ローラ215との間に搬送ベルト216を張架しており、吸着用帯電ブラシ228により帯電した搬送ベルト216の表面に用紙を静電吸着して搬送する。
【0025】
画像形成部210は、第1〜4の画像形成ステーションPa〜Pdを備えている。第1の画像形成ステーションPaは、矢印F方向に回転自在に支持した感光体ドラム222aの周囲に、感光体ドラム222aの表面に単一極性の電荷を帯電する帯電器223a、感光体ドラム222aの表面に画像光を照射するレーザユニット227a、感光体ドラム222aの表面に形成された静電潜像をトナー像に顕像化する現像装置224a、感光体ドラム222aの表面に担持されたトナー像を用紙の表面に転写する転写器225a、及び、感光体ドラム222aの表面に残留したトナーを除去するクリーナ226aを対向して配置している。第2〜4の画像形成ステーションPb〜Pdのそれぞれは第1の画像形成ステーションPa同一の構成を有している。
【0026】
第1〜4の画像形成ステーションPa〜Pdのそれぞれは、イエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの各色に対応している。即ち、光電変換素子116から出力された画像信号が後述する画像処理部においてイエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの各色の画像データに画像処理されてレーザユニット227a〜227dのそれぞれに供給される。
【0027】
レーザユニット227a〜227dのそれぞれは、画像データに応じたレーザ光を照射する半導体レーザ素子、レーザ光を主走査方向に偏向させるポリゴンミラー、及び、偏向後のレーザ光を感光体ドラム222a〜222dの表面に結像させるfθレンズを備え、イエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの各色の画像データに基づく画像光を感光体ドラム222a〜222dのそれぞれの表面に照射する。
【0028】
また、現像装置224a〜224dのそれぞれには、イエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの各色のトナーが収納されている。これによって、感光体ドラム222a〜222dのそれぞれの表面にイエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの各色のトナー像が形成される。
【0029】
画像形成ステーションPa〜Pdのそれぞれにおいて形成された各色のトナー像は、搬送ベルト216の表面に静電吸着した用紙に転写される。複写機1の内部において搬送ベルト機構213の下流側には定着装置217が配置されており、トナー像を転写した用紙は定着装置217に導かれて加熱及び加圧を受け、トナー像は用紙の表面に溶融して定着する。定着装置217を通過した用紙は、ゲート218の動作により排紙ローラ219又はスイッチバック搬送路221に選択的に導かれる。即ち、片面複写モード時及び両面複写モードにおける用紙両面への複写終了時には、用紙は排紙ローラ219を介して排紙トレイ220に排出される。一方、両面複写モードにおける用紙片面への複写終了時には、用紙はスイッチバック搬送路221において表裏面を反転して画像形成部210に再度給紙される。
【0030】
図2は、上記複写機の制御部の構成を示すブロック図である。複写機1の各部は、中央処理ユニット44によって統括制御されている。このため、中央処理ユニット44には、画像処理部41、操作パネルユニット45、ADF関係負荷46、データ通信ユニット47、画像読取部関係負荷48、画像形成部関係負荷49、センサ入力部50及び用紙搬送関係負荷51が接続されている。
【0031】
ADF関係負荷46には、自動原稿送り装置112における原稿の搬送動作に必要なモータ、クラッチ及びスイッチ等が含まれる。画像読取部関係負荷48には、画像読取部110における走査ユニット113,114の動作に必要なモータやソレノイド等が含まれる。画像形成部関係負荷49には、感光体ドラム222a〜222dの回転動作等に必要なモータ、ソレノイド及び高圧電源回路等が含まれる。用紙搬送関係負荷51には、用紙給紙部211から画像形成部210を経由して排紙トレイ220に至る用紙搬送路を構成する給紙ローラ、レジストローラ212、搬送ベルト216及び排紙ローラ219等の回転動作に必要なモータやクラッチ等が含まれる。
【0032】
画像処理部41は、画像入力部40、画像データ出力部42及び画像データ記憶部43を備えている。画像処理部41は、画像読取部110の光電変換素子116から入力された画像信号を画像データ入力部40においてディジタルデータに変換し、所定の処理を施して画像データ記憶部43に一時格納した後、画像データ出力部42から画像形成部210のレーザユニット227a〜227dに出力する。
【0033】
センサ入力部50には、用紙給紙部211から画像形成部210を経由して排紙トレイ220に至る用紙搬送路中に配置された複数の用紙検知センサ、及び、複写機1の各部の開閉状態を検出するロック検知センサが接続されている。センサ入力部50は、これら用紙検知センサ及びロック検知センサの検出信号を中央処理ユニット44に入力する。
【0034】
操作パネルユニット45には、複写機1の上面に配置された操作パネルを構成するキースイッチやディスプレイ等が含まれる。操作パネルユニット45は、キースイッチの操作による画像処理データの入力を受け付けて入力された画像処理データを中央処理ユニット44に出力するとともに、中央処理ユニット44から入力された表示データをディスプレイに表示する。
【0035】
データ通信ユニット47には、後述する携帯端末装置が接続される。中央処理ユニット44は、データ通信ユニット47を介して携帯端末装置から画像データ及び画像処理データの入力を受け付けるとともに、データ通信ユニット47を介してて携帯端末装置に表示データ及び制御データを出力する。
【0036】
中央処理ユニット44は、操作パネルユニット45の操作により、又は、データ通信ユニット47を介して入力された画像処理データ、及び、センサ入力部50から入力された検出信号に基づいて、画像処理部41、ADF関係負荷46、画像読取部関係負荷48、画像形成部関係負荷49及び用紙搬送関係負荷51に制御データを出力するとともに、操作パネルユニット45に対する表示データの出力、並びに、データ通信ユニット47を介して携帯端末装置に対する表示データ及び制御データの出力を行う。
【0037】
図3(A)及び(B)は、上記データ処理システムを構成する携帯端末装置の正面図及び背面図である。携帯端末装置2は、所謂モバイルコンピュータであり、正面に透明タッチパネル59を有するカラーディスプレイ3、電源スイッチ4、並びに、置数キー及びリターンキーを含むキースイッチ5を備えている。また、背面に充電型バッテリ6a,6bの装着部7が形成されている。携帯端末装置2は、装着部7に装着した充電型バッテリ6a,6bから電力供給を受ける。また、図外のACアダプタを介して商用電源から電力供給を受けることができる。携帯端末装置2は、可搬可能な薄型に形成されており、後述するように複写機1の操作パネルの一部に装着可能な形状にされている。携帯端末装置2は、入力ペン8によるタッチパネル59の押圧操作、又は、キースイッチ5の操作によりデータの入力を受け付ける。
【0038】
図4は、上記携帯端末装置の制御部の構成を示すブロック図である。携帯端末装置2の各部は、ROM55及びRAM56を備えたCPU54によって統括制御される。このため、CPU54には、ディスプレイデータ処理部52、入力データ処理部53、LEDドライバ57、音源ユニット58、HDDドライバ60、外部データ処理部61及び電源部62が接続されている。
【0039】
ディスプレイデータ処理部52は、CPU54から出力される表示データをデータ展開してディスプレイドライバ63に供給する。ディスプレイドライバ63は、ディスプレイデータ処理部52から供給されたデータに基づいてカラーディスプレイ3を駆動する。入力データ処理部53は、キースイッチ5及びタッチパネル59における操作データをCPU54に出力する。LEDドライバ57は、CPU54から出力される駆動データに基づいて、携帯端末装置2の動作状態を表示するLED64を点灯する。
【0040】
音源ユニット58は、CPU54から出力される音声データに基づいて、携帯端末装置2の動作状態を音声表示するスピーカ65を鳴動する。HDドライバ60は、携帯端末装置2に入出力されるデータを保存するHDに対してデータの書込及び読取を行う。外部データ処理部61は、フロッピディスクやICカード等の記録媒体に対してデータの書込及び読取を行うとともに、IR通信部やパラレルインタフェースを介して外部装置とのデータの入出力を行う。また、この発明のデータ処理システムを構成する複写機1との間のデータの入出力は、この外部データ処理部61を介して行われる。電源部62は、充電型バッテリ6a,6b又はACアダプタから携帯端末装置2の各部に電源を供給する。
【0041】
図5は、上記携帯端末装置の装着時における複写機の操作パネルを示す図である。複写機1の上面に配置された操作パネル10には、複写枚数の設定入力を受け付ける置数キー11、設定された複写枚数をクリアする指示入力及び連続複写動作を中止する指示入力を受け付けるクリアキー12、複写動作を開始する指示入力を受け付けるスタートキー13、現在設定されている複写処理データの全てをクリアする指示入力を受け付ける全解除キー14、連続複写動作中に別の複写動作の割込を受け付ける割込キー15、設定入力された複写枚数を表示する枚数表示器16、電源のオン/オフや予熱モード等の状態を表示する状態表示器17、並びに、ファックス機能及びプリンタ機能の実行状態を示す機能表示器18を備えている。この操作パネル10の中央部に携帯端末装置2が着脱自在に装着される。
【0042】
図6は、上記携帯端末装置のディスプレイの表示状態を示す図である。上述した通り、携帯端末装置2はモバイルコンピュータであり、複写機1の操作パネル10に装着されていない状態で電源スイッチ4をオンすると、携帯端末装置2のカラーディスプレイ3には、図6(A)に示すように、携帯端末装置2にインストールされているアプリケーションソフトの選択画面が表示され、入力ペン8を介してタッチパネル59を押圧操作していずれかのアプリケーションソフトのプログラムを選択的に起動させることにより、一般的なパーソナルコンピュータとして機能する。
【0043】
これに対して、携帯端末装置2を複写機1の操作パネル10に装着した状態で電源スイッチ4をオンすると、携帯端末装置2のカラーディスプレイ3には、図6(B)に示すように、複写機1における複写動作を制御するための複写処理データの入力画面が表示され、入力ペン8を介してタッチパネル59を押圧操作して画像濃度や複写倍率等の複写条件を表す複写処理データを設定入力することができる。
【0044】
図7は、上記複写機の操作パネルに対する携帯端末装置の装着状態を説明する図である。複写機1の操作パネル10の略中央部に形成された端末装着部10aには、図7(A)に示すように、電源供給部19が収納されている。この電源供給部19は、携帯端末装置2に装着される充電型バッテリ6a,6bと同一の形状を呈しており、図7(B)に示すように、携帯端末装置10aの装着部7から充電型バッテリ6,6bを取り外した後に、装着部7に電源供給部19を装着することができる。このように、携帯端末装置2の装着部7に電源供給部19を装着して電源端子20に接続することにより、携帯端末装置2に対して複写機1から電源を供給することができる。
【0045】
なお、装着部7に2個の充電型バッテリ6a,6bが装着される場合に、複写機1にも2個の電源供給部19を設け、2個の電源端子20のそれぞれに接続するようにしてもよい。また、複写機1に携帯端末装置2を装着していない状態において電源供給部19を保護すべく、複写機1の電源供給部19の収納位置に遮蔽部材を開閉自在に設けることもできる。
【0046】
図8は、上記データ処理システムを構成する複写機及び携帯端末装置の制御部の処理手順の第1の例を示すフローチャートである。複写機1の操作パネル10に携帯端末装置2を装着した状態で複写機1の電源をオンすると、複写機1の初期設定処理において中央処理ユニット44は携帯端末装置2の電源をオンし(s1,s2)、携帯端末装置2のCPU54が初期設定処理を開始する(s3)。携帯端末装置2の初期設定が完了して待機状態になると(s5)、CPU54は、表示部節電モード開始タイマT1及び電源節電モード開始タイマT2を起動する(s6,s7)。
【0047】
ここに、表示部節電モード開始タイマT1は携帯端末装置2のディスプレイ3に対する電源の供給を中断するまでの携帯端末装置2の無操作状態の継続時間として予め定められた第1の設定時間を計時し、電源節電モード開始タイマT2は携帯端末装置2の電源をオフするまでの携帯端末装置2の無操作状態の継続時間として予め定められた第2の設定時間を計時する。したがって、携帯端末装置2が操作されることなく第1の設定時間が経過するとディスプレイ3の駆動が停止され、携帯端末装置2が操作されることなく第2の設定時間が経過すると電源がオフされる。但し、携帯端末装置2が複写機1に装着されている状態では、後述する処理により、第2の設定時間が経過しても携帯端末装置2の電源がオフされることはない。
【0048】
なお、第2の設定時間は第1の設定時間よりも長い時間が設定されており、表示部節電モード開始タイマT1がタイムアップしてディスプレイ3が機能を停止した場合でも、電源節電モード開始タイマT2がタイムアップするまではCPU54は処理動作が可能な状態にあり、この状態でキースイッチ5等が操作されると表示部節電モードは直ちに解除され、ディスプレイ3は表示部節電モード開始直前の表示状態に復帰する。
【0049】
次に、複写機1の初期設定が完了して待機状態になると(s8)、中央処理ユニット44は、電源節電モード開始タイマT3を起動する(s9)。この時、中央処理ユニット44は、同時に、CPU54を介して携帯端末装置2の電源節電モード開始タイマT2をリセットする。
【0050】
ここに、電源節電モード開始タイマT3は、複写機1の電源をオフするまでの中央処理ユニット44に対する入力信号の無い状態の継続時間として予め定められた第3の設定時間を計時する。したがって、中央処理ユニット44に信号が入力されることなく第3の設定時間を経過すると複写機1の電源がオフされる。
【0051】
複写機1の中央処理ユニット44は、待機状態において、表示部節電モード開始タイマT1、電源節電モード開始タイマT2及び電源節電モード開始タイマT3のいずれかがタイムアップする間に、操作パネル10に配置されたキースイッチ11〜18の操作、又は、携帯端末装置2のタッチパネル59若しくはキースイッチ5の操作による信号の入力を待機する(s10,s16〜s19)。電源節電モード開始タイマT2又は電源節電モード開始タイマT3がタイムアップすることなく表示部節電モード開始タイマT1がタイムアップすると、携帯端末装置2において表示部節電モードの実行により、ディスプレイ3の表示が中断される(s17)。
【0052】
操作パネル10に配置されたキースイッチ11〜18の操作、又は、携帯端末装置2のタッチパネル59若しくはキースイッチ5の操作により信号が入力されると、中央処理ユニット44は、タイマT1〜T3をクリアするとともに、既に、表示部節電モードが実行されている場合にはこれを解除し(s11)、操作パネル10又はタッチパネル59の操作による複写条件の設定入力を受け付ける(s12)。中央処理ユニット44は、スタートキー13が操作されると、設定された複写条件に基づいて複写動作を実行し(s13,s14)、複写動作を終了すると待機状態に戻る(s15→s5)。
【0053】
待機状態において複写機1及び携帯端末装置2が操作されることなく第2の設定時間が経過して電源節電モード開始タイマT2がタイムアップすると(s18)、携帯端末装置2のCPU54は複写機1の中央処理ユニット44に対して電源節電モードを実行する旨のデータを送信する(s18→s20)。電源節電モードを実行する旨のデータを受信した中央処理ユニット44は、CPU54に対して電源節電モードのキャンセルすべき旨のデータを送信する(s21)。
【0054】
待機状態において複写機1及び携帯端末装置2が操作されることなく第3の設定時間が経過して電源節電モード開始タイマT3がタイムアップすると(s19)、複写機1の中央処理ユニット44は携帯端末装置2のCPU54に対して電源節電モードを実行すべき旨のデータを送信し(s22)、電源節電モードを実行すべき旨のデータを受信したCPU54は電源節電モードを実行する(s23)。この電源節電モードにおいてCPU54は、揮発性メモリであるRAM56に格納されているデータをハードディスク(HD)等の不揮発性メモリに書き込んだ後に携帯端末装置2の電源をオフする。一方、中央処理ユニット44は、複写機1の各部の状態を不揮発性メモリに退避させた後(s24)、携帯端末装置2の電源がオフされたことを確認して複写機1の電源をオフする(s25,s26)。
【0055】
以上の処理により、携帯端末装置2が複写機1に装着された状態で、複写機1及び携帯端末装置2が操作されることなく所定の時間を経過した際に、複写機1の中央処理ユニット44と携帯端末装置2のCPU54とが同時に電源節電モードを実行することになり、複写機1と携帯端末装置2とが単一のシステムとして一体的に電源オフ処理を行う。
【0056】
図9は、上記データ処理システムを構成する複写機及び携帯端末装置の制御部の処理手順の第2の例を示すフローチャートである。図9に示す処理手順では、図8に示した処理手順におけるs3の処理とs5の処理との間にs4の処理を追加し、s20及びs21の処理に代えてs27の処理を含み、さらに、s22及びs23の処理を削除したものである。即ち、複写機1の中央処理ユニット44は、初期設定時に電源節電モード開始タイマT3が計時する第3の設定時間を、携帯端末装置2の電源節電モード開始タイマT2が計時すべき時間として携帯端末装置2のCPU54に送信し、CPU54は送信された第3の設定時間を電源節電モード開始タイマT2に設定する。
【0057】
したがって、複写機1における初期設定処理が終了した際に、複写機1における電源節電モード開始タイマT3が起動すると同時に携帯端末装置2における電源節電モード開始タイマT2がリセットされることにより(s8,s9)、s18において携帯端末装置2の電源節電モード開始タイマT2がタイムアップするタイミングがs19において複写機1の電源節電モード開始タイマT3がタイムアップするタイミングと一致することになる。このため、電源節電モード開始タイマT2がタイムアップしたタイミングで複写機1における電源節電モードと独立して携帯端末装置2における電源節電モードを実行することにより(s27)、複写機1における電源節電モードと携帯端末装置2における電源節電モードとを略同時に実行させることができ、両者のタイミングを一致させるためのs20〜s23の処理が不要になる。
【0058】
図10は、上記データ処理システムを構成する複写機及び携帯端末装置の制御部の処理手順の第3の例を示すフローチャートである。複写機1の操作パネル10に携帯端末装置2を装着した状態で複写機1の電源をオンすると、複写機1の初期設定処理において中央処理ユニット44は携帯端末装置2の電源をオンし(s31,s32)、携帯端末装置2のCPU54が初期設定処理を開始する(s33)。この初期設定処理においてCPU54は、第1アプリケーションプログラムを起動させる(s35)。
【0059】
この第1アプリケーションプログラムは、携帯端末装置2に記憶されている全プログラムを管理するシステム管理用プログラムであり、少なくとも複写機1で実行される複写動作に係る複数の機能制御プログラムのそれぞれについて使用の可否を認識及び管理する。
【0060】
即ち、複写機1で実行される複写動作に係る機能制御プログラムとして図11に示すプログラムPr2〜Pr7等が考えられ、これらの一部又は全てが、例えば、表計算プログラム等の複写動作に直接関係しないプログラムとともに、携帯端末装置2に予め格納されている。携帯端末装置2においては、複写機1に装着された状態での処理動作を円滑にするために複写動作に不要なプログラムや使用頻度の低いプログラムを起動しないようにすべく、これらのプログラムのそれぞれについて、使用の可否を予め登録しておくことができる。一方、複写機1において複写動作を円滑に実行するためには、携帯端末装置2の操作によって使用される可能性のある機能を予め把握しておく必要がある。そこで、第1アプリケーションプログラムを用いて携帯端末装置2における各機能制御プログラムの使用可否の登録状態を確認し、使用される可能性のある機能を認識するようにしている。
【0061】
このように、第1アプリケーションプログラムは携帯端末装置2に格納されているプログラムのそれぞれについて使用可否の登録状態を確認するプログラムであるため、第1アプリケーションプログラムを用いて、複写動作の実行に必要な機能制御プログラムが携帯端末装置2において使用不可状態にされていること、又は、携帯端末装置2に存在しないことを確認することができる。そこで、CPU54は、第1アプリケーションプログラムを用いて複写動作の実行のために必要なプログラムが不足しているか否かを判断する(s36)。
【0062】
なお、第1アプリケーションプログラムを複写機1側に格納しておき、複写機1の中央処理ユニット44がCPU54との通信により携帯端末装置2における各機能制御プログラムの使用可否の登録状態を確認するようにしてもよい。
【0063】
また、携帯端末装置2のCPU54が、第1アプリケーションプログラムによらず、ROM55に記憶されている初期設定処理プログラムにおいて、複写機1における複写動作の実行に不可欠なプログラムが携帯端末装置2に存在するか否かを認識するようにしてもよい。
【0064】
携帯端末装置2のCPU54は、不足するプログラムがある場合には、その旨のメッセージをディスプレイ3に表示するとともに(s37)、ユーザが複写機1と携帯端末装置2とによって構成されるシステムを用いた複写処理の実行を所望するか否かの選択入力状態をチェックし(s38)、ユーザが複写処理の実行を所望しない場合には携帯端末装置2の電源をオフするとともに、中央処理ユニット44に対して複写機1の電源をオフすべき旨のデータを送信する(s39)。
【0065】
s36において複写機1及び携帯端末装置2で構成されるシステムによる複写処理を実行するために必要なプログラムの全てが携帯端末装置2に存在する場合、又は、s38においてユーザが複写処理の実行を所望した場合には、携帯端末装置2のCPU54及び複写機1の中央処理ユニット44は、携帯端末装置2における初期設定の完了、及び、複写機1における初期設定の完了後に、携帯端末装置2のタッチパネル59若しくはキースイッチ5の操作、又は、複写機1の操作パネル10に配置されたキースイッチ11〜18の操作による信号の入力を待機する(s40〜s42)。
【0066】
複写機1の操作パネル10の操作による信号の入力があった場合には、中央処理ユニット44は、携帯端末装置2のCPU54に対して、操作パネル10の操作内容に応じた表示内容をディスプレイ3に表示するためのプログラム、及び、ユーザの設定入力操作をタッチパネル59において受け付けるためのプログラムを起動すべき旨のデータを送信する(s43→s44)。
【0067】
携帯端末装置2のタッチパネル59若しくはキースイッチ5の操作による信号の入力があった場合には、CPU54は、複写機1における複写処理に関する入力操作であるか否かの判断を行い(s43→s45)、例えば、表計算処理や文書作成処理等の携帯端末装置2の単独の機能に係る処理に関する入力操作がされた場合には、処理できない旨のメッセージをディスプレイ3に表示する(s46,s47)。
【0068】
s44の処理において中央処理ユニット44から所定のプログラムを起動すべき旨のデータが入力された場合、又は、タッチパネル59若しくはキースイッチ5により複写処理に関する入力操作がなされた場合には、CPU54は、起動すべきプログラムが携帯端末装置2に存在するか否かの判断を行い(s49)、起動すべきプログラムが携帯端末装置2に存在しない場合には、処理できない旨のメッセージを表示する(s49→s46,s47)。
【0069】
起動すべきプログラムが携帯端末装置2に存在する場合であって、タッチパネル59又はキースイッチ5により複写処理に関する入力操作がなされた際には、CPU54は、その操作内容に係る設定モードを示すコマンドを複写機1の中央処理ユニット44に送信し(s50→s51)、図11に示す制御実行用の第2のアプリケーションプログラムPr1、及び、機能制御プログラムPr2〜Pr7のうちでユーザが指定した機能に係る機能制御プログラムを起動して(s52)、複写条件の設定入力を受け付ける(s53)。タッチパネル59又はキースイッチ5の操作により複写条件が設定入力されると、CPU54は、設定入力された複写条件の内容を複写機1の中央処理ユニット44に送信する。
【0070】
なお、第2のアプリケーションプログラムPr1は、例えば、機能制御プログラムPr2〜Pr7のいずれかを選択するためのプログラムである。
【0071】
複写機1の中央処理ユニット44は、操作パネル10におけるスタートキー13が操作されると(s54)、携帯端末装置2から送信された複写条件データに基づいて複写動作を実行し(s55)、複写動作を終了すると待機状態に戻る(s56→s40)。
【0072】
以上の処理により、複写機1に装着された携帯端末装置2を用いて複写機1における複写動作に係る複写条件の設定入力を受け付けることができる。この場合に、携帯端末装置2に記憶されている全プログラムを管理するシステム管理用プログラムを起動させることにより、複写動作に係る複写条件の設定入力を受け付けるための処理を携帯端末装置2のCPU54において正確に実行することができる。また、s36〜s38の処理により、複写機1における複写動作に関する機能に係るプログラムのうち、一部のプログラムが携帯端末装置2に存在しない場合でも、携帯端末装置2が記憶しているプログラムに対応する機能の範囲で複写動作を実行することができ、システムの稼働効率の低下を防止することができる。さらに、s45〜s47の処理により、複写動作に係る機能以外の携帯端末装置2の機能の使用を禁止して、複写動作に不必要な機能に係るプログラムが起動することを防止し、複写動作に係る機能を迅速に動作させることができる。
【0073】
なお、携帯端末装置2において複写動作に必要なプログラムが不足する場合には、図12に示すように、複写機1から携帯端末装置2を取り外し、携帯端末装置2を単独で起動させ、初期設定処理を完了した後に(s27)、第3のアプリケーションプログラムを起動させる(s28)。この第3のアプリケーションプログラムは、複写動作に係る機能制御プログラムの使用可否を登録するプログラムであり、複写機1に装着した際に起動すべき機能制御プログラムを使用可能なプログラムとして登録することにより、複写動作に必要なプログラムを補充することができる(s29)。
【0074】
なお、必要なプログラムが携帯端末装置2に存在しない場合には、FDやHD等の記録媒体を介して携帯端末装置2に外部から新たな機能制御プログラムを格納することもできる。
【0075】
図13は、上記データ処理システムを構成する複写機及び携帯端末装置の制御部の処理手順の第4の例を示すフローチャートである。複写機1の操作パネル10に携帯端末装置2を装着した状態で複写機1の電源をオンすると、複写機1の初期設定処理において中央処理ユニット44は携帯端末装置2の電源をオンし(s71,s72)、携帯端末装置2のCPU54が初期設定処理を開始する(s73)。この初期設定処理においてCPU54は、携帯端末装置2におけるタッチパネル59以外の電源キー4等のキースイッチの操作を無効にする(s74)。また、例えばテンキーのように、複写機1の操作パネル10と携帯端末装置2のタッチパネル59とにおいて重複する入力部材が存在する場合には、いずれか一方の入力部材のみを有効にし、残る他方の入力部材を無効にする(s75,s76)。
【0076】
この後、携帯端末装置2のCPU54及び複写機1の中央処理ユニット44は、携帯端末装置2における初期設定の完了、及び、複写機1における初期設定の完了後に、携帯端末装置2のタッチパネル59若しくはキースイッチ5の操作、又は、複写機1の操作パネル10に配置されたキースイッチ11〜18の操作による信号の入力を待機する(s77〜s79)。信号の入力があるまでの間において、複写機1及び携帯端末装置2の入力部材の状態をチェックし(s80)、いずれかの入力部材に異常がある場合には、ディスプレイ3にその旨のメッセージを表示するとともに、異常がある入力部材が複写機1と携帯端末装置2とにおいて重複する入力部材である場合には無効にしている入力部材を有効にする旨のメッセージを表示して、入力部材の有効及び無効を切り換える処理を行う(s81〜s83)。
【0077】
信号の入力があった場合には、CPU54は、所定のプログラムを起動し(s84)、複写機1における複写動作に係る複写条件の設定入力を受け付け(s85)、設定入力された複写条件を複写機1の中央処理ユニット44に送信する。一方、複写機1の中央処理ユニット44は、操作パネル10におけるスタートキー13が操作されると(s86)、携帯端末装置2から送信された複写条件データに基づいて複写動作を実行し(s87)、複写動作を終了すると待機状態に戻る(s88→s77)。
【0078】
以上の処理により、複写機1に装着されてデータ処理システムを構成している携帯端末装置2における電源スイッチ4等の強制的な機能を有する入力部材を無効にすることにより、複写機1の複写動作中や複写条件の設定入力中に携帯端末装置2において電源スイッチ4等が操作されることによってデータ処理システムが動作不能になることを確実に防止することができる。また、複写機1と携帯端末装置2とにおいて同一の機能に係る入力部材が重複して存在する場合に、一方の入力部材のみを有効にしてユーザの入力操作を簡略化するとともに、データ処理システムにおける入力信号の処理を簡略化することができる。さらに、複写機1と携帯端末装置2とにおいて同一の機能に係る入力部材が重複して存在する場合であって、それぞれの入力部材の耐久性に差異がある場合には、耐久性のより高い方の入力部材のみを有効にして装置の故障の発生を未然に防止することができる。加えて、複写機1と携帯端末装置2とにおいて同一の機能に係る入力部材が重複して存在する場合であって、有効にされている入力部材に異常を生じた場合には、無効にされている入力部材を有効状態に切り換えて使用することにより、データ処理システムの稼働効率の低下を防止することができる。
【0079】
図14は、上記データ処理システムを構成する複写機及び携帯端末装置の制御部の処理手順の第5の例を示すフローチャートである。この例では、複写機1に第1及び第2の電源供給部19を備え、携帯端末装置2の装着部7に2個の電源供給部19を接続している。複写機1の操作パネル10に携帯端末装置2を装着した状態で複写機1の電源をオンすると、複写機1の初期設定処理において中央処理ユニット44は第1の電源供給部19から電源を供給して携帯端末装置2の電源をオンする(s91,s92)。
【0080】
次いで、中央処理ユニット44は、第1の電源供給部19からの電源の供給状態をチェックし(s93)、第1の電源供給部19から携帯端末装置2に対して正常に電源が供給されていない場合には、第1の電源供給部19の電源ラインを遮断し(s94)、第2の電源供給部19から携帯端末装置2に電源を供給する(s95,s96)。中央処理ユニット44は、第2の電源供給部19からの電源供給状態をチェックし(s97)、第2の電源供給部19から携帯端末装置2に対して正常に電源が供給されていない場合には、第2の電源供給部19の電源ラインを遮断して(s98)、複写機1の表示部にトラブルを発生した旨のメッセージを表示し(s99)、ユーザがシステムの起動の続行を指示した場合には複写機1の操作パネル10のみで入力操作を受け付ける状態に切り換え(s100→s102)、ユーザがシステムの起動の中止を指示した場合には複写機1の電源をオフする(s100→s101)。
【0081】
第1又は第2の電源供給部19のいずれかからの電源供給が正常に行われている場合には、携帯端末装置2における初期設定を実行し(s103)、携帯端末装置2及び複写機1における初期設定処理終了した後(s104,s105)、携帯端末装置2の電源を強制的にオフするまでの所定時間を計時するタイマを起動して(s106)、信号の入力を待機する(s107)。この電源強制オフタイマは、携帯端末装置2内に設けられている。
【0082】
複写機1の中央処理ユニット44は、信号が入力されるまでの間において、携帯端末装置2に対する電源供給部19からの電源供給状態をチェックし(s108)、第1の電源供給部19から電源を供給していた場合には第1の電源供給部19の電源ラインを遮断して第2の電源供給部19から携帯端末装置2に電源を供給し(s109→s94,s95)、第2の電源供給部19から電源を供給していた場合には第2の電源供給部19の電源ラインを切断してユーザの選択に応じた処理を実行する(s109→s98〜s102)。
【0083】
なお、信号が入力されるまでの間における電源供給状態のチェックは、携帯端末装置2のCPU54においても実行することができ、CPU54が電源供給状態の異常を検出した場合であって、第1の電源供給部19から電源の供給を受けていた場合には複写機1の中央処理ユニット44に対して電源供給部19の切換を指示するデータを送信し、第2の電源供給部19から電源の供給を受けていた場合には中央処理ユニット44に対してトラブル発生を表示するデータを送信することができる。
【0084】
信号が入力されるまでの間において電源供給状態が正常である場合には、複写機1の中央処理ユニット44は、携帯端末装置2に対して電源強制オフタイマのリセットを指示するデータを送信する(s110)。携帯端末装置2のCPU54は、中央処理ユニット44から電源強制オフタイマのリセット指示データを受信した場合には電源強制オフタイマの計時時間をクリアし(s111→s114)、電源強制オフタイマのリセット指示データを受信しなかった場合には、電源強制オフタイマのタイムアップを待って携帯端末装置2の電源をオフする(s112,s113)。この処理により、携帯端末装置2と複写機1との間の通信状態が適正でなく、携帯端末装置2を介して複写条件を複写機1に正確に送信できない場合には、携帯端末装置2の電源を強制的にオフして複写機1の誤動作を防止することができる。
【0085】
待機状態において信号が入力されると、CPU54が電源強制オフタイマをリセットし(s115)、携帯端末装置2のタッチパネル59又は複写機1の操作パネル10における複写条件の設定入力を受け付け(s116)、スタートキー13が操作されると設定された複写条件に基づいて複写動作を実行する(s117,s118)。この複写動作が終了すると待機状態に戻る(s119→s107)。
【0086】
以上の処理により、2個の電源供給部19のいずれかを有効に活用して、携帯端末装置2から複写機1に対して複写条件を設定入力することができる。
【0087】
なお、s93における電源供給状態の判別処理を実行するための電源供給状態判別回路の一例を図15に示す。携帯端末装置2が複写機1に装着された状態で、複写機1の電源が投入された際に複写機1から携帯端末装置2に流れる電流Iaの電流値をカレントトランス21によって検出し、検出した電流値を抵抗R1により電圧Vaに変換する。この電圧Vaが抵抗R2,R3によって定まる閾値とCMP1において比較され、CMP1の出力信号が中央処理ユニット44に入力される。
【0088】
即ち、複写機1の電源供給部19が携帯端末装置2に接続されていない状態では電流Iaは流れず、電圧Va=0となってCMP1の出力信号は“L”レベルになる。一方、電源供給部19と携帯端末装置2とが正常に接続されて所定の電流Iaが流れることにより、電圧Vaが閾値を越えてCMP1の出力信号が“H”レベルになる。したがって、中央処理ユニット44は、CMP1の出力信号レベルに基づいて電源供給部19と携帯端末装置2との接続状態の適否を判断することができる。
【0089】
図16及び図17は、上記データ処理システムを構成する複写機及び携帯端末装置の制御部の処理手順の第6の例を示すフローチャートである。この例では、携帯端末装置2の電源を強制的にオフするための所定の時間を計時する電源強制オフタイマを複写機1に備えており、図14に示したs91〜s106の処理後の待機状態において、携帯端末装置2のCPU54は、複写機1の中央処理ユニット44に対して電源強制オフタイマのリセット信号を所定時間毎に送信する(s121)。
【0090】
複写機1の中央処理ユニット44は、電源強制オフタイマがタイムアップする間において携帯端末装置2からのリセット信号の送信を待機し(s122,s123)、リセット信号を受信すると携帯端末装置2に対して応答信号を送信する(s124)。携帯端末装置2のCPU54は、所定時間において複写機1からの応答信号の送信を待機し(s125,s126)、所定時間内に応答信号を受信しなかった場合にはディスプレイ3にトラブルを発生した旨のメッセージを表示するとともに(s127)、データの退避処理の後に動作を停止する(s128)。携帯端末装置2のCPU54は、所定時間内に応答信号を受信した場合には、複写機1に対して電源強制オフタイマをリセットすべき旨のデータを送信して待機状態に戻る(s129→107)。
【0091】
複写機1の中央処理ユニット44は、電源強制オフタイマがタイムアップするまでの間にリセット信号を受信しなかった場合には既に再起動処理を行ったか否かを判断し(s130)、再起動処理を行っていない場合には携帯端末装置2に対して再起動信号を送信する(s131)。携帯端末装置2のCPU54は、複写機1からの再起動信号を受信するとデータの退避処理を実行するとともに、再起動処理を実行する(s132)。一方、既に再起動処理を行っている場合には、複写機1の中央処理ユニット44は、携帯端末装置2が再起動処理によっては正常状態に復帰できない状態であると判断して携帯端末装置2におけるデータの退避処理を待って携帯端末装置2に対する電源供給を遮断し(s133)、所定時間経過後に携帯端末装置2への電源供給から処理を再開する(s134→s92)。
【0092】
待機状態において信号が入力されると、中央処理ユニット44が電源強制オフタイマをリセットし(s115)、携帯端末装置2のタッチパネル59又は複写機1の操作パネル10における複写条件の設定入力を受け付け(s116)、スタートキー13が操作されると設定された複写条件に基づいて複写動作を実行する(s117,s118)。この複写動作が終了すると待機状態に戻る(s119→s107)。
【0093】
以上の処理により、複写機1と携帯端末装置2との間の通信状態が双方向について適正であるか否かをチェックし、少なくとも一方向の通信状態が適正でない場合には携帯端末装置2の再起動処理、又は、携帯端末装置2に対する電源供給の停止処理を行うことにより、複写機1と携帯端末装置2との間でデータを正常に送受信することができない状態でシステムが運用されることによる複写機1の誤動作を未然に防止することができる。
【0094】
図18及び図19は、上記データ処理システムを構成する複写機及び携帯端末装置の制御部の処理手順の第7の例を示すフローチャートである。複写機1の操作パネル10に携帯端末装置2を装着した状態で複写機1の電源をオンすると、複写機1の初期設定処理において中央処理ユニット44は第1の電源供給部19から電源を供給して携帯端末装置2の電源をオンする(s91,s92)。
【0095】
次いで、中央処理ユニット44は、第1の電源供給部19からの電源の供給状態をチェックし(s93)、第1の電源供給部19から携帯端末装置2に対して正常に電源が供給されていない場合には、携帯端末装置2が起動しているか否かをチェックする(s141)。携帯端末装置2が起動している場合には、中央処理ユニット44は、携帯端末装置2が内部バッテリによって起動したと判断し、携帯端末装置2に対して内部バッテリ容量を表示すべき旨のデータを送信してディスプレイ3にバッテリ容量を表示させる(s142)。なお、内部バッテリは前述の充電型バッテリ6a,6bであってもよい。
【0096】
この後、第1の電源供給部19の電源ラインを遮断し(s94)、第2の電源供給部19から携帯端末装置2に電源を供給する(s95)。携帯端末装置2が起動していない場合には直接s94,s95の処理を行う。
【0097】
さらに、中央処理ユニット44は、携帯端末装置2が内部バッテリによって起動した場合には、内部バッテリ容量に応じて充電処理を行う(s143,s144)。この後、中央処理ユニット44は、第2の電源供給部19からの電源供給状態をチェックし(s97)、第2の電源供給部19から携帯端末装置2に対して正常に電源が供給されていない場合には、第2の電源供給部19の電源ラインを遮断して(s98)、複写機1の表示部にトラブルを発生した旨のメッセージを表示し(s99)、携帯端末装置2における内部バッテリの有無をチェックする(s145)。
【0098】
中央処理ユニット44は、携帯端末装置2に内部バッテリが存在せず、ユーザがシステムの起動の続行を指示した場合には複写機1の操作パネル10のみで入力操作を受け付ける状態に切り換え(s145→s100→s102)、ユーザがシステムの起動の中止を指示した場合には複写機1の電源をオフする(s145→s100→s101)。中央処理ユニット44は、携帯端末装置2に内部バッテリが存在する場合には、内部バッテリによる電源供給に切り換えた後(s146)、内部バッテリ容量を第1基準及び第2基準と比較し(s147,s149)、内部バッテリ容量が第1基準又は第2基準のいずれかを満足する場合には内部バッテリ容量をディスプレイ3に表示させて携帯端末装置2の初期設定処理を行う(s151→s103)。
【0099】
ここに、第1基準とは、例えば、内部バッテリの最大容量の1/2程度で短時間の使用に耐えうる程度の容量であり、第2基準とは、例えば、内部バッテリの最大容量の1/4程度でシステムにおける使用に耐えない程度の容量である。これら第1基準及び第2基準の内容は、ユーザが設定できるようにしてもよい。
【0100】
中央処理ユニット44は、内部バッテリ容量が第1基準又は第2基準を満足しない場合には、携帯端末装置2のディスプレイ3に内部バッテリ容量が不足する旨のメッセージを表示させる(s148,s150)。内部バッテリ容量が第2基準を満足しない場合には、携帯端末装置2のCPU54は、複写機1に対して電源オフ処理を実行する旨のデータを送信して電源オフ処理を実行する(s152,s153)。この後、複写機1の中央処理ユニット44は、この後、複写機1の操作パネル10のみで入力操作を受け付ける状態に切り換える(s154)。
【0101】
なお、s152の処理に代えて、s155及びs156の処理を実行することにより、携帯端末装置2から複写機1に対して電源オフ処理要求信号を送信し、電源オフ処理要求信号を受信した複写機1から携帯端末装置2に対して電源オフ処理命令を送信するようにしてもよい。
【0102】
第1又は第2の電源供給部19のいずれかからの電源供給が正常に行われている場合には、携帯端末装置2における初期設定を実行し(s103)、携帯端末装置2及び複写機1における初期設定処理終了した後(s104,s105)、信号の入力を待機する(s107)。待機状態において信号が入力されると、携帯端末装置2のタッチパネル59又は複写機1の操作パネル10における複写条件の設定入力を受け付け(s116)、スタートキー13が操作されると設定された複写条件に基づいて複写動作を実行し(s117,s118)、システムを続行する場合には待機状態に戻る(s157→s107)。
【0103】
システムを終了する場合には、複写機1内のサブ電源を起動し(s158)、複写機1及び携帯端末装置2の電源オフ処理を実行する(s159)。電源オフ処理か完了すると、携帯端末装置2に対して複写機1のサブ電源から電力を供給して携帯端末装置2の内部バッテリの充電を行う(s160)。携帯端末装置2の内部バッテリに対する充電処理が完了すると(s161)、サブ電源をオフするか否かの指示に基づいてサブ電源のオフ処理(s163)、及び、携帯端末装置2に対する電源供給の遮断処理(s164)を実行する。
【0104】
以上の処理により、携帯端末装置2に対して複写機1からの電源供給が困難な場合に、携帯端末装置2が有する内部バッテリを用いてシステムを動作させることができる。また、内部バッテリ容量をディスプレイ3に表示することにより、システムの長時間の使用が可能か否かの状態をユーザが容易に認識することができる。さらに、携帯端末装置2の内部バッテリ容量が不足する場合に、システムの使用が終了した後において、複写機1のサブ電源から内部バッテリを充電することができる。また、このサブ電源による充電処理が完了した後にもサブ電源のオン状態を維持することにより、複写機1の予熱状態における電力消費を削減することができる。
【0105】
図20及び図21は、上記データ処理システムを構成する複写機及び携帯端末装置の制御部の処理手順の第8の例を示すフローチャートである。複写機1の操作パネル10に携帯端末装置2を装着した状態で複写機1の電源をオンすると(s91)、中央処理ユニット44は、複写機1に携帯端末装置2が装着されているか否かを判断し(s171)、携帯端末装置2が装着されていない場合には複写機1のみの複写動作の可否を判断する(s172)。携帯端末装置2が複写機1に装着さている場合には、中央処理ユニット44は、第1の電源供給部19から電源を供給して携帯端末装置2の電源をオンする(s92)。
【0106】
次いで、中央処理ユニット44は、第1の電源供給部19からの電源の供給状態をチェックし(s93)、第1の電源供給部19から携帯端末装置2に対して正常に電源が供給されていない場合には、携帯端末装置2が起動しているか否かをチェックする(s141)。携帯端末装置2が起動している場合には、中央処理ユニット44は、携帯端末装置2が内部バッテリによって起動したと判断し、携帯端末装置2に対して内部バッテリ容量を表示すべき旨のデータを送信してディスプレイ3にバッテリ容量を表示させる(s142)。この後、第1の電源供給部19の電源ラインを遮断し(s94)、複写機1の操作パネル10において携帯端末装置2に対して電源が接続されていない旨のメッセージを表示して(s173)第2の電源供給部19から携帯端末装置2に電源を供給する(s95)。携帯端末装置2が起動していない場合には直接s94,s95の処理を行う。さらに、中央処理ユニット44は、携帯端末装置2が内部バッテリによって起動した場合には、内部バッテリ容量に応じて充電処理を行う(s143,s144)。
【0107】
中央処理ユニット44は、第2の電源供給部19からの電源供給状態をチェックし(s97)、第2の電源供給部19から携帯端末装置2に対して正常に電源が供給されていない場合には、第2の電源供給部19の電源ラインを遮断して(s98)、複写機1の表示部にトラブルを発生した旨のメッセージを表示し(s99)、ユーザがシステムの起動の続行を指示した場合には複写機1の操作パネル10のみで入力操作を受け付ける状態に切り換え(s100→s102)、ユーザがシステムの起動の中止を指示した場合には複写機1の電源をオフする(s100→s101)。
【0108】
第1又は第2の電源供給部19のいずれかからの電源供給が正常に行われている場合には、携帯端末装置2における初期設定を実行し(s103)、携帯端末装置2及び複写機1における初期設定処理終了した後(s104,s105)、信号の入力を待機する(s107)。
【0109】
複写機1の中央処理ユニット44は、信号が入力されるまでの間において、複写機1に携帯端末装置2が装着されているか否かをチェックし(s176)、複写機1に携帯端末装置2が装着されていない場合には携帯端末装置2に対して電源オフ命令を送信し(s177)、所定時間の間において携帯端末装置2が電源オフ命令を受信したか否かをチェックする(s178,s180)。携帯端末装置2のCPU54は、電源オフ命令を受信するとデータの退避処理を実行する(s179)。CPU54は、このデータの退避処理の間において電源スイッチ5の操作を禁止する旨のメッセージをディスプレイ3に表示する(s182)。このとき、携帯端末装置2が内部バッテリを備えている場合には、内部バッテリ容量も併せて表示する(s183,s184)。
【0110】
複写機1の中央処理ユニット44は、携帯端末装置2におけるデータの退避処理が終了した後、又は、所定時間の間に携帯端末装置2が電源オフ命令を受信しなかった場合において操作パネル10にトラブルを発生した旨のメッセージを表示した後(s181)、携帯端末装置2に対する電源供給を遮断し(s185)、複写機1の操作パネル10のみで入力操作を受け付ける状態に切り換える(s186)。
【0111】
待機状態において信号が入力されると、携帯端末装置2のタッチパネル59又は複写機1の操作パネル10における複写条件の設定入力を受け付け(s116)、スタートキー13が操作されると設定された複写条件に基づいて複写動作を実行する(s117,s118)。この複写動作が終了すると待機状態に戻る(s119→s107)。
【0112】
以上の処理により、携帯端末装置2の初期設定処理の前後において複写機1に対する携帯端末装置2の装着状態を確認し、システムの起動時において複写機1に携帯端末装置2が装着されていない場合や、システムの起動後に携帯端末装置2が複写機1に対する装着不良を生じた場合にも、複写機1の誤動作や装置の破損等を確実に防止することができる。また、複写機1の中央処理ユニット44が携帯端末装置2の装着状態を確認した後に携帯端末装置2の初期設定処理を実行るため、複写機1が起動した後においても携帯端末装置2を複写機1に装着することができ、携帯端末装置2を装着する際に複写機1を再起動する必要がなく、システムを迅速に運用することができる。さらに、複写機1と携帯端末装置2とにより構成されるシステムの起動後に、携帯端末装置2の装着状態、及び、携帯端末装置2に対する電源供給状態の両方を監視するとともに、トラブル内容に応じたメッセージを表示することにより、システムの復帰処理をユーザが正確に実行することができる。
【0113】
【発明の効果】
請求項1に記載した発明によれば、第1データ処理装置と第2データ処理装置とが接続されている状態では、第1データ処理装置と第2データ処理装置とを同時に電源節電モードにすることにより、第2データ処理装置に接続されている第1データ処理装置において所定時間継続して処理データの入力操作が行われなかった場合に電源節電機能により第1データ処理装置の電源のみが切断されることがないようにし、第2データ処理装置とともにデータ処理システムを構成している間において第1データ処理装置の電源が単独で切断されることによるデータ処理システムの使用不能状態の発生を未然に防止することができ、データ処理システムを常に適正に使用することができる。
【0114】
請求項2に記載した発明によれば、第2データ処理装置に接続されている状態の第1データ処理装置において一部のプログラムの実行を禁止することにより、第2データ処理装置とともに構成するデータ処理システムに不要なプログラムが第1データ処理装置において起動することがなく、データ処理システムの起動処理を迅速に行うことができる。
【0115】
請求項3に記載した発明によれば、単一のデータ処理システムを構成する第1データ処理装置と第2データ処理装置とにおいて機能が共通する入力操作部材が存在する場合に、一方の入力操作部材のみを有効にすることにより、第1データ処理装置及び第2データ処理装置のそれぞれから同一の機能に係る処理データが入力されることがなく、データ処理システムの誤動作を未然に防止することができる。
【0116】
請求項4に記載した発明によれば、第1データ処理装置に対する第2データ処理装置からの電源供給状態に応じて、第1データ処理装置の内部電源、又は、第2データ処理装置の電源供給部のいずれかから第1データ処理装置の電源を選択的に供給することにより、第1データ処理装置に対して適宜最適な手段により電源を供給することができ、データ処理システムの稼働効率を向上することができる。
【0117】
請求項5に記載した発明によれば、第1データ処理装置の内部電源を第2データ処理装置の電源供給部を用いて充電することにより、第2データ処理装置とによってデータ処理システムを構成している間に、第1データ処理装置を単独で動作させる際の電源を補充することができ、第1データ処理装置の稼働効率を向上することができる。
【0118】
請求項6に記載した発明によれば、第2データ処理装置とともにデータ処理システムを構成している第1データ処理装置が、第2のデータ処理装置との接続状態を解除した際に、第2データ処理装置からの命令に基づいて第1データ処理装置に電源オフ処理を実行させることにより、第1データ処理装置と第2データ処理装置との接続不良を生じた場合に第1データ処理装置が処理データの入力操作を受け付けないようにしてデータ処理システムの誤動作を未然に防止することができる。
請求項7に記載した発明によれば、第1データ処理装置と第2データ処理装置とが接続されている状態で、第1データ処理装置における電源節電機能を有効にするまでの待機状態の継続時間として第2データ処理装置における電源節電機能が有効にされるまでの待機状態の継続時間を設定することにより、第1データ処理装置における電源節電機能が有効にされるまでの待機状態の継続時間が経過した時に、第1データ処理装置と第2データ処理装置との間でデータを遣り取りすることなく、容易に第1データ処理装置と第2データ処理装置とにおいて電源節電モードを同時に実行することができる。
請求項8に記載した発明によれば、第1データ処理装置と第2データ処理装置とが接続されている状態では、第2データ処理装置側で待機状態が所定時間継続した時に、第1データ処理装置が処理データを不揮発性メモリに格納し、かつ、第2データ処理装置が処理動作の状態を不揮発性メモリに格納するのを待って、第1データ処理装置と第2データ処理装置とを同時に電源節電モードにすることにより、第2データ処理装置に接続されている第1データ処理装置において所定時間継続して処理データの入力操作が行われなかった場合に、電源節電機能により第1データ処理装置の電源のみが切断されることがないようにし、第2データ処理装置とともにデータ処理システムを構成している間において第1データ処理装置の電源が単独で切断されることによるデータ処理システムの使用不能状態の発生を未然に防止することができ、データ処理システムを常に適正に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施形態に係るデータ処理システムを構成する複写機の構成を示す図である。
【図2】上記複写機の制御部の構成を示すブロック図である。
【図3】上記データ処理システムを構成する携帯端末装置の正面図及び背面図である。
【図4】上記携帯端末装置の制御部の構成を示すブロック図である。
【図5】上記携帯端末装置の装着時における複写機の操作パネルを示す図である。
【図6】上記携帯端末装置のディスプレイの表示状態を示す図である。
【図7】上記複写機の操作パネルに対する携帯端末装置の装着状態を説明する図である。
【図8】上記データ処理システムを構成する複写機及び携帯端末装置の制御部の処理手順の第1の例を示すフローチャートである。
【図9】同複写機及び携帯端末装置の制御部の処理手順の第2の例を示すフローチャートである。
【図10】同複写機及び携帯端末装置の制御部の処理手順の第3の例を示すフローチャートである。
【図11】同複写機で実行される複写動作に係る機能制御プログラムの一例を示す図である。
【図12】上記制御部の処理手順の第3の例の別の処理を示すフローチャートである。
【図13】同複写機及び携帯端末装置の制御部の処理手順の第4の例を示すフローチャートである。
【図14】同複写機及び携帯端末装置の制御部の処理手順の第5の例を示すフローチャートである。
【図15】同複写機が備える電源供給状態判別回路の一例を示す図である。
【図16】同複写機及び携帯端末装置の制御部の処理手順の第6の例を示すフローチャートである。
【図17】同フローチャートである。
【図18】同複写機及び携帯端末装置の制御部の処理手順の第7の例を示すフローチャートである。
【図19】同フローチャートである。
【図20】同複写機及び携帯端末装置の制御部の処理手順の第8の例を示すフローチャートである。
【図21】同フローチャートである。
【符号の説明】
1−複写機(第1データ処理装置)
2−携帯端末装置(第2データ処理装置)
3−ディスプレイ
4−電源スイッチ
5−キースイッチ
10−操作パネル
44−中央処理ユニット
54−CPU
59−タッチパネル

Claims (6)

  1. 処理データの入力操作を受け付ける第1データ処理装置と、処理データに基づく処理動作を実行する第2データ処理装置と、を接続し、第1データ処理装置と第2データ処理装置との間でデータの送受信を行うデータ処理システムにおいて、
    第1データ処理装置及び第2データ処理装置が処理データの入力操作の待機状態が所定時間継続した際に電源を切断する電源節電機能を個別に備えるとともに、
    第1データ処理装置と第2データ処理装置とが接続されている間に第1データ処理装置の電源節電機能と第2データ処理装置の電源節電機能とを同時に有効にし、第1データ処理装置は第2データ処理装置に接続されている状態では第2データ処理装置からの指示によって電源節電機能への切換を無効にし、
    第2データ処理装置の電源節電機能が所定時間を計時した時に、第1データ処理装置が処理データを不揮発性メモリに退避させ、かつ、第2データ処理装置が処理動作状態を不揮発性メモリに退避させた後に、第1データ処理装置及び第2データ処理装置の電源を切断することを特徴とするデータ処理システム。
  2. 処理データの入力操作を受け付ける第1データ処理装置と、処理データに基づく処理動作を実行する第2データ処理装置と、を接続し、第1データ処理装置と第2データ処理装置との間でデータの送受信を行うデータ処理システムにおいて、
    第1データ処理装置及び第2データ処理装置が処理データの入力操作の待機状態が所定時間継続した際に電源を切断する電源節電機能を個別に備えるとともに、第1データ処理装置と第2データ処理装置とが接続されている間に第1データ処理装置の電源節電機能と第2データ処理装置の電源節電機能とを同時に有効にし、
    前記第1データ処理装置が処理データの入力操作に係る複数のプログラムを記憶するとともに、第1データ処理装置と第2データ処理装置とが接続されている間に前記複数のプログラムの一部のプログラムの実行を禁止することを特徴とするデータ処理システム。
  3. 処理データの入力操作を受け付ける第1データ処理装置と、処理データに基づく処理動作を実行する第2データ処理装置と、を接続し、第1データ処理装置と第2データ処理装置との間でデータの送受信を行うデータ処理システムにおいて、
    第1データ処理装置及び第2データ処理装置が処理データの入力操作の待機状態が所定時間継続した際に電源を切断する電源節電機能を個別に備えるとともに、第1データ処理装置と第2データ処理装置とが接続されている間に第1データ処理装置の電源節電機能と第2データ処理装置の電源節電機能とを同時に有効にし、
    前記第2データ処理装置が前記第1データ処理装置が有する処理データの入力操作部材と機能が共通する単一又は複数の入力操作部材を備え、第1データ処理装置と第2データ処理装置とが接続されている間に第1データ処理装置と第2データ処理装置とにおいて機能が共通する入力操作部材について一方の入力操作部材による処理データの入力操作のみを有効にすることを特徴とするデータ処理システム。
  4. 前記第1データ処理装置が内部電源を備えるとともに、前記第2データ処理装置が第1データ処理装置に電源を供給する単一又は複数の電源供給部を備え、電源供給部による第1データ処理装置に対する電源供給状態を検出し、電源供給状態の検出結果に応じて内部電源、又は、いずれかの電源供給部から第1データ処理装置に電源を供給する請求項1に記載のデータ処理システム。
  5. 前記第1データ処理装置が充電可能な内部電源を備え、前記第1データ処理装置と第2データ処理装置とが接続されている間に前記第2データ処理装置が前記電源供給部を介して第1データ処理装置の内部電源を充電する請求項1に記載のデータ処理システム。
  6. 第1データ処理装置と第2データ処理装置とが接続されている間に、第2データ処理装置における電源節電機能が有効にされるまでの待機状態の継続時間を第1データ処理装置における電源節電機能が有効にされるまでの待機状態の継続時間として設定する請求項1に記載のデータ処理システム。
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