JP3946111B2 - 光学式ピックアップの対物レンズ支持機構 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、デジタルバーサタイルディスク(DVD)やコンパクトディスク(CD)等の媒体に対して情報を記録/再生する光学式ピックアップに係り、特に、対物レンズを搭載したレンズホルダがワイヤを介して支持部材に弾性的に支持されている光学式ピックアップの対物レンズ支持機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
図5は従来より知られているこの種の光学式ピックアップを示す外観図であり、同図に示すように、ディスク(媒体)の記録面に対向する対物レンズ1はレンズホルダ2に保持されており、このレンズホルダ2は導電性金属材からなる4本のワイヤ4を介して支持部材3に弾性的に支持されている。支持部材3の背面側には凸部3aが形成されており、この凸部3aの平坦面にガラスエポキシ等の合成樹脂材からなる弾性板5の中央固定部5aが接着固定されている。この弾性板5の長手方向両端部は自由端部5b,5bとなっており、各自由端部5bと支持部材3の凹段部3bとの間には隙間δが確保されている。弾性板5の背面にはフレキシブル配線基板6が接着固定されており、このフレキシブル配線基板6の4箇所に穿設された小孔6aの周囲はランド部6bとなっている。フレキシブル配線基板6にはリード部6cが延設されており、各ランド部6bから導出されたリードパターン6dがリード部6cを経由して外部駆動回路と接続されている。
【0003】
レンズホルダ2にはフォーカスコイルCfとトラッキングコイルCtが取り付けられており、支持部材3を固定しているベース部材上に設置された図示せぬマグネットの磁路が各コイルCf,Ctを横断している。そして、フォーカスコイルCfに駆動電流が通電されると、該コイルCfに矢印F方向の電磁力が作用して対物レンズ1のフォーカス補正が行え、トラッキングコイルCtに駆動電流が通電されると、該コイルCtに矢印T方向の電磁力が作用して対物レンズ1のトラッキング補正が行えるようになっている。各ワイヤ4は支持部材3の大径な貫通孔3c内に遊挿されているが、各ワイヤ4の一端部4aは弾性板5の自由端部5bを貫通した状態でフレキシブル配線基板6のランド部6bに半田付けされている。また、各ワイヤ4の他端部4bはそれぞれ、レンズホルダ2の耳部2aに保持された状態でフォーカスコイルCfの巻線の両端とトラッキングコイルCtの巻線の両端に個別に導通されている。これにより、外部駆動回路からリードパターン6dへ与えられた駆動電流を、レンズホルダ2を弾性的に支持している4本のワイヤ4を介して各コイルCf,Ctへ供給することができるので、前記電磁力によりレンズホルダ2を適宜駆動して対物レンズ1の補正動作が行える。
【0004】
かかる対物レンズ1の補正動作時に、各ワイヤ4は一端部4aが片持ち保持された状態で曲げ変形するが、この曲げ変形に追従して弾性板5の自由端部5bとフレキシブル配線基板6とが弾性変形するので、対物レンズ1の光軸が図5の矢印Z方向へ倒れるピッチング動作の高次共振周波数を、フォーカスおよびトラッキング補正動作のサーボ帯域に影響のない低い領域に下げることができる。
【0005】
しかしながら、上述した従来例においては、弾性板5がガラスエポキシ等の合成樹脂製であるため、長時間使用したり高温環境下に長く置かれた場合、弾性板5が塑性変形して対物レンズ1のスキューずれや位置ずれを起こしやすいという難点があった。
【0006】
そこで本出願人は、特開平10−124895号公報において、このような難点を解消した光学式ピックアップの対物レンズ支持機構を先に提案した。図6は同公報に開示された光学式ピックアップの平面図、図7は該光学式ピックアップの対物レンズ支持機構を示す要部断面図であり、かかる従来提案では、樹脂製の弾性板の代わりにステンレス等のばね性に富む金属板からなる金属補強板7を用い、この金属補強板7の中央固定部7aを支持部材3の凸部3aの平坦面に接着固定している。金属補強板7の長手方向両端部は自由端部7b,7bとなっており、各自由端部7bと支持部材3の凹段部3bとの間には隙間δが確保されている。金属補強板7の背面にはフレキシブル配線基板6が接着固定されており、前述した従来例と同様に、フレキシブル配線基板6の4箇所に穿設された小孔6aの周囲がランド部6bとなっている。金属補強板7には各ランド部6bと対向する位置にやや大径な逃げ孔7cが穿設されており、ワイヤ4の一端部4aを逃げ孔7cおよび小孔6aに挿通してランド部6bに半田付けすることにより、半田フィレット8が形成されている。図7に示すように、逃げ孔7cを適宜大きさに設定しておけば、多少の寸法誤差があってもワイヤ4と金属補強板7との短絡を回避できる。
【0007】
このように金属補強板7の背面に固定したフレキシブル配線基板6に各ワイヤ4の一端部4aを半田付けしておけば、ピッチング動作などの高次共振対策として有効な金属補強板7が長時間使用したり高温環境下に長く置かれた場合にも塑性変形しにくいことから、金属補強板7の経時変化に起因する対物レンズ1のスキューずれや位置ずれが生じにくくなって信頼性が向上する。なお、図6,7において、符号9,9はフォーカスコイルCfおよびトラッキングコイルCtを横断する磁路を発生させるためのマグネット、符号10はフレキシブル配線基板6の導電材料である銅箔パターンを示しており、図5と対応する部分には同一符号が付してある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来提案は、樹脂製の弾性板5の代わりに金属補強板7を用いて経時変化に起因するスキューずれ等を抑制しているため、樹脂製の弾性板5を用いた従来例(図5参照)に比べて信頼性の向上が図れるが、金属補強板7の4箇所にやや大径な逃げ孔7cを穿設して各ワイヤ4との短絡を防止しなければならないので、金属補強板7の短手寸法を縮小するうえで制約が大きく、光学式ピックアップ全体の薄型化を促進しにくいという問題があった。また、かかる従来提案においては、逃げ孔7cが大径なため半田フィレット8を支える位置に必ずしも金属補強板7が存するとは限らず、半田フィレット8が金属補強板7に支えられていない場合、ワイヤ4の一端部4aの保持位置が不安定になるため、対物レンズ1のスキューずれや位置ずれを招来する可能性があった。
【0009】
本発明は、このような従来技術の実情に鑑みてなされたもので、その目的は、対物レンズのスキューずれや位置ずれを長期に亘って抑制できて薄型化にも好適な光学式ピックアップの対物レンズ支持機構を安価に提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、弾性金属板からなる導体板パターンをカバーフィルムで挟み込んだラミネート構造の背面基板を用い、この背面基板の中央部を支持部材に固定すると共に、この背面基板の長手方向両端部に孔が2つずつ穿設され、前記各孔の周囲で前記カバーフィルムから前記導体板パターンが露出して設けられた各ランド部に各ワイヤの一端部が前記孔にそれぞれ挿通されて半田付けされることにより、レンズホルダを支持する各ワイヤが背面基板の自由端部に片持ち保持されるようにした。このような背面基板は長時間使用したり高温環境下に置かれても塑性変形を起こしにくく、かつワイヤの半田付け部を導体板パターンで確実に支えることができるので、各ワイヤを介して背面基板に支持される対物レンズは長期に亘ってスキューずれや位置ずれを起こしにくくなる。また、この背面基板にはワイヤとの短絡を防止するための逃げ孔を設ける必要がないので短手寸法を縮小しやすく、よって光学式ピックアップ全体の薄型化が図りやすくなる。また、背面基板単独でワイヤの支持とこのワイヤを介して各コイルへの駆動電流を供給できるので、樹脂製弾性板や金属補強板にフレキシブル配線基板を積層する構造に比べて製造工程が簡素化できる、コストダウンが図りやすくなる。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明による光学式ピックアップの対物レンズ支持機構では、対物レンズを保持すると共にフォーカスコイルおよびトラッキングコイルが取着されたレンズホルダと、互いに非接触に並設された弾性金属板からなる4つの導体板パターンの両面を絶縁性のカバーフィルムで挟み込んだラミネート構造の背面基板と、一端部が前記導体板パターンのランド部に半田付けされて他端部が前記フォーカスコイルおよびトラッキングコイルに電気的に接続された導電性の4本のワイヤと、前記背面基板の中央部を自身の平坦面に固定した支持部材とを備え、前記各導体板パターンからそれぞれ延設され外部駆動回路に半田付けにより接続される外部回路接続部を前記背面基板の中央部から前記カバーフィルムの外方へ突出させると共に、前記カバーフィルムの内側で前記導体板パターンと前記外部回路接続部とが連続する部分を幅狭に形成し、前記背面基板の長手方向両端部に孔が2つずつ穿設され、前記各孔の周囲で前記カバーフィルムから前記導体板パターンが露出して前記ランド部が形成されており、前記各ワイヤの一端部が前記孔にそれぞれ挿通されて前記ランド部に半田付けされることにより、前記支持部材が前記背面基板および前記ワイヤを介して前記レンズホルダを支持するように構成した。
【0012】
このようにラミネート構造の背面基板の中央部を支持部材に固定し、各導体板パターンからそれぞれ延設され外部駆動回路に半田付けにより接続される外部回路接続部を前記背面基板の中央部からカバーフィルムの外方へ突出させると共に、カバーフィルムの内側で前記導体板パターンと前記外部回路接続部とが連続する部分を幅狭に形成し、該背面基板の長手方向両側の自由端部に孔が2つずつ穿設され、前記各孔の周囲で前記カバーフィルムから前記導体板パターンが露出して設けられた各ランド部に各ワイヤの一端部が前記孔にそれぞれ挿通されて半田付けしておけば、対物レンズの補正動作時に各ワイヤが曲げ変形すると、この曲げ変形に追従して背面基板の自由端部が弾性変形するので、ピッチング動作などの高次共振がフォーカス補正動作やトラッキング補正動作に悪影響を及ぼさないように設定できる。また、この背面基板はガラスエポキシ等の樹脂部材を使用しないため、長時間使用したり高温環境下に長く置かれた場合にも塑性変形しにくく、該背面基板の経時変化に起因する対物レンズのスキューずれや位置ずれが起こりにくい。また、この背面基板は、例えばリン青銅、ベリリウム銅、チタン銅、ステンレス鋼等のばね材を材料とする弾性金属板からなる導体板パターンの一部(ランド部)にワイヤの一端部を直接半田付けし、この導体板パターン自体でワイヤを支持するというものなので、該背面基板にはワイヤとの短絡を防止するための逃げ孔が不要であり、それゆえ光学式ピックアップ全体の薄型化を促進する際には該背面基板の短手寸法を容易に縮小できる。しかも、樹脂製弾性板や金属補強板にフレキシブル配線基板を重ね合わせた積層体を支持部材に固定する代わりに、背面基板を支持部材に直接固定するだけでよいので、製造工程が簡素化できてコストダウンが図りやすい。
また、カバーフィルムの内側で導体板パターンと外部回路接続部とが連続する部分を幅狭に形成したので、外部回路接続部を外部回路と半田接合するときの熱が該ランド部上の半田フィレットへの熱伝導が抑制できるだけでなく、半田接合後の外部回路接続部に外力が作用したときに懸念される導体板パターンへの応力の影響を緩和することができるため、背面基板の長寿命化が図れる。
【0013】
かかる構成において、背面基板の短手方向に延びる中心線に対して4つの導体板パターンの全体形状を略線対称に設定しておけば、各導体板パターンを単純なパターニング形状でバランスよく配置させることが容易となる。その際、背面基板の中央部に配設されている各導体板パターンの占有面積を略同等に設定しておけば、支持部材に対する各導体板パターンの取付強度を略均等化することができるので、支持部材に対する各ワイヤの取付強度がばらつかなくなって信頼性が一層向上する。
【0016】
【実施例】
実施例について図面を参照して説明すると、図1は本発明の実施例に係る光学式ピックアップの平面図、図2は該光学式ピックアップの側面図、図3は該光学式ピックアップの対物レンズ支持機構に用いた背面基板の正面図、図4は該背面基板のランド部とワイヤとの半田接合部を示す要部断面図であり、図5〜図7に対応する部分には同一符号を付してある。
【0017】
図1〜図4において、ディスク(媒体)の記録面に対向する対物レンズ1はレンズホルダ2に保持されており、このレンズホルダ2は導電性金属材からなる4本のワイヤ4を介して支持部材3に弾性的に支持されている。支持部材3の背面側には凸部3aが形成されており、この凸部3aの平坦面に熱硬化性接着剤(例えば耐熱性の紫外線硬化樹脂)を用いて背面基板11の中央固定部11aが接着固定されている。背面基板11の長手方向両端部は自由端部11b,11bとなっており、各自由端部11bと支持部材3の凹段部3bとの間には隙間δが確保されている。
【0018】
この背面基板11は、JISH3130に規定されているリン青銅、ベリリウム銅またはチタン銅、あるいはJISG4313に規定されているばね用ステンレス鋼帯等の弾性金属板からなる4枚の導体板パターン12を互いに非接触に並設して、これら4枚の導体板パターン12の両面をポリイミドフィルム等の耐熱絶縁性のカバーフィルム13で挟み込んだラミネート構造の基板である。図3に示すように、背面基板11の左右の自由端部11bには小孔11cが2個ずつ穿設されており、各小孔11cの周囲は導体板パターン12の一部を露出させたランド部12aとなっている。各導体板パターン12には、ランド部12aの中央固定部11a側の近傍に、熱伝導を阻害するための小径な透孔12bが設けられている。また、各導体板パターン12からそれぞれ延設した4片の外部回路接続ランド14が、背面基板11の中央固定部11aから外方へ突出させてある。列状に配設されたこれら外部回路接続ランド14は、図示せぬ配線基板のリードパターンに半田付けすることによって外部駆動回路と接続される。なお、各導体板パターン12が対応する外部回路接続ランド14と連続する部分は、図3に示すように幅狭部12cとなっている。各導体板パターン12の板厚は、該導体板パターン12自身の寸法や形状、またレンズホルダ2と対物レンズ1等の可動部の重量を考慮して適宜設定されるが、上記JIS規格に規定されている標準寸法の最小値(0.1mm)以上で充分な弾性力を有する0.3mm以下の範囲とすることが好ましい。
【0019】
レンズホルダ2にはフォーカスコイルCfとトラッキングコイルCtが巻回されており、支持部材3を固定しているベース部材14上に設置されたマグネット9,9の磁路が各コイルCf,Ctを横断している。各ワイヤ4は支持部材3の大径な貫通孔3c内に遊挿されているが、各ワイヤ4の一端部4aは背面基板11の自由端部11bに設けられた小孔11cに挿通されてランド部12aに半田付けされており、その半田フィレット8が導体板パターン12に支えられている。また、各ワイヤ4の他端部4bはそれぞれ、レンズホルダ2の耳部2aに保持された状態でフォーカスコイルCfの巻線の両端とトラッキングコイルCtの巻線の両端に半田付けにより個別に導通されている。これにより、外部駆動回路から各外部回路接続ランド14を経由して各導体板パターン12へ与えられた駆動電流を、4本のワイヤ4を介して各コイルCf,Ctへ供給することができるので、電磁力によりレンズホルダ2を適宜駆動して対物レンズ1の補正動作が行える。
【0020】
上述したように本実施例においては、ラミネート構造の背面基板11の中央固定部11aを支持部材3の凸部3aに固定し、この背面基板11の自由端部11bに設けたランド部12aにワイヤ4の一端部4aを半田付けしているので、対物レンズ1の補正動作時に各ワイヤ4が曲げ変形すると、この曲げ変形に追従して背面基板11の自由端部11bが弾性変形する。したがって、ピッチング動作などの高次共振がフォーカス補正動作やトラッキング補正動作に悪影響を及ぼさないように設定できる。また、背面基板11は長時間使用したり高温環境下に長く置かれた場合にも塑性変形しにくいので、背面基板11の経時変化に起因する対物レンズ1のスキューずれや位置ずれは起こりにくく、長期に亘って安定した性能が期待できる。また、背面基板11は弾性金属板からなる導体板パターン12の一部(ランド部12a)にワイヤ4の一端部4aを直接半田付けするというものなので、この背面基板11にはワイヤ4との短絡を防止するための逃げ孔は不要であり、よって背面基板11の短手寸法を縮小して光学式ピックアップ全体の薄型化を促進することが容易となる。しかも、背面基板11を支持部材3に直接固定するだけでよいので、樹脂製弾性板や金属補強板にフレキシブル配線基板を重ね合わせた積層体を支持部材3に固定するという前記従来例(図5参照)に比べると、製造工程を簡素化して大幅なコストダウンが図れる。
【0021】
また、本実施例においては、図3に示すように、背面基板11の中央固定部11a内で各導体板パターン12の占有面積を略同等に設定しているので、支持部材3に対する各導体板パターン12の取付強度が略均等になっている。これにより、支持部材3に対する各ワイヤ4の取付強度が略均等化されるため、各ワイヤ4の取付強度のばらつきに起因するスキューずれ等を防止することができる。なお、本実施例のように背面基板11の短手方向に延びる中心線Oに対して4枚の導体板パターン12の全体の形状を略線対称に設定しておけば、各導体板パターン12を単純なパターニング形状でバランスよく配置させることができる。このとき、中心線O上には導体板パターン12を配置しにくく、この中心線Oの部分で背面基板11が撓み易くなるが、この中心線Oの部分を含む中央固定部11aは支持部材3の凸部3aの平坦面に固定されるため、背面基板11の平坦度は維持される。
【0022】
また、本実施例においては、背面基板11の中央固定部11aを熱硬化性の接着剤によって支持部材3に接着固定しているので、この接着工程後に外部回路接続ランド14を配線基板のリードパターンと半田接合する際に、該接着剤が加熱されても背面基板11と支持部材3との接着強度が低下する心配はない。ただし、接着ではなく、あるいは接着剤と併用して、固定ねじおよびワッシャにより背面基板11と支持部材3とを一体化してもよい。
【0023】
また、本実施例においては、各導体板パターン12のランド部12aの中央固定部11a側の近傍に透孔12bが設けてあると共に、各導体板パターン12が外部回路接続ランド14と連続する部分に幅狭部12cが設けてあるので、外部回路接続ランド14を前記配線基板と半田接合する際の熱がランド部12aに伝導しにくくなっている。それゆえ、ランド部12a上に形成されている半田フィレット8が後工程で溶融して半田付け不良を引き起こす危険性は極めて少ない。また、外部回路接続ランド14は半田接合した配線基板に押されたり引っ張られたりするため、その応力が外部回路接続ランド14を介して導体板パターン12に作用することになるが、変形しやすい幅狭部12cが外部回路接続ランド14に隣接して設けてあれば、こうした応力の影響が緩和されるため背面基板11の長寿命化が図れる。
【0024】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したような形態で実施され、以下に記載されるような効果を奏する。
【0025】
弾性金属板からなる導体板パターンをカバーフィルムで挟み込んだラミネート構造の背面基板は、長時間使用したり高温環境下に置かれても塑性変形を起こしにくく、かつワイヤの半田付け部を導体板パターンで確実に支えることができるので、各ワイヤを介して背面基板に支持される対物レンズは長期に亘ってスキューずれや位置ずれを起こしにくくなる。また、この背面基板にはワイヤとの短絡を防止するための逃げ孔を設ける必要がないので短手寸法を縮小しやすく、よって光学式ピックアップ全体の薄型化が図りやすくなる。また、樹脂製弾性板や金属補強板にフレキシブル配線基板を積層する構造に比べ、背面基板を用いる構造は製造工程が簡素化できるため、コストダウンが図りやすくなる。
また、カバーフィルムの内側で導体板パターンと外部回路接続部とが連続する部分を幅狭に形成したので、外部回路接続部を外部回路と半田接合するときの熱が該ランド部上の半田フィレットへの熱伝導が抑制できるだけでなく、半田接合後の外部回路接続部に外力が作用したときに懸念される導体板パターンへの応力の影響を緩和することができるため、背面基板の長寿命化が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る光学式ピックアップの平面図である。
【図2】該光学式ピックアップの側面図である。
【図3】該光学式ピックアップの対物レンズ支持機構に用いた背面基板の正面図である。
【図4】該背面基板のランド部とワイヤとの半田接合部を示す要部断面図である。
【図5】従来例に係る光学式ピックアップの外観図である。
【図6】従来提案に係る光学式ピックアップの平面図である。
【図7】図6に示す対物レンズ支持機構の要部断面図である。
【符号の説明】
1 対物レンズ
2 レンズホルダ
3 支持部材
3a 凸部
4 ワイヤ
8 半田フィレット
9 マグネット
11 背面基板
11a 中央固定部
11b 自由端部
12 導体板パターン
12a ランド部
12b 透孔
12c 幅狭部
13 カバーフィルム
14 外部回路接続ランド
Cf フォーカスコイル
Ct トラッキングコイル
Claims (4)
- 対物レンズを保持すると共にフォーカスコイルおよびトラッキングコイルが取着されたレンズホルダと、互いに非接触に並設された弾性金属板からなる4つの導体板パターンの両面を絶縁性のカバーフィルムで挟み込んだラミネート構造の背面基板と、一端部が前記導体板パターンのランド部に半田付けされて他端部が前記フォーカスコイルおよびトラッキングコイルに電気的に接続された導電性の4本のワイヤと、前記背面基板の中央部を自身の平坦面に固定した支持部材とを備え、
前記各導体板パターンからそれぞれ延設され外部駆動回路に半田付けにより接続される外部回路接続部を前記背面基板の中央部から前記カバーフィルムの外方へ突出させると共に、前記カバーフィルムの内側で前記導体板パターンと前記外部回路接続部とが連続する部分を幅狭に形成し、
前記背面基板の長手方向両端部に孔が2つずつ穿設され、前記各孔の周囲で前記カバーフィルムから前記導体板パターンが露出して前記ランド部が形成されており、前記各ワイヤの一端部が前記孔にそれぞれ挿通されて前記ランド部に半田付けされることにより、前記支持部材が前記背面基板および前記ワイヤを介して前記レンズホルダを支持することを特徴とする光学式ピックアップの対物レンズ支持機構。 - 請求項1の記載において、前記背面基板の短手方向に延びる中心線に対して、前記4つの導体板パターンの全体形状を略線対称に設定したことを特徴とする光学式ピックアップの対物レンズ支持機構。
- 請求項2の記載において、前記背面基板の中央部に配設されている前記各導体板パターンの占有面積を略同等に設定したことを特徴とする光学式ピックアップの対物レンズ支持機構。
- 請求項1〜3のいずれかの記載において、前記背面基板の中央部を熱硬化性の接着剤を介して前記支持部材に固定したことを特徴とする光学式ピックアップの対物レンズ支持機構。
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