JP3945068B2 - 投写型表示装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ライトバルブ上に形成される光学像を投写レンズによりスクリーン上に拡大投写する投写型表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、大画面の画像表示装置として投写型表示装置が注目されている。小型で高精細・高輝度のCRTを用いたCRT投写型表示装置、液晶パネルを用いた液晶投写型表示装置、DMD(Digital Micromirror Device)を用いたDMD投写型表示装置等が製品化されている。
これらの投写型表示装置は小形・軽量化されてビジネス・教育用途だけでなく一般家庭にも容易に導入できるようになってきた一方で、複数枚のスクリーンを縦横に配置した大画面マルチスクリーンを介して同時に多人数の観察者に画像を提供する公共表示やコントロールパネル等の用途も広がっている。
【0003】
以上のような投写型表示装置は大画面を比較的容易に得ることができると共に、近年では光源に用いられる高出力ランプの点光源化や画像を表示するライトバルブを効率よく照明する技術が進歩したことにより、光源から発した光のパワーがスクリーンに到達する割合、すなわち光の利用効率が10%を超えるものが実現可能となっている。
そこで画面の高輝度化だけでなく、投写画面の明るさ均一性の向上が重要な課題となってきた。
特に複数の投写型表示装置からの投写画面を縦横に配置するマルチ投写型表示装置においては、隣接するスクリーン間の継目を目立たなくさせるためにユニフォミティ向上の要求は極めて厳しいものとなる。
【0004】
投写画面のユニフォミティを向上させた投写型表示装置として図25に従来の投写型表示装置の例を示す。
この装置は、米国特許第5,634,704号に開示されているもので、一般的には光ミキシングロッドに代表される柱状光学素子によってライトバルブの照明均一性ならびに投写画像の明るさのユニフォミティを向上させた発明である。図にはカラー表示の為に光源の光をダイクロイックミラーでRGB3色の成分に分離した後、それぞれの色光光路中に3枚のライトバルブを配置した3板式の構成を示している。
【0005】
図25において、110は光源ランプ、111は反射鏡、301は柱状光学素子、401はレンズ手段、501、502、503はそれぞれR用、G用、B用のライトバルブ、601は投写レンズである。
以下、簡単のためにG用のライトバルブ502で説明する。光源110から発生した光は反射鏡111で集光され、集光点近傍に配置された柱状光学素子301に入射される。光はガラス/空気の界面で複数回の全反射をくり返しながら柱状光学素子301内を伝播し、出射端面において明るさの均一性が高い発光面を再構成する。柱状光学素子301の断面形状をライトバルブ502と相似な形状とすること、かつレンズ手段401が柱状光学素子301の出射端面に形成される発光面と共役な光学像を所定の倍率でライトバルブ502近傍に形成することでライトバルブ502の照明均一性を効率よく向上させることができる。なお、他の構成要素については米国特許第5,634,704号を参照されたい。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
さて、以上に説明したような柱状光学素子を用いた投写型表示装置の場合、複数の光源による投写画面の高輝度化を実現することは困難であった。
柱状光学素子の開口は複数の光源を並列して配置させるには小さ過ぎる為、各光源の集光点を入射端面上で一致させることは困難である。
一方、複数の光源を互いに角度を付けて配置し各光源の集光点を入射端面上で一致させた場合は、柱状光学素子を出射する照明光の角度範囲が増大するため、結局ライトバルブの照明に寄与しない角度成分を持つ光が増加し光利用効率は低減するという問題がある。
以上のように、柱状光学素子を用いた複数光源による投写型表示装置の実現が投写画像の高輝度化とユニフォミティ向上を両立する上で大きな課題であった。
【0007】
本発明は、以上のような従来技術の問題点を解決し、光源光の光利用効率を向上させ、投写画像の高輝度化と明るさの均一性向上を両立することができる、複数の光源を用いた投写型表示装置を提供することを目的としている。
具体的には複数光源からの光を効率よく合成し、出射端面において均一照明源を形成する柱状光学素子に効率よく光源光を伝達することができる光束合成手段を提供すること、またこの光束合成手段と柱状光学素子を用いた投写型表示装置を提供することが課題である。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る投写型表示装置は、発光体と、該発光体に対応して設けられ、前記発光体からの光を集光して略平行光束として出射する集光手段とからなる複数の光源を備えた光源手段と、該光源手段の複数の光源から出射される略平行光束が入射され、これらを合成して出射する光束合成手段と、該光束合成手段からの出射光束が入射され、光強度がほぼ均一な出射面を形成する柱状光学素子と、該柱状光学素子の出射面の光を伝達して所定位置に所定大きさの光強度がほぼ均一な照明光面を形成する光伝達手段と、前記照明光面からの照明光を受けて、表示面上に画像情報を光学像として形成するライトバルブと、前記光学像を拡大投写する投写レンズ手段とを備えた投写型表示装置であって、前記光束合成手段は、前記複数の光源から出射される略平行光束を入射させる光入射面と、前記複数の光源から出射される略平行光束の各々の方位軸とほぼ平行な回転軸を持つ回転放物面からなる反射面と、該反射面にて反射された集光光束を出射する出射面を有すると共に、前記回転放物面の焦点位置近傍に前記複数の光源の各発光体の第1の像を形成し、前記柱状光学素子は、前記各発光体の第1の像近傍に入射面が位置するように配置され、前記光伝達手段は前記柱状光学素子の出射面に形成される発光面と前記ライトバルフの表示面をほぼ共役な関係とし、前記出射面から前記投写レンズの入射瞳に至る光路中に前記発光体の第2の像を形成し、該第2の像と前記入射瞳をおよそ共役の関係とすることを特徴とするものである。
【0009】
また、この発明に係る投写型表示装置の光源手段は、各々の方位軸が該光源手段の前方で交差するように対向して配置される複数の光源からなり、
光束合成手段は、回転放物面の頂点を含み、かつその回転軸に垂直ではない平面により前記回転放物面から切り取られた閉曲面が、前記平面に関して面対称となるように向い合わされてなる第1の光学素子と、前記方位軸に垂直な平面からなる光入射面と、曲面からなる光出射面を有する2つの第2の光学素子とから構成され、前記略平行光束は、直後の前記第2の光学素子を透過したのち前記閉曲面の一方を透過して前記第1の光学素子へ入射し、もう一方の前記閉曲面の空気界面にて全反射されること特徴とするものである。
【0010】
また、この発明に係る投写型表示装置の光源手段は、各々の方位軸がほぼ平行でかつ出射方向が同じ側となるように隣接して配置される複数の光源からなり、光束合成手段は、前記方位軸に垂直な一つの光入射面と、回転放物面の頂点を含み、かつその回転軸に垂直ではない平面により前記回転放物面から切り取られた閉曲面からなる一つの光反射面と、該光反射面にて反射された集光光束を出射する一つの光出射面からなり、前記光源手段から出射される略平行光束は、前記光入射面から入射したのち前記閉曲面の空気界面にて全反射されること特徴とするものである。
【0011】
また、この発明に係る投写型表示装置の光源手段は、各々の方位軸がほぼ平行でかつ出射方向が同じ側となるように隣接して配置される複数の光源からなる異なる2つの光源群で構成され、各光源群はその前方で前記方位軸が交差するように対向して配置されること特徴とするものである。
【0012】
また、この発明に係る投写型表示装置の光束合成手段は、その第2の光学素子の出射面が第1の光学素子の入射面とほぼ同じ面形状の曲面であり、かつ両光学素子が微小間隔を隔てて配置されることを特徴とするものである。
【0013】
また、この発明に係る投写型表示装置の光束合成手段は、その出射面が回転放物面の焦点位置を中心とする球面からなることを特徴とするものであるめ。
【0014】
また、この発明に係る投写型表示装置の光束合成手段は、その出射面が回転放物面の焦点位置を中心とする円弧を該円弧が含まれる平面に垂直な直線に沿って延伸させた曲面からなることを特徴とするものである。
【0015】
また、この発明に係る投写型表示装置の光束合成手段は、その出射面が非球面からなることを特徴とするものである。
【0016】
また、この発明に係る投写型表示装置の光束合成手段は、その出射面が平面で構成され、かつ前記光束合成手段から柱状光学素子に至る光路中に補助的なレンズ手段が配置されることを特徴とするものである。
【0017】
また、この発明に係る投写型表示装置の光束合成手段は、柱状光学素子の入射端面近傍に長円形状に偏平した発光体の像を形成することを特徴とするものである。
【0018】
また、この発明に係る投写型表示装置の集光手段は、凹面鏡を備え、該凹面鏡は回転放物面を近似してなる反射面を有すると共に、前記回転放物面の焦点距離をF1、前記光束合成手段の反射面を構成する前記回転放物面の焦点距離をF2とするとき、
1.5<F2/F1<5.0
なる関係を有することを特徴とするものである。
【0019】
また、この発明に係る投写型表示装置の光源手段は、少なくとも2つ以上の発光体と、該発光体からの光を集光し略平行光束を出射する発光体と同数の集光手段と、該集光手段側に頂点を向け前記略平行光束を光軸方向に偏向させる錐体状の入射面、ならびに該集光手段側に頂点を向け光軸方向に偏向された前記略平行光束を再び光軸に平行な方向に偏向させる錐体状の出射面を有する光屈折素子からなることを特徴とするものである。
【0020】
また、この発明に係る投写型表示装置の柱状光学素子は、出射端面が矩形であり、該出射端面の形状がライトバルブの表示面の輪郭形状と相似形状であることを特徴とするものである。
【0021】
また、この発明に係る投写型表示装置の柱状光学素子は、出射端面形状が異なる複数の柱状光学素子からなり、ライトバルブ表示面上の画像表示領域に応じて前記柱状光学素子が切り替えられ、光路中の所定位置に配置されることを特徴とするものである。
【0022】
また、この発明に係る投写型表示装置の光伝達手段は、柱状光学素子から出射した光束を略平行化し、発光体の第2の像を形成する正のパワーを有する少なくとも1枚のレンズ手段からなる第1のレンズ群と、前記柱状光学素子の出射面に形成される発光面と表示面をほぼ共役な関係とし、かつ前記発光体の第2の像と前記入射瞳をおよそ共役の関係とする少なくとも1枚のレンズ手段からなる第2のレンズ群とを含む、少なくとも2つのレンズ群を備えることを特徴とするものである。
【0023】
また、この発明に係る投写型表示装置の光伝達手段の第2のレンズ群は、前記柱状光学素子の出射端面側から順に負のパワーを持つ少なくとも1枚のレンズ手段と正のパワーを持つ少なくとも1枚のレンズ手段が配置されて構成されるレトロフォーカスレンズ系を含むことを特徴とするものである。
【0024】
また、この発明に係る投写型表示装置の複数の発光体は、異なる分光放射特性を有する複数種類の発光体によって構成され、該複数の発光体を同時に発光させることにより互いの分光放射特性を相補的に利用することを特徴とするものである。
【0025】
また、この発明に係る投写型表示装置の複数の発光体は、異なる分光放射特性を有する複数種類の発光体によって構成され、該複数種類の発光体を選択的に発光させることを特徴とするものである。
【0026】
また、この発明に係る投写型表示装置の複数の発光体は、同種の発光体によって構成され、該複数の発光体を順次連続的に点灯することを特徴とするものである。
【0027】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図面に基づいて本発明の一実施の形態を説明する。
図1は、実施の形態1に係る投写型表示装置の構成を示す概略図である。
図において、1は光源手段、11は光源手段1を構成する第1の光源であり、第1の発光体11Aと第1の放物面鏡11Bによって略平行光束81を放射する。また、12は第2の光源であり、第1の光源11と同様に第2の発光体12Aと第2の放物面鏡12Bから構成されており略平行光束82を放射する。
また、それぞれの略平行光束81、82が出射する方向を方位軸71、72として示している。
2は光束合成手段であり、緩やかな曲面からなる2つの光入射面を持つ第1の光学素子20と、これら光入射面にほぼ密着されて配置される2つの第2の光学素子21、22から構成されている。
【0028】
第2の光学素子21、22の光入射面21A、22Aは、対応する光源からの入射光が略垂直に入射する平面として構成されている。
さらに、第1の光学素子20の光出射面20Cは、光軸7に垂直な平面である。また、3は一対の光入射端面と出射端面を持つ柱状光学素子、4は複数種類のレンズ手段から構成される光伝達手段であり、柱状光学素子3からの発散光束を略平行化する第1のレンズ系41と、透過型のライトバルブ5へ向かって照明光束を収束させる第2のレンズ系42と、ライトバルブ5を照明する光束を投写レンズ6の入射瞳60に効率よく導く第3のレンズ系43で構成されている。
透過型ライトバルブ5上に形成される画像情報等は投写レンズ6によって拡大され図示しないスクリーン上に表示される。
【0029】
まず、光束合成手段2の作用について詳しく説明する。
図2は光源手段1の第1の光源11と第1の光学素子20と第2の光学素子21からなる光束合成手段2を示しており、第2の光源12ならびにもう一方の第2の光学素子22は図面の簡略化の為に図示を省略した。
図において、第1の光学素子20は点Pを焦点とする回転放物面20Dの一部からなる緩やかな曲面20Aと、同じく点Pを焦点とし放物面20Dと同じ焦点距離を持つ図示しない回転放物面の一部からなる緩やかな曲面20Bが向かい合う形で構成され、上面20F、底面20G、光出射面20Cを加えた5面体を形成している。
【0030】
一方、第2の光学素子21は曲面20Bとほぼ同じ面形状からなる曲面と、第1の発光体11Aの発光中心から放射され、第1の放物面鏡11Bで略平行化された光線がほぼ垂直に入射するように構成された平面が向かい合う形で形成する、およそ楔型の形状を持った5面体を形成している。
第1の光学素子20と第2の光学素子21は曲面20Bの一部を共有する形で密着され、僅かな空気間隔を設けて配置されている。また、P1は第1の光源11の方位軸71と曲面20Aの交点を、P2は図示を省略した第2の光源12の方位軸72と曲面20Bの交点を示している。第1の光源11と図示しない第2の光源12は共通の平面内に配置され、このため2つの方位軸71、72、ならびに点P、P1、P2は全て同一平面内に含まれている。
【0031】
さらに、第1の光学素子20の立体形状を具体的に形成する手順を図3により説明する。図において73は回転放物面20Dの回転軸である。その他の符号は図2と同様であるので説明を省略する。
まず、放物面鏡11Bの方位軸71と平行な回転軸73を持つ回転放物面20Dを考える。
なお、回転軸と方位軸は共通の直線を表す類似語であり、ここでは回転放物面20Dの焦点Pに発光体は配置されないので回転軸73とする。
また、回転放物面20Dは放物面鏡11Bより大きな開口を持つよう図のように配置する。
次にその回転軸73に垂直ではない平面、ここでは光軸7を含み、図面に垂直な平面7Sを想定する。この平面7Sによれば、回転放物面20Dより図中点Aから点Bの範囲で示される閉曲面(図中斜線部)を切り取ることができる。
この閉曲面を、平面7Sに関して面対称となるように向い合わせると、およそ二枚貝のような外形形状を有する立体を形成することができる。この立体形状が第1の光学素子20の母体となるものである。
さらに、平面20Cにより光が出射する面を形成すれば第1の光学素子20が形成される。
【0032】
なお、光学素子20は透明な硝子材料、あるいはこれに準ずる光学特性を示すプラスチック等の材料で構成されている。
また、第1の光学素子20と第2の光学素子21、22は光学作用面以外の面を用いて接続され、光束合成手段2として一体化されるのが好適である。具体的な接続方法としては別部材を介した接着が可能であるが、機構構造部品を用いて保持し一体化することも可能である。
いずれにしても光学作用面ではない平面を図2に示す上面20F、21Fと底面20G、21Gのように設けることは一体化と正確な配置に有効である。
なお、光学作用面は光学研磨等により所望の面精度を確保し、透過率の低下を回避することが重要であり、逆にそれ以外の面においては、例えばすりガラスのような細かな凹凸が生じるような処理や黒色塗装を施すことにより、不要光の散光による迷光の低減が期待できる。
【0033】
第1の光源11は方位軸71と回転放物面20Dの回転軸がほぼ平行となるように配置されており、このため第1の光源11からの略平行光束は第2の光学素子21の入射平面および出射曲面と、第1の光学素子20の曲面20Bにおいてはほとんど屈折作用を受けず、略平行光束のまま第1の光学素子20内部に進行し、曲面20Aにおいて全反射されるとともに点Pに向かうように偏向され集光される。
光束合成手段2は方位軸71、72、ならびに点P、P1、P2を含む平面に垂直、かつ光軸7を含む平面に関して対称であるため、上記集光作用は第2の光源12からの略平行光束に対しても同様に生じる。
こうして集光された2つの光源からの光束は所定の角度で点Pに向かい合成される。
【0034】
ここでさらに、図4により光源と光束合成手段の光学作用面の関係について説明する。
まず、焦点距離F1を有する放物面鏡11Bの焦点位置に実効長L1の発光体11Aが配置され、方位軸71に沿った方向に略平行光束を出射している。
実際には発光体11Aから方位軸71を挟んで下側にも光は出射されるがここでは図示しない。略平行光束のうち発光体11Aの中心から発する光線を実線で、発光体11Aの両端部から発する光線を破線ならびに一点破線で示し、それぞれの光線が集光される様子を示している。
【0035】
これらの光線群は第2の光学素子の入射面21Aと第1の光学素子の曲面20Bを通過し、反対側の曲面20Aにて全反射作用を受けた後、放物面20D、20Eの共通の焦点P付近で集光し、第1の発光体11Aの光学像を形成する。これは回転放物面20Dの回転軸が第1の光源11の方位軸71とほぼ平行に配置されることによるものである。これらの光線群の集光角度は図中の角度θで表すことができる。
また、第1の発光体11Aから下側に発する光線群も同様の反射作用を受け点Pに向かって集光されるため、第1の光源11から発せられた光が点P近傍に集光される角度をおよそ決定することができる。さらに実際には、出射面20Cが平面であればこれを通過する際に多くの光線が屈折作用を受け、点P近傍に集光される光線群のうち最外角光線がなす角度は大きくなる。
一方で光学像の実効的な大きさは小さくなるため、集光点近傍に配置する柱状光学素子の入射開口を通過する光線が増加する。
【0036】
以上のように、光束の収束角度と発光体の実像の大きさとの関係は光の利用効率に大きく影響を及ぼすため、後段の光学システムの構成によっては出射面20Cを点Pが中心となる球面や、焦点を中心とする円弧を該円弧が含まれる平面に垂直な方向に延伸させた曲面からなるシリンドリカル面、あるいは非球面等で構成し、前述の屈折作用を軽減させることも好適である。また、光束合成手段を出射した光束の集光具合や光束の断面形状を微小変化させる為、光束合成手段2から柱状光学素子3に至る光路中に補助的なレンズ手段を挿入することも勿論可能である。
【0037】
なお、一般的な投写型表示装置において、ライトバルブ5の画像表示領域の形状は矩形であることが多く、そのため柱状光学素子3の開口形状もこれに合わせて矩形に構成することが多い。
その点を考慮すると、柱状光学素子3の入射端面近傍に結像される発光体の実像の強度分布は円形ではなく長円形でおよそ近似できる形状に、すなわち矩形の短辺方向に偏平な形状になっている方が都合良い。
したがって、光束合成手段の出射面形状の最適化においては、収束角度と発光体の大きさだけでなく、その分布形状も考慮に入れることが好ましい。
【0038】
以上、説明したような光束の収束角度と光源像の大きさの関係から光束合成手段の設計をする際のパラメータについて、同じく図4により簡単に説明する。
図4において、11Bは焦点距離をF1とする放物面であり、その焦点位置近傍には長さL1の発光体11Aが配置されている。
また、20DはF2>F1である焦点距離F2を持つ放物面であり、放物面11Bの回転軸71と放物面20Dの回転軸73がほぼ平行となるように配置されている。
発光体11Aは簡単な結像関係にしたがって放物面20Dの焦点P付近にその像を形成するが、たとえば回転軸73方向の長さL2は次式から求めることができる。
L1/L2=(F1/F2)2 (1)
【0039】
同様にして、回転軸73と垂直な方向の像の大きさも既知の公式から計算することができるので、焦点Pに形成される発光体11Aの像の大きさをおおよそ見積もることができる。
しかし、実際には点線や一点破線で示すようなさまざまな光線が存在するだけでなく、各光線について発光体の強度分布(輝度分布)ならびに角度分布(光度分布)による重み付けを考慮しなければ、光源像の状態を厳密に知ることは難しい。
よって、後段に配置される柱状光学素子からみた見かけ上の光源像の大きさL3を求めるためには、計算機シミュレーションによる照明解析や実験による確認が必要となる。
光束合成手段の具体的な設計はこのような確認作業を繰り返して行い、第1の光学素子を形成する回転放物面の焦点距離や2つの放物面20D、20Eの配置角度、素子の材料等を最適化することである。
この際、例えば2つの放物面の焦点を完全に一致させずに僅かにずらして配置し、各発光体の像が形成する集光光束の形状を調節すること等が実際的な設計手法として有効な場合がある。
なお、光束の形状とは光軸に垂直な断面における光束の実効的な外形形状のことを意味する。
【0040】
次に、図1に示すような全体光学系の最適化設計の一例について述べる。
超高圧水銀放電ランプを模した光源モデルと回転放物面鏡による計算機シミュレーションによれば、電極間距離1.4mmの場合、F1=7.5mm、F2=15mmの設定でランプ1個の場合の約1.2倍、同じく電極間距離1.3mmの場合でランプ1個の場合に対して約1.3倍の光利用効率を実現可能であることを確認している。
以上のような計算機シミュレーションを繰り返した結果から、対角長が1インチ前後のライトバルブを用いる投写型表示装置の最適設計という条件の下では、次式(2)を満たす光束合成手段が好適である。
1.5<F2/F1<5 (2)
【0041】
以上のように、光束合成手段2は全反射を利用して光束を偏向させるため、反射面ではほとんどエネルギーの損失がなく光の利用効率向上に有利である。
さらに反射作用は屈折作用と異なり光の波長によらず反射角度が一定である為、光束を大きく偏向させる場合に色分離しないという利点もある。
また光束合成手段は各光学作用面が比較的広い面積からなる構成を許容するため、光源手段直後に配置するにもかかわらず熱的な不具合を軽減させ易いという点でも優れている。
【0042】
次に、柱状光学素子3の作用について説明する。これは前述の従来の投写型表示装置に用いられているものとほぼ同じものが適用可能であり、図5に柱状光学素子3の概略図を示す。
図において、30は柱状光学素子3の入射面、31は同じく出射面、点PA、PB、PC、PDは点P近傍に形成される発光体の光学像(実像)の虚像が位置する点である。
図のように柱状光学素子の入射面30は光束合成手段の集光点Pの近傍に配置され、柱状光学素子3内部に侵入した光線は側面で全反射を繰り返しながら伝播する。出射面31からは図の点線で示される方向に位置する点PAから点PDに異なる発光体が存在し、そこから光が発せられているように見える。
【0043】
すなわち出射面31は複数の虚光源から発せられる光束が重畳して通過する開口であり、強度分布の均一性に優れた面発光体を形成することになる。図から明らかなように、全反射の回数が出射面31での重畳度合い、すなわち強度分布の均一性を決定するため、柱状光学素子3の長さは計算機シミュレーションや実験によって最適値を求めることができる。
なお、この開口の形状はライトバルブの照明効率を向上させる為にライトバルブの画像表示領域と相似な矩形形状にするのが好適であり、入射面30も同形状とする直方体に成形されることが多い。
【0044】
なお、異なるアスペクト比、すなわち長辺と短辺の比率が異なる矩形の入射/出射端面形状からなる複数種類の柱状光学素子3を用意し、選択的に所定の光路中に配置するように構成すれば、ライトバルブ5の所望の領域のみを効率よく照明することも可能である。
例えばNTSCフォーマット(4:3)とHDフォーマット(16:9)の切り替えや、XGAフォーマット(4:3)からSXGAフォーマット(5:4)に対応する表示エリアの変更をライトバルブ5の方で行う場合などに対応し、出射端面の形状が異なる複数の柱状光学素子3と、これらを光路中の所定の位置に選択的に配置させる機構手段を備えることにより、各フォーマットによる画像表示に適した投写型表示装置を提供することができる。
【0045】
続いて、図6に照明光学系ならびに投写光学系の構成を示し、光伝達手段4と投写レンズ手段の作用について説明する。
図において、300は図5の点PAから点PDを含む仮想面であり、発光体の実像と虚像からなる発光体像群が存在することは前述の通りである。
光伝達手段4はレンズ手段44、45、46を含み、それぞれのレンズパワーを表現する両方向矢印で示している。ここで、柱状光学素子の出射端面近傍に配置されたレンズ手段44は主に仮想面300上の発光体群が柱状光学素子3から投写レンズ手段6に至る光路中で、かつレンズ系45の近傍に形成する発光体群の実像301の結像に寄与するレンズ系を代表しており、46は主に発光体群の実像301と投写レンズ手段6の入射瞳60を共役な関係とするレンズ系を代表して示している。
45は、出射面31とライトバルブ5の画像表示面近傍に形成される光学像310をおよそ共役な関係とするレンズ系を代表して示すものである。また、302は発光体群の実像301の光学像、50はスクリーン手段9上に拡大表示された投写画像を示している。
【0046】
以上のように構成された光伝達手段4によれば、柱状光学素子 の出射端面31に形成される均一な強度分布を持つ面発光体から出射した光は、ライトバルブ5上で画像表示領域の大きさと略同寸法の矩形状光学像310を形成するため、高い照明効率を得ることができる。
また、光学像302を投写レンズ手段6の入射瞳とほぼ同等の大きさとすることができるので、ライトバルブ5上に形成された画像が効率よく拡大投写されることになる。
具体的な光伝達手段例については後述するが、上記の共役関係を保った上で光学システムを構築することは一般的な光学設計の範疇にあり、液晶パネルのような透過型のライトバルブだけでなく、DMDのような反射型のライトバルブを用いる場合にも最適な光学システムの設計が可能であることは言うまでもない。
また、色分離光学系等の配置によって、白色光をR,G,B3色の色光に分離し、各色光に対応した3つのライトバルブを用いる3板色の投写型表示装置に適用できることは言うまでもない。
【0047】
いずれにしても、複数の光源手段を同時に点灯すれば単一光源では得られない明るい投写画像を供する投写型表示装置を構成することができる。
また、複数の光源手段の一方のみ点灯させておき、光センサー等の適当な手段で予め設定された減光状態を検知すれば、寿命による不点灯状態の直前にもう一方の光源手段を点灯させることで不点灯状態を回避しながら単一光源のほぼ倍の寿命を持つ投写型表示装置を提供する。この他にも、複数光源手段の点灯方法の違いに基づく様々な変形例についても本発明に含まれるものである。
【0048】
以上説明したように、本実施の形態によれば、光束合成手段は複数の光源手段から出射された略平行光束を放物面からなる反射面にてほぼ1点にこれを集光し、発光体の像を柱状光学素子の入射面近傍に形成するとともに、略平行光束を所定の角度を持った単一の集光光束に変換し、これを柱状光学素子に入射させる。また、光伝達手段は柱状光学素子の出射面に形成される発光面を物体面とし、ライトバルブの画像表示面近傍を像面とする共役関係によってライトバルブを照明するとともに、柱状光学素子からライトバルブに至る光路中に形成される発光体の2次的な実像を投写レンズの入射瞳上に結像する。
さらに投写レンズ手段はライトバルブの画像表示面上に形成される光学像をスクリーンに拡大投写する。
【0049】
実施の形態2.
図7は、実施の形態2に係る投写型表示装置のうち、光源手段と光束合成手段の異なる構成からなる変形例を示す概略図である。
図において、25は光束合成手段であり、第1の光源11からの略平行光束を反射する1つの反射面25Aと1つの入射面25B、1つの出射面25Cが同図のように配置されている。
その他の符号は図1と同様であるので説明を省略する。 図から明らかなように、光束合成手段25は図2で説明したような第1の光源11が作用する光束合成手段2の光学作用面だけを取出したような構成をしている。
2つめの光源は第1の光源11の手前、あるいは奥に配置されているとし、ここでは図示を省略している。
【0050】
図8は、図2と同様の斜視図であり、方位軸71とほぼ平行な方位軸76を持つ2つめの光源である第2の光源13が第1の光源11と隣り合う形で配置される。
また、25は光束合成手段であり、第1の光源11からの略平行光束を反射する1つの反射面25Aと1つの入射面25B、1つの出射面25Cが同図のように配置されている。その他の符号は図1と同様であるので説明を省略する。
図から明らかなように、光束合成手段25は図2で説明したような第1の光源11が作用する光束合成手段2の光学作用面だけを取出したような構成をしている。
本実施の形態における2つめの光源(即ち、第2の光源13)は光源手段11の手前、あるいは奥に配置されているところを示している。
点P3は2つめの光源(第2の光源)の方位軸76と反射面25Aの交点を示し、この反射面25Aを形成する回転放物面を25Dに示している。
なお、その他の符号については図7と同様であるので説明を省略する。
【0051】
光束合成の作用は図1に示す複数光源手段の対向配置の場合と同様であるので詳しくは述べないが、本構成の場合、第2の光学素子を省略することができるため、空気界面でのエネルギー損失を無視できない面を減らすことができ、結果として光の利用効率が向上する可能性が高い。さらに、構造的に簡略化できる点が製造上の観点からも有利である。
【0052】
図9は、隣接配置された2つの光源11および13で構成された光源手段から出射された略平行光束が集光点Pに到達する様子を模式的に示したものである。符号はすべて図8と同様であるので説明を省略する。光源11ならびに13から出射される略平行光束を多数の実線で示し、点Pに至る光束の集光角度を矢印で表している。
光束合成手段内部の点線楕円は略平行光束が全反射される範囲を模式的に示している。
2つの光源を隣接配置することによって矢印で示される集光角度が大きくなるが、これを小さくする方法としては放物面25Dの焦点距離を光源手段に用いる放物面鏡の焦点距離に対して相対的に大きくするか、あるいは光源手段の出射開口径を相対的に小さくするといったことが考えられる。
【0053】
集光手段の開口部の大きさを減ずる具体的な手段として、図10に示すような矩形開口を持つ放物面鏡を集光手段として用いた光源15を用いても良い。
図において、15Aは発光体、15Bは点線で示される円形開口の放物面鏡を4辺で切断し、開口形状が矩形となるように構成された放物面鏡である。
この場合、反射面の減少にもかかわらず実効的な集光効率の低減をできるかぎり抑えるためには発光体の配光分布を放物面の頂点側に偏重させるといった工夫が必要となる。
以上のような光源によれば、複数光源の隣接配置による略平行光束径の増大を容易に避けることができるため、前述の集光角度の抑制に非常に有効な具体的手段となる。
【0054】
尚、図7によれば、光軸7を含み図面内での光線の集光角度θHは、前述の実施の形態である複数光源の対向配置に比べて小さくできることは明らかである。しかしながら、複数光源の配置と光利用効率の関係性については、投写型表示装置の光学仕様に基づく多くのパラメータに依存しており一義的に求めることは不可能である。
いずれにしても前述の設計手法によって光束合成手段の最適設計は可能であり、単一光源よりも明るい投写型表示装置を設計することができる。
【0055】
実施の形態3.
図11は、隣接ならびに対向配置された4つの光源から出射された略平行光束を偏向かつ収束し、柱状光学素子3に導く光束合成手段の該略図である。
図から明らかなように、光源11、12と同じく光源13、14は実施の形態1で説明したのと同様の対向配置の関係にあり、一方、光源11、13ならびに光源12、14はそれぞれ実施の形態2で説明した隣接配置の関係にある。
尚、光源14は発光体14Aと集光手段14Bから構成されており、略平行光束を出射する。
他の3つの光源11、12、13も光源14と同様の構成である。
各光源から出射した略平行光束の動作は前述の実施形態1ならびに実施形態2と同様であるので説明は省略する。
勿論、本実施の形態によっても光束合成手段2は前述のような光束の偏向作用と集光作用を呈するので、柱状光学素子3には所定の角度範囲にわたる集光光束を導くことができる。
【0056】
なお、光束合成手段2の光学作用面において光束エネルギーが極度に集中することがなく、各光学素子に熱的な負荷を与えにくい点で優れていることは、実施形態1ならびに実施形態2と同様である。
さらに実施形態2で説明した矩形開口を有する光源手段を適用すれば、光束合成手段2のx方向ならびにy方向の寸法を抑制し、柱状光学素子3への集光角度を小さくすることができる。
隣接配置と対向配置の併用によって、特別に困難な問題が生じることはなく、したがって実施形態1ならびに実施形態2と同様の方法によって柱状光学素子3以降の光学系の設計が可能である。
さらに、投写型表示装置の仕様を満足する光束合成が可能である限りは、図11のy方向に隣接する光源の数を3個以上に増やすことも勿論可能である。
【0057】
また、複数の光源の点灯方法に基づく他の効果は実施の形態1で述べた通りであるが、通常使用時には複数の光源のうち、ひとつだけ点灯させ、寿命特性に基づく交換要求信号を検出すると別の光源手段が点灯するようにすれば、連続点灯時間を単一光源に対して光源数だけ倍加させることができ、長寿命の投写型表示装置を提供することができ、光源の交換作業の回数を減らせるなどの利点も生じる。
もちろん、以上のような点灯方法は前述の実施形態1、実施形態2においても適用可能であることは言うまでもない。
【0058】
実施の形態4.
次に、光源手段から出射される略平行光束を整形する光屈折手段について説明する。
図12は光源手段を構成する各光源11および12から柱状光学素子3までを示す概略図であり、各光源から光束合成手段3の入射面に至るそれぞれの光路中に配置した光屈折素子(光屈折手段)により略平行光束径を減ずるところを示している。
図において、11Cは第1の光源11から光束合成手段2の第2の光学素子21に至る光路中に配置された光屈折手段であり、12Cは第2の光源12と第2の光学素子22の間に配置された同様の光屈折手段である。その他の符号は図1と同じであるので説明を省略する。
【0059】
次に、具体的な光屈折手段の構成ならびに作用について、第1の光源11から出射された光束について説明する。第2の光源12から出射された光束についても同様であることはいうまでもない。
図13は第1の光源11から出射された略平行光束が光屈折手段11Cによってその径を絞られる様子を模式的に示した概略図である。
図において、81Aは第1の発光体11Aから放射され、回転放物面からなる反射面を有する第1の反射鏡手段11Bで反射された略平行光束について、光のエネルギー分布が相対的に低い値を持つ領域を示しており、斜線部でこれを表現している。
これは第1の発光体11Aから第1の反射鏡手段11Bに向かう光線の角度φが大きいところでは、エネルギー分布が鉛直方向に比べてもともと低いことに加えて、発光体11Aを備える光源ランプ自身に遮られる光線が多い為である。
【0060】
光屈折手段11Cは、図のように対向する平行屈折面11CA、11CBを有する断面形状を中心軸(方位軸)71回りに回転して得られる傘状の光学素子である。
この光屈折手段11Cによれば領域81Aを見かけ上圧縮するような効果が得られることは図からも明らかである。
光屈折手段11Cに入射した略平行光束81は屈折の法則に従って図のような進路を取ることによって中心部の低エネルギー領域を低減させたより小径の略平行光束81Bとして出射される。なお、光屈折手段11Cは透明な光学材料で形成することが可能であり、その屈折率と頂角2θa、厚さTが主な設計パラメータとなる。
【0061】
図14は光屈折手段11Cを挿入した前後での光束合成手段2による集光作用の相違を模式的に示した概略図である。
図において、φaならびにφbは光屈折手段11Cを挿入する前後の略平行光束の直径を示し、α、βはそれぞれ点Pに向かう集光光束の集光角度を示している。
図中、クロスハッチで示される領域が光屈折手段11Cの挿入によって光線が通らなくなった部分である。光束合成手段の全反射部分が減少している様子と点Pへの集光角度が小さくなっていることが容易に確認できる。
このような不要になった部分を除去すれば、光束合成手段2を小形化できるとともに、集光角度を抑えることで光の利用効率を向上させることができる。
【0062】
なお、実際の不要部分の除去は図15に示すように放物面の焦点である点Pを中心とした全反射面の回転によって行なうことができる。
勿論、全反射面の回転に応じて光屈折手段11Cと、これに対応する光源手段も同じように回転させなければならない。
図において、26は光屈折手段11Cを挿入する前の光束合成手段の全反射面、27は点Pを中心として光束合成手段を所定の角度だけ回転させた全反射面、27aは光屈折手段11Cを挿入した後の光束合成に適した第1の光学素子を示している。
回転後は光束合成後の光軸を、光軸7から光軸7aに変換することによって図14の光軸7近傍に存在した不要な角度成分を除去することができる。
一方、光軸7に対して外側の不要領域は全反射面を切り詰めることで除去することができる。
結果として小形化された第1光学素子27aを得ることができる。
【0063】
さて、前述の光エネルギー分布が相対的に低い値を持つ領域を低減させる、すなわち光束角度分布の均一性向上を図る別の方法について説明する。
図16は、柱状光学素子3の直前に配置された錐体状の光学素子33を示す図であり、図示しない光束合成手段からの収束光束が錐体状光学素子33の屈折作用によってその角度を小さくする様子を示している。
さらに、錐体状光学素子33の具体的な屈折作用を図17に示す。図中33Aは光エネルギー分布が相対的に低い値を持つ領域を示しており、斜線部がこれに相当する。
すなわち、光源手段と光束合成手段の間には前述の光屈折手段が挿入されておらず、合成後の光束が角度分布の均一性を損なったまま柱状光学素子3に達する状況を想定している。
このような錐体状光学素子33によれば、光束の角度分布の均一性を向上させる効果が大きく、さらに光源の個数に関係なくただひとつの素子によって所望の効果が得られる点で優れている。なお、柱状光学素子3の直前に配置された錐体状光学素子33の詳しい動作については米国特許5,634,704号のFig.14で説明されているのでここでは省略する。
【0064】
以上に述べたように、光屈折手段の挿入による光束合成手段の小形化、ならびに錐体状光屈折素子による集光光束の角度抑制は、これまでに述べた他の実施の形態に適用することができるのは勿論であり、複数光源の配置や個数に何ら制限を与えるものではい。
【0065】
実施の形態5.
続いて、光伝達手段4の具体的な構成について説明する。図18は柱状光学素子3から投写レンズ手段6までの構成を示す概略図である。
図において、41は柱状光学素子3から出射された発散光束を略平行化するコリメータレンズ手段、42Aは負レンズ手段、42Bは正レンズ手段であり、ライトバルブ5へ照明光束を導いている。
また43はフィールドレンズ手段でライトバルブ5を照明する光束を効率よく投写レンズ手段6の入射瞳60へ導く作用を有する。これらのレンズ手段によって光伝達手段4が構成されている。
また、10は柱状光学素子3から投写レンズ手段6に至る光路中に形成される発光体の実像を示している。
発光体の実像10の形成等、物体面と像面の共役関係については図6により説明した内容と同様であるのでここでは説明を省略する。なお、柱状光学素子3の出射端面の両端から出射する光線の振る舞いを点線で模式的に示している。
【0066】
さて、コリメータレンズ手段41は図に示すように正レンズで簡単に構成することができる。コリメータレンズ手段41に必要な正のパワーを2枚以上のレンズ手段で構成すれば、収差補正の点で有利であることは言うまでもない。
また、負レンズ手段42A、正レンズ手段42Bは合わせて正のパワーを持つレンズ系を構成する一方で、負、正パワーのレトロフォーカス構成によるバックフォーカル長の増長作用も有している。このような構成は、小形化の要求の為に光路を折り曲げることが頻繁に行なわれる投写型表示装置の光学系においては、ミラー手段を挿入するスペースを確保する上でも有効な手段と言える。
【0067】
フィールドレンズ手段43は、面発光体を形成する柱状光学素子3の出射端面とほぼ共役な関係にあるライトバルブ5の近傍に配置される正レンズである。
これは投写レンズ手段6の入射瞳60を通過する光線を増加させる効果があり、特に投写画面の周辺光量を増加させる働きがある。
【0068】
以上、光伝達手段4の具体的な構成として図18を示したが、光学作用面の削減の為にいずれかの面に非球面を導入したり、軽量化の為にフレネルレンズや回折レンズを用いることも可能である。
なお、図18に示した構成は光伝達手段4の一例であり、柱状光学素子による面発光体をライトバルブ照明に利用する投写型表示装置の照明光学系において様々な形態の光伝達手段を適用可能であることは言うまでもない。
【0069】
図19は本実施の形態に係る投写型表示装置の構成を示す概略図である。
図において、47は光伝達手段4の光路中に配置された反射ミラー手段であり、反射型ライトバルブ50に向けて照明光束を偏向する作用を持つ。
50は照明光軸74と投写光軸75を異とする反射型ライトバルブである。
その他の符号は図1で説明したのと同様であるので説明を省略する。
反射型ライトバルブを用いた投写型表示装置は主たる光路が折り曲げられる回数が多くなる可能性が高く、図に示すように光軸7と投写光軸75が立体交差するような構成を取らざるを得ない場合もある。
このような状況においても、複数光源の配置や光束合成手段2は投写型表示装置の設計自由度を著しく制限する要因とはならない。
【0070】
なお、以上に述べた各実施の形態に説明した投写型表示装置は、反射型スクリーン手段に拡大投写するフロント投写型表示装置として構成されるだけでなく、透過型スクリーンを介して大画面映像を提供するリア投写型表示装置として構成することが可能である。
この場合、スクリーン手段を保持し、なおかつ投写型表示装置を配置することができるキャビネット構造を筐体の内部に備えることが好ましい。
さらに、複数台の投写型表示装置からの投写画像をスクリーン上で重畳させ高輝度な投写画像を得ることも可能である。また縦横に配列投写するマルチ投写型表示装置として画面サイズと画素数の拡大を図ることも可能である。
これらの構成においては前述のフロント/リア構成のいずれを選択することも可能である。
【0071】
さらに、フロント/リア投写方式の切り替えが可能で、どちらの状態も容易に実現できるフロント/リア兼用の投写型表示装置を構成することもできる。
図20において、100は本発明に係る投写型表示装置、101A,101Bは反射ミラー、90はリアスクリーンであり、筐体101Cの一部に設けられたジョイント部101Dに投写型表示装置100が備えられて、全体としてリア投写方式の投写型表示装置101を構成している。
以上のような構成により、ジョイント部101Dにおいて投写型表示装置100を筐体101Cから着脱可能とすれば、取り外した単体ではフロント投写方式として、取付けてスクリーン90を介したリア投写方式として使用することができる。
勿論、ジョイント部には複数台の投写型表示装置100を配置することも可能であり、さらに反射ミラーを1枚にする等、本発明の主旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能であることは言うまでもない。
【0072】
実施の形態6.
図21は、光源を構成するメタルハライドランプからなる発光体について、その分光放射特性の一例を示す概略図である。
横軸は波長(単位はナノメートル)、縦軸は相対光強度を示すもので、可視光領域を中心とするスペクトル分布が描かれている。
投写型表示装置ではカラー表示のために、図のような分光放射特性に基づいてRGB色光への色分解が一般的に行われる。
同じく図22は、キセノンランプの分光放射特性の一例を示している。メタルハライドランプに比べて可視光領域における相対強度の平坦性に優れており、色設計をする上で非常に扱い易く自由度の高い光源を提供する。
一般的には明るさと寿命を優先する分野にメタルハライドランプやPhilips社のUHPランプのような超高圧水銀ランプが多用され、明るさと色再現性を重視する用途にキセノンランプが多用されるという傾向がある。
【0073】
さて、複数の光源を併用した本発明に係る投写型表示装置は、単一の光源だけでは実現できない明るさを得る目的に最適であるということはこれまで説明してきた通りである。
ここで複数の光源を用いた本投写型表示装置の異なる効果にもとづく変形例について説明する。
前述の2種類の発光体を光源に用いることは本投写型表示装置においても勿論可能であるが、これら異なる分光放射特性を持つ、すなわち種類の異なるランプを併用することによって色設計の自由度が増し、より色再現性に優れた投写型表示装置を提供できる可能性が高くなる。
また、併用するだけでなく選択的に複数種類の光源を点灯させることによって、得られる最終画像の品質や用途の拡大にも貢献する可能性がある。
【0074】
勿論、光学設計上重要なパラメータとなる発光長や配光分布等の条件、ランプの幾何形状等の構造的な条件以外にも、消費電力や空冷条件の差異、寿命特性等も十分考慮に入れる必要がある。
しかしながら、こうした諸条件を満たした上で複数種類の光源を併用すれば、例えば寿命の短い光源が不点灯の状態になっても、残りの光源によって投写型表示装置としては投写画像を連続して提供することが可能であり、1個のランプを光源とする投写型表示装置においては光源の交換時には避けられない使用不能状態を回避することができる。
【0075】
実施の形態7.
図23は実施の形態7に係る光源手段の保持機構の構成を示す概略図である。図において、16は光源11ならびに12の両方を保持することができる保持部材である。
保持部材16によれば、図示しない投写型表示装置から対向配置される複数の光源を同時に着脱することが可能であり、交換に必要な時間を短縮することができる。
これは投写型表示装置が使用不可能となる時間を短縮する上でも効果がある。勿論、図に示すような複数光源の対向配置に対してだけでなく、前述の隣接配置の場合や、両者の併用である場合にも有効である。
さらに、対向配置の場合には自動的に光源手段を交換する機構を設けることも容易である。
【0076】
図24は、図23に示す2つの光源の予備をそれぞれ1個ずつ備え、光源の不点灯状態を検出して自動的に光源を入れ替えたり、光源の出力の低下をモニターして発せられた信号によって自動的に光源を入れ替え、長時間にわたって一定値以上の出力を保つことを目的とした光源交換手段17を示している。
図において11S、12Sは光源11、12の予備である光源である。各光源は光源保持手段17A、17Dに取付けられており、光源保持手段17Aはガイド手段17B、17Cに沿って所定の方向に可動し、同様に光源保持手段17Dはガイド手段17E、17Fに沿って所定の方向に稼動する。
【0077】
図では光源11、11Sが所定の位置に配置される一方で、光源12が上方へ移動し、所定の位置に回避した後に予備光源12Sが水平方向にスライドし、所定各々の所定位置に移動する動きを矢印で示した。
以上のような機構からなる光源交換手段17によれば、短時間に光源の自動入れ替えが可能であるばかりでなく、装置の不点灯状態を回避しながら使用不可能になり待避位置にある光源を独立して新品に交換できるという利点がある。
よって、装置の連続点灯時間を著しく長大させることも可能となる。
【0078】
なお、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱せず、その要旨を変更しない範囲において様々な変形例が可能であることも勿論である。
【0079】
【発明の効果】
本発明に係る投写型表示装置によれば、発光体と、該発光体に対応して設けられ、前記発光体からの光を集光して略平行光束として出射する集光手段とからなる複数の光源を備えた光源手段と、該光源手段の複数の光源から出射される略平行光束が入射され、これらを合成して出射する光束合成手段と、該光束合成手段からの出射光束が入射され、光強度がほぼ均一な出射面を形成する柱状光学素子と、該柱状光学素子の出射面の光を伝達して所定位置に所定大きさの光強度がほぼ均一な照明光面を形成する光伝達手段と、前記照明光面からの照明光を受けて、表示面上に画像情報を光学像として形成するライトバルブと、前記光学像を拡大投写する投写レンズ手段とを備えた投写型表示装置において、前記光束合成手段は、前記複数の光源から出射される略平行光束を入射させる光入射面と、前記複数の光源から出射される略平行光束の各々の方位軸とほぼ平行な回転軸を持つ回転放物面からなる反射面と、該反射面にて反射された集光光束を出射する出射面を有すると共に、前記回転放物面の焦点位置近傍に前記複数の光源の各発光体の第1の像を形成し、前記柱状光学素子は、前記各発光体の第1の像近傍に入射面が位置するように配置され、前記光伝達手段は前記柱状光学素子の出射面に形成される発光面と前記ライトバルフの表示面をほぼ共役な関係とし、前記出射面から前記投写レンズの入射瞳に至る光路中に前記発光体の第2の像を形成し、該第2の像と前記入射瞳をおよそ共役の関係とすることを特徴とする構成としたので、全反射作用を利用した光束の偏向と、放物面を利用した集光を組み合わせることが可能となり、効率よく光源光の合成ができるため、単一の光源手段の場合に比べて大きな光出力を持った光源手段を構成することができる。
また、光の利用効率を低減させにくく、かつ照明光源となる面発光体が備えるべき強度分布の高い均一性と、所定の発散角度の両方を実現することが容易であるため、ライトバルブを効率よく照明し、明るい投写型表示装置を提供することができる。
さらに光束合成手段においては光学作用面を透過する光束径を大きくすることができるため、複数光源からの光束が集まる部分の熱的負荷を軽減させ、光源光合成用光学素子の寿命確保や光源出力の増大にも適した複数光源光の合成が可能となる。
【0080】
また、本発明に係る投写型表示装置によれば、複数の光源手段は各々の方位軸が該光源手段の前方で交差するように互いに対向して配置される複数の光源からなり、光束合成手段は、回転放物面の頂点を含み、かつその回転軸に垂直ではない平面により前記回転放物面から切り取られた閉曲面が、この平面に関して面対称となるように向い合わされてなる第1の光学素子と、前記方位軸に垂直な平面からなる光入射面と、曲面からなる出射面を有する2つの第2の光学素子を備え、前記略平行光束は、直後の前記第2の光学素子を透過しのち前記閉曲面の一方を透過して前記第1の光学素子へ入射し、もう一方の前記閉曲面の空気界面にて全反射されることを特徴とする構成としたので、反射面での光損失を著しく抑えることがことができ、複数光源からの略平行光束を効率よく単一の光束に変換することができる。よって、光利用効率が高く、明るい投写型表示装置を提供することができる。
【0081】
また、本発明に係る投写型表示装置によれば、各々の方位軸がほぼ平行でかつ出射方向が同じ側となるように隣接して配置される複数の光源からなる光源手段と、前記方位軸に垂直な一つの光入射面、回転放物面の頂点を含み、かつその回転軸に垂直ではない平面により前記回転放物面から切り取られた閉曲面からなる一つの光反射面、該光反射面にて反射された集光光束を出射する一つの光出射面とを備えた光束合成手段により、前記光源手段から出射される略平行光束が、前記光出射面から入射されたのち前記閉曲面の空気界面にて全反射されることを特徴とする構成としたので、隣接配置された複数の光源からの略平行光束はその形状がほとんど歪むことなく反射面に到達し、放物面の作用により共通の集光点に向かうように偏向され、柱状光学素子の入射面に導かれる。したがって、複数光源からの略平行光束を効率よく合成することができ、明るい投写型表示装置を提供することができる。また光束合成手段の構成を簡単にできるため投写型表示装置の小形軽量化にも効果を生じる。
【0082】
また、本発明に係る投写型表示装置によれば、光源手段が各々の方位軸がほぼ平行でかつ出射方向が同じ側となるように隣接して配置される複数の光源からなる異なる2つの光源群で構成され、各光源群はその前方で前記方位軸が交差するように対向して配置される構成としたので、光束合成手段が隣接ならびに対向配置された複数の光源手段からの略平行光をの形状をほとんど歪ませることなく入射させ、放物面からなる反射面にて共通の集光点に向かうように偏向し、これを柱状光学素子の入射面に導く。したがって4つ以上の光源からの略平行光束を効率よく合成することができ、明るい投写型表示装置を提供することができる。
【0083】
また、本発明に係る投写型表示装置によれば、第2の光学素子の出射面が第1の光学素子の入射面とほぼ同じ面形状の曲面であり、かつ両光学素子が微小間隔を隔てて配置されることを特徴とする構成としたので、第2の光学素子から第1の光学素子へは光束の略平行性がほぼ保たれたまま入射し、かつ第1の光学素子に入射した略平行光束は、微小間隔によって形成される空気界面での全反射作用により、光束を大きく偏向させるにもかかわらずほぼ色分散を生じることなく集光光束として第1の光学素子を出射する。よって光の利用効率を向上させることができ、明るい投写型表示装置を提供することができる。
【0084】
また、本発明に係る投写型表示装置によれば、光束合成手段の出射面が回転放物面の焦点位置を中心とする球面からなることを特徴とする構成としたので、光束合成手段は第1の光学素子より出射する収束光束の形状をほぼ歪ませず出射するように働き、光の利用効率を向上させた明るい投写型表示装置を提供することができる。
【0085】
また、本発明に係る投写型表示装置によれば、光束合成手段の出射面が回転放物面の焦点位置を中心とする円弧を該円弧が含まれる平面に垂直な直線に沿って延伸させた曲面からなることを特徴する構成としたので、第1の光学素子より出射する収束光束の形状に所定の変形を課すことができ、収束光束と柱状光学素子との整合性を向上させることができる。よって、光の利用効率を向上させた明るい投写型表示装置を提供することができる。
【0086】
また、本発明に係る投写型表示装置によれば、光束合成手段の出射面が非球面からなることを特徴とする構成としたので、第1の光学素子より出射する収束光束の形状に所定の変形を課すことができ、収束光束と柱状光学素子との整合性を向上させることができる。よって、光の利用効率を向上させた明るい投写型表示装置を提供することができる。
【0087】
また、本発明に係る投写型表示装置によれば、光束合成手段の出射面が平面で構成され、かつ前記光束合成手段から柱状光学素子に至る光路中に補助的なレンズ手段が配置されることを特徴とする構成としたので、収束光束と柱状光学素子との整合性を向上させることができる。よって光の利用効率を向上させた明るい投写型表示装置を提供することができる。
【0088】
また、本発明に係る投写型表示装置によれば、光束合成手段が第1の光学素子より出射する収束光束が柱状光学素子の入射面近傍にて長円形に偏平した発光体の像を形成することを特徴とする構成としたので、光の利用効率を向上させた明るい投写型表示装置を提供することができる。
【0089】
また、本発明に係る投写型表示装置によれば、集光手段の反射面を形成する回転放物面の焦点距離をF1、光束合成手段の反射面を構成する回転放物面の焦点距離をF2とするとき、
1.5<F2/F1<5.0
なる関係を有することを特徴とする構成としたので、収束光束の集光角度を任意の値に設定することができ、明るい投写型表示装置の設計を容易に、かつ高い自由度をもって行うことを可能にする。
【0090】
また、本発明に係る投写型表示装置によれば、発光体からの光を集光し略平行光束を出射する発光体と同数の集光手段と、該集光手段側に頂点を向け前記略平行光束を光軸方向に偏向させる錐体状の入射面、ならびに該集光手段側に頂点を向け光軸方向に偏向された前記略平行光束を再び光軸に平行な方向に偏向させる錐体状の出射面を有する光屈折素子からなる錐体状の入射面と出射面を有する光屈折素子により、集光手段から出射される略平行光束を光軸方向に偏向させたのち、再び光軸に平行な方向にこれを偏向する構成としたので、光束中の光エネルギーが相対的に低い光軸付近の影響を軽減させることができ、光エネルギーの角度分布が平坦化されるように働き、光の利用効率を向上させた明るい投写型表示装置を提供することができる。
【0091】
また、本発明に係る投写型表示装置によれば、柱状光学素子の出射端面が矩形であり、該出射端面の形状がライトバルブの表示面の輪郭形状と相似であることを特徴とする構成としたので、ライトバルブをその画像表示面の形状と相似な形状の面発光体の光学像で照明することができ、明るさの均一性が高い拡大画像を投写できる明るい投写型表示装置を提供することができる。
【0092】
また、本発明に係る投写型表示装置によれば、ライトバルブの画像表示面の形状に応じて出射端面形状が異なる複数の柱状光学素子が切り替えられ、光路中の所定位置に配置されることを特徴とする構成としたので、様々な表示画像のフォーマットや大きさに合わせた効率の良い照明光学系を構成することができ、光の利用効率が高く明るい投写型表示装置を提供することができる。また、表示画像のフォーマットや大きさの異なるライトバルブ用に複数の投写型表示装置を構成する必要もなくなるため、安価な映像表示システムを提供することができる。
【0093】
また、本発明に係る投写型表示装置によれば、柱状光学素子から出射した光束を略平行化し、発光体の第2の像を形成する正のパワーを有する少なくとも1枚のレンズ手段からなる第1のレンズ群と、前記柱状光学素子の出射面に形成される発光面とライトバルブの表示面をほぼ共役な関係とし、かつ前記発光体の第2の像と前記入射瞳をおよそ共役の関係とする少なくとも1枚のレンズ手段からなる第2のレンズ群とを含む、少なくとも2つのレンズ群を備えることを特徴とする構成としたので、ライトバルブを効率よく照明し、かつ明るさの均一性が高い拡大画像を投写可能な明るい投写型表示装置を提供することができる。
【0094】
また、本発明に係る投写型表示装置によれば、光伝達手段が柱状光学素子から出射した光束を略平行化し、発光体の第2の像を形成する正のパワーを有する少なくとも1枚のレンズ手段からなる第1のレンズ群と、前記柱状光学素子の出射面に形成される発光面と表示面をほぼ共役な関係とし、かつ前記発光体の第2の像と前記入射瞳をおよそ共役の関係とする少なくとも1枚のレンズ手段からなる第2のレンズ群とを含む、少なくとも2つのレンズ群を備えたレトロフォーカスレンズ系を含むことを特徴とする構成としたので、光伝達手段がライトバルブの画像表示領域と略同等以上の大きさを持つ面発光体の像によりライトバルブを照明し、光の利用効率が高く明るい投写型表示装置を提供することができる。さらに、第2レンズ群からライトバルブに至る光路長を増加させることができるので、他の反射ミラー手段やプリズム手段の付加的な挿入配置に有利な光学系を構成することができる。よって光路の折り曲げが直線状の光路設計終了後に独立して行える可能性が高くなる。結果としてコンパクトな光学系を備えた投写型表示装置の設計が容易となる。
【0095】
また、本発明に係る投写型表示装置によれば、複数の発光体は、異なる分光放射特性を有する複数種類の発光体によって構成され、該複数の発光体を同時に発光させることにより互いの分光放射特性を相補的に利用することを特徴とする構成としたので、単一種類の光源では実現不可能な色再現性を持つ明るい投写型表示装置を提供することができる。
【0096】
また、本発明に係る投写型表示装置によれば、異なる分光放射特性を有する複数種類の発光体によって構成され、該複数の発光体を選択的に発光させることを特徴とする構成としたので、単一種類の光源手段では不可能な複数種類の色再現性を持つ明るい画像を選択的に投写可能な投写型表示装置を提供することができる。
【0097】
また、本発明に係る投写型表示装置によれば、複数の発光体は、同種の発光体によって構成され、該複数の発光体を順次連続的に点灯することを特徴とする構成としたので、連続点灯時間を著しく向上させることが可能な投写型表示装置を提供する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態1に係る投写型表示装置の構成を示す概略図である。
【図2】 光束合成手段について説明する概略図である。
【図3】 第1の光学素子の形成手順について説明する概略図である。
【図4】 光束合成手段の反射面と略平行光束の関係を示す概略図である。
【図5】 柱状光学素子による仮想光源の生成を示す概念図である。
【図6】 光伝達手段による結像関係を示す概略図である。
【図7】 実施の形態2に係る光束合成手段を説明する概略図である。
【図8】 隣接配置の光源手段と光束合成手段について説明する概略図である。
【図9】 隣接配置の光源手段による集光作用を示す概略図である。
【図10】 矩形開口を持つ具体的な光源手段を示す概略である図である。
【図11】 実施の形態3に係る光束合成手段の作用を示す概略図である。
【図12】 実施の形態4に係る光屈折素子を備えた光源手段と光束合成手段を説明する概略図である。
【図13】 光屈折素子の光束径低減作用を説明する概略図である。
【図14】 光屈折素子の光束径低減作用による集光光束の角度低減を示す概略図である。
【図15】 光束合成手段の回転/再構成を説明する概略図である
【図16】 錐体状屈折素子と柱状光学素子の作用を説明する概略図である。
【図17】 錐体状屈折素子の屈折作用を示す概略図である。
【図18】 実施の形態5に係る光伝達手段の具体的な構成を示す概略図である。
【図19】 反射型ライトバルブによる投写型表示装置の概略図である。
【図20】 フロント/リア投写方式兼用の投写型表示装置を示す概略図である
【図21】 実施の形態6に係るメタルハライドランプの分光放射特性の一例を示す概略図である。
【図22】 キセノンランプの分光放射特性の一例を示す概略図である。
【図23】 実施の形態7に係る光源保持手段の構成を示す概略図である。
【図24】 光源交換手段の構成を説明する概略図である。
【図25】 従来の投写型表示装置を説明する図である。
【符号の説明】
1 光源手段 2 光束合成手段 3 柱状光学素子
4 光伝達手段 5 透過型ライトバルブ 6 投写レンズ
11 第1の光源 11A 第1の発光体 11B 第1の反射鏡手段
12 第2の光源 12A 第2の発光体 12B 第2の反射鏡手段
20 第1の光学素子 21、22 第2の光学素子
41 第1のレンズ系 42 第2のレンズ系
71、72 方位軸
81、82 略平行光束
Claims (19)
- 発光体と、該発光体に対応して設けられ、前記発光体からの光を集光して略平行光束として出射する集光手段とからなる複数の光源を備えた光源手段と、
該光源手段の複数の光源から出射される略平行光束が入射され、これらを合成して出射する光束合成手段と、
該光束合成手段からの出射光束が入射され、光強度がほぼ均一な出射面を形成する柱状光学素子と、
該柱状光学素子の出射面の光を伝達して所定位置に所定大きさの光強度がほぼ均一な照明光面を形成する光伝達手段と、
前記照明光面からの照明光を受けて、表示面上に画像情報を光学像として形成するライトバルブと、
前記光学像を拡大投写する投写レンズ手段とを備えた投写型表示装置であって、 前記光束合成手段は、前記複数の光源から出射される略平行光束を入射させる光入射面と、前記複数の光源から出射される略平行光束の各々の方位軸とほぼ平行な回転軸を持つ回転放物面からなる反射面と、該反射面にて反射された集光光束を出射する出射面を有すると共に、前記回転放物面の焦点位置近傍に前記複数の光源の各発光体の第1の像を形成し、
前記柱状光学素子は、前記各発光体の第1の像近傍に入射面が位置するように配置され、前記光伝達手段は前記柱状光学素子の出射面に形成される発光面と前記ライトバルフの表示面をほぼ共役な関係とし、前記出射面から前記投写レンズの入射瞳に至る光路中に前記発光体の第2の像を形成し、該第2の像と前記入射瞳をおよそ共役の関係とすることを特徴とする投写型表示装置。 - 光源手段は、各々の方位軸が該光源手段の前方で交差するように対向して配置される複数の光源からなり、
光束合成手段は、回転放物面の頂点を含み、かつその回転軸に垂直ではない平面により前記回転放物面から切り取られた閉曲面が、前記平面に関して面対称となるように向い合わされてなる第1の光学素子と、前記方位軸に垂直な平面からなる光入射面と、曲面からなる光出射面を有する2つの第2の光学素子とから構成され、前記略平行光束は、直後の前記第2の光学素子を透過したのち前記閉曲面の一方を透過して前記第1の光学素子へ入射し、もう一方の前記閉曲面の空気界面にて全反射されること特徴とする請求項1記載の投写型表示装置。 - 光源手段は、各々の方位軸がほぼ平行でかつ出射方向が同じ側となるように隣接して配置される複数の光源からなり、
光束合成手段は、前記方位軸に垂直な一つの光入射面と、回転放物面の頂点を含み、かつその回転軸に垂直ではない平面により前記回転放物面から切り取られた閉曲面からなる一つの光反射面と、該光反射面にて反射された集光光束を出射する一つの光出射面からなり、前記光源手段から出射される略平行光束は、前記光入射面から入射したのち前記閉曲面の空気界面にて全反射されること特徴とする請求項1記載の投写型表示装置。 - 光源手段は、各々の方位軸がほぼ平行でかつ出射方向が同じ側となるように隣接して配置される複数の光源からなる異なる2つの光源群で構成され、各光源群はその前方で前記方位軸が交差するように対向して配置されること特徴とする請求項1記載の投写型表示装置。
- 第2の光学素子の出射面は、第1の光学素子の入射面とほぼ同じ面形状の曲面であり、かつ両光学素子が微小間隔を隔てて配置されることを特徴とする請求項2記載の光束合成手段。
- 光束合成手段は、その出射面が回転放物面の焦点位置を中心とする球面からなることを特徴とする請求項1記載の投写型表示装置。
- 光束合成手段は、その出射面が回転放物面の焦点位置を中心とする円弧を該円弧が含まれる平面に垂直な直線に沿って延伸させた曲面からなることを特徴とする請求項1記載の投写型表示装置。
- 光束合成手段は、その出射面が非球面からなることを特徴とする請求項1記載の投写型表示装置。
- 光束合成手段は、その出射面が平面で構成され、かつ前記光束合成手段から柱状光学素子に至る光路中に補助的なレンズ手段が配置されることを特徴とする請求項1記載の投写型表示装置。
- 光束合成手段は、柱状光学素子の入射端面近傍に長円形状に偏平した発光体の像を形成することを特徴とする請求項1記載の投写型表示装置。
- 集光手段は、凹面鏡を備え、該凹面鏡は回転放物面を近似してなる反射面を有すると共に、前記回転放物面の焦点距離をF1、前記光束合成手段の反射面を構成する前記回転放物面の焦点距離をF2とするとき、
1.5<F2/F1<5.0
なる関係を有することを特徴とする請求項1記載の投写型表示装置。 - 光源手段は、少なくとも2つ以上の発光体と、該発光体からの光を集光し略平行光束を出射する発光体と同数の集光手段と、該集光手段側に頂点を向け前記略平行光束を光軸方向に偏向させる錐体状の入射面、ならびに該集光手段側に頂点を向け光軸方向に偏向された前記平行光束を再び光軸に平行な方向に偏向させる錐体状の出射面を有する光屈折素子からなることを特徴とする請求項1記載の投写型表示装置。
- 柱状光学素子は、出射端面が矩形であり、該出射端面の形状がライトバルブの表示面の輪郭形状と相似形状であることを特徴とする請求項1記載の投写型表示装置。
- 柱状光学素子は、出射端面形状が異なる複数の柱状光学素子からなり、ライトバルブ表示面上の画像表示領域に応じて前記柱状光学素子が切り替えられ、光路中の所定位置に配置されることを特徴とする請求項1記載の投写型表示装置。
- 光伝達手段は、柱状光学素子から出射した光束を略平行化し、発光体の第2の像を形成する正のパワーを有する少なくとも1枚のレンズ手段からなる第1のレンズ群と、前記柱状光学素子の出射面に形成される発光面と表示面をほぼ共役な関係とし、かつ前記発光体の第2の像と前記入射瞳をおよそ共役の関係とする少なくとも1枚のレンズ手段からなる第2のレンズ群とを含む、少なくとも2つのレンズ群を備えることを特徴とする請求項1記載の投写型表示装置。
- 第2のレンズ群は、前記柱状光学素子の出射端面側から順に負のパワーを持つ少なくとも1枚のレンズ手段と正のパワーを持つ少なくとも1枚のレンズ手段が配置されて構成されるレトロフォーカスレンズ系を含むことを特徴とする請求項15記載の投写型表示装置。
- 複数の発光体は、異なる分光放射特性を有する複数種類の発光体によって構成され、該複数の発光体を同時に発光させることにより互いの分光放射特性を相補的に利用することを特徴とする請求項1記載の投写型表示装置。
- 複数の発光体は、異なる分光放射特性を有する複数種類の発光体によって構成され、該複数種類の発光体を選択的に発光させることを特徴とする請求項1記載の投写型表示装置。
- 複数の発光体は、同種の発光体によって構成され、該複数の発光体を順次連続的に点灯することを特徴とする請求項1記載の投写型表示装置。
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