JP3944924B2 - バインダ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、圃場内の植立穀稈を刈り取って結束するバインダに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来は、例えば、穀稈を刈取するバインダの結束機で結束紐を該結束機のニードルへ挿通させる作業のときは、収納パイプに内装された外周部にスクリュウを突出状態に設けた伸縮する可撓杆の一端部が装着され、他端部に装着された紐受具は、このスクリュウに噛合して、回転自在に設けたギヤーを正回転駆動させて、この可撓杆を伸長させ、紐受ガイド金具で保持された結束紐は、この可撓杆の先端の該紐受具で引継ぎ保持され、紐ブレーキ装置、紐ガイドパイプ等を経て該ニードルへ挿通され、このニードルへ挿通された結束紐を手で保持する。
【0003】
手で結束紐の保持が終了すると、ギヤーを逆回転駆動させて、可撓杆を短縮させて元の位置へ復元させ、短縮が終了すると、後作業であるニードルを回転駆動させると、この結束紐は所定の部品で挾持される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
スクリュウを外周部に突出状態に設けて伸縮する可撓杆は、スラスト方向へのたわみがなく、結束紐をニードルへ挿通後に、この可撓杆を元の位置へ戻し忘れて、該ニードルを回転駆動させると紐通し装置のこれら可撓杆、及び紐受具を破損させることがあったが、これを防止しようとするものである。
また、変速レバーの誤操作を防止し、チェンジパネルの破損を防止しようとするものである。
また、掻込装置後側の後穀稈移送通路に配置している横搬送ベルトの磨耗を防止しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
このために、この発明は、穀稈等を結束する結束紐(イ)へブレーキ力を付加及び解除する紐ブレーキ装置(10)、挿通される該紐(イ)を保持案内する紐ガイドパイプ(63)等を経て該穀稈へ該紐(イ)を巻付けるニードル(61)等よりなる結束機(2)を有するバインダにおいて、収納パイプ(53)に内装して一端部を装着した伸縮自在なスプリング(54)と、該スプリング(54)に噛合するギヤー(56)の回転によって伸長する該スプリング(54)の他端部には紐受ガイド金具(60)で保持された該紐(イ)を引継ぎ保持して該ニードル(61)へ挿通する紐受具(55)を設け、バインダのハンドル(14)の基部には変速用溝(17)を設けたチェンジパネル(18)を六角形状の取付具(19)にボルト等で装着して設け、該変速用溝(17)内には走行速度を変速する変速レバー(20)を設け、該変速レバー(20)の側部と前記取付具(19)の対辺部とは所定の隙間を有するように取付具(19)を設け、変速レバー(20)の操作位置が中立位置及び後進位置においては、変速レバー(20)と取付具(19)とは側面視重合する位置関係とし、変速レバー(20)の操作位置が前進位置においては、変速レバー(20)と取付具(19)とは側面視重合させない位置関係とし、穀稈を引き起こす引起装置(6)の後側に掻込装置(5)を配置し、該掻込装置(5)の後側の後穀稈移送通路(35)を横搬送ベルト(32)で形成し、立設した支持軸(33)上部にはローラ(34)を回転自在に軸支して設け、該ローラ(34)で前記横搬送ベルト(32)の内側面を受けるように構成したことを特徴とするバインダの構成とする。
【0006】
【発明の作用】
例えば、穀稈を刈取するバインダの結束機で結束紐(イ)を該結束機のニードル61へ挿通させる作業のときは、収納パイプ53に内装されて一端部が装着された伸縮自在なスプリング54の他端部に装着された紐受具55は、このスプリング54に噛合して、回転自在に設けたギヤー56を正回転駆動させて、該スプリング54を伸長させ、紐受けガイド金具60で保持された結束紐(イ)は、このスプリング54の先端の該紐受具55で引継ぎ保持され、紐ブレーキ装置10、紐ガイドパイプ63等を経て該ニードル61へ挿通され、このニードル61へ挿通された結束紐(イ)を手で保持する。
【0007】
手で結束紐(イ)の保持が終了すると、回転するギヤー56の回転保持を解除させることにより、スプリング54は弾発して、該ギヤー56は逆回転駆動され、該スプリング54は短縮すると共に、これらスプリング54、及び紐受具55は元の位置へ復元され、後作業であるニードル61を回転駆動させると、この結束紐(イ)は所定の部品で挾持される。
特に、変速レバー20の操作位置が中立位置及び後進位置においては、変速レバー20と取付具19とは側面視重合する位置関係にしているので、変速レバー20は取付具19に当たることでチェンジパネル18には当たらない。
また、立設している支持軸33上部にローラ34を回転自在に軸支して設け、このローラ34で横搬送ベルト32の内側面を受ける。
【0008】
【発明の効果】
結束紐(イ)がニードル61へ挿通されると、ギヤー56の回転保持を解除することにより、スプリング54、及び紐受具55は、元の位置へ復元されることにより、これらを元の位置へ復元の操作が必要なくなり、結束紐(イ)の紐通しが容易になると共に、紐通し装置のこれらスプリング54、及び紐受具55が破損することがなくなった。
変速レバー20は取付具19に当たることでチェンジパネル18には当たらないので、チェンジパネル18の破損を防止できるようになる。また、変速レバー20の誤操作が防止できるようになる。
また、立設している支持軸33上部にローラ34を回転自在に軸支して設け、このローラ34で横搬送ベルト32の内側面を受けるように構成したので、横搬送ベルト32の磨耗を防止できるようになる。
【0009】
【実施例】
以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。
図例は、バインダ1へ結束機2を装着した状態を示すもので、該バインダ1は、走行装置3、刈取装置4、掻込装置5、引起装置6、操作装置7、該結束機2、結束紐(イ)を保持する紐保持装置8、該結束紐(イ)を紐通しする紐通し装置9、及びこの結束紐(イ)へブレーキを付加、及び解除する紐ブレーキ装置10等よりなる構成としている。
【0010】
前記走行装置3は、機体フレーム11下側の走行伝動ケース(図示せず)の左右両側には車輪12を回転自在に軸支して設け、該機体フレーム11上側には、原動機13を載置すると共に、ハンドル14を設け、このハンドル14には、操作装置7の走行操作用の走行レバー15、及び穀稈刈取操作用の刈取レバー16を設けた構成としている。
【0011】
前記ハンドル14の基部には、図3の如く、操作装置7の走行速度を変速する変速用溝17を設けたチェンジパネル18を六角形状の取付具19にボルト等で装着させて設け、この変速用溝17内には、変速レバー20を設け、この変速レバー20の側部と、該取付具19の対辺部とは、所定の隙間を有すべくこの取付具19を設け、この変速用溝17の淵部には、該変速レバー20の側部は接触しない構成であり、この変速レバー20の操作位置が、中立位置、及び後進位置では、該変速レバー20と該取付具19とは、側面視重合する関係位置とし、前進位置では重合させない関係位置にして、1速、2速に切換え可能な構成として、この変速レバー20の誤操作防止、及び該チェンジパネル18の破損を防止する構成としている。
【0012】
前記刈取装置4は、機体フレーム11前部の左右両側、及び中央部の分草杆21で分離した穀稈を引起案内する引起装置6,6は、中央の該分草杆21の後方で左右両側に設け、この引起装置6は、上・下引起ケース22,22内の上下両側に回転自在に軸支して設けたスプロケット23,23に、刈取穀稈を引起案内する引起ラグ24を所定間隔に設けた引起チェン25を掛け渡した構成とし、この引起ラグ24は一方側の下部から上部までの間は、該上・下引起ケース22,22より突出して回転して作用し、他方側は、この上・下引起ケース22,22内に収納状態で回転して作用しない構成としている。
【0013】
引起防音ゴム26は、図4〜図6の如く、引起ラグ24が引起作用が終り、上・下引起ケース22,22内へ収納されるときに、これら上・下引起ケース22,22と該引起ラグ24とが当接して発生する干渉音を防止するために、これら上・下引起ケース22,22上部の内側に設け、この引起防音ゴム26の一端部は、これら上・下引起ケース22,22上部の三角形状の開口部27形状と同形状にすべく三角形状で上部へ突出する厚肉部28を形成して設け、この厚肉部28で係止させている。
【0014】
防音ゴム取付板29は、所定長さで所定幅のL字形状に形成して、引起防音ゴム26を受ける受部側30には、複数個の開口部31を設け、この防音ゴム取付板29,29を上・下引起ケース22,22内側面にボルト、及びナット等で装着して設け、該受部側30の該開口部31以外の個所で該引起防音ゴム26の左右両端部を支持させた構成としている。
【0015】
上記の如く、引起防音ゴム26の一端部を厚肉としたことにより、防音効果の向上、及び耐久性の向上を図ることができた構成としている。
前記掻込装置5は、引起装置6後側に設け、穀稈を掻込移送する構成であり、この掻込装置5後側には、後穀稈移送通路35を横搬送ベルト32等で形成し、この横搬送ベルト32は、図7〜図8の如く、両端部に回転自在に軸支したプーリ75,75に掛け渡し、又支持軸33上部には、回転自在にローラ34を軸支して設け、このローラ34で該横搬送ベルト32の内側面を受けた構成として、この横搬送ベルト32の摩耗を防止する構成としている。
【0016】
前記刈取装置4は、掻込装置5で掻込される穀稈を、左右往復運動する刈刃36と固定された受刃37とにより刈取する構成であり、この刈刃36を往復運動させるメタル38の回動を規制させるL字形状の支持板39の一方側は、該刈刃36に装着し、他方側の上面部には、該メタル38を挿入する挿入孔40を設け、この挿入孔40の左右両側には、図9〜図10の如く、下方へ向けて折曲した折曲壁41を設けた構成とし、この支持板39上へ落下する藁屑等は、この支持板39の周囲部、及び該挿入孔40部より、容易に落下する構成としている。
【0017】
前記刈刃36上側には、この刈刃36を上部より押える図9〜図12の如く、刃押金具42,42を受刃37の左右両側部へボルト、及びナット等で装着して設け、この刃押金具42の水平面、及び垂直面には、油孔43,43を設け、これら油孔43,43の周囲には、U字形状の保持板44を設け、この保持板44内には、潤滑油をしみこませたスポンジ材等よりなる吸収部材45を挿入して設けた構成として、この潤滑油がしみ出して、順次該刈刃36、及び受刃37へ付着する構成としている。
【0018】
オイルタンク47の下部には、オイルパイプ48を設け、このオイルパイプ48下端部には、注油孔49を設けた受板50を設け、この受板50は、保持板44内の吸収部材45上側に位置させて設け、該オイルタンク47内の潤滑油の適量は、該オイルパイプ48から該受板50の該注油孔49を経て、該吸収部材45へ給油される構成として、刈刃36、及び受刃37へ注油される構成であり、これら刈刃36、及び受刃37の摩耗を防止すると共に、作動を円滑にする構成とし、更に、作業者が油差し等で注油する必要をなくした構成としている。
【0019】
前記保持板44は、図13の如く、穀稈をスターホイル74で掻込のときに案内する案内ガイド46のストッパーになる構成として、穀稈の掻込を良好にした構成としている。
前記後穀稈移送通路35の後側の外側部には、刈取穀稈を所定の径に集束する集束装置51を設け、この集束装置51の前側には、集束された刈取穀稈を所定の束径に結束する結束機2、及び結束済み束を機外へ放出する放出装置52を設けた構成としている。
【0020】
結束紐(イ)は、順次巻き付けされて所定径の筒形状(ロ)に形成され、外周部は、樹脂材等で覆われた構成として、内径部より、順次この結束紐(イ)は引出しされる構成であり、この結束紐(イ)は、原動機13前部に半円形状で籠状に形成された紐保持装置8内へ収納されて保持される構成としている。
前記紐通し装置9は、図1、及び図14〜図15の如く、紐保持装置8下側に支持板(図示せず)等で支持して収納パイプ53を設け、この収納パイプ53内には、伸縮自在で弾発するスプリング54の一端部を固定して設け、このスプリング54の他端部には、紐受具55を装着して設け、又このスプリング54に噛合して回転するギヤー56を回転自在に前後両側の支持板(図示せず)で支持して設け、このギヤー56には、このギヤー56を回転駆動させるハンドル57を設けた構成であり、この紐受具55の結束紐(イ)を受けて引継ぎする溝58は、図15の如く、120度3等配のY字形状に形成している。この構成により、最悪のときでも、3本の該溝58のいずれか1本で結束紐(イ)が保持されることにより、この結束紐(イ)は確実に保持される。
【0021】
前記紐通し装置9の前部には、結束紐(イ)を挿通させて保持するガイド溝59を有する紐受ガイド金具60を設けた構成としている。
前記紐受ガイド金具60のガイド溝59で、図16の如く、保持された結束紐(イ)を結束機2のニードル61へ挿通させるときは、ハンドル57を手動で回転させて、ギヤー56を正回転駆動させることにより、このギヤー56でスプリング54が伸長され、このスプリング54の伸長により、図17の如く、紐受具55の溝58で該ガイド溝59へ保持した結束紐(イ)が引継ぎ保持され、この結束紐(イ)へブレーキ力を付加、及び解除する紐ブレーキ装置10の上・下保持板64,64間から先端部の円形状に形成したたわみ取具62、支持板(図示せず)で支持した紐ガイドパイプ63を経て、該ニードル61へ挿通される構成であり、このニードル61へ挿通された結束紐(イ)を手で保持すると紐通しのみは終了した構成であり、挾持は終了していない構成であり、該上保持板64上側にはスプリング73を設け、この上保持板64を押圧させた構成としている。
【0022】
紐通しが終了すると、ハンドル57の回転保持を解除すると、スプリング54は弾発し、ギヤー56は逆回転駆動され、該スプリング54は短縮すると共に、このスプリング54、及び紐受具55は元の位置へ復元される構成であり、元の位置へ復元するとニードル61を回転させて、結束紐(イ)の先端部は、結束機2の結束ホルダ65で挾持されて紐通し、及び紐挾持が終了する構成としている。
【0023】
前記集束装置51は、結束ケース66上側に設け、刈取穀稈を集束するパッカ67、結束紐(イ)が挿通されて、集束された刈取穀稈へこの結束紐(イ)を巻き付けるニードル61、及び該パッカ67で集束された刈取穀稈を受けて、所定量になると該結束ケース66内に設けた一回転クラッチ(図示せず)を作動させるクラッチ作動板68等よりなる構成としている。
【0024】
前記結束機2は、結束ケース66上側に設け、プラットホーム69には、結束ホルダ65、及びノッタビル70等を設け、この結束ホルダ65は、紐ブレーキ装置10、及び該ニードル61を経て結束紐(イ)の端部を挾持する。ノッタビル70は、該ニードル61から結束紐(イ)を受けて結束する構成としている。
前記放出装置52は、結束機2上側に穂先放出杆71、及び外側に根元放出杆72を設け、この根元放出杆72は、結束した束の大きさにより、内側、又は外側へ回動調節できる構成としている。
【図面の簡単な説明】
【図1】 一部破断せる要部の拡大斜視図
【図2】 バインダーの全体側面斜視図
【図3】 変速レバー部の拡大平面図
【図4】 引起防音ゴムの拡大斜視図
【図5】 引起装置の拡大正面図
【図6】 引起装置の拡大平面図
【図7】 横搬送ベルト部の拡大平面図
【図8】 横搬送ベルトのローラ部の拡大背面斜視図
【図9】 刈取装置部の拡大側面図
【図10】 刈取装置部の拡大正面斜視図
【図11】 刈取装置部の一部の拡大正面斜視図
【図12】 刈取装置部の拡大平面図
【図13】 掻込装置部の拡大平面図
【図14】 紐受具の拡大側面図
【図15】 紐受具の拡大背面図
【図16】 紐受具の作用前拡大側面斜視図
【図17】 紐受具の作用拡大側面斜視図
【図18】 結束機部の拡大平面図
【符号の説明】
5 掻込装置
6 引起装置
10 紐ブレーキ装置
14 ハンドル
17 変速用溝
18 チェンジパネル
19 取付具
20 変速レバー
32 横搬送ベルト
33 支持軸
34 ローラ
35 後穀稈移送通路
53 収納パイプ
54 スプリング
55 紐受具
56 ギヤー
60 紐受ガイド金具
61 ニードル
63 紐ガイドパイプ
(イ) 結束紐

Claims (1)

  1. 穀稈等を結束する結束紐(イ)へブレーキ力を付加及び解除する紐ブレーキ装置(10)、挿通される該紐(イ)を保持案内する紐ガイドパイプ(63)等を経て該穀稈へ該紐(イ)を巻付けるニードル(61)等よりなる結束機(2)を有するバインダにおいて、収納パイプ(53)に内装して一端部を装着した伸縮自在なスプリング(54)と、該スプリング(54)に噛合するギヤー(56)の回転によって伸長する該スプリング(54)の他端部には紐受ガイド金具(60)で保持された該紐(イ)を引継ぎ保持して該ニードル(61)へ挿通する紐受具(55)を設け、バインダのハンドル(14)の基部には変速用溝(17)を設けたチェンジパネル(18)を六角形状の取付具(19)にボルト等で装着して設け、該変速用溝(17)内には走行速度を変速する変速レバー(20)を設け、該変速レバー(20)の側部と前記取付具(19)の対辺部とは所定の隙間を有するように取付具(19)を設け、変速レバー(20)の操作位置が中立位置及び後進位置においては、変速レバー(20)と取付具(19)とは側面視重合する位置関係とし、変速レバー(20)の操作位置が前進位置においては、変速レバー(20)と取付具(19)とは側面視重合させない位置関係とし、穀稈を引き起こす引起装置(6)の後側に掻込装置(5)を配置し、該掻込装置(5)の後側の後穀稈移送通路(35)を横搬送ベルト(32)で形成し、立設した支持軸(33)上部にはローラ(34)を回転自在に軸支して設け、該ローラ(34)で前記横搬送ベルト(32)の内側面を受けるように構成したことを特徴とするバインダ。
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