JP3944891B2 - ウェーハ位置決め機構及びその精度調整方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はウェーハ位置決め機構及びその精度調整方法に係り、特にノッチ付きウェーハ又はオリフラ付きウェーハの周縁を面取り加工するウェーハ面取り装置に備えられたウェーハ位置決め機構及びその精度調整方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ウェーハ面取り装置で精度よくウェーハを面取り加工するためには、研削テーブル上の所定の位置にウェーハを正確に位置決めして保持する必要がある。従来、この研削テーブル上でのウェーハの位置決めは、メカニカル方式の位置決め機構を用いて行っていた。
【0003】
すなわち、図26に示すように、例えばノッチ付きウェーハの位置決めに対しては、一対の挟持ローラ14、14と1個の位置決め基準駒15でウェーハWを挟持し、その位置決め基準駒15をノッチNOに嵌め込むことにより、ウェーハWを所定位置に位置決めしていた。すなわち、一対の挟持ローラ14、14と1個の位置決め基準駒15でウェーハWを挟持することにより、ウェーハWの中心を研削テーブルの中心に一致させ、位置決め基準駒15をノッチNOに嵌め込むことによりノッチを所定の方向に位置させていた。そして位置決めされたウェーハを、研削テーブルが外周砥石に押し当てながら回転し、所定の直径に仕上げた後、ノッチ砥石でノッチ部のみを所定のノッチ深さに加工する。
【0004】
ところで、上記の位置決め機構では、位置決め基準駒15はシリンダに駆動されることにより、所定の基準位置に移動してノッチNOの底部に当接する。一方、挟持ローラ1はスプリングに付勢されることにより位置決め基準駒15に向かって移動し、ウェーハWの外周を押圧してウェーハWを位置決め基準駒15に押し付ける。このため、この位置決め機構では位置決め基準駒15が基準となってウェーハWの位置決めが成されることとなる。
【0005】
したがって、この位置決め機構でウェーハWを精度よく位置決めするためには、研削テーブルの中心から位置決め基準駒15までの距離が、ウェーハWの中心からノッチの底部までの距離に等しくなるように、位置決め基準駒15の基準位置を設定する必要がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ウェーハに形成されているノッチの深さは常に一定であるとは限らず、ウェーハによって異なっている場合がある。すなわち、ウェーハはインゴットの状態からスライスされる際に、所定の結晶方位が得られるようにインゴットを傾斜させて切断している。このため、同じ径のインゴットに同じ形状のノッチを形成しても、ウェーハごとにノッチの深さが異なっている場合がある。
【0007】
このようにノッチの深さが異なるウェーハを上記のメカニカル方式の位置決め機構で位置決めすると、ウェーハの中心と研削テーブルの中心が一致しないという事態が生じる。またノッチ深さが異なると挟持ローラのスプリング反力が異なるため、細い径の基準駒15の軸が変形してしまう現象が発生する。そして、この結果、研削テーブルの中心からノッチの底部までの距離がウェーハごとに異なってしまうという欠点がある。
【0008】
このように研削テーブルの中心からノッチの底部までの距離がウェーハごとに異なった状態でウェーハの面取り加工を行うと、ノッチを面取り加工する際に、研削量が多くなり過ぎたり、逆に少なくなり過ぎたりするという欠点がある。
また、ノッチを面取り加工するノッチ研削砥石は、外周を研削する外周研削砥石に比べ極めて細いため、研削量が多くなり過ぎると折れてしまうという欠点もある。
【0009】
さらに、メカニカル式の位置決め機構は、あらかじめノッチの位置と基準駒の位置とを概略設定する必要があり、このため別途プリアライメント部を設置しなければならず、装置が大型、複雑化するという欠点もあった。
また、メカニカル方式の位置決め機構は、長期間の使用により精度が徐々に低下してくるという欠点も有していた。この位置決め機構の精度の修正は、真円に近いマスターウェーハを研削テーブルに位置決めして保持し、研削テーブルを90°又は45°ごと回転させて、その時のマスターウェーハの外周の振れをオペレータが電気マイクロメーターで測定し、数値入力を行って修正するようにしているが、その作業に時間がかかり、作業中は全く加工ができないため生産効率が極めて悪かった。
【0010】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、シンプルな構成でウェーハを高精度に加工することができるウェーハ面取り装置に備えられたウェーハ位置決め機構及びその精度調整方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は前記目的を達成するために、ウェーハ面取り装置に備えられ、研削テーブル上にノッチ付きウェーハを位置決めして載置するウェーハ位置決め機構であって、所定の基準位置を原点として前記研削テーブルをX、Y方向に水平移動させる移動手段と、所定の測定位置に配置され、前記ウェーハを保持して回転させる測定テーブルと、前記測定テーブルに保持されたウェーハの直径、中心位置、ノッチ中心位置及びノッチ深さを測定する測定手段と、前記測定位置と前記基準位置との間を移動して、前記測定テーブルから前記研削テーブルに前記ウェーハを搬送する搬送手段と、前記搬送手段によって前記ウェーハを前記測定テーブルから前記研削テーブルに搬送した際に、前記ノッチが前記研削テーブルの中心に対して所定方向に位置するように前記ノッチ中心位置の測定結果に基づいて前記測定テーブルを所定量回転させるとともに、前記搬送手段によって前記ウェーハを前記測定テーブルから前記研削テーブルに搬送した際に、前記ノッチの底部が前記研削テーブルの中心から所定距離の位置に位置するように前記ウェーハの直径、中心位置及びノッチ深さの測定結果に基づいて前記研削テーブルを前記基準位置からX、Y方向に所定距離移動させる制御手段と、からなるウェーハ位置決め機構の精度調整方法において、前記測定テーブル上にマスターウェーハを載置し、前記マスターウェーハの中心位置を前記測定手段で測定し、前記搬送手段によって前記マスターウェーハを前記測定テーブルから前記研削テーブルに搬送した際に、前記マスターウェーハの中心が前記研削テーブルの中心と一致するように、前記マスターウェーハの中心位置の測定結果に基づいて前記研削テーブルを前記基準位置からX、Y方向に所定距離移動し、前記マスターウェーハを前記搬送手段によって前記測定テーブルから前記研削テーブルに搬送し、前記マスターウェーハを保持した研削テーブルを1/2回転し、前記マスターウェーハを前記搬送手段によって前記研削テーブルから前記測定テーブルに搬送し、前記マスターウェーハの中心位置を前記測定手段で測定し、前記研削テーブルに搬送する前に測定した前記マスターウェーハと、前記研削テーブルに搬送した後に測定した前記マスターウェーハの中心位置とのズレ量を演算し、前記ズレ量を相殺するように、前記研削テーブルをX、Y方向に所定距離移動して前記基準位置を修正して精度を調整することを特徴とする。
【0012】
本発明によれば、まず、測定テーブル上に面取り加工するウェーハを載置する。そして、そのウェーハを測定テーブルで保持する。次に、測定手段によって測定テーブルに保持されたウェーハの直径、中心位置、ノッチ中心位置及びノッチ深さを測定する。次に、ノッチ中心位置の測定結果に基づいて測定テーブルを所定量回転させ、ノッチの位置を所定方向に位置させる。ここでのノッチの位置は、後にウェーハが測定テーブルから研削テーブルに搬送された際、研削テーブルの中心に対して所定方向に位置するように設定する。次に、ウェーハの直径、中心位置及びノッチ深さの測定結果に基づいて研削テーブルを基準位置からX、Y方向に所定距離移動させる。ここでの研削テーブルの位置は、後にウェーハが測定テーブルから研削テーブルに搬送された際、ノッチの底部が研削テーブルの中心から所定距離の位置に位置するように設定する。次に、搬送手段によって、ウェーハを測定テーブルから研削テーブルに搬送する。研削テーブルに搬送されたウェーハは、そのノッチが研削テーブルの中心に対して所定の方向(位置決めすべき方向)に位置するとともに、そのノッチの底部が研削テーブルの中心から所定の距離の位置に位置する。研削テーブルは、この搬送されたウェーハを保持して面取り加工を開始する。このように位置決めすることにより、ノッチの加工量が常に一定になり、精度の高い面取り加工を行うことができる。また、ノッチの加工量が常に一定になることにより、ノッチ研削砥石にかかる研削負荷も常に一定となる。この結果、過負荷によるノッチ研削砥石の破損のおそれもなくなる。
【0013】
また、請求項3に係る発明は前記目的を達成するために、ウェーハ面取り装置に備えられ、研削テーブル上にオリフラ付きウェーハを位置決めして載置するウェーハ位置決め機構であって、所定の基準位置を原点として前記研削テーブルをX、Y方向に水平移動させる移動手段と、所定の測定位置に配置され、前記ウェーハを保持して回転させる測定テーブルと、前記測定テーブルに保持された前記ウェーハの円形部分の直径、オリフラ部分の直径、ウェーハの中心位置及びオリフラ中心位置を測定する測定手段と、前記測定位置と前記基準位置との間を移動して、前記測定テーブルから前記研削テーブルに前記ウェーハを搬送する搬送手段と、前記搬送手段によって前記ウェーハを前記測定テーブルから前記研削テーブルに搬送した際に、前記オリフラが前記研削テーブルの中心に対して所定方向に位置するように、前記測定テーブルを前記オリフラ中心位置の測定結果に基づいて所定量回転させるとともに、前記搬送手段によって前記ウェーハを前記測定テーブルから前記研削テーブルに搬送した際に、前記オリフラが前記研削テーブルの中心から所定距離の位置に位置するように、前記ウェーハの中心位置及びオリフラ部分の直径の測定結果に基づいて前記研削テーブルを前記基準位置からX、Y方向に所定距離移動させる制御手段と、ウェーハ位置決め機構の精度調整方法において、前記測定テーブル上にマスターウェーハを載置し、前記マスターウェーハの中心位置を前記測定手段で測定し、前記搬送手段によって前記マスターウェーハを前記測定テーブルから前記研削テーブルに搬送した際に、前記マスターウェーハの中心が前記研削テーブルの中心と一致するように、前記マスターウェーハの中心位置の測定結果に基づいて前記研削テーブルを前記基準位置からX、Y方向に所定距離移動し、前記マスターウェーハを前記搬送手段によって前記測定テーブルから前記研削テーブルに搬送し、前記マスターウェーハを保持した研削テーブルを1/2回転し、前記マスターウェーハを前記搬送手段によって前記研削テーブルから前記測定テーブルに搬送し、前記マスターウェーハの中心位置を前記測定手段で測定し、前記研削テーブルに搬送する前に測定した前記マスターウェーハと、前記研削テーブルに搬送した後に測定した前記マスターウェーハの中心位置とのズレ量を演算し、前記ズレ量を相殺するように、前記研削テーブルをX、Y方向に所定距離移動して前記基準位置を修正して精度を調整することを特徴とする。
【0014】
本発明によれば、まず、測定テーブル上に面取り加工するウェーハを載置する。そして、そのウェーハを測定テーブルで保持する。次に、測定手段によって測定テーブルに保持されたウェーハの円形部分の直径、オリフラ部分の直径、ウェーハの中心位置及びオリフラ中心位置を測定する。次に、オリフラ中心位置の測定結果に基づいて測定テーブルを所定量回転させ、オリフラの位置を所定方向に位置させる。ここでのオリフラの位置は、後にウェーハが測定テーブルから研削テーブルに搬送された際、研削テーブルの中心に対して所定方向に位置するように設定する。次に、ウェーハの中心位置及びオリフラ部分の直径の測定結果に基づいて研削テーブルを基準位置からX、Y方向に所定距離移動させる。ここでの研削テーブルの位置は、後にウェーハが測定テーブルから研削テーブルに搬送された際、オリフラが研削テーブルの中心から所定距離の位置に位置するように設定する。次に、搬送手段によって、ウェーハを測定テーブルから研削テーブルに搬送する。研削テーブルに搬送されたウェーハは、そのオリフラが研削テーブルの中心に対して所定の方向(位置決めすべき方向)に位置するとともに、そのオリフラが研削テーブルの中心から所定の距離の位置に位置する。研削テーブルは、この搬送されたウェーハを保持して面取り加工を開始する。このように位置決めすることにより、オリフラの加工量が常に一定になり、精度の高い面取り加工を行うことができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に従って本発明に係るウェーハ位置決め機構及びその精度調整方法の好ましい実施の形態について詳説する。
図1は、本発明が適用されたウェーハ面取り装置の実施の形態の構成を示す平面図である。同図に示すように本実施の形態のウェーハ面取り装置1は、アライメント部2、加工部3及び搬送部4から構成されている。
【0016】
アライメント部2は、面取り加工するウェーハWの前測定とアライメントを行う。このアライメント部2は、測定テーブル5とファインアライメントセンサ6とから構成されている。
測定テーブル5は所定の測定位置に設置されており、ウェーハWを吸着保持して、その中心軸(OT )回りにウェーハWを回転させる。
【0017】
ファインアライメントセンサ6は、レーザー測長器等の非接触式測長器で構成されており、図2に示すように、測定テーブル5に保持されて回転するウェーハWの直径L、ウェーハ中心位置OW (X,Y)、ノッチ中心位置N(X,Y)(いわゆるノッチNOの底の位置)及びノッチ深さD(ウェーハWの外周からノッチ中心位置Nまでの距離)を測定する。
【0018】
なお、オリフラ付きウェーハWに対しては、図3に示すように、ウェーハ中心位置OW (X,Y)、オリフラ中心位置F(X,Y)(いわゆるオリフラOFの中央の位置)、ウェーハWの円形部分の直径LA (以下、『A直径』という。)及び、ウェーハWのオリフラ部分の直径LB (以下、『B直径』という。)を測定する。
【0019】
加工部3は、ウェーハWの面取り加工を行う。この加工部3は、研削テーブル7、外周研削砥石8及びノッチ研削砥石9から構成されている。
研削テーブル7はウェーハWを吸着保持し、その中心軸(OG )回りにウェーハWを回転させる。また、研削テーブル7は、保持したウェーハWを図1中X、Y方向にそれぞれ移動させる。
【0020】
外周研削砥石8は、図示しない外周スピンドルに装着されており、この外周スピンドルに駆動されることにより高速回転する。この外周研削砥石8の外周面には所定形状の溝が形成されており、この溝にウェーハWの外周を押し当てることにより、ウェーハWの外周が面取り加工される。
ノッチ研削砥石9は、図示しないノッチスピンドルに装着されており、このノッチスピンドルに駆動されることにより高速回転する。このノッチ研削砥石9の外周面には所定形状の溝が形成されており、この溝にウェーハWのノッチを押し当てることにより、ノッチが面取り加工される。
【0021】
搬送部4は、ウェーハWの搬送を行う。この搬送部4は、ウェーハWを保持するトランスファーアーム10と、そのトランスファーアーム10をガイドレール11に沿ってスライド移動させるスライドブロック12とから構成されている。トランスファーアーム10は先端下部に上下動自在な吸着パッド13を備えており、この吸着パッド13でウェーハWの上面を吸着保持する。
【0022】
前記のごとく構成されたウェーハ面取り装置1の実施の形態の作用は次の通りである。
まず、本実施の形態のウェーハ面取り装置1を用いてノッチ付きウェーハWを面取り加工する場合について説明する。
図1に示すように、初期状態において、加工部3の研削テーブル7は、その中心OG が所定の原点OG0上に位置している。
【0023】
まず、図示しない搬送手段が測定テーブル5上にウェーハWを載置する。測定テーブル5は、その載置されたウェーハWを吸着保持する。そして、そのウェーハWを一定の回転速度で回転させる。
ウェーハWの回転が安定すると、ファインアライメントセンサ6が上述した各項目の測定を開始する。すなわち、測定テーブル5に保持されて回転するウェーハWの直径L、ウェーハ中心位置OW (X,Y)、ノッチ中心位置N(X,Y)及びノッチ深さDを測定する。そして、その測定が終了すると、測定テーブル5の回転が停止する。
【0024】
図示しない制御装置は、ファインアライメントセンサ6の測定結果に基づいて測定テーブル5を所定量回転させ、これにより、ノッチ中心位置Nを所定の基準方向に位置させる。
具体的には、次のようにしてノッチNOを基準方向に位置させる。なお、ここではノッチNOの基準方向は図1においてX+ 方向とする。
【0025】
測定終了時に図4(a)に示す位置にノッチNOが位置していたとする。ここで、ノッチ中心位置N(X,Y)は、前記ファインアライメントセンサ6による測定によって既に求まっているので、制御装置は、この求めたノッチ中心位置N(X,Y)に基づき、ノッチNOをX+ 方向に向けるのに必要な測定テーブル52の回転量を演算処理によって求める。そして、その演算処理によって求めた回転量に基づき測定テーブル5を回転させる。これにより、同図(b)に示すように、ノッチNOがX+ 方向に位置する。
【0026】
以上により、ノッチNOの方向の位置決めが完了する。続いて、ウェーハWの中心位置の位置決めが行われる。ウェーハWの中心位置の位置決めは、次のように行われる。
いま、ウェーハWの中心OW が測定テーブル52の中心OT と一致している場合を考える。このウェーハWをトランスファーアーム10によって研削テーブル7上に搬送すると、図5に示すように、搬送されたウェーハWは、その中心OW が研削テーブル7の中心OG と一致する。
【0027】
したがって、ウェーハWの中心OW が測定テーブル52の中心OT と一致している場合は、以上の操作でウェーハWの中心位置の位置決めは完了する。
次に、ウェーハWの中心OW が測定テーブル5の中心OT と一致していない場合を考える。このウェーハWをトランスファーアーム10によって研削テーブル7上に搬送すると、図6に示すように、搬送されたウェーハWは、その中心OW が研削テーブル7の中心OG に対してズレて載置される。
【0028】
ここで、この研削テーブル7の中心OG に対するウェーハWの中心OW のズレ量は、測定テーブル5の中心OT に対するウェーハWの中心OW のズレ量に等しい。
そこで、このズレを相殺するように、研削テーブル7を原点OG0からX、Y方向にそれぞれ所定量移動させる。この状態でウェーハWをトランスファーアーム10によって研削テーブル7上に搬送すれば、図7に示すように、搬送されたウェーハWは、その中心OW が研削テーブル7の中心OG と一致する。
【0029】
以上により、ウェーハWの中心位置OW の位置決めが完了する。続いて、ノッチ中心位置Nの位置決めが行われる。すなわち、研削テーブル7の中心OG からノッチNOのノッチ中心位置Nまでの距離が、あらかじめ設定した距離Rとなるように、ノッチ中心位置の位置決めが行われる。具体的には、次の操作が行われる。
【0030】
いま、上述したウェーハWの中心位置の位置決めを実施したとする。この状態でウェーハWを測定テーブル5から研削テーブル7に搬送すると、搬送されたウェーハWの中心OW は研削テーブル7の中心OG と一致する。
しかしながら、各ウェーハWのノッチ深さDは1枚ごとに異なっているので、ウェーハWの中心OW が研削テーブル66Aの中心OG と一致していても、図8(a)に示すように、研削テーブル66Aの中心OG からノッチ中心位置Nまでの距離Rは1枚ごとに異なっている。この状態でノッチNOの研削を行うと、ウェーハWによっては研削量が不足したり、あるいは多過ぎてしまったりするという不具合が生じる。
【0031】
そこで、図8(b)に示すように、すべてのウェーハWに対して研削テーブル7の中心OG からノッチNOのノッチ中心位置Nまでの距離Rが一定(設定距離R0 )となるように、研削テーブル7を移動させる。
なお、この研削テーブル7の移動量は、制御装置がファインアライメントセンサ6によって測定したウェーハWの直径Lとノッチ深さDから演算処理によって求める。そして、その演算処理の結果に基づいて研削テーブル7を所定量移動させる。
【0032】
以上により、ノッチ中心位置Nの位置決めが完了する。そして、このノッチ中心位置Nの位置決め完了した後、トランスファーアーム10が測定テーブル5から研削テーブル7にウェーハWを搬送する。搬送されたウェーハWは、そのノッチNOが所定の基準方向(X+ 方向)に位置するとともに、そのノッチNOの中心位置Nが研削テーブル7の中心OG から所定距離R0 の位置に位置する。
【0033】
ウェーハWが搬送された研削テーブル7は、そのウェーハWを吸着保持したのち、再び原点位置に復帰する。
以上により、ウェーハWの位置決めが終了し、この後、ウェーハWの面取り加工が行われる。
ウェーハWの面取り加工が終了すると、研削テーブル7は原点位置に復帰する。そして、その原点位置に復帰した研削テーブル7上から図示しない搬送手段がウェーハWを回収し、次の洗浄工程に搬送する。
【0034】
このように、本実施の形態のウェーハ面取り装置1によれば、各ウェーハWごとにノッチの位置を揃えて(研削テーブル7のOG からノッチ中心Nまでの距離を揃えて)、ウェーハWの面取り加工を行うようにしているので、ノッチNOの加工量が常に一定となり、精度の高い面取り加工を行うことができる。
次に、本実施の形態のウェーハ面取り装置1を用いてオリフラ付きウェーハWを面取り加工する場合について説明する。
【0035】
図1に示すように、初期状態において、加工部3の研削テーブル7は、その中心OG が所定の原点OG0上に位置している。
まず、図示しない搬送手段が測定テーブル5上にウェーハWを載置する。測定テーブル5は、その載置されたウェーハWを吸着保持する。そして、そのウェーハWを一定の回転速度で回転させる。
【0036】
ウェーハWの回転が安定すると、ファインアライメントセンサ6が上述した各項目の測定を開始する。すなわち、ウェーハ中心位置OW (X,Y)、オリフラ中心位置F(X,Y)、A直径LA 及びB直径LB を測定する。そして、その測定が終了すると、測定テーブル5の回転が停止する。
図示しない制御装置は、ファインアライメントセンサ6の測定結果に基づいて測定テーブル5を所定量回転させ、これにより、オリフラ中心位置Fを所定の基準方向(X+ 方向)に位置させる。
【0037】
続いて、ウェーハWの中心位置の位置決めが行われる。ウェーハWの中心位置の位置決めは、上述したノッチ付きウェーハWの場合と同じである。すなわち、ウェーハWを研削テーブル7に搬送したときの研削テーブル7の中心OG に対するウェーハWの中心OW のズレを相殺するように、研削テーブル7を原点OG0からX、Y方向にそれぞれ所定量移動させる。
【0038】
続いて、オリフラ中心位置Fの位置決めが行われる。すなわち、研削テーブル7の中心OG からオリフラ中心位置Fまでの距離が予め設定した距離Rとなるように、研削テーブル7を所定量移動させてオリフラ中心位置Fの位置決めが行われる。
なお、この研削テーブル7の移動量は、制御装置がファインアライメントセンサ6によって測定したウェーハWのA直径LA とB直径LB から演算処理によって求める。
【0039】
オリフラ中心位置Fの位置決め完了した後、トランスファーアーム10が測定テーブル5から研削テーブル7にウェーハWを搬送する。搬送されたウェーハWは、そのオリフラOFが所定の基準方向(X+ 方向)に位置するとともに、そのオリフラ中心位置Fが研削テーブル7の中心OG から所定距離R0 の位置に位置する。
【0040】
ウェーハWが搬送された研削テーブル7は、そのウェーハWを吸着保持したのち、再び原点位置に復帰する。
以上により、ウェーハWの位置決めが終了し、この後、ウェーハWの面取り加工が行われる。
ウェーハWの面取り加工が終了すると、研削テーブル7は原点位置に復帰する。そして、その原点位置に復帰した研削テーブル7上から図示しない搬送手段がウェーハWを回収し、次の洗浄工程に搬送する。
【0041】
このように、本実施の形態のウェーハ面取り装置1によれば、各ウェーハWごとにオリフラの位置を揃えてウェーハWの面取り加工を行うようにしているので、オリフラOFの加工量が常に一定となり、精度の高い面取り加工を行うことができる。
ところで、上記のウェーハ面取り装置1では、加工を重ねているうちに位置決め精度が低下する場合がある。そこで、次の方法によってウェーハの中心位置の位置決め精度と、ノッチの方向と深さの位置決め精度の修正を行う。
【0042】
始めに、ウェーハの中心位置の位置決め精度の修正方法について説明する。
まず、図示しない搬送手段がマスターウェーハWM を測定テーブル5上に載置する。そして、そのマスターウェーハWM を測定テーブル5が吸着保持する。
ここで、このマスターウェーハWM は、面取り加工するウェーハの基準となるウェーハであり、所定の直径を有し、外周に所定深さのノッチが形成されている。そして、あらかじめ面取り加工が施されている。
【0043】
測定テーブル5でマスターウェーハWM が吸着保持されると、ファインアライメントセンサ6によって、測定テーブル5に保持されて回転するウェーハWの直径L、ウェーハ中心位置OW (X,Y)、ノッチ中心位置N(X,Y)及びノッチ深さDが測定される。そして、この測定結果に基づいて、上述した各位置決め操作が成される。すなわち、ファインアライメントセンサ6の測定結果に基づき、ノッチが所定方向に向くように、測定テーブル5を所定量回転させるとともに、マスターウェーハWM の中心が研削テーブル7の中心と一致するように研削テーブル7を所定量移動させる。
【0044】
上記の各位置決め操作が終了したのち、トランスファーアーム10によってマスターウェーハWM を研削テーブル7に搬送する。研削テーブル7は、その搬送されたマスターウェーハWM を吸着保持したのち180°回転させる。
180°回転させたマスターウェーハWM は、面取り加工を行わずに、そのままトランスファーアーム10によって測定テーブル5に搬送される。そして、ファインアライメントセンサ6によってウェーハ中心位置が測定される。
【0045】
ここで、このファインアライメントセンサ6によって測定したマスターウェーハWM の中心位置が、研削テーブル7に搬送する前に測定したマスターウェーハWM の中心位置と一致していれば、研削テーブル7の原点OG0は正規の位置に設定されている。したがって、この場合、修正の必要はない。
一方、ファインアライメントセンサ6によって測定したマスターウェーハWM の中心位置が、研削テーブル7に搬送する前に測定したマスターウェーハWM の中心位置と一致していない場合、この場合、研削テーブル7の原点OG0は正規の位置に設定されていないので、修正の必要がある。
【0046】
修正は、ファインアライメントセンサ6によって測定したマスターウェーハWM の中心位置と、研削テーブル7に搬送する前に測定したマスターウェーハWM の中心位置とのズレ量を演算処理によって求め、そのズレ量を相殺するように研削テーブル7の原点OG0の位置を修正する。
これにより、研削テーブル7の原点OG0が正規の位置に設定し直され、精度の高い面取り加工を継続して実施することができるようになる。
【0047】
次に、ノッチの方向と深さの位置決め精度の修正方法について説明する。
まず、図示しない搬送手段がテストウェーハWT を測定テーブル5上に載置する。そして、そのテストウェーハWT を測定テーブル5が吸着保持する。このテストウェーハWT は、所定の規格に沿って作成されたもので、所定の直径を有し、外周に所定深さのノッチが形成されている。
【0048】
測定テーブル5でテストウェーハWT が吸着保持されると、ファインアライメントセンサ6によって、測定テーブル5に保持されて回転するウェーハWの直径L、ウェーハ中心位置OW (X,Y)、ノッチ中心位置N(X,Y)及びノッチ深さDが測定される。そして、この測定結果に基づいて、上述した各位置決め操作が成される。すなわち、ファインアライメントセンサ6の測定結果に基づき、ノッチが所定方向に向くように、測定テーブル5を所定量回転させるとともに、テストウェーハWT の中心が研削テーブル7の中心と一致するように研削テーブル7を所定量移動させる。
【0049】
上記の各位置決め操作が終了したのち、トランスファーアーム10によってテストウェーハWT を研削テーブル7に搬送する。研削テーブル7は、その搬送されたテストウェーハWT を吸着保持する。そして、そのテストウェーハWT の外周部の面取り加工を行わず、ノッチ中心部のみを面取り加工する。
すなわち、ノッチ中心位置にノッチ研削砥石9を当接させ、そのまま研削テーブル7をノッチ研削砥石9に向けて直進させる(通常は、ノッチNOのV形状に沿うように研削テーブル7を移動させる。)。このように、研削テーブル7を移動させることにより、テストウェーハWT のノッチNOは、図9(a)に示すように、中心部のみがノッチ研削砥石9に研削される。
【0050】
加工終了後、テストウェーハWT は、トランスファーアーム10によって測定テーブル5に搬送される。そして、ファインアライメントセンサ6によってノッチ中心位置とノッチ深さとが測定される。
ここで、図9(a)に示すように、加工後に測定したテストウェーハWT のノッチ中心位置N' と、加工前に測定したテストウェーハWT のノッチ中心位置Nとの間にズレが生じておらず、また、加工前に測定したテストウェーハWT のノッチ深さと、加工後に測定したテストウェーハWT のノッチ深さとの差が所定の設定値になっていれば、研削テーブル7の原点OG0は正規の位置に設定されている。したがって、この場合、修正の必要はない。
【0051】
一方、図9(b)に示すように、加工後に測定したテストウェーハWT のノッチ中心位置N' と、加工前に測定したテストウェーハWT のノッチ中心位置Nとの間にズレが生じている場合、又は、加工前に測定したテストウェーハWT のノッチ深さと、加工後に測定したテストウェーハWT のノッチ深さとの差が所定の設定値になっていない場合、この場合、研削テーブル7の原点OG0は正規の位置に設定されていないので、修正の必要がある。
【0052】
修正は、加工前に測定したテストウェーハWT のノッチ深さと、加工後に測定したテストウェーハWT のノッチ深さとの差を演算処理によって求め、その差が所定の設定値になるように前記研削テーブル7の原点OG0の位置を修正するとともに、加工後に測定したテストウェーハWT の中心位置N' と、加工前に測定したテストウェーハWT の中心位置Nとのズレ量λを演算処理によって求め、そのズレ量λを相殺するように前記研削テーブル7とノッチ研削砥石9との相対的位置を修正する。
【0053】
これにより、研削テーブル7の原点OG0が正規の位置に設定し直され、精度の高い面取り加工を継続して実施することができるようになる。
また、上記の各操作は、オペレータによる手作業を介さず装置側で自動的に行うことができるので、手間がかからず、短時間で実施することができる。したがって、スループットが低下することもない。
【0054】
【実施例】
次に、ウェーハカセットからウェーハを自動的に供給し、面取り加工したのち洗浄して、再びウェーハカセットに収納するタイプのウェーハ面取り装置に、上述したウェーハ位置決め機構を組み込んだ実施例について説明する。
図10は、ウェーハ面取り装置の全体構成を示す平面図である。同図に示すように、このウェーハ面取り装置20は、装置本体21に供給回収部22、アライメント部23、加工部24A、24B、洗浄部25及び搬送部26が備えられて構成されている。
【0055】
まず、供給回収部22の構成について説明する。供給回収部22は、面取り加工するウェーハWをウェーハカセット30から1枚ずつ供給するとともに、面取り加工されたウェーハWをウェーハカセット30に1枚ずつ回収する。この供給回収部22は、図10に示すように、ウェーハカセット位置決め装置32とウェーハ供給回収ロボット34から構成されている。
【0056】
ウェーハカセット位置決め装置32は、ウェーハカセット30を所定位置に位置決めする。このウェーハカセット位置決め装置32は6台のウェーハカセットテーブル33、33、…を有しており、各ウェーハカセットテーブル33、33、…は装置本体21の左側部に直列して配置されている。ウェーハカセット30、30、…は、このウェーハカセットテーブル33、33、…にセットされることにより所定位置に位置決めされる。
【0057】
ウェーハ供給回収ロボット34は、ウェーハカセットテーブル33にセットされたウェーハカセット30からウェーハWを1枚ずつ取り出しアライメント部23に供給するとともに、面取り加工されたウェーハWをアライメント部23から受け取り、元のウェーハカセット30に収納する。このウェーハ供給回収ロボット34はウェーハWを搬送するための搬送アーム36を有している。搬送アーム36は上面部に図示しない吸着パッドを有しており、この吸着パッドでウェーハWの下面を吸着保持してウェーハWの搬送を行う。
【0058】
また、この搬送アーム36は、図示しないシリンダに駆動されることにより、ターンテーブル38上に敷設されたガイド40に沿って前後移動することができる。さらに、この搬送アーム36は、ターンテーブル38が回転することにより旋回することができ、ターンテーブル38が図示しないガイドレールに沿ってスライド移動することにより、6台のウェーハカセットテーブル33、33、…に沿ってスライド移動することができる。そして、ターンテーブル38が上下動することにより上下方向に移動することができる。
【0059】
したがって、ウェーハ供給回収ロボット34の搬送アーム36は、ウェーハWを保持した状態で前後、左右、上下動及び旋回を行うことができ、この動作の組み合わせによりウェーハWの搬送を行う。
以上のように構成された供給回収部22では、次のようにしてウェーハカセット30からウェーハWをアライメント部23に供給する。
【0060】
まず、ターンテーブル38がスライド移動して、搬送アーム36が所定のウェーハカセット30の前で停止する。次に、ターンテーブル38が所定量上昇する。これにより、搬送アーム36がウェーハカセット30から取り出すウェーハWと同じ高さの位置に位置する。次に、搬送アーム36が前進してウェーハカセット30内に進入し、ウェーハカセット30内のウェーハWを吸着保持する。次に、搬送アーム36が後退してウェーハWをウェーハカセット30から取り出す。次に、ターンテーブル38が所定量下降する。これにより、搬送アーム36が元の高さの位置に復帰する。次に、ターンテーブル38が180°回転して、搬送アーム36が向きを変える。次に、ターンテーブル38がスライド移動して、搬送アーム36が所定のウェーハ受渡位置(図10に示す位置)に移動する。そして、アライメント部23の搬送ロボット42にウェーハWを受け渡す。
【0061】
面取り加工されたウェーハWをウェーハカセット30に回収する場合は、上記と逆の動作を行う。このとき、ウェーハWは取り出した時と同じウェーハカセット30に回収される。
なお、ウェーハWの供給と回収は全てウェーハカセット単位で行われ、一つのウェーハカセット30内に収納されている全てのウェーハWが供給されると、次のウェーハカセット30からウェーハWが順次供給される。
【0062】
次に、アライメント部23の構成について説明する。アライメント部23は、面取り加工するウェーハWの前測定とアライメント、及び面取り加工されたウェーハWの後測定を行う。このアライメント部23は、図10に示すように、ウェーハ搬送ロボット42とアライメント装置44とから構成されている。
ウェーハ搬送ロボット42は、図11に示すように、上下一対からなる搬送アーム46A、46Bを有している。各搬送アーム46A、46Bは、それぞれその上面部に吸着パッド47A、47Bを有しており、この吸着パッド47A、47BでウェーハWの下面部を保持してウェーハWの搬送を行う。
【0063】
また、この搬送アーム46A、46Bは、図示しないシリンダに駆動されることにより、ターンテーブル48上に敷設されたガイド50に沿って前後移動することができる。さらに、この搬送アーム46A、46Bは、ターンテーブル48が回転することにより旋回することができ、ターンテーブル48が上下動することにより上下方向に移動することができる。
【0064】
したがって、ウェーハ搬送ロボット42の搬送アーム46A、46Bは、ウェーハWを保持した状態で前後、上下動及び旋回することができ、この動作の組み合わせによりウェーハWの搬送を行う。
なお、この2本ある搬送アーム46A、46Bのうち上側の搬送アーム46Aは、面取り加工されたウェーハWの搬送に使用する。また、下側の搬送アーム46Bは、面取り加工するウェーハWの搬送に使用する。以下、必要に応じて上側の搬送アーム46Aを『第1搬送アーム46A』と呼び、下側の搬送アーム46Bを『第2搬送アーム46B』と呼ぶ。
【0065】
アライメント装置44は、面取り加工するウェーハWの前測定と、面取り加工されたウェーハWの後測定を行う。
前測定では次の各項目を測定する。すなわち、ノッチ付きウェーハWに対しては、ウェーハの直径L、ウェーハ中心位置W0 (X,Y)、ノッチ中心位置N(X,Y)、ノッチ深さD、ウェーハWの中心部の厚さT0 及び外周部の厚さT1 を測定する。また、オリフラ付きウェーハWに対しては、A直径LA 、B直径LB 、ウェーハ中心位置W0 (X,Y)、オリフラ中心位置F(X,Y)、ウェーハWの中心部の厚さT0 及び外周部の厚さT1 を測定する(図2参照)。
【0066】
一方、後測定では、ノッチ付きウェーハWに対しては、ウェーハの直径L及びノッチ深さDを測定し、オリフラ付きウェーハWに対しては、ウェーハのA直径LA 及びB直径LB を測定する(図3参照)。
このアライメント装置44は、図10及び図12に示すように、測定テーブル52、プリセンタリングセンサ53、厚さセンサ54、プリアライメントセンサ55及びファインアライメントセンサ56から構成されている。
【0067】
測定テーブル52は、所定の測定位置に設置されており、ウェーハWの裏面部を真空吸着して保持する。この測定テーブル52は、ウェーハWを保持した状態で回転及び上下動することができる。
プリセンタリングセンサ53は、前記ウェーハ搬送ロボット42によって測定テーブル52に搬送されるウェーハWの概略中心位置を測定する。このプリセンタリングセンサ53は4個のON/OFFセンサで構成されている。4個のON/OFFセンサは、前記ウェーハWの搬送路に対して直交するように配置されており、ウェーハWが通過するとON状態になる。図示しない制御装置は、この4個のON/OFFセンサのON/OFF状態を検出し、そのときのウェーハWの移動量から演算処理によってウェーハWの概略中心位置を求める。
【0068】
厚さセンサ54は、ウェーハWの厚さを測定する。この厚さセンサ54は上下一対からなる静電容量センサ54A、54Bで構成されている。一対の静電容量センサ54A、54Bは所定の間隔をもって互いに対向するように配置されており、その間に位置したウェーハWの表面、裏面までの距離を測定する。図示しない制御装置は、この静電容量センサ54A、54Bの測定結果から演算処理によってウェーハWの厚さを求める。なお、ウェーハWの厚さは、ウェーハWの中心部とウェーハWの外周部を測定する。
【0069】
プリアライメントセンサ55は、ウェーハWの外周に形成されているノッチ又はオリフラの概略位置を検出する。このプリアライメントセンサ55は赤外線センサで構成されている。赤外線センサは、赤外線を出射する投光部55Aと、その出射された赤外線を受光する受光部55Bとから構成されている。投光部55Aは前記測定テーブル52に保持されて回転するウェーハWの周縁部に赤外線を照射し、受光部55Bは出射された赤外線の受光量の変化を測定する。図示しない制御装置は、この赤外線センサの測定結果から演算処理によってウェーハWの外周に形成されているノッチ又はオリフラの概略位置を求める。
【0070】
ファインアライメントセンサ56は、ノッチ付きウェーハWに対しては、ウェーハWの直径L、ウェーハ中心位置OW (X,Y)、ノッチ中心位置N(X,Y)及びノッチ深さDを測定する。
また、オリフラ付きウェーハWに対しては、ウェーハWのA直径LA 、B直径LB 、ウェーハ中心位置OW (X,Y)及びオリフラ中心位置F(X,Y)を測定する。
【0071】
このファインアライメントセンサ56はレーザー測長器で構成されており、該レーザー測長器56は、図13に示すように、レーザー光を出射する投光部56Aと、その出射されたレーザー光を受光する受光部56Bとから構成されている。投光部56Aは前記測定テーブル52に保持されて回転するウェーハWの周縁部にレーザー光を照射し、受光部56Bはそのレーザー光の受光量の変化を測定する。図示しない制御装置は、このレーザー測長器の測定結果から演算処理によって上記の諸値を求める。具体的には、次のように測定する。
【0072】
図13に示すように、測定テーブル52の中心OT からレーザー測長器56までの距離Cは常に一定である。また、レーザー測長器56を横切るウェーハWの長さlは、その時、受光部56Bで受光されるレーザー光の受光量から求めることができる。
そこで、測定テーブル52に保持されたウェーハWを360°回転させ、その時ウェーハWがレーザー測長器56を横切る長さlを、図14に示すように、たとえば10°間隔で測定する。
【0073】
この測定データは、図15に示すように、一般的にsin波となることが知られている(なお、ウェーハWの中心OW と測定テーブルの中心OT とが一致していれば直線となる。)。したがって、この測定データを三角関数を用いて解析することにより、ウェーハWの直径Lを求めることができ、さらに、測定テーブル52の中心に対するウェーハ中心位置OW (X,Y)を求めることができる。
【0074】
また、ノッチ中心位置N(X,Y)を測定する場合は、測定間隔を狭め(例えば1°間隔で測定する。)、レーザー測長器56を横切るウェーハWの長さlが最大になる位置を測定する。これにより、測定テーブル52の中心に対するノッチ中心位置N(X,Y)を求めることができる。そして、このノッチ中心位置N(X,Y)を求めることにより、ウェーハWの直径Lとウェーハ中心位置OW (X,Y)との関係から、ノッチ深さDを求めることができる。
【0075】
また、オリフラ中心位置F(X,Y)を測定する場合は、同様に測定間隔を狭め、レーザー測長器56を横切るウェーハWの長さlが最大になる位置を測定する。これにより、測定テーブル52の中心に対するオリフラ中心位置F(X,Y)を求めることができる。そして、このオリフラ中心位置F(X,Y)を求めることにより、ウェーハWのA直径LA とウェーハ中心位置OW (X,Y)との関係から、ウェーハWのB直径LB を求めることができる。
【0076】
アライメント部23は以上のように構成される。なお、このアライメント部23におけるウェーハWの前測定の方法、アライメントの方法、及び後測定の方法については、後に詳述する。
次に、加工部24A、24Bの構成について説明する。2つの加工部24A、24Bは、それぞれ独立してウェーハWの周縁の面取り加工を行う。この2つの加工部24A、24Bは、図10に示すように、装置本体21の正面部に並列して配置されている。そして、図16及び図17に示すように(図16、図17では一方の加工部24Aの構成のみ図示)、ウェーハ送り装置60A、60B、外周研削装置62A、62B及びノッチ研削装置64A、64Bから構成されている。なお、加工部24Aと加工部24Bは同じ構成である。
【0077】
ウェーハ送り装置60A、60Bは、ウェーハWを吸着保持する研削テーブル66A、66Bを有しており、該研削テーブル66A、66Bは、図示しない駆動手段に駆動されて前後方向(Y軸方向)、左右方向(X軸方向)及び上下方向(Z軸方向)の各方向に移動するとともに、図示しないモータに駆動されて中心軸(θ軸)回りに回転する。
【0078】
外周研削装置62A、62Bは、図示しない外周モータに駆動されて回転する外周スピンドル70A、70Bを有しており、この外周スピンドル70A、70BにウェーハWの外周を面取り加工する外周研削砥石72A、72Bが装着される。外周研削砥石72A、72Bはその外周面にウェーハWに要求される面取り形状に対応した溝が形成されており(総形砥石)、この溝にウェーハWの外周又はオリフラを押し当てることにより、外周又はオリフラが面取り加工される。
【0079】
ノッチ研削装置64A、64Bは、ノッチモータ74A、74Bに駆動されて回転するノッチスピンドル76A、76Bを有しており、このノッチスピンドル76A、76BにウェーハWのノッチを面取り加工するノッチ研削砥石78A、78Bが装着される。ノッチ研削砥石78A、78Bは、その外周面にノッチに要求される面取り形状に対応した溝が形成されており(総形砥石)、この溝にウェーハWのノッチを押し当てることにより、ノッチが面取り加工される。
【0080】
前記のごとく構成された加工部24A、24Bでは、次のようにしてウェーハWを面取り加工する。なお、ウェーハWは、その外周(円形の部分)と、オリフラ部又はノッチ部を加工する場合では、それぞれ加工方法が異なるので、各々の場合に分けて説明する。
始めに、ウェーハWの外周を面取り加工する場合について説明する。まず、研削テーブル66A、66B上にウェーハWを載置し、その載置されたウェーハWを研削テーブル66A、66Bで吸着保持する。次に、外周研削砥石72A、72Bを高速回転させる。次に、研削テーブル66A、66Bを外周研削砥石72A、72Bに向けて移動させる。研削テーブル66A、66Bが所定量移動することにより、ウェーハWの外周が外周研削砥石72A、72Bの溝に当接するので、その位置で研削テーブル66A、66Bの移動を停止する。次に、研削テーブル66A、66Bを回転させる。この結果、ウェーハWの外周が外周研削砥石72A、72Bに研削されて、面取り加工される。
【0081】
次に、ウェーハWのオリフラOFを面取り加工する場合について説明する。まず、外周研削砥石72A、72Bを高速回転させる。次に、研削テーブル66A、66Bを外周研削砥石72A、72Bに向けて移動させる。これにより、オリフラの部分が外周研削砥石72A、72Bの溝に当接するので、その位置で研削テーブル66A、66Bの移動を停止する。次に、研削テーブル66A、66Bをオリフラに沿って移動させる。これにより、ウェーハWのオリフラが外周研削砥石72A、72Bに研削されて、面取り加工される。
【0082】
次に、ウェーハWのノッチを面取り加工する場合について説明する。まず、ノッチ研削砥石78A、78Bを高速回転させる。次に、研削テーブル66A、66Bをノッチ研削砥石78A、78Bに向けて移動させる。これにより、ノッチの部分がノッチ研削砥石78A、78Bの溝に当接するので、その位置で研削テーブル66A、66Bの移動を停止する。次に、研削テーブル66A、66Bをノッチの形状に沿って移動させる。すなわち、ノッチは通常V字状に形成されているので、V字を描くように研削テーブル66A、66Bを移動させる。これにより、ウェーハWのノッチがノッチ研削砥石78A、78Bに研削されて、面取り加工される。
【0083】
なお、以下の説明では、必要に応じて図10中左側の加工部24Aを『第1加工部24A』と呼び、右側の加工部24Bを『第2加工部24B』と呼ぶ。
次に、洗浄部25の構成について説明する。洗浄部25は面取り加工されたウェーハWを洗浄する。この洗浄部25は、図10に示すように、前記加工部24A、24Bに並列して配置されており、スピン洗浄装置80とウェーハ昇降装置82とから構成されている。
【0084】
スピン洗浄装置80は、ウェーハWを回転させながら洗浄液をかけて洗浄する装置である。ウェーハWは、洗浄テーブル84に吸着保持されて回転し、その回転するウェーハWに向けて図示しないノズルから洗浄液が噴射される。
ウェーハ昇降装置82は、スピン洗浄装置80によって洗浄されたウェーハWを所定高さの地点まで搬送する装置である。このウェーハ昇降装置82は、ウェーハWを搬送する昇降自在な昇降アーム86を有している。昇降アーム86は、先端下部に吸着パッド88を備えており、この吸着パッド88でウェーハWの上面を吸着保持してウェーハWを所定高さの地点まで搬送する。
【0085】
次に、搬送部26の構成について説明する。搬送部26は、アライメント部23と各加工部24A、24Bとの間、各加工部24A、24Bと洗浄部25との間、及び、洗浄部25とアライメント部23との間のウェーハWの搬送を行う。この搬送部26は、図10及び図16に示すように、供給用トランスファー90と回収用トランスファー92とから構成されている。
【0086】
供給用トランスファー90は、アライメント部23でアライメントされたウェーハWを各加工部24A、24Bに搬送する。この供給用トランスファー90は、水平ガイド94に沿って移動する供給用水平スライドブロック96と、その供給用水平スライドブロック96上に旋回及び上下動自在に設けられた供給用トランスファーアーム98とから構成されている。
【0087】
水平ガイド94は、図10に示すように、並列して配置されている加工部24A、24Bと洗浄部25に沿って設置されている。
供給用水平スライドブロック96は、前記水平ガイド94上を図示しない駆動手段に駆動されてスライド移動する。
供給用トランスファーアーム98は、図10及び図18に示すように、先端部にウェーハ受皿100を有している。このウェーハ受皿100の下面部には、一対の吸着パッド102、102が配設されており、この吸着パッド102、102にウェーハWの上面が吸着保持される。
【0088】
また、供給用トランスファーアーム98は、その基端部がアーム旋回モータ104の出力軸に固定されている。このアーム旋回モータ104は供給用昇降スライドブロック106に設けられている。供給用昇降スライドブロック106は供給用水平スライドブロック96に立設されたガイド支柱108にスライド自在に支持されており、図示しないシリンダに駆動されることによりガイド支柱108に沿って上下動する。
【0089】
以上のように構成された供給用トランスファーアーム98は、前記アーム旋回モータ104を駆動することにより基端部を中心に旋回し、供給用昇降スライドブロック106を上下動させることにより垂直に上下動する。また、供給用トランスファーアーム106は、供給用水平スライドブロック96を水平ガイド94に沿ってスライドさせることにより、図10中X軸方向に水平移動する。
【0090】
回収用トランスファー92は、各加工部24A、24Bで面取り加工されたウェーハWを洗浄部25に搬送するとともに、洗浄部25で洗浄されたウェーハWをアライメント部23に搬送する。この回収用トランスファー92は、水平ガイド94に沿って移動する回収用水平スライドブロック110と、その回収用水平スライドブロック110上に上下動自在に設けられた回収用トランスファーアーム112とから構成されている。
【0091】
水平ガイド94は、図19に示すように、前記供給用トランスファー90と共用しており、この水平ガイド94上を図示しない駆動手段に駆動されて回収用水平スライドブロック110がスライド移動する。
回収用トランスファーアーム112は、図10及び図19に示すように、先端部にウェーハ受皿114を有している。このウェーハ受皿114の下面部には第1吸着パッド116が配設されている。加工部24A、24Bで面取り加工されたウェーハWは、この第1吸着パッド116によって吸着保持されて洗浄部25に搬送される。
【0092】
また、このウェーハ受皿114の上面部には一対の第2吸着パッド118、118が配設されている。洗浄部25で洗浄されたウェーハWは、この第2吸着パッド118、118に吸着保持されてアライメント部23に搬送される。
また、回収用トランスファーアーム106は、その基端部が回収用昇降スライドブロック120に支持されている。回収用昇降スライドブロック120は回収用水平スライドブロック110に立設されたガイド支柱122にスライド自在に支持されており、図示しないシリンダに駆動されることによりガイド支柱122に沿って上下動する。
【0093】
以上のように構成された回収用トランスファーアーム112は、回収用昇降スライドブロック120を上下動させることにより垂直移動し、回収用水平スライドブロック110を水平ガイド94に沿ってスライドさせることにより、図10中X軸方向に水平移動する。
なお、図16に示すように、回収用トランスファー92のウェーハ受皿114と供給用トランスファー90のウェーハ受皿100は、互いに抵触しないように所定の間隔をもって配設されている。したがって、回収用トランスファー92のウェーハ受皿114を供給用トランスファー90のウェーハ受皿100の真下に位置させることができる(重なるように位置することができる。)。
【0094】
以上のように構成された供給用トランスファー90の供給用トランスファーアーム98と回収用トランスファー92の回収用トランスファーアーム112は、図20に示すように、それぞれ水平ガイド94に沿ってスライド移動することにより、『ウェーハ受取位置』、『第1加工部受渡位置』、『第2加工部受渡位置』、『待機位置』及び『洗浄テーブル受渡位置』の間を移動する。
【0095】
ここで、アライメント部23から各加工部24A、24BにウェーハWを搬送する場合は、おおよそ次のように行われる。
まず、供給用トランスファーアーム98が、ウェーハ受取位置に移動する。次に、供給用トランスファーアーム98が時計回りの方向に90°旋回する。そして、測定テーブル52上のウェーハWを受け取る。次に、供給用トランスファーアーム98が反時計回りの方向に90°旋回し、ウェーハ受取位置に復帰する。
【0096】
ウェーハ受取位置に復帰した供給用トランスファーアーム98は、第1加工部受渡位置(又は第2加工部受渡位置)に移動し、第1加工部24A(又は第2加工部24B)の研削テーブル66A(又は研削テーブル66B)にウェーハWを受け渡す。以上により、アライメント部23から各加工部24A、24BへのウェーハWの搬送が終了する。
【0097】
また、各加工部24A、24Bから洗浄部25にウェーハWを搬送する場合は、おおよそ次のように行われる。
まず、回収用トランスファーアーム112が、第1加工部受渡位置(又は第2加工部受渡位置)に移動する。次に、回収用トランスファーアーム112が研削テーブル66A(又は研削テーブル66B)上のウェーハWを受け取る。次に、回収用トランスファーアーム112が洗浄テーブル受渡位置に移動する。そして、洗浄テーブル84にウェーハWを受け渡す。以上により、各加工部24A、24Bから洗浄部25へのウェーハWの搬送が終了する。
【0098】
また、洗浄部25からアライメント部23にウェーハWを搬送する場合は、おおよそ次のように行われる。
まず、回収用トランスファーアーム112が、洗浄テーブル受渡位置に移動する。次に、回収用トランスファーアーム112がウェーハ昇降装置82の昇降アーム86からウェーハWを受け取る。次に、回収用トランスファーアーム112がウェーハ受取位置に移動する。回収用トランスファーアーム112がウェーハ受取位置に移動すると、アライメント部23のウェーハ搬送ロボット42が回収用トランスファーアーム112からウェーハWを受け取る。以上により、洗浄部25からアライメント部23へのウェーハWの搬送が終了する。
【0099】
前記のごとく構成された本実施例のウェーハ面取り装置20の作用は次の通りである。なお、以下の実施例では、ノッチ付きウェーハWを面取り加工する場合について説明する。
図10に示すように、まず、6つある供給ウェーハカセット30、30、…のうち1つの供給ウェーハカセット30から1枚のウェーハWがウェーハ供給回収ロボット34によって取り出される。
【0100】
取り出されたウェーハWは、ウェーハ供給回収ロボット34によってアライメント部23のウェーハ搬送ロボット42に受け渡される。なお、ウェーハWの受け渡しは、次のように行われる。
初期状態において、ウェーハ搬送ロボット42の搬送アーム46A、46Bは、所定の待機位置(図10に示す位置)に位置している。
【0101】
ウェーハ供給回収ロボット34の搬送アーム36がウェーハ受渡位置(図10に示す位置)に移動すると、このアーム搬送36に対向するようにウェーハ搬送ロボット42の搬送アーム46A、46Bが所定量旋回する。
次に、ウェーハ供給回収ロボット34の搬送アーム36が所定量前進してウェーハ搬送ロボット42の第2搬送アーム46BにウェーハWを受け渡す。ウェーハWを受け渡したウェーハ供給回収ロボット34の搬送アーム36は所定量後退する。一方、ウェーハWが受け渡されたウェーハ搬送ロボット42の搬送アーム46A、46Bは所定量旋回する。
【0102】
以上により、ウェーハWの受け取りが完了する。この状態において、ウェーハ搬送ロボット42の搬送アーム46A、46Bは、アライメント装置44の厚さ測定センサ54と対向する。
ウェーハWを受け取ったウェーハ搬送ロボット42は、搬送アーム46A、46Bが厚さセンサ54に向かって前進し、ウェーハWを厚さセンサ54に向けて搬送する。ウェーハWは、この搬送過程でプリセンタリングセンサ53を通過し、これにより、ウェーハWの概略中心位置が求められる。そして、その求められた概略中心位置情報に基づいて搬送アーム46A、46Bの移動量が制御され、ウェーハWが所定の中心厚さ測定位置に位置して停止する。
【0103】
中心厚さ測定位置に位置したウェーハWは、その中心が厚さセンサ54の測定位置と一致する。厚さセンサ54は、その測定位置に位置したウェーハWの中心部の厚さT0 を測定する。
ウェーハWの中心部の厚さ測定が終了すると、搬送アーム46A、46Bが所定量後退する。これにより、ウェーハWの中心が測定テーブル52の中心と略一致する。
【0104】
次に、測定テーブル52が所定量上昇し、搬送アーム46A、46BからウェーハWを受け取る。ウェーハWを受け渡した搬送アーム46A、46Bは所定距離後退して元の待機位置(図10に示す位置)に復帰する。
一方、ウェーハWを受け取った測定テーブル52は、ウェーハWを所定の回転速度で回転させる。そして、このウェーハWの回転が安定したところで、プリアライメントセンサ55がノッチNOの概略位置を測定する。
【0105】
また、これと同時に、ファインアライメントセンサ56がウェーハWの直径Lを測定し、ウェーハ中心位置OW (X0 ,Y0 )を正確に求める。
また、測定テーブル52に保持されたウェーハWは、その外周部が厚さセンサ54の測定位置に位置するので、前記直径の測定と同時に、厚さセンサ54が、その測定位置に位置したウェーハWの外周部の厚さを測定する。
【0106】
以上の各測定が終了すると、測定テーブル52の回転が一時停止する。そして、前記プリアライメントセンサ55の測定結果に基づいて、測定テーブル52が所定量回転し、ノッチNOが所定のノッチ測定位置に位置する。
なお、このようにプリアライメントセンサ55で予めノッチ概略位置を測定しておくのは、次の理由による。すなわち、次述するファインアライメントセンサ56は測定精度が要求されるため、データの取り込み及び演算時間が長くかかる。そのためファインアライメントセンサ56によるノッチ深さの測定には多くのデータを取り込む必要があるので処理に時間がかかり、ウェーハWの全周に渡って測定を行うと、スループットが低下してしまうからである。このため、高速な測定の可能なプリアライメントセンサ55によってノッチの概略位置を測定しておき、ファインアライメントセンサ56によるノッチ深さの測定時には、ノッチ部近傍の測定のみで済むようにされている。
【0107】
ノッチNOが所定のノッチ測定位置に位置すると、測定テーブル52がゆっくりと回転し、ウェーハWが回転し始める。そして、その回転するウェーハWに対して、ファインアライメントセンサ56がノッチ中心位置N(X0 ,Y0 )を正確に測定する。また、これと同時にノッチ深さDを測定する。
測定終了後、測定テーブル52は回転を停止する。そして、この測定結果に基づいてノッチNOの方向の位置決めが行われる。
【0108】
すなわち、測定テーブル52を所定量回転させることにより、ノッチNOを所定の基準方向に位置させる。具体的には、次のようにしてノッチNOの方向の位置決めを行う。なお、ノッチNOの基準方向はY- 方向とする。
測定終了時に図21(a)に示す位置にノッチNOが位置していたとする。ここで、ノッチ中心位置N(X0 ,Y0 )は、前記ファインアライメントセンサ56による測定によって既に求まっている。図示しない制御装置は、この求めたノッチ中心位置N(X0 ,Y0 )に基づき、ノッチNOをY- 方向(基準方向)に向けるのに必要な測定テーブル52の回転量を演算処理によって求める。そして、その演算処理によって求めた回転量に基づき測定テーブル52を回転させる。これにより、同図(b)に示すように、ノッチNOがY- 方向に向かう。
【0109】
以上により、ノッチの方向の位置決めが完了する。続いて、ウェーハWの中心位置の位置決めが行われる。ウェーハWの中心位置の位置決めは、次のように行われる。
いま、ウェーハWの中心OW が測定テーブル52の中心OT と一致している場合を考える。このとき、ノッチNOは測定テーブル52の中心を通りY軸に平行な直線上に位置している。このウェーハWを供給用トランスファー90によって第1加工部24の研削テーブル66A上に搬送する。
【0110】
なお、第1加工部24の研削テーブル66Aは、所定のウェーハ受取基準位置に位置しているものとする。
ところで、供給用トランスファーアーム98は、旋回及び水平移動することにより測定テーブル52から研削テーブル66AにウェーハWを搬送するが、この供給用トランスファーアーム98によって搬送されるウェーハWの移動量は常に一定である。
【0111】
ここで、研削テーブル66Aのウェーハ受取基準位置は、次のように設定されている。すなわち、ウェーハWの中心OW が測定テーブル52の中心OT と一致しているものとして、そのウェーハWを供給用トランスファーアーム98で研削テーブル66Aに搬送する。このとき、研削テーブル66Aに搬送されたウェーハWの中心OW が研削テーブル66Aの中心OG と一致する位置にウェーハ受取基準位置は設定されている。
【0112】
このように研削テーブル66Aのウェーハ受取基準位置を設定することにより、図22に示すように、測定テーブル52の中心OT とウェーハWの中心OW とが一致している場合は、供給用トランスファーアーム98によって研削テーブル66Aに搬送されるウェーハWの中心OW は、研削テーブル66Aの中心OG と一致する。
【0113】
しかしながら、ウェーハ中心OW が測定テーブル52の中心OT と一致していないウェーハWを供給用トランスファーアーム98によって研削テーブル66Aに搬送した場合は、図23に示すように、ウェーハWの中心OW は研削テーブル66Aの中心OG とは一致せずにズレて載置される。
ところで、供給用トランスファーアーム98によって搬送されるウェーハWの移動量は常に一定であるから、研削テーブル66Aに搬送されたときのウェーハWの中心位置OW1(ウェーハ受取基準位置に位置している研削テーブル66Aの中心位置OG0に対するウェーハWの中心位置OW1(X1 ,Y1 ))は、測定テーブル52上におけるウェーハWの中心位置OW (X0 ,Y0 )から予め求めることができる。
【0114】
そこで、図24に示すように、このズレを相殺するように、研削テーブル66Aを前記受取基準位置からX、Y方向にそれぞれ所定量移動させる。
これにより、測定テーブル52の中心OT とウェーハWの中心OW とが一致していない場合であっても、供給用トランスファーアーム98によって研削テーブル66Aに搬送されるウェーハWは、その中心OW が研削テーブル66Aの中心OG と一致する。
【0115】
なお、図24において、記号OG0は、ウェーハ受取基準位置に位置しているときの研削テーブル66A(図中二点破線で示す研削テーブル)の中心位置を示しており、記号OG1は、アライメント後の研削テーブル66A(図中実線で示す研削テーブル)の中心位置を示している。
以上により、ウェーハWの中心位置OW の位置決めが完了する。続いて、ノッチ中心位置の位置決めが行われる。このノッチ中心位置の位置決めは、次のように行われる。すなわち、研削テーブル66Aの中心OG からノッチNOのノッチ中心位置Nまでの距離Rが、あらかじめ設定した設定距離R0 となるように、研削テーブル66を所定量移動させる。具体的には、次の操作を行う。
【0116】
いま、上述したウェーハWの中心位置の位置決めを実施することにより、研削テーブル66Aがウェーハ受取基準位置から所定距離移動し、その中心OG がOG0からOG1に移動したとする。この状態で、ウェーハWを測定テーブル52から研削テーブル66Aに搬送すると、搬送されたウェーハWの中心OW は、研削テーブル66Aの中心OG (=OG1)と一致する。
【0117】
しかしながら、各ウェーハWのノッチ深さDは1枚ごとに異なっているので、ウェーハWの中心OW が研削テーブル66Aの中心OG (=OG1)と一致していても、研削テーブル66Aの中心OG (=OG1)からノッチ中心位置Nまでの距離Rは1枚ごとに異なっている。この状態でノッチNOの研削を行うと、ウェーハWによっては研削量が不足したり、あるいは多過ぎてしまったりするという不具合が生じる。
【0118】
そこで、図25に示すように、すべてのウェーハWに対して研削テーブル66Aの中心OG からノッチNOのノッチ中心位置までの距離Rが一定(設定距離R0 )となるように、研削テーブル66Aを移動させる。ここで、同図において、記号OG1は、ウェーハWの中心位置のアライメントをしたときの研削テーブル66A(図中二点破線で示す研削テーブル)の中心位置を示しており、記号OG2は、ノッチ中心位置のアライメントをしたときの研削テーブル66A(図中実線で示す研削テーブル)の中心位置を示している。
【0119】
なお、研削テーブル66Aに搬送されたときのノッチ中心位置N1 (ウェーハ受取基準位置に位置している研削テーブル66Aの中心位置OG0に対するノッチNOのノッチ中心位置N1 (X1 ,Y1 ))は、測定テーブル52上におけるノッチNOの中心位置N(X0 ,Y0 )から演算処理によって予め求めることができる。そして、ウェーハWの中心位置のアライメント後における研削テーブル66Aの中心位置OG1に対するノッチNOのノッチ中心位置N2 (X2 ,Y2 )も演算処理によって求めることができる。
【0120】
したがって、研削テーブル66Aの中心OG からノッチNOのノッチ中心位置までの距離が設定距離R0 になるのに必要な研削テーブル66の移動量は予め演算処理によって求めることができる。
以上の一連の位置決め操作を行うことにより、ウェーハWを測定テーブル52から研削テーブル66Aに搬送すると、搬送されたウェーハWは、そのノッチNOの中心位置が所定の位置決め方向(X+ 方向)に向くとともに、そのノッチNOのノッチ中心位置Nが研削テーブル66Aの中心OG から所定距離R0 の位置に位置する。
【0121】
なお、ウェーハWの搬送は、上記測定テーブル52のアライメントが終了した後に行われる。この測定テーブル52から研削テーブル66AへのウェーハWの搬送は、具体的には次のように行われる。
まず、図20に示すように、供給用トランスファーアーム98がウェーハ受取位置に移動する。この時、回収用トランスファーアーム112は待機位置で待機している。
【0122】
次に、供給用トランスファーアーム98が、時計回りの方向に90°旋回する。これにより、図20に2点破線で示すように、供給用トランスファーアーム98のウェーハ受皿100が、測定テーブル52に保持されているウェーハWの真上に位置する。
次に、供給用トランスファーアーム98が所定量下降する。これにより、ウェーハ受皿100に設けられている吸着パッド102、102がウェーハWの上面に当接する。吸着パッド102、102は、その当接したウェーハWの上面を吸着保持する。
【0123】
次に、測定テーブル52がウェーハWの吸着を解除する。そして、所定距離下降する。これにより、測定テーブル52から供給用トランスファーアーム98にウェーハWが受け渡される。
供給用トランスファーアーム98は、ウェーハWを受け取ると、反時計回りの方向に90°旋回してウェーハ受取位置に復帰する。
【0124】
以上により、ウェーハWの受け渡しが完了する。供給用トランスファーアーム98にウェーハWが受け取られると、次に処理するウェーハWがウェーハ搬送ロボット42によってアライメント装置44に搬送される。このウェーハWは、第2加工部24Bで面取り加工されるので、アライメント装置44は、その搬送されたウェーハWの位置決めを第2加工部24Bの研削テーブル66Bとの間で予め行っておく。
【0125】
供給用トランスファーアーム98がウェーハを受け取ると、供給用トランスファーアーム98は、図20に示す第1加工部受渡位置に移動する。この第1加工部受渡位置には、前記のごとくアライメントされた研削テーブル66Aが待機しているので、供給用トランスファーアーム98は、所定距離下降して研削テーブル66AにウェーハWを受け渡す。
【0126】
研削テーブル66Aは、その受け渡されたウェーハWを真空吸着によって吸着保持する。一方、ウェーハWを受け渡した供給用トランスファーアーム98は所定距離上昇して元の高さの位置に復帰する。
ウェーハWを吸着保持した研削テーブル66Aは、供給用トランスファーアーム98が上昇すると、そのウェーハWの面取り加工を開始する。ここで、ウェーハWは、研削テーブル66Aに受け渡された段階で既に所定の位置に位置決めされているので、改めて位置決めする必要がなく、そのまま加工を開始することができる。
【0127】
第1加工部24AによるウェーハWの面取り加工が開始されると、供給用トランスファーアーム98は、再びウェーハ受取位置に移動する。そして、旋回してアライメント装置44から既にアライメント済みのウェーハWを受け取る。
供給用トランスファーアーム98がウェーハWを受け取り、元のウェーハ受取位置に復帰すると、供給用トランスファーアーム98は第2加工部受渡位置に移動する。この第2加工部受渡位置には、前記のごとくアライメントされた研削テーブル66Bが待機しているので、供給用トランスファーアーム98は、所定距離下降して研削テーブル66BにウェーハWを受け渡す。
【0128】
研削テーブル66Bは、その受け渡されたウェーハWを真空吸着によって吸着保持する。一方、ウェーハWを受け渡した供給用トランスファーアーム98は所定距離上昇して元の高さの位置に復帰する。
ウェーハWを吸着保持した研削テーブル66Bは、供給用トランスファーアーム98が上昇すると、そのウェーハWの面取り加工を開始する。ここで、ウェーハWは、前記同様、研削テーブル66Bに受け渡された段階で既に所定の位置に位置決めされているので、改めて位置決めする必要がなく、そのまま加工を開始することができる。
【0129】
以上の工程で、2台の加工部24A、24BにそれぞれウェーハWが供給され、ウェーハWの面取り加工が2ヵ所で行われるようになる。
前記第1加工部24Aと第2加工部24BでウェーハWの面取り加工が実施されている間に供給用トランスファーアーム98はウェーハ受取位置に移動する。また、アライメント部23では、次に第1加工部24Aで面取り加工するウェーハWの前測定を予め行っておく。また、これと同時に待機位置に待機していた回収用トランスファーアーム112が第1加工部受渡位置に移動する。
【0130】
測定テーブル52のアライメントが終了すると、あらかじめウェーハ受取位置に待機していた供給用トランスファーアーム98が旋回して、測定テーブル52からウェーハWを受け取る。測定テーブル52からウェーハWを受け取った供給用トランスファーアームは、第1加工部受渡位置に移動する。
前記第1加工部24AでウェーハWの面取り加工が開始されてから所定時間が経過すると、その第1加工部24AでウェーハWの面取り加工が終了する。このウェーハWの面取り加工が終了すると、第1加工部24Aの研削テーブル66Aはウェーハ受取基準位置に移動する。
【0131】
研削テーブル66Aがウェーハ受取基準位置に移動すると、あらかじめ第1加工部受渡位置に位置していた回収用トランスファーアーム112が所定距離下降する。これにより、回収用トランスファーアーム112の第1吸着パッド116が研削テーブル66Aに保持されているウェーハWの上面に当接する。第1吸着パッド116は、そのウェーハWの上面を吸着保持する。一方、研削テーブル66AはウェーハWの吸着を解除する。
【0132】
回収用トランスファーアーム112は、研削テーブル66Aの吸着が解除されると、所定距離上昇して元の位置に復帰する。これにより、研削テーブル66Aから回収用トランスファーアーム112に面取り加工されたウェーハWが受け渡される。
ウェーハWを受け取った回収用トランスファーアーム112は、この後、図20に示す洗浄テーブル受渡位置に移動する。そして、洗浄テーブル受渡位置に移動した回収用トランスファーアーム112は所定距離下降して、スピン洗浄装置80の洗浄テーブル84にウェーハWを受け渡す。ウェーハWを受け渡した回収用トランスファーアーム112は、所定距離上昇して元の高さの位置に復帰する。そして、待機位置に移動する。
【0133】
一方、ウェーハWを受け取ったスピン洗浄装置80は、この回収用トランスファーアーム112の上昇後、そのウェーハWの洗浄を開始する。
ここで、上記のように第1加工部24Aで面取り加工されたウェーハWが回収用トランスファーアーム112によって洗浄部25に搬送されると、第1加工部24Aでは、次に面取り加工するウェーハWのアライメントが行われる。そして、そのアライメントが終了すると、供給用トランスファーアーム98は、そのアライメントされた研削テーブル66AにウェーハWを受け渡す。研削テーブル66AはウェーハWを受け取ったのち、そのウェーハWの面取り加工を開始する。一方、ウェーハWを受け渡した供給用トランスファーアーム98は、再びウェーハ受取位置に移動して待機する。
【0134】
スピン洗浄装置80に供給されたウェーハWの洗浄が終了すると、ウェーハ昇降装置82の昇降アーム86が所定量下降する。そして、その先端に設けられたパッド88で洗浄されたウェーハWの上面を吸着保持する。ウェーハWを保持した昇降アーム86は、そのまま上昇し、元の高さの位置に復帰する。そして、その位置でウェーハWを保持したまま待機する。
【0135】
一方、アライメント部23では、次に第2加工部24Bで面取り加工するウェーハWの前測定を予め行なっておく。また、これと同時に待機位置に待機していた回収用トランスファーアーム112が第2加工部受渡位置に移動する。アライメントが終了すると、あらかじめウェーハ受取位置に待機していた供給用トランスファーアーム98が旋回して、測定テーブル52からウェーハWを受け取る。ウェーハWを受け取った供給用トランスファーアーム98は、第2加工部受渡位置に移動する。
【0136】
第2加工部24BでウェーハWの面取り加工が開始されてから所定時間が経過すると、その第2加工部24BでウェーハWの面取り加工が終了する。この第2加工部24BでウェーハWの面取り加工が終了すると、第2加工部24Bの研削テーブル66Bはウェーハ受取基準位置に移動する。研削テーブル66Bがウェーハ受取基準位置に移動すると、あらかじめ第2加工部受渡位置に待機していた回収用トランスファーアーム112が、研削テーブル66Bに保持されているウェーハWを受け取る。ウェーハWを受け取った回収用トランスファーアーム112は、洗浄テーブル受渡位置に移動し、スピン洗浄装置80の洗浄テーブル84にウェーハWを受け渡す。
【0137】
ここで、このスピン洗浄装置80の上方には、先にスピン洗浄装置80で洗浄されたウェーハWがウェーハ昇降装置82の昇降アーム86に保持された状態で待機する。
そこで、ウェーハWをスピン洗浄装置80に受け渡した回収用トランスファーアーム112は、ウェーハ昇降装置82の昇降アーム86に保持されているウェーハWを受け取る。
【0138】
すなわち、まず、ウェーハWをスピン洗浄装置80に受け渡した回収用トランスファーアーム112は、所定距離上昇する。これにより、回収用トランスファーアーム112の第2吸着パッド118、118がウェーハ昇降装置82の昇降アーム86に保持されているウェーハWの下面に当接する。第2吸着パッド118、118は、そのウェーハWの下面を吸着保持する。一方、ウェーハ昇降装置82のパッド88は、ウェーハWの吸着を解除する。これにより、ウェーハ昇降装置82の昇降アーム86から回収用トランスファーアーム112にウェーハWが受け渡される。ウェーハWを受け取った回収用トランスファーアーム112は所定量下降し待機位置に移動する。
【0139】
ここで、上記のように第2加工部24Bで面取り加工されたウェーハWが回収用トランスファーアーム112によって洗浄部25に搬送されると、第2加工部24Bでは、次に面取り加工するウェーハWのアライメントが行なわれる。そしてアライメントが終了すると、供給用トランスファーアーム98は、そのアライメントされた研削テーブル66BにウェーハWを受け渡す。研削テーブル66Bは、ウェーハWを受け取ったのちそのウェーハWの面取り加工を開始する。
【0140】
一方、ウェーハWを受け渡した供給用トランスファーアーム98は、再びウェーハ受取位置に移動して待機する。そして、この供給トランスファーアームがウェーハ受取位置に移動すると、同時に回収用トランスファーアーム112がウェーハ受取位置に移動する。また、これと同時にウェーハ搬送ロボット42の搬送アーム46A、46Bが時計回りの方向に90°旋回する。この結果、ウェーハ搬送ロボット42の搬送アーム46A、46Bが回収用トランスファーアーム112のウェーハ受皿114と対向するように位置する。
【0141】
ウェーハ搬送ロボット42の搬送アーム46A、46Bは、この後、回収用トランスファーアーム112のウェーハ受皿114に向かって所定量前進する。この結果、ウェーハ搬送ロボット42の第1搬送アーム46Aが、回収用トランスファーアーム112に保持されたウェーハWの下側に位置する。ウェーハ搬送ロボット42の搬送アーム46A、46Bは所定量上昇して、第1搬送アーム46Aでウェーハ受皿114からウェーハWを受け取る。なお、この際、ウェーハ搬送ロボット42の搬送アーム46A、46Bと、回収用トランスファーアーム112のウェーハ受皿114は、互いに接触しないようになっている。
【0142】
第1搬送アーム46AでウェーハWが受け取られると、搬送アーム46A、46Bは所定量後退し、その後、反時計回りの方向に90°旋回して、元の位置に復帰する。
一方、ウェーハWを受け渡した回収用トランスファーアーム112は第1加工部受渡位置に移動する。
【0143】
ここで、ウェーハ受取位置には、あらかじめ供給用トランスファーアーム98が位置しており、また、測定テーブル52には、次に第1加工部24Aで面取り加工するウェーハWがアライメント済みの状態で待機している。
ウェーハ搬送ロボット42の第1搬送アーム46AがウェーハWを受け取ると、これと同時に供給用トランスファーアーム98が旋回して測定テーブル52からウェーハWを受け取る。そして、ウェーハWを受け取った供給用トランスファーアーム98は、第1加工部受渡位置に移動する。
【0144】
回収用トランスファーアーム112と供給用トランスファーアーム98の移動後、ウェーハ搬送ロボット42の搬送アーム46A、46Bは、アライメント装置44の測定テーブル52に向かって所定量前進する。そして、第1搬送アーム46Aに保持されているウェーハWを測定テーブル52に受け渡す。ウェーハWを受け渡したウェーハ搬送ロボット42の搬送アーム46A、46Bは所定量後退する。
【0145】
一方、アライメント装置44は、測定テーブル52に受け渡されたウェーハWを受け取ると、そのウェーハWの後測定を行う。すなわち、ファインアライメントセンタリング56によってウェーハWの直径を測定するとともに、ノッチNOのノッチ深さDを測定する。
測定が終了すると、ウェーハ搬送ロボット42の搬送アーム46A、46Bが所定量前進し、第1搬送アーム46Aによって測定テーブル52からウェーハWを受け取る。そして、再び所定量後退する。
【0146】
ここで、前記のごとくアライメント部44でウェーハWの後測定が行われている間、ウェーハ供給回収ロボット34の搬送アーム36が、次に面取り加工するウェーハWをウェーハカセット30から取り出して、所定のウェーハ受渡位置(図10に示す位置)に待機している。
ウェーハ搬送ロボット42の搬送アーム46A、46Bは、測定テーブル52から所定量後退したのち旋回して、ウェーハ供給回収ロボット34の搬送アーム36と対向するように位置する。この後、ウェーハ供給回収ロボット34の搬送アーム36が所定量前進してウェーハ搬送ロボット42の第2搬送アーム46Bに次に面取り加工するウェーハWを受け渡す。
【0147】
ウェーハWを受け渡したウェーハ供給回収ロボット34の搬送アーム36は、一度所定量後退したのち、所定量上昇する。そして、所定量前進してウェーハ搬送ロボット42の第2搬送アーム46Bから面取り加工されたウェーハWを受け取る。
ウェーハWを受け取ったウェーハ供給回収ロボット34の搬送アーム36は、所定量後退したのち旋回する。そして、そのウェーハWを取り出した時と同じウェーハカセット30に移動して、取り出したときと同じ位置に収納する。
【0148】
面取り加工されたウェーハWを収納後、ウェーハ供給回収ロボット34の搬送アーム36は、次に面取り加工するウェーハWをウェーハカセット30から取り出し、所定のウェーハ受渡位置に移動して待機している。
一方、ウェーハWを受け取ったウェーハ搬送ロボット42の搬送アーム46A、46Bは、アライメント装置44にウェーハWを搬送する。
【0149】
以上一連の工程を経ることにより、ウェーハカセット30に収納されているウェーハWが面取り加工されて再びウェーハカセット30に収納される。したがって、以下この工程順次繰り返し行うことにより、ウェーハカセット30に収納されている全てのウェーハWが面取り加工される。
このように、本実施例のウェーハ面取り装置20によれば、ノッチNOの位置を揃えて面取り加工することができるので、従来のようにノッチNOの研削量が多くなり過ぎたり、逆に少なくなり過ぎたりするということがなくなり、精度の高い面取り加工を行うことができる。また、これによりノッチ研削砥石の破損を有効に防止することができる。
【0150】
さらに、メカニカル式の位置決め機構を採用した場合に比べ、装置全体をコンパクト化することができ、しかも基準駒や挟持ローラ等の消耗部品がなくなるため、メンテナンスフリーとなる。
なお、上記の実施例では、ノッチ付きウェーハWを面取り加工する場合について説明したが、同様の方法によってオリフラ付きウェーハWの面取り加工も行うことができる。そして、この場合もオリフラの位置を揃えて面取り加工することができるので、精度の高い面取り加工を行うことができる。
【0151】
また、本実施例のウェーハ面取り装置20においても、上述した実施の形態と同様の方法で位置決め精度の修正を行うことができる。そして、この修正を実施することにより、精度の高い面取り加工を継続して実施することができるようになる。
さらに、本実施例のウェーハ面取り装置20では、アライメント装置44において面取り加工されたウェーハWの後測定も行うことができる。これにより、別途後測定部を設置する必要がなくなるので、装置のコンパクト化を図ることができる。
【0152】
なお、この後測定の測定結果を利用することにより、更なる加工精度の向上を図ることができる。すなわち、後測定で測定されたウェーハWの直径及びノッチ深さ(オリフラ付きウェーハWに対してはA直径とB直径)によって加工精度が分かるので、この後測定の測定データをフィードバックして加工部24A、24Bの加工条件の設定を変える。これにより、更なる加工精度の向上を図ることができる。
【0153】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、ウェーハに形成されているノッチの位置又はオリフラの位置を揃えて面取り加工するようにしているので、ウェーハを高精度に加工することができる。また、メカニカル式の位置決め機構を必要としないので、装置の全体構成がシンプルになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るウェーハ面取り装置の実施の形態構成を示す平面図
【図2】アライメントセンサによる測定項目の説明図(ノッチ付きウェーハ)
【図3】アライメントセンサによる測定項目の説明図(オリフラ付きウェーハ)
【図4】ノッチ方向の位置決め方法の説明図
【図5】ウェーハ中心位置の位置決め方法の説明図
【図6】ウェーハ中心位置の位置決め方法の説明図
【図7】ウェーハ中心位置の位置決め方法の説明図
【図8】ノッチ中心位置の位置決め方法の説明図
【図9】位置決め精度修正方法の説明図
【図10】ウェーハ面取り装置の実施例の構成を示す平面図
【図11】ウェーハ搬送ロボットの搬送アームの構成を示す斜視図
【図12】アライメント部の構成を示す斜視図
【図13】ファインアライメントセンサの構成を示す側面図
【図14】ファインアライメントセンサによる測定方法の説明図
【図15】ファインアライメントセンサによる測定方法の説明図
【図16】加工部と搬送部の構成を示す側面図
【図17】加工部の構成を示す斜視図
【図18】供給用トランスファーの構成を示す側面図
【図19】回収用トランスファーの構成を示す側面図
【図20】搬送部の構成を示す平面図
【図21】ノッチ方向の位置決め方法の説明図
【図22】ウェーハ中心位置の位置決め方法の説明図
【図23】ウェーハ中心位置の位置決め方法の説明図
【図24】ウェーハ中心位置の位置決め方法の説明図
【図25】ノッチ中心位置の位置決め方法の説明図
【図26】従来のメカニカル方式の位置決め機構の構成を示す斜視図
【符号の説明】
1…ウェーハ面取り装置
2…アライメント部
3…加工部
4…搬送部
5…測定テーブル
6…ファインアライメントセンサ
7…研削テーブル
8…外周研削砥石
9…ノッチ研削砥石
10…トランスファーアーム
W…ウェーハ
NO…ノッチ
OF…オリフラ
Claims (6)
- ウェーハ面取り装置に備えられ、研削テーブル上にノッチ付きウェーハを位置決めして載置するウェーハ位置決め機構であって、所定の基準位置を原点として前記研削テーブルをX、Y方向に水平移動させる移動手段と、所定の測定位置に配置され、前記ウェーハを保持して回転させる測定テーブルと、前記測定テーブルに保持されたウェーハの直径、中心位置、ノッチ中心位置及びノッチ深さを測定する測定手段と、前記測定位置と前記基準位置との間を移動して、前記測定テーブルから前記研削テーブルに前記ウェーハを搬送する搬送手段と、前記搬送手段によって前記ウェーハを前記測定テーブルから前記研削テーブルに搬送した際に、前記ノッチが前記研削テーブルの中心に対して所定方向に位置するように前記ノッチ中心位置の測定結果に基づいて前記測定テーブルを所定量回転させるとともに、前記搬送手段によって前記ウェーハを前記測定テーブルから前記研削テーブルに搬送した際に、前記ノッチの底部が前記研削テーブルの中心から所定距離の位置に位置するように前記ウェーハの直径、中心位置及びノッチ深さの測定結果に基づいて前記研削テーブルを前記基準位置からX、Y方向に所定距離移動させる制御手段と、からなるウェーハ位置決め機構の精度調整方法において、
前記測定テーブル上にマスターウェーハを載置し、
前記マスターウェーハの中心位置を前記測定手段で測定し、
前記搬送手段によって前記マスターウェーハを前記測定テーブルから前記研削テーブルに搬送した際に、前記マスターウェーハの中心が前記研削テーブルの中心と一致するように、前記マスターウェーハの中心位置の測定結果に基づいて前記研削テーブルを前記基準位置からX、Y方向に所定距離移動し、
前記マスターウェーハを前記搬送手段によって前記測定テーブルから前記研削テーブルに搬送し、
前記マスターウェーハを保持した研削テーブルを1/2回転し、
前記マスターウェーハを前記搬送手段によって前記研削テーブルから前記測定テーブルに搬送し、
前記マスターウェーハの中心位置を前記測定手段で測定し、
前記研削テーブルに搬送する前に測定した前記マスターウェーハと、前記研削テーブルに搬送した後に測定した前記マスターウェーハの中心位置とのズレ量を演算し、
前記ズレ量を相殺するように、前記研削テーブルをX、Y方向に所定距離移動して前記基準位置を修正して精度を調整することを特徴とするウェーハ位置決め機構の精度調整方法。 - ウェーハ面取り装置に備えられ、研削テーブル上にノッチ付きウェーハを位置決めして載置するウェーハ位置決め機構であって、所定の基準位置を原点として前記研削テーブルをX、Y方向に水平移動させる移動手段と、所定の測定位置に配置され、前記ウェーハを保持して回転させる測定テーブルと、前記測定テーブルに保持されたウェーハの直径、中心位置、ノッチ中心位置及びノッチ深さを測定する測定手段と、前記測定位置と前記基準位置との間を移動して、前記測定テーブルから前記研削テーブルに前記ウェーハを搬送する搬送手段と、前記搬送手段によって前記ウェーハを前記測定テーブルから前記研削テーブルに搬送した際に、前記ノッチが前記研削テーブルの中心に対して所定方向に位置するように前記ノッチ中心位置の測定結果に基づいて前記測定テーブルを所定量回転させるとともに、前記搬送手段によって前記ウェーハを前記測定テーブルから前記研削テーブルに搬送した際に、前記ノッチの底部が前記研削テーブルの中心から所定距離の位置に位置するように前記ウェーハの直径、中心位置及びノッチ深さの測定結果に基づいて前記研削テーブルを前記基準位置からX、Y方向に所定距離移動させる制御手段と、からなるウェーハ位置決め機構の精度調整方法において、
前記測定テーブル上にテストウェーハを載置し、
前記テストウェーハの中心位置とノッチ中心位置を前記測定手段で測定し、
前記搬送手段によって前記ウェーハを前記測定テーブルから前記研削テーブルに搬送した際に、前記ノッチが前記研削テーブルの中心に対して所定方向に位置するように前記測定テーブルを前記ノッチ中心位置の測定結果に基づいて所定量回転させるとともに、前記搬送手段によって前記ウェーハを前記測定テーブルから前記研削テーブルに搬送した際に、前記ノッチの底部が前記研削テーブルの中心から所定距離の位置に位置するように前記ウェーハの直径、中心位置及びノッチ深さの測定結果に基づいて前記研削テーブルを前記基準位置からX、Y方向に所定距離移動し、
前記テストウェーハを前記搬送手段によって前記測定テーブルから前記研削テーブルに搬送し、
前記研削テーブルに保持された前記テストウェーハのノッチと、前記ウェーハ面取り装置に備えられた回転するノッチ研削砥石とを相対的に近づけて、前記ノッチの中心部のみを面取り加工し、
前記テストウェーハを前記搬送手段によって前記研削テーブルから前記測定テーブルに搬送し、
面取り加工したノッチの深さを測定し、
面取り加工したノッチの中心位置と、正規のノッチの中心位置とのズレ量を測定し、
前記面取り加工後のノッチ深さと面取り加工前のノッチ深さの差が所定量になるように前記研削テーブルをX、Y方向に所定距離移動して前記基準位置を修正するとともに、前記ノッチ中心位置のズレ量を相殺するように、前記研削テーブルとノッチ研削砥石との相対的位置を修正して精度を調整することを特徴とするウェーハ位置決め機構の精度調整方法。 - ウェーハ面取り装置に備えられ、研削テーブル上にオリフラ付きウェーハを位置決めして載置するウェーハ位置決め機構であって、所定の基準位置を原点として前記研削テーブルをX、Y方向に水平移動させる移動手段と、所定の測定位置に配置され、前記ウェーハを保持して回転させる測定テーブルと、前記測定テーブルに保持された前記ウェーハの円形部分の直径、オリフラ部分の直径、ウェーハの中心位置及びオリフラ中心位置を測定する測定手段と、前記測定位置と前記基準位置との間を移動して、前記測定テーブルから前記研削テーブルに前記ウェーハを搬送する搬送手段と、前記搬送手段によって前記ウェーハを前記測定テーブルから前記研削テーブルに搬送した際に、前記オリフラが前記研削テーブルの中心に対して所定方向に位置するように、前記測定テーブルを前記オリフラ中心位置の測定結果に基づいて所定量回転させるとともに、前記搬送手段によって前記ウェーハを前記測定テーブルから前記研削テーブルに搬送した際に、前記オリフラが前記研削テーブルの中心から所定距離の位置に位置するように、前記ウェーハの中心位置及びオリフラ部分の直径の測定結果に基づいて前記研削テーブルを前記基準位置からX、Y方向に所定距離移動させる制御手段と、ウェーハ位置決め機構の精度調整方法において、
前記測定テーブル上にマスターウェーハを載置し、
前記マスターウェーハの中心位置を前記測定手段で測定し、
前記搬送手段によって前記マスターウェーハを前記測定テーブルから前記研削テーブルに搬送した際に、前記マスターウェーハの中心が前記研削テーブルの中心と一致するように、前記マスターウェーハの中心位置の測定結果に基づいて前記研削テーブルを前記基準位置からX、Y方向に所定距離移動し、
前記マスターウェーハを前記搬送手段によって前記測定テーブルから前記研削テーブルに搬送し、
前記マスターウェーハを保持した研削テーブルを1/2回転し、
前記マスターウェーハを前記搬送手段によって前記研削テーブルから前記測定テーブルに搬送し、
前記マスターウェーハの中心位置を前記測定手段で測定し、
前記研削テーブルに搬送する前に測定した前記マスターウェーハと、前記研削テーブルに搬送した後に測定した前記マスターウェーハの中心位置とのズレ量を演算し、
前記ズレ量を相殺するように、前記研削テーブルをX、Y方向に所定距離移動して前記基準位置を修正して精度を調整することを特徴とするウェーハ位置決め機構の精度調整方法。 - ウェーハ面取り装置に備えられ、研削テーブル上にノッチ付きウェーハを位置決めして載置するウェーハ位置決め機構であって、所定の基準位置を原点として前記研削テーブルをX、Y方向に水平移動させる移動手段と、所定の測定位置に配置され、前記ウェーハを保持して回転させる測定テーブルと、前記測定テーブルに前記ウェーハを搬送する第1の搬送手段と、前記測定テーブルに保持されたウェーハの直径、中心位置、ノッチ中心位置及びノッチ深さを測定する測定手段と、前記測定位置と前記基準位置との間を移動して、前記測定テーブルから前記研削テーブルに前記ウェーハを搬送する第2の搬送手段と、前記第2の搬送手段によって前記ウェーハを前記測定テーブルから前記研削テーブルに搬送した際に、前記ノッチが前記研削テーブルの中心に対して所定方向に位置するように前記ノッチ中心位置の測定結果に基づいて前記測定テーブルを所定量回転させるとともに、前記第2の搬送手段によって前記ウェーハを前記測定テーブルから前記研削テーブルに搬送した際に、前記ノッチの底部が前記研削テーブルの中心から所定距離の位置に位置するように前記ウェーハの直径、中心位置及びノッチ深さの測定結果に基づいて前記研削テーブルを前記基準位置からX、Y方向に所定距離移動させる制御手段と、からなるウェーハ位置決め機構において、
前記移動手段、前記測定テーブル、前記第1の搬送手段、前記測定手段、前記第2の搬送手段を制御して、ウェーハ位置決め機構の精度を調整する位置決め精度調整手段を有し、
前記位置決め精度調整手段は、
前記第1の搬送手段によって前記測定テーブル上にマスターウェーハを載置し、
前記マスターウェーハの中心位置を前記測定手段で測定し、
前記第2の搬送手段によって前記マスターウェーハを前記測定テーブルから前記研削テーブルに搬送した際に、前記マスターウェーハの中心が前記研削テーブルの中心と一致するように、前記マスターウェーハの中心位置の測定結果に基づいて前記研削テーブルを前記基準位置からX、Y方向に所定距離移動し、
前記マスターウェーハを前記第2の搬送手段によって前記測定テーブルから前記研削テーブルに搬送し、
前記マスターウェーハを保持した研削テーブルを1/2回転し、
前記マスターウェーハを前記第2の搬送手段によって前記研削テーブルから前記測定テーブルに搬送し、
前記マスターウェーハの中心位置を前記測定手段で測定し、
前記研削テーブルに搬送する前に測定した前記マスターウェーハと、前記研削テーブルに搬送した後に測定した前記マスターウェーハの中心位置とのズレ量を演算し、
前記ズレ量を相殺するように、前記研削テーブルをX、Y方向に所定距離移動して前記基準位置を修正して精度を調整することを特徴とするウェーハ位置決め機構。 - ウェーハ面取り装置に備えられ、研削テーブル上にノッチ付きウェーハを位置決めして載置するウェーハ位置決め機構であって、所定の基準位置を原点として前記研削テーブルをX、Y方向に水平移動させる移動手段と、所定の測定位置に配置され、前記ウェーハを保持して回転させる測定テーブルと、前記測定テーブルに前記ウェーハを搬送する第1の搬送手段と、前記測定テーブルに保持されたウェーハの直径、中心位置、ノッチ中心位置及びノッチ深さを測定する測定手段と、前記測定位置と前記基準位置との間を移動して、前記測定テーブルから前記研削テーブルに前記ウェーハを搬送する第2の搬送手段と、前記第2の搬送手段によって前記ウェーハを前記測定テーブルから前記研削テーブルに搬送した際に、前記ノッチが前記研削テーブルの中心に対して所定方向に位置するように前記ノッチ中心位置の測定結果に基づいて前記測定テーブルを所定量回転させるとともに、前 記第2の搬送手段によって前記ウェーハを前記測定テーブルから前記研削テーブルに搬送した際に、前記ノッチの底部が前記研削テーブルの中心から所定距離の位置に位置するように前記ウェーハの直径、中心位置及びノッチ深さの測定結果に基づいて前記研削テーブルを前記基準位置からX、Y方向に所定距離移動させる制御手段と、からなるウェーハ位置決め機構において、
前記移動手段、前記測定テーブル、前記第1の搬送手段、前記測定手段、前記第2の搬送手段を制御して、ウェーハ位置決め機構の精度を調整する位置決め精度調整手段を有し、
前記位置決め精度調整手段は、
前記第1の搬送手段によって前記測定テーブル上にテストウェーハを載置し、
前記テストウェーハの中心位置とノッチ中心位置を前記測定手段で測定し、
前記第2の搬送手段によって前記ウェーハを前記測定テーブルから前記研削テーブルに搬送した際に、前記ノッチが前記研削テーブルの中心に対して所定方向に位置するように前記測定テーブルを前記ノッチ中心位置の測定結果に基づいて所定量回転させるとともに、前記第2の搬送手段によって前記ウェーハを前記測定テーブルから前記研削テーブルに搬送した際に、前記ノッチの底部が前記研削テーブルの中心から所定距離の位置に位置するように前記ウェーハの直径、中心位置及びノッチ深さの測定結果に基づいて前記研削テーブルを前記基準位置からX、Y方向に所定距離移動し、
前記テストウェーハを前記第2の搬送手段によって前記測定テーブルから前記研削テーブルに搬送し、
前記研削テーブルに保持された前記テストウェーハのノッチと、前記ウェーハ面取り装置に備えられた回転するノッチ研削砥石とを相対的に近づけて、前記ノッチの中心部のみを面取り加工し、
前記テストウェーハを前記第2の搬送手段によって前記研削テーブルから前記測定テーブルに搬送し、
面取り加工したノッチの深さを測定し、
面取り加工したノッチの中心位置と、正規のノッチの中心位置とのズレ量を測定し、
前記面取り加工後のノッチ深さと面取り加工前のノッチ深さの差が所定量になるように前記研削テーブルをX、Y方向に所定距離移動して前記基準位置を修正するとともに、前記ノッチ中心位置のズレ量を相殺するように、前記研削テーブルとノッチ研削砥石との相対的位置を修正して精度を調整することを特徴とするウェーハ位置決め機構。 - ウェーハ面取り装置に備えられ、研削テーブル上にオリフラ付きウェーハを位置決めして載置するウェーハ位置決め機構であって、所定の基準位置を原点として前記研削テーブルをX、Y方向に水平移動させる移動手段と、所定の測定位置に配置され、前記ウェーハを保持して回転させる測定テーブルと、前記測定テーブルに前記ウェーハを搬送する第1の搬送手段と、前記測定テーブルに保持された前記ウェーハの円形部分の直径、オリフラ部分の直径、ウェーハの中心位置及びオリフラ中心位置を測定する測定手段と、前記測定位置と前記基準位置との間を移動して、前記測定テーブルから前記研削テーブルに前記ウェーハを搬送する第2の搬送手段と、前記第2の搬送手段によって前記ウェーハを前記測定テーブルから前記研削テーブルに搬送した際に、前記オリフラが前記研削テーブルの中心に対して所定方向に位置するように、前記測定テーブルを前記オリフラ中心位置の測定結果に基づいて所定量回転させるとともに、前記第2の搬送手段によって前記ウェーハを前記測定テーブルから前記研削テーブルに搬送した際に、前記オリフラが前記研削テーブルの中心から所定距離の位置に位置するように、前記ウェーハの中心位置及びオリフラ部分の直径の測定結果に基づいて前記研削テーブルを前記基準位置からX、Y方向に所定距離移動させる制御手段と、ウェーハ位置決め機構において、
前記移動手段、前記測定テーブル、前記第1の搬送手段、前記測定手段、前記第2の搬送手段を制御して、ウェーハ位置決め機構の精度を調整する位置決め精度調整手段を有し、
前記位置決め精度調整手段は、
前記第1の搬送手段によって前記測定テーブル上にマスターウェーハを載置し、
前記マスターウェーハの中心位置を前記測定手段で測定し、
前記第2の搬送手段によって前記マスターウェーハを前記測定テーブルから前記研削テーブルに搬送した際に、前記マスターウェーハの中心が前記研削テーブルの中心と一致するように、前記マスターウェーハの中心位置の測定結果に基づいて前記研削テーブルを前記基準位置からX、Y方向に所定距離移動し、
前記マスターウェーハを前記第2の搬送手段によって前記測定テーブルから前記研削テーブルに搬送し、
前記マスターウェーハを保持した研削テーブルを1/2回転し、
前記マスターウェーハを前記第2の搬送手段によって前記研削テーブルから前記測定テーブルに搬送し、
前記マスターウェーハの中心位置を前記測定手段で測定し、
前記研削テーブルに搬送する前に測定した前記マスターウェーハと、前記研削テーブルに搬送した後に測定した前記マスターウェーハの中心位置とのズレ量を演算し、
前記ズレ量を相殺するように、前記研削テーブルをX、Y方向に所定距離移動して前記基準位置を修正して精度を調整することを特徴とするウェーハ位置決め機構。
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