JP3944346B2 - スイッチ装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、操作板の操作に基づきスイッチ手段の状態を変化させる構成のスイッチ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種のスイッチ装置の従来構成を図21及び図22に示す。これらの図において、矩形板状をなす操作板1は、ベース2に対してばね3を介して設けられている。前記ベース2のうち前記操作板1のほぼ中央部と対応する部位には、1個の押釦スイッチ4が設けられている。
【0003】
上記構成のスイッチ装置においては、前記操作板1が押圧操作されると、図22に示すように前記押釦スイッチ4の操作子4aが押圧され、この結果、前記押釦スイッチ4の状態が切替えられる。
【0004】
ところが、上記スイッチ装置では、前記操作板1の下面によって押釦スイッチ4の操作子4aが直接的に押圧されるように構成されている。このため、前記操作板1を押圧する部位によっては、前記操作子4aを押圧するために必要なストロークが異なる。このため、操作板1の周辺部を押圧した場合等、操作板1の押圧部位によって、押釦スイッチ4の切替え動作が不確実になりやすいという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明者は、上記問題を解決するスイッチ装置として、操作板上のどの部位を押圧操作した場合であっても、スイッチ手段の状態を確実に切り換えることができるスイッチ装置を発明した。この発明は、本出願人により先に出願されている(特願平11−235417号)。
【0006】
前記スイッチ装置は、操作板の裏側に配設され前記操作板の押圧操作に応じて回動される第1及び第2の可動部材を備えている。前記第1及び第2の可動部材は、それぞれ平行な第1及び第2の回動軸を中心に回動するように構成されており、これら可動部材の回動動作によりスイッチ手段の状態が切替えられる。
【0007】
また、前記操作板は、引き操作されると前記第1及び第2の回動軸と平行な操作板軸を中心に回動可能に構成されている。そして、前記操作板の引き操作によっても前記第1及び第2の可動部材は回動され、以て前記スイッチ手段の状態が切替えられる。
【0008】
この場合、前記操作板は、前記操作板のうち前記操作板軸が延びる方向と平行な辺部に設けられた手掛け部を引き操作することにより回動される。従って、前記手掛け部が設けられた辺部が長くなるように前記操作板を構成すると、前記操作板の引き操作可能範囲が大きくなり、操作性が向上する。
【0009】
ところで、上記したように前記手掛け部を長くすると、これに合わせて前記第1及び第2の可動部材を軸方向に長くする必要がある。ところが、前記第1及び第2の可動部材が軸方向に長くなると、前記操作板を押圧操作する部位によっては、第1及び第2の可動部材が捩れた状態で回動し、スイッチ手段の状態を確実に切替えることができなくなるという問題があった。
【0010】
そこで、本発明の目的は、操作板の押圧操作及び引き操作が可能な範囲を広くできると共に、前記操作板を操作したときのスイッチ手段の動作信頼性の向上を図ることができるスイッチ装置を提供するにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1のスイッチ装置は、ベースと、前記ベースに設けられ、押圧操作されることにより中立位置から前記ベースに近接する近接位置へ変位すると共に、引き操作されることにより操作板軸を中心に中立位置から前記ベースと離間する離間位置へ回動するように構成された操作板と、前記ベースと前記操作板との間に第1の回動軸を中心に回動可能に設けられた第1の可動部材と、前記ベースと前記操作板との間に前記第1の回動軸と平行な第2の回動軸を中心に回動可能に設けられた第2の可動部材と、前記ベースに設けられ、前方に突出する方向に付勢された操作子を有するスイッチ手段と、前記第1の可動部材に設けられ、前記第1の可動部材の回動動作に応じて前記操作子を介して前記スイッチ手段の状態を切替えるスイッチ操作部と、前記第2の可動部材に設けられ、前記第1の可動部材に係合する係合部とを備え、前記第1の可動部材は、前記第2の可動部材の回動動作に伴い回動するように構成されていると共に、前記操作板が押圧操作あるいは引き操作されたとき、前記第1および第2の可動部材のうちの少なくとも前記第2の可動部材が回動されるように構成され、前記操作板軸は、前記第1および第2の回動軸と直交するように構成したところに特徴を有する。
【0012】
上記構成によれば、前記操作板の押圧操作に伴って第2の可動部材が回動されると共に、第1の可動部材が回動されてスイッチ手段の状態が切替えられるので、前記操作板を押圧操作する部位に関係なく前記スイッチ手段の状態を確実に切替えることができる。しかも、前記操作板を引き操作したときも第2の可動部材が回動されると共に、第1の可動部材が回動されてスイッチ手段の状態が切り換えられるように構成したので、前記操作板の操作性が向上する。
【0013】
特に、前記操作板を引き操作したときの回動中心である操作板軸と前記第1及び第2の可動部材の回動中心である第1及び第2の回動軸とが直交するように構成した。このため、前記操作板の引き操作可能範囲を大きくするために、前記操作板軸を、操作板の長手方向に延びるように前記操作板に設けると共に、前記操作板の長手方向に沿う辺部に手掛け部を設け、前記手掛け部を引き操作することにより前記操作板が前記操作板軸を中心に回動するように構成することができる(請求項2の発明)。
【0014】
上記構成によれば、前記操作板軸を前記操作板の長手方向に延びるように構成しても、前記第1及び第2の可動部材の軸方向の長さ寸法が大きくなることはない。従って、前記操作板の押圧操作する部位によって前記第1及び第2の可動部材に対して偏った力が加わった場合でも、前記第1及び第2の可動部材が捩じれてしまうことがなく、スイッチ手段の動作信頼性を向上させることができる。
【0015】
この場合、前記操作板軸を、少なくとも3個の軸支持部を介して前記操作板に支持するように構成すると良い(請求項3の発明)。上記構成によれば、前記操作板に対して偏った力が加わった場合に、前記操作板が撓んだり反ったりすることを防止できる。
【0016】
また、前記第1および第2の可動部材を、ベースと操作板との間のうち操作板軸よりも反手掛け部側に設け、前記操作板のうち前記操作板軸よりも手掛け部側の部位を押圧操作したときの方が、反手掛け部側の部位を押圧操作したときよりも、前記操作板が大きく変位するように構成することが好ましい(請求項4の発明)。
【0017】
上記構成によれば、操作板のうちの手掛け部付近を押圧するときは、比較的強く押圧しなければスイッチ手段の状態を切替えることができない。このため、操作板の手掛け部付近を誤って触ってしまい押圧してしまったときにスイッチ手段の状態が切り替わってしまうことを防止できる。
【0018】
さらに、操作板をベースから離間する方向に回動付勢する付勢手段と、前記ベースに設けられ、前記操作板を支持する支持部材とを備え、前記付勢手段の付勢力に抗して前記操作板を前記ベースに近接させることにより前記操作板が前記支持部材に対して着脱可能となるように構成することも良い構成である(請求項5の発明)。
【0019】
上記構成によれば、前記操作板を付勢力に抗してベースに近接させるという簡単な操作で、前記操作板を前記ベースに取り付けたり前記ベースから取り外したりすることができる。
【0020】
この場合、前記支持部材を、少なくとも操作板軸を支持する軸支持部材を含んで構成し、前記軸支持部材に、前記操作板軸のベースから離間する方向への移動を規制する規制部を設けると良い(請求項6の発明)。
【0021】
上記構成によれば、軸支持部材により操作板軸の移動を規制することで、ベースに対する操作板の位置を規制することができる。
【0022】
また、前記軸支持部材に、前記操作板軸の前記第1及び第2の回動軸が延びる方向への移動を規制することにより前記操作板軸の支持状態を保持する規制片部を設けることも良い構成である(請求項7の発明)。上記構成によれば、前記軸支持部材に支持された前記操作板軸が不用意に外れてしまうことを極力防止できる。
【0023】
更に、前記操作板の前記ベースに対する装着状態を保持する保持部材を設けることも良い構成である(請求項8の発明)。上記構成によれば、前記ベースに装着された操作板が不用意に外れてしまうことを極力防止できる。
【0024】
この場合、前記保持部材を、操作板の手掛け部とベースとの間に前記操作板の手掛け部側から嵌め込むことにより前記ベースに取付けられる板状部材から構成すると共に、前記操作板が手掛け部側にスライド移動することを阻止することにより、前記操作板の前記ベースに対する装着状態を保持するように構成すると良い(請求項9の発明)。
【0025】
また、操作板のベースと対向する面に立設され、保持部材に当接する壁部を備え、前記保持部材を、操作板軸の軸心よりも前記操作板側の部位において前記壁部と線接触或いは点接触するように構成することが好ましい(請求項10の発明)。上記構成によれば、操作板の回動動作時に前記壁部と保持部材とが余り干渉しないため、前記操作板を滑らかに回動させることができる。
【0026】
更に、ベースに保持部材に係止する被係止部を設け、前記保持部材を、前記被係止部に係止されることにより位置決めされると共に前記ベースに対して抜け止め状態に取付けられるように構成すると良い(請求項11の発明)。
【0027】
上記構成によれば、保持部材をベースに対して正確な位置に、また、確実に設置することができるので、操作板がベースから脱落してしまうことを確実に防止できる。
【0028】
更にまた、近接位置或いは離間位置に変位された操作板を、正規の中立位置に復帰させるように案内する案内手段を備えることも良い構成である(請求項12の発明)。
【0029】
上記構成によれば、操作板が中立位置に復帰する際に位置ずれを起こして外観が損なわれたり、操作性が低下したりすることがない。
【0030】
そして、上記スイッチ装置を、冷蔵庫の貯蔵室の前面開口部を開閉する扉に設ける場合には、前記ベースを、前記操作板の手掛け部が前記扉の一辺部に沿うように前記扉の前面に設けると共に、前記ベースと前記手掛け部との間に前記扉の側面部において開口する開口部を設けると良い(請求項13の発明)。
【0031】
上記構成によれば、手掛け部に対して開口部から容易に手をかけることができるため、前記操作板の引き操作性が向上する。また、操作板の手掛け部付近に障壁がないため、前記手掛け部付近の押圧操作性が向上する。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のスイッチ装置を家庭用の冷蔵庫に取り付けた第1の実施例について図1ないし図11を参照しながら説明する。まず、本実施例にかかる冷蔵庫の構成を図11を参照しながら説明する。図11において、冷蔵庫本体11には複数の貯蔵室が設けられており、そのうちの上部の貯蔵室は冷蔵室とされている(いずれも図示せず)。前記冷蔵室の前面には、前記冷蔵室の前面開口部を開閉する扉12が回動可能に取り付けられている。一方、前記冷蔵室以外の貯蔵室内には、それぞれ引き出し式の貯蔵容器(図示せず)が収容されており、これら各貯蔵容器に連結された扉13a〜13dにより、各貯蔵室の前面開口部が開閉されるように構成されている。
【0033】
前記扉12の前面のうちの中央部には操作パネル14が設けられており、左辺部にはスイッチ装置15が設けられている。前記スイッチ装置15は、前記冷蔵庫本体11の上面部前部に設けられた図示しない扉開放装置の動作状態を切替えるスイッチ装置及び前記扉12のハンドル装置として機能する。詳しい説明は省略するが、前記扉開放装置は、電磁ソレノイド及び前記電磁ソレノイドの通電状態で前方に突出される押出し棒等を備えている。そして、前記押し出し棒の前方への突出動作に応じて前記扉が自動的に開放されるように構成されている。
【0034】
尚、前記扉開放装置の構成については、本出願人の特許出願である特願平11−23547号、特願平11−230541号、特願平11−235418号、特願平11−260305号に詳しく記載されている。
【0035】
次に、前記スイッチ装置15について図1ないし図5を参照しながら説明する。まず、前記スイッチ装置15の外観を示す図2において、前記スイッチ装置15は、ベース16と、このベース16の前部に取り付けられた操作板17とを備えて構成されている。
【0036】
図3は、前記ベース16から前記操作板17を取り外した状態を示しており、この図3において、前記ベース16は、底面部16aと、この底面部16aの上,下辺部及び右辺部から前方に突出するように設けられた側壁部16bとを有している。前記操作板17は、その上下辺部及び右辺部が前記側壁部16bの内面に沿うように、また、前面が前記側壁部16bの前端部と略一致するように前記ベース16に取付けられるように構成されている。従って、図2に示すように、前記ベース16に前記操作板17を取り付けたとき、前記ベース16と前記操作板17との間には開口部18が形成される。
【0037】
このとき、前記開口部18のうち前記操作板17の左辺部よりも奥部寄りの部分には、断面略L字状の保持部材19(図3参照)が嵌め込まれるように構成されている。図3に示すように、前記保持部材19は、上下の側壁部16bの間ほぼ一杯に延びるように構成されており、片部19a,19bを有している。また、前記片部19aのうち片部19bが延びる側の面(即ち、図3中右側面)には、前記保持部材19の長手方向と直交する方向に延びる複数のリブ19c(図5参照)が設けられている。
【0038】
また、図3に示すように、前記底面部16aの中央部やや右寄り部分には、凹部20が形成されており、この凹部20内にはプリント基板21が固定されている。前記プリント基板21には、スイッチ手段としての押釦スイッチ22などが搭載されている。前記押釦スイッチ22の操作子22aは前方に突出する方向に付勢されている。前記操作子22aが突出状態にあるとき、前記押釦スイッチ22はオン状態にあり、前記操作子22aが付勢力に抗して没入されると、前記押釦スイッチ22はオフ状態に切り換えられる。
【0039】
更に、前記底面部16aのうち前記凹部20の上部には、左右一対の第1の操作部23,23が設けられており、前記凹部20の下部には、左右一対の第2の操作部24,24が設けられている。更にまた、前記底面部16aの上下部には、庇状の規制部25aを有する一対の軸ガイド部25が例えばねじ26により固定されている。
【0040】
また、前記底面部16aの右上下部には、庇状の規制部27aを有する一対のストッパ27が前記側壁部16bの内面部に沿うように設けられている。更に、前記底面部16aの左右方向の中央部には、上下方向に並んだ複数個の係合片部16cが設けられている。前記係合片部16cには、前記保持部材19の片部19bの端部が係合されるように構成されている。
【0041】
これに対して、前記操作板17は上下方向に長い矩形板状をなしており、その略左半部が手掛け部28とされていると共に、前記手掛け部28の前面部には手掛け用の溝部28aが形成されている。図1に示すように、前記操作板17の後面部のうち図5中やや左寄りの部分には、枠部29が立設されている。そして、前記操作板17の後面部のうち前記枠部29内の上下部には、第1及び第2の可動部材30,31がそれぞれ回動可能に設けられている。
【0042】
具体的には、前記操作板17の後面部の上部及び下部にはそれぞれ軸支持部32,33が一対ずつ設けられている。前記第1の可動部材30は、その上部の左右両端部に一対の軸34を一体的に有しており、前記軸34を介して前記軸支持部32に回動可能に支持されている。また、前記第2の可動部材31は、その下部の左右両端部に一対の軸35を一体的に有しており、前記軸35を介して前記軸支持部33に回動可能に支持されている。従って、本実施例では前記軸34及び35がそれぞれ第1及び第2の回動軸として機能する。尚、前記軸支持部32,33のうち左側に位置する軸支持部32,33は、いずれも前記枠部29の左側部に一体的に設けられている。
【0043】
また、前記第1の可動部材30のうち左右両側部の略中央部には、それぞれ外方に向かって突出する張出部36が設けられており、下端部にはスイッチ操作部37が設けられている。
【0044】
一方、前記第2の可動部材31のうち左右両側部の略中央部には、それぞれ外方に向かって突出する張出部38が設けられており、上端部には係合部39が設けられている。図4及び図5に示すように、前記係合部39は、前記スイッチ操作部37の前面(前記操作板17と対向する面)に係合するように構成されている。
【0045】
また、図1に示すように、前記第2の可動部材31の下部にはL字状の窓部40が形成されており、前記窓部40の周縁部には突部41が立設されている。前記突部41には、付勢手段としてのねじりコイルばね42の目玉部42aが嵌め込まれている。前記ねじりコイルばね42の一端部は、前記第2の可動部材31の前記操作板17との対向面に当接し、他端部は前記操作板17の後面に当接している。以上により、前記第2の可動部材31は、前記ねじりコイルばね42によって前記操作板17から離間する方向に回動付勢されるように構成されている。
【0046】
更に、前記操作板17の後面部には、前記枠部29の図1中右側部の内面に沿うように3個の軸支持部43が設けられている。前記軸支持部43には、操作板軸44が挿通されている。更に、前記枠部29の図1中左側部の上下部には、それぞれ係合凹部45が設けられている。
【0047】
さて、上記操作板17は次のようにして前記ベース16に取り付けられる。即ち、前記ねじりコイルばね42の付勢力に抗して前記操作板17を前記ベース16の底面部16aに押し付けながら左方から前記ベース16の側壁部16b内に挿入する。そして、前記係合凹部45を前記ストッパ27に係合させると共に、前記軸ガイド部25に前記操作板軸44を係合させる。このとき、前記操作板17は前記ベース16の底面部16aに近接している。
【0048】
この状態で、前記操作板17を前記ベース16側に押しつける力を解除する。すると、前記ねじりコイルばね42の付勢力により、前記操作板17が前記底面部16aから離間して、前記係合凹部45が前記ストッパ27の規制部27aに当接すると共に、前記操作板軸44が前記軸ガイド部25の規制部25aに当接する。これにより、前記操作板17は、図4及び図5に示すように、前記係合凹部45が前記ストッパ27に、前記操作板軸44が前記軸ガイド部25にそれぞれ支持された状態で前記ベース16に取り付けられる。従って、本実施例においては、前記軸ガイド部25は支持部材及び軸支持部材として機能し、前記ストッパ27は支持部材として機能する。
【0049】
この状態で、手掛け部28側から前記開口部18に前記保持部材19を嵌め込み、前記保持部材19の片部19bの端部を前記係合片部16cに係合させる。このとき、図5に示すように、前記保持部材19の片部19aは前記操作板17からやや離間した状態で前記ベース16の底面部16aに立設され、前記リブ19cは前記枠部29の図5中右側部に当接する。これにより、前記操作板17が前記ベース16に近接するときの変位量が制限されると共に、前記操作板17の左方への移動が規制され、前記操作板17の前記ベース16に対する装着状態が保持される。
【0050】
従って、本実施例では、前記枠部29は壁部として機能する。尚、このとき、前記操作板17は、押圧操作することにより前記保持部材19の片部19aに当接するまで近接可能に構成されていると共に、前記手掛け部28を引き操作することにより前記操作板軸44を中心に回動可能に構成されている。
【0051】
また、前記操作板17を前記ベース16から取り外す際は、まず、前記保持部材19の前記係合片部16cに対する係合を解除して前記保持部材19を前記開口部18から抜き出す。続いて、前記操作板17を、前記コイルばね42の付勢力に抗して前記ベース16の底面部16aに近接させる。すると、前記操作板軸44が前記軸ガイド部25の規制部25aから離間すると共に前記係合凹部45が前記ストッパ27の規制部27aから離間する。この状態で、前記操作板17を左方へスライドさせることにより、前記操作板17の前記ベース16に対する装着状態が解除され、前記操作板17が前記ベース16から取り外される。
【0052】
次に、上記構成の作用を図6ないし図10を参照しながら説明する。尚、図6ないし図10のうち(a)は、いずれもスイッチ装置15を概略的に示す右側面図を、(b)は横断上面図を示している。また、図6ないし図10の(b)では、スイッチ装置15の前部が図面の上部に位置している。
【0053】
まず、前記扉12が閉鎖状態にあり、且つ前記操作板17が非操作状態にあるときは、前記操作板17は図6に示す中立位置にある。このとき、前記第2の可動部材31は前記ねじりコイルはね42の付勢力により図6中矢印A方向に回動付勢され、これに伴い、前記第1の可動部材30のスイッチ操作部37が第2の可動部材31の係合部39により後方に押圧される。このため、前記第1の可動部材30は図6中矢印B方向に回動付勢され、前記スイッチ操作部37により前記押釦スイッチ22の操作子22aが押圧される。即ち、前記操作子22aは没入状態にあり、前記押釦スイッチ22はオフ状態を呈している。
【0054】
また、前記操作板17が中立位置にあるとき、前記張出部36,38は、それぞれ前記第1及び第2の操作部23及び24から離間している。これは、前記スイッチ装置15の各部に製造上の誤差が生じている場合でも、前記操作板17の非操作状態で、前記第1の操作部23が前記第1の可動部材30を押し上げた状態になったり、前記第2の操作部24が前記第2の可動部材31を押し上げた状態になったりすることを防止するためである。
【0055】
更に、前記操作板17が中立位置にあるとき、前記操作板軸44は前記軸ガイド部25の規制部25aに当接し、前記係合凹部45は前記ストッパ27の規制部27aに当接している。更にまた、前記操作板17の裏面(後面)は前記ストッパ27及び保持部材19から離間している。
【0056】
これに対して、図7は、前記操作板17の前面の上下方向の略中央部のうち前記操作板軸44よりも右側の部位を矢印C方向に押圧操作した場合を示している。このときは、前記操作板17の後面が前記ストッパ27及び前記保持部材19に当接するまで、前記操作板17の全体が前記ベース16に向かって移動される。即ち、本実施例においては、前記保持部材19は、前記操作板17の押圧方向への変位を規制するストッパとして機能する。この結果、前記操作板17は前記ベース16に近接する近接位置に変位する。このとき、前記操作板軸44は、全体が前記軸ガイド部25の規制部25aから離間している。
【0057】
これにより、前記張出部36が前記第1の操作部23に当接し、前記第1の可動部材30は前記軸34を中心にして矢印D方向に回動される。また、前記張出部38が前記第2の操作部24に当接し、この結果、前記第2の可動部材31がねじりコイルばね42の付勢力に抗して前記軸35を中心に矢印E方向に回動される。前記第1の可動部材30が矢印D方向へ回動することに伴い、前記押釦スイッチ22の操作子22aは前方に突出し、この結果、前記押釦スイッチ22がオン状態に切り替わる。
【0058】
また、図8は、前記操作板17の前面の上部のうち前記操作板軸44よりも右側の部位が矢印C方向へ押圧操作された場合を示している。このときは、前記操作板17の後面のうち上部が上部のストッパ27及び保持部材19に当接するまで、下部の係合凹部45と下部のストッパ27との係合部分を中心として矢印C方向に回動され、前記ベース16に近接する別の近接位置に変位する。このとき、前記操作板軸44の上部は上部の軸ガイド部25の規制部25aから離間し、前記操作板軸44の下部は下部の軸ガイド部25の規制部25aに当接している。
【0059】
これにより、前記張出部36が前記第1の操作部23に当接し、前記第1の可動部材30は、前記第2の可動部材31の押圧力(ねじりコイルばね42の付勢力)に抗して軸34を中心に矢印D方向に回動される。また、これと共に、前記第2の可動部材31が軸35を中心に矢印E方向に回動される。この結果、前記押釦スイッチ22の操作子22aは前方に突出し、前記押釦スイッチ22がオン状態に切り替わる。
【0060】
一方、図9は、前記操作板17の下部のうち前記操作板軸44よりも右側の部位が矢印C方向へ押圧操作された場合を示している。このときは、前記操作板17の後面のうちの下部が下部のストッパ27及び保持部材19に当接するまで、上部の係合凹部45と上部のストッパ27との係合部分を中心として矢印C方向に回動され、前記ベース16に近接する更に別の近接位置に変位する。このとき、前記操作板軸44の下部は、前記軸ガイド部25の規制部25aから離間し、前記操作板軸44の上部は、前記軸ガイド部25の規制部25aに当接している。
【0061】
これにより、前記張出部38が前記第2の操作部24に当接し、前記第2の可動部材31は、前記ねじりコイルばね42の付勢力に抗して軸35を中心に矢印E方向に回動される。すると、前記係合部39が前記第1の可動部材30のスイッチ操作部37から離間し、前記第1の可動部材30は自由状態となる。この結果、前記押釦スイッチ22の操作子22aは前方に突出し、前記押釦スイッチ22がオン状態に切り替わる。また、前記操作子22aが前方に突出することにより、前記スイッチ操作部37が突き上げられ、前記第1の可動部材30が軸34を中心に矢印D方向に回動される。
【0062】
また、図10は、前記手掛け部28に指を掛け、中立位置にある前記操作板17が矢印F方向に引き操作された場合を示している。この場合は、前記操作板17は、その後面が前記ストッパ27の規制部27aに当接するまで、前記操作板軸44を中心に矢印F方向に回動される。この結果、前記操作板17は、前記ベース16から離間する離間位置に変位される。このとき、前記操作板17は、右部から左部に向かって前方に傾いた状態となる。
【0063】
この結果、前記第1の可動部材30は、右側の張出部36が前記第1の操作部23に当接して矢印D方向に回動される。また、前記第2の可動部材31は、右側の張出部38が前記第2の操作部24に当接して矢印E方向に回動される。これに伴い、前記押釦スイッチ22の操作子22aは前方に突出し、前記押釦スイッチ22がオン状態に切り替わる。
【0064】
尚、図示はしないが、前記操作板17の前面のうち前記操作板軸44よりも左側、即ち前記手掛け部28部分が矢印C方向に押圧操作された場合は、前記操作板17の後面が前記保持部材19に当接するまで、前記ストッパ27と前記係合凹部45との係合部分を中心に前記前記操作板17が反矢印C方向へ回動する。この結果、前記操作板17は、その右部よりもの左部の方が前記ベース16に近接する近接位置に変位する。
【0065】
これにより、前記第1の可動部材30は、左側の張出部36が前記第1の操作部23に当接して矢印D方向に回動される。また、前記第2の可動部材31は、左側の張出部38が前記第2の操作部24に当接して矢印E方向に回動される。これに伴い、前記押釦スイッチ22の操作子22aは前方に突出し、前記押釦スイッチ22がオン状態に切り替わる。
【0066】
尚、本実施例では、前記押釦スイッチ22の状態を切替えるために必要な押圧量は、前記操作板17の前面のうち前記操作板軸44よりも右側を押圧したときよりも手掛け部28部分を押圧したときの方が大きくなるように構成している。従って、前記操作板17のうち手掛け部28を押圧するときは、比較的強く押圧しなければ前記押釦スイッチ22をオン動作させることができない。このため、前記手掛け部28に誤って触ってしまい押圧してしまったときに、前記押釦スイッチ22がオン動作されてしまうことを防止できる。
【0067】
また、前記操作板17の前面のうち上記した以外の部位が押圧操作された場合も、図6ないし図10に示した場合とほぼ同様に前記操作板17、前記第1及び第2の可動部材30、31等は動作し、この結果、前記押釦スイッチ22がオン状態に切り替えられる。
【0068】
前記押釦スイッチ22がオン状態になると、前記扉開放装置の電磁ソレノイドに通電され、前記押し出し棒が前方に突出され、前記押出し棒18により前記扉14の被押圧部19が押圧され、前記扉14がガスケット16の吸着力に抗して開放される。
【0069】
上記構成の本実施例によれば、前記操作板17が押圧操作されると、前記第1及び第2の可動部材30及び31のうちの少なくとも一方が回動され、前記第2の可動部材31が回動されると、前記第1の可動部材30が回動されるように構成した。そして、前記第1の可動部材30が回動されると前記操作子22aが前方に突出されて前記押釦スイッチ22がオン状態に切り替えられるように構成した。従って、前記操作板17の前面のいずれの部位が押圧された場合でも、前記第1の可動部材30を確実に回動させて前記押釦スイッチ22を確実にオン状態に切り替えることができ、前記操作板17の押圧操作の可能範囲を広くすることができる。
【0070】
また、前記操作板17を引き操作したときも、第1及び第2の可動部材30及び31が回動されて前記押釦スイッチ22がオン状態に切り替わるように構成した。このため、使用者は冷蔵庫の扉を手動で開放させていた従来と略同じ動作によって前記扉開放装置を動作させることができ、使い勝手が良い。
【0071】
特に、本実施例では、操作板17を上下方向に長くすること共に前記操作板17の左辺部に手掛け部28を設けた。従って、前記操作板17を引き操作する際に指を掛けることができる範囲、即ち、前記操作板17の引き操作可能な範囲を広くすることができるので、操作性が向上する。
【0072】
しかも、本実施例では、前記操作板17を引き操作したときの回動中心である操作板軸44と、前記第1及び第2の可動部材30及び31の回動中心である軸34、35とが直交するように構成した。このため、操作板軸44を前記操作板17の長手方向に延びるように設けても、第1及び第2の可動部材30及び31が軸方向に長くなることがない。従って、前記操作板17を押圧したときに前記第1及び第2の可動部材30及び31に対して偏った力が加わった場合でも、これらの可動部材30,31が捩じれてしまうことがない。このため、前記操作板17を押圧操作したときに前記押釦スイッチ22の状態を確実に切替えることができるので、スイッチ装置15の動作信頼性が向上する。
【0073】
さらに、本実施例では、前記ベース16の左辺部に側壁部16bを設けず、前記ベース16と前記手掛け部28との間に冷蔵庫の扉12の左側面に開口する開口部18が形成されるように構成した。このため、前記扉12の前方及び左側方のどちらからでも前記手掛け部28に指をかけることができ、前記操作板17を引き操作する際の操作性が向上する。また、前記ベース16の左辺部に側壁部16bが存在しないため、前記操作板17の前面を押圧操作する際の障壁がなくなり、前記手掛け部28付近の押圧操作性が向上する。
【0074】
図12ないし図19は本発明の第2の実施例を示すものであり、第1の実施例と異なるところを説明する。尚、第1の実施例と同一部分には同一符号を付している。まず、図12はプリント基板21を省略して示すベース16の斜視図である。この図12に示すように、本実施例においては、軸ガイド部25の規制部25aの先端部に、ベース16の底面部16aに向かって延びる規制片部25b設けている。この場合、図16に示すように、前記規制片部25bの突出寸法L1は、操作板軸44の半径寸法より長く且つ操作板17が近接位置にあるときの前記規制部25aと操作板軸44の離間距離L2よりも短くなるように構成されている。
【0075】
このように、前記板ガイド部25に規制片部25bを設け、しかも、その長さ寸法を前記操作板軸44の半径寸法よりも長くしたことにより、操作板軸44が前記軸ガイド部25の規制部25aに当接された状態にあるとき、前記規制片部25bを越えて図18中右方へ移動することを規制でき、前記軸ガイド部25によって前記操作板軸44を確実に保持することができる。
【0076】
また、図20に示すように、上記した第1の実施例の構成では、操作板17を矢印F方向に引き操作する際に過度な力が加えてしまって、軸ガイド部25に二点鎖線で示すような変形が生じてしまった場合に、軸ガイド部25から操作板軸44が外れてしまい、ベース16に対する操作板17の組付けが外れてしまうおそれがある。これに対して、本実施例では、上述のような変形が軸ガイド部25に生じても、前記規制片部25bによって軸ガイド部25から操作板軸44が外れることを極力防止できる。
【0077】
更に、前記規制片部25bの長さ寸法を操作板17が近接位置にあるときの前記規制部25aと操作板軸44の離間距離よりも短くしたことにより、操作板17をベース16に取付ける際に前記規制片部25bが邪魔になることがない。
【0078】
尚、本実施例では、前記軸ガイド部25に前記操作板軸44を係合させるときに、前記規制片部25bが前記操作板17の枠部29にあたって作業し難くなることを防止するために、図14に示すように、前記枠部29のうち前記軸ガイド部25に対応する部位に凹部51を設けている。また、図17に示すように、前記枠部29の前記凹部51に対応して、前記保持部材19には前記凹部51を避けるための凹部52を設けている。
【0079】
一方、図12に示すように、前記ベース16の側壁部16bのうち図12中上下に位置する部分の内面部には、左右方向の略中央付近に位置して突片部53が設けられている(尚、図12では、上部の突片部53のみ示している)。図17に示すように、前記保持部材19を開口部18に嵌め込んだとき、前記保持部材19の片部19aの上下辺部はそれぞれ前記突片部53に係止されるように構成されている。
【0080】
これにより、前記保持部材19が前記開口部18から脱落することが防止されると共に、前記保持部材19の片部19aがベース16の底面部16aに対して略垂直となるように位置決めされる。従って、本実施例では、前記突片部53が被係止部として機能する。尚、突片部53により保持部材19の組付け作業性が低下しないように、前記突片部53のうち保持部材19を嵌め込む側の面(図17において左側の面)は傾斜面状に構成されている。
【0081】
また、図12に示すように、前記ベース16の側壁部16bの内面のうち前記突片部53の右部には規制突部54が設けられている。前記ベース16に操作板17を組付けたとき、操作板軸44の両端部は前記規制突部54に当接するように構成されており、これにより、前記操作板軸44が上下方向(前記操作板軸44の延びる方向)に移動することが規制される。
【0082】
更に、本実施例では、図16、図18及び図19に示すように、前記保持部材19の片部19aにリブ19cに代えて略三角形状のリブ55を設け、その頂点Pにおいて前記枠部29と線接触するように構成している。この場合、非操作時におけるスイッチ装置15を示す図18に示すように、リブ55の頂点Pは、前記操作板軸44の軸心を通り且つ前記ベース16の底面部16aと平行な面Sよりも操作板17側に位置するように構成されている。
【0083】
このため、図19に示すように操作板17を矢印F方向に引き操作して前記操作板17を矢印F方向に回動させる場合に、リブ55と枠部29とが干渉せず、前記枠部29の移動が遮られることを極力抑えることができる。従って、前記枠部29が前記リブ19cの先端面全体と面接触していた(図6の(b)参照)第1の実施例に比べて、前記操作板17を滑らかに回動操作することができる。
【0084】
また、図12及び図13に示すように、前記ベース16の右側に位置する側壁部16bのうち上下方向の略中央部には、略矩形状の開口部56が設けられており、その上縁部の中央部には内方(左方)に向かって突出する三角屋根状の案内部57が設けられている。
【0085】
これに対して、図14及び図15に示すように、前記操作板17の枠部29のうち反手掛け部28側部分の外面には、前記案内部57に対応位置するように案内突部58が設けられている。前記案内部57及び前記案内突部58は、案内手段を構成する。
【0086】
非操作時において前記操作板17が中立位置にあるとき、前記案内突部58は前記案内部57に係止されるように構成されている。このとき、前記案内突部58は、前記案内部57の奥部まで入り込むように、前記案内突部58の前部(操作板17の前面部側の部分)は三角形状に構成されている。また、前記操作板17を引き操作或いは押圧操作すると、図13に二点鎖線で示すように、前記案内突部58は前記案内部57から離間する。
【0087】
上記スイッチ装置15では、操作板17の押圧操作時或いは引き操作時に前記操作板17が滑らかに回動動作するように、前記操作板17の周縁部と前記ベース16の間に隙間が設けられている。このため、前記操作板17を押圧操作或いは引き操作した後、その押圧力或いは引っ張り力が解除されて前記操作板17が元の位置(中立位置)に戻る際に、前記操作板17が上下に位置ずれを起こす場合がある。このように位置ずれを起こすと、スイッチ装置15の外観が損なわれるばかりが、操作性が低下するおそれがある。
【0088】
これに対して本実施例では、前記操作板17が近接位置或いは離間位置から中立位置に復帰する途中で案内突部58は前記案内部57に係止される。このとき、前記操作板17が上下に位置ずれしていても、前記案内突部58は前記案内部57の奥部に入り込んだ状態で中立位置に戻される。このため、操作板17を前記ベース16の上下方向の略中央部に位置する正規の中立位置に確実に戻すことができる。
【0089】
尚、本発明は、上記した実施例にのみ限定されるものではなく、次のように変形または拡張することができる。
前記スイッチ装置15は、前記扉12の下辺部に設けても良い。この場合は、手掛け部28が前記扉12の下辺部に沿うようにスイッチ装置15を配設する。また、引き出し式の貯蔵容器の前面に取り付けられた扉13a〜13dの上辺部に設けることも可能である。
【0090】
前記ねじりコイルばね42に代えて、圧縮コイルばねを用いることもできる。スイッチ手段は、押釦スイッチ22に限らず、例えばフォトインタラプタを用いても良い。
操作板軸44をベース16に設け、軸ガイド部25を操作板17に設けても良い。
【0091】
前記第1及び第2の可動部材は、ベースに配設しても良い。
本発明のスイッチ装置は、上下方向及び左右方向の長さ寸法が略同じ構成にも適用できる。
本発明のスイッチ装置は、冷蔵庫の扉に設けられるスイッチ装置以外にも適用できる。
【0092】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明のスイッチ装置によれば、ベースに設けられ、押圧操作されることにより中立位置から前記ベースに近接する近接位置へ変位すると共に、引き操作されることにより操作板軸を中心に中立位置から前記ベースと離間する離間位置へ回動するように構成された操作板と、前記ベースと前記操作板との間に第1の回動軸を中心に回動可能に設けられた第1の可動部材と、前記ベースと前記操作板との間に前記第1の回動軸と平行な第2の回動軸を中心に回動可能に設けられた第2の可動部材と、前記ベースに設けられ前記第1の可動部材の回動動作に伴い状態が切り換えられるスイッチ手段とを備え、前記第2の可動部材の回動動作に伴い前記第1の可動部材が回動するように構成すると共に、前記操作板が押圧操作あるいは引き操作されたときに前記第1および第2の可動部材のうちの少なくとも一方が回動されるように構成し、前記操作板軸と前記第1及び第2の回動軸とが直交するように構成したので、前記操作板を押圧操作する部位に関係なく前記スイッチ手段の状態を確実に切替えることができる。しかも、前記操作板を引き操作したときも第1の可動部材が回動されてスイッチ手段の状態が切り換えられるように構成したので、前記操作板の操作性が向上する。特に、操作板軸と第1及び第2の回動軸とを直交させたので、操作板の引き操作可能範囲を大きくするために、前記操作板軸を操作板の長手方向に延びるように構成した場合でも、前記第1及び第2の可動部材が軸方向寸法に大きくなることがない。このため、操作板を押圧したときに前記第1及び第2の可動部材に対して偏った力が加わった場合でも、前記可動部材が軸方向にねじれてスイッチ手段が動作不良を起こしてしまうことがなく、動作信頼性が向上するという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示すものであり、スイッチ装置の操作板の後面図
【図2】スイッチ装置の全体斜視図
【図3】ベースから操作板を取り外した状態で示すスイッチ装置の分解斜視図
【図4】図2のX−X線に沿うスイッチ装置の縦断側面図
【図5】図2のY−Y線に沿うスイッチ装置の横断上面図
【図6】操作板が中立位置にあるときの第1及び第2の可動部材の状態を説明するための図であり、スイッチ装置を概略的に示す縦断側面図(a)、横断上面図(b)
【図7】操作板の中央部を押圧操作したときの第1及び第2の可動部材の動作を説明するための図6相当図
【図8】操作板の上部を押圧操作したときの第1及び第2の可動部材の動作を説明するための図6相当図
【図9】操作板の下部を押圧操作したときの第1及び第2の可動部材の動作を説明するための図6相当図
【図10】操作板の手掛け部を引き操作したときの第1及び第2の可動部材の動作を説明するための図6相当図
【図11】冷蔵庫の全体斜視図
【図12】本発明の第2の実施例を示すものであり、プリント基板を取り外した状態で示すベースの斜視図
【図13】図12の矢印H方向からみたベースの側面図
【図14】図1相当図
【図15】操作板の斜視図
【図16】図7の(b)相当図
【図17】保持部材の装着状態を示すベースの部分正面図
【図18】図6の(b)相当図
【図19】図10の(b)相当図
【図20】操作板の手掛け部を引き操作したときに軸ガイド部が変形した場合を説明するための図
【図21】スイッチ装置の従来構成を示す図
【図22】従来のスイッチ装置の操作板を押圧操作したときの様子を示す図
【符号の説明】
図中、11は冷蔵庫本体、12,13a〜13dは扉、15はスイッチ装置、16はベース、17は操作板、18は開口部、19は保持部材、22は押釦スイッチ(スイッチ手段)、22aは操作子、25は軸ガイド部(支持部材、軸支持部材)、25aは規制部、25bは規制片部、27はストッパ(支持部材)、28は手掛け部、29は枠部(壁部)、30は第1の可動部材、31は第2の可動部材、34は軸(第1の回動軸)、35は軸(第2の回動軸)37はスイッチ操作部、39は係合部、42はねじりコイルばね(付勢手段)、43は軸支持部、44は操作板軸、53は突片部(被係止部)、57は案内部(案内手段)、58は案内突部(案内手段)を示す。

Claims (13)

  1. ベースと、
    前記ベースに設けられ、押圧操作されることにより中立位置から前記ベースに近接する近接位置へ変位すると共に、引き操作されることにより操作板軸を中心に中立位置から前記ベースと離間する離間位置へ回動するように構成された操作板と、
    前記ベースと前記操作板との間に第1の回動軸を中心に回動可能に設けられた第1の可動部材と、
    前記ベースと前記操作板との間に前記第1の回動軸と平行な第2の回動軸を中心に回動可能に設けられた第2の可動部材と、
    前記ベースに設けられ、前方に突出する方向に付勢された操作子を有するスイッチ手段と、
    前記第1の可動部材に設けられ、前記第1の可動部材の回動動作に応じて前記操作子を介して前記スイッチ手段の状態を切替えるスイッチ操作部と、
    前記第2の可動部材に設けられ、前記第1の可動部材に係合する係合部とを備え、
    前記第1の可動部材は、前記第2の可動部材の回動動作に伴い回動するように構成されていると共に、前記操作板が押圧操作あるいは引き操作されたとき、前記第1および第2の可動部材のうちの少なくとも前記第2の可動部材が回動されるように構成され、
    前記操作板軸は、前記第1および第2の回動軸と直交するように構成されていることを特徴とするスイッチ装置。
  2. 操作板軸は、操作板の長手方向に延びるように前記操作板に設けられ、
    前記操作板は、その長手方向に沿う辺部に手掛け部が設けられていると共に、前記手掛け部を引き操作することにより前記操作板軸を中心に回動するように構成されていることを特徴とする請求項1記載のスイッチ装置。
  3. 操作板軸は、少なくとも3個の軸支持部を介して前記操作板に支持されていることを特徴とする請求項2記載のスイッチ装置。
  4. 第1および第2の可動部材は、ベースと操作板との間のうち操作板軸よりも反手掛け部側に設けられ、
    前記操作板のうち前記操作板軸よりも手掛け部側の部位を押圧操作したときの方が反手掛け部側の部位を押圧操作したときよりも、前記操作板が大きく変位するように構成したことを特徴とする請求項2または3記載のスイッチ装置。
  5. 操作板をベースから離間する方向に回動付勢する付勢手段と、前記ベースに設けられ、前記操作板を支持する支持部材とを備え、
    前記付勢手段の付勢力に抗して前記操作板を前記ベースに近接させることにより前記操作板は前記支持部材に対して着脱可能となるように構成されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のスイッチ装置。
  6. 支持部材は、少なくとも操作板軸を支持する軸支持部材を含んで構成され、
    前記軸支持部材は、前記操作板軸のベースから離間する方向への移動を規制する規制部を有していることを特徴とする請求項5記載のスイッチ装置。
  7. 軸支持部材は、操作板軸の第1及び第2の可動軸が延びる方向への移動を規制することにより前記操作板軸の支持状態を保持する規制片部を有することを特徴とする請求項6記載のスイッチ装置。
  8. 操作板のベースに対する装着状態を保持する保持部材を備えたことを特徴とする請求項5ないし7のいずれかに記載のスイッチ装置。
  9. 保持部材は、操作板の手掛け部とベースとの間に前記操作板の手掛け部側から嵌め込むことにより前記ベースに取付けられる板状部材から構成され、前記操作板が手掛け部側にスライド移動することを阻止することにより、前記操作板の前記ベースに対する装着状態を保持することを特徴とする請求項8記載のスイッチ装置。
  10. 操作板のベースと対向する面に立設され、保持部材に当接する壁部を備え、
    保持部材は、操作板軸の軸心よりも前記操作板側の部位において前記壁部と線接触或いは点接触するように構成されていることを特徴とする請求項9記載のスイッチ装置。
  11. ベースに設けられ、保持部材に係止する被係止部を備え、前記保持部材は、前記被係止部に係止されることにより位置決めされると共に前記ベースに対して抜け止め状態に取付けられることを特徴とする請求項9または10記載のスイッチ装置。
  12. 近接位置或いは離間位置に変位された操作板を、正規の中立位置に復帰させるように案内する案内手段を備えたことを特徴とする請求項1ないし11のいずれかに記載のスイッチ装置。
  13. 冷蔵庫の貯蔵室の前面開口部を開閉する扉に設けられるものであって、
    ベースは、操作板の手掛け部が前記扉の一辺部に沿うように前記扉の前面に設けられ、
    前記ベースと前記手掛け部との間には、前記扉の側面部において開口する開口部が設けられていることを特徴とする請求項1ないし12のいずれかに記載のスイッチ装置。
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