JP3944297B2 - クランクとペダル軸の結合構造 - Google Patents

クランクとペダル軸の結合構造 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は自転車のペダルとクランクとの新規な結合構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、非専門店を介して自転車の販売が行われる場合が多くなり、自転車の技術知識の乏しい者によって自転車の組立てが行われることから、自転車の組立作業の簡便性が要求されている。特に自転車のペダルは幅方向にはみ出すことから、店頭での販売時に初めて組み立てられることが多く、ペダルとクランクとの組立構造は作業の容易な簡単な構造のものが望まれている。
【0003】
このペダルとクランクの組立にあっては、クランクの軸孔にペダル軸の先端部を対応させ、両者をクランクの軸孔部に設けた雌ねじと、ペダル軸の先端に設けた雄ねじによってネジ止めする構造が採用されている。そして、ペダルは前向きに踏み込むことから、その踏み込みによって締付けネジが締まる方向に、即ち、右のペダル軸及びクランクの軸孔には左ネジが、左のペダル軸及びクランクの軸孔には右ネジが切ってある。
【0004】
しかしながら、このクランクにペダルを組付ける作業が容易ではなく、上記したようにペダル軸に刻設されたネジは左右のペダルで逆に形成されていることから、左右のペダルを識別した上で各ペダルをクランクに螺合する必要があり、更に、左右のペダルをクランクに螺合する際には、これらのペダル軸を夫々に形成したネジ方向に応じて回動させ、所定の力で締め付ける必要があり、好ましくは専用の工具を必要とするものであった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
即ち、従来の構造のものでは左右のペダルの組立作業が画一化されていないことから、特に技術的知識に乏しい者が組立作業を行う場合には該作業に手間がかかる不都合がある。
本発明は自転車のクランクにペダル軸を結合する構造において、未習熟な者でも容易に素早く組立てることができる結合構造を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は以上の課題を達成するためになされたものであって、その要旨は、自転車のクランクにペダル軸を結合する構造において、先端部に環状周溝を備えたペダル軸と、クランクに該ペダル軸の先端部を挿入する雌ねじが刻設された軸孔を形成し、当該雌ねじに螺合するペダル受具を具備し、クランクの先端を納める収納部aと、抜止用係止具を納める収納部bとを備え、当該収納部aと収納部bとを貫き前記ペダル受具が挿入される貫通孔を形成したペダル固定具を具備し、前記抜止用係止具は中央部にカ−ル状係止リングと、この係止リングを挟んで左右に垂下する係止爪とを備え、前記収納部bにはその左右に爪受部を形成したものであり、クランクの先端をペダル固定具の収納部aに挿入し、軸孔にペダル受具を螺合してペダル固定具をクランクに固定し、ペダル受具にペダル軸を挿入し、次いで抜止用係止具を収納部bに挿入してペダル軸の先端に形成した環状周溝にカ−ル状係止リングを嵌合すると共に、係止爪を収納部bに形成した爪受部に嵌め込んでなるクランクとペダル軸の結合構造にかかるものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明は以上の通りであって、従来のままのクランクとペダルをそのまま結合できるものであり、ペダル固定具とペダル軸の抜止用係止具をもってこれを結合すればよいものであり、従来のように左右のペダルによって結合構造が異なるという不便さが解消されたものである。
【0008】
そして、ペダル固定具と抜止用係止具とによるクランクとペダル軸との係止は極めて簡単であり、ペダル固定具に挿入されたペダル軸に対して収納部bに抜止用係止具を収納するだけで自然にカ−ル状係止リングがペダル軸の環状周溝に嵌合するものであり、ここにペダル軸の抜けが防止されることになる。
【0009】
それと共に、ペダル固定具と抜止係止具との係合は爪とこれに係合する爪受部をもって係止されるが、この係止は抜止係止具の爪を構成する垂下部を弾発変形させることによって簡単にその係止を解くことができるものである。尚、後述する実施例にあっては、垂下部を外側より押圧して係止を解除する例を示すが、これに限ることはなく、例えば、垂下部の先端自体を内側に変形させて係止を解くこともできる。
【0010】
即ち、ペダル固定具の収納部bに抜止係止具を挿入するだけでペダル軸を係止し、かつ、抜止係止具の爪を内側に曲げることにより容易にその係合が解けることができるもので、このため、ペダルの取り付け、取り外しが極めて容易となり、素人でも専用工具を要さずに作業することができることとなったのである。
【0011】
【実施例】
以下、本発明の自転車のクランクとペダル軸との結合構造を図面をもって更に詳細に説明する。
図1は本発明のクランクとペダル軸との結合構造をほどこした斜視図であり、図2はその分解図である。図中、符号1はクランク、2はペダル、3はペダル軸である。そして4はペダル受具、5はペダル固定具、6は抜止係止具である。さて、クランク1の先端に雌ねじ7を刻設した軸孔8が形成されている。一方、ペダル軸3にはその先端に環状周溝9を周設したものである。そしてペダル受具4はフランジ部10と雄ねじ部11とよりなり、この例ではフランジ部10には回動用溝12が形成されていて、この雄ねじ部11は前記した軸孔8における雌ねじ7と螺合されるものである。
【0012】
さて、ペダル固定具5はクランク1を収める収納部aと後述する抜止係止具6を収める収納部bとを備え、これにはペダル軸3を挿入する貫通孔13が形成されている。一方、抜止係止具6は中央にカ−ル状係止リング14を備え、その左右に垂下部15、15を備えると共にこの先端外側に爪16、16が形成されている。この垂下部15、15は弾発性を有しており、この弾発性によって爪16、16の係止及びその解除を行うことになる。
【0013】
ペダル固定具5には前記したように抜止係止具6を収める収納部bを備えられるが、この収納部bには前記した抜止係止具6の爪16、16に対応する爪受部、この例では孔17、17が左右に形成され、かつ、この爪受部17、17の上方には垂下部15、15を外側より押圧するための孔18、18が開けられている。即ち、この孔18、18より垂下部15、15を内側に押すことにより爪16と爪受部17との係止が解除されることになる。
尚、図において収納部bの頂部における段部19は抜止用係止具6の頂部のフランジ20を納める部位である。
【0014】
ここで本発明の結合構造における結合時の詳細を述べれば、先ずクランク1をペダル固定具5の収納部aに差し込み、この両者を固定するためにペダル受具4をクランジ1の軸孔8の雌ねじ7に螺合する。次いで、ペダル2の軸3をかかるペダル受具4にペダル軸3の先端を収納部bにまで達するように挿入する。ここで、収納部b内に抜止係止具6を差し込み、ペダル軸3の先端に形成した環状周溝9と抜止係止具6におけるカ−ル状係止リング14とを嵌め合わせ、更にこれを押し込むことにより垂下部15の先端の爪16と爪受部17とを嵌め合わせてなるものである。このように、本発明のクランクとペダル軸との結合構造によれば、いとも簡単に両者を結合できることとなり、素人の人でもその結合作業は容易である。
【0015】
一方、ペダル2をクランク1より取り外すには、爪受部17の上方に備えた孔18、18を利用し、左右から垂下部15、15を押すことによって爪16と爪受部17との係止は簡単に解除されることとなり、その後抜止係止具6を引き出せばよい。
【0016】
【発明の効果】
本発明にあって、クランクとペダルとの取り付けはペダル固定具と抜止用係止具を用いることによって極めて簡単にだれでも取り付けられかつこれを取り外しできるものであり、その実用価値は極めて大きい。そして、両者の結合に際して従来のクランクやペダル軸を特別に加工する必要もないことから、そのまま採用できるものであり、コスト的にも安価である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明のクランクとペダル軸との結合構造を示す斜視図である。
【図2】図2は図1の結合構造の分解図である。
【符号の説明】
1‥‥クランク、
2‥‥ペダル、
3‥‥ペダル軸、
4‥‥ペダル受具、
5‥‥ペダル固定具、
6‥‥抜止係止具、
7‥‥軸孔内に刻設された雌ねじ、
8‥‥クランクの先端の軸孔、
9‥‥ペダル軸先端の環状周溝、
10‥‥ペダル受具のフランジ部、
11‥‥ペダル受具の雄ねじ部、
12‥‥ペダル受具の回動用溝、
13‥‥ペダル固定具のペダル軸を挿入する貫通孔、
14‥‥抜止係止具に備えたカ−ル状係止リング、
15‥‥抜止係止具の左右に備えた垂下部、
16‥‥垂下部先端の爪、
17‥‥爪受部、
18‥‥垂下部押圧用孔、
19‥‥抜止係止具が納まる段部、
a‥‥ペダル固定具に備えられたクランク収納部、
b‥‥ペダル固定具に備えられた抜止係止具収納部。

Claims (1)

  1. 自転車のクランクにペダル軸を結合する構造において、先端部に環状周溝を備えたペダル軸と、クランクに該ペダル軸の先端部を挿入する雌ねじが刻設された軸孔を形成し、当該雌ねじに螺合するペダル受具を具備し、クランクの先端を納める収納部aと、抜止用係止具を納める収納部bとを備え、当該収納部aと収納部bとを貫き前記ペダル受具が挿入される貫通孔を形成したペダル固定具を具備し、前記抜止用係止具は中央部にカ−ル状係止リングと、この係止リングを挟んで左右に垂下する係止爪とを備え、前記収納部bにはその左右に爪受部を形成したものであり、クランクの先端をペダル固定具の収納部aに挿入し、軸孔にペダル受具を螺合してペダル固定具をクランクに固定し、ペダル受具にペダル軸を挿入し、次いで抜止用係止具を収納部bに挿入してペダル軸の先端に形成した環状周溝にカ−ル状係止リングを嵌合すると共に、係止爪を収納部bに形成した爪受部に嵌め込んでなるクランクとペダル軸の結合構造。
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