JP3943650B2 - 表示用放電管 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、表示用放電管に係り、特にプラズマ放電を用いたアドレス動作により画素選択を行う表示用放電管に関する。
【0002】
【従来の技術】
プラズマ放電を用いたアドレス動作により画素選択を行う表示用放電管、所謂プラズマディスプレイパネル(以下、PDPとも称する)は直流型(DC型)と交流型(AC型)、あるいはこれらを複合したハイブリッド型とに大分される。特に、AC型PDPは壁電荷を利用したメモリ機能を有し、ガラス基板等からなる前面板である第1の基板と同じくガラス基板等からなる背面板である第2の基板の対向内面に互いに交差する誘電体層で被覆した第1の電極(表示用電極)と第2の電極(アドレス電極)とを有し、アドレス電極と表示用電極との間で初期放電すなわちアドレス放電を行って誘電体層の表面に電荷を帯電させ、その後誘電体層の帯電電位を利用して、表示用電極間の放電にて表示を行うものである。
【0003】
図7〜図9により従来のPDPについて説明する。
【0004】
図7は従来技術によるAC型PDPの概略斜視図、図8は従来技術によるAC型PDPの概略断面図である。なお、図8において、構造の理解を容易にするために、第1の基板は第2の基板に対して90°回転させて示してある。
【0005】
図7と図8において、1は第1の基板である透明な前面ガラス基板、2は第2の基板である背面ガラス基板、3は隔壁、5は表示用電極(メモリ電極)、5aは母電極、5bは透明電極、70はアドレス電極、8aは誘電体層、9は保護膜(MgO)、10はR,G,Bの蛍光体である。
【0006】
このPDPを構成する背面ガラス基板2上には複数の互いに並行なストライプ状のアドレス電極70がスクリーン印刷等の厚膜技術や蒸着、エッチング等の薄膜技術によって被着形成され、背面ガラス基板2上のアドレス電極70と平行に当該アドレス電極70を囲むようにストライプ状の隔壁3がスクリーン印刷、サンドブラスト法などにより形成される。
【0007】
なお、ストライプ状の隔壁3の内側にはR、G、Bの3原色の蛍光体10が各色にスクリーン印刷法等で塗り分けられている。
【0008】
上記の背面ガラス基板2と共同して管体を形成する透明な前面ガラス基板1上には、背面ガラス基板2に形成された複数のアドレス電極70と直交する如く、複数の互いに並行な表示用電極5が被着形成されている。なお、1つの表示セルの中には2つの表示用電極5を持つ。
【0009】
表示の際には、アドレス電極70と1表示セル(以下、1セルとも言う)内の1つの表示用電極5との間でアドレス放電が行われ、その後2つの表示用電極5間で表示放電が行われる。表示用電極5は所謂メモリ電極である。表示用電極の放電のプラズマにより紫外線が放出され、この紫外線が蛍光体10を励起し、前面ガラス基板1から表示光として取り出す。
【0010】
なお、表示用電極5の上には誘電体層8aが印刷等で形成されており、その上に保護膜(MgO膜) 9が蒸着されている。また、前面ガラス基板1及び背面ガラス基板2により構成される管体の内部には、放電用ガスが封入される。
【0011】
図9は従来技術によるハイブリット型PDPを示す断面図である。
【0012】
同図において、背面ガラス基板2側に直流放電( DC放電) による自己走査機能を有する複数の互いに直交するアドレス電極22、23が設けられ、複数の貫通孔を通じて、背面ガラス基板2側のアドレス電極22、23との間で放電空間が結合する前面ガラス基板1側に設けられた透明全面電極17及びこれに対向する複数の貫通孔を有する有孔金属板20からなる半交流型メモリー部( 半AC型メモリー部) が設けられている。
【0013】
なお、複数のアドレス電極22の各間隙にそれぞれ絶縁基板24が配され、透明全面電極17上は透明絶縁層18で覆われ、有孔金属板20と透明絶縁層18との間及び有孔金属板20と絶縁基板24との間には、それぞれ隔壁19、21が設けられて、内部に放電用気体を有する背面ガラス基板2、前面ガラス基板1からなる管体内に封入される。
【0014】
このハイブリット型PDPでは、アドレス電極22、23間の放電で生じた電子を、有孔金属板20に与えた電圧でメモリー側に引き出し、前面ガラス基板1側の透明絶縁層18で覆われた透明全面電極17と有孔金属板20との間で、AC型放電が維持される。
【0015】
この種のハイブリット型PDPは、自己走査機能による回路の簡単化と、メモリー機能による高輝度化を図ったものである。
【0016】
なお、上記のPDPは特公平3−76468号公報に開示されている。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
図7に示した従来のAC型PDPは、隣合う表示用電極間による放電の有無の制御を距離の差で行うものであるため、より高精細化及び電極間を離す(電極幅を広げることによる等)ことによる高輝度化に対応できない。
【0018】
一方、図9に示した従来のハイブリット型PDPは、構造が複雑であるため量産が困難であると共に、次のような問題点がある。即ち、このPDPが確実に動作するためには、アドレス側及びメモリー側の放電空間を連結するための孔の径を大きくして、両放電空間の結合を強力にしなければならないが、その孔の径があまり大きくすると、両放電空間の分離が不確実になるという矛盾がある。又、メモリー放電を消去する場合、前面ガラス基板側の透明全面電極上の絶縁層上に蓄積される壁電荷を消去しなければならないが、有孔金属板の孔が小さいと、背面ガラス基板側のアドレス電極による壁電荷の制御が困難になる。更に、その孔の径が大きいとメモリー放電の影響で、安定なアドレッシングと自己走査機能が損なわれるという問題がある。
【0019】
また、このPDPのアドレス側と表示側を隔てる有孔金属板は、仮にその一部分が絶縁層で覆われていても、あるいは、金属板を使わず、絶縁体に金属層を形成したりしても、金属電極が露出していることが動作上の必須要件であるため、DC型走査部との絶縁及び安定動作上の理由から精度の高い構造的分離が必要で、このことが一層製造を困難にしている。さらに、半AC型動作のために、メモリーに寄与する壁電荷がアドレス側の片方にしか蓄積されないので、メモリー機能が弱く放電維持電圧も高いという問題がある。
【0020】
本発明の目的は、上記従来のPDPの諸問題を解消し、構成を簡素化すると共に、高輝度・高精細な表示を可能とした表示用放電管を提供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明による表示用放電管では、誘電体層で覆われた表示用の電極対とアドレス用の電極対を持ち、少なくとも1つのアドレス電極が誘電体層で覆われ、表示用の電極を隔壁により2つの放電空間で共通に使用する。これにより、表示用の電極の距離を離すことができ、また電極面積を増大することも可能となる。
【0022】
なお、本発明による表示用放電管はアドレス電極の延在方向の幅を一定にしない、あるいは表示用電極の延在方向の幅を一定にしない、すなわち、電極幅をその延在方向に変化させることにより、表示のための電圧を低く抑えることができ、かつ高輝度かつ高効率の画像表示が得られる。
【0023】
すなわち、請求項1に記載の第1の発明は、互いに略平行な複数の表示用電極と、前記表示用電極と略平行に配置した複数の第1アドレス電極とを有する第1の基板と、前記第1の基板に対向配置されて前記表示用電極と第1アドレス電極に交差し、かつ互いに略平行な複数の第2アドレス電極を有する第2の基板を備え、前記第1の基板と前記第2の基板との間にガスを封入して放電領域を形成した表示用放電管において、
前記表示用電極を覆う誘電体層を有し、前記表示用電極が1セル内に少なくとも一対の電極対で構成され、前記表示用電極の電極対と同一基板上に誘電体層で覆った前記第1アドレス電極を有すると共に、前記第1アドレス電極が前記表示用電極の電極対の間に配置されてなる4電極構造を構成し、前記第1,第2アドレス電極に、サステイン放電する放電セルを選択するアドレス放電を行なわせるために供給される電圧パルスを印加する手段と、前記表示用電極の電極対に、前記アドレス放電によって選択された前記放電セルでの前記表示用電極間で表示のためのサステイン放電を行なわせるために供給される電圧パルスを印加する手段とを設け、前記表示用電極の電極対と同一基板上にある前記第1アドレス電極の電極幅が、前記第2アドレス電極と交差する部分で前記第2アドレス電極と交差しない部分より幅広に形成されてなり、前記表示用電極の電極幅が、前記第2アドレス電極と交差する部分で前記第2アドレス電極と交差しない部分より幅狭となるようにして、前記第1のアドレス電極の電極幅が幅狭となる前記部分を前記表示用電極の電極対の間隔を狭くし、前記第1のアドレス電極と前記第2のアドレス電極との間でアドレス放電を行ない、前記表示用電極の電極対間でサステイン放電を行なうように構成したことを特徴とする。
【0024】
また、請求項2に記載の第2の発明は、第1の発明における前記表示用電極と同一基板上にある前記第1アドレス電極が、電気抵抗が異なる透明電極部とバス電極部とから成り、前記第2アドレス電極と交差する部分で該透明電極部により前記幅広部が形成されてなることを特徴とする。
【0026】
そして、請求項3に記載の第3の発明は、第1,2の発明における前記表示用電極が、電気抵抗が異なる透明電極部とバス電極部とから成り、隣接する放電セル発光の光学的クロストークを防ぐ隔壁を該バス電極部上に形成したことを特徴とする。
【0027】
上記構成とした本発明によれば、放電電極間の距離を離すことができるため、発光効率が向上し、輝度を大幅に増大することができる。
【0028】
また、アドレス電極の幅を一定としないで、当該電極幅を変化させることにより、表示のための電圧を低く抑えることができ、高精細かつ高輝度の品質のよい画像表示を得ることができる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を実施例の図面を用いて詳細に説明する。
【0030】
(表示用放電管の実施例1)
図1は本発明による表示用放電管の一実施例の概略構造を説明する分解斜視図、図2は図1に示した表示用放電管の概略構造を説明する断面図である。
【0031】
なお、図2においては、構造の理解を容易にするために、第1の基板を第2の基板に対して90°回転して表示してある。
【0032】
この表示用放電管は、第1の基板として、例えば、透明なガラス基板を使用し、前面ガラス基板1とする。また、第2の基板として、例えば、透明なガラス基板を使用し、これを背面ガラス基板2とする。
【0033】
前記前面ガラス基板1及び前記背面ガラス基板2の周辺はフリットガラスによって封止され、封止で構成される管体内に下記の構造体が収納されると共に、管体内を真空にした後ヘリウム( He) 、ネオン( Ne) 、アルゴン( Ar) 、キセノン( Xe) 等、又はそれらの混合気体等の放電用気体(ガス)が封入されて構成される。
【0034】
管体内に収納される構造体として、背面ガラス基板2の上には第2アドレス電極7が薄膜プロセスや印刷等の厚膜プロセス等で形成されており、この第2アドレス電極7を囲むようにストライプ状の隔壁3がスクリーン印刷やサンドブラスト法等で形成されている。そして、第2アドレス電極7の上にはRGB3原色の各蛍光体10が印刷等の方法でストライプ状の隔壁3の壁面にも形成されている。
【0035】
前記前面ガラス基板1には、表示用電極対5、第1アドレス電極6が薄膜プロセス等により形成されている。前記表示用電極5は透明電極5bと前記透明電極5bとは電気抵抗が異なるバスライン(母線)5aとからなり、前記第1アドレス電極6は透明電極6bと前記透明電極6bとは電気抵抗が異なるバスライン(母線)6aとから構成される。
【0036】
前記背面ガラス基板2には、前記第1アドレス電極6と直交するように第2アドレス電極7が形成されており、前記第1アドレス電極6の電極幅は前記第2アドレス電極7と重なる部分を広くする。
【0037】
図3は本発明による表示用放電管の一実施例の変形例の概略構造を説明する図2と同様の断面図である。
【0038】
図3に示すように、第2アドレス電極7の上に白色の誘電体層8bを印刷等で形成後、ストライプ状の隔壁3及び蛍光体10を形成しても良い。その他の構成は図2と同様である。
【0039】
表示用電極5の電極対5M1,5M2及び第1アドレス電極6の上には、誘電体層8a及び保護膜9が形成されている。
【0040】
誘電体層8aは透明なガラス等からなる絶縁体であり、印刷等で形成され、保護膜9は2次電子放射率の高いMgO等の酸化物であり、蒸着などで形成される。
【0041】
前面ガラス基板1側の隔壁4と背面ガラス基板2の隔壁3とで区画される放電領域で形成される1つ表示セル(以下、単にセルとも言う)の中には表示用電極5の2本の電極対5M1,5M2と第2アドレス電極7、および第1アドレス電極6が配置される。
【0042】
アドレス用電極と表示用電極を分離することにより、表示用電極は隣接する放電領域にて電極対を構成する電極5M1と電極5M2をそれぞれ共通に使用することは可能である。例えば、5M1及び5M2の上に隔壁4を形成することにより、放電空間(放電領域)を分離できる。
【0043】
図4は本発明による表示用放電管の前面ガラス基板上の表示画素内の平面図、図5は前面ガラス基板上の電極パターンの説明図である。
【0044】
同各図において、7Aは第2アドレス電極7の中心線を示す。
【0045】
表示用電極5(5M1、5M2)の上に格子状の隔壁4が形成され、第1アドレス電極6はこの隔壁4の中央部、すなわち第2アドレス電極7と直交する部分で幅を広くしている。また、第1アドレス電極6の電極幅が広くないところでは、表示用電極5の幅を広くして電極間隔を狭くしている。
【0046】
表示用電極5(5M1,5M2)は透明電極5bとこの透明電極5bとは電気抵抗が異なる母電極5aとから構成されている。
【0047】
以下、本発明による表示用放電管の具体例な数値例を説明する。
【0048】
前面ガラス基板1および背面ガラス基板2としては、板厚が2.0mmのソーダガラスを使用し、表示セルのセルピッチは0.33mm×1.0mmである。
【0049】
なお、これらガラス基板の板厚は、基本的に耐真空強度があり、取扱いに問題がなければ上記の数値に限るものではなく、特に制限はない。また、ガラスの材質としてはソーダガラスよりも高歪点ガラス望ましいが、これにこだわるものではない。
【0050】
前面ガラス基板1上には、第1アドレス電極6が最大幅0.3mm、最小幅0.05mmに形成する。この第1アドレス電極6を構成する透明電極6bはITO膜にて幅0.3mm、長さ0.2mmの島状のパターンを複数個形成し、そのパターンを連通するように母電極6bをCr−Cu−Crにて幅0.05mmに形成する。
【0051】
なお、図4では、透明電極6bは長方形の島状パターンとしているが、隣接する透明電極との間がつながるようにしてもよく、またこの電極パターンも長方形に限らず、楕円形状等の他の形状としてもよいものであり、第1アドレス電極6の電極幅がアドレス放電の起こるところでが広く、他の場所では表示用電極の妨げとならない程度の電極幅であればよい。
【0052】
一方、表示用電極5は透明電極5bと母電極5aとからなり、透明電極5bとしてITO膜を、母電極5aとしてはCr−Cu−Crを用いている。この表示用電極5の幅はおおよそ第1アドレス電極6が最大幅のところでは最小幅である0.6mmに、第1アドレス電極6が最小幅のところでは最大幅である0.85mmとなる。なお、母電極5aは透明電極5bの中心部に形成する。
【0053】
表示用電極5の母線5a、第1アドレス電極6の母線6aは、それぞれ透明電極5b、6bの中心部に形成しているが、これらの母線はそれぞれの透明電極の上に存在すればよいものであり、必ずしも上記のように透明電極5b、6bの中心部に形成する必要はない。
【0054】
また、ここでは、母線5a、6aにCr−Cu−Crを用いているが、透明電極の電気抵抗を下げるものであればAg等の金属、Cr−Au−Cr等の多層膜を使用してもよい。
【0055】
透明電極5b、6bについても、透明電極であればITOに限るものではなく、例えばネサ膜などでもよい。
【0056】
表示セルピッチが1.0mmのとき、第1アドレス電極6の幅は概略最大幅で0.5〜0.1mmであり、最小幅は0.1〜0.03mmである。第1アドレス電極6の幅が0.5mmを越えると、この第1アドレス電極6と共に表示画素を形成する表示用電極5の電極面積が少なくなり、好ましくない。また、最大幅が0.1mm未満であると、アドレス放電のための電極面積が少なくなり、放電電圧が高くなったり、確実な放電が起こるまでの時間が長くなり、これも好ましくない。
【0057】
一方、最小幅が0.03mm未満では抵抗値が下がらず、これもまた好ましいものではない。
【0058】
表示用電極5と第1アドレス電極6を形成後、これらの電極上を覆って透明な誘電体層8aを0.020mmの厚さで全面均一に形成し、表示用電極5の電極対5M1,5M2の透明電極5b上に形成した母線5aの上に4辺のうち2辺が重なるように、ほぼ格子状の隔壁4を形成する。この隔壁4の高さは、封入ガスが400torrのときは0.03mmとする。
【0059】
また、この隔壁4は格子状に限るものではないが、隣接する放電セルの発光の光学的クロストーク等を防ぐためにはこのような略格子状とするのが望ましい。
【0060】
また、隔壁4の形成位置は、表示用電極5の透明電極5bの上であれば画像表示機能上の問題はないが、母電極5aの上に形成した方が光透過率が高くなり、明るい表示画像が得られる。
【0061】
なお、上記隔壁4を印刷法等で形成する場合、第1層すなわち上層は黒色で、下層は白色で印刷するのが望ましい。
【0062】
そして、背面ガラス基板2に形成したストライプ状の隔壁3と前面ガラス基板1上に形成したほぼ格子状の隔壁4の2辺を重ねるように配置する。
【0063】
格子状の隔壁4を形成後、保護膜9として電子ビーム蒸着(EB蒸着)等の方法を用いてMgO膜500〜800nmの厚さに形成する。
【0064】
背面ガラス基板2の上には、印刷法あるいはフォトプロセスでAg、Ni,Cr−Cu−Crなどを電極幅0.15mmで成膜して第2アドレス電極7を形成する。
【0065】
この第2アドレス電極7の上に白色の誘電体層8bを0.015mmの厚さで均一に形成する。
【0066】
なお、第2アドレス電極7の電極幅は、放電セルピッチが0.33mmのとき、概略0.05〜0.2mmである。この電極幅が狭くなると放電開始電圧が高くなったり、所定の放電状態になるまでに時間を必要とするため、0.05mm未満の電極幅ではアドレス放電が難しくなる。
【0067】
また、白色誘電体層8bは形成しなくとも基本的な機能において大きな差はないが、この白色誘電体層8bを形成することにより、蛍光体10の反射光の利用率の向上が図られ、またストライプ状の隔壁3をサンドブラストを利用して形成する時に第2アドレス電極7を保護する役割りを果たす。
【0068】
ストライプ状の隔壁3の幅は0.06mm、その高さは0.15mmである。なお、この隔壁3の幅は概略0.02〜0.1mmの範囲、高さは0.05〜0.20mmの範囲で上記サンドブラストあるいは印刷法により形成する。
【0069】
ストライプ状の隔壁3の幅が0.1mmを越えると開口率が悪くなり、充分な明るさや放電空間を確保できない。このストライプ状の隔壁3は、その幅が細ければ細い程よいが、0.02mm未満では充分な高さの隔壁を形成できない。
【0070】
ストライプ状の隔壁3の高さが0.05mm未満であると充分な量の蛍光体を塗布することができず、また、その高さが0.2mmを越えると隔壁の形成が困難である。
【0071】
この背面ガラス基板2への蛍光体10の形成は、ペースト状の蛍光体材料を印刷法などで塗布し、赤(R)、緑(G)、青(B)に塗り分ける。
【0072】
このようにして、前面ガラス基板1と背面ガラス基板2が製作され、得られた前面ガラス基板1と背面ガラス基板2および排気管(図示せず)をフリットガラスにて封着後、排気し、ガスを封入しチップオフする。封入するガスとしては、He−Xe、Ne−Xe等のイオン化可能なガスであり、25°Cで概略400torr程度の圧力で封入される。
【0073】
なお、封入されるガスの種類は、本発明の基本的機能に大きな差を及ぼさない。
【0074】
上記では、背面ガラス基板2上に形成する隔壁をストライプ状の隔壁3として説明したが、背面ガラス基板2の上に格子状の隔壁を形成してもよい。この場合は、格子状の隔壁の下層は白色のガラス材を使用し、最上層は黒色のガラス材を使用する。
【0075】
なお、この場合、蛍光体10は格子状の隔壁の内側に、マクロ的にはストライプに形成する。前面ガラス基板1には透明な誘電体層8aまでを形成し、前面ガラス基板1上には格子状の隔壁4は形成しないが、これを形成してもよいことは言うまでもない。その後、保護膜としてMgO膜9を形成し、背面ガラス2と封着する。
【0076】
以上の実施例では、表示用電極5を隣り合うセルで共通に使用した構成で説明したが、表示用電極5がセル毎に分離されていても問題はない。また、第1アドレス電極6は1つのセルの中に1つの島状のパターンで形成したものとして説明したが、1つのセルの中に複数の島状のパターンが存在する構成とすることもできる。
【0077】
次に、上記した実施例の表示用放電管の駆動方法について説明する。
【0078】
図6は本発明による表示用放電管の駆動方法の一例を説明する駆動波形図である。なお、実施例中の電圧は、封入ガスとしてNe−6%Xeを400torrで封入した時の値である。
【0079】
まず、表示用放電管の画面上の全放電セルを均一な状態にするために、すなわち、表示用電極5の電極対を構成する電極5M1と5M2及び第1アドレス電極6上の電荷を初期状態にするために、電極5M1と5M2間で誘電体層8aの表面にある壁電荷を消去するための放電を行う。
【0080】
すなわち、図6のリセット期間中に電極5M1にPwsaのパルスを、5M2にPwskのパルスを印加して行う。このパルスは壁電荷がつかないようにすることを目的にしているため、幅が狭いパルスである。
【0081】
一般に、所謂AC型表示用放電管においては、放電時にパルス幅が短いと壁電荷が生じず、パルス幅が広いと壁電荷が生じる。
【0082】
なお、本実施例ではPwsa、Pwskのパルス幅は1μsであり、Pwsaの電圧は+40V、Pwskは−240Vである。
【0083】
この放電の後(すなわち、全面リセット後)、図6のアドレス期間中の波形を第1アドレス電極6(6−1、6−2、・・6−n)、第1アドレス電極7(7−n)、表示用共通電極の電極5M1と5M2に印加する。
【0084】
アドレスしたい放電セルでは、放電するような電位差で第1アドレス電極6に負パルスPcを、第2アドレス電極7には正のパルスPaを印加する。この時、表示用共通電極5の電極の片側、例えば5M1には低圧側である第1アドレス電極6と放電を起こさない範囲で、アドレス放電で生じる放電空間の電位より高い電圧+Vmを印加し、もう1つの電極5M2には、高圧側である第2アドレス電極7と放電を起こさない範囲でアドレス放電で生じる放電空間の電位より低い電圧−Vmを印加する。
【0085】
これらのアドレス電極に印加するパルスは当該アドレス電極に壁電荷が生じないようなパルス幅が短いパルス(Pc、Pa)を印加して、アドレス放電を起こし、アドレス放電後の空間電荷が表示用電極5の電極5M1と5M2にそれぞれ逆特性の壁電荷を蓄積させる。
【0086】
なお、パルスPcとパルスPaのパルス幅は1μsであり、パルスPcの電圧は−120V、パルスPaは+40Vであり、+Vmは+30V、−Vmは−30Vである。
【0087】
サステイン期間では、表示用電極を構成する電極5M1と5M2に図6のサステイン期間に放電維持パルスPsが印加され、アドレス放電の起こった、すなわち表示用共通電極に壁電荷のあるセルは放電し、アドレス放電の起こらなかった、すなわち表示用共通電極に壁電荷のないセルは放電しない。
【0088】
なお、Psはパルス幅は4μs、電圧は−220Vであり、放電の起こったセルでは放電により壁電荷が形成される。
【0089】
このように、アドレス放電(画像情報)の有無にしたがってサステイン期間中の放電維持をコントロールできる。
【0090】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、放電電極間の距離を離すことによる電圧の上昇を電極幅を変化させることにより低く抑えることができ、かつ、電極間を離すことにより大幅な輝度向上ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による表示用放電管の一実施例の概略構造を説明する分解斜視図である。
【図2】図1に示した表示用放電管の概略構造を説明する断面図である。
【図3】本発明による表示用放電管の第一実施例の変形例の概略構造を説明する図2と同様の断面図である。
【図4】本発明による表示用放電管の前面ガラス基板上の表示画素内の平面図である。
【図5】本発明による表示用放電管の前面ガラス基板上の電極パターンの説明図である。
【図6】本発明による表示用放電管の駆動方法の一例を説明する駆動波形図である。
【図7】従来技術によるAC型PDPの概略斜視図である。
【図8】従来技術によるAC型PDPの概略断面図である。
【図9】従来技術によるハイブリット型PDPを示す断面図である。
【符号の説明】
1 第1の基板である透明な前面ガラス基板
2 第2の基板である背面ガラス基板
3 隔壁
4 隔壁
5 表示用電極(メモリ電極)
5a 母電極
5b 透明電極
6 第1アドレス電極
6a 母電極
6b 透明電極
7 第2アドレス電極
8a 誘電体層
8b 白色誘電体層
9 保護膜(MgO)
10 R,G,Bの蛍光体。
Claims (3)
- 互いに略平行な複数の表示用電極と、前記表示用電極と略平行に配置した複数の第1アドレス電極とを有する第1の基板と、前記第1の基板に対向配置されて前記表示用電極と第1アドレス電極に交差し、かつ互いに略平行な複数の第2アドレス電極を有する第2の基板を備え、前記第1の基板と前記第2の基板との間にガスを封入して放電領域を形成した表示用放電管において、
前記表示用電極を覆う誘電体層を有し、前記表示用電極が1セル内に少なくとも一対の電極対で構成され、前記表示用電極の電極対と同一基板上に誘電体層で覆った前記第1アドレス電極を有すると共に、前記第1アドレス電極が前記表示用電極の電極対の間に配置されてなる4電極構造を構成し、
前記第1,第2アドレス電極に、サステイン放電する放電セルを選択するアドレス放電を行なわせるために供給される電圧パルスを印加する手段と、
前記表示用電極の電極対に、前記アドレス放電によって選択された前記放電セルでの前記表示用電極間で表示のためのサステイン放電を行なわせるために供給される電圧パルスを印加する手段と
を設け、
前記表示用電極の電極対と同一基板上にある前記第1アドレス電極の電極幅が、前記第2アドレス電極と交差する部分で前記第2アドレス電極と交差しない部分より幅広に形成され、
前記表示用電極の電極幅が、前記第2アドレス電極と交差しない部分で前記第2アドレス電極と交差する部分より幅広となるようにして、前記第1のアドレス電極の電極幅が幅広となる前記部分以外の部分を挟んだ前記表示用電極の電極対の間隔を狭くし、
前記第1のアドレス電極と前記第2のアドレス電極との間でアドレス放電を行ない、前記表示用電極の電極対間でサステイン放電を行なうように構成したことを特徴とする表示用放電管。 - 前記第1アドレス電極は、電気抵抗が異なる透明電極部とバス電極部とから成り、前記第2アドレス電極と交差する部分で該透明電極部により前記幅広部が形成されてなることを特徴とする請求項1に記載の表示用放電管。
- 前記表示用電極は、電気抵抗が異なる透明電極部とバス電極部とから成り、隣接する放電セル発光の光学的クロストークを防ぐ隔壁を該バス電極部上に形成したことを特徴とする請求項1または2に記載の表示用放電管。
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