JP3942592B2 - アルカリ金属の再生方法、及び再生されたアルカリ金属を用いた有機ハロゲン化合物の分解方法 - Google Patents

アルカリ金属の再生方法、及び再生されたアルカリ金属を用いた有機ハロゲン化合物の分解方法 Download PDF

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本発明は、アルカリ金属の再生方法に関する。さらに詳しくは、本発明の再生方法の対象であるアルカリ金属は、有機ハロゲン化合物とアルカリ金属とを脱ハロゲン化反応させた後に、回収した塊状のアルカリ金属である。
従来から、ダイオキシンや、ポリ塩化ビフェニル(PCB)等の有機塩素化合物を、金属ナトリウム分散体(ナトリウム金属微粒子を炭化水素中に分散させた分散体)で処理して、有機塩素化合物を無害化する方法が知られている。
本件発明者は、金属ナトリウム分散体による上記従来法に代えて、反応過程において液体であるアルカリ金属(例えば、Na)および所望により脱ハロゲン化促進剤(例えば、イソプロピルアルコール(以下、IPAともいう)による脱ハロゲン化方法(例えば、脱塩素化処理方法)を提案すると共に、反応後に固化した塊状のアルカリ金属(例えば、Na)の回収方法を提案した〔以下の特許文献、参照、本件出願時未公開〕。
特願2002−178064号明細書
しかしながら、上記特許出願に開示の回収アルカリ金属は、脱ハロゲン化反応過程において表面に反応抑制物(例えばアルコラート等の反応生成物)が付着するため、脱ハロゲン化工程に再利用すると、有機ハロゲン化合物の脱ハロゲン化分解率が低下する問題を引起すことを、本件発明者がはじめて知見した。
本発明の課題は、上記問題点に鑑み、有機ハロゲン化合物とアルカリ金属とを脱ハロゲン化反応させた後に回収した塊状のアルカリ金属を再生する、アルカリ金属の再生方法を提供することである。
本発明者は、前記課題を達成すべく、多数の実験を行った結果、所定の炭素数の二級または三級飽和アルコールを用い、このアルコールと、不活化アルカリ金属とを接触させると、アルカリ金属の活性を著しく回復できることを見出し、この知見に基づき、本願発明を完成するに至った。
すなわち、本発明はアルカリ金属の再生方法を提供するもので、請求項1記載の発明は、有機ハロゲン化合物とアルカリ金属とを脱ハロゲン化反応させた後に回収した塊状のアルカリ金属を、炭素数3〜5の二級または三級飽和アルコールで洗浄することによって再生することを特徴とする。
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載のアルカリ金属の再生方法において、前記二級または三級飽和アルコールが液体であることを特徴とする。
さらに請求項3記載の発明は、請求項1記載のアルカリ金属の再生方法において、前記二級または三級飽和アルコールが気体であることを特徴とする。
さらに、請求項4記載の発明は、請求項1乃至3記載のアルカリ金属の再生方法において洗浄、再生されたアルカリ金属を、有機ハロゲン化合物と脱ハロゲン化反応させて、該有機ハロゲン化合物を分解させることを特徴とする有機ハロゲン化合物の分解方法である。
本発明によれば、前記要件、特に、回収アルカリ金属を、所定の炭素数の二級または三級飽和アルコールで洗浄すると、脱ハロゲン化反応工程において当該回収アルカリ金属上に形成した反応抑制物質〔ハロゲン化アルカリ金属塩、例えばNaCl、場合によりアルコラート、例えばナトリウムアルコラートなど〕を、清浄化でき、これにより、回収アルカリ金属を再生できるという、技術的効果を奏することができたのである。なお、アルカリ金属と、所定の前記低級アルコールとの接触によって、水素が発生し、これにより、アルカリ金属の表面に付着した反応抑制物質を剥離できるものと、考えられる。
本発明の好適な実施形態によれば、炭素数3〜5の二級または三級飽和アルコールは、液体または気体のいずれかの形態である。
本発明の再生方法は、前記したように有機ハロゲン化合物とアルカリ金属とを脱ハロゲン化反応させた後に回収した塊状のアルカリ金属を、炭素数3〜5の二級または三級飽和アルコールで洗浄することによって再生することからなる。
炭素数3〜5の二級または三級飽和アルコール
本発明に使用しうる炭素数3〜5の二級または三級飽和アルコール(以下、単に「二級/三級飽和アルコール」という。)は、次のとおりである。
イソプロピルアルコール〔CH3CH(OH)CH3
sec-ブチルアルコール〔CH3CH2CH(OH)CH3
t-ブチルアルコール〔CH3C(OH)(CH3)2
sec-アミルアルコール〔CH3CH3CH2CH2(OH)CH3]
t-アミルアルコール〔CH3CH2C(OH)(CH3)2]
sec-イソアミルアルコール〔(CH3)2CHCH(OH)CH3]
ジエチルカルビノール〔CH3CH2CH(OH)CH2CH3
二級/三級飽和アルコールは、単独または混合物の形態で使用することができる。
好適には、イソプロピルアルコール(IPA)またはt-ブチルアルコールを使用し、イソプロピルアルコールが特に好適である。一級アルコールでは、アルカリ金属との反応性が過剰となりすぎ、また、炭素数6以上のアルコールや不飽和アルコールでは、副生成物の生成によって、洗浄剥離効果が低下するからである。
二級/三級飽和アルコールによる洗浄処理
好適には、本発明に使用しうる二級/三級飽和アルコールは、前記したように液体または気体のいずれかの形態で洗浄処理に使用することができる。
好ましくは、二級/三級飽和アルコールによる洗浄処理は、アルゴンや窒素を充填した洗浄容器内に、不活化アルカリ金属を入れ、洗浄容器内のアルカリ金属に対し、液体または気体形態の二級/三級飽和アルコールを噴射ノズルから噴射して洗浄することができる。
本発明において、上記のような洗浄処理の条件は限定されるものではないが、洗浄処理の好ましい処理条件は次のとおりである。
(1)金属ナトリウムに対するイソプロピルアルコールの使用量
金属ナトリウム100gに対して500 〜1000mL
(2)噴射ノズルからの噴射速度
20〜60mL/sec
(3)噴射時間(洗浄時間)と回数
3〜60 sec,洗浄状態に合わせて数回
(4)イソプロピルアルコールが気体である場合の蒸気圧
1020mmHg/90℃
(5)金属ナトリウムの粒子径
1mm〜10mm
アルコールによる洗浄は液体状態でも気体状態(噴霧状態を含む)でも行うことが可能であるが、小さなアルカリ金属粒子を洗浄する際には、過剰洗浄によるアルカリ金属の無駄な消費を低減し、また接触時間の制御のしやすさを考慮すると、気体状態のアルコールを使用するのが好ましい。
洗浄処理の対象となるアルカリ金属
洗浄処理の対象となるアルカリ金属は、前記したように、有機ハロゲン化合物とアルカリ金属とを脱ハロゲン化反応させた後に回収したアルカリ金属であり、例えば、次のようにして得ることができる。
例えば、必要に応じて脱水した有機ハロゲン化合物(例えば、絶縁油中のポリ塩化ビフェニル)と、液体形態または塊状形態のアルカリ金属(例えば、Na)と、所望により脱ハロゲン化促進剤(例えば、イソプロピルアルコール)とを、要すれば窒素雰囲気下に、当該アルカリ金属の融点を越える温度(Naの場合には、約98℃)条件下に脱ハロゲン化反応させると、脱ハロゲン化した有機物質(例えば、ビフェニル系有機物質)やハロゲン化アルカリ金属塩(例えば、NaCl)などの反応生成物が形成されると共に、未反応のアルカリ金属(例えば、Na)が残存する。脱ハロゲン化反応終了後、反応生成物を冷却(例えば、放冷)し、液体のアルカリ金属を固化して、塊状のアルカリ金属を形成することができる。
塊状のアルカリ金属は、例えば、遠心力分離(例えば、液体サイクロン)、膜分離、沈降分離、ふるい分け(金属メッシュによるふるい分け)などの方法によって、反応生成物から分離することができる。分離して得られた塊状のアルカリ金属は、前記した本発明の再生処理に付される。なお、アルカリ金属自体は、絶縁油等の油分に溶解することができない。
有機ハロゲン化合物には、絶縁油中のポリ塩化ビフェニルの他に、熱媒体等に含まれるポリ塩化ビフェニルや、ダイオキシンや、DDTやBHC(ベンザヘキサクロライド)やアルドリンやCNP等の農薬類も包含される。なお、アルカリ金属として、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウムまたはこれらの合金などを例示できるが、好ましくは、安価で入手し易く、取り扱いが容易なナトリウムである。
塊状形態のアルカリ金属とは、0.1mm 以上の粒径を有するアルカリ金属をいう。より好適には、塊状形態のアルカリ金属の粒径は、0.5mm 〜200mm 、最も好適には、塊状形態のアルカリ金属の粒径は、ハンドリングの観点から1.0mm 〜10mmである。なお粒径は、顕微鏡観察によって測定される。脱ハロゲン化促進剤には、水、アルコール(例えば、イソプロピルアルコール、t-ブチルアルコール等)が包含される。この促進剤は、脱ハロゲン化反応の水素供与体として機能する。
不活化アルカリ金属の再生処理工程を含む、有機ハロゲン化合物の分解処理方法
一般に、回収アルカリ金属の再生処理工程を含む、有機ハロゲン化合物の分解処理方法は、アルカリ金属として液状のアルカリ金属または微粒子化されていない塊状のアルカリ金属のいずれかを用いてアルカリ金属の融点以上の温度で脱ハロゲン化処理を行い、脱ハロゲン化処理後に残留するアルカリ金属を、油分に溶解していない塊状の状態で回収し、回収した塊状のアルカリ金属を、炭素数3〜5の二級または三級飽和アルコールで洗浄することによって再生することを含んでなる。
次に、添付の図1〜図4に従い、不活化アルカリ金属の再生処理装置を組込んだ有機ハロゲン化合物の分解処理設備の一実施形態を用い、有機ハロゲン化合物の分解処理方法の一実施形態を説明する。なお、処理対象として、有機ハロゲン化合物としてポリ塩化ビフェニル(PCB)を含有する絶縁油を用いた。アルカリ金属として、塊状のナトリウム(Na)金属または液体形態のナトリウム(Na)金属を用いた。
有機ハロゲン化合物の分解処理設備
図1は、一実施形態としての有機ハロゲン化合物の分解処理方法を実施するための分解処理装置の概略ブロック図を示す。本実施形態の有機ハロゲン化合物の分解処理装置は、図1に示すように脱ハロゲン化反応装置1と、脱ハロゲン化反応装置1の前段に設けられた蒸留装置2と、脱ハロゲン化反応装置1の後段に設けられた回収装置13と、抽出槽3と、油水分離装置4と、回収装置13に接続した洗浄装置101 とからなる。
脱ハロゲン化反応装置1は、図2に示すように、ステンレス製の反応槽5と、同じ材質からなる攪拌翼6とを備えており、攪拌翼6は、モーター7によって回転自在に構成されている。図2において、8は、反応槽1内にガスパージを行うための窒素ガスを充填した窒素ガスボンベ、9は、反応槽1で発生したガスを冷却するための冷却管、10は、冷却管9で冷却されたガス中の油分を抽出するためのオイルトラップをそれぞれ示す。攪拌翼6は、図3および図4に示すように、回転軸11の上下2段にパドル翼12a,12b が垂直に取り付けられた構成からなり、その上下のパドル翼12a,12b は図4に示すように45度の交差角度をなして配設されている。
前記反応槽1の前段に設けられた蒸留装置2は、予め、PCBを含有する絶縁油中の水分を減圧蒸留で除去するためのものである。反応槽1の後段に設けられた回収装置13は、塊状の残存アルカリ金属を分離、回収するためのものである。また、回収装置13に接続した洗浄装置101 は、回収した不活化アルカリ金属を洗浄するための洗浄装置である。また、回収装置13の後段に設けられた抽出槽3は、PCBと金属Naとの反応によって生成した、NaCl等の水溶性塩生成物を、抽出水を用い、抽出するためのものである。分離装置4は、前記抽出槽3で水溶性塩生成物を除去した被処理液を、油性成分(ビフェニル系有機物質、トランス油などの絶縁油残分など)と、水性成分(例えば、抽出水)とを分離するためのもので、この分離装置4による分離は、静置分離により行われる。
なお、前記分解処理装置の実施形態では、回転軸11の上下2段にパドル翼12a,12b が垂直に取り付けられ、その上下のパドル翼12a,12b が45度の交差角度をなして配設されて攪拌翼6が構成されていたため、攪拌効果が良好となり、従ってPCBの分解をほぼ完全に行うことができるという好ましい効果が得られたが、攪拌翼6の構造も実施形態に限定されるものではなく、1段のみのパドル翼や門型翼等、任意の構造の攪拌翼を使用することが可能である。さらに、前記実施形態では、絶縁油を分離する手段として静置分離による手段を用いたため、分離操作や装置のメンテナンスが容易となる利点がある。
第1実施形態:有機ハロゲン化合物の分解処理方法
次に、前記有機ハロゲン化合物の分解処理装置を用いた分解処理方法について説明する。
先ず、脱ハロゲン化反応装置1の反応槽5内は、予め窒素ガスボンベ8から窒素ガスを供給してパージし、そのガスパージで反応槽5から放出されるガスを冷却管10で冷却した後、オイルトラップ11でガス中の油分を抽出し、さらに活性炭フィルター(図示せず)を通して外部に放出する。このように窒素ガスパージされた状態で、PCBを含有する絶縁油を脱ハロゲン化反応装置1へ供給する。PCBを含有する絶縁油は、予め蒸留装置2で蒸留し、絶縁油中の水分を減圧蒸留で除去しておく。被処理水中に水分が存在すると、Naと水との反応によりNaが消費されるため、予め水分を除去しておくことが好ましい。この脱ハロゲン化反応装置1へは、塊状の金属Na(粒径200 mm以下、好適には1.0mm 〜10mmの粒径の塊)を添加し、さらに脱ハロゲン反応促進物質であるIPAを添加する。反応温度は、金属Naの融点である98℃以上で行う。
脱ハロゲン化反応装置1の反応槽5内では絶縁油中のPCBと、金属Naとが反応し、PCBが脱塩素化されることとなる。このPCBとNaとの反応によって、脱ハロゲン化した有機物質(ビフェニル系有機物質)とNaClとが生成されることとなる。さらに、IPAが添加されていることによって、PCBとNaとの反応が促進される。
金属Naは、脱ハロゲン化反応装置1へ添加した直後は所定寸法の塊状のものであるが、反応中は、反応温度が金属Naの融点以上であり、攪拌を行っているので、金属Naは液滴状態で分散しており、その金属NaとPCBとが反応して、脱ハロゲン化する。反応後、しばらくすると分散状態にあった未反応金属Naの攪拌が停止され、金属Naの融点未満の温度になると塊状に戻る。
従って、未反応の塊状の金属Naを回収装置13で回収し、洗浄装置101 での洗浄処理をしたのち、反応槽5へ返送する等、再利用することができるのである。塊状の金属Naの回収は、本実施形態では沈降分離によってなされる。また、本実施形態においては、回収装置13にて未反応の金属Naを回収したが、反応槽5において回収することも可能である。その場合、反応槽5の下部にメッシュを設置し、反応終了時、反応液をメッシュ排出する際、メッシュ上にNa塊を、メッシュ下にそれ以外の反応液および反応生成物等を排出させるようにすることができる。
反応槽1から、被処理液を、抽出槽3に供給し、PCBと金属Naとの反応によって生成した、NaCl等の水溶性塩生成物を、抽出水を用いて被処理水から分離して抽出する。さらに、水溶性塩生成物を分離した後の被処理液を、油水分離装置4に供給し、静置分離によって油性成分と水性成分とに分離される。また、1つの槽で抽出と油水分離を行うことも可能である。
第2実施形態
本実施形態では、上記実施形態の塊状の金属Naに代えて、液状のNaを用いた。本発明でいう液状のNaとは、Naを融点以上に加熱し、溶解させた状態のものをいう。
分解処理装置の全体の構成や、脱ハロゲン化反応装置1の構造等は上記実施形態と同じである。
本実施形態では、Naが上記第1実施形態のような固体ではなく液体であるが、そもそもNaは液体であっても絶縁油等の油分に溶解しないため、攪拌後により液体の部分がある程度細かく分断されたとしても、その液滴の部分は少なくとも数mm(たとえば0.1 〜2 mm)程度の大きさを持ち、その後に塊状となって前記第1実施形態の塊状金属Naの場合と同様、回収して再利用することができるのである。本実施形態においては、回収手段として液体サイクロンが用いられる。
次に、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は、これに限定されるものではない。
調製例1
PCB含有絶縁油2L〔濃度:100ppm〕を、撹拌槽に添加し、110 ℃に加温した後、塊状の金属ナトリウム9.5 g[粒径7 mm〕、次いで、脱ハロゲン化反応促進剤としての水1.9 g を添加し、回転速度270 r.p.m.で、撹拌を3時間継続した。なお、金属ナトリウムおよび水の前記添加量は、Na:Cl:水のモル比が350:1:90となるように、調整した。残留PCB濃度は0.1mg/L 以下になった。
反応終了後、反応生成物を放冷して、液体の金属ナトリウムを固化し、次いで、850 μm の篩を用いてふるい分け処理して、未反応の塊状ナトリウム3.4 gを回収した。
実施例1:IPA液体
調製例1で回収した塊状金属ナトリウム3.4 g を、窒素ガスを充填した洗浄容器内に入れ、噴射洗浄ノズルを介して、イソプロピルアルコール液体を、塊状金属ナトリウムに吹き付けた。洗浄した塊状金属ナトリウム2.1gを洗浄容器から取出し、溶媒油に添加して、保存した。洗浄処理条件を以下の表1に示した。
尚、表1において、回収率とは、(洗浄後の塊状のNa)/(未反応の塊状のNa)×100 で算出される数値である。
実施例2:IPA気体
実験例1と同様な方法に従い、回収した塊状金属ナトリウムを洗浄した。ただし、IPA液体に代えて、IPA気体を用いた。本実施例では、洗浄時の塊状金属ナトリウムは、2.7gであった。
実施例3、4
実施例1または実施例2と同様な方法に従い、上記表1に示した洗浄用アルコールを用い、回収した塊状金属ナトリウムを洗浄した。
比較例1
何ら洗浄しない未洗浄処理の状態の金属ナトリウムとして、調製例1で回収した金属ナトリウムを比較例1とする。
試験例
実施例1〜4(再生金属ナトリウム)または比較例1(未洗浄処理の状態の回収金属ナトリウム)と、新鮮な金属ナトリウム〔粒径7μm]とを、40:100の質量割合で混合した。このNa混合物を用い、調製例1と同様な方法に従い、脱ハロゲン化反応時間3時間で、脱ハロゲン化反応させて、反応生成物中のPCB濃度を測定した。
得られた結果を、上記表1に示す。
評価
上記表1に示すように、有機ハロゲン化合物(PCB)の濃度に関し、本発明の再生方法によって再生した再生Na金属(実施例1〜4)は、再生処理していないNa金属(比較例1)に比し、著しく低下し、本発明の再生方法が、不活化Na金属の再生に有効であることが証明された。
本発明の再生方法は、有機ハロゲン化合物とアルカリ金属とを脱ハロゲン化反応させた後に回収した塊状のアルカリ金属についての再生処理に採用することができる。
有機ハロゲン化合物の分解処理装置の一実施形態を示す概略ブロック図。 反応装置を示す概略ブロック図。 反応装置の攪拌翼の要部斜視図。 反応装置の攪拌翼の概略平面図。
符号の説明
1:脱ハロゲン化反応装置
13:回収装置
101:洗浄装置

Claims (4)

  1. 有機ハロゲン化合物とアルカリ金属とを脱ハロゲン化反応させた後に回収した塊状のアルカリ金属を、炭素数3〜5の二級または三級飽和アルコールで洗浄することによって再生することを特徴とするアルカリ金属の再生方法。
  2. 前記二級または三級飽和アルコールが液体である請求項1記載のアルカリ金属の再生方法。
  3. 前記二級または三級飽和アルコールが気体である請求項1記載のアルカリ金属の再生方法。
  4. 請求項1乃至3記載のアルカリ金属の再生方法において洗浄、再生されたアルカリ金属を、有機ハロゲン化合物と脱ハロゲン化反応させて、該有機ハロゲン化合物を分解させることを特徴とする有機ハロゲン化合物の分解方法。
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