JP3941707B2 - 電子楽器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術の分野】
本発明は、指板部に設けた押下型等のスイッチで音高を指定すると共に、疑似弦等の操作子の操作で発音タイミングを決定し、楽音を電気的に発生させるようにした弦楽器型等の電子楽器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、下記特許文献1に示されるように、ギター等に模して形成した楽器複数設けた操作スイッチの操作に基づき楽音を電気的に発生させるようにした電子楽器が知られている。この電子楽器では、棹部の指板部における、ギターにおけるフレット間に対応する位置に押下型の操作スイッチを設け、その操作で音高を指定すると共に、楽器胴体部に設けた線条(弦部材)の撥弦動作を検出し、その検出信号をトリガとして楽音を発生させるようにしている。従って、ギター演奏のような演奏が擬似的に実現される。
【0003】
ところが、この電子楽器では、単に音高や発音タイミングを指定できるだけで、楽音が単調であるため、下記特許文献2の電子楽器では、エレクトリックギター等に設けられるトレモロアームと同様のアーム型操作子を設け、楽音効果(ビブラート)を電気的制御により実現するようにしている。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−196752号公報
【特許文献2】
特開2002−215158号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献2の電子楽器では、楽音効果としては、全弦に対するビブラート効果が得られるだけであり、生ギター演奏では代表的なチョーキング効果を付与することができず、演奏表現力を向上させる上で改善の余地があった。
【0006】
本発明は上記従来技術の問題を解決するためになされたものであり、その目的は、簡単な操作にてチョーキング効果を実現することができる電子楽器を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明の請求項1の電子楽器は、楽器胴体部と、前記楽器胴体部に固定的にされた指板部と、押下操作可能に前記指板部に設けられ、複数の発音チャンネルの各々の発音音高を、押下の有無及び押下位置に基づき指定する音高指定操作子と、前記楽器胴体部に設けられ、前記発音チャンネル毎に、発音タイミングを決定するタイミング決定操作子と、前記音高指定操作子の操作及び前記タイミング決定操作子の操作に応じて楽音を発生させる楽音発生手段と、前記楽器胴体部において、前記タイミング決定操作子に近接して設けられた効果付加用操作子と、前記効果付加用操作子が操作された場合は、全発音チャンネルのうち前記音高指定操作子が押下されたことで音高が指定され且つ前記楽音発生手段により発音中となっているチャンネルについて、その発音中の音高を所定量上昇させることで、チョーキング効果が得られるように制御する制御手段とを有することを特徴とする。
【0008】
この構成によれば、発音音高のチャンネル別変化制御を可能にして、簡単な操作にてチョーキング効果を実現することができる。
【0009】
上記目的を達成するために本発明の請求項2の電子楽器は、楽器胴体部と、前記楽器胴体部に固定的にされた指板部と、前記指板部に設けられ、発音音高を指定する音高指定操作子と、前記楽器胴体部に設けられ、発音タイミングを決定するタイミング決定操作子と、前記音高指定操作子の操作及び前記タイミング決定操作子の操作に応じて楽音を発生させる楽音発生手段と、前記楽器胴体部において、前記タイミング決定操作子に近接して設けられた効果付加用操作子と、前記効果付加用操作子が操作された場合は、前記楽音発生手段により発音中となっている楽音の音高を所定量上昇させることで、チョーキング効果が得られるように制御する制御手段とを有し、前記制御手段は、前記効果付加用操作子の操作に応じて、チョーキング時における前記楽音の音高の、前記所定量上昇までの到達速さが異なるように制御することを特徴とする。
【0010】
この構成によれば、発音音高の変化速さを制御して、簡単な操作にて多彩なチョーキング効果を実現することができる。
【0011】
上記目的を達成するために本発明の請求項3の電子楽器は、指板部に設けられ、発音音高を指定する音高指定手段と、前記指板部を支持する支持体に設けられ、発音タイミングをコントロールするためのタイミング指定手段と、前記音高指定手段の操作及び前記タイミング指定手段の操作に応じて楽音を発生させる楽音発生手段と、前記タイミング指定手段の近傍で操作可能なように設けられたアームと、前記楽音発生手段により発音中となっている楽音の音高を、前記アームの操作開始時から操作されている期間中に亘って徐々に上昇させるオートチョーキング制御手段とを有することを特徴とする。
【0012】
上記目的を達成するために本発明の請求項4の電子楽器は、指板部に設けられ、発音音高を指定する音高指定手段と、前記指板部を支持する支持体に設けられ、発音タイミングをコントロールするためのタイミング指定手段と、前記音高指定手段の操作及び前記タイミング指定手段の操作に応じて楽音を発生させる楽音発生手段と、前記タイミング指定手段の近傍で操作可能なように設けられたアームと、前記楽音発生手段による楽音の発音中に、前記アームが所定方向に操作された場合は、チョーキングオンの指示を発生させてチョーキング機能を開始させると共に、前記アームが操作されている期間中、前記楽音の音高を徐々に上昇させるオートチョーキング制御手段とを有し、前記オートチョーキング制御手段は、前記チョーキング機能の実行中に、前記アームが前記所定方向と反対方向に操作された場合は、チョーキングオフの指示を発生させてチョーキング機能を停止させると共に、前記楽音発生手段により発音中の楽音を、前記音高指定手段により指定されたチョーキング開始前の元の音高に戻すことを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0014】
図1は、本発明の一実施の形態に係る電子楽器の平面図である。本電子楽器は、ギター型に形成され、胴体部1に棹部2が固定されて構成される。棹部2には、音高スイッチ部3、パネル操作部4が設けられ、胴体部1には、弦入力部5、アーム15及びメモリスロット6が設けられる。アーム15は、エレキギターではトレモロアームと称されるものであるが、本実施の形態では、効果付加用操作子として機能し、多機能制御を可能とするので、以下、単にアーム15と呼称する。弦入力部5に含まれる弦部材から成るタイミング指定手段としての発音タイミング決定操作子(以下、「弦状操作子51」と称する)は、6本(51a〜51f)設けられ、ギターの弦の太さに倣い、弦状操作子51aが最も太く、51b・・・51fという順序で細くなっている。
【0015】
本電子楽器は、左手でギターのフレット間を押さえるときのようにして音高スイッチ部3で音高を設定すると共に、右手でギターの弦を撥弦するようにして弦入力部5の弦状操作子51を撥くことで、ギターの演奏操作や発音を擬似的に実現したものである。
【0016】
図1に示すように、棹部2には、ギターでいうフレット配設面に相当する指板部16が設けられ、この指板部16上に、音高スイッチ部3として音高指定手段としての音高指定操作子(以下、「フレット操作子35(35a〜35f)」と称する)が複数設けられている。フレット操作子35は、ギターでいうフレット間対応位置に配設され、1つの弦状操作子51につき複数(例えば12個)が対応して設けられ、同一のフレット間領域には6個ずつ並列配置される。フレット操作子35a〜35fが、弦状操作子51a〜51fに対応している。
【0017】
パネル操作部4には、表示部や各種スイッチが設けられ、パネル操作部4は、楽器種類やモードの設定の入力のほか、各種情報の表示に用いられる。メモリスロット6には所定のメモリカードが挿入可能である。また、フレット操作子35の下方(棹部2内部方向)には固定接点が、フレット操作子35の下部には可動接点が、それぞれ設けられる(いずれも図示せず)。そして、フレット操作子35の押下、及び押下解除の動作によって、上記可動接点及び固定接点が接離して、フレット操作子35の操作状態が検出されるようになっている。
【0018】
アーム15は、胴体部1において弦入力部5の近傍で操作可能なように弦入力部5に近接して設けられる。アーム15は、右手で操作容易な位置に配置され、所定角度だけ押し下げ及び押し上げ可能に構成される。アーム15は、一般的なアームと同様に、押し下げ及び押し上げ操作することで楽音効果(ビブラート)を与えるのに用いられるが、本実施の形態では、例えば押し上げ操作することでチョーキングの付与にも用いることができるようになっている(詳細は後述する)。
【0019】
図示はしないが、アーム15の操作は複数段階(例えば2段階)で検出され、特に、チョーキングにおいては、押し上げ方向への操作の第1段階が第1チョーキングのオンイベント、さらなる押し上げによる第2段階が第2チョーキングのオンイベントとなるように構成されている。なお、アーム15の操作は2段階に限らず、さらなる多段階または無段階で検出されるように構成してもよいし、押し下げ方向への段階的あるいは無段階検出であってもよい。
【0020】
図2は、本実施の形態の電子楽器の機能構成の概略を示すブロック図である。本電子楽器は、音高スイッチ部3、パネル操作部4、弦入力部5、メモリスロット6、音源部7、RAM12、ROM13及び効果スイッチ部17がバス11を介してCPU10に接続されて構成される。音源部7の出力は、D/Aコンバータ8を介して、アンプやスピーカ等を含んで構成されるサウンドシステム(SS)9に接続され、該SS9は、D/Aコンバータ8からの楽音信号を音響に変換する。CPU10にはタイマ14が接続される。
【0021】
音高スイッチ部3は、押下されたフレット操作子35に対応する検出信号を出力し、CPU10に供給する。この出力が、各弦状操作子51に対応する複数のフレット操作子35のうちのいずれが押下されたかを示す信号、すなわち、発音音高を規定する信号となる。
【0022】
後述するように、発音音高の指定処理に関しては、同じ弦状操作子51に対応するフレット操作子35が2以上押下された場合は、より高音域側のフレット操作子35のみに基づいて音高が指定される。何も押下されない場合は、その弦は開放弦であるとして処理される。
【0023】
弦入力部5は、キーオン検出部5a及びタッチ検出部5bを備える。詳細は省略するが、弦入力部5には、各弦状操作子51毎に不図示のピエゾセンサが備えられ、弦状操作子51を撥弦する強さに応じた出力が得られるようになっており、この出力により弦状操作子51の撥弦の有無及び撥弦強さが規定される。撥弦の有無を示す信号を出力するのがキーオン検出部5aであり、撥弦強さを示す信号を出力するのがタッチ検出部5bである。これらの出力信号は各弦状操作子51毎にCPU10に供給される。タッチ検出部5bの出力に基づき、弦状操作子51への接触動作が、弦状操作子51に軽く触れる指接弦動作(消音目的の場合と撥弦動作直前の指接弦とが含まれる)なのか、発音を目的とする撥弦動作なのかも判断される。
【0024】
メモリスロット6は、装着されたメモリカードに格納された曲データとして例えばMIDIデータをCPU10に供給する。ROM13は、CPU10が実行する制御プログラムや各種テーブルデータ等を記憶する。RAM12は、演奏データ、テキストデータ等の各種入力情報、各種フラグやバッファデータ及び演算結果等を一時的に記憶する。タイマ14は、タイマ割り込み処理における割り込み時間や各種時間を計時する。
【0025】
パネル操作部4には、少なくともパラメータ設定ボタン41、「+」ボタン42及び「−」ボタン43が設けられる。パラメータ設定ボタン41は、設定の対象とされる「設定対象パラメータ」を呼び出すのに用いられる。パラメータ値(種類、項目を含む)は、概念的には循環可能に配列されており(図示せず)、パラメータ設定ボタン41で設定された設定対象パラメータについて、「+/−」ボタン42、43で、パラメータ値を増減して所望の値を選択することができる。効果スイッチ部17は、上記したアーム15の操作状態を検出し、その検出信号をCPU10に供給する。
【0026】
本実施の形態では、発音チャンネル(ch)が6個設定され、弦状操作子51a〜51fがチャンネル(ch1)〜(ch6)に対応している。また、演奏モードとしては、「自動演奏モード」、「リアルタイム演奏モード」が設定可能であり、リアルタイム演奏モードにはさらに、「効果制御モード」と効果の付与を一律に禁止する「効果付与禁止モード」とが設定可能である。「効果制御モード」には、「チョーキングモード」及び「ビブラートモード」が含まれる。
【0027】
CPU10は、音高スイッチ部3、キーオン検出部5a、タッチ検出部5b及びメモリスロット6からの信号に基づいて音源指示信号を音源部7に送る。リアルタイム演奏モードにおいては特に、発音/消音指示及びキーオンベロシティは、弦入力部5の出力信号に基づき規定される。また、音源指示信号におけるチャンネル(ch)毎の発音音高を指示する発音指示音高PIT(ch)は、音高スイッチ部3の出力信号に基づき規定され、効果制御モードでは特に、発音指示音高PIT(ch)は効果スイッチ部17の出力信号に基づき時間的に変化する。
【0028】
ここで、後述する各処理に用いられる主なレジスタについて説明する。
【0029】
「発音指示音高PIT(ch)」は、基本的にはチャンネル毎に音高スイッチ部3で規定されて発音音高を規定するが(図3のステップS310、S313)、チョーキングモードでは、後述する乗算値PUPによって変化し、チョーキング効果を与える(図6のステップS610)。
【0030】
「基本音高PIT’(ch)」は、チャンネル毎に音高スイッチ部3で規定された発音指示音高PIT(ch)の最初の値であり(図4のステップS320)、効果制御モードでは特に、効果付与開始前の発音指示音高PIT(ch)の値を保管しておく目的で用いられる。
【0031】
「タッチデータTC(ch)」は、チャンネル毎にタッチ検出部5bで規定され、楽音のベロシティを規定する(図4のステップS318)。
【0032】
「乗算値PUP」は、チョーキングモードにおいて、タイマインタラプト毎に各発音指示音高PIT(ch)に乗算されて発音指示音高PIT(ch)の値を更新するのに用いられ(図6のステップS610)、これによって、チョーキング時における音高変化のカーブ(チョーキングの到達速さを含む音高の変化態様)が決まる。乗算値PUPは、所定値PUP1または所定値PUP2に設定されるが(図6のステップS607、S608)、初期値としては所定値PUP1に設定されている。また、所定値PUP1、2はパラメータ設定処理(図5)により変更・設定可能である。両所定値PUP1、PUP2の大小関係は、PUP1<PUP2であり、例えば、所定値PUP2の値は所定値PUP1の値の2倍に設定される。
【0033】
後述するように、チョーキングモードにおいては、発音指示音高PIT(ch)は、その現在値が「PIT’(ch)×2n」に達するまで上昇した後、一定値となる。従って、設定値nはチョーキング深さを規定し、設定値nには、例えば「1/12」または「2/12」が設定され、「1/12」の場合は、半音(100セント)チョーキング、「2/12」の場合は、全音(200セント)チョーキングとなる。
【0034】
図3、図4は、本実施の形態において、リアルタイム演奏モード時に実行されるメインルーチンのフローチャートを示す図である。本処理は本電子楽器の電源オン時からCPU10により実行される。図5は、図3のステップS302で実行されるパラメータ設定処理のフローチャートを示す図である。
【0035】
まず、図3のステップS301では、初期設定を実行、すなわち所定プログラムの実行を開始し、RAM12等の各種レジスタに初期値を設定し、次に、図5のパラメータ設定処理を実行する(ステップS302)。
【0036】
すなわち、図5のステップS501では、上記「設定対象パラメータ」を設定するための設定オンイベントが有ったか否かを判別する。この設定オンイベントは、パネル操作部4のパラメータ設定ボタン41(図2参照)の押下により発生する。パラメータ設定ボタン41で設定可能な設定対象パラメータには、少なくとも「音色」、「チョーキング」が含まれるが、そのパラメータ種類は限定されるものではない。
【0037】
その判別の結果、上記設定オンイベントがない場合はステップS510に進む一方、有った場合はステップS502に進んで、設定オンイベントで選択されている対象が「音色」であるか否かを判別し、「音色」でない場合はステップS504に進む一方、「音色」である場合は「音色」を設定対象パラメータとして設定してから(ステップS503)、前記ステップS504に進む。
【0038】
前記ステップS504では、設定オンイベントで選択されている対象が「チョーキング」であるか否かを判別し、「チョーキング」でない場合はステップS506に進む一方、「チョーキング」である場合は「チョーキング」を設定対象パラメータとして設定してから(ステップS505)、前記ステップS506に進む。
【0039】
前記ステップS506では、設定オンイベントで選択されている対象が「音色」または「チョーキング」でなく「その他のパラメータ」であるか否かを判別し、「その他のパラメータ」でない場合はステップS508に進む一方、「その他のパラメータ」である場合は当該「その他のパラメータ」を設定対象パラメータとして設定してから(ステップS507)、前記ステップS508に進む。ここで、「その他のパラメータ」には、例えば、ビブラート、音量等のほか、上記所定値PUP1、PUP2も含まれる。
【0040】
前記ステップS508では、上記「+/−」ボタン42、43のオンイベントが有ったか否かを判別し、オンイベントがない場合は前記ステップS510に進む一方、有った場合は、上記設定された「設定対象パラメータ」について、そのパラメータ値を「+/−」ボタン42、43の操作に応じて変更し(ステップS509)、前記ステップS510に進む。
【0041】
なお、前記ステップS509では、例えば、設定対象パラメータが「チョーキング」である場合は、上記設定値nの値が設定可能である。また、設定対象パラメータが「ビブラート」である場合は、例えば、アーム15の操作量に対応するピッチの変化量や、ディレイビブラートにおけるビブラート開始までのゲートタイム等が設定可能である。なお、設定される内容はこれらに限定されるものではない。例えば、「ビブラート」の場合は、ビブラート深さについても設定可能に構成し、アーム15操作時には、その操作量にかかわらず、ここで設定されたビブラート深さの値を一律に適用するようにしてもよい。
【0042】
次に、ステップS510では、その他処理、例えば、上述した演奏モードや効果制御モード等の各種モードの設定や、各種設定処理を行う。これらの設定内容は、レジスタ値乃至フラグ等として保持される。その後、本処理を終了する。
【0043】
図3に戻り、続くステップS303では、6つの発音チャンネル(ch)すべてを走査し、次に、音源部7からのオフ受信が有ったか否か、すなわち、各発音チャンネルについて、発音されている楽音のレベルが所定値以下に減衰したか否かを判別する(ステップS304)。その判別の結果、オフ受信が有った場合は、当該発音チャンネルに関連するデータ(レジスタ、フラグ等)のすべてをリセットして(ステップS305)、前記ステップS303に戻る一方、オフ受信がない場合は、ステップS306に進んで、指板走査、すなわち、フレット操作子35の押下または押下解除によるフレットオン/オフイベントの有無の検出を行う。
【0044】
次に、フレットオン/オフイベントがあったか否かを判別し(ステップS307)、フレットオンイベントが有った場合はステップS308に進み、フレットオフイベントが有った場合はステップS311に進み、いずれも無い場合はステップS314に進む。
【0045】
前記ステップS308では、フレットオンイベントの有ったチャンネル(ch)が使用中であるか否かを判別する。ここで、「チャンネル(ch)が使用中」とは、同一弦状操作子51に対応しているフレット操作子35のうち押下されているものが、今回のフレットオンイベントに係るもの以外に存在すること、すなわち、同一弦状操作子51に対応するフレット操作子35が同時に複数押下状態になっていることを意味する。
【0046】
その判別の結果、フレットオンイベントの有ったチャンネル(ch)が使用中でない場合は、今回押下されたフレット操作子35が同一弦状操作子51中において単独押下であるので、そのフレット操作子35で規定される音高データを発音指示音高PIT(ch)に設定して(ステップS310)、前記ステップS314に進む。一方、フレットオンイベントの有ったチャンネル(ch)が使用中である場合は、今回押下されたフレット操作子35が同一弦状操作子51中において2個目以降の押下であるので、今回押下されたフレット操作子35が高音側フレットであるか否かを判別する(ステップS309)。
【0047】
すなわち、今回より前に押下された既押下フレット操作子35と今回押下されたフレット操作子35とを比較して、今回押下されたフレット操作子35の方が既押下フレット操作子35よりも高い音高を規定するか否かを判別する。その判別の結果、今回押下されたフレット操作子35が高音側フレットである場合は、前記ステップS310に進んで、今回押下されたフレット操作子35で規定される音高データを発音指示音高PIT(ch)に新たに設定し、前記ステップS314に進む一方、今回押下されたフレット操作子35が高音側フレットでない場合は、発音指示音高PIT(ch)を変更することなく前記ステップS314に進む。
【0048】
前記ステップS311では、今回のフレットオフイベントが最後のフレットオフイベントであるか否かを判別する。具体的には、同一弦状操作子51に対応するフレット操作子35のうち、今回押下解除されたフレット操作子35以外に押下状態にあるフレット操作子35が存在しない場合に、最後のフレットオフイベントであると判別される。その判別の結果、今回のフレットオフイベントが最後のフレットオフイベントでない場合は、押下状態のフレット操作子35が残存するので、オン中の高音優先処理を行う(ステップS312)。
【0049】
すなわち、今回のフレットオフイベントによって、同一弦状操作子51に対応する残存する押下状態のフレット操作子35のうち、最高音を規定するものによって、発音指示音高PIT(ch)に設定すべき音高データを指定する。具体的には、音高データの指定においては、複数押下状態にあるフレット操作子35のうち、最高音のフレット操作子35が押下解除された場合にのみ、発音指示音高PIT(ch)に設定すべき音高データが変更され、最高音でないフレット操作子35が押下解除された場合は、現在発音指示音高PIT(ch)に設定されている音高データが維持される。
【0050】
そして、前記ステップS312から前記ステップS310に進んだ場合は、前記ステップS312の高音優先処理の結果、指定された音高データを、発音指示音高PIT(ch)に設定する。
【0051】
また、前記ステップS311の判別の結果、最後のフレットオフイベントである場合は、同一弦状操作子51においてフレット操作子35が単独押下状態にあった場合にそのフレット操作子35が押下解除された場合であるので、その弦状操作子51は開放弦状態になる。従って、この場合は、フレットオフイベントに対応する弦状操作子51の開放弦用の音高データを発音指示音高PIT(ch)に設定する(ステップS313)。その後、前記ステップS314に進む。
【0052】
図4のステップS314では、弦入力部走査、すなわち、弦入力部5における指接弦や撥弦の操作を検出する。そして、続くステップS315では、キーオン検出部5a及びタッチ検出部5bの出力に基づき、指接弦があったか否かを判別する。その判別の結果、指接弦がない場合は前記ステップS302に戻る一方、指接弦があった場合は、指接弦があった弦状操作子51のチャンネル(ch)のオフ処理(消音処理)を行って(ステップS316)、次に、キーオン検出部5a及びタッチ検出部5bの出力に基づき、撥弦があったか否かを判別する(ステップS317)。ここで、上記オフ処理は、例えば、音源部7で、ロジック的(ハード的)若しくはソフト的に、楽音エンベロープデータに従って楽音発生処理を遂行している制御入力に対して、急速減衰の指示を出力することによりなされる。
【0053】
その判別の結果、撥弦がない場合は前記ステップS302に戻る一方、撥弦があった場合は、タッチ検出部5bから出力される撥弦強さを示す信号(撥弦センサ値)に応じた値を、対応するチャンネルのタッチデータTC(ch)に設定する(ステップS318)。次に、ステップS319では、撥弦された弦状操作子51に対応する全データ、すなわち、発音指示音高PIT(ch)、タッチデータTC(ch)、乗算値PUPのほか、各種レジスタ値等を音源部7に対して送出する。次に、発音指示音高PIT(ch)の値を基本音高PIT’(ch)として記憶しておき(ステップS320)、前記ステップS302に戻る。
【0054】
図6は、図3、図4のメインルーチン実行中に実行されるタイマインタラプト処理のフローチャートを示す図である。本処理は、例えば、10ms間隔で実行される。
【0055】
まず、効果制御モードが設定されているか、及び、設定されている効果制御モードがチョーキングモード、ビブラートモードのいずれであるかを、各種フラグの設定状態に基づき判別する(ステップS601)。その判別の結果、効果制御モードが設定されていない場合は本処理を終了する。また、効果制御モードが設定されており、それがビブラートモードである場合は、ビブラート処理を実行して(ステップS602)、本処理を終了する。ここで、上記「ビブラート処理」では、図5のステップS509で設定されたピッチの変化量等の設定値に従って、不図示のサブルーチンにより、アーム15の操作に応じてビブラート効果を付与する処理を実行する。
【0056】
一方、前記ステップS601の判別の結果、効果制御モードが設定されており、それがチョーキングモードである場合は、アーム操作の走査、すなわち、アーム15の操作を検出し、その操作角度が第1、第2段階(第1または第2チョーキング)のいずれであるかや、その操作がチョーキングのオン/オフイベントのいずれであるかを検出する(ステップS603)。そして、チョーキングオフイベントが有ったか否かを判別する(ステップS604)。ここで、チョーキングオフイベントは、アーム15の操作角度が第1段階以上の角度からそれ以下の角度に移行したときに発生する。
【0057】
その判別の結果、チョーキングオフイベントがない場合は、第2チョーキングのオン/オフイベントが有ったか否かを判別し(ステップS605)、その判別の結果、第2チョーキングのオン/オフイベントがない場合は、チョーキングオン中であるか否かを判別する(ステップS609)。その判別の結果、チョーキングオン中でない場合は、アーム15の操作角度が第1段階以下であるので、本処理を終了する一方、チョーキングオン中である場合は、第1または第2チョーキングによるチョーキング効果付与の実行中であるので、ステップS610に進む。
【0058】
ステップS610では、発音指示音高PIT(ch)のデータが有り且つフレットオンされている音高に対応するチャンネル、すなわち、フレット操作子35が押下されたことで音高が指定され且つ発音中となっているチャンネル(以下「特定チャンネル」と称する)について、PIT(ch)←PIT(ch)×PUPとして発音指示音高PIT(ch)を更新する。そして、この更新された発音指示音高PIT(ch)を音源部7に送出する。これにより、現在発音中の特定チャンネルにおける楽音のピッチが上昇する。この動作が持続するなら、10ms毎に所定ピッチずつ目標ピッチに向かって音高が上昇していく。ところで、フレットオンでない開放弦となっているチャンネルについてはチョーキング付与の対象とならない。
【0059】
次に、上記特定チャンネルについて、PIT(ch)>PIT’(ch)×2nが成立するかを判別し(ステップS611)、その判別の結果、PIT(ch)>PIT’(ch)×2nが成立しない場合は、未だ、目標のチョーキング深さに到達していないので、本処理を終了する一方、成立する場合は、目標のチョーキング深さに到達したので、上記特定チャンネルについて、PIT(ch)←PIT’(ch)×2nとすることで、発音指示音高PIT(ch)を更新し、更新された発音指示音高PIT(ch)を音源部7に送出する(ステップS612)。これにより、発音指示音高PIT(ch)に対してリミットがかかり、その時点から、PIT’(ch)×2nの値に相当する一定音高の楽音となる。その後、本処理を終了する。
【0060】
前記ステップS605の判別の結果、第2チョーキングのオン/オフイベントが有った場合は、そのオン/オフイベントが第2チョーキングのオンイベントであるか否かを判別し(ステップS606)、その判別の結果、第2チョーキングのオンイベントである場合は、アーム15の操作角度が第1段階から第2段階に移行した場合であるので、ステップS607に進んで、乗算値PUPを所定値PUP2に設定し(PUP←PUP2)、前記ステップS609に戻る。一方、第2チョーキングのオフイベントである場合は、アーム15の操作角度が第2段階から第1段階に移行した場合であるので、ステップS608に進んで、乗算値PUPを所定値PUP1に設定し(PUP←PUP1)、前記ステップS609に戻る。
【0061】
前記ステップS604の判別の結果、チョーキングオフイベントが有った場合は、チョーキングを解除するべく、全6チャンネルについて、PIT(ch)←PIT’(ch)とすることで、各発音指示音高PIT(ch)の値を各基本音高PIT’(ch)と設定し(ステップS613)、更新された発音指示音高PIT(ch)、すなわち、チョーキング操作前の発音指示音高PIT(ch)を音源部7に送出する。その後、本処理を終了する。
【0062】
ここで、図3〜図6の処理による作用を例示する。図7は、チョーキングモード時における楽音効果制御の作用図であり、ある特定チャンネルについて、楽音の発音ピッチ(発音音高)の変化を示したものである。横軸は経過時間t、縦軸は発音ピッチ(周波数)を示す。なお、チョーキング開始までのゲートタイムは「0」であるとする。
【0063】
同図に示すように、特定チャンネルにおいて、時刻t1で第1チョーキングのオンイベントがあると、上述したように、発音指示音高PIT(ch)は、図6のタイマインタラプト処理毎にステップS610の処理にて乗算値PUP(ここでは所定値PUP1)が乗算されて更新される。
【0064】
このPUP値は、例えば、「PIT(ch)←PIT(ch)×PUP」の処理を50回行って、目標ピッチ(例えば元ピッチ(PIT’(ch))から200セントのアップ)になるような値で、「1」より僅かに大きい値である。前記ステップS610を通過する毎に、発音指示音高PIT(ch)が第1のカーブCU1で上昇し、そのまま第2チョーキングのオンイベントがなければ、上記50回の処理では、時刻t1から(10ms×50回)=0.5sec後に、第1のカーブCU1の続きのカーブCU1’を辿って目標ピッチに達することになる。一方、時刻t2で第2チョーキングのオンイベントがあった場合は、今度は乗算値PUP(ここでは所定値PUP2)が乗算されて更新され、第1のカーブCU1より急な第2のカーブCU2で上昇していく。そして、発音指示音高PIT(ch)は、時刻t3でその現在値が目標ピッチである「PIT’(ch)×2n」に達して一定値となる(図6のステップS612)。
【0065】
このとき、「2n」は、チョーキングの到達目標値が例えば、200セントアップである場合は、「22/12」、すなわち、n=2/12という値をとる。ここで、前記ステップS505、S509でn=1(すなわちn=12/12)に設定されたとすると、第1のカーブCU1の設定では、発音音高は、0.5sec後に元ピッチから1オクターブ上昇したピッチになる。このように、チョーキングオン操作をすれば、発音音高が目標ピッチに自動的に到達するので、この動作をオートチョーキングということができる。そして、時刻t4でチョーキングオフイベントがあると、発音指示音高PIT(ch)は基本音高PIT’(ch)に戻って一定値となる(図6のステップS613)。
【0066】
また、発音指示音高PIT(ch)が上昇している途中(チョーキング途中で、例えば、時刻tx)でチョーキングオフイベントが有った場合は、発音指示音高PIT(ch)が「PIT’(ch)×2n」に達していなくても、その時点から基本音高PIT’(ch)に復帰する。従って、チョーキングの通常使用が100セントアップや200セントアップ程度であるとしても、大きめの目標値、例えば、1オクターブアップである「n=1」という値に設定しておき、演奏時に、チョーキング音を聞きながら、演奏状態に合わせて目標ピッチに達したところでチョーキングオフ操作を行う、というような高度の演奏も可能になる。
【0067】
本実施の形態によれば、アーム15にて、チョーキングのオンイベントが有った場合は、開放弦に対応するチャンネル以外で発音中となっている「特定チャンネル」について、発音指示音高PIT(ch)に乗算値PUPを乗算して更新することで、発音中の音高を漸次上昇させるようにしたので、発音音高のチャンネル別変化制御を可能にして、簡単な操作にてチョーキング効果を実現することができる。
【0068】
また、アーム15の操作を第1、第2チョーキングのオンイベントというように2段階で検出し、それに応じてチョーキング時の到達速さ(上昇カーブ)が異なるように制御するので、簡単な操作にて多彩なチョーキング効果を実現することができる。
【0069】
また、アーム15を、モード切り替えにより、チョーキングだけでなく、他の効果制御(ビブラート)にも共用できるようにしたので、構成が簡単である。
【0070】
なお、アーム15操作時の音高の変化態様はチョーキング時の到達速さに限定されることはなく、上昇曲線の形等を変更してもよい。また、本実施の形態では、チョーキング深さを設定値nの設定で規定したが、回転角度または位置制御の概念を導入し、アーム15の操作に応じてチョーキング深さを異ならせてもよい。これとは逆に、チョーキング時の到達速さを、パラメータ設定処理で設定するようにしてもよい。
【0071】
なお、発音タイミングを決定乃至コントロールするためのタイミング指定手段として、6本の弦状操作子51を例示したが、チョーキング効果制御を可能にする観点からは、タイミング決定操作子の個数は1個以上存在すればよい。また、弦状操作子51は、発音タイミングを決定することができれば、必ずしも撥弦という動作によらなくてもよい。さらに、楽器の形態はギター型でなくてもよく、弦状操作子51に相当する少なくとも1つのタイミング決定操作子と、それに対応して複数設けられるフレット操作子35に相当する音高指定手段とを有する構成であれば、他の形態の電子楽器にも適用可能である。
【0072】
なお、本実施の形態では、チョーキングオン時には、音高が段階的に徐々に変化するように構成したが、これに限るものでなく、何らかの方法で漸次変化するように構成してもよい。あるいは、チョーキングオンにより音高が急激に、例えば、ステップ関数的に変化するように構成してもよい。
【0073】
なお、本実施の形態では、チョーキングオフイベントは、アーム15の操作角度が第1段階以上の角度からそれ以下の角度に移行したときに発生するとしたが(図6のステップS604)、これに限るものでなく、アーム15の戻し操作によってある閾値を下回ったときにチョーキングオフイベントが発生するようにしてもよいし、戻し方向に操作されたら直ちにチョーキングオフイベントが発生するようにしてもよい。
【0074】
なお、本発明を達成するためのソフトウェアによって表される制御プログラムを記憶した記憶媒体を、本電子楽器に読み出すことによって同様の効果を奏するようにしてもよく、その場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が本発明の新規な機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。また、プログラムコードを電送媒体等を介して供給してもよく、その場合は、プログラムコード自体が本発明を構成することになる。なお、これらの場合の記憶媒体としては、ROM、ハードディスクのほか、光ディスク、フロッピー(登録商標)ディスク等の可搬媒体等を用いることができる。
【0075】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の請求項1によれば、発音音高のチャンネル別変化制御を可能にして、簡単な操作にてチョーキング効果を実現することができる。
【0076】
本発明の請求項2によれば、発音音高の変化速さを制御して、簡単な操作にて多彩なチョーキング効果を実現することができる。
【0077】
本発明の請求項3によれば、簡単な操作にてチョーキング効果を実現することができる。
【0078】
本発明の請求項4によれば、簡単な操作にて多彩なチョーキング効果を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施の形態に係る電子楽器の平面図である。
【図2】 本実施の形態の電子楽器の機能構成の概略を示すブロック図である。
【図3】 本実施の形態において、リアルタイム演奏モード時に実行されるメインルーチンのフローチャートを示す図である。
【図4】 本実施の形態において、リアルタイム演奏モード時に実行される図3のメインルーチンの続きのフローチャートを示す図である。
【図5】 図3のステップS302で実行されるパラメータ設定処理のフローチャートを示す図である。
【図6】 図3、図4のメインルーチン実行中に実行されるタイマインタラプト処理のフローチャートを示す図である。
【図7】 チョーキングモード時における楽音効果制御の作用図である。
【符号の説明】
1 胴体部(楽器胴体部、支持体)、 2 棹部、 3 音高スイッチ部、 4 パネル操作部、 5 弦入力部、 7 音源部(楽音発生手段)、 10 CPU(制御手段、オートチョーキング制御手段)、 15 アーム(効果付加用操作子)、 16 指板部、 17 効果スイッチ部、 35 フレット操作子(音高指定操作子、音高指定手段)、 51 弦状操作子(タイミング決定操作子、タイミング指定手段)

Claims (4)

  1. 楽器胴体部と、
    前記楽器胴体部に固定的にされた指板部と、
    押下操作可能に前記指板部に設けられ、複数の発音チャンネルの各々の発音音高を、押下の有無及び押下位置に基づき指定する音高指定操作子と、
    前記楽器胴体部に設けられ、前記発音チャンネル毎に、発音タイミングを決定するタイミング決定操作子と、
    前記音高指定操作子の操作及び前記タイミング決定操作子の操作に応じて楽音を発生させる楽音発生手段と、
    前記楽器胴体部において、前記タイミング決定操作子に近接して設けられた効果付加用操作子と、
    前記効果付加用操作子が操作された場合は、全発音チャンネルのうち前記音高指定操作子が押下されたことで音高が指定され且つ前記楽音発生手段により発音中となっているチャンネルについて、その発音中の音高を所定量上昇させることで、チョーキング効果が得られるように制御する制御手段とを有することを特徴とする電子楽器。
  2. 楽器胴体部と、
    前記楽器胴体部に固定的にされた指板部と、
    前記指板部に設けられ、発音音高を指定する音高指定操作子と、
    前記楽器胴体部に設けられ、発音タイミングを決定するタイミング決定操作子と、
    前記音高指定操作子の操作及び前記タイミング決定操作子の操作に応じて楽音を発生させる楽音発生手段と、
    前記楽器胴体部において、前記タイミング決定操作子に近接して設けられた効果付加用操作子と、
    前記効果付加用操作子が操作された場合は、前記楽音発生手段により発音中となっている楽音の音高を所定量上昇させることで、チョーキング効果が得られるように制御する制御手段とを有し、
    前記制御手段は、前記効果付加用操作子の操作に応じて、チョーキング時における前記楽音の音高の、前記所定量上昇までの到達速さが異なるように制御することを特徴とする電子楽器。
  3. 指板部に設けられ、発音音高を指定する音高指定手段と、
    前記指板部を支持する支持体に設けられ、発音タイミングをコントロールするためのタイミング指定手段と、
    前記音高指定手段の操作及び前記タイミング指定手段の操作に応じて楽音を発生させる楽音発生手段と、
    前記タイミング指定手段の近傍で操作可能なように設けられたアームと、
    前記楽音発生手段により発音中となっている楽音の音高を、前記アームの操作開始時から操作されている期間中に亘って徐々に上昇させるオートチョーキング制御手段とを有することを特徴とする電子楽器。
  4. 指板部に設けられ、発音音高を指定する音高指定手段と、
    前記指板部を支持する支持体に設けられ、発音タイミングをコントロールするためのタイミング指定手段と、
    前記音高指定手段の操作及び前記タイミング指定手段の操作に応じて楽音を発生させる楽音発生手段と、
    前記タイミング指定手段の近傍で操作可能なように設けられたアームと、
    前記楽音発生手段による楽音の発音中に、前記アームが所定方向に操作された場合は、チョーキングオンの指示を発生させてチョーキング機能を開始させると共に、前記アームが操作されている期間中、前記楽音の音高を徐々に上昇させるオートチョーキング制御手段とを有し、
    前記オートチョーキング制御手段は、前記チョーキング機能の実行中に、前記アームが前記所定方向と反対方向に操作された場合は、チョーキングオフの指示を発生させてチョーキング機能を停止させると共に、前記楽音発生手段により発音中の楽音を、前記音高指定手段により指定されたチョーキング開始前の元の音高に戻すことを特徴とする電子楽器。
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