JP3941623B2 - ミキサおよびプログラム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、大規模なミキシングシステムに用いて好適なミキサおよびプログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、特に業務用の音響設備においてデジタルミキシングシステムが普及しつつある。このシステムにおいては、マイク等から収集された音声信号が全てデジタル信号に変換され、DSPアレイ等によって構成されたエンジンにおいてミキシング処理が行われる。そして、大型のデジタルミキシングシステムにおいては、オペレータが操作するミキシングコンソールと、上記エンジンとが分離されていることが多い。
【0003】
例えば、ミキシングコンソールは客席内の中央あるいは客席から分離されたミキシングルームに載置され、エンジンは舞台裏等に載置される。ミキシングコンソールにおいては複数のフェーダ等の操作子が設けられており、これらは全てCPUによって自動的に駆動可能である。例えば、舞台転換が行われた場合には、その時々の舞台状況に応じてフェーダ等の操作位置を予め決定しておいた位置に自動的に設定することができる。かかる操作を「シーンリコール」と呼ぶ。
【0004】
シーンリコールあるいはオペレータのマニュアル操作によってフェーダ等の操作量が変更されると、その情報はミキシングコンソールからエンジンに通知され、これによってエンジン内におけるアルゴリズムあるいは演算パラメータ等が決定される。また、デジタルミキシングシステムに対して要求される処理能力はコンサート等の規模に応じて様々であるため、複数のコンソールおよび複数のエンジンを組み合わせることにより、処理能力を向上できれば便利である。このため、複数のミキシングシステムをカスケード接続し処理能力を向上させる技術が特開2000−261391号公報等に開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、複数のコンソールまたは複数のエンジンを組み合わせて使用する際、複数のオペレータによってそれぞれ異なるコンソールが操作されることになる。その際、各コンソールのオペレータに対する通話またはオペレータ相互間の通話を行う際、モニタリングの音量レベルを自動的に低下させることが望ましい場合がある。かかる機能は既存のミキシングシステムにおいても実現されているが、複数のオペレータの各々に対して、コンソールの設置状態に応じて音量レベルの制御状態を自在に設定できる技術は存在しなかった。
この発明は上述した事情に鑑みてなされたものであり、コンソール等の設置状態に応じて最適なコミュニケーション環境を実現するミキサおよびプログラムを提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため本発明にあっては、下記構成を具備することを特徴とする。なお、括弧内は例示である。
請求項1記載のミキサにあっては、音響信号のミキシング処理を行なうミキサであって、外部から複数系統の音響信号を入力する入力手段(232,234)と、外部から通話信号(トークバック信号,コムイン信号)を入力する通話信号入力手段(232の一部)と、前記入力手段の入力した複数系統の音響信号のうちいずれかの系統の音響信号の特性を制御して、混合用音響信号として出力する複数の入力チャンネル処理部(242)と、前記各入力チャンネル処理部(242)から入力される混合用音響信号を混合し、該混合した混合用音響信号を混合信号として出力する複数の混合バス(244)と、前記複数の混合バス(244)が出力する混合信号を外部に出力する出力手段(254)と、当該ミキサ内の音響信号のうち指定された箇所の音響信号を選択し、モニタ信号(MON1,MON2)として出力するモニタセレクタ(250,252)と、前記モニタ信号と前記通話信号とを混合し、該混合された信号を外部に出力するモニタ出力手段(312e,332e)と、音響信号のミキシング処理を行なう他のミキサと接続するための接続手段(206)と、前記接続手段を介して前記他のミキサと接続されたとき、当該ミキサが前記他のミキサとカスケード接続により協同して動作可能であるか否かを判定する判定手段(SP212,SP214)と、前記判定手段(SP212,SP214)により協同動作可能であると判定されたことを条件として、前記接続手段(206)を介して、当該ミキサの前記複数の混合バスと前記他のミキサの複数の混合バスとを相互にリンクし、該リンクした複数の混合バスの出力する信号同士を混合した信号を前記混合信号とする混合バスリンク手段(SP216)と、前記判定手段(SP212,SP214)により協同動作可能であると判定されたことを条件として、前記接続手段(206)を介して、当該ミキサの前記通話信号を前記他のミキサに供給するとともに、前記他のミキサから供給される通信信号を当該ミキサの前記モニタ出力手段(312e,332e)に入力して、当該ミキサの前記通話信号と前記他のミキサから供給される通話信号とを混合させる通話信号リンク手段(SP216)とを備えたことを特徴とする。
さらに、請求項2記載の構成にあっては、請求項1記載のミキサにおいて、当該ミキサのオペレータが操作するトークバック入力スイッチ(コンソール100A,100Bに設けられたオン/オフスイッチ)と、前記トークバック入力スイッチのオン操作時に外部からトークバック信号を入力するトークバック信号入力手段(300e,302e)と、前記入力したトークバック信号を前記出力手段(254)に供給し、前記出力手段(254)を介して外部に出力させるトークバック信号供給手段(358e)とを備え、前記通話信号は前記トークバック信号であることを特徴とする。
さらに、請求項3記載の構成にあっては、請求項2記載のミキサにおいて、前記トークバック信号入力手段(300e,302e)が前記トークバック信号を入力するとき、前記モニタ出力手段(312e,332e)から出力される信号のレベルを減衰させるトークバックディマ手段(152a,152b)と、前記判定手段(SP212,SP214)により協同動作可能であると判定されたことを条件として、前記他のミキサにてトークバック信号を入力するとき、当該ミキサにおいても前記トークバックディマ手段で前記信号のレベルを減衰させるよう制御するトークバックディマ連動手段(350e,368e)とを備えたことを特徴とする。
さらに、請求項4記載の構成にあっては、請求項2記載のミキサにおいて、前記判定手段(SP212,SP214)により協同動作可能であると判定されたことを条件として、前記他のミキサから前記通話信号として供給されるトークバック信号と、当該ミキサの前記トークバック信号とを混合するトークバック信号混合手段(352e,362e,364e)を備え、前記トークバック信号供給手段(358e)は、該混合されたトークバック信号を前記出力手段(254)に供給することを特徴とする。
さらに、請求項5記載の構成にあっては、請求項1記載のミキサにおいて、前記通話信 号はコムイン信号であって、前記入力手段が入力する複数系統の音響信号のうちの何れかを前記コムイン信号として出力するコムイン信号出力手段(240)を備え、前記通話信号リンク手段(SP216)は、前記判定手段(SP212,SP214)により協同動作可能であると判定されたことを条件として、前記接続手段(206)を介して、前記他のミキサのコムイン信号を当該ミキサにも供給するコムイン信号供給部(308e,328e)と、前記他のミキサから供給されたコムイン信号と、当該ミキサのコムイン信号とを混合するコムイン信号混合部(314e,334e)と、該混合されたコムイン信号の信号レベルが所定の閾値以上である場合にのみ、該混合されたコムイン信号を通過させるゲート部(318e,338e)とを含み、これによって該ゲート部(318e,338e)を通過したコムイン信号が前記通話信号として前記モニタ出力手段(312e,332e)に供給されることを特徴とする。
また、請求項6記載のプログラムにあっては、各々が処理装置(118,202,218)を備えるとともに音響信号のミキシング処理を行うミキサの、前記処理装置(118,218)で実行されるプログラムであって、当該ミキサは、外部から複数系統の音響信号を入力する入力手段(232,234)と、外部から通話信号(トークバック信号,コムイン信号)を入力する通話信号入力手段(232の一部)と、前記入力手段の入力した複数系統の音響信号のうちいずれかの系統の音響信号の特性を制御して、混合用音響信号として出力する複数の入力チャンネル処理部(242)と、前記各入力チャンネル処理部(242)から入力される混合用音響信号を混合し、該混合した混合用音響信号を混合信号として出力する複数の混合バス(244)と、前記複数の混合バス(244)が出力する混合信号を外部に出力する出力手段(254)と、当該ミキサ内の音響信号のうち指定された箇所の音響信号を選択し、モニタ信号(MON1,MON2)として出力するモニタセレクタ(250,252)と、前記モニタ信号と前記通話信号とを混合し、該混合された信号を外部に出力するモニタ出力手段(312e,332e)と、他のミキサとカスケード接続するための接続手段(206)とを備えるものであり、前記プログラムは、前記接続手段を介して前記他のミキサと接続されたとき、当該ミキサが前記他のミキサとカスケード接続により協同して動作可能であるか否かを判定する判定過程(SP212,SP214)と、前記判定過程(SP212,SP214)により協同動作可能であると判定されたことを条件として、前記接続手段(206)を介して、当該ミキサの前記複数の混合バスと前記他のミキサの複数の混合バスとを相互にリンクし、該リンクした複数の混合バスの出力する信号同士を混合した信号を前記混合信号とする混合バスリンク過程(SP216)と、前記判定過程(SP212,SP214)により協同動作可能であると判定されたことを条件として、前記接続手段(206)を介して、当該ミキサの前記通話信号を前記他のミキサに供給するとともに、前記他のミキサから供給される通信信号を当該ミキサの前記モニタ出力手段(312e,332e)に入力して、当該ミキサの前記通話信号と前記他のミキサから供給される通話信号とを混合させる通話信号リンク過程(SP216)とを前記処理装置(118,218)に実行させることを特徴とする。
さらに、請求項7記載の構成にあっては、請求項6記載のプログラムにおいて、前記ミキサは、さらに、当該ミキサのオペレータが操作するトークバック入力スイッチ(コンソール100A,100Bに設けられたオン/オフスイッチ)を備えるものであり、前記プログラムは、さらに、前記トークバック入力スイッチのオン操作時に外部からトークバック信号を入力するトークバック信号入力過程(300e,302e)と、前記入力したトークバック信号を前記出力手段(254)に供給し、前記出力手段(254)を介して外部に出力させるトークバック信号供給過程(358e)とを前記処理装置(118,202,218)に実行させ、前記通話信号は前記トークバック信号であることを特徴とする。
さらに、請求項8記載の構成にあっては、請求項7記載のプログラムにおいて、前記トークバック信号入力過程(300e,302e)によって前記トークバック信号を入力するとき、前記モニタ出力手段(312e,332e)から出力される信号のレベルを減衰させるトークバックディマ過程(152a,152b)と、前記判定過程(SP212, SP214)により協同動作可能であると判定されたことを条件として、前記他のミキサにてトークバック信号を入力するとき、当該ミキサにおいても前記トークバックディマ過程で前記信号のレベルを減衰させるよう制御するトークバックディマ連動過程(350e,368e)とを前記処理装置(118,202,218)にさらに実行させることを特徴とする。
さらに、請求項9記載の構成にあっては、請求項7記載のプログラムにおいて、前記判定過程(SP212,SP214)により協同動作可能であると判定されたことを条件として、前記他のミキサから前記通話信号として供給されるトークバック信号と、当該ミキサの前記トークバック信号とを混合するトークバック信号混合過程(352e,362e,364e)を前記処理装置(118,202,218)にさらに実行させ、前記トークバック信号供給過程(358e)は、該混合されたトークバック信号を前記出力手段(254)に供給する過程であることを特徴とする。
さらに、請求項10記載の構成にあっては、請求項6記載のプログラムにおいて、前記通話信号はコムイン信号であって、前記ミキサは、前記入力手段(232の一部)が入力する複数系統の音響信号のうちの何れか前記コムイン信号として出力するコムイン信号出力手段(240)を備えるものであり、前記通話信号リンク過程(SP216)は、前記判定過程(SP212,SP214)により協同動作可能であると判定されたことを条件として、前記接続手段(206)を介して、前記他のミキサのコムイン信号を当該ミキサにも供給するコムイン信号供給過程(308e,328e)と、前記他のミキサから供給されたコムイン信号と、当該ミキサのコムイン信号とを混合するコムイン信号混合過程(314e,334e)と、該混合されたコムイン信号の信号レベルが所定の閾値以上である場合にのみ、該混合されたコムイン信号を通過させるゲート過程(318e,338e)とを含み、これによって該ゲート過程(318e,338e)を通過したコムイン信号が前記通話信号として前記モニタ出力手段(312e,332e)に供給されることを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】
1.実施形態のハードウエア構成
1.1.コンソール
次に、本発明の一実施形態のデジタルミキシングシステムについて説明する。本実施形態は、一または複数のコンソール100と、一または複数のエンジン200とにによって構成される。まず、コンソール100のハードウエア構成を図1(a)を参照し説明する。
【0008】
図において102は表示器であり、コンソール100のオペレータに対して各種の情報を表示する。104は電動フェーダ部であり、「48」個の電動フェーダによって構成されている。これら電動フェーダは、オペレータによって操作されるとともに、コンソール100内部に記憶されたシーンデータ等に基づいて、必要な場合には自動的に駆動される。
【0009】
114は操作子群であり、音声信号の音質等を調節する各種の操作子等によって構成されている。これら操作子もオペレータによって操作されるとともに、コンソール100内部に記憶されたデータ等に基づいて、必要な場合には自動的に駆動される。さらに、操作子群114には、文字入力用のキーボードおよびマウス等も含まれており、表示器102上にはこのマウスに対応するマウスカーソルが表示される。106はデュアルI/O部であり、デュアルコンソールシステム(詳細は後述する)を構成する場合に、ここを介して他のコンソールが接続され、当該他のコンソールとの間でデジタル音声信号、制御信号等の入出力を行う。
【0010】
110はデータI/O部であり、エンジン200との間でデジタル音声信号の入出力を行う。これらデジタル音声信号は、例えばオペレータの声等であるトークバック信号、エンジン200側の作業員の声等であるコムイン信号およびエンジン200のモニタ信号などである。108は波形I/O部であり、エンジン200から供給されたデジタル音声信号をアナログ信号に変換するとともに、トークバックマイク(図示せず)を介して入力されたトークバック信号(アナログ)をデジタル信号に変換しデータI/O部110に供給する。
【0011】
112は通信I/O部であり、エンジン200との間で各種の制御信号を入出力する。コンソール100側から送信される制御信号には、電動フェーダ部104および操作子群114等の操作情報が含まれている。これら操作情報によって、エンジン200側のアルゴリズムに用いられるパラメータが設定される。116はその他I/O部であり、オペレータ側に設けられた各種外部機器が接続される。118はCPUであり、フラッシュメモリ120に記憶されたプログラムに基づいて、バス124を介して各部を制御する。
【0012】
122はRAMであり、CPU118のワークメモリとして用いられる。ここで、RAM122に格納されるデータについて詳述しておく。RAM122においては、カレント領域122a、シーン領域122bおよびライブラリ領域122cが確保される。このカレント領域122aには、ミキシングコンソールの現在の設定状態、例えば各入力チャンネルの減衰量、周波数特性の設定量等、出力チャンネルの減衰量、各種エフェクトの設定内容等が記憶される。これらデータを「カレント操作データ」と呼ぶ。このカレント操作データが更新されると、これによってエンジン200による信号処理の内容等も決定される。
【0013】
また、シーン領域122bにはカレント操作データと同一構造のデータを複数セット(最大約「1000」セット)記憶することができる。例えば、ある時点のカレント領域122aの内容(シーン)をシーン領域122b内に格納しておくことにより、その時点の設定状態をワンタッチで再現(リコール)することができる。これらのデータを「シーンデータ」と呼ぶ。また、ライブラリ領域122cには、エンジン200におけるユニット構成を規定したユニットライブラリ、入出力パッチ(詳細は後述する)における接続関係を規定したパッチライブラリ、入力チャンネルの名称等を規定したネームライブラリ等が記憶されている。これらのデータを「ライブラリデータ」と呼ぶ。
【0014】
1.2.エンジン
次に、図1(b)を参照し、ミキシングシステムに使用されるエンジン200のハードウエア構成について説明する。図において202は信号処理部であり、DSPアレイによって構成されている。信号処理部202は「96」のモノラル入力チャンネルに対してミキシング処理を施し、その結果を「48」のモノラル出力チャンネル等に出力することが可能である。なお、信号処理部202において実行されるミキシング処理のアルゴリズムの詳細については後述する。
【0015】
204は波形I/O部であり、マイクあるいはラインレベルのアナログ信号をデジタル信号に変換する複数のADコンバータと、信号処理部202から出力されたデジタル信号をアナログ信号に変換しアンプ等に供給する複数のDAコンバータと、外部機器から供給されたデジタル音声信号をエンジン200内で使用される所定フォーマットのデジタル信号に変換するとともにエンジン200内のデジタル音声信号のフォーマットを変換し外部機器に出力するデジタル入出力部とから構成されている。
【0016】
206はカスケードI/O部であり、ここを介してエンジン200を他のエンジンにカスケード接続することにより、ミキシングシステムの処理能力を向上させることが可能である(詳細は後述する)。210はデータI/O部であり、上記コンソール100のデータI/O部110との間でデジタル音声信号のやりとりを行う。また、212は通信I/O部であり、コンソール100の通信I/O部112との間で制御信号のやりとりを行う。214は表示器であり、エンジン200側の作業員に対して各種の情報を表示する。
【0017】
216はその他I/O部であり、各種の外部機器との間で音声信号等のやりとりを行う。218はCPUであり、フラッシュメモリ220に格納された制御プログラムに基づいて、バス224を介してエンジン200内の各部を制御する。222はRAMであり、CPU218のワークメモリとして使用される。
【0018】
1.3.ミキシングシステムの構成
1.3.1.シングルコンソールシステム
次に、上記コンソール100およびエンジン200によって構成可能なミキシングシステムの構成を図2(a)〜(d)を参照し説明する。まず、同図(a)は1台のコンソール100と、1台のエンジン200とによって構成されたシングルコンソールシステムの構成例である。なお、図2においては、複数台のコンソール100およびエンジン200を区別するため、これらの符号に(A,B,C,……)等のアルファベットの符号を付す。
【0019】
上述したようにコンソール100Aは、「48」個の電動フェーダを有しており、エンジン200Eにおいてはモノラル「96」入力チャンネルの処理が可能である。この「96」入力チャンネルは第1および第2レイヤに分割されており、例えば第1レイヤには第1ないし第48入力チャンネル、第2レイヤには第49ないし第96入力チャンネルが割り当てられる。また、操作子群114には、電動フェーダ部104によって操作すべきレイヤを選択するためのレイヤ選択スイッチが設けられている。
【0020】
従って、オペレータは、入力チャンネルのレベル等を調節する場合には、当該入力チャンネルの属するレイヤをレイヤ選択スイッチによって選択し、しかる後に対応するフェーダを操作すればよい。フェーダが操作されると、カレント領域122a内の対応する箇所に記憶されている操作量(減衰量)が更新される。そして、更新された箇所のデータがコンソール100Aからエンジン200Eに送信されることにより、信号処理部202内のアルゴリズムにおけるパラメータが変更され、出力される音声信号に対してフェーダ操作が反映されることになる。
【0021】
また、オペレータによってシーンリコールの操作が行われると、シーン領域122bから指定されたシーンデータが読み出され、その内容がカレント領域122aに転送される。これによってカレント操作データの内容は大幅に変更されることになる。そして、フェーダ等が操作された場合と同様に、シーンリコールによって更新されたカレント操作データの内容はコンソール100Aからエンジン200Eに送信される。これにより、信号処理部202内のアルゴリズムにおいて、リコールされたシーンの内容が反映される。
【0022】
1.3.2.デュアルコンソールシステム
上記シングルコンソールシステムにおいては、制御すべき入力チャンネルに応じてレイヤを選択する操作が必要であるが、かかる操作は煩雑であり、異なるレイヤに属する入力チャンネルを同時に制御することも困難になる。そこで、本実施形態においては、図2(b)に示すように、2台のコンソールを用いることによってモノラル「96」入力チャンネルを同時に制御することが可能である。かかる構成をデュアルコンソールシステムという。
【0023】
図2(b)において「2」台のコンソール100A,100Bは、これらのデュアルI/O部106を介して相互に接続されている。そして、コンソール100AのデータI/O部110および通信I/O部112は、エンジン200EのデータI/O部210および通信I/O部212に各々接続されている。このように、エンジン200Eに直接的に接続されている側のコンソールを「マスタコンソール」といい、他方のコンソールを「スレーブコンソール」と呼ぶ。
【0024】
これら「2」台のコンソールのうち一方の電動フェーダ部104に対して第1レイヤ、他方の電動フェーダ部104に対して第2レイヤを割り当てることにより、「96」入力チャンネルの各々に対して独立した電動フェーダを割り当てることが可能になる。ここで、デュアルコンソールシステムを構成する各コンソールのカレント領域122aには、シングルコンソールシステムの場合と同様のカレント操作データが各々記憶される。すなわち、各コンソールの電動フェーダ部104に割り当てられているレイヤにかかわらず、両コンソールのカレント領域122aには、「96」入力チャンネルの各々に対して減衰量等のパラメータが記憶されることになる。
【0025】
そして、デュアルコンソールシステムにおいては、コンソール100A,100Bにおける各カレント領域122aの内容は、同一になるように制御される。例えば、一方のコンソールにおいてなんらかの操作が行われると、当該コンソールにおけるカレント操作データは当該操作に応じて更新される。この更新内容は他方のコンソールに送信され、他方のコンソールにおいてもカレント操作データが同様に更新されるのである。
【0026】
そして、最終的にエンジン200Eに対して各種パラメータを送信するコンソールは必ずマスタコンソール100Aである。換言すれば、エンジン200E内のアルゴリズムにおけるパラメータは、コンソール100Aのカレント操作データに応じて設定され、コンソール100B内のカレント操作データは関知されないことになる。
【0027】
ここで、一方のコンソールにおいてシーンリコール操作があった場合の対処方法が問題になる。シーンリコール操作が行われたコンソールから他方のコンソールに対してシーンの内容を全て送信すると、伝送すべきデータ量が多大になるため、双方のコンソールにシーンリコールを反映するまでに要する時間が長くなりすぎる。これを防止するため、本実施形態においては、シーンリコール操作のみ(すなわちどのシーンがリコールされたか)が相互に伝達され、実際のシーンの再現は、各々のコンソールにおけるシーンデータの内容に基づいて実行される。このため、各コンソールにおけるシーン領域122bの内容は、基本的には、予め一致させておく必要がある。
【0028】
1.3.3.シングルコンソールシステムのカスケード接続
上記シングルコンソールシステムにおいて、入力チャンネルの総数「96」そのものが不足している場合には、図2(c)に示すように、2台のコンソールおよび2台のエンジンを用いることによって2倍の入力チャンネルを確保することが可能である。図2(c)において、コンソール100Aおよびエンジン200Eはこれらの各I/O部110,112,210,212を介して相互に接続されている。また、コンソール100Bおよびエンジン200Fも同様に接続されている。
【0029】
そして、エンジン200E,200Fは、これらのカスケードI/O部206を介して相互に接続されている。このようなエンジン200E,200Fの接続方法をカスケード接続という。かかる構成において、コンソール100A,100Bのカレント操作データは独立しており、各々のコンソールにおいて各「96」入力チャンネルが制御されることになる。また、シーンの切換等を両コンソール間でリンクさせるか否かはオペレータによって指定可能である。
【0030】
1.3.4.デュアルコンソールシステムのカスケード接続
また、「2」組のデュアルコンソールシステムに対してカスケード接続を行うことも可能である。かかる場合の構成例を図2(d)に示す。図においてコンソール100A,100Bおよびエンジン200Eは図2(b)と同様にデュアルコンソールシステムを構成している。また、コンソール100C,100Dおよびエンジン200Fも同様にデュアルコンソールシステムを構成している。そして、エンジン200E,200Fは、これらのカスケードI/O部206を介して相互に接続されている。
【0031】
2.実施形態のアルゴリズム構成
2.1.ミキシング系統のアルゴリズム
2.1.1.シングルコンソールシステム
次に、シングルコンソールシステム(図2(a))において信号処理部202等によって実現されるミキシング処理のアルゴリズムの構成を図4を参照し説明する。図において232はアナログ入力部であり、複数チャンネルのアナログ音声信号をデジタル信号に変換する。また、234はデジタル入力部であり、外部から供給された複数チャンネルのデジタル音声信号をエンジン200内で使用される所定フォーマットのデジタル信号に変換する。これら入力部232,234は波形I/O部204によって実現される。
【0032】
次に、236は内蔵エフェクタであり、最大「8」チャンネルの音声信号に対してエフェクト処理を施す。また、238は内蔵イコライザであり、周波数特性等のイコライジング処理を最大「24」チャンネルの音声信号に対して施すことができる。242は入力チャンネル調整部であり、コンソール100Aにおける操作に基づいて、最大「96」チャンネルの入力チャンネルに対して音量・音質等の調整を行う。
【0033】
240は入力パッチ部であり、上記各入力部232,234、内蔵エフェクタ236または内蔵イコライザ238から供給されたデジタル音声信号を入力チャンネル調整部242の任意のチャンネルに割り当てる。但し、アナログ入力部232から入力された所定の「1」チャンネルは、エンジン200E側の作業員の音声信号を伝送するコムイン信号COMM_IN_1として、後述するモニタ系統を介して、コンソール100A側に送信される。
【0034】
244はミキシングバスであり、入力チャンネル調整部242を介して音量・音質調節されたデジタル音声信号を最大「48」系統のモノラル音声信号にミキシングする。254は出力チャンネル調整部であり、これら「48」系統のモノラル音声信号に対して、音量調節等を行う。なお、「48」系統のミキシングバス244と出力チャンネルを、それぞれ所定の「2」系統づつペア設定することが可能であり、ペア設定された系統ではステレオ音声信号のミキシングが行われる。
【0035】
次に、256はマトリクス出力チャンネル部であり、出力チャンネル調整部254における「48」系統のミキシング結果をさらにミキシングし出力する。マトリクス出力チャンネル部256においては、モノラル「24」系統の音声信号をミキシングすることが可能になっている。そして、各出力チャンネル部254,256におけるミキシング結果は、出力パッチ部258に供給される。
【0036】
次に、260はアナログ出力部であり、供給されたデジタル音声信号をアナログ信号に変換する。これらアナログ信号は、コンサートホール内への放音、レコーディング等のためにアンプあるいはレコーディング機材等(図示せず)に供給される。また、262はデジタル出力部であり、供給されたデジタル音声信号のフォーマットを変換し、デジタル・レコーディング機材等(図示せず)に供給する。これら出力部260,262は波形I/O部204によって実現される。
【0037】
出力パッチ部258は、各出力チャンネル部254,256から出力されたデジタル音声信号を各出力部260,262における任意のチャンネルに割り当てる。ここで、必要な場合には、これらデジタル音声信号の一部を内蔵エフェクタ236あるいは内蔵イコライザ238への入力に割り当てることも可能である。従って、ある出力チャンネルに対してエフェクト処理/イコライジング処理を施した結果を再び入力パッチ部240に戻し、これを新たな入力チャンネルの信号として用いることができる。
【0038】
また、出力パッチ部258には、トークバックアウトスイッチ257を介して、一または複数のオペレータの音声等であるトークバック信号TB_OUTが入力される。トークバック信号TB_OUTは、機器のセッティング時においてはアナログ出力部260を介してコンサートホールに放音される。これにより、オペレータ自身の音声によってコンサートホールの音響テストを行い、あるいは舞台上の作業員に対する放送を行うことができる。また、コンサートの本番時においては、トークバックアウトスイッチ257はオフ状態に設定され、トークバック信号TB_OUTはエンジン200E側の作業員に対する通話に用いられる。
【0039】
次に、250はモニタ用セレクタであり、オペレータの操作に基づいて上述した系統中の任意の箇所を選択する。すなわち、コンソール100にはモニタ用セレクタ250の選択状態を設定するためのモニタスイッチが設けられている。また、252は他のモニタ用セレクタであり、シングルコンソールシステムにおいては、オペレータはモニタ用セレクタ250,252の双方の選択状態を任意に設定することが可能である。これらセレクタ250,252によって選択された信号は、第1,第2モニタ信号MON1,MON2として出力される。
【0040】
また、各コンソールにおける各フェーダの近傍には、該フェーダに対応するデジタル音声信号を監視するか否かを指定するキュースイッチが設けられている。246はキューバスであり、キュースイッチがオンされた箇所のデジタル音声信号をミキシングし、第1キュー信号CUE1として出力する。
【0041】
なお、第1,第2モニタ信号MON1,MON2は、主としてコンサートホール等に放音されている音声信号のモニタ等のために用いられ、第1キュー信号CUE1は主として一または複数の特定の入力チャンネルあるいは出力チャンネル等をモニタするために用いられることが多い。これらの信号は、後述するモニタ系統を介して、コンソール100側に送信される。
【0042】
なお、本明細書において、コンソール100内における信号の称呼はエンジン200内における称呼とは異なる。すなわち、コンソール100においてモニタ可能な信号は、「モニタ信号MON_A,MON_B」および「キュー信号CUE」である。シングルコンソールシステムにおいては、モニタ信号MON_A,MON_Bは各々第1,第2モニタ信号MON1,MON2に等しく、キュー信号CUEは第1キュー信号CUE1に等しい。
【0043】
2.1.2.デュアルコンソールシステム
次に、デュアルコンソールシステム(図2(b))において信号処理部202等によって実現されるアルゴリズムの構成を説明する。かかる場合のアルゴリズムは上述したシングルコンソールシステム(図4)と同様であるが、以下に述べる点が異なる。
まず、デュアルコンソールシステムにおいては、キューバス246に加えて、破線で示す追加のキューバス248が設けられる。そして、キューバス246においてはマスタコンソール100Aのキュースイッチに基づいて第1キュー信号CUE1が合成され、キューバス248においてはスレーブコンソール100Bのキュースイッチに基づいて第2キュー信号CUE2が合成される。
【0044】
そして、第1キュー信号CUE1はコンソール100Aにおけるキュー信号CUEとして用いられ、第2キュー信号CUE2はコンソール100Bにおけるキュー信号CUEとして用いられる。これにより、コンソール100A,100Bのオペレータは、各々自己がコントロールするコンソールのキュースイッチの操作に応じて、独立したキュー信号CUEをモニタすることができる(後述するキュー・リンク・スイッチ149がオフの場合)。一方、一人のオペレータがコンソール100A,100Bの両方を操作する場合には、キュー・リンク・スイッチ149をオンにすることにより、何れか一方のコンソールで行われたキュースイッチの操作が他方のコンソールに伝送される。これにより、第1キュー信号CUE1および第2キュー信号CUE2として、同じキュースイッチ操作に応じた信号が選択され、両コンソールにおいて同一のキュー信号CUEをモニタできるようになる。
【0045】
さらに、エンジン200E側の作業員がコンソール100A,100Bの双方のオペレータに対して独立して音声信号を送信するために、アナログ入力部232から入力された所定の「2」チャンネルがコムイン信号COMM_IN_1,COMM_IN_2に割り当てられる。一方、両コンソール100A,100Bからのトークバック信号はミキシングされた後にトークバック信号TB_OUTとして出力パッチ部258に供給される。出力パッチ部258においては、トークバック信号TB_OUTが上記作業員へ送信されるようにパッチングされる。このため、本実施形態においては、デュアルコンソールシステムにおいても、トークバック信号TB_OUTは「1」系統である。「1」系統の方が無駄が少ないのであるが、トークバック信号TB_OUTを「2」系統にして、各コンソールから作業員へ別々に信号を送信するようにしてもよい。
【0046】
また、モニタ用セレクタ250はコンソール100A内のモニタスイッチのみによって選択状態が設定され、モニタ用セレクタ252はコンソール100B内のモニタスイッチのみによって選択状態が設定される。また、モニタ用セレクタ250によって選択された第1モニタ信号MON1はマスタコンソール100Aにモニタ信号MON_Aとして供給されるとともに、スレーブコンソール100Bにモニタ信号MON_Bとして供給される。
【0047】
逆に、モニタ用セレクタ252によって選択された第2モニタ信号MON2はマスタコンソール100Aにモニタ信号MON_Bとして供給されるとともに、スレーブコンソール100Bにモニタ信号MON_Aとして供給される。かかるアルゴリズムは、コンソール100A,100Bのオペレータ側から見ると次のようになる。すなわち、オペレータは、自己が管理するコンソールにおいてモニタスイッチを操作すると、その結果が必ずモニタ信号MON_Aに反映される。また、キュースイッチを操作すると、その結果が必ずキュー信号CUEに反映される。さらに、他方のコンソールにおけるモニタスイッチの操作はモニタ信号MON_Bに反映される。
【0048】
このように、本実施形態においては、デュアルコンソールシステムにおいて、コンソール100A,100Bにおけるキュー、モニタ系統の独立性を保持しつつ、これらコンソールにおける操作に統一性、互換性を確保することができる。これにより、オペレータによるキュー、モニタ系統の操作ミスを著しく削減することができ、仮に一方のオペレータにおいて誤操作が発生した場合においても、他方のオペレータに及ぶ影響を最小限に止めることが可能である。
【0049】
但し、デュアルコンソールシステムにおいても、オペレータの設定によってキューバスを一系統のみ(246のみ)とすることが可能である。これは、双方のコンソールを一人のオペレータが操作する場合には、キュー信号を一系統のみにしておく方が操作上便利だからである。すなわち、後述するキュー・リンク・スイッチ149(図3参照)によって、オペレータはキュー信号の系統数を「1」または「2」に切り換えることができる。キュー信号の系統数が「1」に設定されると、マスタまたはスレーブコンソールの何れか一方において押下されたキュースイッチに基づく音声信号が全てキューバス246においてミキシングされ、その結果が同一内容の第1,第2キュー信号CUE1,CUE2として両コンソールに供給される。
【0050】
2.1.3.システムのカスケード接続
2系統のシングルコンソールシステムまたはデュアルコンソールシステムのエンジン200E,200F同士をカスケード接続した場合のアルゴリズムは、原則的には図4の構成を2系統設け、双方のミキシングバス244およびキューバス246,248をリンクした構成に等しくなる。ここで、これらバスリンクの詳細を図5を参照し説明する。なお、図5においてエンジン200E内で実行されるアルゴリズムの各部の符号は図4に示す符号に「e」を付し、エンジン200F内で実行されるアルゴリズムの各部の符号は図4に示す符号に「f」を付したものである。
【0051】
図5において、エンジン200E側のミキシングバス244eと出力チャンネル調整部254eの間には、遅延回路264eおよび加算器266eが順次介挿されている。同様に、エンジン200F側のミキシングバス244fと出力チャンネル調整部254fの間には、遅延回路264fおよび加算器266fが順次介挿されている。そして、ミキシングバス244eにおけるミキシング結果は加算器266fに供給され、ミキシングバス244fにおけるミキシング結果は加算器266eに供給される。
【0052】
なお、遅延回路264e,264fおよび加算器266e,266fは各「1」系統のみ図示しているが、これらは各々「48×2」のミキシングチャンネル毎に設けられている。これにより、出力チャンネル調整部254e,254fに供給される信号は、共にミキシングバス244e,244fのミキシング結果をさらにミキシングした結果になり、出力チャンネル調整部254e,254fに供給される信号は両エンジン200E,200Fにおいて等しい信号になる。これにより、カスケード接続時においては、2つのコンソールシステムを合せての入力チャンネル数は「192」であり、それを「48」本のバスを介してミキシングし、各コンソール毎に対応する「48」の出力チャンネルで調整出力するようなミキシングシステムが構築される。
【0053】
また、エンジン200E側のキューバス246eの出力は遅延回路270eおよび加算器272eを順次介して第1キュー信号CUE1(E)として出力され、エンジン200F側のキューバス246fの出力は遅延回路270fおよび加算器272fを順次介して第1キュー信号CUE1(F)として出力される。そして、キューバス246eのミキシング結果はスイッチ274fを介して加算器272fに供給され、キューバス246fのミキシング結果はスイッチ274eを介して加算器272eに供給される。
【0054】
ここで、スイッチ274e,274fをオン状態に設定すると、エンジン200E,200Fにおける第1キュー信号CUE1(E),(F)は等しくなり、スイッチ274e,274fをオフ状態に設定すると、両第1キュー信号CUE1(E),(F)は独立した信号になる。これは、カスケード接続された2台のエンジンに対応するコンソールを一人のオペレータが操作する場合には、キュー信号を一系統のみにしておく方が操作上便利であり、別々のオペレータが各コンソールを操作する場合にはキュー信号を独立して選択できるように設定することが望ましいからである。なお、キューバスのリンク構成が図5のように設定されているため、スイッチ274e,274fをオン状態にした場合、2つのシステムの何れかにおいてオンされたキュースイッチによるキュー信号を、両方のシステムでモニタすることができる。但し、この場合においても、キュースイッチの操作はカスケード接続された2つのシステム間ではリンクされない。
【0055】
また、デュアルコンソールシステムがカスケード接続され、双方のエンジンにおいて第2キュー信号CUE2用のキューバス248e,248fが形成される場合には、これらキューバス248e,248fに対しても同様のアルゴリズムが設定される。すなわち、エンジン200E側のキューバス248eの出力は遅延回路276eおよび加算器278eを順次介して第2キュー信号CUE2(E)として出力され、エンジン200F側のキューバス248fの出力は遅延回路276fおよび加算器278fを順次介して第2キュー信号CUE2(F)として出力される。そして、キューバス248eのミキシング結果はスイッチ280fを介して加算器278fに供給され、キューバス248fのミキシング結果はスイッチ280eを介して加算器278eに供給される。
【0056】
ところで、図5においては、何れのエンジンにおいても、自機側で生成された信号は遅延回路を介して遅延されるのに対して、カスケード接続の相手側から受信した信号は遅延されない点に特徴がある。例えば、ミキシングバス244eにおけるミキシング結果は遅延回路264eを介して自機側の出力チャンネル調整部254eに供給されるのに対して、該ミキシング結果はなんら遅延回路を通過することなく、加算器266fを介して相手側の出力チャンネル調整部254fに供給される。
【0057】
これは、エンジン200E,200F間における伝送遅延を補償するためである。例えば、ミキシングバス244eにおけるミキシング結果は、実際にはエンジン200E側の信号処理部202eからカスケードI/O部206e、ケーブル、エンジン200F側のカスケードI/O部206fを順次介して信号処理部202fに供給されるため、伝送遅延が生ずることを避けることができない。この遅延した信号と、ミキシングバス244fにおけるミキシング結果とを単にミキシングすると、位相ずれなどの不具合が発生する。そこで、遅延回路264fを介して、かかる伝送遅延と同等の遅延時間をミキシングバス244fのミキシング結果に付与しておくことにより、位相ずれなどの無いミキシング結果を得ることができるのである。すなわち、各コンソールシステムの「48」チャンネルの出力チャンネル調整部254e,254fには、各「48」本のミキシングバス244e,244fのミキシング結果の位相を相互に揃えてミキシングした「48」のミキシング結果が供給され、各ミキシング結果に対して両方のコンソールシステムで異なる調整を施して出力することができるようになっている。
【0058】
2.2.モニタ系統のアルゴリズム
2.2.1.アルゴリズムの内容
次に、本実施形態におけるモニタ系統のアルゴリズムについて図6,図7を参照し説明する。なお、ここではデュアルコンソールシステムのカスケード接続(図2(d))の場合についてのみ説明する。これは、同システムのモニタ系統が最大規模の系統になり、他のシステムにおいては不要な部分を無視すれば足りるからである。
【0059】
図6において、300e,302eはトークバック入力スイッチであり、コンソール100A,100Bに設けられたオン/オフスイッチ(図示せず)の操作状態に基づいて、エンジン200Eに供給されたトークバック信号TB_A,TB_Bのオン/オフ状態を切り換える。また、コンソール100A,100Bの内部において152a,152bはモニタアンプであり、入力スイッチ300e,302eのオン/オフ状態に基づいてゲインが増減される。
【0060】
ここで、モニタアンプ152a,152bにおけるゲイン調節の必要性について説明しておく。モニタアンプ152a,152bを介して出力された各コンソールのモニタ信号MON_Aがモニタスピーカを介して放音される場合、そのモニタ音がトークバックマイクを介して回り込み、雑音が発生する場合がある。これを防止するために、モニタアンプ152a,152bにおいては、トークバックの際にモニタ音の音量が減衰されるのである。かかる動作を「トークバック・ディマ」と呼ぶ。
【0061】
なお、オペレータがモニタ音をヘッドフォンを介してモニタする場合にはトークバック・ディマは不要であるため、トークバック・ディマを有効にするか否か、また有効にする場合の減衰量はコンソール100A,100B側にて自在に設定することが可能である。また、マスタコンソール100Aにおいては、スイッチ154aによって、コンソール100A,100Bのトークバック・ディマを連動させるか否かが設定される。例えば、コンソール100A,100Bが物理的に近接して配置され、各々のオペレータがモニタスピーカを用いてモニタを行っている場合には、一方のコンソールの側のモニタ音が他方のトークバックマイクを介して回り込むことがある。そこで、かかる場合には、少なくとも一方のコンソールにおいてトークバック・ディマが実行される場合には、他方のコンソールにおいても必ず実行されるように連動させることが好適である。
【0062】
セレクタ250(図4参照)から出力された第1モニタ信号MON1は、アンプ306e,加算器310e,312eを順次介して、コンソール100Aのモニタ信号MON_Aとして出力される。また、入力スイッチ302eを介して出力されるトークバック信号TB_Bは、スイッチ304eを介して該加算器310eに供給される。従って、スイッチ304eをオン状態にすると、コンソール100Bからのトークバック信号TB_Bが第1モニタ信号MON1にミキシングされコンソール100Aに供給される。
【0063】
同様に、セレクタ252から出力された第2モニタ信号MON2は、アンプ326e,加算器330e,332eを順次介して、コンソール100Bのモニタ信号MON_Aとして出力される。また、入力スイッチ300eを介して出力されるトークバック信号TB_Aは、スイッチ324eを介して該加算器330eに供給される。従って、スイッチ324eをオン状態にすると、コンソール100Aからのトークバック信号TB_Aが第2モニタ信号MON2にミキシングされコンソール100Bに供給される。
【0064】
これらスイッチ304e,324eは、コンソール100A,100Bが相互に物理的に離れている場合にオン状態にすると好適である。これにより、両コンソールのオペレータは、双方のトークバック信号およびモニタ信号MON_Aを用いて会話することが可能になるからである。
【0065】
また、エンジン200Eにおけるコムイン信号COMM_IN_1(E)は、加算器314e、スイッチ316eを介してゲート回路318eに供給される。従って、コムイン信号を聞く必要が無い場合には、オペレータがスイッチ316eをオフ状態に設定しておくとよい。また、ゲート回路318eにおいては、供給されたコムイン信号のレベルが所定の閾値以上になると、当該コムイン信号を加算器312eに供給するとともに、該コムイン信号のレベルが該閾値未満であれば該コムイン信号を遮断する。
【0066】
これにより、例えばコムイン信号用のマイクを介して低レベルのノイズがゲート回路318eに供給されたとしても、これがオペレータに聞こえることが無いため、オペレータのモニタリング作業に支障を来すことが無い。一方、エンジン200E側の作業員がある程度大きな音声でコムイン信号を入力すると、ゲート回路318eが導通状態になり、コムイン信号COMM_IN_1(E)が第1モニタ信号MON1にミキシングされるから、作業員の音声を的確にコンソール100Aのオペレータに伝達することができる。
【0067】
また、加算器314eには、カスケード接続の相手側であるエンジン200Fに接続されたマスタコンソール100Cのトークバック信号TB_Cがスイッチ322eを介して供給され、スレーブコンソール100Dのトークバック信号TB_Dがスイッチ320eを介して供給され、さらにエンジン200Fにおけるコムイン信号COMM_IN_1(F)がスイッチ308eを介して供給される。従って、スイッチ308e,320e,322eのうち任意の一または複数のスイッチをオン状態に設定すると、これに対応してコムイン信号COMM_IN_1(F)、トークバック信号TB_Dまたはトークバック信号TB_Cが第1モニタ信号MON1にミキシングされ、コンソール100Aのオペレータに聴取されることになる。
【0068】
ここで、アンプ306eのゲインは、ゲート回路318eに連動している。すなわち、ゲート回路318eが導通状態になると、アンプ306eのゲインが自動的に低下する。これにより、モニタ信号音等に妨げられることなく、コムイン信号を的確にオペレータに伝達することができる。
【0069】
上述した構成と同様に、コムイン信号COMM_IN_2(E)は、加算器334e、スイッチ336e、ゲート回路338eを介して加算器332eに供給されるから、コムイン信号COMM_IN_2(E)を第2モニタ信号MON2にミキシングすることが可能である。さらに、コンソール100C,100Dのトークバック信号TB_C,TB_Dおよびエンジン200Fのコムイン信号COMM_IN_2(E)が各々スイッチ342e,340eおよびスイッチ328eを介して加算器334eに供給されるから、これらのスイッチをオン状態に設定すると、対応するトークバック信号が第2モニタ信号MON2にミキシングされ、コンソール100Bのオペレータに聴取されることになる。
【0070】
また、トークバック信号TB_Aは加算器352eを介して、スイッチ356eの第1の入力端に供給される。トークバック信号TB_Bは、加算器362eを介して、スイッチ356eの第2の入力端に供給される。そして、トークバック信号TB_A,TB_Bは、加算器352e,362eおよび364eを介してミキシングされ、スイッチ356eの第3の入力端に供給される。そして、スイッチ356eにおいては、これら第1〜第3の入力端に供給された信号のうち一の信号が選択される。
【0071】
また、354eは発振器であり、コンサートホール等の音響状態をテストするための正弦波信号等を出力する。発振器354eの出力信号またはスイッチ356eにおいて選択されたトークバック信号のうち一方の信号がスイッチ358eにおいて選択され、選択された信号がエンジン200E用のトークバック信号TB_OUT(E)として出力され、上述したようにエンジン200Eの出力パッチ部258(図4参照)に供給される。なお、上述したように、「2」系統のトークバック信号TB_OUTの双方を出力パッチ部258に供給するようにしてもよい。
【0072】
ここで、スイッチ358eの切換状態は、スイッチ356eおよび入力スイッチ300e,302eの状態に応じて自動的に設定される。すなわち、スイッチ356eが第1の入力端に切り換えられている場合には入力スイッチ300eがオン状態になった時に、スイッチ356eが第2の入力端に切り換えられている場合には入力スイッチ302eがオン状態になった時に、また、スイッチ356eが第3の入力端に切り換えられている場合には入力スイッチ300e,302eの何れかがオン状態になった時に、スイッチ358eはスイッチ356e側に切り換えられ、上記以外の場合はスイッチ358eは発振器354e側に切り換えられる。
【0073】
これにより、トークバック信号TB_A,TB_Bのうち何れかがスイッチ356eを介して出力される場合には、スイッチ358eは必ずスイッチ356e側に切り換えられ、トークバック信号TB_OUTにはトークバック信号TB_A,TB_Bの少なくとも一方がミキシングされることになる。また、加算器352eには、スイッチ360eを介してトークバック信号TB_Cが供給され、加算器362eにはスイッチ366eを介してトークバック信号TB_Dが供給される。従って、スイッチ360e,366eのうち一方または双方をオン状態にすることにより、トークバック信号TB_C,TB_Dをミキシングしたトークバック信号TB_OUT(E)を出力することができる。
【0074】
次に、350e,368eはトークバック・ディマ連動制御用のスイッチである。スイッチ350eがオン状態に設定されると、エンジン200F側のマスタコンソール100Cにおいてトークバック・ディマが実行される場合には、エンジン200E側のマスタコンソール100Aにおいても連動してトークバック・ディマが実行される。また、スイッチ368eがオン状態に設定されると、エンジン200F側のスレーブコンソール100Dにおいてトークバック・ディマが実行される場合には、エンジン200E側のスレーブコンソール100Bにおいても連動してトークバック・ディマが実行される。
【0075】
以上、図6を参照し主としてコンソール100A,100Bおよびエンジン200Eにおいて実行されるモニタ系統のアルゴリズムについて説明したが、コンソール100C,100Dおよびエンジン200Fにおいても同様のアルゴリズムが実行される。その内容を図7に示す。図7において図6の各部に対応する部分には、各部の符号の末尾の文字「a」,「b」または「e」を「c」,「d」または「f」に変更した符号を付す。但し、コンソール100A,100D間の通話経路に関連するスイッチの符号を320e,320fとし、コンソール100B,100C間の通話経路に関連するスイッチの符号を342e,342fとしている。
【0076】
これらスイッチのうちスイッチ154aと154cのペア、スイッチ304eと304fのペア、スイッチ324eと324fのペアは、何れも連動しない。これらのスイッチは、対応するデュアルコンソールを構成する2台のコンソールの物理的な設置状態に応じて独自に設定することが好適だからである。
【0077】
一方、スイッチ308eと308fのペア、スイッチ320eと320fのペア、スイッチ322eと322fのペア、スイッチ328eと328fのペア、スイッチ340eと340fのペア、スイッチ342eと342fのペア、スイッチ350eと350fのペア、スイッチ360eと360fのペア、スイッチ366eと366fのペア、およびスイッチ368eと368fのペアは何れも連動する。なお、これらのスイッチのオン/オフ状態は、対応するコンソールの何れにおいても操作可能である。
【0078】
また、スイッチ360e,360fまたはスイッチ366e,366fがオン状態になると、カスケード接続された相手側のトークバック信号がスイッチ356eを介して出力される場合には、スイッチ358eは自動的にスイッチ356e側に切り換えられる。例えば、スイッチ360e,360fがオン状態にされ、かつ、スイッチ356eの接点が第1または第3の入力端に設定されていると、トークバック信号TB_C用の入力スイッチ300fがオン状態にされた時にスイッチ358eはスイッチ356e側に自動的に切り換えられる。
【0079】
同様に、スイッチ366e,366fがオン状態にされ、かつ、スイッチ356eの接点が第2または第3の入力端に設定されていると、トークバック信号TB_D用の入力スイッチ302fがオン状態にされた時にスイッチ358eはスイッチ356e側に自動的に切り換えられる。また、同様の動作がエンジン200F内においても実行される。
【0080】
2.2.2.ミキサの配置に応じたアルゴリズムのセッティング
次に、図8(a)〜(e)を参照し、各コンソールの配置関係と、上記各スイッチの好適な設定状態について説明する。まず、同図(a)に示すようにカスケード接続の一方のグループ(カスケードグループ)を成すコンソール100A,100Bを近接させ、他方のカスケードグループを成すコンソール100C,100Dを近接させ、これらカスケードグループ間の距離を離すような配置状態が考えられる。また、同図(b)に示すように全てのコンソール100A〜100Dを近接して配置することも考えられる。
【0081】
また、同図(c)のように、各カスケードグループのマスタであるコンソール100A,100Cを近接配置し、スレーブコンソールであるコンソール100B,100Dを近接配置し、マスタおよびスレーブコンソールの間の距離を離すような配置状態が考えられる。また、同図(d)のように全てのコンソール間の距離を離すような配置も可能であり、同図(e)に示すようにコンソール100A,100Dおよびコンソール100B,100Cを相互に近接させるような配置も可能である。
【0082】
同図(a)の例にあっては、スイッチ154a,154cを共にオン状態に設定し、各カスケードグループ毎にトークバック・ディマを連動させるとよい。また、スイッチ304e,304f,324e,324fをオフ状態に設定し、近接するオペレータ同士はシステムを介さずに直接的に会話するようにするとよい。
【0083】
また、スイッチ350e,350f,368e,368fをオフ状態に設定し、離れたコンソールによってトークバック・ディマが生じないようにするとよい。そして、スイッチ322e,322f,320e,320f,342e,342f,340e,340fをオン状態に設定することにより、離れたコンソール間に通話経路を確保することが望ましい。さらに、スイッチ360e,360f,366e,366fをオン状態に設定することにより、一方のエンジンにおけるトークバック信号TB_OUTに対して他方のエンジンにおけるトークバック信号をミキシングすることができ、これによってトークバック信号を統一化することができる。
【0084】
また、同図(b)に示すように全てのコンソール100A〜100Dが近接配置される場合には、スイッチ154a,154cをオン状態に設定し、スイッチ304e,304f,324e,324fをオフ状態に設定するとよい。但し、スイッチ320e,320f,342e,342fをオン状態に設定することにより、若干離れたコンソール100A,100D間においてコミュニケーション経路を確保すると好適である。
【0085】
他の配置方法においても、同様の思想によって各スイッチのオン/オフ状態を決定すると好適である。すなわち、相互に近接したコンソールはトークバック・ディマを連動させるとともに、通話経路のスイッチをオフ状態にするとよい。また、相互に距離が離れたコンソール同士についてはトークバック・ディマを独立させるとともに、トークバック信号を用いた通話経路を形成するとよい。
【0086】
2.3.コンソール上の操作子の構成
コンソール100内の操作子群114には、通常のミキシングコンソールと同様に各種の状態設定用の操作子が設けられている。そのうち、上述したミキシング系統およびモニタ系統に関連する操作子の構成を図3を参照し説明する。
図において132はカスケード・オフ・スイッチであり、このスイッチが押下されるとエンジン間のカスケード接続が切断される(図5の一点鎖線で示された接続、および図6のカスケードケーブル290の接続)。なお、134はカスケード・マスタ・スイッチであり、このスイッチが押下されると、該コンソールの属するカスケードグループのエンジンがカスケードマスタに設定される。
【0087】
136はカスケード・スレーブ・スイッチであり、このスイッチが押下されると、当該コンソールの属するカスケードグループのエンジンがカスケードスレーブに設定される。上記スイッチ132,134,136は、何れのコンソールにおいても有効である。例えばデュアルコンソールのカスケード接続システムにおいては、コンソール100A〜100Dの何れにおいてもカスケードモードを切り換えることができる。
【0088】
次に、138はトークバック・リンク・スイッチであり、カスケード接続された2台のコンソールシステムのトークバック信号のリンクのオン/オフ状態を切り換える。コンソール100Aにおけるトークバック・リンク・スイッチ138が操作されると、スイッチ360e,360fのオン/オフ状態が切り換えられる。また、コンソール100Bにおけるトークバック・リンク・スイッチ138が操作されると、スイッチ366e,366fのオン/オフ状態が切り換えられる。
【0089】
139はトークバックtoモニタBスイッチであり、一のコンソールに設けられたスイッチ139は、該一のコンソールのトークバック信号を、該一のコンソールとデュアルコンソールを構成する他のコンソールのモニタ信号MON_A(一のコンソールの側から見ればモニタ信号MON_B)にミキシングするか否かを指定する。例えば、コンソール100AにおけるトークバックtoモニタBスイッチ139が操作されるとスイッチ324eのオン/オフ状態が切り換えられ、コンソール100Bにおける同スイッチ139が操作されると、スイッチ304eのオン/オフ状態が切り換えられる。
【0090】
次に、140はコムイン・リンク・スイッチであり、コンソール100A〜100Dの該スイッチが押下される毎に、スイッチ308e,328e,308f,328fのオン/オフ状態が各々切り換えられる。すなわち、コンソール100Aにおけるコムイン・リンク・スイッチ140が操作されると、スイッチ308e,308fのオン/オフ状態が切り換えられ、コンソール100Bにおけるスイッチ140が操作されると、スイッチ328e,328fのオン/オフ状態が切り換えられる。
【0091】
142,143はカスケード・トークバックtoコムイン・スイッチであり、相手側のカスケードグループのコンソールからのトークバック信号を、当該スイッチ142,143が設けられている一のコンソールのコムイン信号にリンクさせるか否かを切り換えるスイッチである。例えば、コンソール100Aにおいてスイッチ142がオン状態に設定されると、スイッチ322eがオン状態に設定されるとともに、これに連動して322fがオン状態に設定され、コンソール100A,100C間の通話が可能になる。
【0092】
また、コンソール100Aにおいてスイッチ143がオン状態に設定されると、スイッチ320eがオン状態に設定されるとともに、これに連動してスイッチ320fがオン状態に設定され、コンソール100A,100D間の通話が可能になる。同様に、コンソール100Bにおけるスイッチ142,143が操作されると、各々スイッチ342e,340eのオン/オフ状態が切り換えられ、それと連動してスイッチ342f,340fのオン/オフ状態も切り換えられる。
【0093】
次に、144はVCAリンク・スイッチであり、このスイッチが押下される毎に、カスケードグループ間のVCAのリンクのオン/オフ状態が切り換えられる。ここで、VCAについて若干説明しておく。まず、ミキシングシステムにおける複数の入力チャンネルには各々フェーダが割り当てられているから、これらフェーダを操作することによってこれら複数の入力チャンネルの音量レベルを自在に設定することができる。しかし、これら入力チャンネルが相互に関係を有する信号である場合は、1個のフェーダを操作することによってこれら入力チャンネルの全ての音量レベルを連動して調節できれば便利である。
【0094】
そこで、複数の各入力チャンネルに対応するフェーダに加えて、これら入力チャンネルの音量レベルを連動して増減する共通のフェーダが設けられることがある。かかる動作をVCAと呼び、複数の入力チャンネルに割り当てられる共通のフェーダをVCAフェーダと呼ぶ。VCAの設定内容としては、各VCAフェーダの有効/無効および、各VCAフェーダに対する入力チャンネルの割り当て状態である。VCAがリンクされると、かかる設定内容が両カスケードグループにおいて共通化される。
【0095】
次に、146はキュー・リンク・スイッチであり、相手側のカスケードグループ内の対応するコンソールとの間でキューリンクを行うか否かを設定するスイッチである。上述したデュアルコンソールをカスケード接続したシステムにおいては、コンソール100A,100Cのキュー・リンク・スイッチ146によってスイッチ274e,274f(図5参照)のオン/オフ状態が連動して切り換えられ、コンソール100B,100Dのキュー・リンク・スイッチ146によって、スイッチ280e,280fのオン/オフ状態が連動して切り換えられる。
【0096】
148はシーン・リンク・スイッチであり、カスケードグループ間においてシーンリコールを連動させるか否かを切り換えるスイッチである。なお、シーン・リンク・スイッチ148は各コンソール100A〜100Dの何れにおいても有効である。また、149はキュー・リンク・スイッチであり、デュアルコンソールシステムにおける2つのコンソール間においてキューの操作を連動させるか否かを切り換えるスイッチである。なお、該スイッチ149は、マスタ/スレーブコンソールの何れにおいても有効である。
【0097】
3.実施形態の動作
3.1.カスケード接続に関する動作
3.1.1.タイマ割込み処理
各エンジンに接続されているコンソール(デュアルコンソールシステムにおいてはマスタコンソール)において、該エンジンがカスケードマスタまたはカスケードスレーブに設定されている場合には、所定時間毎に、図9に示すタイマ割込み処理ルーチンがCPU118において起動される。
図において処理がステップSP202に進むと、エンジンのカスケードI/O部206を介して他のエンジンが接続されているか否かが検出される。次に、処理がステップSP204に進むと、RAM122に記憶された「カスケード接続フラグ」が“1”であるか否かが判定される。なお、カスケード接続フラグはエンジン200の接続時において“0”にリセットされ、その後に当該エンジンに他のエンジンがカスケード接続された時に“1”に設定されるフラグである。
【0098】
カスケード接続フラグが“0”であった場合にはステップSP204においては「NO」と判定され、処理はステップSP210に進む。ここでは、他のエンジンがカスケードI/O部206を介して物理的に接続されているか否かが判定される。ここで「YES」と判定されると、処理はステップSP212に進み、相手側のエンジンの機種、バージョン、および設定状態が確認される。ここで、バージョンとは、フラッシュメモリ220に記憶されているファームウエアのバージョンであり、設定状態とは「カスケードマスタ」、「カスケードスレーブ」、または「カスケードオフ」の状態のことである。
【0099】
例えば、自機側のエンジンがカスケードマスタに設定されていれば、相手側は必ずカスケードスレーブでなければならず、自機側のエンジンがカスケードスレーブに設定されていれば、相手側は必ずカスケードマスタでなければならない。次に、処理がステップSP214に進むと、ステップSP212における確認結果に基づいて、自機側および相手側のエンジンがカスケード接続に適合しているか否かが判定される。すなわち、カスケード接続を行うためには、両エンジンの機種が同一であって、両者のファームウエアのバージョンも一致していなければならず、両エンジンのうち一方がカスケードマスタ、他方がカスケードスレーブに設定されていなければならない。
【0100】
確認結果がこの条件に適合していれば「YES」と判定され、処理はステップSP216に進む。ここでは、両エンジンの接続開始処理が実行される。具体的には、まずリンクされているパラメータ(例えばVCAの設定等)がカスケードマスタ側のコンソールからカスケードスレーブ側のコンソールに対してコピーされる。次に、ステップSP216においては、ミキシング系統およびモニタ系統のアルゴリズムが変更される。その詳細をデュアルコンソールのカスケード接続システム(図2(d))の場合を例として説明しておく。
【0101】
まず、ステップSP216の実行以前においては、エンジン200E,200Fにおいて、各々独立したミキシング系統のアルゴリズム(図4参照)が構築されていた。これに対して、ミキシングバス、キューバス周辺のアルゴリズムが図5に示すように変更される。すなわち、ミキシングバス244e,244fが相互にリンクされるとともに、スイッチ274e,274fおよびスイッチ280e,280fのオン/オフ状態に基づいてキューバス246e,246fあるいはキューバス248e,248fもリンクおよび解除が可能になる。
【0102】
また、モニタ系統に関し、ステップSP216の実行以前においては、各エンジンにおいて図6、図7に示すモニタ系統のアルゴリズムが形成されていたが、カスケードグループ相互間の信号は存在しないものと看做されていた。換言すれば、カスケードケーブル290を通過する信号レベルは全て「0」であると看做されていた。しかし、ステップSP216が実行されることにより、モニタ系統の信号が相互にやりとりされ、各コンソールにおいては相手側のカスケードグループにおけるトークバック信号等をコムイン信号等にミキシングすることなどが可能になる。
【0103】
但し、本ルーチンにおいて実行される処理は、あくまでも自機側のエンジンのアルゴリズムを設定する処理である。本ルーチンがコンソール100Aにおいて実行されたのであれば、エンジン200Eのアルゴリズムのみが設定されるのである。一方、他方のカスケードグループにおけるコンソール100Cにおいても同一のルーチンが実行されるため、これによってエンジン200F側のアルゴリズムが設定される。このように両マスタコンソールにおいてステップSP216の処理が完了することによって、両エンジン200E,200Fにおけるアルゴリズムの再構築が完了するのである。以上のように、ステップSP216の処理が完了すると、次に処理はステップSP218に進み、カスケード接続フラグが“1”に設定される。
【0104】
なお、上述したステップSP210において「NO」と判定されると、実質的な処理が行われることなく該タイマ割込み処理が終了する。また、ステップSP214において「NO」と判定されると、処理はステップSP215に進み、当該エンジンの表示器214において所定のエラー表示が行われる。このエラー表示においては、カスケード接続が成功しなかった旨と、その理由(機種の不一致、バージョンの不一致、または設定の矛盾)が表示される。さらに、このエンジンに接続されているコンソールに対してもエラーが発生した旨が通知され、当該コンソールの表示器102においても同様にしてエラーが表示される。
【0105】
カスケード接続フラグが“1”に設定された後、再びタイマ割込み処理ルーチン(図9)が起動されると、ステップSP202,SP204を介して処理はステップSP206に進む。ここでは、カスケード接続の続行が不可能になったか否かが判定される。例えば、両エンジンを接続していたケーブルが外れた場合、あるいはエンジン200E,200Fのカスケードモードが接続不能な状態(例えば双方がカスケードマスタ)に設定された場合がこれに該当する。
【0106】
ステップSP206において「YES」と判定されると、処理はステップSP208に進み、接続停止処理が実行される。すなわち、ミキシング系統およびモニタ系統のアルゴリズムは、先にステップSP216が実行される以前の状態に戻る。次に、処理がステップSP209に進むと、カスケード接続フラグが“0”に設定され、本ルーチンの処理が終了する。
【0107】
3.1.2.シーンリコール処理
何れかのコンソールにおいてシーンリコール操作が実行されると、コンソールにおいて、図10(a)に示すシーンリコールイベント処理ルーチンが起動される。なお、ここでは主としてシングルコンソールシステムにおける動作について説明し、デュアルコンソールシステムにおける動作については後述する。
【0108】
図において処理がステップSP230に進むと、リコールされたシーンのシーン番号が変数SNに代入される。次に、処理がステップSP232に進むと、当該コンソールに対応するエンジンは他のエンジンとカスケード接続され、かつ、該カスケード接続においてシーンリコール操作がリンクされているか否かが判定される。ここで「NO」と判定されると、処理はステップSP234に進む。
【0109】
ここでは、当該コンソールにおけるシーン領域122bの内容のうち当該シーン番号SNに係る部分が新たなカレント操作データとしてカレント領域122aにコピーされる。次に、処理がステップSP236に進むと、該カレント操作データに基づいて、対応するエンジンの信号処理部202のアルゴリズムのパラメータ等が再設定される。これにより、当該エンジン単独でシーン番号SNの内容が再現され、本ルーチンの処理が完了する。
【0110】
一方、ステップSP232において「YES」と判定されると、処理はステップSP238に進み、相手側のカスケードグループに属するコンソールに対して、当該シーン番号SNとともにリコール要求が送信される。以下、デュアルコンソールのカスケード接続システムにおいて、コンソール100Aにてシーンリコール操作が発生した場合を例として説明する。シーンリコール操作が発生すると、相手側のカスケードグループに属するコンソール100C,100Dに対して、当該シーン番号SNとリコール要求とが送信されることになる。
【0111】
次に、処理がステップSP240に進むと、コンソール100A内においてシーン領域122b内のシーン番号SNの内容が新たなカレント操作データとしてカレント領域122aにコピーされる。次に処理がステップSP244に進むと、相手側グループのコンソール100C,100Dの双方から「リンク可能応答」を受信し、またはタイムアウトが発生したか(ステップSP240の終了後に所定時間が経過したか)か否かが判定される。ここで「NO」と判定されると、ステップSP244の処理が繰り返される。
【0112】
一方、ステップSP238においてコンソール100Aからコンソール100C,100Dに対してリコール要求が送信されると、コンソール100C,100Dにおいては図10(b)に示すリコール要求受信イベント処理ルーチンが各々起動される。図において処理がステップSP270に進むと、送信されたシーン番号が変数SNに代入される。次に、処理がステップSP272に進むと、コンソール100CおよびD内において、各々のシーン番号SNのシーンデータがカレント領域122aにコピーされる。
【0113】
次に、処理がステップSP274に進むと、カスケード接続の相手側である(シーンリコール操作が発生した)コンソール100Aに対して、リコール可能応答が送信される。次に、処理がステップSP276に進むと、リンクされたパラメータが相手側から受信されたか否かが判定される。ここで「NO」と判定されると、処理はステップSP280に進み、相手側からリコール開始指令を受信し、またはタイムアウトが発生したか(ステップSP274の終了後に所定時間が経過したか)否かが判定される。ここで「NO」と判定されると、処理はステップSP276に戻る。
【0114】
従って、コンソール100Aからパラメータあるいはリコール開始指令が供給されるまで、コンソール100C,100DにおいてはステップSP276,SP280が繰り返し実行されることになる。一方、コンソール100C,100Dにおいて共に上記ステップSP274が実行され、双方のリコール可能応答がコンソール100Aに受信されると、図10(a)におけるステップSP244において「YES」と判定され、処理はステップSP246に進む。
【0115】
ステップSP246においては、リンクされたパラメータが存在するか否かが判定される。ここで「YES」と判定されると、処理はステップSP248に進み、リンクされたパラメータがコンソール100C,100Dに送信される。なお、ここでいう「パラメータ」とは、シーン番号SNに属するパラメータである。例えば、両カスケードグループにおいて「VCA」がリンクされ、何れかのカスケードグループにおいて、このシーン番号SNに係るVCAの状態が変更されていたと仮定する。
【0116】
かかる場合には、当該シーンリコール操作が発生したコンソール100Aから、コンソール100C,100Dに対して、当該VCAに係る設定データが転送されるのである。さて、リンクされたパラメータがコンソール100Cまたは100Dおいて受信されると、当該コンソールにおいては、パラメータが受信される毎にステップSP276において「YES」と判定され、ステップSP278が実行される。すなわち、受信したパラメータに応じてカレント操作データが逐次更新されるのである。
【0117】
以上のように、何れかのコンソールにおいてシーンリコール操作が生じると、リンクされたパラメータは「操作が発生したコンソール」から「他のコンソール」に送信される点に本実施形態の特徴の一つがある。すなわち、上述したタイマ割込み処理ルーチン(図9)においては、各種パラメータは必ず「カスケードマスタ側のコンソール」から「カスケードスレーブ側のコンソール」に送信されていたが、一旦カスケード接続が確立した後においては、リンクされたパラメータはカスケードマスタおよびカスケードスレーブの何れの側のコンソールにおいても編集することができる。これにより、何れのコンソールにおけるオペレータも、シーンリコール操作を行うことによって自機側のコンソールのリンクパラメータの設定内容を他のコンソールに反映させることができる。
【0118】
さて、コンソール100Aにおいては、リンクされた全てのパラメータが送信された後、処理はステップSP250に進む。ここでは、コンソール100C,100Dに対して、リコール開始指令が送信される。次に、処理がステップSP252に進むと、カレント領域122aの内容に合致するように、エンジン200Eの信号処理部202のアルゴリズムのパラメータ等が制御される。これにより、シーンリコール操作が発生したコンソール100Aにおける処理が終了する。
【0119】
一方、コンソール100C,100Dにおいては、該リコール開始指令が受信されると、ステップSP280において「YES」と判定され処理はステップSP282に進む。ここでは、コンソール100Cまたは100Dのカレント領域122aの内容に合致するように、エンジン200Fの信号処理部202のアルゴリズムのパラメータ等が制御される。
【0120】
このように、本実施形態においては、カスケード接続時であってシーンがリンクされている場合に何れかのコンソールにおいてシーンリコール操作が発生すると、関係する全てのエンジンにおいてほぼ同時にシーンリコール操作が反映される(ステップSP252,282)。これにより、例えばリコール要求を受信した側のコンソールまたはエンジンにおいて他の中断不可能な処理が実行されている場合であっても、各コンソールおよびエンジン毎にシーンリコールを行うタイミングがずれるような不具合を未然に防止することができる。
【0121】
但し、ステップSP244または280においてはタイムアウトの判定も行われるから、例えばリコール要求を送信または受信した側のコンソールにおいて比較的長い時間に渡って応答を行うことができない場合には、他方のコンソールにおいては独自にシーンを切り換えることが可能である。
【0122】
3.2.デュアルコンソールに関する動作
3.2.1.コンソールにおけるタイマ割込み処理
各コンソールは、オペレータによって、「デュアルコンソールオフ」、「デュアルコンソールマスタ」、または「デュアルコンソールスレーブ」のうち何れかの動作モードに設定される。これらの動作モードは、各々「シングルコンソールシステムのマスタコンソール」、「デュアルコンソールシステムのマスタコンソール」および「デュアルコンソールシステムのスレーブコンソール」の動作状態に対応している。換言すれば、各コンソールに対して希望する動作状態に応じて、オペレータが各々の動作モードを設定することになる。
【0123】
ここで、動作モードとして「デュアルコンソールオフ」が選択された場合は、当該コンソールの動作状態は必ず「シングルコンソールシステムのマスタコンソール」に設定される。但し、動作モードとしてデュアルコンソールシステムのマスタコンソールあるいはスレーブコンソールが選択された場合、実際のコンソールの動作状態は該コンソールの動作モードと、実際の接続状態とに応じて決定される。
【0124】
このため、動作モードが「デュアルコンソールマスタ」または「デュアルコンソールスレーブ」に設定されている場合には、各コンソールにおいては、所定時間毎に図11に示すタイマ割込みルーチンが起動される。図において処理がステップSP102に進むと、デュアルI/O部106を介して他のコンソールが接続されているか否かが検出される。次に、処理がステップSP104に進むと、RAM122内に記憶されたデュアル接続フラグが“1”であるか否かが判定される。なお、デュアル接続フラグはコンソールの電源投入時において“0”にリセットされ、その後に当該コンソールのデュアルI/O部106を介して他のコンソールが接続された時に“1”に設定されるフラグである。
【0125】
デュアル接続フラグが“0”であった場合にはステップSP104においては「NO」と判定され、処理はステップSP110に進む。ここでは、他のコンソールがデュアルI/O部106を介して物理的に接続されているか否かが判定される。ここで「YES」と判定されると、処理はステップSP112に進み、相手側のコンソールの機種、バージョン、および動作モードの設定状態が確認される。ここで、バージョンとは、フラッシュメモリ120に記憶されているファームウエアのバージョンである。
【0126】
なお、このデュアル接続フラグは、デュアルコンソールシステムにおける各コンソールの動作状態を確定するフラグである。すなわち、本ルーチンにおいては、動作モードがデュアルコンソールマスタであったとしても、デュアルコンソールスレーブであったとしても、最初は当該コンソールはマスタコンソールであるものと仮定して各種処理が実行される。そして、デュアル接続フラグが“1”に設定されると、動作モードがデュアルコンソールマスタであるコンソールの動作状態はマスタコンソールに、動作モードがデュアルコンソールスレーブであるコンソールの動作状態はスレーブコンソールに、各々確定されることになる。
【0127】
次に、処理がステップSP114に進むと、ステップSP112における確認結果に基づいて、自機および相手側がデュアルコンソールシステムに適合しているか否かが判定される。すなわち、両コンソールの機種が同一であって、かつ両コンソールのファームウエアのバージョンも一致していなければならない。さらに、自機の動作モードがデュアルコンソールマスタであれば、相手側の動作モードは必ずデュアルコンソールスレーブでなければならず、自機がデュアルコンソールスレーブであれば、相手側は必ずデュアルコンソールマスタでなければならない。
【0128】
確認結果がこの条件に適合していれば「YES」と判定され、処理はステップSP116に進む。ここでは、当該コンソールの動作モードがデュアルコンソールマスタに設定されているか否かが判定される。
【0129】
ここで「YES」と判定されると、処理はステップSP117に進み、デュアルコンソールスレーブに設定された相手側のコンソールとの間で、カレント操作データ、シーンデータおよびライブラリデータが比較される。なお、比較にあたっては、これらデータを全て転送すると膨大な転送時間が必要になるため、スレーブコンソールからチェックサム結果およびタイムスタンプを受信し、これらに基づいて比較される。
【0130】
次に、処理がステップSP118に進むと、ステップSP116の比較結果において不整合が存在するか否かが判定される。不整合が存在した場合には「YES」と判定され、処理はステップSP120に進み、不整合に係るデータを整合させるか否かをオペレータに問い合わせるポップアップウィンドウが表示器102に表示される。このポップアップウィンドウにおいては、「一致しないデータを相手側コンソールに転送しますか?」というメッセージと、転送予想時間(例えば「20分」)と、「OK」ボタンと、「キャンセル」ボタンとが表示される。
【0131】
ところで、マスタコンソールからスレーブコンソールに対して転送し得るデータは、カレント操作データ、シーンデータおよびライブラリデータの3種類であり、上記ポップアップウィンドウはこれらデータのうち不整合が生じたデータ毎に表示される。すなわち、ポップアップウィンドウは最大で合計3回表示される。何れかのウィンドウにおいてオペレータが「OK」ボタンをマウスでクリックすると、マスタコンソールからスレーブコンソールに対して、対応するデータが転送され、スレーブコンソール内の対応する領域122a,122bまたは122c内に該データが順次転送されてゆく。なお、シーン領域122bには、最大約「1000」セットのシーンデータが記憶されるが、これらに不整合が存在するか否かはシーンデータ毎に判断されるため、一致しないシーンデータの数が少なければ転送時間も短くなる。
【0132】
また、オペレータは、転送途中に「キャンセル」ボタンをマウスでクリックすることにより、当該転送を随時停止させることができる。3種類のデータの全てについて転送が完了し、あるいは「キャンセル」ボタンが押下された場合は、処理はステップSP122に進む。換言すれば、マスタコンソールおよびスレーブコンソール間においてシーンデータ等を完全に一致させなくても、これらをデュアルコンソールシステムとして動作されることが可能である。例えばシーンの切換等を行わないのであれば、両コンソールのシーンデータを異なる状態のまま残しておいても差し支え無い。かかる機能は、特にデュアルコンソールシステムを迅速に立ち上げる必要がある場合に用いて好適である。
【0133】
次に、処理がステップSP122に進むと、二台のコンソール間において接続開始処理が行われる。すなわち、後述する操作イベント処理ルーチン等(図13(a)〜(d))が有効にされ、一方のコンソールにおける操作が他方のコンソールにおいても反映されるようになる。次に、処理がステップSP123に進むと、デュアル接続フラグが“1”に設定される。以上のステップが終了すると、処理はステップSP124(図12)に進む。
【0134】
なお、上述したステップSP110において「NO」と判定されると、上記ステップSP112〜SP123はスキップされ、処理は直ちにステップSP124に進む。また、ステップSP114において「NO」と判定されると、処理はステップSP115に進み、当該コンソールの表示器102において所定のエラー表示が行われ、しかる後に処理はステップSP124に進む。なお、このエラー表示においては、デュアルコンソールシステムの構築が成功しなかった旨と、その理由(機種の不一致、バージョンの不一致、または設定の矛盾)が表示される。
【0135】
また、当該ルーチンを実行しているコンソールの動作モードがデュアルコンソールスレーブに設定されていた場合は、ステップSP116において「NO」と判定され、処理は直ちにステップSP122に進む。これにより、スレーブコンソールにおいては上述したようなポップアップウィンドウ等が表示されないままマスタコンソールとの間の接続開始処理が実行される。
【0136】
さて、ステップSP124(図12)においては、当該コンソールがスレーブコンソールとして確定しているか否かが判定される。上述したように、動作モードがデュアルコンソールスレーブであって、かつ、デュアル接続フラグが“1”であれば当該コンソールはスレーブコンソールに確定する。かかる場合は、エンジン接続に係るステップSP125〜SP138の処理はスキップされる。換言すれば、スレーブコンソールに確定したコンソールに対して仮にエンジンが接続されていたとしても、そのエンジンに対してなんら処理が行われないことになる。
【0137】
当該コンソールがスレーブコンソールとして確定していなければ処理はステップSP125に進む。動作モードがデュアルコンソールスレーブに設定され未だデュアル接続フラグが“0”であるコンソールもこれに該当するため、処理はステップSP125に進む。同ステップにおいては、エンジン接続フラグ“1”であるか否かが判定される。ここで該フラグが“0”であれば「NO」と判定され、処理はステップSP130に進む。ここでは、エンジンがデータI/O部110および通信I/O部112を介して物理的に接続されているか否かが判定される。ここで「YES」と判定されると、処理はステップSP132に進み、当該エンジンの機種、およびファームウエアのバージョンが確認される。
【0138】
次に、処理がステップSP134に進むと、ステップSP132における確認結果に基づいて、当該コンソールに対して当該エンジンが適合しているか否かが判定される。エンジンがコンソールに適合していれば「YES」と判定され、処理はステップSP136に進む。ここでは、カレント領域122aの内容に基づいて、当該エンジン内の信号処理部202の状態が設定される。
【0139】
次に、処理がステップSP138に進むと、エンジン接続フラグが“1”に設定され、本ルーチンの処理が終了する。なお、上述したステップSP130において「NO」と判定されると、上記ステップSP132〜SP138はスキップされ、本ルーチンの処理は直ちに終了する。また、ステップSP134において「NO」と判定されると、処理はステップSP135に進み、当該コンソールの表示器102において所定のエラー表示が行われた後に本ルーチンの処理が終了する。なお、このエラー表示においては、エンジンへの接続が成功しなかった旨と、その理由(機種、バージョンの不適合など)が表示される。
【0140】
以上の処理により、「マスタコンソール」および「スレーブコンソール」の区別が確定される。すなわち、デュアル接続フラグおよびエンジン接続フラグが共に“1”であるコンソールは「マスタコンソール」であり、デュアル接続フラグが“1”であってエンジン接続フラグが“0”であるコンソールは「スレーブコンソール」である。
【0141】
ところで、デュアル接続フラグが“1”に設定された後、再びタイマ割込み処理ルーチン(図11)が起動されると、ステップSP102,SP104を介して処理はステップSP106に進む。ここでは、デュアルコンソールシステムの続行が不可能になったか否かが判定される。例えば、両コンソールを接続していたケーブルが外れた場合、あるいは両コンソールが共にマスタコンソールに設定された場合がこれに該当する。ステップSP106において「YES」と判定されると、ステップSP108において接続停止処理が実行される。次に、処理がステップSP109に進むと、デュアル接続フラグ“0”に設定され、ステップSP125以下の処理が実行されることになる。
【0142】
ステップSP108,SP109がこれまでのマスタコンソールにおいて実行された場合、およびこれまでのスレーブコンソールにおいて実行された場合の何れにおいても、該コンソールはシングルコンソールとして機能するようになる。
【0143】
また、エンジン接続フラグが“1”に設定された後、再びタイマ割込み処理ルーチン(図11)が起動されると、マスタコンソールにおいてはステップSP125を介して処理はステップSP126に進む。ここでは、エンジンに対する接続が切断されたか否かが判定される。例えば、コンソールとエンジン間のケーブルが外れた場合、あるいはエンジンの電源がオフになった場合等がこれに該当する。ステップSP126において「YES」と判定されると、ステップSP128において接続停止処理が実行され、ステップSP129においてエンジン接続フラグが“0”に設定される。
【0144】
3.2.2.マスタコンソールタイマ割込み処理:図13(d)
マスタコンソール(またはシングルコンソール)においては、所定時間毎に図13(d)に示すタイマ割込み処理ルーチンが起動される。なお、本ルーチンは、図11におけるタイマ割込みルーチンよりも高頻度に実行される。図13(d)において処理がステップSP180に進むと、カレント操作データに変化が生じたか否かが判定される。カレント操作データは、次に説明する操作イベント処理ルーチン(図13(a))によって更新される。ここで「YES」と判定されると、処理はステップSP182に進み、変化した後のデータに基づいて、対応するエンジン内のミキシング系統のアルゴリズムのパラメータ等が更新される。このルーチンにより、マスタコンソール(またはシングルコンソール)のカレント操作データに基づいて、ミキシング処理の内容が制御される。
【0145】
3.2.3.操作イベント処理ルーチン:図13(a)
マスタ/スレーブを問わず、何れかのコンソールの電動フェーダ部104あるいは操作子群114において、所定の操作イベントが発生すると、図13(a)に示す操作イベント処理ルーチンが起動される。ここで、「所定の操作イベント」とは、ミキシング系統に対して変化を与える操作であり、シーンリコール操作、電動フェーダの操作、音質調整用の操作等がこれに含まれる。従って、キュー信号CUEやモニタ信号MON_Aに関する設定、操作子の割当設定(どの操作子にどのような機能を割り当てるのかの設定)等の操作は該「所定の操作イベント」には含まれない。
【0146】
図において処理がステップSP150に進むと、操作されたパラメータを識別するパラメータ番号が変数PNに、また、当該パラメータについて操作後の新しい値が変数BUFに代入される。次に、処理がステップSP152に進むと、操作が発生した当該コンソールが他のコンソールとの間で接続されデュアルコンソールシステムを構成しているか否かが判定される。
【0147】
ここで「YES」と判定されると、処理はステップSP154に進み、発生した操作イベントの内容、すなわちパラメータ番号PNとパラメータ値BUFとがデュアルI/O部106を介して相手側のコンソールに送信される。なお、当該コンソールがシングルコンソールシステムを構成する場合にはステップSP152において「NO」と判定され、ステップSP154は実行されない。次に、処理がステップSP156に進むと、操作内容に応じて、カレント領域122a内のカレント操作データが更新される。発生した操作イベントが電動フェーダの操作であった場合は、ステップSP156において、該電動フェーダの位置に応じて、カレント操作データ中の該電動フェーダに割り当てられた入力チャンネルないし出力チャンネルの音量を制御するデータが更新される。また、発生した操作イベントがシーンリコールの操作であった場合は、ステップSP156において、上述したシーンリコールイベント処理ルーチン(図10(a))が呼び出される。
【0148】
ところで、デュアルコンソールシステムでシーンリコールの操作イベントが発生した場合は、パラメータ番号PNは「シーンリコール」を示す値に設定され、パラメータ値BUFはシーン番号に設定される。ここで、マスタ/スレーブコンソールにおいて同一のシーン番号を有するシーンデータが異なっている可能性もあるが、本ルーチンにおいてはこれらシーンデータの異同は考慮されない。ここに本実施形態の特徴の一つがある。すなわち、本実施形態においては、シーンリコール時にコンソール間でやりとりされる情報はパラメータ番号PNとパラメータ値BUFのみであり、伝送される情報量をきわめて小さくすることができる。これにより、両コンソールは、自機が有するシーンデータに基づいて、迅速にシーンの切換を実行することができる。
【0149】
3.2.4.操作イベント受信処理ルーチン:図13(b)
上記ステップSP154において、操作が発生したコンソールから操作イベント内容が送信されると、この操作イベント内容を受信した側のコンソールにおいては図13(b)に示す操作イベント受信処理ルーチンが起動される。
【0150】
図において処理がステップSP160に進むと、受信したパラメータ番号およびパラメータ値が各々変数PN,BUFに代入される。次に、処理がステップSP162に進むと、カレント操作データに対して、該パラメータ番号PNおよびパラメータ値BUFが整合性を有するか否かがチェックされる。
【0151】
すなわち、デュアルコンソールシステムにおいては両コンソールのカレント操作データは一致していることが望ましいが、先にステップSP120において説明したように、両コンソールのカレント操作データまたはシーンデータに相違があったとしても、これを無視してデュアルコンソール動作を開始させることができる。カレント操作データの相違を無視した場合には、両コンソールには当初から不整合が生じる可能性がある。また、何れかのシーンデータに不整合があった場合には、両コンソールにおいて当該シーンデータがリコールされた時にカレント操作データに不整合が生じる場合がある。
【0152】
ここで、「不整合」の意味について若干説明しておく。「不整合」は、「あるパラメータ(入力チャンネルのペア設定、エフェクトの選択など)の設定により、パラメータ数が増減したり他のパラメータの機能が変更される」場合等に発生する。例えば、「パラメータ番号で指定されたパラメータが有効ではない場合」、あるいは「パラメータ番号で指定されたパラメータに、その変化許容範囲から外れるようなパラメータ値を設定しようとした場合」などが挙げられる。
【0153】
次に、処理がステップSP164に進むと、該SP162のチェック結果に基づいて、操作イベントの整合性が有ったか否かが判定される。整合性があれば「YES」と判定され、処理はステップSP166に進み、受信した操作イベントに応じてカレント操作データが更新される。また、ステップSP164において「NO」と判定されると、処理はステップSP168に進み、スレーブコンソール側の表示器102において、不整合が生じた旨の警告表示が行われる。以上のステップにより、本ルーチンの処理が終了する。
【0154】
該ステップSP168の処理は、実際には、このルーチンがマスタコンソールで実行されるのかスレーブコンソールで実行されるのかによって異なる。すなわち、マスタコンソールにおいてステップSP168が実行される場合には、マスタコンソールからスレーブコンソールに対して、警告表示を行うようにコマンドが出力され、これがスレーブコンソールにおいて受信されると、スレーブコンソールにおいて警告表示が行われる。また、スレーブコンソール側においてステップSP168が実行される場合には、単にスレーブコンソール側のCPU118の制御の下、スレーブコンソールの表示器102に警告表示が行われるだけである。
【0155】
以上の動作によれば、操作イベントに不整合が生じた場合の現象は、操作イベントが発生したコンソールに応じて異なることが解る。すなわち、元々当該操作イベントがマスタコンソールにおいて発生したのであれば、ステップSP156において当該操作イベントに基づいてマスタコンソール側のカレント操作データが更新される。そして、エンジン200は、マスタコンソール側のカレント操作データに基づいてアルゴリズムのパラメータ等を設定するため、操作内容がそのままパラメータに反映され、出力される音声信号に変化が生ずる。すなわち、マスタコンソール側から見れば、操作内容に応じて適切に音声信号に変化が生じることになる。
【0156】
一方、この不整合のある操作イベントがスレーブコンソールにおいて発生すると、スレーブコンソールにおいてステップSP156が実行される。しかし、スレーブコンソール側のカレント操作データは、エンジン200のアルゴリズムのパラメータには反映されない。また、マスタコンソール側においてはステップSP164において「NO」と判定され、ステップSP166が実行されないから、マスタコンソール側のカレント操作データが更新されることはない。このため、スレーブコンソール側から見れば、該当する操作子をいくら操作しても全く音声信号に変化が見られないという現象が生じる。かかる理由により、上記ステップSP168においては、スレーブコンソールにおいて警告表示を行うようにしたものである。
【0157】
3.2.5.ベリファイ画面の表示
マスタコンソールにおいて所定の画面選択操作が行われると、図14に示すベリファイ/コピー画面が該コンソールの表示器102に表示される。図14において402はアップデートボタンであり、これがマウスでクリックされると、図13(c)に示すベリファイ開始イベント処理ルーチンが起動される。なお、このルーチンは、マスタおよびスレーブコンソールにおけるカレント操作データ、シーンデータおよびライブラリデータに相違があるか否かを確認するためのルーチンである。
【0158】
図13(c)において処理がステップSP170に進むと、変数iに「0」が代入される。次に、処理がステップSP172に進むと、第i番目のデータ(カレント操作データ、シーンデータまたはライブラリデータ)のチェックサムおよびタイムスタンプを送信するようにスレーブコンソールに対して要求される。これに応答してスレーブコンソールからチェックサムおよびタイムスタンプが供給されると、処理はステップSP174に進む。ここでは、スレーブコンソールから供給されたチェックサムおよびタイムスタンプと、マスタコンソールに記憶されている第i番目のデータのチェックサムおよびタイムスタンプとが比較され、その比較結果がRAM122内の所定領域内に記録されとともに、該比較結果に基づいてベリファイ/コピー画面(図14)の内容が更新される。
【0159】
次に処理がステップSP174に進むと、変数iは最大値i_MAX未満であるか否かが判定される。ここで「YES」と判定されると、ステップSP178において変数iが「1」だけインクリメントされる。以下、変数iが最大値i_MAXに達するまで、各データについてステップSP172,SP174の処理が繰り返される。ステップSP176において「NO」と判定され本ルーチンの処理が終了すると、ベリファイ/コピー画面(図14)は最新の情報に基づいて更新されていることになる。
【0160】
図14において、404は全体異同表示部であり、先のステップSP174の比較結果のうち少なくとも一のデータに相違があった場合には「DIFF」と表示され、全データが一致していた場合には「SAME」と表示される。次に、406はシーンデータ表示指令ボタンであり、このボタンがマウスでクリックされると、後述するライブラリ・リスト部430にシーンデータの詳細内容が表示される。408はシーンデータ異同表示部であり、いずれかのシーン番号についてシーンデータに相違があれば「DIFF」と表示され、全シーンデータが一致していれば「SAME」と表示される。なお、後述する他の異同表示部も、同様の表示方法によってデータの異同を表示する。
【0161】
410はライブラリデータ表示指令ボタン群であり、ユニットライブラリ、パッチライブラリ、ネームライブラリ等のライブラリデータ毎に設けられた複数の表示指令ボタンから構成されており、何れかのボタンがマウスでクリックされると、ライブラリ・リスト部430に対応するライブラリデータの詳細内容が表示される。412はライブラリデータ異同表示部群であり、各ライブラリデータ毎に、マスタ/スレーブコンソールの異同を表示する。
【0162】
420はカレント操作データ状態表示部であり、その内部に設けられたカレント異同表示部424には、マスタコンソール(図中では「CONSOLE 1」)およびスレーブコンソール(同「CONSOLE 2」)におけるカレント操作データの異同を表示する。422はコピー指示ボタンであり、マウスでクリックされるとマスタコンソールのカレント操作データがスレーブコンソールにコピーされる。
【0163】
また、ライブラリ・リスト部430には、シーンデータ表示指令ボタン406あるいはライブラリデータ表示指令ボタン群410によって選択されたシーンデータまたはライブラリデータの詳細が表示される。なお、図示の例においては、シーンデータの詳細が表示されている。ライブラリ・リスト部430は複数の「列」から構成されており、ナンバ列440には、各データのナンバが表示される。442,446は項目名表示列であり、各データのデータ名称が表示される。448は異同表示列であり、各データ毎の異同を表示する。
【0164】
444はコピー指示ボタン列であり、マウスでクリックされるとマスタコンソールの対応するデータがスレーブコンソールにコピーされる。また、ライブラリ・リスト部430は複数の行436,436,……から構成されているが、最上位行434はシーンデータまたはライブラリデータ全体を表現している。すなわち、最上位行434における異同表示列448は、少なくとも一のデータに相違があれば「DIFF」と表示され、全データが一致する場合にのみ「SAME」と表示される。また、最上位行434におけるコピー指示ボタンがマウスでクリックされると、シーンデータまたは当該ライブラリデータのうち相違のあるデータ全体がマスタコンソールからスレーブコンソールにコピーされる。また、最上位行以外の行436におけるコピー指示ボタンがマウスでクリックされると、シーンデータまたはライブラリデータのうちその行に対応するデータがマスタコンソールからスレーブコンソールにコピーされる。450はスクロールバーであり、最上位行434を除く行436,436,……を上下方向にスクロールする。
【0165】
なお、上述した操作イベント処理ルーチン(図13(a))および操作イベント受信処理ルーチン(図13(b))によれば、何れかのコンソールにおいてシーンリコールあるいはライブラリリコール操作があると、他方のコンソールにおいては、該シーンデータまたはライブラリデータに対するベリファイが自動的に実行される(SP162)。従って、オペレータは、かかるリコール操作を行った後、ベリファイ/コピー画面(図14)を表示器102に表示させると、特にアップデートボタン402を操作することなく、リコールしたシーンデータまたはライブラリデータの異同を確認することができる。
【0166】
4.変形例
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、例えば以下のように種々の変形が可能である。
(1)上記実施形態においては、コンソールまたはエンジン上で動作するプログラムによって各種処理を実行したが、このプログラムのみをCD−ROM、フレキシブルディスク等の記録媒体に格納して頒布し、あるいは伝送路を通じて頒布することもできる。
(2)上記実施形態においては、コンソールとエンジンを別体のものとして構成したが、これらは一体型にしてもよい。
(3)上記実施形態においては、全てのモニタ系統、すなわち第1のモニタ系統(モニタ用セレクタ250、第1モニタ信号MON1、コムイン信号COMM_IN_1)、第2のモニタ系統(モニタ用セレクタ252、第2モニタ信号MON2、コムイン信号COMM_IN_2)、および第1キュー信号CUE1(キューバス246)、第2キュー信号CUE2(キューバス248)は、ステレオ構成とされる場合が多いが、モノラル構成であってもよいし、あるいは5.1チャンネル等の多チャンネル構成であってもよい。
(4)上記実施形態においては、図3に示した各スイッチ132〜149は各コンソールに1セットづつ設けられていたが、これらのスイッチを2セットづつ設け、デュアルコンソールシステムを構成する各コンソールにおいて相手側のコンソールの状態も制御できるようにしてもよい。
(5)上記実施形態のステップSP216においては、エンジン200E,200Fにおいて、各々独立したミキシングバス244e,244fが自動的にリンクされた(図5参照)。しかし、ミキシングバス244e,244fの全「48」本のバスを全てリンクする必要はなく、リンクのオン/オフ状態をバス毎に指定できるように、各バス毎にオン/オフスイッチを設けてもよい。
【0167】
【発明の効果】
以上説明したように、複数のミキシングシステムが協同して動作可能であるか否かを判定した後に、一のミキシングシステムにおける通話信号に基づいて、他のミキシングシステムにおけるモニタ信号に影響を及ぼし、あるいは複数のミキシングシステムにおけるトークバック信号をミキシングする構成によれば、コンソール等の設置状態に応じて最適なコミュニケーション環境を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 コンソール100およびエンジン200のハードウエアブロック図である。
【図2】 本実施形態において構成可能な各種ミキシングシステムのブロック図である。
【図3】 操作子群114の要部の外観図である。
【図4】 1台のエンジン200によって実現されるミキシング系統アルゴリズムのブロック図である。
【図5】 2台のエンジン200E,200Fによって実現されるカスケード接続システムにおけるミキシング系統アルゴリズムの要部のブロック図である。
【図6】 デュアルコンソールシステムのカスケード接続におけるモニタ系統のアルゴリズムのブロック図(1/2)である。
【図7】 デュアルコンソールシステムのカスケード接続におけるモニタ系統のアルゴリズムのブロック図(2/2)である。
【図8】 各コンソールの物理的配置例を示す図である。
【図9】 マスタコンソールにおいて実行されるタイマ割込み処理ルーチンのフローチャートである。
【図10】 シーンリコールイベント処理ルーチンおよびリコール要求受信イベント処理ルーチンのフローチャートである。
【図11】 各コンソールにおいて実行される他のタイマ割込みルーチンのフローチャート(1/2)である。
【図12】 各コンソールにおいて実行される他のタイマ割込みルーチンのフローチャート(2/2)である。
【図13】 各種イベント処理ルーチンのフローチャートである。
【図14】 表示器102に表示されるベリファイ/コピー画面を示す図である。
【符号の説明】
100,100A〜100D…コンソール、102…表示器、104…電動フェーダ部、106…デュアルI/O部、108…波形I/O部、110…データI/O部、112…通信I/O部、114…操作子群、116…その他I/O部、118…CPU、120…フラッシュメモリ、122…RAM、122a…カレント領域、122b…シーン領域、122c…ライブラリ領域、124…バス、132…カスケード・オフ・スイッチ、134…カスケード・マスタ・スイッチ、136…カスケード・スレーブ・スイッチ、138…トークバック・リンク・スイッチ、139…トークバックtoモニタBスイッチ、140…コムイン・リンク・スイッチ、142,143…カスケード・トークバックtoコムイン・スイッチ、144…VCAリンク・スイッチ、146…キュー・リンク・スイッチ、148…シーン・リンク・スイッチ、149…キュー・リンク・スイッチ、152a,152b…モニタアンプ、154a,154c…スイッチ、200,200E,200F…エンジン、202…信号処理部、204…波形I/O部、206…カスケードI/O部、210…データI/O部、212…通信I/O部、214…表示器、216…その他I/O部、218…CPU、220…フラッシュメモリ、222…RAM、224…バス、232…アナログ入力部、234…デジタル入力部、236…内蔵エフェクタ、238…内蔵イコライザ、240…入力パッチ部、242…入力チャンネル調整部、244,244e,244f…ミキシングバス、246,248,246e,246f,248e,248f…キューバス、250,252…モニタ用セレクタ、254…出力チャンネル調整部、254e,254f…出力チャンネル調整部、256…マトリクス出力チャンネル部、257…トークバックアウトスイッチ、258…出力パッチ部、260…アナログ出力部、262…デジタル出力部、264e,264f…遅延回路、266e,266f…加算器、270e,270f…遅延回路、272e,272f…加算器、274e,274f…スイッチ、276e,276f…遅延回路、278e,278f…加算器、280e,280f…スイッチ、290…カスケードケーブル。
Claims (10)
- 音響信号のミキシング処理を行なうミキサであって、
外部から複数系統の音響信号を入力する入力手段と、
外部から通話信号を入力する通話信号入力手段と、
前記入力手段の入力した複数系統の音響信号のうちいずれかの系統の音響信号の特性を制御して、混合用音響信号として出力する複数の入力チャンネル処理部と、
前記各入力チャンネル処理部から入力される混合用音響信号を混合し、該混合した混合用音響信号を混合信号として出力する複数の混合バスと、
前記複数の混合バスが出力する混合信号を外部に出力する出力手段と、
当該ミキサ内の音響信号のうち指定された箇所の音響信号を選択し、モニタ信号として出力するモニタセレクタと、
前記モニタ信号と前記通話信号とを混合し、該混合された信号を外部に出力するモニタ出力手段と、
音響信号のミキシング処理を行なう他のミキサと接続するための接続手段と、
前記接続手段を介して前記他のミキサと接続されたとき、当該ミキサが前記他のミキサとカスケード接続により協同して動作可能であるか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段により協同動作可能であると判定されたことを条件として、前記接続手段を介して、当該ミキサの前記複数の混合バスと前記他のミキサの複数の混合バスとを相互にリンクし、該リンクした複数の混合バスの出力する信号同士を混合した信号を前記混合信号とする混合バスリンク手段と、
前記判定手段により協同動作可能であると判定されたことを条件として、前記接続手段を介して、当該ミキサの前記通話信号を前記他のミキサに供給するとともに、前記他のミキサから供給される通信信号を当該ミキサの前記モニタ出力手段に入力して、当該ミキサの前記通話信号と前記他のミキサから供給される通話信号とを混合させる通話信号リンク手段と
を備えたことを特徴とするミキサ。 - 当該ミキサのオペレータが操作するトークバック入力スイッチと、
前記トークバック入力スイッチのオン操作時に外部からトークバック信号を入力するトークバック信号入力手段と、
前記入力したトークバック信号を前記出力手段に供給し、前記出力手段を介して外部に出力させるトークバック信号供給手段と
を備え、前記通話信号は前記トークバック信号であることを特徴とする請求項1記載のミキサ。 - 前記トークバック信号入力手段が前記トークバック信号を入力するとき、前記モニタ出力手段から出力される信号のレベルを減衰させるトークバックディマ手段と、
前記判定手段により協同動作可能であると判定されたことを条件として、前記他のミキサにてトークバック信号を入力するとき、当該ミキサにおいても前記トークバックディマ手段で前記信号のレベルを減衰させるよう制御するトークバックディマ連動手段と
を備えたことを特徴とする請求項2記載のミキサ。 - 前記判定手段により協同動作可能であると判定されたことを条件として、前記他のミキサから前記通話信号として供給されるトークバック信号と、当該ミキサの前記トークバック信号とを混合するトークバック信号混合手段を備え、
前記トークバック信号供給手段は、該混合されたトークバック信号を前記出力手段に供給する
ことを特徴とする請求項2記載のミキサ。 - 前記通話信号はコムイン信号であって、
前記入力手段が入力する複数系統の音響信号のうちの何れかを前記コムイン信号として出力するコムイン信号出力手段を備え、
前記通話信号リンク手段は、
前記判定手段により協同動作可能であると判定されたことを条件として、前記接続手段を介して、前記他のミキサのコムイン信号を当該ミキサにも供給するコムイン信号供給部と、
前記他のミキサから供給されたコムイン信号と、当該ミキサのコムイン信号とを混合するコムイン信号混合部と、
該混合されたコムイン信号の信号レベルが所定の閾値以上である場合にのみ、該混合されたコムイン信号を通過させるゲート部と
を含み、これによって該ゲート部を通過したコムイン信号が前記通話信号として前記モニタ出力手段に供給される
ことを特徴とする請求項1記載のミキサ。 - 各々が処理装置を備えるとともに音響信号のミキシング処理を行うミキサの、前記処理装置で実行されるプログラムであって、当該ミキサは、
外部から複数系統の音響信号を入力する入力手段と、
外部から通話信号を入力する通話信号入力手段と、
前記入力手段の入力した複数系統の音響信号のうちいずれかの系統の音響信号の特性を制御して、混合用音響信号として出力する複数の入力チャンネル処理部と、
前記各入力チャンネル処理部から入力される混合用音響信号を混合し、該混合した混合用音響信号を混合信号として出力する複数の混合バスと、
前記複数の混合バスが出力する混合信号を外部に出力する出力手段と、
当該ミキサ内の音響信号のうち指定された箇所の音響信号を選択し、モニタ信号として出力するモニタセレクタと、
前記モニタ信号と前記通話信号とを混合し、該混合された信号を外部に出力するモニタ出力手段と、
他のミキサとカスケード接続するための接続手段と
を備えるものであり、
前記プログラムは、
前記接続手段を介して前記他のミキサと接続されたとき、当該ミキサが前記他のミキサとカスケード接続により協同して動作可能であるか否かを判定する判定過程と、
前記判定過程により協同動作可能であると判定されたことを条件として、前記接続手段を介して、当該ミキサの前記複数の混合バスと前記他のミキサの複数の混合バスとを相互にリンクし、該リンクした複数の混合バスの出力する信号同士を混合した信号を前記混合信号とする混合バスリンク過程と、
前記判定過程により協同動作可能であると判定されたことを条件として、前記接続手段を介して、当該ミキサの前記通話信号を前記他のミキサに供給するとともに、前記他のミキサから供給される通信信号を当該ミキサの前記モニタ出力手段に入力して、当該ミキサの前記通話信号と前記他のミキサから供給される通話信号とを混合させる通話信号リンク過程と
を前記処理装置に実行させることを特徴とするプログラム。 - 前記ミキサは、さらに、
当該ミキサのオペレータが操作するトークバック入力スイッチ
を備えるものであり、
前記プログラムは、さらに、
前記トークバック入力スイッチのオン操作時に外部からトークバック信号を入力するトークバック信号入力過程と、
前記入力したトークバック信号を前記出力手段に供給し、前記出力手段を介して外部に出力させるトークバック信号供給過程と
を前記処理装置に実行させ、前記通話信号は前記トークバック信号であることを特徴とする請求項6記載のプログラム。 - 前記トークバック信号入力過程によって前記トークバック信号を入力するとき、前記モニタ出力手段から出力される信号のレベルを減衰させるトークバックディマ過程と、
前記判定過程により協同動作可能であると判定されたことを条件として、前記他のミキサにてトークバック信号を入力するとき、当該ミキサにおいても前記トークバックディマ過程で前記信号のレベルを減衰させるよう制御するトークバックディマ連動過程と
を前記処理装置にさらに実行させることを特徴とする請求項7記載のプログラム。 - 前記判定過程により協同動作可能であると判定されたことを条件として、前記他のミキサから前記通話信号として供給されるトークバック信号と、当該ミキサの前記トークバック信号とを混合するトークバック信号混合過程
を前記処理装置にさらに実行させ、
前記トークバック信号供給過程は、該混合されたトークバック信号を前記出力手段に供給する過程である
ことを特徴とする請求項7記載のプログラム。 - 前記通話信号はコムイン信号であって、
前記ミキサは、
前記入力手段が入力する複数系統の音響信号のうちの何れか前記コムイン信号として出力するコムイン信号出力手段を備えるものであり、
前記通話信号リンク過程は、
前記判定過程により協同動作可能であると判定されたことを条件として、前記接続手段を介して、前記他のミキサのコムイン信号を当該ミキサにも供給するコムイン信号供給過程と、
前記他のミキサから供給されたコムイン信号と、当該ミキサのコムイン信号とを混合するコムイン信号混合過程と、
該混合されたコムイン信号の信号レベルが所定の閾値以上である場合にのみ、該混合されたコムイン信号を通過させるゲート過程と
を含み、これによって該ゲート過程を通過したコムイン信号が前記通話信号として前記モニタ出力手段に供給される
ことを特徴とする請求項6記載のプログラム。
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