JP3941606B2 - 冷却装置、エバポレータ用基板、電子機器装置及び冷却装置の製造方法 - Google Patents
冷却装置、エバポレータ用基板、電子機器装置及び冷却装置の製造方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばパソコンやディジタルカメラ等に用いられるカード型の記憶媒体のドライバから発せられる熱を冷却するために用いられる冷却装置、このような冷却装置に使用されるエバポレータ用基板、コンデンサ用基板及びこの冷却装置の製造方法に関する。また、本発明は、このような冷却装置を搭載するパソコンやディジタルカメラ等の電子機器装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
メモリスティック(登録商標)、スマートメディア(登録商標)、コンパクトフラッシュ(登録商標)等の記憶媒体は、フロッピィ−ディスク等の従来のものと比べて小型かつ薄型であり、しかも記憶容量も非常に大きくすることが可能であることから、パソコンやディジタルカメラ等の電子機器装置に汎用されるようになってきている。
【0003】
これらの記憶媒体はフラッシュメモリとドライバとを一体的に有するものや、ドライバが装置本体や別のカード等に搭載されたものがあるが、いずれにしても最近では相当大容量化してきている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このように記憶媒体の記憶容量が大容量化してくると、上記のドライバから多大な熱が発生し、動作不良等の問題を生じる。
【0005】
そこで、例えば電子機器装置側に冷却装置を設けることが考えられ、そのような冷却方法としてヒートパイプを用いた技術が挙げられる。
【0006】
ヒートパイプとは、管の内壁に毛細管構造を持たせた金属製パイプであり、内部は真空で、少量の水もしくは代替フロンなどが封入されている。ヒートパイプの一端を熱源に接触させて加熱すると、内部の液体が蒸発して気化し、このとき潜熱(気化熱)として、熱が取り込まれる。そして、低温部へ高速に(ほぼ音速で)移動し、そこで、冷やされてまた液体に戻り、熱を放出する(凝縮潜熱による熱放出)。液体は毛細管構造を通って(もしくは重力によって)元の場所へ戻るので、連続的に効率よく熱を移動させることができる。
【0007】
しかしながら、従来のヒートパイプは管状であり空間的に大掛かりな装置となるので、小型薄型化が求められるパソコンやディジタルカメラ等の電子機器装置の冷却装置には不向きである。
【0008】
そこで、ヒートパイプを小型化するために、2枚の基板の各接合面上に溝を形成し、これらの基板を接合することによってヒートパイプを構成する流路を基板間に形成した冷却装置が提案されている。なお、上記の接合の際には、少量の水もしくは代替フロンなどの作動液が封入され、それらが、ヒートパイプ内で状態変化を起こすことによって、ヒートパイプとしての役割を果たすものである。
【0009】
しかしながら、上記のように基板を用いてヒートパイプを構成すると、例えば、樹脂材料で基板を形成した場合には、基板表面の撥水性が低く、ヒートパイプ内部に封入した作動液が流れ難くなり、作動液の循環不良を起こす虞がある。
【0010】
また、例えば金属材料で基板を形成した場合には、作動液と金属材料との間で化学反応(腐食)を生じ、その生成物が堆積し、流路が細くなり、作動液の循環不良を起こす、という問題がある。加えて、上記の金属材料の腐食を考慮すると、その分基板を厚くする必要があり、そのため小型薄型化ができないといった問題もある。
【0011】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、小型薄型化が可能であって、作動液の循環不良を起こすことがない冷却装置、エバポレータ用基板、電子機器装置及び冷却装置の製造方法を提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
【0013】
【0014】
【0015】
【0016】
【0017】
【0018】
かかる課題を解決するため、本発明の主たる観点に係る冷却装置は、第1の面と、前記第1の面に形成され、液相路、気相路、蒸発部及び低温部を構成し酸化第一銅からなる第1の溝と、前記第1の溝の前記気相路に形成されたダイヤモンド状炭素膜とを有する第1の基板と、前記第1の基板に接合される側に設けられた第2の面と、前記第2の面とは反対側に設けられた第3の面とを有する第2の基板と、酸化第一銅からなる第2の溝を有し、前記第2の溝が前記蒸発部に連通するように前記第3の面を介して前記第2の基板に組み込まれたエバポレータ用基板とを具備する。
【0019】
本発明では、酸化第一銅からなる第1の溝が形成されているので、表面の親水性が向上し、毛細管力が向上する。従って、第1の溝を流れる作動液の気化量が向上し、冷却効率が向上する。また例えば酸素イオン注入により表面は酸化第一銅(酸化第一銅、Cu2O)となり、耐腐食性を有するようになるので、腐食等を生じることがない。これにより、金属材料の腐食を防止できるので、金属材料の腐食分の厚みを考慮して形成していた従来と比較し、本発明では、腐食分の厚みを削減して形成できる。従って、小型薄型化が可能 となる。また、このようにして形成された酸化第一銅となった表面は、抗菌作用を有するため、作動液が常に清浄に保たれ、作動液の変質を防止することができる。
従来、銅の表面にダイヤモンド状炭素(DLC)の薄膜を形成することは、銅及びDLC膜の線膨張係数が約100倍違うために、ヒートパイプ内部等の高温環境では銅とDLC薄膜が分離してしまい形成することができなかったが、本発明では第1の溝表面に酸化第一銅の薄膜を形成しており、この酸化第一銅の線膨張係数は銅の係数の約100分の1なので、熱による形状の変化が少なく、DLC膜を形成することが可能である。このようにして形成されたDLC膜により、第1の溝表面の撥水性が向上し、第1の溝を流れる作動液の流動性が良好となり、しかも腐食等を防止することができる。
前記酸化第一銅の表面は銅の表面に酸素イオン注入して形成することが好ましい形態である。
【0020】
また、前記酸素イオンが注入された第2の溝表面はダイヤモンド状炭素の薄膜を更に具備することも可能である。前記酸化第一銅の表面は銅の表面に酸素イオン注入して形成することが好ましい形態である。
【0021】
本発明では、基板表面と、前記基板表面に形成されたコンデンサ溝とを有し、金属に相当する熱伝導性を有する材料からなり、前記コンデンサ溝が前記低温部に連通するように前記第3の面を介して前記第2の基板に組み込まれたコンデンサ部分用の基板を更に具備することがより好ましい。
【0022】
これにより、作動液の気体から液体への変換をより効率よく行うことができる。
【0023】
そして、前記コンデンサ部分用基板は、前記基板表面の反対側に設けられた基板裏面を有し、当該冷却装置は、前記コンデンサ部分用基板の前記基板裏面に接合され、樹脂材料からなる放熱フィンをさらに具備し、前記放熱フィンの表面には前記樹脂材料よりも熱伝導性の高い薄膜が被覆されていることがより好ましい。
【0024】
金属材料で形成されていた放熱フィンと比較して軽量化を図ることができる。この放熱フィンの表面に前記樹脂材料よりも熱伝導性の高い薄膜、例えばダイヤモンド状炭素からなる薄膜を被覆することで、十分な放熱効果を得ることが可能となる。
【0025】
本発明に係るエバポレータ用基板は、第1の面と、前記第1の面に形成され、液相路、気相路、蒸発部及び低温部を構成する第1の溝を有する第1の基板と、前記第1の基板に接合される側に設けられた第2の面と、前記第2の面とは反対側に設けられた第3の面とを有する第2の基板とを含む冷却装置に用いられるエバポレータ用基板であって、酸化第一銅からなる第2の溝と、前記第2の溝上に形成されたダイヤモンド状炭素膜とを有し、前記第2の溝が前記蒸発部に連通するように前記第3の面を介して前記第2の基板に組み込まれている。
本発明の別の観点に係る電子機器装置は、フラッシュメモリを有するカード型記憶媒体が着脱可能なスロットと、前記記録媒体側又は電子機器装置側に配置されたドライバと、前記ドライバを冷却する冷却装置とを有する電子機器装置であって、前記冷却装置は、第1の面と、前記第1の面に形成され、液相路、気相路、蒸発部及び低温部を構成し酸化第一銅からなる第1の溝と、前記第1の溝の前記気相路に形成されたダイヤモンド状炭素膜とを有する第1の基板と、前記第1の基板に接合される側に設けられた第2の面と、前記第2の面とは反対側に設けられた第3の面とを有する第2の基板と、酸化第一銅からなる第2の溝を有し、前記第2の溝が前記蒸発部に連通するように前記第3の面を介して前記第2の基板に組み込まれたエバポレータ用基板とを有する。
【0026】
本発明では、上記構成の、冷却性能が高く、かつ、薄型化を図った冷却装置を搭載することになるので、電子機器装置自体が薄型化して動作不良等を生じることもない。
【0027】
本発明の更に別の観点に係る冷却装置の製造方法は、第1の基板の第1の面に、液相路、気相路、蒸発部及び低温部を構成する第1の溝を形成する工程と、前記第1の溝を酸化第一銅に改質する工程と、前記酸化第一銅に改質された前記第1の溝の前記気相路に、ダイヤモンド状炭素膜を形成する工程と、前記第1の基板の前記第1の面側に、第2の基板の第2の面を接合することにより、前記第1の基板と前記第2の基板とを接合する工程と、銅からなるエバポレータ用基板に第2の溝を形成する工程と、前記第2の溝を酸化第一銅に改質する工程と、前記第2の溝が前記蒸発部に連通するように、前記第2の基板の前記第2の面とは反対側に設けられた当該第2の基板の第3の面を介して、前記エバポレータ用基板を前記第2の基板に組み込む工程とを具備する。
【0028】
本発明は、上記構成の第1の溝及び第2の溝の毛細管力が向上した冷却装置を効率よく確実に製造することが可能となる。また、流路表面にダイヤモンド状炭素の薄膜を設けることもできる。これにより作動液の流動性が向上する。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
【0030】
(冷却装置)
図1は本発明の一実施形態に係る冷却装置を分解した斜視図であり、図2はその冷却装置の組み立てた状態の断面図である。
【0031】
図1及び図2に示すように、冷却装置1は4枚の基板10、20、30、40からなる。基板10は熱伝導性の低い樹脂材料として例えば、ポリイミド樹脂または他の耐熱性のよいエンジニアプラスチック等からなる矩形状の基板であり、その流路全体には作動液に対する親水性を高めるために酸素イオンを注入した後、気相路にはダイヤモンド状炭素(Diamond−like Carbon、以下DLCとも言う)薄膜が形成され、撥水性を高めるようになっており、上側に配置される。
【0032】
コンデンサ用基板20は例えば銅、真鍮等の銅合金またはニッケル等の金属からなる矩形状のコンデンサ部分21と、放熱フィン22とからなる。
【0033】
エバポレータ用基板40は、例えば銅からなる矩形状の基板である。この基板40の表面には、溝(第2の溝)41が形成され、該溝表面は酸素イオンが注入することで酸化第一銅とされている。
【0034】
基板30は熱伝導性の低い樹脂材料として例えば、ポリイミド樹脂他の耐熱性のよいエンジニアプラスチック等からなる矩形状の基板であり、下側に配置される。
【0035】
コンデンサ用基板20、エバポレータ用基板40はそれぞれ基板30の孔31、32に組み込まれる。これら4枚の基板10、20、30、40は、銅薄膜などを介して接着される。
【0036】
基板10の表面10a、コンデンサ部分21の表面21a、及びエバポレータ用基板40の表面40aには溝11、溝21c、及び溝41が、また基板30には孔31、32が、放熱フィン22の表面22aには、凸部22cがそれぞれ形成されている。これらの溝、孔、凸部22cは4枚の基板が接着する際にループ状のヒートパイプとして機能するように形成されている。
【0037】
図3は、基板10の溝の構成を示した平面図である。
【0038】
図3に示すように、基板10の表面10aには溝(第1の溝)11が形成されている。この溝11は、液体が流れる液相路12、気体が流れる気相路15が設けられ、これら流路表面には、銅箔が埋め込まれており、その表面には親水性を高めるために酸素イオンを注入した後、例えば気相路15上には撥水性を高めるためにDLCの薄膜が形成されている。また、基板10には液を供給するリザーバ13が設けられており、ヒートパイプ内がドライアウトしないよう適宜液体を補充できるようになっている。
【0039】
このように、液相路12、気相路15それぞれに膜処理を施すことにより、液相路12表面は親水性が高く、気相路15は撥水性を高くすることが可能となるので、液相気相を問わず、作動液を効率良く輸送することが可能となり、冷却効率を向上させることができる。
【0040】
図4は、基板30の孔の構成を示した平面図である。
【0041】
図4に示すように、基板30に設けられた孔31、32はそれぞれ、基板30を貫通するように形成されている。
【0042】
図5は、エバポレータ用基板40の平面図である。
【0043】
図5に示すように、エバポレータ用基板40は銅からなり、その表面40aには溝41が形成されている。この溝41表面上には、酸素イオンが注入され、酸化第一銅の膜が形成されている。
このように銅に酸素イオンを注入して表面を酸化第一銅とすることにより、親水性を向上することができる。すなわち、酸素イオン注入前の銅表面の水の接触角はだいたい60度程度であるが、イオン注入を行い、酸化第一銅膜を形成した場合、酸化第一銅の水との接触角は概ね15度程度まで引き下げることができる。このように溝41表面の親水性が向上することにより溝41の毛細管力が向上し、それにより作動液の気化量も向上する。
【0044】
また、酸化第一銅は作動液に対する耐腐食も高いので、従来は腐食を考慮して厚く形成していたところ、本実施形態では小型薄型のエバポレータを形成することが可能となる。
【0045】
なお、この酸化第一銅とされた溝表面にDLC薄膜を形成し、耐腐食性を向上させるようにしても構わない。
【0046】
図6は、コンデンサ用基板のコンデンサ部分を示した平面図である。図7は、コンデンサ用基板の放熱フィンを示した平面図であり、図8は、図7の放熱フィンの断面図である。
【0047】
コンデンサ用基板20は、コンデンサ部分21と放熱フィン22とからなる。
【0048】
図6に示すように、コンデンサ部分21の表面21a上には溝21cが形成されている。表面21aと対向する対向面21bは、放熱フィン22と接着固定されている。
【0049】
図7又は図8に示すように、コンデンサ用基板20の放熱フィン22は、熱伝導性が低く、100℃以上の耐熱性を有する樹脂材料、例えばエチレン、オレフィン等からなり、外部表面に熱伝導性の高い材料として、例えばDLCの薄膜(図示せず)が形成されている。この放熱フィン22の表面22aは、複数の、例えば4個の凸部22cが形成され、放熱フィン22の内部は、0.1気圧の減圧状態となり、該内部には冷媒としての水22eが封入されている。対向面22bには、例えば銅等の基板からなる蓋部22dが設けられ、水22eを封止している。放熱フィン22内部の水22eは、コンデンサ部分21からの凝縮熱により沸騰し、熱交換される。
【0050】
このように、本発明の放熱フィン22は、金属材料で形成されていた放熱フィンと比較して軽量化を図ることができる。この放熱フィン22の外部表面にDLCの薄膜が形成されることで、十分な放熱効果を得ることが可能となる。なお、ここでは、DLCの薄膜で説明したが、熱伝導性の高い金属等の薄膜を形成してもよい。
【0051】
なお、図9に示すように、放熱フィン22に、外部ポンプ22fを更に設けてもよい。放熱フィン22の蓋部22dは、配管を介して、外部ポンプ22fと連通されている。これによって、放熱フィン22内部の水22eは、該配管を介して外部ポンプ22fによって能動的に循環することができる。
【0052】
図10は、上記の各基板10、20、30及び40を接着層60を介して接合した状態を示している。
【0053】
これら各基板10、20、30及び40との接合により構成されるヒートパイプの内部には液体が封入されている。封入された液体はヒートパイプ内で液体から気体または気体から液体へと状態変化しながら循環する。これにより熱移動を行わせ、冷却装置として機能する。
【0054】
以下、その液体/気体の循環の様子を便宜的に液相路12を始点として説明する。
【0055】
まず、液体が液相路12から蒸発部14へ流入する。その際に蒸発部14に流入する液体の量が所定以下であるときにはドライアウトを回避するために、リザーバ13から不足分の液体が供給されるようになっている。
【0056】
蒸発部14に流入した液体は、加熱され沸騰する。沸騰することによって気化した気体は、気相路15を介して低温部16へ流入し、液体に凝縮される。このとき凝縮された液体は、低温部16から液相路12へ再度循環される。
【0057】
なお、本実施形態では、基板10及び30の材料として樹脂材料を用いたが、ガラスを用いても良いし、樹脂材料とガラスとの組み合わせであっても良い。
【0058】
図11は基板上をある一定時間で熱が拡散した領域を模式的に図に示したもので、図11(a)はシリコン基板を用いた場合を示し、図11(b)は樹脂基板を用いた場合を示し、図11(c)は樹脂基板に金属を組み込んだ樹脂・金属複合基板を示している。
【0059】
図11(a)に示すように、シリコン基板の熱源A−1の熱は矢印に示すように熱が広域にわたり拡散する(A−2)。これに対して図11(b)に示すように樹脂基板の熱源B−1の熱は矢印に示すように熱がそれほど広い領域まで拡散しない(B−2)。
【0060】
ヒートパイプとして機能するためには、エバポレータに一定以上の熱が集中し
なければならないが、図11(a)に示したように基板の材料がシリコンからなる場合には熱の拡散が大きくその機能を十分に果たさない。
【0061】
また、ヒートパイプとして機能するためには、エバポレータに一定以上の熱伝導性がなければならないが、図11(b)に示したように樹脂基板のみの場合には熱伝導性がほとんどなくその機能を十分に果たさない。
【0062】
以上の点に対し、本発明では、図11(c)に示したように、樹脂・金属複合基板の熱源C−1の熱は金属部については高い拡散性を有し、その周りの樹脂領域にはほとんど拡散せず(C−2)、エバポレータにおいては熱が十分に伝わり、周囲の樹脂の部分に熱が拡散しにくいので、つまり熱がエバポレータに集中し、ヒートパイプとしての機能を十分に果たすことになる。
【0063】
図12は流路を流れる液体の様子を模式的に示したものである。図12(a)は、金属基板で形成された溝を流れる液体の様子を表したものであり、図12(b)は、金属基板にDLCの薄膜が形成された溝を流れる液体の様子を表したものである。
【0064】
図12(a)に示すように、金属で形成された溝を流れる液体は、溝を流れる際に金属との間で化学反応(腐食)を生じ、その生成物が堆積し、流路が細くなり、作動液の循環不良を起こしている。
【0065】
これに対して、図12(b)に示すように、金属表面にDLCの薄膜で被覆され形成された溝を流れる液体は、溝を流れる際に金属との間で化学反応(腐食)を生じないので、腐食を防止することができる。しかも、溝表面の撥水性が高くなるので、ウィックの溝を流れる作動液の流動性が良好となり、作動液の循環不良等を起こすことはなくなる。
(冷却装置の製造方法)
図13は冷却装置の製造工程を示したものである。
【0066】
まず、ヒートパイプとして機能する樹脂材料からなる基板10及び基板30の溝を形成する(ステップ901)。基板10及び基板30をパターンニングした後、エッチングにより溝を形成する。
次に、コンデンサ又はウィックとして機能する金属材料からなるコンデンサ用基板20のコンデンサ部分21及びエバポレータ用基板40の溝を形成する(ステップ902)。コンデンサ部分21の表面20bには、気体状態から液体状態へ変化させる際に機能するコンデンサして機能する溝21cを形成する。エバポレータ用基板40には、液体状態から気体状態へ変化させる際に機能するウィックの溝41として機能する溝を形成する。これらの溝はUV−LIGAと呼ばれる方法によって形成される。
【0067】
図14をもとに、UV−LIGAについて具体的に説明する。
【0068】
まず、図14(a)に示すように、プレート82上例えば有機材料であるSU−8からなるレジスト層81を形成し、その上にパターンニングされたレジスト膜83を形成する。これをパターン基板80と呼ぶ。
【0069】
次に、図14(b)に示すように、パターン基板80の上方からUVを照射し、レジスト層81のエッチングを行う。
【0070】
次に、図14(c)に示すように、このパターン基板80からレジスト膜83を剥離し、この表面にニッケルNiの電鋳でニッケル層84を形成する。
【0071】
そして、図14(d)に示すように、パターン基板80からニッケル層84を剥離する。剥離したニッケル層84が溝を有するコンデンサ用基板20及びエバポレータ用基板40となる。なお、コンデンサ用基板20及びエバポレータ用基板40の形成は、UV−LIGAではなく、反応性イオンエッチング法によっても可能である。
【0072】
次に、コンデンサ用基板20の放熱フィン22を形成する(ステップ903)。
【0073】
放熱フィン22は、所定の金型により樹脂材料の放熱フィン22を形成する。さらに、このように形成された樹脂材料の内部へ冷媒として水22eを封入し、銅等の基板からなる蓋部22dと接合し、封止する。
【0074】
次に、エバポレータ用基板40のウィックの溝41、に酸素イオンを注入する。
【0075】
図15は、エバポレータ用基板40のウィックの溝41へのPBII(プラズマベーストイオンインプランテーション)技術を用いた表面処理装置を示し、図16は、基板10のPBII技術を用いた表面処理装置を示している。また、図17は、図15及び図16のパルス電圧を示した図である。
【0076】
図15に示すように、エバポレータ用基板40は、真空装置124内の中心部に絶縁碍子120を介しパルス電源121に接続されている。真空装置124は、真空ポンプ123により排気され、更に、イオン源122により、目的に応じて酸素、メタン、窒素、チタン等がパルスに同期して供給されるようになっていて、ここでは酸素イオンが供給されるようになっている。
【0077】
PBII技術は、被処理物としてのウィックの溝41を真空装置124内に中心部に配置し、その周囲をプラズマで囲み、ウィックの溝41表面に負の高電圧パルス電圧を印加することにより、プラズマ中のイオンをウィックの溝41表面に誘引衝突堆積させ、3次元の表面の機能を改質させようとする技術である。
【0078】
熱伝導のよい無酸素銅からなるウィックの溝41に、イオン源122より供給された酸素イオンを図17のパルス条件でパルスプラズマ化させる。例えば、深さ20μm、間隔100μm、幅40μmのウィックを用い、時間は約1分間、温度は35度で、パルスイオン電流は0.7Aの条件で、酸素イオンの注入を行い、ウィックの溝41表面にイオン注入を施した。これによって、ウィックの溝41表面は、無酸素銅から酸化第一銅に改質される。無酸素銅の表面の接触角は水玉により測定され未処理では60度であったが酸素イオン注入により接触角が15度に改質、すなわち親水性が向上した。これによりウイックの毛細管力が向上し、ポンプ力を大きくすることができた。
【0079】
次に基板10の表面処理を行う(ステップ904)。
【0080】
まず、ステップ901で形成された液相路12及び気相路15の溝130に銅箔をホットエンボスにより埋めこむ。次いで、図16に示すPBII装置で、図17に示す条件で酸素イオンを溝表面に注入し、表面を改質する。液相路12又は気相路15の溝を除く非処理部分は、メタルマスク又はレジストマスクの保護膜136により保護される。図15と同様に、液相路12又は気相路15の溝130は、真空装置135内の中心部に絶縁碍子131を介しパルス電源132に接続されている。真空装置135は、真空ポンプ134により排気され、更に、イオン源133において、酸素、メタン、窒素、チタン等が図17のパルス条件でパルスプラズマ化され、該パルスに同期して供給されるようになっている。このように、非処理領域を保護膜136で保護することにより、選択的に必要な処理領域つまり、液相路12又は気相路15の溝130のみにDLC薄膜を形成することができる。このようにして、この改質後の液相路12/気相路15の溝130表面にDLC薄膜を3ミクロン形成する。この時の水との接触角は70度であった。更にイオン源133より供給されたCF4ガスをパルスプラズマ化し、時間は約3分間で、図17のパルス条件で、イオン注入を行い、表面の水素をフッ素で置換する。この場合は水との接触角は110度になった。これにより、液相路12/気相路15の溝にDLC薄膜が形成される。なお、ここでは、銅の酸化で説明したが、銅の変わりにチタンを用いた場合においても同様の結果が得られた。
【0081】
また、放熱フィン22に関しても、ここで説明した工程と同様にしてDLCの薄膜の形成を行う。
【0082】
なお、ここでDLC薄膜を形成するプラズマを使った表面改質技術においては、PBII技術を用いたが、この他にCVD(Chemical Vapour Deposition)等を用いて形成してもよい。
【0083】
次に、図18に示すように溝が各々形成された基板10と基板30とを銅等の薄膜を介して接合する(ステップ905)。基板10、基板30同士を接合する際には、作動液としてヒートパイプ内で状態変化する物質、例えば水を溝内へ封入する。
【0084】
更に、図19に示すように、基板30を貫通して開けられた孔にコンデンサ用基板20及びエバポレータ用基板40を組み込む工程を行う(ステップ906)。基板30と、コンデンサ用基板20及びエバポレータ用基板40はそれぞれ隙間がないように、例えばプラスチックを溶解して接合することによって組み込む。基板が薄いので例えばパッキングプレート等に貼り付けて組み込みを行うことが好ましい。また、本実施例においてコンデンサ用基板20又はエバポレータ用基板40は、基板30に貫通して開けられた孔32、34に組み込まれるが、これらの基板は基板30の表面30bから基板30を貫通しないように開けられた孔に組み込まれてもよい。これにより冷却装置1が形成されることになる。
【0085】
上に述べた製造方法により、ヒートパイプを効率よく製造できる。
【0086】
尚、本実施形態では、溝41に酸素イオン注入を行ったが、その後に基板流路等と同様に、保護膜としてDLCを設けることも可能である。そうすることにより、作動液の流動性を高め、耐腐食性を更に向上することができる。
【0087】
また、本実施形態ではウイックの材料として銅を用いているが、銅の代わりにチタンを用いても良い。
【0088】
(冷却装置の他の例)
図20はコンデンサ基材142とエバポレータ基材144とをフレキシブル基板141で繋げているフレキシブル冷却装置140を示したものである。
【0089】
コンデンサ基材142、エバポレータ基材144はそれぞれフッ素樹脂からなり、上述した方法によってコンデンサ用基板20、エバポレータ用基板40が組み込まれたものである。
【0090】
フレキシブル基板141はプラスチックからなり、内部にヒートパイプの流路143を含んでいる。これらの基材又は基板が一体となってヒートパイプを構成する。
【0091】
フレキシブル基板141は自由な変形が可能である。例えば電子機器の発熱部にエバポレータ基材144を装着させ、電子機器の外部表面の形状に沿うようにフレキシブル基板を密着させることができる。
【0092】
このような構成の冷却装置によれば、狭い空間にも効率的にヒートパイプを装着させることができ、電子機器等の小型薄型化が図れる。
【0093】
(電子機器装置)
図21は本発明に係る冷却装置が搭載されたパソコンの概略斜視図である。
【0094】
パソコン150は、フラッシュメモリ153とドライバ152とを有する記録媒体154を着脱するためのスロット151、及び処理部155を有する。本発明に係る冷却装置1はスロット151を介して装着された記録媒体154の例えばドライバ152の直下に溝41が位置するようにパソコン150内に配置されている。
【0095】
また、本発明に係る冷却装置1は、エバポレータが処理部155に隣接するように配置されてもよい。この場合、コンデンサは図示しない例えば冷却ファンなどに隣接するように設置するのが好ましい。これにより、処理部155から発せられた熱は、エバポレータで吸収され、冷却ファンの働きによってコンデンサから放出されることとなるため、処理部155を冷却することができる。
【0096】
なお、ここでは、電子機器装置としてパソコンを例にとり説明したが、本発明に係る冷却装置はディジタルカメラやビデオカメラ等の他の電子機器装置にも搭載することが可能である。
【0097】
(表示装置)
図22は本発明に係る冷却装置が搭載された液晶ディスプレイの概略斜視図である。
【0098】
液晶ディスプレイ160は、ドライバ161、表示部162、冷却ファン163とを有する。本発明に係る冷却装置1はドライバ161に隣接してエバポレータが位置するように、さらに冷却ファン163に隣接してコンデンサが位置するように液晶ディスプレイ内に配置されている。液晶ディスプレイ160の起動によってドライバ161から発生した熱は、エバポレータに吸収され、この吸収熱により冷却装置1の内部の液体が気化し、流路を通ってコンデンサに流れる。冷却ファン163はコンデンサを冷却し、コンデンサに流れてきた気体の熱を放出させ、この気体を再び液化させる。コンデンサで液化された液体は流路を通ってエバポレータに流れ、ドライバ161から発生した熱を吸収して再び気化する。このように冷却装置1内部の液体の循環によってドライバ161を冷却することができる。同様にして、エバポレータを表示部162に隣接して設置することにより、表示部162を冷却することも可能である。
【0099】
なお、ここでは、表示装置として液晶ディスプレイを例にとり説明したが、本発明に係る冷却装置はプラズマディスプレイや有機ELディスプレイ等の他の表示装置にも搭載することが可能である。
【0100】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、小型薄型化が可能で、かつ、循環効率が良く、温調性能を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一の形態に係る冷却装置の構成を表す分解した斜視図である。
【図2】 本発明の一の形態に係る冷却装置の組み立てた状態の断面図である。
【図3】 本発明の一の形態に係るの冷却装置の基板を示す平面図である。
【図4】 本発明の一の形態に係る冷却装置の基板を示す平面図である。
【図5】 本発明の一の形態に係る冷却装置のエバポレータ用基板を示す平面図である。
【図6】 本発明の一の形態に係る冷却装置のコンデンサ用基板のコンデンサ部分を示す平面図である。
【図7】 本発明の一の形態に係る冷却装置の放熱フィンを示す平面図である。
【図8】 本発明の一の形態に係る冷却装置の放熱フィンの断面図である。
【図9】 本発明の一の形態に係る冷却装置の放熱フィンの応用例としての斜視図である。
【図10】 本発明の一の形態に係る冷却装置の2枚の基板、コンデンサ用基板及びエバポレータ用基板を組み立てた状態を示した平面図である。
【図11】 シリコン基板、樹脂基板及び本発明の樹脂・金属複合基板に対して熱拡散性の観点から比較した図である。
【図12】 金属基板及び本発明において、溝表面にDLCの薄膜を形成する金属基板に対して潤滑特性の観点から比較した図である。
【図13】 本発明の冷却装置の製造工程を示した図である。
【図14】 本発明の冷却装置に用いるコンデンサ用基板及びエバポレータ用基板を形成する工程を示した概略図である。
【図15】 本発明の冷却装置に用いるエバポレータ用基板のウィックの溝41へPBII技術を行う表面処理装置を示した斜視図である。
【図16】 本発明の冷却装置に用いる基板へPBII技術を行う表面処理装置を示した斜視図である。
【図17】 図15及び図16に示す表面処理装置で処理されるときのパルス電圧を示した図である。
【図18】 本発明の冷却装置の用いる2枚の基板を接合する工程を示した概略図である。
【図19】 本発明の冷却装置に用いる基板にコンデンサ用基板及びエバポレータ用基板を組み込む工程を示した概略図である。
【図20】 本発明の他の形態に係る冷却装置を示した概略図である。
【図21】 本発明の冷却装置を搭載したパソコンの概略斜視図である。
【図22】 本発明の冷却装置を搭載した液晶ディスプレイの概略斜視図である。
【符号の説明】
1 冷却装置
10 基板
20 コンデンサ用基板
30 基板
40 エバポレータ用基板
11 溝
21c 溝
41 溝
22 放熱フィン
150 パソコン
160 液晶ディスプレイ
Claims (12)
- 第1の面と、前記第1の面に形成され、液相路、気相路、蒸発部及び低温部を構成し酸化第一銅からなる第1の溝と、前記第1の溝の前記気相路に形成されたダイヤモンド状炭素膜とを有する第1の基板と、
前記第1の基板に接合される側に設けられた第2の面と、前記第2の面とは反対側に設けられた第3の面とを有する第2の基板と、
酸化第一銅からなる第2の溝を有し、前記第2の溝が前記蒸発部に連通するように前記第3の面を介して前記第2の基板に組み込まれたエバポレータ用基板と
を具備することを特徴とする冷却装置。 - 請求項1に記載の冷却装置において、
前記第2の溝上には、ダイヤモンド状炭素膜が形成されていることを特徴とする冷却装置。 - 請求項1に記載の冷却装置において、
基板表面と、前記基板表面に形成されたコンデンサ溝とを有し、金属に相当する熱伝導性を有する材料からなり、前記コンデンサ溝が前記低温部に連通するように前記第3の面を介して前記第2の基板に組み込まれたコンデンサ部分用の基板を更に具備することを特徴とする冷却装置。 - 請求項3に記載の冷却装置において、
前記コンデンサ部分用基板は、前記基板表面の反対側に設けられた基板裏面を有し、
当該冷却装置は、
前記コンデンサ部分用基板の前記基板裏面に接合され、樹脂材料からなる放熱フィンをさらに具備し、
前記放熱フィンの表面には前記樹脂材料よりも熱伝導性の高い薄膜が被覆されていることを特徴とする冷却装置。 - 請求項4に記載の冷却装置において、
前記樹脂材料よりも熱伝導性の高い薄膜は、ダイヤモンド状炭素であることを特徴とする冷却装置。 - 請求項1に記載の冷却装置において、
前記第1の基板又は前記第2の基板は樹脂を含むことを特徴とする冷却装置。 - 第1の面と、前記第1の面に形成され、液相路、気相路、蒸発部及び低温部を構成する第1の溝を有する第1の基板と、前記第1の基板に接合される側に設けられた第2の面と、前記第2の面とは反対側に設けられた第3の面とを有する第2の基板とを含む冷却装置に用いられるエバポレータ用基板であって、
酸化第一銅からなる第2の溝と、
前記第2の溝上に形成されたダイヤモンド状炭素膜とを有し、
前記第2の溝が前記蒸発部に連通するように前記第3の面を介して前記第2の基板に組み込まれていることを特徴とするエバポレータ用基板。 - フラッシュメモリを有するカード型記憶媒体が着脱可能なスロットと、前記記録媒体側又は電子機器装置側に配置されたドライバと、前記ドライバを冷却する冷却装置とを有する電子機器装置であって、
前記冷却装置は、
第1の面と、前記第1の面に形成され、液相路、気相路、蒸発部及び低温部を構成し酸化第一銅からなる第1の溝と、前記第1の溝の前記液相路及び前記気相路に形成されたダイヤモンド状炭素膜とを有する第1の基板と、
前記第1の基板に接合される側に設けられた第2の面と、前記第2の面とは反対側に設けられた第3の面とを有する第2の基板と、
酸化第一銅からなる第2の溝を有し、前記第2の溝が前記蒸発部に連通するように前記第3の面を介して前記第2の基板に組み込まれたエバポレータ用基板と
を有することを特徴とする電子機器装置。 - 第1の基板の第1の面に、液相路、気相路、蒸発部及び低温部を構成する第1の溝を形成する工程と、
前記第1の溝を酸化第一銅に改質する工程と、
前記酸化第一銅に改質された前記第1の溝の前記気相路に、ダイヤモンド状炭素膜を形成する工程と、
前記第1の基板の前記第1の面側に、第2の基板の第2の面を接合することにより、前記第1の基板と前記第2の基板とを接合する工程と、
銅からなるエバポレータ用基板に第2の溝を形成する工程と、
前記第2の溝を酸化第一銅に改質する工程と、
前記第2の溝が前記蒸発部に連通するように、前記第2の基板の前記第2の面とは反対側に設けられた当該第2の基板の第3の面を介して、前記エバポレータ用基板を前記第2の基板に組み込む工程と
を具備することを特徴とする冷却装置の製造方法。 - 請求項9に記載の冷却装置の製造方法において、
前記改質工程は、酸素イオン注入により行うことを特徴とする冷却装置の製造方法。 - 請求項10に記載の冷却装置の製造方法において、
前記酸素イオン注入をプラズマベースイオンインプランテーション法により行うことを特徴とする冷却装置の製造方法。 - 請求項9に記載の冷却装置の製造方法において、
前記ダイヤモンド状炭素膜の形成をプラズマベースイオンインプランテーション法により行うことを特徴とする冷却装置の製造方法。
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