JP2004022682A - 液体流通構造体、冷却装置、電子機器装置及び多孔質アルミナの製造方法。 - Google Patents
液体流通構造体、冷却装置、電子機器装置及び多孔質アルミナの製造方法。 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】小型薄型化が可能で、かつ、冷却性能が高い液体流通構造体、冷却装置、電子機器装置及び液体流通構造体の製造方法を提供すること。
【解決手段】冷却装置1のエバポレータ2には、液体を蒸発させる蒸発部21、多孔質アルミナからなり、液体を気化させつつ蒸発部21まで流通させるウイック25、コンデンサ3から輸送された液体を貯留する液溜まり部27とが設けられ、蒸発部21と液溜まり部27は、ウイック25を介して接合する構成となっている。
【選択図】 図2
【解決手段】冷却装置1のエバポレータ2には、液体を蒸発させる蒸発部21、多孔質アルミナからなり、液体を気化させつつ蒸発部21まで流通させるウイック25、コンデンサ3から輸送された液体を貯留する液溜まり部27とが設けられ、蒸発部21と液溜まり部27は、ウイック25を介して接合する構成となっている。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばヒートパイプ等の熱輸送デバイスに用いられる液体流通構造体、そのような液体流通構造体を有する熱輸送デバイス等の冷却装置、そのような冷却装置を搭載する電子機器装置及び多孔質アルミナの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ヒートパイプとは、管の内壁に毛細管構造を持たせた金属製パイプであり、内部は真空で、少量の水もしくは代替フロンなどが封入されている。ヒートパイプの一端を熱源に接触させて加熱すると、内部の液体が蒸発して気化し、このとき潜熱(気化熱)として、熱が取り込まれる。そして、低温部へ高速に(ほぼ音速で)移動し、そこで、冷やされてまた液体に戻り、熱を放出する(凝縮潜熱による熱放出)。液体は毛細管構造を通って(もしくは重力によって)元の場所へ戻るので、連続的に効率よく熱を移動させることができる。
【0003】
ここで、液体を効率良く気化させるために、ヒートパイプには多数の孔から毛細管力により液体を蒸発器に移動して気化させるウイックというデバイスが設けられている。
【0004】
例えば特開平11−108572号公報には、多孔質焼結金属体やガラス繊維からなるウイックが開示されている。また、公知の文献(SPIE:Conference on Microfluidic Devices and Systems(1998 pp154〜162)参照)には、シリコンからなる基板を陽極酸化法により酸化させて多数の微細孔を設けたウイックが開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者等は、ノートパソコンやデジタルカメラ等の電子機器装置にこのようなヒートパイプの原理を用いた冷却装置を搭載することを提唱している。これらの電子機器装置では、中央演算処理部(CPU)の性能の向上や記憶媒体の容量の増大化等により、CPUや記憶媒体のドライバが発する熱量は増加の一途を辿り、機器の動作不安定や動作不良の原因になっており、より強力な冷却手段が求められているからである。
【0006】
しかしながら、多孔質焼結金属体やガラス繊維からなるウイックを用いた冷却装置では小型薄型化に限界があり、ノートパソコンやデジタルカメラ等の機器に搭載する冷却装置としては適当でない、という問題がある。
【0007】
一方、酸化シリコンからなるウイックでは、深さ方向に対する孔径のばらつきが大きいため、十分な冷却性能が得られなかったり、冷却性能が不安定である、という問題がある。
【0008】
本発明は、上記事情に基づきなされたものであり、小型薄型化が可能であり、しかも安定して所望の流体/気体を流通させることができる液体流通構造体及び多孔質アルミナの製造方法を提供することを目的としている。
【0009】
本発明は、小型薄型化が可能であり、しかも所望の冷却性能を十分にかつ安定して得ることが可能な冷却装置及び電子機器装置を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明の第1の観点に係る液体流通構造体は、毛細管力により液体を流通させる流路として多数の孔を有する構造体であって、多孔質アルミナを用いたことを特徴とするものである。
【0011】
本発明では、液体流通構造体として多孔質アルミナを用いたので、小型薄型化が可能である。しかも、本発明者等の考察によると、多孔質アルミナは、例えば陽極酸化法により深さ方向に対する孔径のばらつきが小さく、また規則的に配列された多数の孔を得ることができるので、これらの孔を介して安定して所望の流体/気体を流通させることができる。
【0012】
上記流路を、熱輸送デバイスにおける流路の一部、例えばウイックを構成するようにすることが本発明における好ましい適用例である。
【0013】
多孔質アルミナは熱伝導性が優れているからである。
【0014】
多孔質アルミナにおける各孔を陽極酸化法により形成することが好ましい。
【0015】
上記したように、深さ方向に対する孔径のばらつきが小さく、また規則的に配列された多数の孔を得ることができるからである。
【0016】
そして、孔の直径は、10nm以上で500nm以下であることがより好ましい。孔の直径が10nmより小さいと所望の流体/気体を流通させることができなくなり、500nmより大きいと毛細管力により液体を流通させることができなくなるからである。
【0017】
本発明は、多孔質アルミナが、酸化されない酸化回避領域を有することを特徴とする。
【0018】
これにより、多孔質アルミナに導電性の領域を残存させることが可能となる。そして、このような導電性の領域を用いて例えば熱伝対を構成することが可能である。このように構成された熱伝対を用いて多孔質アルミナを含んだ例えば冷却装置の温度を計測することが可能である。計測された温度に応じて、冷却装置が冷却する機器、例えばパソコンの中央処理装置におけるクロック数を制御したり、ヒートパイプを構成するリーザーバの液体保持量を制御したりすることが可能である。
【0019】
このような酸化回避領域は、アルミニウムシートにおける酸化回避領域に相当する領域をマスクで覆い、マスクで覆われたアルミニウムシートを陽極酸化法により酸化することで効率よく形成することが可能である。
【0020】
本発明の別の観点に係る冷却装置は、液溜部と、蒸発器と、前記液溜部と前記蒸発器との間に介在され、多孔質アルミナからなるウイックとを具備することを特徴とする。
【0021】
これにより、小型薄型化が可能であり、しかも所望の冷却性能を十分にかつ安定して得ることが可能となる。
【0022】
本発明に係る冷却装置は、電子機器装置における例えば中央演算処理部やフラッシュメモリとドライバとを有するカード型の記憶装置におけるドライバ等の冷却手段として用いることが可能である。
【0023】
これにより、電子機器装置等の小型薄型化が可能であり、しかも所望の冷却性能を十分にかつ安定して得ることが可能となる。
【0024】
本発明の更に別の観点に係る多孔質アルミナの製造方法は、アルミニウムシートにおける酸化回避領域に相当する領域をマスクで覆う工程と、前記マスクで覆われたアルミニウムシートを陽極酸化法により酸化させる工程とを具備することを特徴とする。
【0025】
これにより、導電性の領域を有する多孔質アルミナを効率よく製造することが可能である。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
【0027】
(冷却装置の基本構成)
図1は本発明の一実施形態に係る、冷却装置の構成を模式的に示す模式図である。図2は冷却装置に用いられるエバポレータの構成を示す拡大断面図である。
【0028】
図1に示すように、冷却装置1では装置内に封入された液体を気化するエバポレータ2とエバポレータ2で気化した蒸気を凝縮して再び液化するコンデンサ3とが、それぞれ凝縮された液体を輸送する液相路4及び液体が気化することにより生じた気体を輸送する気相路5により相互に接続される構成となっている。
【0029】
また、図2に示すように、エバポレータ2には、液体を蒸発させる蒸発器21、液体を蒸発器まで流通させるウイック25、コンデンサから輸送されてきた液体を貯留する液溜まり部27とが設けられ、蒸発器21と液溜まり部27は、ウイック25を介して接合する構成となっている。
【0030】
蒸発器21は例えば基板としてシリコン又はニッケルや銅等の金属等を用いることができるが、ここではシリコンを用いている。
【0031】
蒸発器21には、溝が縦横に複数設けられており、溝の凸部22とウイック25とがポリベンズイミダゾール(PBI)、ポリイミド(PI)等の耐熱性接着剤により接合するようになっている。また、蒸発器21の一端は、気化後の蒸気をコンデンサ3に輸送するための気相路4と接続部23で接続されている。
【0032】
ウイック25は多孔質アルミナシートを所定の形状に切り出したものを用いており、該アルミナシートは、アルミニウムシートを通常の陽極酸化法(例えばJpn.J.Appl.Phys.Vol.37(1988)pp.L1340−1342を参照)を用いて酸化、形成されている。陽極酸化法を用いることにより、形状が同一で自己整合性を有する規則正しい格子状の配列の孔を一度の処理で多数得ることができ、均一且つ安定した毛細管力を得ることができる。
【0033】
液溜まり部27は、例えばガラス基板を用いて、フッ化水素によりウエットエッチングを行い液溜まりを形成している。また、この液溜まり部27の一端の、蒸発器の気相路との接続部23側には、コンデンサ3において凝縮された液体を輸送する液相路5との接続部28が設けられている。このようにして形成された液溜まり部27は、耐熱性接着剤によりウイック25と接合されるようになっている。
【0034】
コンデンサ3はニッケルや銅等の金属若しくはシリコンを用いることができ、ここでは例えば銅を用いている。
【0035】
以下、冷却装置1における液体/気体の循環の様子を図1を用いて便宜的に液相路5を始点として説明する。
【0036】
まず、液体が液相路5からエバポレータ2へ流入する。流入した液体は液溜まり部27に貯留され、毛細管力によりウイック25の各孔を流通する。ここで、蒸発器21上部は加熱されているため、その熱は熱伝導性の高いウイック25へと伝わり、液体がウイック25から蒸発器21を流通する過程で気化されて蒸気となり、気相路4を介してコンデンサ3へ輸送される。コンデンサ3内部へ流入した蒸気は、ここで熱を奪われて冷却され、液体に戻り、再び液相路5を介してウイックエバポレータ2へ輸送される。尚、コンデンサ3で奪われた熱は、コンデンサ外部に設けられている放熱フィン(図示せず)により、例えばエバポレータ2の外に設けられているヒートシンク(図示せず)に放出されるようになっている。
【0037】
このような構成により、エバポレータ2において、毛細管力が高く、熱伝導性もある多孔質アルミナからなるウイック25を用いていることにより、液体の気化量も向上し、それにより冷却装置1の冷却能力も向上することができる。また、ウイック25をアルミナとしたことで、薄型軽量化を図ることができる。
【0038】
(冷却装置の応用構成)
図3は、本発明に係る冷却装置1の具体的な装置の一例を示す図である。
【0039】
この装置では、液相路4及び気相路5をフレキシブル基板6の中に設け、柔軟性を有する構成としているため、小型薄型化できるのみならず、様々な形状の機器に対応して配置することが可能となる。これにより、一層の機器の小型薄型化を促進することができる。
【0040】
(液体流通構造体の製造方法)
次にウイックとして用いられる液体流通構造の製造方法について説明する。
【0041】
本実施形態では通常の陽極酸化法を用いて、アルミニウムシートを酸化することにより液体流通構造体を作製する。
【0042】
陽極酸化の方法としては、一般に用いられている様々な方法を用いることができるが、例えばJpn.J.Appl.Phys.Vol.37(1988)pp.L1340−1342に示されるような方法を用いることが好ましい。以下、製造方法の工程を図4に基づき説明する。図4は一般的な多孔質アルミナシートの陽極酸化方法の工程図である。
【0043】
純度99.999%のアルミニウムシート(厚さ0.1mm)を、0℃に維持したリン酸液中に浸漬する(ステップ401)。
【0044】
次いで、通電し、陽極酸化することにより穴を多数形成する(ステップ402)。通常、アルミニウムシートを陽極酸化すると、通常底部にはアルミニウム領域が残存するため、陽極酸化後に塩化水銀等によるエッチングで除去を行い(ステップ403)、そして底部のアルミニウム領域とアルミナ領域との間に介在するバリア層と呼ばれるアルミナ部分をリン酸等でエッチングして除去することにより、貫通孔とすることができる(ステップ404)。
【0045】
以上の方法で得られた液体流通構造体は、規則性があり同形の孔を多数有するため、本発明の冷却装置においてウイックとして好適に用いることができる。また、適宜処理条件を変えることにより、アルミニウム領域を部分的に残す等、様々な形状とすることができる。
【0046】
このようにして得られたウイックの形状の例を図5に示す。図5は陽極酸化により得られた各ウイックの形状を示す断面図である。図5(a)は上述の通りに作製した標準形態のウイックの断面図であり、(c)、(b)はそれぞれ部分的にアルミ領域を残した構成としたウイックである。(c)、(b)では、予め、アルミニウムを残存させたい部分(酸化回避領域)にマスクをし、その後陽極酸化を行うことにより、所定領域をアルミニウム領域とした多孔質アルミナを作製することができるようになっている。
【0047】
ここで、例として図5(b)に示す形状の液体流通構造体の作製工程を図を用いて説明する。図6はアルミニウム領域を残存させるための陽極酸化工程の工程図である。
【0048】
まず、純度99.999%のアルミニウムシート(厚さ0.2mm)に、プラズマCVD法で、温度を300℃としてSiNx膜を100nm成膜し、レジスト膜とする(ステップ601)。次いで、フォトリソグラフィー法によりレジストのパターニングを行い(ステップ602)、CF4ガスを用いてRIE(Reactive Ion Etching)により、SiNx膜のエッチングを行い、所定形状のマスクとした(ステップ603)。
【0049】
次に、このアルミニウムシートを0℃に保持したリン酸中で陽極酸化し、穴径約0.5μmの多孔質アルミナを得た(ステップ604)。この際、SiNx膜でマスクされた部分は酸化が進まず、アルミニウム領域として残った。続いて、RIEでSiNxマスクを除去し(ステップ605)、下方のアルミニウムを薄く塩化水銀でエッチングし、更にバリア層と呼ばれる最下層のアルミナをリン酸でエッチングすることにより貫通孔を得た(ステップ606)。
【0050】
このようにして得られた多孔質アルミナは、図5(b)に示すように、約0.5μmの径で、規則的に配列した開口部を有する多孔質アルミナの中に、深さ方向にアルミニウムが残っている構造となっている。
【0051】
また、図5(c)の形状は、純度99.999%のアルミニウムシート(厚さ0.2mm)を用いて、図5(a)に示す通常の方法により得られたアルミナシートから、底部アルミニウムを残したい部分に上述の方法でマスクを形成し、その後マスクで覆った部分以外のアルミニウムを塩化水銀エッチングで除去後、バリア層のアルミナをエッチングで除去することにより、得ることができる。このようにして得られた構造は、所定配列の貫通孔を得られるばかりでなく、一方の面の所定の領域にアルミニウムを残存させることが可能となり、通電性を有する領域を設けることができる。
【0052】
上記ウイックの例として、アルミニウム領域を有するウイックを用いた冷却装置100の構成を図7、8に示す。図7はウイック205の全体構成を示す断面図である。図8は、(a)はウイック205と蒸発器201が接合する面の構成を示す図であり、(b)はウイック205と液溜まり部207とが接合する面の構成を示す図である。基本的な構成は、上述した冷却装置1と同じであるが、本形態においてはアルミニウム領域を残存させて配線とし、外部装置から電気を通電することが可能である。
【0053】
ウイック205には、図8(a)に示すように、流路の間にはアルミニウム領域215が設けられており、図8(b)に示すように液溜まり部207と接合している面205bには、アルミニウム領域(アルミニウム配線)225が設けられている。これら領域215、225は絶縁膜により被覆されて蒸気から保護されるようになっている。また、蒸発器201と接合する面205aでは、絶縁膜にコンタクトホールを設けて、白金と10%ルテニウム合金の薄膜ラインを形成し、熱電対としている。この熱電対で生じた電圧は、アルミニウム領域215を介し、アルミニウム領域225に伝わり、該アルミニウム領域225と接続し、図7に示す外部に設けられた測定装置70まで送られる構成となっている。これにより、エバポレータ200内部の温度をモニターすることが可能となり、適切な温度を維持することにより作動液のドライアウトを防止することができる。また、蒸発器201に面する205aの面よりも温度が低い205b側に配線を設けることで蒸気に直接曝されることもなく、安定して通電することができる。
【0054】
また、上述した例以外にも、例えば流路内に駆動素子を設けて、液体の流通を能動的に行う構成とした場合、アルミニウム領域を配線として外部の電力供給手段から電力を供給する等、ウイックに様々な付加機能を付与することも可能である。なお、図5(b)、(c)に示す形状は、上述の通り組み合わせて用いても良く、各用途に応じてそれぞれを用いる構成とすることも可能である。
【0055】
このように、部分的にアルミニウム領域を保持した多孔質アルミナを冷却装置に用いることにより、従来以上の機能を付加した高機能の装置を実現することができる。
【0056】
(電子機器装置)
図9は本発明に係る冷却装置が搭載されたパソコンの概略斜視図である。
【0057】
パソコン900には中央演算処理部(Central ProcessingUnit、CPU)901と、フラッシュメモリ902及びドライバ903を有する記録媒体904を着脱するためのスロット905とが設けられている。ここで、本発明に係る冷却装置1はCPU901に近接して、例えばCPU901の直下にエバポレータ2が位置するように配置されている。また、スロット905を介して装着された記録媒体904のたとえばドライバ903の直下にエバポレータ2が位置するように配置されても良い。
【0058】
このような構成において、熱の輸送状況を赤外線計測器で温度変化から測定したところ、エバポレータ2が60℃の時には、20Wの熱輸送ができた。このように、冷却装置1を小型機器に用いることにより効率良く冷却することができる。
【0059】
なお、ここでは、電子機器装置としてパソコンを例にとり説明したが、本発明に係る冷却装置はディジタルカメラやビデオカメラ等の他の電子機器装置にも搭載することが可能である。
【0060】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、小型薄型化が可能で冷却性能が高い液体流通構造体、冷却装置、電子機器装置及び液体流通構造体の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る冷却装置の冷却装置の構成を模式的に示す模式図である。
【図2】本発明に係る冷却装置に用いられる蒸発器の構成を示す拡大断面図である。
【図3】本発明に係る冷却装置の具体的形態の一例を示す図である。
【図4】本発明に係る液体流通構造体の製造方法を示す工程図である。
【図5】本発明に係る液体流通構造体の形状を例示する図である。
【図6】本発明に係る液体流通構造体のその他の製造頬の工程を示す工程図である。
【図7】本発明に係る冷却装置のその他の形態を示す図である。
【図8】本発明に係る冷却装置に用いられるウイックの上下面の構成を示す図である。
【図9】本発明に係る電子機器装置の概略斜視図である。
【符号の説明】
1…冷却装置
2…エバポレータ
3…コンデンサ
4…気相路
5…液相路
21、201…蒸発器
25、205…ウイック
27、207…液溜まり部
215、225…アルミニウム領域
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばヒートパイプ等の熱輸送デバイスに用いられる液体流通構造体、そのような液体流通構造体を有する熱輸送デバイス等の冷却装置、そのような冷却装置を搭載する電子機器装置及び多孔質アルミナの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ヒートパイプとは、管の内壁に毛細管構造を持たせた金属製パイプであり、内部は真空で、少量の水もしくは代替フロンなどが封入されている。ヒートパイプの一端を熱源に接触させて加熱すると、内部の液体が蒸発して気化し、このとき潜熱(気化熱)として、熱が取り込まれる。そして、低温部へ高速に(ほぼ音速で)移動し、そこで、冷やされてまた液体に戻り、熱を放出する(凝縮潜熱による熱放出)。液体は毛細管構造を通って(もしくは重力によって)元の場所へ戻るので、連続的に効率よく熱を移動させることができる。
【0003】
ここで、液体を効率良く気化させるために、ヒートパイプには多数の孔から毛細管力により液体を蒸発器に移動して気化させるウイックというデバイスが設けられている。
【0004】
例えば特開平11−108572号公報には、多孔質焼結金属体やガラス繊維からなるウイックが開示されている。また、公知の文献(SPIE:Conference on Microfluidic Devices and Systems(1998 pp154〜162)参照)には、シリコンからなる基板を陽極酸化法により酸化させて多数の微細孔を設けたウイックが開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者等は、ノートパソコンやデジタルカメラ等の電子機器装置にこのようなヒートパイプの原理を用いた冷却装置を搭載することを提唱している。これらの電子機器装置では、中央演算処理部(CPU)の性能の向上や記憶媒体の容量の増大化等により、CPUや記憶媒体のドライバが発する熱量は増加の一途を辿り、機器の動作不安定や動作不良の原因になっており、より強力な冷却手段が求められているからである。
【0006】
しかしながら、多孔質焼結金属体やガラス繊維からなるウイックを用いた冷却装置では小型薄型化に限界があり、ノートパソコンやデジタルカメラ等の機器に搭載する冷却装置としては適当でない、という問題がある。
【0007】
一方、酸化シリコンからなるウイックでは、深さ方向に対する孔径のばらつきが大きいため、十分な冷却性能が得られなかったり、冷却性能が不安定である、という問題がある。
【0008】
本発明は、上記事情に基づきなされたものであり、小型薄型化が可能であり、しかも安定して所望の流体/気体を流通させることができる液体流通構造体及び多孔質アルミナの製造方法を提供することを目的としている。
【0009】
本発明は、小型薄型化が可能であり、しかも所望の冷却性能を十分にかつ安定して得ることが可能な冷却装置及び電子機器装置を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明の第1の観点に係る液体流通構造体は、毛細管力により液体を流通させる流路として多数の孔を有する構造体であって、多孔質アルミナを用いたことを特徴とするものである。
【0011】
本発明では、液体流通構造体として多孔質アルミナを用いたので、小型薄型化が可能である。しかも、本発明者等の考察によると、多孔質アルミナは、例えば陽極酸化法により深さ方向に対する孔径のばらつきが小さく、また規則的に配列された多数の孔を得ることができるので、これらの孔を介して安定して所望の流体/気体を流通させることができる。
【0012】
上記流路を、熱輸送デバイスにおける流路の一部、例えばウイックを構成するようにすることが本発明における好ましい適用例である。
【0013】
多孔質アルミナは熱伝導性が優れているからである。
【0014】
多孔質アルミナにおける各孔を陽極酸化法により形成することが好ましい。
【0015】
上記したように、深さ方向に対する孔径のばらつきが小さく、また規則的に配列された多数の孔を得ることができるからである。
【0016】
そして、孔の直径は、10nm以上で500nm以下であることがより好ましい。孔の直径が10nmより小さいと所望の流体/気体を流通させることができなくなり、500nmより大きいと毛細管力により液体を流通させることができなくなるからである。
【0017】
本発明は、多孔質アルミナが、酸化されない酸化回避領域を有することを特徴とする。
【0018】
これにより、多孔質アルミナに導電性の領域を残存させることが可能となる。そして、このような導電性の領域を用いて例えば熱伝対を構成することが可能である。このように構成された熱伝対を用いて多孔質アルミナを含んだ例えば冷却装置の温度を計測することが可能である。計測された温度に応じて、冷却装置が冷却する機器、例えばパソコンの中央処理装置におけるクロック数を制御したり、ヒートパイプを構成するリーザーバの液体保持量を制御したりすることが可能である。
【0019】
このような酸化回避領域は、アルミニウムシートにおける酸化回避領域に相当する領域をマスクで覆い、マスクで覆われたアルミニウムシートを陽極酸化法により酸化することで効率よく形成することが可能である。
【0020】
本発明の別の観点に係る冷却装置は、液溜部と、蒸発器と、前記液溜部と前記蒸発器との間に介在され、多孔質アルミナからなるウイックとを具備することを特徴とする。
【0021】
これにより、小型薄型化が可能であり、しかも所望の冷却性能を十分にかつ安定して得ることが可能となる。
【0022】
本発明に係る冷却装置は、電子機器装置における例えば中央演算処理部やフラッシュメモリとドライバとを有するカード型の記憶装置におけるドライバ等の冷却手段として用いることが可能である。
【0023】
これにより、電子機器装置等の小型薄型化が可能であり、しかも所望の冷却性能を十分にかつ安定して得ることが可能となる。
【0024】
本発明の更に別の観点に係る多孔質アルミナの製造方法は、アルミニウムシートにおける酸化回避領域に相当する領域をマスクで覆う工程と、前記マスクで覆われたアルミニウムシートを陽極酸化法により酸化させる工程とを具備することを特徴とする。
【0025】
これにより、導電性の領域を有する多孔質アルミナを効率よく製造することが可能である。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
【0027】
(冷却装置の基本構成)
図1は本発明の一実施形態に係る、冷却装置の構成を模式的に示す模式図である。図2は冷却装置に用いられるエバポレータの構成を示す拡大断面図である。
【0028】
図1に示すように、冷却装置1では装置内に封入された液体を気化するエバポレータ2とエバポレータ2で気化した蒸気を凝縮して再び液化するコンデンサ3とが、それぞれ凝縮された液体を輸送する液相路4及び液体が気化することにより生じた気体を輸送する気相路5により相互に接続される構成となっている。
【0029】
また、図2に示すように、エバポレータ2には、液体を蒸発させる蒸発器21、液体を蒸発器まで流通させるウイック25、コンデンサから輸送されてきた液体を貯留する液溜まり部27とが設けられ、蒸発器21と液溜まり部27は、ウイック25を介して接合する構成となっている。
【0030】
蒸発器21は例えば基板としてシリコン又はニッケルや銅等の金属等を用いることができるが、ここではシリコンを用いている。
【0031】
蒸発器21には、溝が縦横に複数設けられており、溝の凸部22とウイック25とがポリベンズイミダゾール(PBI)、ポリイミド(PI)等の耐熱性接着剤により接合するようになっている。また、蒸発器21の一端は、気化後の蒸気をコンデンサ3に輸送するための気相路4と接続部23で接続されている。
【0032】
ウイック25は多孔質アルミナシートを所定の形状に切り出したものを用いており、該アルミナシートは、アルミニウムシートを通常の陽極酸化法(例えばJpn.J.Appl.Phys.Vol.37(1988)pp.L1340−1342を参照)を用いて酸化、形成されている。陽極酸化法を用いることにより、形状が同一で自己整合性を有する規則正しい格子状の配列の孔を一度の処理で多数得ることができ、均一且つ安定した毛細管力を得ることができる。
【0033】
液溜まり部27は、例えばガラス基板を用いて、フッ化水素によりウエットエッチングを行い液溜まりを形成している。また、この液溜まり部27の一端の、蒸発器の気相路との接続部23側には、コンデンサ3において凝縮された液体を輸送する液相路5との接続部28が設けられている。このようにして形成された液溜まり部27は、耐熱性接着剤によりウイック25と接合されるようになっている。
【0034】
コンデンサ3はニッケルや銅等の金属若しくはシリコンを用いることができ、ここでは例えば銅を用いている。
【0035】
以下、冷却装置1における液体/気体の循環の様子を図1を用いて便宜的に液相路5を始点として説明する。
【0036】
まず、液体が液相路5からエバポレータ2へ流入する。流入した液体は液溜まり部27に貯留され、毛細管力によりウイック25の各孔を流通する。ここで、蒸発器21上部は加熱されているため、その熱は熱伝導性の高いウイック25へと伝わり、液体がウイック25から蒸発器21を流通する過程で気化されて蒸気となり、気相路4を介してコンデンサ3へ輸送される。コンデンサ3内部へ流入した蒸気は、ここで熱を奪われて冷却され、液体に戻り、再び液相路5を介してウイックエバポレータ2へ輸送される。尚、コンデンサ3で奪われた熱は、コンデンサ外部に設けられている放熱フィン(図示せず)により、例えばエバポレータ2の外に設けられているヒートシンク(図示せず)に放出されるようになっている。
【0037】
このような構成により、エバポレータ2において、毛細管力が高く、熱伝導性もある多孔質アルミナからなるウイック25を用いていることにより、液体の気化量も向上し、それにより冷却装置1の冷却能力も向上することができる。また、ウイック25をアルミナとしたことで、薄型軽量化を図ることができる。
【0038】
(冷却装置の応用構成)
図3は、本発明に係る冷却装置1の具体的な装置の一例を示す図である。
【0039】
この装置では、液相路4及び気相路5をフレキシブル基板6の中に設け、柔軟性を有する構成としているため、小型薄型化できるのみならず、様々な形状の機器に対応して配置することが可能となる。これにより、一層の機器の小型薄型化を促進することができる。
【0040】
(液体流通構造体の製造方法)
次にウイックとして用いられる液体流通構造の製造方法について説明する。
【0041】
本実施形態では通常の陽極酸化法を用いて、アルミニウムシートを酸化することにより液体流通構造体を作製する。
【0042】
陽極酸化の方法としては、一般に用いられている様々な方法を用いることができるが、例えばJpn.J.Appl.Phys.Vol.37(1988)pp.L1340−1342に示されるような方法を用いることが好ましい。以下、製造方法の工程を図4に基づき説明する。図4は一般的な多孔質アルミナシートの陽極酸化方法の工程図である。
【0043】
純度99.999%のアルミニウムシート(厚さ0.1mm)を、0℃に維持したリン酸液中に浸漬する(ステップ401)。
【0044】
次いで、通電し、陽極酸化することにより穴を多数形成する(ステップ402)。通常、アルミニウムシートを陽極酸化すると、通常底部にはアルミニウム領域が残存するため、陽極酸化後に塩化水銀等によるエッチングで除去を行い(ステップ403)、そして底部のアルミニウム領域とアルミナ領域との間に介在するバリア層と呼ばれるアルミナ部分をリン酸等でエッチングして除去することにより、貫通孔とすることができる(ステップ404)。
【0045】
以上の方法で得られた液体流通構造体は、規則性があり同形の孔を多数有するため、本発明の冷却装置においてウイックとして好適に用いることができる。また、適宜処理条件を変えることにより、アルミニウム領域を部分的に残す等、様々な形状とすることができる。
【0046】
このようにして得られたウイックの形状の例を図5に示す。図5は陽極酸化により得られた各ウイックの形状を示す断面図である。図5(a)は上述の通りに作製した標準形態のウイックの断面図であり、(c)、(b)はそれぞれ部分的にアルミ領域を残した構成としたウイックである。(c)、(b)では、予め、アルミニウムを残存させたい部分(酸化回避領域)にマスクをし、その後陽極酸化を行うことにより、所定領域をアルミニウム領域とした多孔質アルミナを作製することができるようになっている。
【0047】
ここで、例として図5(b)に示す形状の液体流通構造体の作製工程を図を用いて説明する。図6はアルミニウム領域を残存させるための陽極酸化工程の工程図である。
【0048】
まず、純度99.999%のアルミニウムシート(厚さ0.2mm)に、プラズマCVD法で、温度を300℃としてSiNx膜を100nm成膜し、レジスト膜とする(ステップ601)。次いで、フォトリソグラフィー法によりレジストのパターニングを行い(ステップ602)、CF4ガスを用いてRIE(Reactive Ion Etching)により、SiNx膜のエッチングを行い、所定形状のマスクとした(ステップ603)。
【0049】
次に、このアルミニウムシートを0℃に保持したリン酸中で陽極酸化し、穴径約0.5μmの多孔質アルミナを得た(ステップ604)。この際、SiNx膜でマスクされた部分は酸化が進まず、アルミニウム領域として残った。続いて、RIEでSiNxマスクを除去し(ステップ605)、下方のアルミニウムを薄く塩化水銀でエッチングし、更にバリア層と呼ばれる最下層のアルミナをリン酸でエッチングすることにより貫通孔を得た(ステップ606)。
【0050】
このようにして得られた多孔質アルミナは、図5(b)に示すように、約0.5μmの径で、規則的に配列した開口部を有する多孔質アルミナの中に、深さ方向にアルミニウムが残っている構造となっている。
【0051】
また、図5(c)の形状は、純度99.999%のアルミニウムシート(厚さ0.2mm)を用いて、図5(a)に示す通常の方法により得られたアルミナシートから、底部アルミニウムを残したい部分に上述の方法でマスクを形成し、その後マスクで覆った部分以外のアルミニウムを塩化水銀エッチングで除去後、バリア層のアルミナをエッチングで除去することにより、得ることができる。このようにして得られた構造は、所定配列の貫通孔を得られるばかりでなく、一方の面の所定の領域にアルミニウムを残存させることが可能となり、通電性を有する領域を設けることができる。
【0052】
上記ウイックの例として、アルミニウム領域を有するウイックを用いた冷却装置100の構成を図7、8に示す。図7はウイック205の全体構成を示す断面図である。図8は、(a)はウイック205と蒸発器201が接合する面の構成を示す図であり、(b)はウイック205と液溜まり部207とが接合する面の構成を示す図である。基本的な構成は、上述した冷却装置1と同じであるが、本形態においてはアルミニウム領域を残存させて配線とし、外部装置から電気を通電することが可能である。
【0053】
ウイック205には、図8(a)に示すように、流路の間にはアルミニウム領域215が設けられており、図8(b)に示すように液溜まり部207と接合している面205bには、アルミニウム領域(アルミニウム配線)225が設けられている。これら領域215、225は絶縁膜により被覆されて蒸気から保護されるようになっている。また、蒸発器201と接合する面205aでは、絶縁膜にコンタクトホールを設けて、白金と10%ルテニウム合金の薄膜ラインを形成し、熱電対としている。この熱電対で生じた電圧は、アルミニウム領域215を介し、アルミニウム領域225に伝わり、該アルミニウム領域225と接続し、図7に示す外部に設けられた測定装置70まで送られる構成となっている。これにより、エバポレータ200内部の温度をモニターすることが可能となり、適切な温度を維持することにより作動液のドライアウトを防止することができる。また、蒸発器201に面する205aの面よりも温度が低い205b側に配線を設けることで蒸気に直接曝されることもなく、安定して通電することができる。
【0054】
また、上述した例以外にも、例えば流路内に駆動素子を設けて、液体の流通を能動的に行う構成とした場合、アルミニウム領域を配線として外部の電力供給手段から電力を供給する等、ウイックに様々な付加機能を付与することも可能である。なお、図5(b)、(c)に示す形状は、上述の通り組み合わせて用いても良く、各用途に応じてそれぞれを用いる構成とすることも可能である。
【0055】
このように、部分的にアルミニウム領域を保持した多孔質アルミナを冷却装置に用いることにより、従来以上の機能を付加した高機能の装置を実現することができる。
【0056】
(電子機器装置)
図9は本発明に係る冷却装置が搭載されたパソコンの概略斜視図である。
【0057】
パソコン900には中央演算処理部(Central ProcessingUnit、CPU)901と、フラッシュメモリ902及びドライバ903を有する記録媒体904を着脱するためのスロット905とが設けられている。ここで、本発明に係る冷却装置1はCPU901に近接して、例えばCPU901の直下にエバポレータ2が位置するように配置されている。また、スロット905を介して装着された記録媒体904のたとえばドライバ903の直下にエバポレータ2が位置するように配置されても良い。
【0058】
このような構成において、熱の輸送状況を赤外線計測器で温度変化から測定したところ、エバポレータ2が60℃の時には、20Wの熱輸送ができた。このように、冷却装置1を小型機器に用いることにより効率良く冷却することができる。
【0059】
なお、ここでは、電子機器装置としてパソコンを例にとり説明したが、本発明に係る冷却装置はディジタルカメラやビデオカメラ等の他の電子機器装置にも搭載することが可能である。
【0060】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、小型薄型化が可能で冷却性能が高い液体流通構造体、冷却装置、電子機器装置及び液体流通構造体の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る冷却装置の冷却装置の構成を模式的に示す模式図である。
【図2】本発明に係る冷却装置に用いられる蒸発器の構成を示す拡大断面図である。
【図3】本発明に係る冷却装置の具体的形態の一例を示す図である。
【図4】本発明に係る液体流通構造体の製造方法を示す工程図である。
【図5】本発明に係る液体流通構造体の形状を例示する図である。
【図6】本発明に係る液体流通構造体のその他の製造頬の工程を示す工程図である。
【図7】本発明に係る冷却装置のその他の形態を示す図である。
【図8】本発明に係る冷却装置に用いられるウイックの上下面の構成を示す図である。
【図9】本発明に係る電子機器装置の概略斜視図である。
【符号の説明】
1…冷却装置
2…エバポレータ
3…コンデンサ
4…気相路
5…液相路
21、201…蒸発器
25、205…ウイック
27、207…液溜まり部
215、225…アルミニウム領域
Claims (10)
- 毛細管力により液体を流通させる流路として多数の孔を有する構造体であって、多孔質アルミナを用いたことを特徴とする液体流通構造体。
- 前記流路が、熱輸送デバイスにおける流路の一部を構成していることを特徴とする請求項1に記載の液体流通構造体。
- 前記多孔質アルミナにおける各孔は、陽極酸化法により形成されていることを特徴とする請求項1に記載の液体流通構造体。
- 前記孔の直径は、10nm以上で500nm以下であることを特徴とする請求項3に記載の液体流通構造体。
- 前記多孔質アルミナは、酸化されない酸化回避領域を有することを特徴とする請求項3に記載の液体流通構造体。
- アルミニウムシートにおける酸化回避領域に相当する領域をマスクで覆い、
前記マスクで覆われたアルミニウムシートを陽極酸化法により酸化する
ことによって形成されていることを特徴とする請求項5に記載の液体流通構造体。 - 液溜部と、
蒸発器と、
前記液溜部と前記蒸発器との間に介在され、多孔質アルミナからなるウイックと
を具備することを特徴とする冷却装置。 - 中央演算処理部と、
前記中央演算処理部に近接して配置され、液溜部と、蒸発器と、前記液溜部と前記蒸発器との間に介在され、多孔質アルミナからなるウイックとを具備する冷却装置と
を具備することを特徴とする電子機器装置。 - フラッシュメモリとドライバとを有するカード型の記憶装置が着脱可能なスロットを有する電子機器装置であって、
前記スロットに近接するように配置された冷却装置を有し、
前記冷却装置は、液溜部と、蒸発器と、前記液溜部と前記蒸発器との間に介在され、多孔質アルミナからなるウイックとを具備することを特徴とする電子機器装置。 - アルミニウムシートにおける酸化回避領域に相当する領域をマスクで覆う工程と、
前記マスクで覆われたアルミニウムシートを陽極酸化法により酸化させる工程と
を具備することを特徴とする多孔質アルミナの製造方法。
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