JP3941568B2 - 開閉体の開閉制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両に形成された窓や乗降部等の開口に対して、その開口を開閉する窓ガラスやドア等を開閉させる開閉制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、車両には、パワー式(電動式)のウィンドレギュレータ、サンルーフ、スライドドア等が通常の装備として配設されている。これらのウィンド、サンルーフ、スライドドア等(開閉体)を電動式の駆動モータで開閉する場合、全閉位置近傍から全閉位置までの閉作動最終段階および、全閉位置から全閉位置近傍までの開作動初期段階においては、それ以外の作動と比較して、開閉に大きな駆動力(トルク)が必要となることがある。例えば、閉作動最終段階では、開閉体とウェザストリップ等のシールド材との干渉により、大きなトルクが必要となる場合がある。また、特にスライドドアにおいては、ドアがスライドするためのレールが、全閉位置近傍において湾曲する形状となっており、その湾曲部を移動するために大きなトルクが必要となる。また開作動初期段階では、寒冷時に開閉体が凍結することがあり、その凍結によって大きなトルクが必要となる場合がある。従って、開閉装置における駆動モータは、これらの全閉位置近傍における必要トルクを出力可能でなければならない。駆動モータがより大きなトルクを出力するための手段の一としては、駆動モータの出力側に減速ギアを配設してギア比を大きくすることがあげられる。その結果、駆動モータを大型化することなく必要トルクを確保することができる。しかしながら、この手段では、開閉体が全閉位置近傍以外の位置、即ち相対的に小さいトルクでも移動可能な位置を移動するときでも、必要以上にトルクを出力することとなる。そして、反面として、開閉体の移動速度が小さくなる。つまり、開閉作動の適正な移動を確保できないという不具合が生じる。次に、かかる問題を解決するため手段としては、例えば、特公平5−048371号公報に示される装置が開示されている。この装置は、駆動モータの出力側に複数の減速ギアを配設し、必要に応じてこれらの減速ギアの噛み合いを変更することにより減速比を変更して、出力トルクを変更するものである。しかしながら、この装置は、その減速比の変更のために減速ギアの構造が複雑化するという不具合があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、装置の構造を複雑化することなく、開閉体の開閉作動の適正な移動を確保することを技術的課題とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明にて講じられた技術的手段は、車両ボデーに対して移動することにより該車両ボデーに形成された開口を開閉する開閉体を制御する開閉制御装置であって、前記開閉体を相対的に高トルクで低速移動可能な低速モードと相対的に低トルクで高速移動可能な高速モードとに切替可能な駆動モータと、前記開閉体の前記車両ボデーに対する位置を検出する位置検出手段とを備え、前記開閉体が全開位置から全閉方向に移動する際、第1所定位置より開側の第2所定位置から前記第1所定位置に移動する間に、前記駆動モータへの負荷電圧をリニアに低下させ、前記開閉体が前記第1所定位置に到達した場合に、前記駆動モータの回転数を一定にして前記負荷電圧を元に戻す制御手段によって、前記駆動モータを前記高速モードから前記低速モードへモード切替えを行う構成としたことである。
【0005】
この構成では、駆動モータ自身が、高速モードと低速モードとに切替え可能となっている。よって、開閉体が相対的に大きなトルクを必要とすることなく移動可能な位置を移動する場合は、高速モードを選択することにより開閉体を高速で移動させることができる。そして、開閉体が、移動するために相対的に大きなトルクを必要とする場合は、低速モードに切替えることにより、必要トルクを確保することができる。そしてその切替えは制御手段が行い、装置の構造は簡易なものとなる。よって、装置の構造を複雑化することなく、開閉体の適正な移動を確保することができる。
【0006】
更に本構成では次の様な作用ももたらす。即ち、制御手段が、駆動モータを制御することによりモード切替前後の開閉体の移動速度を略同一としている。従って、モードが切替わった場合であっても、開閉体の挙動の乱れが無く、安全性および操作性の面において好適となっている。
【0007】
好ましくは、前記開閉体が前記第1所定位置より開側の第2所定位置から前記第1所定位置に移動する間に、前記制御手段が前記駆動モータへの負荷電圧を制御することにより、モード切替え前後の前記駆動モータの回転速度を略同一とすると良い。
【0008】
この構成では、開閉体が第2所定位置から第1所定位置へ移動する間に、電圧の制御という簡易な方法によって、モード切替前後の駆動モータの回転速度を制御し、その結果、開閉体の移動速度を制御することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
本実施の形態においては、開閉制御装置10として、スライドドア11(開閉体)(図1示)の移動を制御する装置を説明するが、他にウィンドレギュレータやサンルーフ等の装置を制御するために用いても良い。
【0010】
図1に基づいて、スライドドア11の構成について簡単に説明する。スライドドア11は車両ボデー(図示なし)に対して車両前後方向(図1示左右方向)に移動(スライド)することにより、車両ボデーの側面に形成された乗降口(開口)(図示なし)を開閉するものである。車両ボデーの側面には、乗降口の上下縁および乗降口より車両後方位置にて、車両前後方向に延在する3本のレール(アッパレール、ロアレール、センタレール)が配設される。図1にはその中のセンタレール12を示している。センタレール12は、車両前方向(図1示左方向)のB位置において、車両幅内側(図1示下側)に湾曲している。この湾曲は、スライドドア11の閉鎖時に、スライドドア11の後端(図1示右端)を車両幅内側に引き込むためのものである。センタレール12には、ガイドローラユニット13が配設されている。ガイドローラユニット13は、ブラケット13aおよびローラ13b、13c等からなる。ブラケット13aは、ローラ13bおよびローラ13cを介してセンタレール13に沿って車両前後方向に移動する。そして、ブラケット13aの一端(図1示上端)には、スライドドア11がブラケット13aに対して揺動自在に固定されている。以上より、スライドドア11は、車両ボデーに対して移動可能となっている。尚、スライドドア11は、アッパレール、ロアレールに対しても同様な構成にて連係されているが、詳細な説明は省略する。
【0011】
スライドドア11は、開閉制御装置10(図2示)によって、その移動が制御される。開閉制御装置10は、スライドドア11内に配設されるものであり、駆動源として、スライドドア11内に固定されたモータ14(駆動モータ)を備えている。尚、車両ボデーとスライドドア11内の間には、2本のワイヤ(図示なし)が配策されている。2本のワイヤは、それぞれの一端が車両ボデーの側面に対して車両前後方向に離れて固定されており、それぞれの他端はスライドドア11内に延在してモータ14に連係されている。そして、モータ14が駆動した場合には、2本のワイヤの一方が、他端側即ちスライドドア11内に引き込まれる様に移動すると共に、他方が、一端側即ちスライドドア11内から車両ボデー側方向に出される様に移動する。以上の構成により、スライドドア11は、モータ14の駆動によって移動する。
【0012】
図2に示す様に、開閉制御装置10は、モータ14以外に、回転センサ15(位置検出手段)、制御回路16(制御手段)、リレー17、電圧調整回路18およびバッテリ19を備えている。
【0013】
モータ14は、直流モータであって、コモンブラシ14a、高速ブラシ14b、低速ブラシ14cとを備えている。コモンブラシ14a、高速ブラシ14bおよび低速ブラシ14cは、コミンテータ14dと摺接する様に、かつコミンテータ14dの周方向の異なる位置に配設されている。コモンブラシ14aはバッテリ19の負極に接続されている。また、高速ブラシ14bおよび低速ブラシ14cは、それぞれ、リレー17中の高速端子17bおよび低速端子17cに接続されている。また、リレー17中の共通端子17aは、電圧調整回路18を介してバッテリ19の正極に接続されている。
【0014】
また、制御回路16は、リレー17と接続しており、リレー17中の高速端子17bと低速端子17cの切替えを制御する。高速端子17bと共通端子17aを導通させて高速ブラシ14bとコモンブラシ14a間を通電した場合、これらのブラシ14b、14a間に直列接続されたコイルの導体数は相対的に少なく設定されているため、モータ14は、相対的に低トルクで高速回転可能な高速モードとなる。逆に、低速端子17cと共通端子17aを導通させて低速ブラシ14cとコモンブラシ14a間を通電した場合は、これらのブラシ14c、14a間に直列接続されたコイルの導体数は相対的に多く設定されているため、モータ14は、相対的に高トルクで低速回転可能な低速モードとなる。即ち、制御回路16は、モータ14のモードを切替えることができる。更に制御回路16は、電圧調整回路18にも接続している。即ち、制御回路16は、電圧調整回路18を介して、モータ14への負荷電圧を制御する機能をも備えている。
【0015】
更に、回転センサ15がモータ14に付設されている。回転センサ15は、制御回路16に接続されており、回転センサ15からの信号が制御回路16に入力される構成となっている。回転センサ15は、その出力パルス数によって、スライドドア11の車両ボデーに対する位置を検出することができる。また、その出力パルス幅によって、モータ14の回転速度(単位時間あたりの回転数)、即ちスライドドア11の車両ボデーに対する移動速度を検出することもできる。尚、本実施の形態では、スライドドア11の移動速度をモータ14の回転数により検出しているが、直接、スライドドア11の位相の変位から移動速度を検出する構成としても良い。
【0016】
ここで開閉制御装置10による、スライドドア11の開閉作動を図3から図5を用いて説明する。
【0017】
まず、図3にて、スライドドア11が閉作動する場合の、各位置における負荷トルクを説明する。図3に示す様に、スライドドア11が全開位置から所定位置A(第1所定位置)までは、負荷トルクは一定となっている。そして所定位置Aより全閉方向に移動するに従って、B位置にて負荷トルクTは大きくなり、一端減少した後、全閉位置付近にて再び増加する。B位置における負荷トルクの増加は、図1においての、センタレール12のB位置における湾曲に由来するものである。更に、全閉位置付近での負荷トルクTの増加は、車両ボデーの開口部に配設されたウェザストリップ(図示なし)等に由来するものである。以上の様に、スライドドア11はA位置よりも全閉側においては、全開側より大きいトルクを必要としている。
【0018】
次に、図4に基づいて、スライドドア11の閉作動における制御回路16の処理フローを説明する。
【0019】
スライドドア11は、全開位置から、モータ14の駆動によって全閉方向へ移動を開始する。全閉位置から移動を開始した直後は、モータ14は高速モードに設定、即ち高速ブラシ14bへ通電されており、電圧は最大値Vm(例えば、12V)に設定される。この状態におけるモータ14の特性(出力トルクと、単位時間あたりの回転数(以下、単に回転数と称す)との関係)は、図6に示すXの様になっており、トルクT1、回転数N1の状態にてモータ14を駆動させる。この状態においてステップ50では、回転センサ15からの出力パルス数によってスライドドア11の車両ボデーに対する位置を読み取る。次にステップ51において、スライドドア11が、電圧制御を開始し始めるべき位置であるC位置(第2所定位置)(図3示)より全閉側か否かを判断する。C位置より全閉側でないと判断されたとき、即ちスライドドア11がC位置に到達していない場合はステップ56へ進み、高速ブラシ14bへの通電および電圧Vmを継続する。ステップ51において、スライドドア11がC位より全閉側であると判断されたとき、即ちスライドドア11がC位置に到達したときはステップ52に進みスライドドア11がA位置よりも全閉側か否かを判断する。ステップ52においてスライドドア11がA位置よりも全閉側でないと判断されたとき、即ちスライドドア11がA位置に到達していないときはステップ54に進み、スライドドア11がA位置に到達した場合のモータ14へ負荷すべき電圧Vaを求める。このVaの値は、A位置にて高速モードから低速モードに切替えた場合に、切替え前後のスライドドア11の移動速度が変化しない様に、切替え前のモータ14を所定の回転数にて回転させるための値である。このVaの計算方法については後述する。ステップ54の後はステップ55に進む。ステップ55においては、スライドドア11がA位置に到達した場合にモータ14の電圧がVaとなる様に、電圧調整回路18を介して、電圧を低下させる制御を実行する。この制御はスライドドア11の位置に応じて、ほぼリニアに電圧を低下させる。その結果、モータ14の特性は、A位置においては、図6におけるYにシフトする。即ち、C位置からA位置へ移動する間に、モータ14の回転数がN1からN2まで減少する。
【0020】
ステップ52において、スライドドア11がA位置より全閉側に位置していると判断されたとき、即ちスライドドア11がA位置に到達したときは、ステップ53に進む。ステップ53においては、モータ14の電圧を電圧調整回路18を介して最大値Vmに制御すると共に、モータ14を低速モードに設定する。即ちリレー17中の端子の接続を切替えて低速ブラシ14cへ通電する。その結果、モータ14の特性は、図6におけるZに切替わる。
【0021】
以上の処理によって、スライドドア11は全開位置からA位置までは、モータ14が高速モードに設定されるため、スライドドア11が、より高速に移動する。そして、A位置から全閉位置までは、モータ14が低速モードに設定されるため、モータ14は、より高トルクを出力可能となり、B位置等における必要トルクも出力することができる。つまり、開閉制御装置10の装置を複雑化することなく、適切にスライドドア11の移動を確保することができる。更に、A位置における切替えの際、モータ14の特性は図6におけるYの状態からZの状態となるが、そのときのモータ14の回転数はN2にて一定となっている。即ち、A位置でのモードの切替え前後において、スライドドア11の移動速度はほぼ同一となっているため、スライドドア11の挙動の乱れが無く、安全性および操作性の面において好適となっている。
【0022】
次に、図5に基づいて、スライドドア11の開作動における制御回路16の処理フローを説明する。全閉位置から開作動を開始した直後は、モータ14は低速モードに設定されており、モータ14の電圧はVmに設定される。ステップ60においては、回転センサ15の出力パルス数によってスライドドア11の車両ボデーに対する位置を読み取る。次にステップ61においては、スライドドア11がA位置より全開側か否かを判断する。ステップ61において、スライドドア11がA位置より全開側でないと判断されたとき、即ちスライドドア11がA位置に到達していないときはステップ66へ進み、モータ14への電圧Vmの設定を継続し、更にステップ67にて低速ブラシ14bへの通電、即ち低速モードの設定を継続する。ステップ61においてスライドドアがA位置より全開側であると判断されたとき、即ちスライドドア11がA位置に到達したときはステップ62に進む。ステップ62においては、モータ14の電圧がVmに達しているか否かが判断される。Vmに達していないときはステップ66に進み、モータ14への電圧Vmの設定を継続し、更にステップ67にて低速ブラシ14bへの通電、即ち低速モードの設定を継続する。
【0023】
ステップ62においてモータ14の電圧がVmに達していると判断された場合は、ステップ63に進む。ステップ63では、モータ14を高速モードに切替えるためにモータ14に負荷すべき電圧Vaを計算する。そしてステップ64に進む。ステップ64においては、モータ14への負荷電圧を電圧調整回路18を介してVaに制御すると共に、リレー17中の端子の接続を切替えて、高速ブラシ14bへの通電を行う。つまり、モータ14を高速モードへと切替える。この切替えによって、モータ14の特性は図6におけるZからYに切替わる。その後、ステップ65にて、モータ14の電圧をVmに設定する。その結果、モータ14の特性は図6におけるYからXとなる。
【0024】
以上の様に、スライドドア11の開作動においても全閉位置からA位置付近まではモータ14が低速モードに設定されているため、より高トルクを出力可能となっている。そしてA位置付近から全開位置までは、モータ14が高速モードに設定されているため、スライドドア11が、より高速に移動される。つまり、開閉制御装置10の装置を複雑化することなく、迅速かつ適切にスライドドア11を移動させることができる。更に、A位置付近における切替えの際、モータ14の特性は図6におけるZの状態からYの状態となるが、そのときのモータ14の回転数はN2にて一定となっている。即ち、開作動においても、A位置付近でのモードの切替え前後において、スライドドア11の移動速度はほぼ同一となっているため、スライドドア11の挙動の乱れが無く、安全性および操作性の面において好適となっている。
【0025】
次にスライドドア11の閉作動においての、A位置での電圧Vaの算出方法について説明する。
【0026】
図6に示す様に、モータ14が高速モードであって負荷電圧がVmである場合(X示の場合)および低速モードであって負荷電圧がVmである場合(Z示の場合)におけるトルク(T)と回転数(N)との関係は以下の式で表される。a1、a2、b1、b2は、各モードにおける特有のパラメータである。
【0027】
X示の場合:N=a1T+b1 …(1)
Z示の場合:N=a2T+b2 …(2)
ここで、低速モード(Z示)であって、A位置においてトルクT1を出力する場合のモータ14の回転数N2は(2)式より以下の様に計算される。
【0028】
N2=a2T1+b2 …(3)
一方、高速モードにおいて、C位置からA位置へ移動する間に負荷電圧を変化させた場合の回転数(N)は、(1)式より、変化後の電圧Vを用いて以下の様に表される。尚、C位置からA位置への移動する間のトルクはT1にて一定となっている。
【0029】
N=a1T1+b1(V/Vm) …(4)
つまり、(1)式において負荷電圧が変化した場合は、回転数Nは、傾きa1は変化しないが、切片b1が負荷電圧によって変化するため、(4)式の様になる。
【0030】
ここで、A位置での切替え前後におけるスライドドア11の移動速度が等しくなるためには、(4)式にて表されるモータ14の回転数Nが、(3)式における回転数N2と等しくなる必要がある。よってA位置における負荷電圧Vaは、(3)、(4)式より以下の様に計算される。
【0031】
Va=(Vm/b1){(a2−a1)T1+b2} …(5)
ここで、A位置におけるトルクT1は予め設定されているか、若しくはC位置での回転数N1をより(1)式に基づいて計算される。
【0032】
また、スライドドア11の開作動においてのA位置での負荷電圧Vaも、(5)式に基づいて計算される。この場合においてのトルクT1も予め設定されているか、若しくはA位置での回転数N2より(2)に基づいて計算される。
【0033】
【発明の効果】
本発明では、駆動モータ自身が、高速モードと低速モードとに切替え可能となっている。よって、開閉体が相対的に大きなトルクを必要とすることなく移動できる位置にある場合は、高速モードを選択することにより開閉体を高速で移動させることができる。そして、開閉体がその移動に、相対的に大きなトルクを必要とする場合は、低速モードに切替えることにより、必要トルクを確保することができる。そして、切替えは制御手段が行うものであるため、装置の構造は簡易なものとなる。よって、装置の構造を複雑化することなく、開閉体の適切な移動を確保することができる。
【0034】
更に、本発明においては、制御手段が、駆動モータを制御することによりモード切替前後の開閉体の移動速度を略同一としている。従って、モードが切替わった場合であっても、開閉体の挙動の乱れが無く、安全性および操作性の面において好適となっている。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明にかかる開閉制御装置を配設したスライドドアのスライドレール構造部分を示す概略図である。
【図2】 本発明にかかる開閉制御装置のシステム構成図である。
【図3】 スライドドアのドアストロークに対する負荷トルクの変化を示す図である。
【図4】 本発明にかかる開閉制御装置の閉作動制御の処理を示すフロー図である。
【図5】 本発明にかかる開閉制御装置の開作動制御の処理を示すフロー図である。
【図6】 駆動モータのトルク−回転数特性を示す図である。
【符号の説明】
11 スライドドア(開閉体)
14 モータ(駆動モータ)
15 回転センサ(位置検出手段)
16 制御回路(制御手段)
Claims (1)
- 車両ボデーに対して移動することにより該車両ボデーに形成された開口を開閉する開閉体を制御する開閉制御装置であって、
前記開閉体を相対的に高トルクで低速移動可能な低速モードと相対的に低トルクで高速移動可能な高速モードとに切替可能な駆動モータと、
前記開閉体の前記車両ボデーに対する位置を検出する位置検出手段とを備え、
前記開閉体が全開位置から全閉方向に移動する際、第1所定位置より開側の第2所定位置から前記第1所定位置に移動する間に、前記駆動モータへの負荷電圧をリニアに低下させ、前記開閉体が前記第1所定位置に到達した場合に、前記駆動モータの回転数を一定にして前記負荷電圧を元に戻す制御手段によって、前記駆動モータを前記高速モードから前記低速モードへモード切替えを行うことを特徴とする開閉体の開閉制御装置。
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