JP3940794B2 - 排ガス中の炭化水素燃焼用触媒及び排ガス中の炭化水素燃焼方法 - Google Patents

排ガス中の炭化水素燃焼用触媒及び排ガス中の炭化水素燃焼方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、排ガス中の炭化水素燃焼用触媒及び排ガス中の炭化水素燃焼方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車、火力発電所、各種工場等で用いられているガスエンジン、ガスタービン、ボイラー等では、燃焼ガスとして都市ガス、液化天然ガス、プロパンガス等を用いており、その燃焼効率や熱効率を高めるために、燃焼方式として、燃焼ガスに対して空気の比率を高めた希薄燃焼方式が採用されている。
【0003】
かかる燃焼方式では、燃焼排ガスには、未燃焼炭化水素が僅かに含まれると共に水蒸気も含まれているため、このような排ガスを浄化するためには、水蒸気共存下において未燃焼炭化水素を燃焼させる必要がある。
【0004】
従来、希薄炭化水素を燃焼除去するための触媒としては、例えば、パラジウム、白金又はその両方をゼオライト、アルミナ等の酸化物担体に担持したものが知られている。メザキ(Mezaki)らは、これら貴金属を含む触媒は活性が高く、例えば、0.5%Pd−アルミナの場合には、燃焼開始温度が210℃と低いことを報告している(非特許文献1参照)。
【0005】
しかしながら、パラジウム、白金等の貴金属は、資源量が少なく価格が高いという問題がある。例えば、1996年の白金及びパラジウム価格を基準に2000年の価格を見ると、白金は1.5倍、パラジウムは9倍にまで高騰している。また、これら貴金属の産出国がロシアや南アフリカに極端に偏っているため、将来の長期にわたる安定供給にも不安がある。
【0006】
このため、貴金属を含まない炭化水素燃焼用触媒の開発が進められており、例えば、SrFeO3のようなペロブスカイト系触媒が報告されている(非特許文献2〜4参照)。
【0007】
しかしながら、この触媒は、貴金属を含む触媒と比べて活性がかなり低く、点火温度(反応開始温度)を比較すると、白金又はパラジウムを含む触媒では200℃前後であるのに対して、ペロブスカイト系触媒では300℃以上である。このため、ペロブスカイト系触媒を高活性化するためには、環境負荷の大きなマンガン、クロム等の使用が不可欠である。更に、ペロブスカイト系触媒では、単位質量あたりの比表面積を高めることが困難である上、水蒸気存在下での反応活性について未だ十分に解明されていない。
【0008】
【非特許文献1】
燃料協会編、「燃料協会誌」、1979年、第58巻、第625号、p.422−431
【0009】
【非特許文献2】
エヌ.グナセカラン(N. Gunasekaran)、外4名、「ソリッド ステート イオニクス(Solid State Ionics)」、オランダ、1995年、第81巻、p.243
【0010】
【非特許文献3】
エル.エー.イスポバ(L. A. Isupova)、外4名、「アプライド キャタリシス ビー−エンバイロメンタル(Applied Catalysis B-Environmental)」、オランダ、1999年、第21巻、p.171
【0011】
【非特許文献4】
ピー.サロモンソン(P. Salomonsson)、外2名、「アプライド キャタリシスエー−ジェネラル(Applied Catalysis A-General)」、オランダ、1993年、第104巻、p.175
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、パラジウム、白金等の貴金属を含まず、環境負荷の大きなクロム、マンガン等の使用量も低減された、排ガス中の炭化水素の燃焼を促進できる高活性な触媒を提供することを主な目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記した目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、層状岩塩型構造を有する特定のリチウム−マンガン−鉄複合酸化物が上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0014】
即ち、本発明は、下記の排ガス中の炭化水素燃焼用触媒及び排ガス中の炭化水素燃焼方法に係るものである。
【0015】
1.下記組成式:
Li[(4-x)/3]-yMn(2-2x)/3Fex2
〔式中、xは0.07≦x≦0.67であり、yは0≦y≦0.4である。〕
で表され、Fe/(Fe+Mn)のモル比が0.1〜0.75の範囲内である層状岩塩型構造を有するリチウム−マンガン−鉄複合酸化物からなる排ガス中の炭化水素燃焼用触媒。
【0016】
2.下記組成式:
Li[(4-x)/3]-yMn(2-2x)/3Fex2
〔式中、xは0.07≦x≦0.67であり、yは0≦y≦0.4である。〕
で表され、Fe/(Fe+Mn)のモル比が0.1〜0.75の範囲内である層状岩塩型構造を有するリチウム−マンガン−鉄複合酸化物が、マグネシア、シリカ、チタニア、アルミナ、ジルコニア、酸化亜鉛及び酸化セリウムから選ばれる少なくとも1種の金属酸化物に担持された酸化物担持体からなる排ガス中の炭化水素燃焼用触媒。
【0017】
3.炭化水素を含む排ガスを上記項1又は2に記載の炭化水素燃焼用触媒に接触させることを特徴とする排ガス中の炭化水素燃焼方法。
【0018】
4.炭化水素がメタンである上記項3に記載の排ガス中の炭化水素燃焼方法。
【0019】
【発明の実施の形態】
排ガス中の炭化水素燃焼用触媒
本発明の排ガス中の炭化水素燃焼用触媒は、下記組成式:
Li[(4-x)/3]-yMn(2-2x)/3Fex2
〔式中、xは0.07≦x≦0.67であり、yは0≦y≦0.4である。〕
で表され、Fe/(Fe+Mn)のモル比が0.1〜0.75の範囲内である層状岩塩型構造を有するリチウム−マンガン−鉄複合酸化物を有効成分とするものである。このような複合酸化物は、排ガス中に含まれる炭化水素を燃焼させる反応に対して高活性を有し、排ガスを浄化するための触媒として有用性が高いものである。
【0020】
当該複合酸化物は、Li(Li1/3Mn2/3)O2を基本構造とする層状岩塩型構造の複合酸化物における(Li1/3Mn2/3)の一部がFeにより置換された置換型固溶体と考えることができる。当該複合酸化物は、Li(Li1/3Mn2/3)O2の(Li1/3Mn2/3)の一部がFeに置換されていることにより、環境負荷の大きいマンガンの使用量が低減されており、更にクロム等の環境負荷の大きな成分も含まないものである。当該複合酸化物は、従来のマンガン、クロム等を添加して高活性化したペロブスカイト系触媒と同程度の温度域で排ガス中の炭化水素を燃焼させることが可能である点で、非常に有用性が高い触媒である。
【0021】
上記組成式の概略について説明すると次のようになる。先ず、前記基本構造において、(Li1/3Mn2/3)の一部がFeに置換された構造を、Feのモル比をxとして表すと、Li{(Li1/3Mn2/31-xFex}O2となる。式中、xは0.07〜0.67であり、0.07〜0.4であることが好ましい。
【0022】
次に、当該複合酸化物を合成する際の洗浄により、Liイオンが水素イオンやオキソニウムイオンと交換することにより生じ得るLiの欠損を考慮した構造について、欠損したLiのモル比をyとして表すと、Li1-y{(Li1/3Mn2/31-xFex}O2となる。式中、yは0〜0.4である。この式を展開すると、上記組成式となる。
【0023】
なお、本発明触媒としては、上記組成式で表される複合酸化物は、Fe/(Fe+Mn)のモル比が0.1〜0.75であることが必須であり、その中でも、0.3〜0.5であることが好ましい。Li/(Fe+Mn)のモル比は特に限定されないが、0.5〜2の範囲内であることが好ましい。
【0024】
本発明触媒の有効成分であるリチウム−マンガン−鉄複合酸化物は、例えば、水熱反応法、焼成法等により製造できる。
【0025】
複合酸化物を水熱反応法により製造する場合には、例えば、マンガン化合物と鉄化合物とを含む水溶液又は水−アルコール混合溶液をアルカリ性、例えば、pH11以上にしてマンガン及び鉄を含む共沈物を得て、当該共沈物を酸化剤及びアルカリの共存下において、リチウム化合物と共に水熱反応させることにより製造できる。
【0026】
このような水熱反応法において、マンガン化合物としては、例えば、マンガンの塩化物、硝酸塩、硫酸塩、酢酸塩、水酸化物等の水溶性化合物が使用でき、鉄化合物としては、例えば、鉄の塩化物、硝酸塩、硫酸塩、酢酸塩、水酸化物等の水溶性化合物が使用できる。これらの化合物は、水溶液又は水−アルコール混合溶液の状態で使用でき、アルコールとしては、メタノール、エタノール等が使用できる。
【0027】
当該水溶液又は水−アルコール混合溶液における鉄及びマンガンの全濃度は、通常0.01〜2mol/l(無水物換算)程度、好ましくは0.1〜0.5mol/l程度となるように調整すればよい。また、鉄化合物及びマンガン化合物の使用量は、目的とする複合酸化物中のFe/(Fe+Mn)のモル比となるように調整すればよい。
【0028】
当該水溶液又は水−アルコール混合溶液をアルカリ性にするには、例えば、通常0.1〜20mol/l程度、好ましくは0.5〜10mol/l程度の水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等を含むアルカリ水溶液を添加する方法が挙げられる。アルカリ水溶液の添加量は、当該水溶液又は水−アルコール混合溶液が完全にアルカリ性になるまで、例えば、pH11以上となるまで添加すればよい。
【0029】
上記方法によりマンガン及び鉄を含む共沈物が得られるが、必要に応じて、共沈物に、通常0〜150℃程度、好ましくは20〜100℃程度において、空気を吹き込みながら熟成処理を施してもよい。共沈物は、通常、蒸留水洗浄により過剰のアルカリ成分及び残留塩類を除去し、その後、溶液より濾別し、100℃程度で乾燥させた後に、蒸留水と混合した状態で水熱反応させればよい。
【0030】
共沈物を水熱反応させる際に用いる酸化剤としては、例えば、塩素酸カリウム、塩素酸ナトリウム、過酸化水素水等が使用できる。酸化剤の添加量は、添加後の溶液中において、通常0.1〜10mol/l程度、好ましくは1〜5mol/l程度となるように設定すればよい。また、アルカリとしては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア水等が使用できる。アルカリの添加量は、添加後の溶液中において、通常0.1〜10mol/l程度、好ましくは1〜5mol/l程度となるように設定すればよい。水酸化リチウム以外のアルカリを用いることにより、硝酸リチウム、塩化リチウム等の中性又は酸性リチウム塩をリチウム源として用いることが可能となる。
【0031】
リチウム化合物としては、例えば、水酸化リチウム(無水物でも水和物でもよい)、塩化リチウム、硝酸リチウム等が使用できる。リチウム化合物の使用量は、目的とする複合酸化物中のLi/(Mn+Fe)のモル比となるように調整すればよい。過剰なリチウム化合物の添加は経済的に不利であり工業的に好ましくない。
【0032】
水熱反応は、上記の水熱反応原料を収容した容器を、例えば、オートクレーブのような水熱反応装置中に静置させて行うことができる。水熱反応条件は特に限定されないが、通常100〜300℃程度の温度で0.1〜150時間程度反応させればよく、好ましくは150〜250℃程度の温度で1〜100時間程度反応させればよい。水熱反応は、例えば、大気等の酸化雰囲気下で行うことができる。反応終了後、残存する余分な塩類等を除去するために、必要に応じて、反応生成物を水洗、濾過、乾燥させてもよい。このようにして、リチウム−マンガン−鉄複合酸化物が得られる。
【0033】
複合酸化物を焼成法により製造する場合には、例えば、マンガン化合物と鉄化合物とを含む水溶液又は水−アルコール混合溶液に、リチウム化合物を添加して沈殿物を得て、当該沈殿物を焼成することにより製造できる。また、当該水溶液又は水−アルコール混合溶液に、リチウム化合物を添加した後の溶液及び沈殿を蒸発乾固させることにより得た残渣を焼成することによっても製造できる。
【0034】
上記の焼成法において、マンガン化合物及び鉄化合物としては、前記した水熱反応で使用できる化合物がそのまま使用でき、それらは水溶液又は水−アルコール混合溶液の状態で使用できる。当該水溶液又は水−アルコール混合溶液における鉄及びマンガンの全濃度も、前記した水熱反応の場合と同様でよい。
【0035】
マンガン化合物及び鉄化合物の使用量は、目的とする複合酸化物中のFe/(Fe+Mn)のモル比となるように調整すればよい。
【0036】
リチウム化合物としても、水熱反応法と同様に、水酸化リチウム(無水物でも水和物でもよい)、塩化リチウム、硝酸リチウム等が使用できる。リチウム化合物の使用量は、目的とする複合酸化物中のLi/(Mn+Fe)のモル比となるように調整すればよい。過剰なリチウム化合物の添加は経済的に不利であり工業的に好ましくない。
【0037】
なお、リチウム化合物の添加により得られた沈殿物を焼成する場合には、沈殿物を溶液中から取り出したもの、例えば、水洗、濾過、乾燥させて取り出したものを焼成することができる。
【0038】
沈殿又は残渣の焼成条件は特に限定されず、通常200〜1000℃程度で1〜100時間程度、好ましくは300〜800℃程度で20〜60時間程度とすればよい。焼成雰囲気も特に限定されず、大気等の酸化雰囲気下でもよく、水素等の還元雰囲気下でもよい。焼成後、必要に応じて生成物を粉砕し、上記と同様の条件で焼成を繰り返してもよい。
【0039】
このような製造方法により製造されたリチウム−マンガン−鉄複合酸化物は、そのまま本発明触媒として使用できる。この場合に、本発明触媒の形状は特に限定されず、例えば、粒子状、粉末状、ペレット状、板状、柱状、格子状等の任意の形状で使用できる。なお、複合酸化物を上記の形状に加工する際に、必要に応じて、本発明触媒の効果に影響を与えない範囲でバインダー等を添加することもできる。
【0040】
上記した複合酸化物の大きさも特に限定されず、実際の使用態様を考慮して適宜設定できるが、例えば、粒子状で用いるのであれば、粒子の平均粒子径としては、通常0.1〜5mm程度が適当であり、1〜3mm程度が好ましい。また、粉末状で用いるのであれば、粉末の平均粒子径としては、通常0.1〜1000nm程度が適当であり、1〜100nm程度が好ましい。また、ペレット状で用いるのであれば、縦30mm、横30mm、高さ5mm程度、好ましくは縦10mm、横10mm、高さ3mm程度のペレットとすればよい。
【0041】
本発明触媒の比表面積は、排ガスとの接触面積を広く確保できる範囲であればよいが、通常10〜1000m2/g程度が適当であり、50〜100m2/g程度が好ましい。なお、本明細書における比表面積の値は、測定対象物の表面に窒素を吸着させることを特徴とするBET法により測定した値である。
【0042】
本発明触媒としては、当該複合酸化物を担体に担持させて用いてもよい。担体に担持させる場合には、前記したように当該複合酸化物をそのまま触媒として用いる場合と比べて、複合酸化物と排ガスとの接触面積をより広く確保することができる。従って、当該複合酸化物をそのまま触媒として用いる場合と比べて、複合酸化物の使用量を少なくしても同等の炭化水素燃焼効果が発揮できるため、環境負荷の大きなマンガンの使用量をより低減できる点で有利である。
【0043】
担体の種類は特に限定されないが、排ガスとの接触を考慮すると、耐熱性に優れたものが好ましい。担体としては、例えば、マグネシア、シリカ、チタニア、アルミナ、ジルコニア、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化カルシウム等の金属酸化物やこれらの複合酸化物等が挙げられる。この中でも、特に、マグネシア、酸化亜鉛、酸化カルシウム等の塩基性金属酸化物が好ましい。
【0044】
担体の形状は特に限定されないが、排ガスとの接触を考慮すると、比表面積が大きな形状、例えば、粒子状、ペレット状、ハニカム状等が好ましい。担体の大きさは特に限定されず、実際の使用態様を考慮して適宜設定できるが、粒子状であれば、平均粒子径は通常0.5〜3mmが適当であり、1〜2mm程度が好ましい。ペレット状であれば、縦30mm、横30mm、高さ30mm程度が適当であり、縦10mm、横10mm、高さ10mm程度が好ましい。
【0045】
担体に対する複合酸化物の担持量は特に限定されないが、担体100重量部に対して、通常1〜10重量部程度が適当であり、3〜5重量部程度が好ましい。担持させる複合酸化物としては、例えば、平均粒子径が通常0.1〜1000nm程度の粉末が好ましく、1〜100nm程度の粉末がより好ましい。
【0046】
担体に複合酸化物を担持させる方法は特に限定されず、例えば、担体と複合酸化物とを固体状態で混合する方法;担体と複合酸化物とを固体状態で混合したものに水を加えてよく撹拌した後、得られたスラリーを乾燥させる方法;担体又は複合酸化物のいずれか一方に水を加えたものに、他方を加えてよく撹拌した後、得られたスラリーを乾燥させる方法等により担持させることができる。また、複合酸化物と水からなるスラリーを、担体に塗布、噴霧等することによっても担持させることができる。
【0047】
本発明触媒の使用方法
本発明触媒は、排ガス中の炭化水素を燃焼させる用途に使用できる。即ち、排ガス中の炭化水素を燃焼させて排ガスを浄化する用途に好適に使用できる。
【0048】
本発明触媒が対象とする排ガスは、炭化水素を含むものであれば限定されず、例えば、ガスエンジン、ガスタービン、ボイラー、ガスファンヒーター、ガス湯沸かし器等から排出される排ガスを対象とできる。上記の排ガスには、炭化水素以外に、一般に水蒸気、窒素酸化物、硫黄酸化物、酸素等が含まれている。
【0049】
燃焼対象とする炭化水素も特に限定されず、例えば、メタン、エタン、プロパン、ブタン等が挙げられる。本発明触媒は、炭化水素の中でも、特にメタン燃焼用として好適に使用できる。
【0050】
本発明触媒が対象とする排ガス中の炭化水素濃度は特に限定されないが、炭化水素濃度10000ppm以下、特に2500ppm以下のような希薄炭化水素も対象とすることができる。従って、希薄燃焼方式を採用し、排ガス中の炭化水素濃度が低いガスエンジン、ガスタービン、ボイラー等の排ガスに含まれる炭化水素の燃焼用としても好適に使用できる。
【0051】
排ガス中の炭化水素を燃焼させるには、例えば、本発明触媒を充填した反応管に排ガスを流通させることにより、排ガスに含まれる炭化水素を燃焼させることができる。反応管の形状、大きさ等は、実際の使用態様を考慮して適宜設定できる。このような反応管は、例えば、石英製ガラス、ステンレス等の耐熱性材料で作製されたものが使用できる。
【0052】
触媒使用量は特に限定されないが、ガス時間当たり空間速度(SV)に換算して、1000〜100000ml/h・g−catの範囲が適当であり、1000〜10000ml/h・g−catの範囲が好ましい。触媒使用量が少なすぎる場合には、炭化水素燃焼率が不十分となる。触媒使用量が多すぎる場合には、炭化水素燃焼率は向上するが、使用量に見合った触媒性能の向上が得られないため経済的に不利となる。
【0053】
本発明触媒の高い活性を有効利用するためには、排ガス処理温度としては、通常200〜1000℃が適当であり、300〜500℃程度が好ましい。排ガス処理温度が低すぎる場合には、炭化水素燃焼率が不十分となる。排ガス処理温度が高すぎる場合には、触媒の耐久性が低下し易くなる。
【0054】
【発明の効果】
本発明触媒は、排ガス中の炭化水素の燃焼を促進できる。特に、希薄燃焼方式により排出される炭化水素濃度の低い排ガスを対象とする場合にも、炭化水素の燃焼を促進できる点で、非常に有用性が高い触媒である。このような本発明触媒は、特にメタン燃焼用として好適に使用できる。
【0055】
本発明触媒は、パラジウム、白金等の貴金属や環境負荷の大きなクロムを含まず、しかもマンガン使用量も低減されている。このような本発明触媒は、より少量のマンガンしか用いずに、従来のマンガン又はクロムを多く含むペロブスカイト系触媒とほぼ同程度の温度域で、燃焼排ガス中の炭化水素を燃焼させることができる。また、貴金属を含まない点において、製造コストを削減でき、しかも原料を安定供給できるという利点もある。
【0056】
また、本発明触媒は十分な耐久性を有しており、触媒の交換頻度を抑えることもでき、排ガス処理システム自体を低コスト化することもできる。更に、その酸化により発熱を伴うため、熱回収が可能である。
【0057】
【実施例】
以下、実施例及び比較例を示し、本発明をより具体的に説明する。但し、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0058】
実施例1
硝酸マンガン(II)六水和物64.58g及び硝酸鉄(III)九水和物10.1gを蒸留水400mlに溶解させてFe−Mn混合水溶液(全量0.25mol、Fe/(Fe+Mn)のモル比0.1)を調製した。
【0059】
混合水溶液に、室温まで冷却した水酸化カリウム水溶液400ml(水酸化カリウム50gを蒸留水400mlに溶解したもの)を2〜3時間かけて、水溶液がpH11以上となるまで撹拌しながら滴下してFe−Mn共沈物を得た。共沈物を撹拌しつつ空気酸化した後、密閉容器に入れて50℃で2〜3日熟成させた。
【0060】
次いで、共沈物を蒸留水で洗浄濾過して残留アルカリ成分を除去後、共沈物を100℃で乾燥させた。PTFE製ビーカーに乾燥させた共沈物、蒸留水200ml、水酸化リチウム一水和物40g及び塩素酸カリウム40gを入れてよく撹拌した。PTFE製ビーカーをオートクレーブ内に静置し、内容物を220℃で5時間水熱反応させた。
【0061】
反応終了後、室温まで自然冷却してからPTFE製ビーカーを取り出し、反応生成物を蒸留水で洗浄濾過して過剰のリチウム塩を除去した。固形分を100℃で乾燥させて粒子状のリチウム−マンガン−鉄複合酸化物を得た。
【0062】
複合酸化物は、Li/(Fe+Mn)のモル比が1.69であり、Fe/(Fe+Mn)のモル比が0.1であった。組成式は、Li1.16Fe0.07Mn0.622であった。複合酸化物の形状は粒子状であり、BET比表面積は22m2/gであり、粒子径は10〜500nmであった。なお、本明細書における複合酸化物の組成は、誘導結合プラズマ(ICP)測定により決定した結果である。
【0063】
実施例2
硝酸マンガン(II)六水和物50.23g及び硝酸鉄(III)九水和物30.3gを蒸留水400mlに溶解させてFe−Mn混合水溶液(全量0.25mol、Fe/(Fe+Mn)のモル比0.3)を調製した。
【0064】
混合水溶液に、室温まで冷却した水酸化カリウム水溶液400ml(水酸化カリウム50gを蒸留水400mlに溶解したもの)を2〜3時間かけて、水溶液がpH11以上となるまで撹拌しながら滴下してFe−Mn共沈物を得た。共沈物を撹拌しつつ空気酸化した後、密閉容器にいれて50℃で2〜3日熟成させた。
【0065】
次いで、共沈物を蒸留水で洗浄濾過して残留アルカリ成分を除去後、共沈物を100℃で乾燥させた。PTFE製ビーカーに乾燥させた共沈物、蒸留水200ml、水酸化リチウム一水和物40g及び塩素酸カリウム40gを入れてよく撹拌した。PTFE製ビーカーをオートクレーブ内に静置し、内容物を220℃で5時間水熱反応させた。
【0066】
反応終了後、室温まで自然冷却してからPTFE製ビーカーを取り出し、反応生成物を蒸留水で洗浄濾過して過剰のリチウム塩を除去した。固形分を100℃で乾燥させて粒子状のリチウム−マンガン−鉄複合酸化物を得た。
【0067】
複合酸化物は、Li/(Fe+Mn)のモル比が1.4であり、Fe/(Fe+Mn)のモル比が0.3であった。組成式は、Li1.04(Fe0.22Mn0.52)O2であった。複合酸化物の形状は粒子状であり、BET比表面積は44m2/gであり、粒子径は10〜500nmであった。
【0068】
実施例3
硝酸マンガン(II)六水和物35.88g及び硝酸鉄(III)九水和物50.5gを蒸留水400mlに溶解させてFe−Mn混合水溶液(全量0.25mol、Fe/(Fe+Mn)のモル比0.5)を調製した。
【0069】
混合水溶液に、室温まで冷却した水酸化カリウム水溶液400ml(水酸化カリウム50gを蒸留水400mlに溶解したもの)を2〜3時間かけて、水溶液がpH11以上となるまで撹拌しながら滴下してFe−Mn共沈物を得た。共沈物を撹拌しつつ空気酸化した後、密閉容器に入れて50℃で2〜3日間熟成させた。
【0070】
次いで、共沈物を蒸留水で洗浄濾過して残留アルカリ成分を除去後、共沈物を100℃で乾燥させた。PTFE製ビーカーに乾燥させた共沈物、蒸留水200ml、水酸化リチウム一水和物40g及び塩素酸カリウム40gを入れてよく撹拌した。PTFE製ビーカーをオートクレーブ内に静置し、内容物を220℃で5時間水熱反応させた。
【0071】
反応終了後、室温まで自然冷却してからPTFE製ビーカーを取り出し、反応生成物を蒸留水で洗浄濾過して過剰のリチウム塩を除去した。固形分を100℃で乾燥させて粒子状のリチウム−マンガン−鉄複合酸化物を得た。
【0072】
複合酸化物は、Li/(Fe+Mn)のモル比が1.28であり、Fe/(Fe+Mn)のモル比が0.47であった。組成式は、Li1.01(Fe0.37Mn0.42)O2であった。複合酸化物の形状は粒子状であり、BET比表面積は53m2/gであり、粒子径は50〜100nmであった。
【0073】
実施例4
実施例3で得られた複合酸化物50mgと平均粒子径0.05mmの粉末状マグネシア1gとを固体状態で混合した。
【0074】
混合物に蒸留水1mlを加えて超音波洗浄機槽中で30分間よく混合した。得られたスラリーを100℃で一晩乾燥させた後、得られた粉末を600℃で5時間焼成し、複合酸化物を5重量部担持したマグネシアを得た。
【0075】
実施例5
実施例3で得られた複合酸化物50mgと平均粒子径0.05mmの粉末状ジルコニア1gとを固体状態で混合した。
【0076】
混合物に蒸留水1mlを加えて超音波洗浄機槽中で30分間よく混合した。得られたスラリーを100℃で一晩乾燥させた後、得られた粉末を600℃で5時間焼成し、複合酸化物を5重量部担持したジルコニアを得た。
【0077】
実施例6
実施例2で得られた複合酸化物を50mgと平均粒子径0.05mmの粉末状セリア1gとを固体状態で混合した。
【0078】
混合物に蒸留水1mlを加えて超音波洗浄機槽中で30分間よく混合した。得られたスラリーを100℃で一晩乾燥させた後、得られた粉末を600℃で5時間焼成し、複合酸化物を5重量部担持したセリアを得た。
【0079】
実施例7
実施例2で得られた複合酸化物を50mgと平均粒子径0.1mmの粉末状アルミナ1gとを固体状態で混合した。
【0080】
混合物に蒸留水1mlを加えて超音波洗浄機槽中で30分間よく混合した。得られたスラリーを100℃で一晩乾燥させた後、得られた粉末を600℃で5時間焼成し、複合酸化物を5重量部担持したアルミナを得た。
【0081】
実施例8
実施例2で得られた複合酸化物を50mgと平均粒子径0.2mmの粉末状酸化亜鉛1gとを固体状態で混合した。
【0082】
混合物に蒸留水1mlを加えて超音波洗浄機槽中で30分間よく混合した。得られたスラリーを100℃で一晩乾燥させた後、得られた粉末を600℃で5時間焼成し、複合酸化物を5重量部担持した酸化亜鉛を得た。
【0083】
実施例9
実施例2で得られた複合酸化物を50mgと平均粒子径0.1mmの粉末状チタニア1gとを固体状態で混合した。
【0084】
混合物に蒸留水1mlを加えて超音波洗浄機槽中で30分間よく混合した。得られたスラリーを100℃で一晩乾燥させた後、得られた粉末を600℃で5時間焼成し、複合酸化物を5重量部担持したチタニアを得た。
【0085】
実施例10
実施例2で得られた複合酸化物を50mgと粒子径0.063〜0.2mmの粉末状アモルファスシリカ1gとを固体状態で混合した。
【0086】
混合物に蒸留水1mlを加えて超音波洗浄機槽中で30分間よく混合した。得られたスラリーを100℃で一晩乾燥させた後、得られた粉末を600℃で5時間焼成し、複合酸化物を5重量部担持したアモルファスシリカを得た。
【0087】
実施例11
実施例2で得られた複合酸化物を50mgと平均粒子径0.3mmの粉末状メソポーラスシリカ1gとを固体状態で混合した。
【0088】
混合物に蒸留水1mlを加えて超音波洗浄機槽中で30分間よく混合した。得られたスラリーを100℃で一晩乾燥させた後、得られた粉末を600℃で5時間焼成し、複合酸化物を5重量部担持したメソポーラスシリカを得た。
【0089】
比較例1
二酸化マンガン3gをPTFE製ビーカーに入れ、蒸留水200mlを加えてよく分散させ、更に水酸化リチウム一水和物50gを加えてよく撹拌した。
【0090】
PTFE製ビーカーをオートクレーブ内に静置し、内容物を220℃で7時間水熱反応させた。
【0091】
反応終了後、室温まで自然冷却してからPTFE製ビーカーを取り出し、反応生成物を蒸留水で洗浄濾過して過剰のリチウム塩を除去した。固形分を100℃で乾燥させてリチウム−マンガン複合酸化物を得た。
【0092】
複合酸化物のLi/Mnのモル比は1.35であった。組成式は、Li0.9Mn0.672であった。複合酸化物の形状は粒子状であり、BET比表面積は30m2/gであった。
【0093】
比較例2
硫酸鉄(II)七水和物69.51gを蒸留水400mlに溶解させて硫酸鉄(II)水溶液を調製した。
【0094】
水溶液に、室温まで冷却した水酸化カリウム水溶液400ml(水酸化カリウム50gを蒸留水400mlに溶解したもの)を2〜3時間かけて、水溶液がpH11以上となるまで撹拌しながら滴下して水酸化鉄の沈殿を得た。沈殿物を撹拌しながら空気酸化した後、密閉容器に入れて50℃で2〜3日熟成させた。
【0095】
次いで、沈殿物を蒸留水で洗浄濾過して残留アルカリ成分を除去後、沈殿物を100℃で乾燥させた。PTFE製ビーカーに乾燥させた沈殿物、蒸留水200ml、水酸化リチウム一水和物40g及び塩素酸カリウム40gを入れてよく撹拌した。PTFE製ビーカーをオートクレーブ内に静置し、内容物を220℃で5時間水熱反応させた。
【0096】
反応終了後、室温まで自然冷却してからPTFE製ビーカーを取り出し、反応生成物を蒸留水で洗浄濾過して過剰のリチウム塩を除去した。固形分を100℃で乾燥させて粒子状のリチウム−鉄複合酸化物を得た。
【0097】
複合酸化物は、X線回折分析によりα−LiFeO2であった。複合酸化物の形状は粒子状であり、BET比表面積は6m2/gであった。
【0098】
触媒性能試験1
実施例1〜3及び比較例1〜2で得られたそれぞれの複合酸化物の触媒性能を確認した。触媒性能の確認は、5種類の複合酸化物それぞれについて、複合酸化物300mgを内径12mmの石英製ガラス管に充填し、常圧下、固定床流通式反応装置を用いてガラス管に反応ガスを流通させ、反応ガス中に含まれるメタンの転化率を調べることにより確認した。
【0099】
反応ガスとしては、2500ppm(容積)のメタン及び20%の酸素を含む窒素ガスを用いた。反応ガスの流通速度は、毎分50mlとした(SV=10,000ml/h・g−cat)。反応温度は300℃から50℃づつ昇温させて550℃まで変化させた。
【0100】
触媒性能の指標となるメタン転化率の値は、ガスクロマトグラフ分析装置により反応ガス中に含まれるメタン、一酸化炭素及び二酸化炭素の濃度を測定した上で、下記式に基づいて算出した。
メタン転化率(%)=(C0−C1)/C0×100
0:反応開始前のメタン濃度
1:反応後のメタン濃度。
【0101】
5種類の複合酸化物それぞれの反応温度とメタン転化率との関係を示すグラフを図1に示す。
【0102】
図1の結果からは、マンガンに対する鉄の割合が増加するにつれてメタン転化率が大きくなり、触媒性能が高くなることが分かる。
【0103】
また、マンガン又は鉄しか含まない複合酸化物と比較して、Fe/(Fe+Mn)のモル比0.5である複合酸化物は、より良好な触媒性能を発揮することも分かる。
【0104】
なお、触媒性能の長期安定性を確認するため、Fe/(Fe+Mn)のモル比0.5である複合酸化物からなる触媒を450℃で13時間連続反応させたが、メタン添加率の低下は認められなかった。
【0105】
触媒性能試験2
実施例4〜11で得られた金属酸化物担体に実施例3で得られた複合酸化物を担持した材料の触媒性能を確認した。性能試験の方法は、触媒性能試験1と同じである。
【0106】
各材料それぞれの反応温度とメタン転化率との関係を示すグラフを図2に示す。
【0107】
図2の結果からは、マグネシア、酸化亜鉛等の塩基性金属酸化物担体に複合酸化物を担持した場合に、特に触媒性能が向上することが分かる。これらの金属酸化物担体に担持することにより、マンガンの使用量を抑制することができる。
【0108】
触媒性能試験3
反応ガスとして2400ppm(容積)のメタン及び19.2%の酸素を含む窒素ガスを用いた他は、触媒性能試験1と同じ条件にて、実施例3で得られた複合酸化物の触媒性能を確認した。反応ガスは乾燥状態である。反応温度とメタン転化率との関係を示すグラフを図3に示す。
【0109】
また、反応ガスとして4%水蒸気、2400ppm(容積)のメタン及び19.2%の酸素を含む窒素ガスを用いた他は、触媒性能試験1と同じ条件にて、実施例3で得られた複合酸化物の触媒性能を確認した。反応ガスは水蒸気を含んでいる。反応温度とメタン転化率の関係を示すグラフを図3に示す。
【0110】
図3の結果からは、実施例3で得られた複合酸化物は、水蒸気存在下でも高いメタン転化率を確保できることが分かる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1〜3及び比較例1〜2で得られた複合酸化物を炭化水素燃焼用触媒として用いてメタンを燃焼させた場合における、反応温度とメタン転化率との関係を示すグラフである。
【図2】実施例3で得られた、Fe/(Fe+Mn)のモル比0.47である複合酸化物を各種金属酸化物担体に担持してなる酸化物担持体を、炭化水素燃焼用触媒として用いてメタンを燃焼させた場合における、反応温度とメタン転化率との関係を示すグラフである。
【図3】実施例3で得られた、Fe/(Fe+Mn)のモル比0.47である複合酸化物を炭化水素燃焼用触媒として用いてメタンを燃焼させた場合において、反応ガスが乾燥している場合と水蒸気を含む場合とを比較した、反応温度とメタン転化率との関係を示すグラフである。

Claims (4)

  1. 下記組成式:
    Li[(4-x)/3]-yMn(2-2x)/3Fex2
    〔式中、xは0.07≦x≦0.67であり、yは0≦y≦0.4である。〕
    で表され、Fe/(Fe+Mn)のモル比が0.1〜0.75の範囲内である層状岩塩型構造を有するリチウム−マンガン−鉄複合酸化物からなる排ガス中の炭化水素燃焼用触媒。
  2. 下記組成式:
    Li[(4-x)/3]-yMn(2-2x)/3Fex2
    〔式中、xは0.07≦x≦0.67であり、yは0≦y≦0.4である。〕
    で表され、Fe/(Fe+Mn)のモル比が0.1〜0.75の範囲内である層状岩塩型構造を有するリチウム−マンガン−鉄複合酸化物が、マグネシア、シリカ、チタニア、アルミナ、ジルコニア、酸化亜鉛及び酸化セリウムから選ばれる少なくとも1種の金属酸化物に担持された酸化物担持体からなる排ガス中の炭化水素燃焼用触媒。
  3. 炭化水素を含む排ガスを請求項1又は2に記載の炭化水素燃焼用触媒に接触させることを特徴とする排ガス中の炭化水素燃焼方法。
  4. 炭化水素がメタンである請求項3に記載の排ガス中の炭化水素燃焼方法。
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