JPH11342336A - 窒素酸化物の分解除去用触媒a及び窒素酸化物の分解除去方法 - Google Patents

窒素酸化物の分解除去用触媒a及び窒素酸化物の分解除去方法

Info

Publication number
JPH11342336A
JPH11342336A JP10151720A JP15172098A JPH11342336A JP H11342336 A JPH11342336 A JP H11342336A JP 10151720 A JP10151720 A JP 10151720A JP 15172098 A JP15172098 A JP 15172098A JP H11342336 A JPH11342336 A JP H11342336A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
catalyst
oxygen
decomposition
exhaust gas
metal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10151720A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroshi Uchida
洋 内田
Isamu Yasuda
勇 安田
Taiji Yokoi
泰治 横井
Osamu Okada
治 岡田
Terumitsu Kakumoto
輝充 角本
Toshiro Nakayama
敏郎 中山
Tomoe Kurusu
知恵 来栖
Hirofumi Otsuka
浩文 大塚
Yasuhisa Nakamura
泰久 中村
Hidemasa Ishikawa
秀征 石川
Haruji Kawasaki
春次 川▲崎▼
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Saibu Gas Co Ltd
Osaka Gas Co Ltd
Tokyo Gas Co Ltd
Toho Gas Co Ltd
Original Assignee
Saibu Gas Co Ltd
Osaka Gas Co Ltd
Tokyo Gas Co Ltd
Toho Gas Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Saibu Gas Co Ltd, Osaka Gas Co Ltd, Tokyo Gas Co Ltd, Toho Gas Co Ltd filed Critical Saibu Gas Co Ltd
Priority to JP10151720A priority Critical patent/JPH11342336A/ja
Publication of JPH11342336A publication Critical patent/JPH11342336A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Exhaust Gas Treatment By Means Of Catalyst (AREA)
  • Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 固定発生源であれ或は移動発生源であれ、ま
た燃料由来であれ或は燃焼空気由来であれ、全ての燃焼
機器の排ガス中のNO就中NOを還元剤無しに高温で
直接分解し除去する実用的な高活性分解触媒、並びに酸
素及び水蒸気を含有する排ガスにこの触媒を用いる実用
的な脱硝方法を提供する。 【解決手段】組成が一般式AM1−x
3+−z(Aはアルカリ土類金属、Mは鉄族、Eはバナ
ジウム族金属から選ばれた各1種類)で表され、好まし
くは結晶構造がペロブスカイト型である金属複合酸化物
を少なくとも1種類、触媒活性成分として含む窒素酸化
物分解触媒を用いる。この触媒は水蒸気による被毒に対
する耐久性が良く、水蒸気を含有する排ガスを脱湿・乾
燥せずにまた還元剤を添加せずに直接この触媒に酸素共
存下または無酸素下において600℃−1000℃で接
触させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、工場或いは家庭等
の固定発生源または自動車等の移動発生源から排出され
る窒素酸化物NO、特に一酸化窒素NOを、還元剤な
しに直接分解して除去する触媒、並びにこれを用いた窒
素酸化物の分解除去方法に関する。
【0002】
【従来の技術】窒素酸化物の除去技術には、アンモニ
ア、炭化水素類等を還元剤として用いてNOを還元除去
する方法と、還元剤非存在下でNOを直接的にNとO
とに分解する直接分解法がある。前者の代表例として
はアンモニア選択的接触還元法(SCR)があり、工場
ボイラーの排煙等の固定発生源におけるNO除去に実
用化されているが、移動発生源での脱硝方法としては実
用的ではない。
【0003】また、空燃比(空気と燃料の重量比)を最
適に保ちながら燃焼するストイキ燃焼により、排ガス中
のNO、CO、未燃炭化水素類の3成分を同時に除去
する三元触媒法(TWC)も、COや炭化水素を還元剤
とする還元除去法であると考えられる。この方法では、
Rh−Pt系触媒を用いることにより高い脱硝率が得ら
れており、移動発生源を含めた広い範囲に適用されてい
る。しかし、ストイキ燃焼法は高効率、省エネルギー性
の点で不利である。他方、空燃比の大きい稀薄燃焼法
は、ストイキ燃焼に比べて燃焼効率が高く、省エネルギ
ー性の面で燃焼技術としては有利である。しかし、希薄
燃焼の排ガス中には大量のOが存在するためRh−P
t系触媒は脱硝性能を示さない。
【0004】酸素が存在する排ガス中のNOを還元除
去する方法については、従来アンモニアを還元剤として
用いる方法以外になかったが、近年炭化水素を還元剤と
する脱硝方法が、低い脱硝率ながらも実用化され始めて
いる。しかしながら、これらの還元脱硝法は、排ガス組
成(NO濃度、O濃度、還元剤量、その他)によっ
て脱硝性能が大きく変動するので、実用的な脱硝率を確
保するためには、還元剤の添加率や燃焼状態を制御する
ための設備を必要とする。
【0005】還元剤の非存在下でNOを直接的にN
とOとに分解する直接分解法は、脱硝性能が排ガス組
成に依存しないため、簡単な脱硝システムを構成するこ
とが可能である。従って、排ガス発生源である燃焼器の
種類も特定のものに限られず適用範囲が広い。しかし、
酸素が10容量%程度も残存する稀薄燃焼ガソリンエン
ジンの排ガスやディーゼルエンジンの排ガスを浄化する
場合のような酸素存在下でのNOの直接分解は極めて
困難である。実験室レベルでは、ZSM−5ゼオライト
に銅、Ga、Ce等を添加した金属担持ゼオライト触媒
(例えば特公昭60−12909号公報)が提案されて
いるが、この触媒は酸素非存在下では高活性であっても
酸素存在下では著しく活性が低下する。
【0006】別の直接分解触媒としてペロブスカイト型
金属酸化物が提案されており(寺岡靖剛、鹿川修一ら、
触媒33(2)73−76(1991))、これは60
0℃以上の高温でも活性及び耐久性が優れており、また
触媒単位重量当たりの活性が高いことが知られている。
中でも、組成がLa0.8Sr0.2CoOで示され
るペロブスカイト型金属酸化物は、最高の単位重量当た
りの活性を有することが知られている。また、KNi
型結晶構造を有するLa1.6Sr0.4 CuO
は、単位表面積当たりの活性が最高であることが知られ
ている(安田弘之、御園生誠ら、触媒33(2)69−
72(1991))。
【0007】しかし、従来知られているペロブスカイト
型酸化物の触媒活性は、未だ実用レベルに達していな
い。特に、技術的要請の高い酸素存在下でのNOの直接
分解に関しては、前記La0.8Sr0.2CoO
も、含有酸素5容量%の下で反応温度800℃で高々転
化率10%程度を示すに過ぎない。
【0008】本発明者らは、NOの直接分解におけるペ
ロブスカイト型金属酸化物の実用的触媒活性の向上につ
いて研究開発を重ね、先に幾つかの金属酸化物について
特許出願した(特願平9−193570号)が、更に排
ガス成分による被毒に対する耐久性の強い触媒が求めら
れている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、全ての燃焼
機器の排ガス中のNO、特にNOを還元剤なしに直接
分解して除去できる実用的で高活性の触媒を提供するこ
とを課題とする。また本発明はこの被毒耐久性の高い触
媒を用いた実用的な排ガス脱硝方法の提供を課題とす
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、BaF
eOペロブスカイト型酸化物のFeサイトをNbで部
分的に置換した三元ペロブスカイト型複合酸化物を用い
て、上記課題が解決される。即ち本発明は、窒素酸化物
分解触媒の活性成分である金属複合酸化物のうち少なく
とも1種類の組成が、一般式AM1−x3+−z
(但しAはアルカリ土類元素から選ばれた1種類の金
属、Mは鉄族元素から選ばれた1種類の金属、Eはバナ
ジウム族元素から選ばれた1種類の金属、0<x<1、
zは常温大気圧時における金属酸化物の酸素欠陥数或い
は酸素過剰数)で表されることを特徴とする分解触媒の
発明である。
【0011】また本発明は、触媒活性成分である金属複
合酸化物のうち少なくとも1種類の組成が上記一般式で
表されると共に、好ましくは上記金属複合酸化物のうち
少なくとも1種類の結晶構造が、BaFeOペロブス
カイト型結晶構造を有することを特徴とする分解触媒の
発明である。
【0012】第2の本発明は、還元剤の非存在下で、窒
素酸化物を上記分解触媒と温度範囲500℃−900℃
で酸素の存在下または非存在下において接触させること
を特徴とする窒素酸化物の直接分解による除去方法の発
明である。
【0013】更に第3の本発明は、還元剤の非存在下
で、窒素酸化物を上記分解触媒と温度範囲500℃−9
00℃で酸素及び水蒸気の共存下で接触させることを特
徴とする窒素酸化物の直接分解による除去方法の発明で
ある。
【0014】本発明において、一般式中のAは、アルカ
リ土類元素から選ばれた1種類の金属、即ちCa、Sr
またはBaの何れかであり、Raはこの類に属するが放
射性を有する点で実用上好ましくない。アルカリ土類元
素に属する金属は、ペロブスカイト型結晶構造を生じ易
いイオン半径を有している。
【0015】本発明において、一般式中のMは、鉄族元
素から選ばれた1種類の金属、即ちFe、CoまたはN
iの何れかであり、化学的性質が互いに類似している。
【0016】本発明において、一般式中のEは、土酸金
属( earth-acid metal )とも呼ばれるバナジウム族元
素から選ばれた1種類の金属、即ちV、NbまたはTa
の何れかである。ここでEは、結晶格子においてMの一
部を置換する関係にあり、置換の分率をxで表示する。
従って0<x<1であり、x=0またはx=1では充分
な脱硝性能が得られない。
【0017】本発明におけるペロブスカイト型構造は、
基本的な結晶構造としては灰チタン石( perovskite 、
CaTiO )で代表される化学式ABXの化合物
が有する立方晶系に属する結晶構造の一形式を意味す
る。ただし、本発明ではそれぞれCa、またはTiの一
部または全部を置換する金属の原子半径によって結晶格
子に多少の歪みが生じている結晶構造も含めて、BaF
eO型構造の包括的名称として上記名称を用いる。
【0018】一般にNOが直接的にNとOとに分解
する際に、分解で生成したO或いは排ガス中のO
よって触媒表面が被覆される傾向があるが、ペロブスカ
イト型酸化物は容易に吸着酸素の離脱を起こすため、こ
のような被覆が比較的起こり難い。
【0019】またペロブスカイト型複合酸化物では、含
有される遷移金属の酸化数が変動する酸化還元反応( r
edox 反応)が起こり易く、ペロブスカイト型酸化物は
酸化還元反応が迅速且つ定常的に進行するように作用す
る。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明の触媒は、活性成分である
金属複合酸化物のうち少なくとも1種類の組成が、一般
式AM1−x3+−zで表される遷移金属複合酸
化物を活性成分として含む触媒であり、中でもAがB
a、MがFe、EがNbである場合が特に好ましい。
【0021】活性成分の組成が上記一般式で表されるよ
うに調製された遷移金属複合酸化物は、事実上種々の結
晶構造を持つ酸化物の混合物として得られることが多い
が、少なくとも1種類の酸化物が前記の包括的意味のペ
ロブスカイト型構造を有するものであれば好ましい。X
線回折のピークに少なくともペロブスカイトのピークが
存在し、これと共にペロブスカイト以外の酸化物に由来
するピークが混在しているものも活性を有するが、中で
もペロブスカイト相のみで構成されている単相ペロブス
カイトが特に活性が高い。但し、結晶構造のみペロブス
カイト型構造を有していても、組成が前記一般式に該当
する複合酸化物でなければ、本発明の課題は達成されな
い。
【0022】既知の複合酸化物では、前記一般式中Aが
Ba、MがFe、x=0に相当するBaFeOがペロ
ブスカイト型構造を持つことが知られている。前記一般
式で表される本発明の複合酸化物は、BaFeOペロ
ブスカイト型酸化物のFeサイトの一部分がNbで置換
された構造を有し、焼成その他の製造条件を制御するこ
とによりペロブスカイト型構造をとることができる。
【0023】本発明の触媒は、硝酸塩など水溶性金属塩
類或はハロゲン化物などアルコ−ル溶解性金属塩類の加
温溶液を回転噴霧器(ロータリー・アトマイザー)等に
よりミスト状態とし、例えば電気炉等の加熱空間を通過
させることにより熱分解し、得られた粉末を600℃−
1000℃の高温において焼成することにより製造する
ことができる。
【0024】上記ミストは、それぞれ1種類の溶解性金
属塩を含む複数の溶液を同時にスプレーして生成しても
良く、また塩類が沈澱しない範囲で所定の割合に予め混
合した溶液をスプレードライヤーを用いてミストにして
も良い。
【0025】焼成温度は、酸化物がペロブスカイト型構
造を採るようにするため600℃以上が好ましい。また
焼成温度は、触媒の使用時の安定性、耐久性を保持する
ために、使用温度より高い温度であることが好ましい。
しかし脱硝すべき排ガスの排出源や排出状態により触媒
の使用温度が広範囲に亘るので、触媒の焼成温度は一概
に限定できない。
【0026】ペロブスカイト型構造を生じる所定の温度
以上で焼成すれば、ペロブスカイト型構造が変化するこ
とは少ない。しかし、焼成中に結晶内部の結晶欠陥に存
在する遷移金属が固相拡散等により表面へ移動してくる
ので、触媒表面の組成が微妙に変化する。従って、焼成
温度により活性が異なることがあり、1000℃を超え
ると概して活性が高いものを得難い。実施に当たって
は、排ガスの状態に応じて最適な焼成温度を実験により
選択する必要がある。
【0027】金属塩の溶液を混合し、塩類の沈澱を共沈
させて乾燥し、或いは混合溶液の全量を乾燥して前駆体
を作り、これらの固形物を850℃−1000℃で焼成
する溶液法で得た触媒は、BET法で測定した比表面積
が1−5m/gであった。これに比べ、塩類の溶液に
尿素、ショ糖、或いはリンゴ酸等の有機酸を添加剤とし
て添加し、上記の所謂溶液スプレー法で得た触媒の比表
面積は7−10m/gであった。
【0028】このようにして製造した触媒活性成分を、
そのまま又は適当な粘結剤等の成形助剤と共にペレット
状に押出成形或は圧縮成形、またはハニカム状等に押出
成形して使用しても良いが、当業界周知の担体に担持さ
せて使用しても良い。
【0029】本発明の触媒は、排ガスにアンモニアや炭
化水素等の還元剤を添加することなしに、排ガス中の窒
素酸化物を直接的に分解することができる。特に、排ガ
ス中に10容量%程度の酸素を含む場合であっても、従
来知られている直接分解触媒に比べて、酸素による触媒
の被毒が格段に軽微であり、窒素酸化物の分解率が高
い。従って、排ガスから予め酸素を除去することなし
に、または酸素含有率の高い排ガスをそのまま本発明の
触媒と接触させることにより、排ガス中の窒素酸化物を
効率良く除去することができる。
【0030】更に、排ガス中に酸素のみならず水蒸気を
含む場合、既知の直接分解触媒であるCu−ゼオライト
系触媒は水蒸気により被毒されて劣化するため、脱硝性
能を示さなかった。また従来知られているLa0.8
0.2CoOペロブスカイト型触媒も水蒸気が存在
すると僅かな脱硝性能を示すにとどまった。
【0031】これに対して、本発明の触媒は水蒸気によ
る被毒が格段に軽微であり、酸素及び水蒸気の共存下に
おいても窒素酸化物の分解率が高い。従って、酸素及び
水蒸気の含有率が高い排ガスを脱水乾燥等の前処理に付
すこと無しに、そのまま本発明の触媒と接触させること
により、排ガス中の窒素酸化物を効率良く除去すること
ができる。
【0032】分解触媒と排ガスとの接触は、当業界に周
知の充填層式或いは棚段式等の固定床流通型反応器、ま
たは本発明の触媒が単位重量当たりの活性が高い利点を
活用して流動床型反応器により行うことができる。ま
た、排出源の種類や規模に応じて種々の実用的形態を採
ることができ、本発明は接触の実施態様である脱硝反応
器の形式等には限定されない。
【0033】本発明の触媒と排ガスとの接触温度は、分
解活性の高い500℃−900℃が好ましい。例えばバ
ナジウム−チタン系触媒による工場排ガスの処理温度が
300℃−400℃、ガソリンエンジン等の排ガス処理
温度が400℃−450℃であるのに対して、本発明の
触媒による窒素酸化物の脱硝処理における作動温度は高
温である点に特色があり、冷却手段等を用いて予め排ガ
ス温度を下げる操作は不要である。
【0034】本発明を更に具体的に説明するために実施
例を記載するが、本発明はこれにより限定されるもので
はない。なお、ここでガスの組成を示す%は全て容量%
であり、触媒及び原料、中間体の組成を示す%は全て重
量%である。また触媒の分解活性は、NOのNへの転
化率で表し、数式1により計算する。
【0035】
【数1】分解率=2[N]out /[NO]in ここで[N]out は反応器出口ガスのN濃度 [NO]in は反応器入口ガスのNO濃度
【0036】[実施例1]触媒の調製例1 五塩化ニオブNbCl、三塩化鉄FeCl、臭化バ
リウムBaBrの各0.4Mエタノール溶液を当量比
で0.4:0.6:1の割合で用意し、添加剤を加えて
室温で混合した。これを350℃に加温しつつ回転噴霧
器へ供給し、噴霧量を100cm/分に調整したノズ
ルから断熱的に120℃で酸素含有率が爆発限界以下の
窒素気流中へスプレーして、霧状態で350℃に保持し
た電気炉の中を落下させ、生成した粉体を炉の下部に設
けたサイクロンで捕集して原料粉末を得た。この原料粉
末を空気中で650℃で1時間仮焼し、次いで850℃
で5時間焼成して触媒活性成分BaFe0.6Nb
0.4の粉末を得た。このもののX線結晶解析によ
り、この触媒成分がペロブスカイト型結晶構造を持つこ
とを確認した。この粉末を500kgf/cmの圧縮
力で等方圧成形し、得られたペレットを粉砕し分級して
粒度が0.31mm−0.71mmの顆粒状になった本
発明の触媒BaFe0.6Nb0.4を得た。この
触媒成分の比表面積は、上記顆粒の液体窒素温度におけ
るN吸着量からBET法により測定し、8m/gで
あった。
【0037】触媒の調製例2 上記エタノール溶液を用い、当量比を変えてFe/Nb
が0.8/0.2に該当する本発明の触媒を得た。
【0038】分解活性の評価1 内径10mmの円筒形充填層型反応器に上記触媒5.0
gを充填し、反応器外壁を電熱により加熱して触媒層の
温度を所定に保ちながら、1%NO含有Heガス(即ち
酸素非存在下)を接触時間W/F=3.0g・sec/
cmとなる流量で流した。出口ガスのN濃度をガス
クロマトグラフ分析計により測定し、数式1によりNO
からNへの転化率として計算し、表1に示した。なお
W/Fは触媒単位重量当たりの触媒活性を表示する接触
時間の次元を持ち、数式2により計算される。
【0039】
【数2】W/F=触媒重量(g)/反応器流入ガス流速
(cm/sec)=[g][sec]/[cm
【0040】分解活性の評価2 上記評価1に用いたガス90%に酸素10%を混合し、
ガス組成としてNOが9000ppm、Oが10%、
残りがHeからなる混合ガス(即ち酸素共存下での評
価)に変更した。それ以外は上記評価1と同様にして分
解活性を調べ、結果を表1に示した。
【0041】分解活性の評価3 ガス組成を上記評価2で用いた混合ガス90%と水蒸気
10%を混合したガスに変更し、ガスの接触時間がドラ
イベースで上記と同じになる(即ちNOの接触時間を等
しくする)ように流速を増加させた以外は上記評価1と
同様にして、分解活性を調べ、結果を表1に示した。
【0042】本発明の触媒は、温度700℃−800℃
における上記評価結果から、酸素非存在下では既知のペ
ロブスカイト型触媒より格段に高いNO分解率を示し、
しかも分解活性が温度と共に明らかに増進する傾向が窺
われる。また、酸素の存在下においても本発明の触媒は
既知のペロブスカイト型触媒の数倍の活性を持つことが
判る。更に水分を含有する排ガスについても、本発明の
触媒は既知のペロブスカイト型触媒の数倍の活性を持
ち、この活性は温度800℃においては一応の実用レベ
ルにあることが判る。
【0043】[比較例1]本発明の一般式BaFe
1−xNbのx=0に相当するペロブスカイト型
金属酸化物BaFeOを、実施例1と同様にして調製
し、実施例1と同様に活性評価を行い、結果を表1に示
した。分解活性は本発明の触媒に遠く及ばないことが判
る。
【0044】[比較例2]La硝酸塩、Sr硝酸塩、及
びCo硝酸塩の各0.4M水溶液を用いた以外は実施例
と同様に調製して得られた比表面積4.9m/gを有
する既知のペロブスカイト型金属酸化物であるLa
0.8Sr0.2CoOを用い、実施例と同様に活性
評価を行い、結果を表1に示した。上記比較例1の金属
酸化物と比べてかなり活性が高いが、本発明の触媒と比
べると、酸素非存在下、酸素存在下、酸素及び水蒸気共
存下のいずれにおいても活性に著しい差が見られる。
【0045】
【表1】
【0046】
【発明の効果】本発明の窒素酸化物分解触媒は、還元剤
を使用せずにNOを高い分解率で直接NとOに分解
することができるので、脱硝性能が排ガスの組成や燃焼
器の種類に依存せず、幅広い適用が可能である。また還
元剤使用のランニングコストや還元剤添加制御装置等の
装備が不要であり、経済的にも優れている。
【0047】本発明の窒素酸化物分解触媒は、酸素存在
下でも活性の低下が比較的緩やかであり、排ガス中にか
なり高い含有率で酸素を含む空燃比の高いエンジン等か
ら排出されるNOの直接分解除去に適している。
【0048】本発明の窒素酸化物分解触媒は、酸素のみ
ならず水蒸気も共存する排ガス中のNOを直接分解でき
る。既知の、例えばCu−ゼオライト系触媒では、水蒸
気により触媒が被毒し劣化するので、予め脱湿により乾
燥させた排ガスでなければこの触媒と接触させることが
できない。しかし、炭化水素を燃焼させた排ガスは炭酸
ガスと共に必然的に水蒸気を含むが、本発明の触媒は水
蒸気により被毒しないため、化石燃料の燃焼排ガス等の
水蒸気を含む排ガスを脱湿せずに、直接脱硝処理するの
に適している。
【0049】本発明による窒素酸化物の分解除去方法で
は、酸素及び水蒸気が共存する排ガスを高温で接触させ
ることができる触媒を用い、しかもこの触媒が水蒸気で
劣化を起こさない。従って、本発明の窒素酸化物分解除
去方法を用いた排ガス処理装置は、極めてコンパクトに
構成することができ、実用的価値が高く、広範囲な用途
に適用される可能性が大きい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 内田 洋 神奈川県横浜市青葉区あざみ野3−2−15 −106 (72)発明者 安田 勇 埼玉県久喜市北1−12−4−311 (72)発明者 横井 泰治 千葉県柏市みどり台4−13−6 (72)発明者 岡田 治 大阪府大阪狭山市大野台4−17−7 (72)発明者 角本 輝充 滋賀県滋賀郡志賀町木戸1260−3 (72)発明者 中山 敏郎 兵庫県伊丹市伊丹3−2−10−404 (72)発明者 来栖 知恵 京都府京都市西京区御陵大枝山町5−32− 4 (72)発明者 大塚 浩文 兵庫県芦屋市竹園町4−23 (72)発明者 中村 泰久 愛知県名古屋市瑞穂区軍水町2−86 グラ ンドメゾン新瑞東D−4 (72)発明者 石川 秀征 愛知県西尾市新村町辻356 (72)発明者 川▲崎▼ 春次 福岡県宗像郡福間町有弥の里1−11−17

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】窒素酸化物分解触媒の活性成分である金属
    複合酸化物のうち少なくとも1種類の組成が、一般式A
    1−x3+−z(但しAはアルカリ土類元素か
    ら選ばれた1種類の金属、Mは鉄族元素から選ばれた1
    種類の金属、Eはバナジウム族元素から選ばれた1種類
    の金属、0<x<1、zは常温大気圧時における金属酸
    化物の酸素欠陥数或いは酸素過剰数)で表されることを
    特徴とする分解触媒。
  2. 【請求項2】 触媒活性成分である金属複合酸化物のう
    ち少なくとも1種類が、BaFeOペロブスカイト型
    結晶構造を有することを特徴とする請求項1記載の分解
    触媒。
  3. 【請求項3】 触媒活性成分である金属複合酸化物のう
    ち少なくとも1種類が、BaFe1−xNb(但
    し0<x<1)で表される組成を有することを特徴とす
    る請求項1または2記載の分解触媒。
  4. 【請求項4】 還元剤の非存在下で、窒素酸化物を温度
    500℃−900℃において請求項1、2または3記載
    の分解触媒と酸素の非存在下で接触させることを特徴と
    する直接分解による窒素酸化物の除去方法。
  5. 【請求項5】 還元剤の非存在下で、窒素酸化物を温度
    500℃−900℃において請求項1、2または3記載
    の分解触媒と酸素の存在下で接触させることを特徴とす
    る直接分解による窒素酸化物の除去方法。
  6. 【請求項6】 還元剤の非存在下で、窒素酸化物を温度
    500℃−900℃において請求項1、2または3記載
    の分解触媒と酸素及び水蒸気の共存下で接触させること
    を特徴とする直接分解による窒素酸化物の除去方法。
JP10151720A 1998-06-01 1998-06-01 窒素酸化物の分解除去用触媒a及び窒素酸化物の分解除去方法 Pending JPH11342336A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10151720A JPH11342336A (ja) 1998-06-01 1998-06-01 窒素酸化物の分解除去用触媒a及び窒素酸化物の分解除去方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10151720A JPH11342336A (ja) 1998-06-01 1998-06-01 窒素酸化物の分解除去用触媒a及び窒素酸化物の分解除去方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11342336A true JPH11342336A (ja) 1999-12-14

Family

ID=15524820

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10151720A Pending JPH11342336A (ja) 1998-06-01 1998-06-01 窒素酸化物の分解除去用触媒a及び窒素酸化物の分解除去方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11342336A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007066444A1 (ja) * 2005-12-09 2007-06-14 Nippon Steel Materials Co., Ltd. 排ガス浄化用触媒及び排ガス浄化触媒部材
JP2008246294A (ja) * 2007-03-29 2008-10-16 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 複合酸化物触媒およびその製造方法並びに排ガス浄化装置
CN113578303A (zh) * 2021-08-03 2021-11-02 安徽元琛环保科技股份有限公司 以钙钛矿型复合氧化物为载体的超低钒负载量scr脱硝催化剂的制备方法、制得的催化剂

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007066444A1 (ja) * 2005-12-09 2007-06-14 Nippon Steel Materials Co., Ltd. 排ガス浄化用触媒及び排ガス浄化触媒部材
JP2007160149A (ja) * 2005-12-09 2007-06-28 Nippon Steel Materials Co Ltd 排ガス浄化用触媒及び排ガス浄化触媒部材
JP2008246294A (ja) * 2007-03-29 2008-10-16 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 複合酸化物触媒およびその製造方法並びに排ガス浄化装置
CN113578303A (zh) * 2021-08-03 2021-11-02 安徽元琛环保科技股份有限公司 以钙钛矿型复合氧化物为载体的超低钒负载量scr脱硝催化剂的制备方法、制得的催化剂

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7691769B2 (en) Catalyst for reduction of nitrogen oxides
JP5354903B2 (ja) 触媒および窒素酸化物の還元方法
KR101634390B1 (ko) 질소 산화물의 형성을 줄이거나 방지하는 암모니아와 일산화탄소의 이중 산화용 촉매
US5714130A (en) Exhaust gas cleaner and method for cleaning exhaust gas
US5935529A (en) Exhaust gas cleaner and method for cleaning exhaust gas
US4001371A (en) Catalytic process
WO2012093599A1 (ja) 排気ガス浄化用触媒
CA1046490A (en) Catalysts, apparatus, and process using same
KR102033967B1 (ko) 탄소 재료에 촉매 활성물질이 담지된 선택적 촉매환원반응용 저온 탈질촉매 및 그 제조방법
JPH11151440A (ja) 窒素酸化物の分解除去用触媒及び窒素酸化物の分解除去方法
JP2000197822A (ja) 窒素酸化物の分解除去用触媒及び窒素酸化物の分解除去方法
US5192515A (en) Reduction of nitrogen oxide and carbon monoxide in effluent gases
KR101208888B1 (ko) 산화 지르코늄, 산화 이트륨, 및 산화 텅스텐 기재 조성물, 제조 방법 및 촉매 또는 촉매 지지체로서의 용도
JPH11342337A (ja) 窒素酸化物の分解除去用触媒b及び窒素酸化物の分解除去方法
JP4512691B2 (ja) 一酸化炭素による窒素酸化物の選択的還元触媒およびその調製法
US6548032B1 (en) Process for the treatment of gases with high oxygen content, with a view to controlling nitrogen oxide emissions, using a catalytic composition comprising cerium oxide and/or zirconium oxide
JPH11342336A (ja) 窒素酸化物の分解除去用触媒a及び窒素酸化物の分解除去方法
JP3889467B2 (ja) 窒素酸化物除去用触媒材料及び該材料を用いた窒素酸化物処理装置並びに窒素酸化物除去方法
KR20190068189A (ko) 선택적 촉매환원반응용 저온 탈질촉매 및 그 제조방법
KR101629487B1 (ko) 저온에서의 질소산화물 제거용 망간-세리아-텅스텐-티타니아 촉매 및 그 제조방법
KR0166465B1 (ko) 배기가스 정화용 촉매의 제조방법
JPH08150336A (ja) 排ガス浄化材及び排ガス浄化方法
JP2553433B2 (ja) 排ガス中の窒素酸化物を除去する方法
JP2011050855A (ja) 排ガス浄化装置
JP3605655B2 (ja) 排気ガス浄化触媒