JP3940196B2 - 空燃比制御装置の感温作動弁取付構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は気化器の空燃比を温度補正するために設けられる感温作動弁の取付構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
特開昭59−206655号や同61−40454号に例示するように、エンジン温度や吸気温度に応じて気化器のエアブリード通路へ流れる空気量を変化させ、エンジンへ供給される混合気の空燃比を、冷機時に濃くしてドライバビリテイを向上させ、暖機時には薄くして排気ガスの浄化効率を向上させるように制御する空燃比制御装置は公知である。
【0003】
また、特開昭61−40454号には、感温作動弁をエアクリーナのクリーンサイド内に設け、バイパス通路を介して気化器へ補助空気を供給することが示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記特開昭61−40454号のように、感温作動弁をエアクリーナ内へ設ける場合、感温作動弁は一般的にエアクリーナへ複数ヶ所の締付けで取付けているため、締付場所が大きくなり、その結果、吸気抵抗の増大、エアクリーナのサイズの拡大、特に横幅の増大によって車幅が増大することになった。また、作業工数の増大及びそれに伴うコストアップも生じた。
【0005】
さらに、感温作動弁を、一端が気化器へ接続されたコンチューブのエアクリーナ側接続端部の近傍部分に配設しようとすれば、この部分は最も配設スペースの少なくなる場所であるため、エアクリーナのサイズを大きくせざるを得ず、コンパクト化が困難であった。
【0006】
また、エアクリーナを自動2輪車用スイング式パワーユニットのベルコンケース上部に支持する形式の車両では、コンチューブがエアクリーナの前面から気化器へ向かって前方へ延びているため、さらにここへ吸気ダクトを設けようとすれば、感温作動弁の配設スペースが一層制約され、エアクリーナの横幅を拡大することなく感温作動弁を配設することが困難になった。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため本願発明に係る空燃比制御装置の感温作動弁取付構造は、スイング式パワーユニットに支持された後輪側方にエアクリーナを配置し、このエアクリーナのクリーンサイド内に設けた感温作動弁の開閉により、バイパスチューブを介して気化器へ補助空気を調整自在に供給して空燃比を調節する空燃比制御装置において、
エアクリーナ内を左右に区画するエアクリーナエレメントと略平行に前記感温作動弁をクリーンサイド内へ配設するとともに、
前記感温作動弁を、エアクリーナのクリーンサイド内で、一端が気化器へ接続されたコンチューブのエアクリーナ側接続端部よりもさらに吸気上流側かつ車体後方側へオフセットして配設し、
エアクリーナのエアクリーナエレメントに対面する内壁へ取付けたことを特徴とする。
【0008】
このとき、前記感温作動弁を、エアクリーナの前記内壁に対してネジ止めし、この感温作動弁取付用のネジの軸線をエアクリーナエレメントに直交させるようにしてもよい。
【0009】
さらに、前記感温作動弁を、前記ネジ止めに加え、エアクリーナの前記内壁に対して、長さ方向の前後2ヶ所で係止させることもできる。
【0010】
また、前記感温作動弁に、エアクリーナのクリーンサイド内で、一端が気化器へ接続されたコンチューブのエアクリーナ側接続端部よりもさらに吸気上流側かつ車体後方側で前記バイパスチューブの一端を接続するとともに、前記感温作動弁に前記バイパスチューブの一端を接続し、このバイパスチューブの他端を気化器のバイパス通路へ接続させることができる。
【0011】
さらに、前記エアクリーナを自動2輪車用スイング式パワーユニットのベルコンケース上部に支持するとともに、エアクリーナの前面に吸気用通路を設けることができる。
【0012】
【発明の効果】
エアクリーナエレメントがエアクリーナ内を左右に区画しているため、クリーンサイド内にて、このエアクリーナエレメントと略平行に感温作動弁を配設して、コンチューブの端部よりもさらに吸気上流側かつ車体後方側ヘオフセットして配設し、エアクリーナエレメントと対面するエアクリーナの内壁へ取付けると、感温作動弁の配設スペースを、エアクリーナエレメントと直交する方向(以下、横方向という)へあまり拡大しないで済む。
【0013】
このため、感温作動弁をエアクリーナへ内蔵するにもかかわらず、コンチューブの端部と感温作動弁とが左右方向に重ならず、後輪近傍にあって最も配設スぺ−スの少なくなるコンチューブ接続部を避けて感温作動弁を配設させることができ、これによりエアクリーナを一層コンパクトにできるとともに、車体左右幅の大型化を防止できる。
【0014】
また、感温作動弁取付用のネジの軸線をエアクリーナエレメントと直交させれば、エアクリーナエレメントを利用してネジの抜け止めすることが容易になる。
さらに、感温作動弁を、エアクリーナの内壁に対して、長さ方向の前後2ヶ所を係止すると、締結ヶ所が少なくなるので、それだけ吸気抵抗が少なくなってドライバビリテイが向上する。
【0015】
そのうえ、エアクリーナのサイズを小さくでき、さらに締結作業の工数も少なくなるのでコストダウンが可能になりかつメンテナンス性が向上する。
【0017】
さらにまた、感温作動弁を、エアクリーナのクリーンサイド内で、一端が気化器へ接続されたコンチューブのエアクリーナと接続する他端部よりもさらに吸気上流側かつ車体後方側へオフセットして配設し、この感温作動弁をバイパスチューブの一端と接続するとともに、このバイパスチューブの他端を気化器のバイパス通路へ接続すれば、最も配設スペースの少なくなるコンチューブのエアクリーナと接続する他端部近傍部分を避けて感温作動弁を配設させることができ、これによりエアクリーナを一層コンパクトにできる。
【0018】
また、前記エアクリーナを自動2輪車用スイング式パワーユニットのベルコンケース上部に支持する形式の車両であって、このエアクリーナの前面に吸気用通路を設ける形式のものであっても、エアクリーナの横幅を拡大することなく感温作動弁の配設スペースを十分に確保できる。
【0019】
【発明の実施の形態】
図1は本願発明の適用されたスクータにおけるエアクリーナ部分を断面にした吸気系の上面視図、図2はスクータ全体の側面要部外観図、図3はその平面図、図4はエンジン及び吸気系の側面図、図5は図4における感温作動弁周囲を拡大した図、図6は図5における6−6線断面図、図7は図5の7−7線断面図、図8は感温作動弁の断面図、図9は感温作動弁の上面視図、図10は図9の10−10線に沿う断面図、図11は気化器の断面図、図12は気化器を上流側から示す図(図11のX矢示方向図)である。
【0020】
図2及び図3において、前輪1を支持するフロントフォーク2が取付けられたヘッドパイプ3には、車体フレーム4を構成する前部フレームパイプ5が取付けられている。
【0021】
前部フレームパイプ5は、ヘッドパイプ3から車体中心に沿って斜めに後方かつ下方へ延び、その下端部には左右一対をなして前後方向へ延びるフロア部フレームパイプ6の前端部が連結されている。フロア部フレームパイプ6の後部は斜め上がりに後方へ延びる後部フレームパイプ7へ接続している。
【0022】
左右のフロア部フレームパイプ6間には燃料タンク8が支持され、後部フレームパイプ7上にはヘルメット9を入れることのできる大容量の物入れボックス10が底部前方と背面上部で支持され、その上にシート11が開閉自在に取付けられている。
【0023】
また、フロア部フレームパイプ6から後部フレームパイプ7へ屈曲する部分にはリンク12を介してスイング式パワーユニット13が揺動自在に支持されている。
【0024】
スイング式パワーユニット13は、水平エンジン14とVベルト式変速機を収容したベルコンケース15を備え、ベルコンケース15の後端部には後輪16が支持され、ベルコンケース15と後部フレームパイプ7との間には緩衝器17が取付けられている。
【0025】
ベルコンケース15の上部には、リヤフェンダF(図1参照)が一体に形成されたエアクリーナ18が支持され、このエアクリーナ18内へは後部フレームパイプ7に設けられた空気出口19より吸気通路である吸気ダクト20を介して吸気するようになっている。
【0026】
エアクリーナ18内部で浄化された空気は、その前面へ接続されて車体の前方へ延びるコンチューブ21を介して気化器22内へ吸気され、ここで適正空燃比の混合気となって水平エンジン14の吸気ポートへ吸入される。
【0027】
なお、車体フレーム4は、全体が空気通路となるように連通しており、エアクリーナ18に対する空気は、後部フレームパイプ7の空気出口19より上方位置に設けられた空気取入口23より取り込まれる。
【0028】
この空気取入口23は、物入れボックス10の側面で車体カバーC(図2)で囲まれた空間内へ開口している。
【0029】
また、ヘッドパイプ3の近傍の前部フレームパイプ5にも空気取入口5aが設けられ、ここから取り込まれた空気は、燃料タンク8の後方に設けられたクロスパイプ24から後方へ延びる冷却ダクト25よりベルコンケース15の前部内へ供給されて内部を冷却するようになっている。
【0030】
図1及び図4に明らかなように、エアクリーナ18内には、公知の感温作動弁26が長さ方向を車体中心と略平行に前後方向に配設した状態て収容され、その前端に軸線方向へ突出したジョイント26aにバイパスチューブ27の一端が嵌合接続されている。
【0031】
バイパスチューブ27はコンチューブ21と略平行にその外側方へ並んで前方へ延び、前端が気化器22のバイパスジョイントパイプ28へ接続されている。
【0032】
バイパスチューブ27は、気化器22の後述するバイパス通路へ接続し、このバイパス通路から気化器22の吸気通路内におけるメインノズルより下流側へ補助空気を供給することにより、エンジンの暖機時に空燃比を薄くして排気ガスの浄化効率を向上するようになっている。
【0033】
感温作動弁26は、バイパスチューブ27に対する補助空気の流量を調節するためのものであり、エンジン始動直後の冷機時等、吸気温度が所定以下のとき閉じて補助空気を止め、気化器22からエンジンへ供給される混合気の空燃比を濃くする。
【0034】
また、吸気温度が上昇するにつれて徐々に開き、吸気温度に応じた補助空気量をバイパスチューブ28へ流入させて混合気の空燃比を徐々に薄くし、所定温度以上の暖機時では全開するようになっている。
【0035】
なお、感温作動弁26の開閉制御を、エンジン14の温度に依存させることも任意にできる。
【0036】
エアクリーナ18はボデイ30とカバー31をネジ32で一体化しており、その内部は予めボデイ30側に取付けられて前後方向へ延びるエアクリーナエレメント33でダーテイサイド34とクリーンサイド35に左右へ区画されている。
【0037】
ダーテイサイド34内には、後部フレームパイプ7の空気出口19から後方へ延びる吸気ダクト20の延長部36がカバー31の前面壁31aを貫通して後方へ長く延出している。
【0038】
この延長部36は、感温作動弁26よりも後方へ長く延出し、その側面部へ一体に突出形成された突片をカバー31内へネジ止めすることにより固定されている。
【0039】
感温作動弁26の取付位置は、エアクリーナ18のクリーンサイド35内で、コンチューブ21のエアクリーナ側接続端部21aよりもさらに吸気上流側(本例では進行方向に対して後方側となる)へオフセットして配設され、エアクリーナエレメント33と対面するボデイ30の内壁30aへ取付けられている(図1参照)。
【0040】
図5乃至図9に明らかなように、感温作動弁26は、長さ方向を前後へ長くして配設され、その側部から上方へ突出する突出部37がネジ38でボデイ30と一体に形成されたボス39(図6)へネジ止めされている。
【0041】
ボデイ30の内壁30aと一体のリブ41と43が、感温作動弁26の長さ方向に沿って前後に隔てられ、かつそれぞれが内壁30aの側方へ突出形成されている。一方、感温作動弁26の外周部には、これらのリブ41、43と突き当てられる係止突部40が一体に突出形成されている。
図9及び図10に明らかなように、リブ41、43と突き当てられる係止突部40の先端は、感温作動弁26の横断面における外周部に引いた接線上にほぼ位置し、かつこの接線は同じく感温作動弁26の外周部から突出する突出部37の延出方向と感温作動弁26を挟んでほぼ平行している。
また、係止突部40は、リブ41、43と突き当てられる前記先端側から見たとき上向きに開放された略コ字状をなすリブであり、その下面は前記突出部37の延出方向と略90度異なる方向へ引いた接線とほぼ平行する平坦な当接面45をなしている。
【0042】
図6に示すように、リブ41の下端部にはさらに感温作動弁26側へ突出している係止爪42が一体に形成され、このリブ41の内側端面(感温作動弁26と対面する端面)と係止爪42及びボス39との間に感温作動弁26の外周を嵌合支持し、このとき係止突部40をリブ41の内側端面へ突き当てるとともに当接面45を係止爪42上へ当接させることにより位置決めされる。
【0043】
図7に明らかなように、このリブ41の前方にあるリブ43も、その上下端部に係止爪44が形成され、これら上下の係止爪44とリブ43の内側端面との間に感温作動弁26の外周部を嵌合支持し、このとき係止突部40をリブ43の内側端面へ突き当てるとともに当接面45を係止爪44上へ当接させることにより位置決めされる。
【0044】
したがって、感温作動弁26は長さ方向に沿ってリブ41及び43によって係止されることにより前後2ヶ所で位置決めされ、かつ突出部37をネジ38によりボデイ30の内壁30aへ1ヶ所を締結するだけで固定されている。
【0045】
なお、図6に明らかなように、カバー31から一体に押圧部材46が棒状をなして内方へ突出し、この先端によって圧縮変形されたエアクリーナエレメント33がネジ38の頭部38aへ押しつけられることにより、押圧部材46の先端によってネジ38の頭部38aが押圧支持されている。
【0046】
図1に明らかなように、感温作動弁26のジョイント26aにバイパスチューブ27の後端部が嵌合接続し、このバイパスチューブ27はコンチューブ21の後端部であるエアクリーナ側接続端部21aを取付けているボデイ30の前面壁47を貫通してコンチューブ21と略平行に前方へ延出している。
【0047】
図8に明らかなように、感温作動弁26の一端に設けられたワックス室26c内にワックスが封入され、周囲が所定温度以上になると膨張してロッド29aを図の左方へ押し出し、このロッド29aの先端に取付けられた弁体29をバルブスプリング29bに抗して図の左方へ移動させるようになっている。
この弁体29の移動により、リップ29cがシート面29dから離れるとバルブ開となり、図の拡大部中に矢示したように、クリーンサイド35内へ開放されている入り口26bから感温作動弁26の内部へ流入した清浄空気が出口であるジョイント26aへ流れるようになっている。なお、拡大部についてのみバルブ開状態を示す。
【0048】
図11及び図12に示すように、気化器22内には、吸気通路50を開閉するためスロットルケーブル51により上下するスロットルバルブ52が設けられ、このスロットルバルブ52に取付けられているジェットニードル53でメインノズル54の開口度が調整されている。
【0049】
メインノズル54には、フロート室55内の燃料がメインジェット56で計量され、かつメインエアブリード通路57からの空気と混合されて供給される。
【0050】
さらに、スロットルバルブ52より下流側でメインノズル54近傍の吸気通路50にスローポート58が形成され、ここに連通接続するバイパス通路59には、バイパスジョイントパイプ28に連通する補助エアブリード通路60が接続されている。
【0051】
また、バイパス通路59には、スローエアブリード通路61も接続され、このスローエアブリード通路61の上流側端部はメインエアブリード通路57と共に、図12に明らかなように吸気通路50内の上流部に開口している。
【0052】
スローエアブリード通路61から供給される空気はスロージェット62で計量された燃料と混合されてスローポート58へ供給されるようになっている。
【0053】
低速時でスロットルバルブ52の開度が低いときは、スローポート58から混合気がスロットルバルブ52より下流側へ供給されるとともに、暖機時には補助エアブリード通路60から供給される空気が加わることにより、吸気通路50内のエンジンへ供給される混合気の空燃比を薄めに調節する。
【0054】
次に、本実施形態の作用を説明する。感温作動弁26をエアクリーナ18へ取付けるには、まず、カバー31を外してあるボデイ30のクリーンサイド35内へ、感温作動弁26をエアクリーナエレメント33と略平行に入れる。
【0055】
続いて、その長さ方向に沿って前後2ヶ所に形成された係止突部40をリブ41及び43の各内側端面へ突き当て、かつ当接面45を係止爪42、44上へ当接させることにより位置決めし、さらに突出部37をネジ38によりボデイ30へ1ヶ所だけ締結する。
【0056】
その後、バイパスチューブ27の一端を感温作動弁26のジョイント部26aへ嵌合し、他端をコンチューブ21と略平行に前方へ延出して、気化器22のバイパスジョイントパイプ28へ上方から嵌合し、カバー31をボデイ30へネジ32で止める。
【0057】
このようにすると、感温作動弁26をエアクリーナエレメント33に沿わせて配設するので、配設スペースを横方向へあまり拡大しないで済むため、感温作動弁26をエアクリーナ18へ内蔵するにもかかわらず、エアクリーナ18の横幅をそれ程拡大せずコンパクトにでき、その結果、車体も横幅があまり広がらずコンパクトにできる。
【0058】
特に、感温作動弁26をクリーンサイド35内でコンチューブ21のエアクリーナ接続端部21aよりも吸気上流側かつ車体後方側へオフセットしてエアクリーナエレメント33と対面するボデイ30の内壁30aへ取付けられ、かつバイパスチューブ27を介して気化器22側と接続することにより、配設スペースに制約のあるコンチューブ21のエアクリーナ接続端部21aを避けてスペース効率よく配設できるので、この点でもエアクリーナ18を拡大せずコンパクトにできる。
【0059】
そのうえ、エアクリーナ18の前面壁には、ボデイの前面壁47へコンチューブ21が接続し、カバーの前面壁31aには吸気ダクト20が接続し、さらに延長部36をダーテイサイド34内へ延長することにより、感温作動弁26の配設スペースが著しく制約されているにもかかわらず、感温作動弁26をこれらと干渉せずに配設できる。
【0060】
さらに、バイパスチューブ27をコンチューブ21の側面に略平行させて前後方向へ配設することにより、感温作動弁26から気化器22の間を最短距離で配管でき、かつ複雑な配管やクランプ並びに成形チューブの省略が可能になった。従来はこのようなことが困難であった。
【0061】
しかも、エアクリーナエレメント33を交換する場合には、カバー31を外すだけで済み、感温作動弁26及びバイパスチューブ27は予めボデイ30側へ支持されているのでこれらを着脱する必要が無く、メンテンナンス性が良い。なお、エアクリーナ18全体の交換時にはバイパスチューブ27の一端をバイパスジョイントパイプ28から外せばよい。
【0062】
また、感温作動弁26をコンチューブ21のエアクリーナ接続端部21aの延長線から側方へずれた位置に1ヶ所だけでネジ止めするので、それだけ吸気抵抗が少なくなってドライバビリテイが向上するとともに、この点でもエアクリーナ18のサイズを小さくでき、さらに締結作業の工数も少なくなるのでコストダウンが可能になりかつメンテナンス性が向上する。
【0063】
さらにまた、カバー31から一体に突出する押圧部材46を利用して、その先端によって圧縮変形されたエアクリーナエレメント33が、感温作動弁取付用のネジ38の頭部38aへ押しつけられることにより、エアクリーナエレメント33でネジ38の頭部38aを効果的に押圧支持できる。また、ネジ38の軸線をエアクリーナエレメント33と直交させたので(図1参照)、エアクリーナエレメント33を利用してネジ38を抜け止めすることが容易になる。
【0064】
なお、本願発明は上記実施形態に限定されず種々に変形可能であり、例えば、バイパスチューブ27をダーテイサイド34内へ配管せず、カバー31の上又は下部外側面に沿って配設し、エアクリーナエレメント33の平面と略平行に上下方向へ長く配設された感温作動弁26へ接続させることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 エアクリーナ部分を断面にした吸気系の上面視図
【図2】 スクータ全体の側面要部外観図
【図3】 その平面図
【図4】 エンジン及び吸気系の側面図
【図5】 図4における感温作動弁周囲を拡大した図
【図6】 図5の6−6線断面図
【図7】 図5の7−7線断面図
【図8】 感温作動弁の断面図
【図9】 感温作動弁の上面視図
【図10】図9の10−10線に沿う断面図
【図11】気化器の断面図
【図12】図11のX矢示図
【符号の説明】
18:エアクリーナ、20:吸気ダクト、21:コンチューブ、21a:エアクリーナ側接続端部、22:気化器、26:感温作動弁、27:バイパスチューブ、33:エアクリーナエレメント、38a:ネジの頭部、47:ボデイ(エアクリーナ)の前面壁
Claims (5)
- スイング式パワーユニットに支持された後輪側方にエアクリーナを配置し、このエアクリーナのクリーンサイド内に設けた感温作動弁の開閉により、バイパスチューブを介して気化器へ補助空気を調整自在に供給して空燃比を調節する空燃比制御装置において、
エアクリーナ内を左右に区画するエアクリーナエレメントと略平行に前記感温作動弁をクリーンサイド内へ配設するとともに、
前記感温作動弁を、エアクリーナのクリーンサイド内で、一端が気化器へ接続されたコンチューブのエアクリーナ側接続端部よりもさらに吸気上流側かつ車体後方側へオフセットして配設し、
エアクリーナのエアクリーナエレメントに対面する内壁へ取付けたことを特徴とする空燃比制御装置の感温作動弁取付構造。 - 前記感温作動弁を配設してエアクリーナの前記内壁に対してネジ止めし、この感温作動弁取付用のネジの軸線をエアクリーナエレメントに直交させたことを特徴とする請求項1に記載した空燃比制御装置の感温作動弁取付構造。
- 前記感温作動弁を、前記ネジ止めに加え、エアクリーナの前記内壁に対して、長さ方向の前後2ヶ所を係止したことを特徴とする請求項2に記載した空燃比制御装置の感温作動弁取付構造。
- 前記感温作動弁に、エアクリーナのクリーンサイド内で、一端が気化器へ接続されたコンチューブのエアクリーナ側接続端部よりもさらに吸気上流側かつ車体後方側にて前記バイパスチューブの一端を接続するとともに、このバイパスチューブの他端を気化器のバイパス通路へ接続させたことを特徴とする請求項1に記載した空燃比制御装置の感温作動弁取付構造。
- 前記エアクリーナを自動2輪車用スイング式パワーユニットのベルコンケース上部に支持するとともに、エアクリーナの前面に吸気用通路を設けたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載した空燃比制御装置の感温作動弁取付構造。
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