JP3939033B2 - 繊維含有吹付セメントコンクリート用ノズル及びそれを用いた吹付工法 - Google Patents

繊維含有吹付セメントコンクリート用ノズル及びそれを用いた吹付工法 Download PDF

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Description

【発明の属する技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、道路、鉄道、及び導水路等のトンネルにおいて、露出した地山の側壁等に繊維含有吹付セメントコンクリートを吹付ける際に使用する繊維含有吹付セメントコンクリート用ノズル及びそれを用いた吹付工法に関する。なお、本発明では、ペースト、モルタル、及びコンクリートを総称してセメントコンクリートという。
【0002】
【従来の技術】
吹付セメントコンクリートの靱性、耐久性、及び耐ひび割れ性の向上、シングルシェル化対策、並びに、吹付セメントコンクリートの剥落防止等を目的として繊維が使用されている。吹付セメントコンクリートを側壁等に吹付けた場合、吹付セメントコンクリートの一部が側壁等に付着せずに跳ね返る現象(以下リバウンドという)が発生する。
【0003】
そして、(跳ね返り落下した急結性吹付コンクリートの量)/(吹付に使用した急結性吹付セメントコンクリート全体の量)×100(%)で示される急結性吹付セメントコンクリートのリバウンド率は20〜40%の範囲に入り、通常は30%程度である。繊維を含有した吹付セメントコンクリートでは補強効果を大きくするために、繊維の長さが通常30mm程度と長い繊維を使用している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、繊維の長さが長いと側壁等へ付着しにくいことから、繊維自身のリバウンド率は40〜50%程度と大きく、特に水セメント比が小さい高強度吹付セメントコンクリートでは50〜60%と著しく大きくなる場合があり、繊維が、側壁等へ充分付着しないと、対ひび割れ性能や曲げ強度の向上が望めない等の課題があった。
【0005】
又、圧縮空気を用いて吹付けた場合には、材料の比重差等により、使用材料が圧送管内で均一に混合せず、リバウンド率が低下するという課題があった。特に粒子径が大きな粗骨材は繊維と圧送管内で均一に混合しないので、リバウンド率が大きくなってしまうという課題があった。
【0006】
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、適正な絞り部を設けた繊維含有吹付セメントコンクリート用ノズルを用いることにより、上記課題を解決できる知見を得て本発明を完成するに至った。
【0007】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明は、
供給口、徐々に絞られていく絞り部、及び吐出口からなり、(吐出口の径)/(供給口の径)=0.3〜0.8、(絞り部の長さ)/(供給口の径)=1.0〜3.0である絞り部を有する繊維含有吹付セメントコンクリート用ノズル(繊維含有吹付セメントコンクリートは、繊維の使用量が、セメントコンクリート100容量部中、0.1〜1.5容量部であり、減水剤の使用量が、セメント100重量部に対して、0.05〜3重量部であり、水/セメント比が35%以上である。)であり、
供給口、徐々に絞られていく絞り部、及び吐出口からなり、(吐出口の径)/(供給口の径)=0.3〜0.8、(絞り部の長さ)/(供給口の径)=1.0〜3.0である絞り部を有する繊維含有急結性吹付セメントコンクリート用ノズル(繊維含有急結性吹付セメントコンクリートは繊維含有吹付セメントコンクリートと急結材を含有する。繊維含有吹付セメントコンクリートは、繊維の使用量が、セメントコンクリート100容量部中、0.1〜1.5容量部であり、減水剤の使用量が、セメント100重量部に対して、0.05〜3重量部であり、水/セメント比が35%以上である。)であり、
急結材がカルシウムアルミネートと石膏を含有してなる該繊維含有急結性吹付セメントコンクリート用ノズルであり、
繊維の使用量が、セメントコンクリート100容量部中、0.1〜1.5容量部であり、減水剤の使用量が、セメント100重量部に対して、0.05〜3重量部であり、水/セメント比が35%以上である繊維含有吹付セメントコンクリートを、供給口、徐々に絞られていく絞り部、及び吐出口からなり、(吐出口の径)/(供給口の径)=0.3〜0.8、(絞り部の長さ)/(供給口の径)=1.0〜3.0である絞り部を有する繊維含有吹付セメントコンクリート用ノズルを使用して吹付けることを特徴とする繊維含有吹付セメントコンクリートの吹付工法であり、
繊維の使用量が、セメントコンクリート100容量部中、0.1〜1.5容量部であり、減水剤の使用量が、セメント100重量部に対して、0.05〜3重量部であり、水/セメント比が35%以上である繊維含有吹付セメントコンクリートと、急結材とを、混合してなる繊維含有急結性吹付セメントコンクリートを、供給口、徐々に絞られていく絞り部、及び吐出口からなり、(吐出口の径)/(供給口の径)=0.3〜0.8、(絞り部の長さ)/(供給口の径)=1.0〜3.0である絞り部を有する繊維含有急結性吹付セメントコンクリート用ノズルを使用して吹付けることを特徴とする繊維含有急結性吹付セメントコンクリートの吹付工法であり、
急結材がカルシウムアルミネートと石膏を含有してなることを特徴とする該繊維含有急結性吹付セメントコンクリートの吹付工法である。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を説明する。
【0009】
本発明は、繊維含有吹付セメントコンクリート用ノズル(以下本ノズルという)に適正な絞り部を設けることにより、圧送管内で均一に混合しなかった、粗骨材や繊維等の繊維含有吹付セメントコンクリート中の使用材料を均一に混合させ、リバウンド率を低減できるようにしたものである。
本ノズルの材質については、特に限定はなく、鉄、ゴム、及びセラミック等が使用できる。
【0010】
本ノズルは、圧送管から繊維含有吹付セメントコンクリートが入ってくる供給口、徐々に絞られていく絞り部、及び吐出口からなるものである。
【0011】
本ノズルの絞り部は、供給口の径D、吐出口の径dの比率、及び絞り部の長さLを以下のように規定したものである。吐出口の径dは、粗骨材が吐出できる程度の径を有することが必要である。粗骨材の骨材寸法は通常10〜15mmなので、dは、15mm以上であることが好ましい。
【0012】
dとDの比率は、d/D=0.3〜0.8であり、0.5〜0.7が好ましい。0.3未満だと圧送管の閉塞が発生し、脈動が激しくなり、施工性に問題が発生し、0.8を越えるとリバウンド率が大きくなるおそれがある。
【0013】
LとDとの比率は、L/D=1.0〜3.0であり、1.5〜2.0が好ましい。1.0未満だと圧送管の閉塞が発生し、脈動が激しくなり、施工性に問題が発生し、3.0を越えるとリバウンド率が大きくなるおそれがある。
【0014】
本発明で使用する繊維としては、スチール繊維(鋼繊維)等の無機物繊維、ビニロン繊維、アラミド繊維、及びポリプロピレン繊維等の有機物繊維、並びに、カーボン繊維等が挙げられる。これらの中では、曲げ強度が大きい点で、鋼繊維が好ましい。
【0015】
繊維の長さは特に限定されるものではないが、3〜60mmが好ましく、6〜30mmがより好ましい。3mm未満だと補強効果が小さいおそれがあり、60mmを越えると吹付作業性が悪くなるおそれがある。
【0016】
繊維の使用量は、セメントコンクリート100容量部中、0.1〜1.5容量部が好ましく、0.6〜1.0容量部がより好ましい。0.1容量部未満だと強度発現性が小さくなり、リバウンド率が大きくなるおそれがあり、1.5容量部を越えると吹付作業性、混合分散性、及び経済性が悪くなるおそれがある。
【0017】
さらに、本発明では、付着性向上の点で、急結剤を使用することが好ましい。急結剤の使用により、吹付セメントコンクリートの短時間強度を向上させ、剥落を防止でき、付着性が良くなるという効果がある。
【0018】
急結材としては、アルミン酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、及びケイ酸ナトリウム等の無機塩系、並びに、カルシウムアルミネート類等のセメント鉱物系等が挙げられる。これらの中では、強度発現性が良好な点で、セメント鉱物系が好ましく、カルシウムアルミネート類がより好ましく、カルシウムアルミネートが最も好ましい。
【0019】
カルシウムアルミネートの中では、反応活性の点で、非晶質のカルシウムアルミネートが好ましく、12CaO・7Al2 3 (C127 )組成に対応する熱処理物を急冷した非晶質のカルシウムアルミネートがより好ましい。
【0020】
カルシウムアルミネートの粒度は、ブレーン値で3000cm2 /g以上が好ましく、5000cm2 /g以上がより好ましい。3000cm2 /g未満だと初期強度発現性が低下するおそれがある。
【0021】
カルシウムアルミネートは単独でも急結材として使用できるが、石膏、消石灰、アルミン酸ナトリウム、及び/又は炭酸ナトリウム等を併用してもよい。これらの中では、石膏を併用することが好ましい。
【0022】
石膏は、市販のいずれの石膏も使用できるが、II型無水石膏や天然石膏が好ましい。
【0023】
石膏の粒度は、ブレーン値で3000cm2 /g以上が好ましく、4000〜7000cm2 /gがより好ましい。3000cm2 /g未満だと初期強度発現性が低下するおそれがある。
【0024】
石膏の使用量は、カルシウムアルミネート100重量部に対して、20〜250重量部が好ましく、75〜150重量部がより好ましい。20重量部未満だと効果はなく、250重量部を越えると硬化時間が長くなり、初期凝結性状が悪くなるおそれがある。
【0025】
急結材の使用量は、セメント100重量部に対して、3〜20重量部が好ましく、5〜15重量部がより好ましい。3重量部未満だとリバウンド率が大きくなり、短期強度発現性が小さくなるおそれがあり、20重量部を越えると圧送ホース内で閉塞する等の圧送性が悪化し、長期強度発現性が小さくなるおそれがある。
【0026】
さらに、本発明では、セメントコンクリートの流動性や急結材の分散安定性を改善する点で、減水剤を使用することが好ましい。
【0027】
減水剤とは、セメントコンクリートの流動性や急結材の分散安定性を改善するために使用するものをいい、液状や粉状のものいずれも使用できる。減水剤としては、ポリオール誘導体、リグニンスルホン酸塩やその誘導体、及び高性能減水剤等が挙げられ、これらの一種又は二種以上を使用してもよい。これらの中では、高強度発現性や分散安定性の点で、高性能減水剤が好ましい。
【0028】
高性能減水剤により、急結材の使用量を少なくでき、又、粉塵の発生量やリバウンド率が極めて少なくできる。
【0029】
高性能減水剤としては、アルキルアリルスルホン酸塩のホルマリン縮合物、ナフタレンスルホン酸塩のホルマリン縮合物、メラミンスルホン酸塩のホルマリン縮合物、及びポリカルボン酸系高分子化合物等が挙げられ、液状や粉状のものいずれも使用でき、これらの一種又は二種以上を使用してもよい。これらの中では、効果が大きい点で、ナフタレンスルホン酸塩のホルマリン縮合物、メラミンスルホン酸塩のホルマリン縮合物、及び/又はポリカルボン酸系高分子化合物が好ましい。
【0030】
減水剤の使用量は、セメント100重量部に対して、0.05〜3重量部が好ましく、0.1〜2重量部がより好ましい。0.05重量部未満では効果がないおそれがあり、3重量部を越えるとセメントコンクリートの流動性は大きくなるが、セメントコンクリートに粘性を生じ、セメントコンクリートが圧送管やミキサーの回転羽根に付着して施工性が低下し、強度が低下するおそれがある。
【0031】
又、本発明では、増粘剤を使用してもよい。増粘剤としては、メチルセルロース等のセルロース系、ポリエチレンオキサイド系、及びポバール系等の水溶性ポリマーが好ましい。
【0032】
本発明で使用するセメントとしては、通常用いられる、普通・早強・超早強等の各種ポルトランドセメントや、これらのポルトランドセメントに高炉スラグ、フライアッシュ、又はシリカを混合した各種混合セメント、さらには、3CaO・SiO2 や11CaO・7Al2 3 ・CaF2 を主成分とする変性ポルトランドセメント等が挙げられる。これらの中では、スランプロスが比較的少ない点で、普通セメントが好ましい。
【0033】
本発明ではさらに骨材を使用できる。本発明で使用する骨材は吸水率が低くて、骨材強度が高いものが好ましく、細骨材率や骨材の最大寸法は吹付けできれば特に制限されるものではない。
細骨材としては、川砂、山砂、石灰砂、及び珪砂等が使用でき、粗骨材としては、川砂利、山砂利、及び石灰砂利等が使用できる。
【0034】
本発明の吹付セメントコンクリートにおける水の使用量は、強度発現性の点で、水/セメント比で35%以上が好ましく、40〜55%がより好ましい。35%未満だとセメントコンクリートが十分に混合できないおそれがあり、55%を越えると強度発現性を阻害するおそれがある。
【0035】
さらに、リバウンド率を更に低下する点で、シリカヒューム、微粉フライアッシュ、ベントナイト、及びメタカオリン等の無機微粉末を使用してもよい。
【0036】
本発明では、セメント、水、繊維、及び必要に応じて骨材や減水剤を混合して吹付セメントコンクリートを調製することができる。そして、必要に応じて急結材を添加して急結性吹付セメントコンクリートを調製することもできる。
【0037】
吹付設備は吹付が十分に行われれば、特に限定されるものではなく、例えば、吹付セメントコンクリートの圧送にはコンクリート圧送装置「アリバー280」(アリバー社製)等が、急結材の圧送には急結材圧送装置「ナトムクリート」(ちよだ製作所製)等がそれぞれ使用できる。
【0038】
本発明においては、従来使用の吹付設備等が使用できる。通常、吹付圧力は2〜5kg/cm2 、吹付速度は4〜20m3 /h程度である。
【0039】
【実施例】
以下、実施例を説明する。
【0040】
実験例1
表1に示す急結性吹付コンクリートを配合し、角度90度のベニヤ板からなる側壁に吹付けて吹付試験を実施し、本ノズルの有無の評価を行った。
絞り部を有する場合には、供給口の径(D)55mm、吐出口の径(d)35mm、絞り部の長さ(L)100mmのノズルを使用した。
絞り部のない場合には、供給口の径55mm、吐出口の径55mm、絞り部のないノズルを使用した。
吹付方法としては、圧送機「アリバ−280」で圧送した吹付コンクリートと、急結剤圧送機「デンカナトムクリ−ト」で圧送した急結材とを、圧送管の途中に設けたY字管にて混合、合流させ、100リットルの急結性吹付コンクリートを吹付ける方法を行った。
調製した急結性吹付コンクリートにつき、各物性を測定し、結果を表1に示す。
【0041】
(使用材料)
セメント:普通ポルトランドセメント、比重3.16、市販品
細骨材:新潟県姫川産川砂、比重2.62
粗骨材:新潟県糸魚川産6号砕石、最大寸法15mm、比重2.64
水:水道水
減水剤:高性能減水剤、ポリカルボン酸系、市販品
繊維:鋼繊維、長さ30mm、比重7.8、市販品
急結材:カルシウムアルミネート/石膏=1/1(重量比)からなる混合物。但し、カルシウムアルミネートはC127 組成に対応するもので、非晶質、ブレーン値6050cm2 /gのものを使用し、石膏はII型無水石膏、ブレーン値6050cm2 /gのものを使用した。
【0042】
(測定方法)
コンクリートリバウンド率:急結性吹付コンクリートを1分間、角度90度の側壁に吹付けた時の、(跳ね返り落下した急結性吹付コンクリートの量)/(吹付に使用した急結性吹付セメントコンクリート全体の量)×100(%)で示した。
繊維リバウンド率:繊維のリバウンド率を示した。急結性吹付コンクリートを1分間側壁に吹付けた時の、(跳ね返り落下した繊維の量)/(急結性吹付コンクリート中の繊維の吹付量)×100(%)で示した。なお、跳ね返り落下した繊維の量は、跳ね返った急結性吹付コンクリートから繊維を磁石により吸引、収集して測定した。
【0043】
【表1】
Figure 0003939033
【0044】
実験例2
水202kg/m3 、セメント450kg/m3 、細骨材1183kg/m3 、粗骨材511kg/m3 、急結材45kg/m3 、減水剤4.5kg/m3 、及び吹付コンクリート100容量部中0.8容量部の繊維からなる急結性吹付コンクリートを配合し、D=55mm、L/D=1.82、及び表2に示すd/Dを有する絞り部の形状をしたノズルを使用してリバウンド率と圧送性を評価したこと以外は、実験例1と同様に行った。表2に結果を示す。
【0045】
(測定方法)
圧送性:急結性吹付コンクリートの圧送状況を評価した。圧送ホースが閉塞しない場合を○、脈動が発生したものの圧送ホースが閉塞しない場合を△、圧送ホースが閉塞した場合を×とした。
【0046】
【表2】
Figure 0003939033
【0047】
実験例3
水202kg/m3 、セメント450kg/m3 、細骨材1183kg/m3 、粗骨材511kg/m3 、急結材45kg/m3 、減水剤4.5kg/m3 、及び吹付コンクリート100容量部中0.8容量部の繊維からなる急結性吹付コンクリートを配合し、D=55mm、d/D=0.64、及び表3に示すL/Dを有する絞り部の形状をしたノズルを使用してリバウンド率と脈動性を評価したこと以外は、実験例1と同様に行った。表3に結果を示す。
【0048】
(測定方法)
脈動性:急結性吹付コンクリートの圧送中のホースの脈動状況を評価した。圧送ホースが脈動しない場合を○、脈動が発生しても急結性吹付コンクリートが途切れずに吐出した場合を△、脈動が激しく急結性吹付コンクリートの吐出が途切れた場合を×とした。
【0049】
【表3】
Figure 0003939033
【0050】
実験例4
水202kg/m3 、セメント450kg/m3 、細骨材1183kg/m3 、粗骨材511kg/m3 、急結材45kg/m3 、減水剤4.5kg/m3 、並びに、吹付コンクリート100容量部中表4に示す容量部の繊維からなる急結性吹付コンクリートを配合し、D=55mm、d/D=0.64、及びL/D=1.82である絞り部の形状をしたノズルを使用してリバウンド率、曲げ強度、及び作業性を評価したたこと以外は、実験例1と同様に実施した。結果を表4に示す。
【0051】
(測定方法)
曲げ強度:土木学会基準「鋼繊維補強コンクリートの曲げ試験方法(JSCE−G 552−19983)」に準じて材齢28日後の曲げ強度を測定した。
作業性:急結性吹付コンクリートを吹付けた際に、吹付機が詰まった場合を×、詰まり気味の場合を△、詰まらなかった場合を○とした。
【0052】
【表4】
Figure 0003939033
【0053】
実験例5
水202kg/m3 、セメント450kg/m3 、細骨材1183kg/m3 、粗骨材511kg/m3 、減水剤4.5kg/m3 、及び吹付コンクリート100容量部中0.8容量部の繊維、並びに、セメント100重量部に対して表5に示す量の急結材からなる急結性吹付コンクリートを配合し、D=55mm、d/D=0.64、及びL/D=1.82である絞り部の形状をしたノズルを使用してリバウンド率、圧送性、及び圧縮強度を評価したこと以外は、実験例1と同様に実施した。結果を表5に示す。
【0054】
(測定方法)
圧縮強度:材齢3時間の圧縮強度は土木学会基準「引抜き方法による吹付けコンクリートの初期強度試験方法(JSCE−G 561−1994)」に準じて測定し、材齢28日の圧縮強度はJIS A 1107(1993)に準じて測定した。
【0055】
【表5】
Figure 0003939033
【0056】
実験例6
急結材を使用せず、角度45度のベニヤ板に吹付けたこと以外は、実験例1のNo.1−6と同様に行ってNo.6−1とした。結果を表6に示す。
又、急結材を使用せず、角度45度のベニヤ板に吹付けたこと以外は、実験例1のNo.1−5と同様に行ってNo.6−2としたものの結果も表6に示す。
【0057】
【表6】
Figure 0003939033
【0058】
【発明の効果】
本発明による繊維含有吹付セメントコンクリート用ノズルを用いることにより、リバウンド率を低減でき、経済性が向上する。特に、コンクリートと繊維のリバウンド率を低減できることから、経済性の向上と共に、補強繊維に期待される靱性の向上や対ひび割れ性能の向上が達成できる。

Claims (6)

  1. 供給口、徐々に絞られていく絞り部、及び吐出口からなり、(吐出口の径)/(供給口の径)=0.3〜0.8、(絞り部の長さ)/(供給口の径)=1.0〜3.0である絞り部を有する繊維含有吹付セメントコンクリート用ノズル(繊維含有吹付セメントコンクリートは、繊維の使用量が、セメントコンクリート100容量部中、0.1〜1.5容量部であり、減水剤の使用量が、セメント100重量部に対して、0.05〜3重量部であり、水/セメント比が35%以上である。)。
  2. 供給口、徐々に絞られていく絞り部、及び吐出口からなり、(吐出口の径)/(供給口の径)=0.3〜0.8、(絞り部の長さ)/(供給口の径)=1.0〜3.0である絞り部を有する繊維含有急結性吹付セメントコンクリート用ノズル(繊維含有急結性吹付セメントコンクリートは繊維含有吹付セメントコンクリートと急結材を含有する。繊維含有吹付セメントコンクリートは、繊維の使用量が、セメントコンクリート100容量部中、0.1〜1.5容量部であり、減水剤の使用量が、セメント100重量部に対して、0.05〜3重量部であり、水/セメント比が35%以上である。)。
  3. 急結材がカルシウムアルミネートと石膏を含有してなる請求項2記載の繊維含有急結性吹付セメントコンクリート用ノズル。
  4. 繊維の使用量が、セメントコンクリート100容量部中、0.1〜1.5容量部であり、減水剤の使用量が、セメント100重量部に対して、0.05〜3重量部であり、水/セメント比が35%以上である繊維含有吹付セメントコンクリートを、供給口、徐々に絞られていく絞り部、及び吐出口からなり、(吐出口の径)/(供給口の径)=0.3〜0.8、(絞り部の長さ)/(供給口の径)=1.0〜3.0である絞り部を有する繊維含有吹付セメントコンクリート用ノズルを使用して吹付けることを特徴とする繊維含有吹付セメントコンクリートの吹付工法。
  5. 繊維の使用量が、セメントコンクリート100容量部中、0.1〜1.5容量部であり、減水剤の使用量が、セメント100重量部に対して、0.05〜3重量部であり、水/セメント比が35%以上である繊維含有吹付セメントコンクリートと、急結材とを、混合してなる繊維含有急結性吹付セメントコンクリートを、供給口、徐々に絞られていく絞り部、及び吐出口からなり、(吐出口の径)/(供給口の径)=0.3〜0.8、(絞り部の長さ)/(供給口の径)=1.0〜3.0である絞り部を有する繊維含有急結性吹付セメントコンクリート用ノズルを使用して吹付けることを特徴とする繊維含有急結性吹付セメントコンクリートの吹付工法。
  6. 急結材がカルシウムアルミネートと石膏を含有してなることを特徴とする請求項5記載の繊維含有急結性吹付セメントコンクリートの吹付工法。
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