JP3938919B2 - 無機ペースト組成物、無機ペースト組成物の製造方法、および、ディスプレイパネル製造用シート状未焼成体 - Google Patents

無機ペースト組成物、無機ペースト組成物の製造方法、および、ディスプレイパネル製造用シート状未焼成体 Download PDF

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Description

本発明は、無機ペースト組成物、その製造方法、および、当該無機ペースト組成物を用いたディスプレイパネル製造用シート状未焼成体に関する。
放電現象を利用して多数の微細なセルを自己発光させることにより画像を形成するプラズマディスプレイは、大画面、薄型、軽量、フラットという、従来のディスプレイでは実現できなかった優れた特徴を有しており、その普及が図られている。
従来のプラズマディスプレイは、縦方向にリブを入れたストレート構造のセルが主流であった。しかし、近年、プラズマディスプレイ前面への効率的な導光を図るため、縦方向だけでなく横方向にもリブを入れたワッフル構造のセルが開発された。セルをワッフル構造にすることで、隣接セルからの漏光を防ぎ、極めて高効率な前面への導光を実現できる。
ワッフル構造型セルを有するプラズマディスプレイは、透明電極とバス電極からなる複合電極が互いに平行に形成された前面板と、上記複合電極と直交するようにアドレス電極が互いに平行に形成された背面板とが対向して配設され、一体化されてなる表示素子である。前記前面板は表示面となる透明ガラス基板を有しており、このガラス基板の内側、すなわち背面板側には、上記複合電極が配置されている。そして、この複合電極を覆うように誘電体層が形成され、この誘電体層上にはパターニングされたスペーサ層が設けられており、この誘電体層およびスペーサ層の表面にはMgO等からなる保護膜が形成されている。一方、背面板の基板の前面板側には、上記のアドレス電極が配置され、このアドレス電極を覆うように誘電体層が形成され、この誘電体層上に下記の発光部が形成されている。
上記の複合電極とアドレス電極とが交差する空間に位置することになる前記発光部は多数のセルから構成されている。多数のセルは、前記誘電体層上の縦横方向に形成されたリブによって構成されており、リブの壁面とリブ内の誘電体層の表面、すなわち各セルの内面と底面を覆うようにして蛍光体層が設けられている。プラズマディスプレイでは、前面板の複合電極間に交流電源から所定の電圧を印加して電場を形成することにより、セル内で放電が行われ、この放電により生じる紫外線により蛍光体層を発光させる。
ワッフル構造型のプラズマディスプレイでは、誘電体層上に、ライン状に等間隔に配列した多数のスペーサ層が設けられている。この前面板では、前記スペーサ層がリブと接触するため、リブで囲まれてなる各セルの上部に隙間ができ、この隙間を通じて各セルへ希ガスを導入できる。
このようなプラズマディスプレイ前面板を製造する方法としては、フォトリソグラフィー法を利用した製造方法が主流となっている。
以下、フォトリソグラフィー法を利用した製造プロセスを説明する。まず、ガラス基板上に非感光性のガラスペースト膜からなる誘電体層、および、感光性のガラスペースト膜からなるスペーサ層を形成し、このスペーサ層に、フォトマスクを介して紫外線などを照射する。つぎに、現像処理してレジストパターンを顕在化させ、これを500℃〜700℃で焼成することにより誘電体層およびスペーサ層を同時に形成する。
フォトリソグラフィー法を利用した製造方法では、1度の焼成で、誘電体層およびスペーサ層を同時に焼成できるため、スクリーン印刷法を利用した製造方法と比較して製造コストを抑えることができるという利点がある。
前述の誘電体層およびスペーサ層を形成するためのガラスペースト組成物は、バインダー樹脂を適当な有機溶剤に溶解させたバインダー成分に、ガラスフリットを分散させることによって調製できる。バインダー樹脂としては、ガラス基板への密着性の観点から、従来から水酸基含有樹脂が用いられてきた。このような水酸基含有樹脂を溶解する有機溶剤としては、水酸基含有樹脂に対する溶解性および環境安全性の観点から、工業的生産レベルではアルコール系の溶剤が主流である。
しかしながら、水酸基含有樹脂とアルコール系溶剤を組み合わせたバインダー成分中にガラスフリットを添加すると、ガラスフリットが均一に分散せず、しばしばガラスフリットが凝集するといった問題があった。
均一な塗膜を形成するためには、バインダー成分中にガラスフリットを均一に分散させることが極めて重要である。ガラスフリットが均一に分散していないと、すなわち、ガラスフリットのバインダー成分への分散に濃淡ができると、離型支持フィルム上にガラスペースト組成物を塗布して塗膜を形成する際、分散の濃い部分である塊状のガラスペーストによってスジ引きなどが発生し、品質劣化を招く原因となっていた。
ガラスフリットの分散性とバインダー樹脂中の水酸基量との間には密接な関係があり、バインダー樹脂の水酸基量を増加させることにより、ガラスフリットの分散性を向上させることは可能である。しかし、バインダー樹脂中の水酸基量が増加すると、誘電体層の焼成工程においてシュリンクが発生し、基板と誘電体層の間に歪力が生じて、誘電体層にひび割れが発生するといった新たな問題を引き起こすといった問題があった。
このように、従来のガラスペースト組成物では、ガラスフリットの分散性と誘電体層の平坦性を同時に向上させることは困難であった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、ガラスフリットの分散性が高く、かつ、均一な膜厚を有する塗膜を形成できる無機ペースト組成物、および、その製造方法を提供することを目的とする。さらには、均一な膜厚を有し、かつ、焼成時のシュリンクを抑制することができるディスプレイパネル製造用シート状未焼成体を提供することをも目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するため、鋭意研究の結果、ガラスフリットの分散性を高めるためには、ガラスフリットの表面に吸着している水分に由来する水酸基とバインダー樹脂に由来する水酸基とを水素結合させることが重要であること知るに至った。そして、水酸基を有しない有機溶剤を用い、かつ、水酸基を有する有機溶剤の含有量を5質量%以下に制限することにより、ガラスフリットとバインダー樹脂とを優先的かつ効率的に水素結合させることができることを見出した。水酸基を有しない有機溶剤を用い、かつ、水酸基を有する有機溶剤の含有量を所定の範囲に制限することにより、バインダー樹脂と有機溶剤とが水素結合するのを抑制できるため、ガラスフリットのバインダー樹脂への分散性を高めることができる。
すなわち、本発明の無機ペースト組成物は、無機粉末、側鎖に水酸基を有するバインダー樹脂、および、水酸基を有しない有機溶剤を含有する無機ペースト組成物であって、水酸基を有する有機溶剤の含有量が、5質量%以下であることを特徴とする。
水酸基を有しない有機溶剤としては、エーテル類、ケトン類、エステル類からなる群より選ばれる少なくとも一種の有機溶剤を用いることが好ましい。また、前記側鎖に水酸基を有するバインダー樹脂として、水酸基を有するアクリル系樹脂を用いることが好ましい。また、前記バインダー樹脂の側鎖に含まれる水酸基量を、前記バインダー樹脂のモノマー構成単位あたりの側鎖に含まれる水酸基の平均個数に換算して、1モノマー構成単位あたり0.3個以下とすることが好ましい。
また、本発明の無機ペースト組成物の製造方法は、無機粉末、側鎖に水酸基を有するバインダー樹脂、および、水酸基を有しない有機溶剤を含有する無機ペースト組成物の製造方法であって、少なくとも前記3成分を混合し、この混合物を混練する工程を含み、前記混合物中に含まれる水酸基を有する有機溶剤を、5質量%以下とすることを特徴とする。
また、本発明のディスプレイパネル製造用シート状未焼成体は、少なくとも上述の本発明の無機ペースト組成物からなる無機ペースト膜を離型支持フィルム上に形成してなるシート状材料である。ここで、本願明細書において、「ディスプレイパネル製造用シート状未焼成体」とは、ディスプレイパネルを製造する際、離型支持フィルム上に製膜された層を、離型支持フィルムから剥がしてガラス基板上に貼着するために用いられるシート状材料を意味する。
本発明の無機ペースト組成物は、水酸基を有しない有機溶剤を用い、かつ、水酸基を有する有機溶剤の含有量を5質量%以下とすることにより、無機粉末のバインダー樹脂への分散性が極めて良好となり、塗工時にスジ引き等の問題が発生するのを抑制することができる。
また、水酸基を有しない有機溶剤を用い、かつ、水酸基を有する有機溶剤の含有量を5質量%以下とすることにより、バインダー樹脂中の水酸基含有量を比較的低く設定してもガラスフリットの分散性を維持することができるため、バインダー樹脂中の水酸基含有量を、バインダー樹脂のモノマー構成単位あたりの側鎖に含まれる水酸基の平均個数に換算して、1モノマー構成単位あたり0.3個以下に設定することができる。従来は、無機粉末をバインダー樹脂中に均一に分散させるため、バインダー樹脂中の水酸基含有量をある程度高く設定する必要があり、これが焼成時にシュリンクを生じさせる原因となっていたが、バインダー樹脂中の水酸基含有量を、バインダー樹脂のモノマー構成単位あたりの側鎖に含まれる水酸基の平均個数に換算して、1モノマー構成単位あたり0.3個以下に設定することにより、かかる問題を解決できる。すなわち、本発明によれば、無機ペースト組成物において、無機粉末のバインダー樹脂中への均一分散性と、塗膜の平坦性などの成膜特性とを同時に向上させることができる。
また、本発明の無機ペースト組成物において、バインダー樹脂として、水酸基を有するアクリル系樹脂を用いることにより、ガラス基板への密着性を高めることができる。また、水酸基を有しない有機溶剤として、エーテル類、ケトン類、エステル類からなる群より選ばれる少なくとも一種の有機溶剤を用いることにより、無機粉末の分散性をより向上させることができる。
また、本発明の無機ペースト組成物の製造方法によれば、水酸基を有しない有機溶剤を用いて原料成分を混合するため、無機粉末の表面に吸着した水分に由来する水酸基と、バインダー樹脂に由来する水酸基とを高い割合(優先的かつ効率的に)で水素結合させることができ、分散性および成膜特性の高い無機ペースト組成物を製造することができる。
また、本発明のディスプレイパネル製造用シート状未焼成体は、プラズマディスプレイ、プラズマアドレス液晶ディスプレイ、フィールドエミッションディスプレイなどの各種ディスプレイの誘電体やスペーサ材料層等を作成する材料として用いられ、特に高精密化が要求されるプラズマディスプレイ前面板の誘電体層およびスペーサ材料層の作成に好適に使用できる。
以下に、本発明の実施形態について説明する。
〔A〕無機ペースト組成物
本発明の無機ペースト組成物は、少なくとも、無機粉末、側鎖に水酸基を有するバインダー樹脂、および、水酸基を有しない有機溶剤を含有し、かつ、水酸基を有する有機溶剤の含有量を、5質量%以下とすることを特徴とする。
本発明の無機ペースト組成物は、側鎖に水酸基を有するバインダー樹脂を水酸基を有しない有機溶剤に溶解したバインダー成分中に無機粉末を分散させペースト状としたものである。
本発明の無機ペースト組成物において、バインダー樹脂としては、ガラス基板に対する密着性の観点から側鎖末端に水酸基を含有する水酸基含有樹脂が用いられる。水酸基含有樹脂は水酸基を含有する有機溶剤に溶解しやすいことから、従来はアルコール等の水酸基含有溶媒を用いるのが一般的であった。
これに対し、本発明の無機ペースト組成物は、溶媒として水酸基を有しない有機溶剤を用いることを特徴とする。水酸基を有しない有機溶剤の場合、バインダー樹脂と有機溶剤の間に水素結合が生じないため、溶媒によって無機粉末とバインダー樹脂との水素結合が阻害されるのを防ぐことができる。このため、無機粉末とバインダー樹脂とが水素結合する割合が増加し、無機粉末のバインダー樹脂中への分散性を向上させることができる。
(a)有機溶剤
本発明に用いる有機溶剤としては、バインダー樹脂を容易に溶解できる有機溶剤であって、かつ、その分子内に水酸基を有しない有機溶剤であれば特に限定されない。このような有機溶剤としては、エーテル類、ケトン類、エステル類からなる群より選ばれる少なくとも一種の有機溶剤を用いることが好ましい。
本発明に用いることのできる有機溶剤の具体例としては、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールジアセテート、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテルアセテート、エチレングリコールモノヘキシルエーテルアセテート、グリセリントリアセテート、グリセリントリラウリレート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジベンゾエート、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールジアセテート、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールジアセテート、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセチルアセトン、アセトフェノン、イソホロン、エチル-N-ブチルケトン、ジアセトンアルコール(4-ヒドロキシ-4-メチル-2-ペンタノン)、ジイソブチルケトン、ジイソプロピルケトン、ジエチルケトン、シクロヘキサノン、ジ-N-プロピルケトン、メチル-N-アミルケトン(アミルメチルケトン)、メチルシクロヘキサノン、メチル-N-ブチルケトン、メチル-N-プロピルケトン、メチル-N-ヘキシルケトン、メチル-N-ヘプチルケトン、アジピン酸ジエチル、アセチルクエン酸トリメチル、アセチルクエン酸トリエチル、アセチルクエン酸トリブチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸ブチル、安息香酸イソアミル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸ブチル、安息香酸プロピル、安息香酸ベンジル、ギ酸イソアミル、ギ酸イソブチル、ギ酸エチル、ギ酸ブチル、ギ酸プロピル、ギ酸ヘキシル、ギ酸ベンジル、ギ酸メチル、クエン酸トリエチル、クエン酸トリブチル、酢酸アミル、酢酸アリル、酢酸イソアミル、酢酸メチルイソアミル、酢酸メトキシブチル、酢酸イソブチル、酢酸イソプロピル、酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸第二ヘキシル、酢酸-2-エチルヘキシル、酢酸-2-エチルブチル、酢酸シクロヘキシル、酢酸メチルシクロヘキシル、酢酸-n-ブチル、酢酸第二ブチル、酢酸イソプロピル、酢酸ベンジル、酢酸メチルシクロヘキシル、シュウ酸ジアミル、シュウ酸ジエチル、シュウ酸ジエチル、シュウ酸ジブチル、酒石酸ジエチル、酒石酸ジブチル、ステアリン酸アミル、ステアリン酸メチル、ステアリン酸エチル、ステアリン酸ブチル、乳酸アミル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、フタル酸エステル、γ-ブチロラクトン、プロピオン酸イソアミル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸ブチル、プロピオン酸ベンジル、マロン酸ジイソプロピル、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、マロン酸ジブチル、酪酸イソアミル、酪酸イソプロピル、酪酸メチル、酪酸エチル、酪酸ブチル、アルカン類、トルエン、ヘキサン類、シクロヘキサン、シクロヘキセン、シクロペンタン、ハロゲン化炭化水素、含窒素化合物等を例示することができる。
この中でも、沸点250℃以下の有機溶剤、特に沸点100℃〜200℃の有機溶剤が好ましく、具体的には、ジクロルエチルエーテル(沸点178.6℃)、n−ブチルエーテル(沸点140.9℃)、ジイソアミルエーテル(沸点173.2℃)、メチルフェニルエーテル(沸点153.9℃)、エチルフェニルエーテル(沸点170.1℃)、クレジルメチルエーテル(沸点171.8〜176.7℃)、エチルベンジルエーテル(沸点185℃)、エピクロルヒドリン(沸点117℃)、ジグリシジルエーテル(沸点103℃)、1,4−ジオキサン(沸点101.4℃)、トリオキサン(沸点114.5℃)、フルフラール(沸点162℃)、シネオール(沸点176〜177℃)、ジエチルアセタール(沸点104.2℃)、メチル−n−プロピルケトン(沸点102.4℃)、メチル−n−ブチルケトン(沸点127.2℃)、メチルイソブチルケトン(沸点116.7℃)、メチル−n−アミルケトン(沸点150.2℃)、メチル−n−ヘキシルケトン(沸点174℃)、ジエチルケトン(沸点101.7℃)、エチル−n−ブチルケトン(沸点147.4℃)、ジ−n−プロピルケトン(沸点144.2℃)、ジイソブチルケトン(沸点168.2℃)、アセトニルアセトン(沸点191.4℃)、ジアセトンアルコール(沸点163〜167.9℃)、メシチルオキシド(沸点131.4℃)、ホロン(沸点198.2℃)、シクロヘキサノン(沸点156℃)、o−メチルシクロヘキサノン(沸点165℃)、ギ酸−n−ブチル(沸点106.8℃)、ギ酸アミル(沸点130.4℃)、酢酸−n−プロピル(沸点101.6℃)、酢酸−n−ブチル(沸点126.3℃)、酢酸イソブチル(沸点118℃)、酢酸第二ブチル(沸点112.2℃)、酢酸−n−アミル(沸点149.0℃)、酢酸イソアミル(沸点142℃)、酢酸メチルイソアミル(沸点146.3℃)、酢酸メトキシブチル(沸点173℃)、酢酸第二ヘキシル(沸点146.3℃)、酢酸−2−エチルブチル(沸点162〜163℃)、酢酸−2−エチルヘキシル(沸点197.5〜198℃)、酢酸シクロヘキシル(沸点175〜176℃)、酢酸メチルシクロヘキシル(沸点181.5〜186.5℃)、プロピオン酸−n−ブチル(沸点146.8℃)、プロピオン酸イソアミル(沸点160.3℃)、酪酸メチル(沸点102.3℃)、酪酸エチル(沸点121.3℃)、酪酸−n−ブチル(沸点164.8℃)、酪酸イソアミル(沸点179℃)、オキシイソ酪酸エチル(沸点147.5〜149℃)、アセト酢酸メチル(沸点171.7℃)、アセト酢酸エチル(沸点180.4℃)、イソ吉草酸イソアミル(沸点192.7℃)、乳酸メチル(沸点143.8℃)、乳酸エチル(沸点154.1℃)、乳酸−n−ブチル(沸点188℃)、安息香酸メチル(沸点199.5℃)、シュウ酸ジエチル(沸点183.5℃)、マロン酸ジエチル(沸点198.9℃)等が好ましい。また、以上の溶剤は単独でも2種以上を組み合わせてもよい。複数の溶剤を組み合わせた場合、共沸する温度が250℃以下であることが好ましく、特に100℃〜200℃であることが好ましい。
(b)無機粉末
本発明に用いる無機粉末は、焼成することでガラス化するガラスフリットであることが好ましく、例えば、PbO−SiO2系、PbO−B23−SiO2系、ZnO−SiO2系、ZnO−B23−SiO2系、BiO−SiO2系、BiO−B23−SiO2系、PbO−B23−SiO2−Al23系、PbO−ZnO−B23−SiO2系などが挙げられる。
また、ガラスフリットに加えて、セラミックス(コーディライト等)、金属等の無機粉末を用いてもよい。このような無機粉末として、具体的には、酸化コバルト、酸化鉄、酸化クロム、酸化ニッケル、酸化銅、酸化マンガン、酸化ネオジウム、酸化バナジウム、酸化セリウムチペークイエロー、酸化カドミウム、酸化ルテニウム、シリカ、マグネシア、スピネルなどNa、K、Mg、Ca、Ba、Ti、Zr、Al等の各酸化物等が挙げられる。
無機粉末の粒子径は、平均粒径が0.1〜10μm、より好ましくは0.5〜8μmが好適に用いられる。平均粒径が10μmを超えると、高精度のパターン形成時に表面凹凸が生じるため好ましくなく、平均粒径が0.1μm未満では焼成時に微細な空洞が形成され絶縁不良発生の原因となり好ましくない。前記無機粉末の形状としては、球状、ブロック状、フレーク状、デンドライト状が挙げられ、その単独又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。
また、無機粉末は物性値の異なる微粒子の混合物であってもよい。特に、ガラスフリットと熱軟化点の異なるセラミックス粉末等を用いることによって、焼成時の収縮率を抑制することができる。この無機粉末は、無機ペースト組成物の用途に応じて形状、物性値の組合せ等を変えて配合するのがよい。
(c)バインダー樹脂
本発明の無機ペースト組成物においては、バインダー樹脂として、側鎖に水酸基を有する樹脂を用いる。
このようなバインダー樹脂としては、次に挙げるような、水酸基を導入可能なモノマーを重合あるいは共重合させたものを用いることができる。
このような水酸基を導入可能なモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸エステル、エチレン性不飽和カルボン酸、その他の共重合可能なモノマーを好適に用いることができ、ベンジルアクリレート、ベンジルメタクリレート、シクロヘキシルアクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、フェノキシエチルアクリレート、フェノキシエチルメタクリレート、フェノキシポリエチレングリコールアクリレート、フェノキシポリエチレングリコールメタクリレート、スチレン、ノニルフェノキシポリエチレングリコールモノアクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコールモノメタクリレート、ノニルフェノキシポリプロピレンモノアクリレート、ノニルフェノキシポリプロピレンモノメタクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、2−アクリロイロキシエチルフタレート、2−アクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシエチルフタレート、2−メタクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルアクリレート、n−プロピルメタクリレート、i−プロピルアクリレート、i−プロピルメタクリレート、n−ブチルアクリレート、n−ブチルメタクリレート、i−ブチルアクリレート、i−ブチルメタクリレート、sec−ブチルアクリレート、sec−ブチルメタクリレート、tert−ブチルアクリレート、tert−ブチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、3−ヒドロキシプロピルアクリレート、3−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレート、2−ヒドロキシブチルメタクリレート、3−ヒドロキシブチルアクリレート、3−ヒドロキシブチルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレート、3−エチルヘキシルアクリレート、エチレングリコールモノアクリレート、エチレングリコールモノメタクリレート、グリセロールアクリレート、グリセロールメタクリレート、ジペンタエリトリトールモノアクリレート、ジペンタエリトリトールモノメタクリレート、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、ケイ皮酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水イタコン酸、シトラコン酸、無水シトラコン酸等を挙げることができる。このうち、アクリル酸及びメタクリル酸が好適に用いられる。
また、その他の共重合可能なモノマーとしては、例えば前述の(メタ)アクリル酸エステルの例示化合物をフマレートに代えたフマル酸エステル類、マレエートに代えたマレイン酸エステル類、クロトネートに代えたクロトン酸エステル類、イタコネートに代えたイタコン酸エステル類、α−メチルスチレン、o−ビニルトルエン、m−ビニルトルエン、p−ビニルトルエン、o−クロロスチレン、m−クロロスチレン、p−クロロスチレン、o−メトキシスチレン、m−メトキシスチレン、p−メトキシスチレン、酢酸ビニル、酪酸ビニル、プロピオン酸ビニル、アクリルアミド、メタクリルアミド、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、イソプレン、クロロプレン、3−ブタジエン等を挙げることができる。
本発明に用いるバインダー樹脂の側鎖における水酸基量は、バインダー樹脂のモノマー構成単位あたりの側鎖に含まれる水酸基の平均個数に換算して、1モノマー構成単位あたり0.3個以下であることが好ましく、0.1個以上0.3個以下であることがより好ましく、0.15個以上0.25個以下であることが特に好ましい。分子内の水酸基含有量が1構成単位あたり0.3個超だと焼成時にシュリンクが発生し、誘電体層にひび割れが生じる場合があるので好ましくない。
また、側鎖に水酸基を有するバインダー樹脂と、他のバインダー樹脂を組み合わせてもよい。他のバインダー樹脂としては、セルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、カルボキシエチルメチルセルロースなどのセルロース誘導体や、さらに、これらセルロース誘導体とエチレン性不飽和カルボン酸や(メタ)アクリレート化合物等との共重合体を用いることができる。さらに、バインダー樹脂としては、ポリビニルアルコールとブチルアルデヒドとの反応生成物であるポリブチラール樹脂などのポリビニルアルコール類、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン、β−プロピオラクトン、α−メチル−β−プロピオラクトン、β−メチル−β−プロピオラクトン、α−メチル−β−プロピオラクトン、β−メチル−β−プロピオラクトン、α,α−ジメチル−β−プロピオラクトン、β,β−ジメチル−β−プロピオラクトンなどのラクトン類が開環重合したポリエステル類、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール等のアルキレングリコール単独または二種以上のジオール類と、マレイン酸、フマル酸、グルタル酸、アジピン酸などのジカルボン酸類との縮合反応で得られたポリエステル類、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリペンタメチレングリコールなどのポリエーテル類、ビスフェノールA、ヒドロキノン、ジヒドロキシシクロヘキサン等のジオール類と、ジフェニルカーボネート、ホスゲン、無水コハク酸等のカルボニル化合物との反応生成物であるポリカーボネート類が挙げられる。以上のバインダー樹脂は単独でも又2種以上での混合物でも使用できる。
この場合、側鎖に水酸基を有するバインダー樹脂と他のバインダー樹脂の総和100質量部に対して、側鎖に水酸基を有するバインダー樹脂の割合を30質量部以上、他のバインダー樹脂の割合を70質量部以下とする。好ましくは、側鎖に水酸基を有するバインダー樹脂の割合が50質量部以上、他のバインダー樹脂の割合が50質量部以下であり、より好ましくは側鎖に水酸基を有するバインダー樹脂の割合が70質量部以上、他のバインダー樹脂の割合が30質量部以下である。他のバインダー樹脂の割合が増加すると、無機粉末の分散性を低下させる場合があるので好ましくない。
(d)その他の成分
本発明の無機ペースト組成物は、上述の(a)水酸基を有しない有機溶剤、(b)無機粉末、および、(c)側鎖に水酸基を有するバインダー樹脂を必須成分として含有するものであり、その用途に応じて、さらに他の成分を含有せしめることができる。
例えば、本発明の無機ペースト組成物をプラズマディスプレイ前面板におけるスペーサ層の製造に使用する場合は、上述の3種の必須成分のほか、感光性を付与するための成分として、さらに、光重合性単量体および光重合開始剤を添加する。
光重合性単量体としては、上述の(c)側鎖に水酸基を有するバインダー樹脂で例示したモノマーを挙げることができるが、重合可能なエチレン性不飽和結合を2個以上有するモノマー(以下、多官能性モノマーという)が好ましい。多官能性モノマーとして、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルキレングリコールのジアクリレート又はジメタクリレート類、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコールのジアクリレート又はジメタクリレート類、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール等の多価アルコールのポリアクリレート又はポリメタクリレート類やそれらのジカルボン酸変性物などが挙げられる。この中で、具体的には、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、テトラメチロールプロパンテトラアクリレート、テトラメチロールプロパンテトラメタクリレート、ペンタエリトリトールトリアクリレート、ペンタエリトリトールトリメタクリレート、ペンタエリトリトールテトラアクリレート、ペンタエリトリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリトリトールペンタメタクリレート、ジペンタエリトリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリトリトールヘキサメタクリレート等が挙げられる。
光重合開始剤としては、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モリフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、3,3−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、ベンゾフェノン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−(4−ドデシルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、4−ベンゾイル−4'−メチルジメチルスルフィド、4−ジメチルアミノ安息香酸、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸ブチル、4−ジメチルアミノ安息香酸−2−エチルヘキシル、4−ジメチルアミノ安息香酸−2−イソアミル、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、ベンジルジメチルケタール、ベンジル−β−メトキシエチルアセタール、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、o−ベンゾイル安息香酸メチル、ビス(4−ジメチルアミノフェニル)ケトン、4,4'−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、4,4'−ジクロロベンゾフェノン、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン−n−ブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、p−ジメチルアミノアセトフェノン、p−tert−ブチルトリクロロアセトフェノン、p−tert−ブチルジクロロアセトフェノン、チオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、ジベンゾスベロン、α、α−ジクロロ−4−フェノキシアセトフェノン、ペンチル−4−ジメチルアミノベンゾエート、9−フェニルアクリジン、1,7−ビス−(9−アクリジニル)ヘプタン、1,5−ビス−(9−アクリジニル)ペンタン、1,3−ビス−(9−アクリジニル)プロパンなどが挙げられる。これら光重合開始剤は単独でも2種以上を組み合わせてもよい。
また、本発明の無機ペースト組成物をプラズマディスプレイ前面板における誘電体層の製造に使用する場合、誘電体層には、スペーサ層を感光させる、つまりスペーサ層に含まれる光重合開始剤を光活性化させる波長の光を吸収できる、光吸収剤を添加することもできる。このような光吸収剤としては、300〜450nmの波長を吸収するものが好適に用いられ、例えば、アゾ系染料、アミノケトン系染料、キサンテン系染料、キノリン系染料、ベンゾフェノン系染料、トリアジン系染料、ベンゾトリアゾール系染料、アントラキノン系染料が挙げられる。
このように誘電体層が、スペーサ層に含まれる光重合開始剤を光活性化させる波長の光を吸収できる光吸収剤を含有することで、誘電体層とスペーサ層を積層した状態でスペーサ層を露光して所定形状にパターニングした際に、第1の層に入った光が誘電体層内部の無機粉末などによって散乱することを防ぐことができる。つまり、仮に光吸収剤が含まれていなかったならば、誘電体層内の無機粉末などの粒子によって光が散乱するので、スペーサ層が誘電体層から不確定な方向で入射する光により露光されてしまい、結果的にマスク通りの正確なパターン形成ができなくなる。それを防ぐためには、誘電体層を焼成し、透明なガラス状態にした後、スペーサ層を形成し露光し再び焼成するといったように、2回焼成しなければならない。しかし、誘電体層中に光吸収剤を含有せしめることにより、一度に焼成することができ、所望のパターンを形成できる。
また、可塑性を付与するために可塑剤を添加することもできる。可塑剤としては、公知のものを用いることができ、沸点が200℃以上で室温で液体の透明性に優れるものが好ましい。その可塑剤の例としては、フタル酸ジメチルやフタル酸ジエチル、フタル酸ジブチルやフタル酸ジヘプチル、フタル酸ジ−2−エチルヘキシルやフタル酸ジイソノニル、フタル酸ジイソデシルやフタル酸ジブチルベンジル、フタル酸ジオクチルやブチルフタリルブチルグリコレートなどのフタル酸系化合物、アジピン酸ジイソブチルやアジピン酸ジイソノニル、アジピン酸ジイソデシルやアジピン酸ジブトキシエチルなどのアジピン酸系化合物、セバシン酸ジブチルやセバシン酸ジ−2−エチルヘキシルなどのセバシン酸系化合物、リン酸トリエチルやリン酸トリフェニル、リン酸トリクレジルやリン酸トリキシレニル、リン酸クレジルフェニルなどのリン酸系化合物、ジオクチルセバケートやメチルアセチルリシノレートなどの脂肪酸系化合物、ジイソデシル−4,5−エポキシテトラヒドロフタレートなどのエポキシ系化合物、トリメリット酸トリブチルやトリメリット酸トリ−2−エチルヘキシル、トリメリット酸トリn−オクチルやトリメリット酸トリイソデシルなどのトリメリット酸系化合物、その他、オレイン酸ブチルや塩素化パラフィン、ポリブテンやポリイソブチレンなどが挙げられる。これらは必要に応じて1種又は2種以上を配合できる。
(e)組成
本発明の無機ペースト組成物は、水酸基を有する有機溶剤の含有量が、5質量%以下であることを特徴とする。水酸基を有する有機溶剤としては、例えば、無機粉末の分散性を向上させるという本発明の目的に反しない範囲で添加されるアルコール等の希釈用の有機溶剤や、各種添加剤にもともと含まれている水酸基含有有機溶剤が考えられる。このような水酸基を有する有機溶剤の具体例としては、メタノール、エタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、3-メトキシ-3-メチルブタノール等のアルコール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールのアルキルエーテル類等を例示することができる。水酸基を有する有機溶剤の含有量が5質量%超となると、この水酸基を有する有機溶剤がバインダー樹脂と水素結合して、バインダー樹脂と無機粉末との水素結合を阻害するので好ましくない。本発明の無機ペースト組成物において、水酸基を有する有機溶剤は、好ましくは1質量%以下、より好ましくは0.1質量%以下とすることが好ましい。
水酸基を有する有機溶剤の含有量が5質量%以下となる範囲であれば、用途に応じて、本発明の無機ペースト組成物に含まれる各成分の組成比を適宜調整することができるが、以下、特に(1)プラズマディスプレイ前面板の誘電体層の作成に使用する場合と、(2)プラズマディスプレイ前面板のスペーサ層の作成に使用する場合に分けて、その組成を具体的に説明する。
(1)の場合
本発明の無機ペースト組成物を誘電体層の作成に使用する場合、側鎖に水酸基を有するバインダー樹脂100質量部に対し、水酸基を有しない有機溶剤を30〜500質量部、好ましくは50〜300質量部、より好ましくは100〜250質量部の割合で配合することが好ましい。
また、無機粉末は、全ての有機成分(有機溶剤、バインダー樹脂など含む)100質量部に対して、100〜1000質量部の割合で配合することが好ましい。
また、可塑剤は、側鎖に水酸基を有するバインダー樹脂100質量部に対し、200質量部以上、好ましくは5〜100質量部、より好ましくは10〜80質量部の割合で配合することが好ましい。
また、光吸収剤は、無機粉末、バインダー樹脂及び光吸収剤の合計100質量部に対して30質量部以上混合することが好ましい。30質量部を超えると、光を吸収し過ぎることにより、界面付近のスペーサ層が充分に露光されず、膜が剥がれたり、パターンが形成できないといったことが生じる。
(2)の場合
本発明の無機ペースト組成物をスペーサ層の作成に使用する場合、側鎖に水酸基を有するバインダー樹脂100質量部に対し、水酸基を有しない有機溶剤を30〜700質量部、好ましくは50〜500質量部、より好ましくは100〜300質量部の割合で配合することが好ましい。
また、無機粉末は、全ての有機成分(有機溶剤、バインダー樹脂、光重合性モノマー、光重合開始剤など含む)100質量部に対して、100〜1000質量部の割合で配合することが好ましい。
側鎖に水酸基を有するバインダー樹脂100質量部に対し、光重合性単量体が10〜500質量部、好ましくは30〜300質量部、さらに好ましくは光重合性単量体が50〜200質量部の範囲がよい。
また、光重合開始剤は、側鎖に水酸基を有するバインダー樹脂100質量部に対し、0.01〜50質量部の範囲、より好ましくは0.1〜20質量部の範囲が好適に用いられる。光重合開始剤が0.01質量部未満の場合、硬化性が低下する。また、光重合開始剤が50質量部を超える場合、開始剤の吸収による底部硬化不良が見られる。
〔B〕無機ペースト組成物の製造方法
本発明の無機ペースト組成物の製造方法は、無機粉末、側鎖に水酸基を有するバインダー樹脂、および、水酸基を有しない有機溶剤からなる3成分を混合し、この混合物を混練する混練工程を含む無機ペースト組成物の製造方法であって、前記混練工程において前記混合物中に含まれる水酸基を有する有機溶剤が、5質量%以下であることを特徴とする。
本発明においては、バインダー樹脂、有機溶剤、および無機粉末の混合順序は特に限定されない。例えば、バインダー樹脂、有機溶剤、無機粉末の3成分を一度に混合してもよいし、予めバインダー樹脂を有機溶剤に溶解させてバインダー成分を調整してから、このバインダー成分に無機粉末を添加して混合することもできる。以下、後者の方法を例にして本発明の無機ペースト組成物の製造方法について詳細に説明するが、各成分の混合順序はこれに限定されるものではない。
まず、水酸基を有しない有機溶剤およびバインダー樹脂をかき混ぜ機で混合することにより、バインダー樹脂を溶解させ、バインダー成分を調整する。この際、光重合性単量体、光重合開始剤や、可塑剤、分散剤、粘着性付与剤、表面張力調整剤、安定剤、消泡剤などの各種添加剤を添加してもよい。
バインダー成分を調整した後、このバインダー成分中に無機粉末を添加して混合物を調整し、この混合物を混練することによって無機粉末を分散させる。通常の保存状態において、無機粉末は大気中の水分を吸着し、その表面に水に由来する水酸基を有している。したがって、表面に水酸基を導入するために無機粉末自体に特別な処理を施す必要はないが、乾燥下に長時間保存されていた場合などは、必要に応じて、使用前に無機粉末を吸湿させてからバインダー成分に添加することが好ましい。
本発明においては、混練工程において、混合物が水酸基を有する有機溶剤をできるだけ含まないことが好ましく、具体的には、混合物中に含まれる水酸基を有する有機溶剤を5質量%以下に制限する必要がある。混合物中に各種添加剤や不純物として水酸基を有する有機溶剤が含まれる場合があるが、このような水酸基を有する有機溶剤の割合が高いと、この水酸基を有する有機溶剤がバインダー樹脂と水素結合してしまい、バインダー樹脂と無機粉末との水素結合を阻害するので好ましくない。混練工程中において、混合物中に含まれる水酸基を有する有機溶剤を5質量%以下、より好ましくは1質量%以下、より好ましくは0.1質量%以下とすることが好ましい。
また、本発明においては、無機粉末の分散性を向上させるという本発明の目的に反しない限り、無機粉末を分散させる前、または分散させた後に、アルコール類等の水酸基を有する有機溶剤を添加してもよい。
無機粉末を分散させる前、すなわち、無機粉末をバインダー樹脂と水素結合させる前に、混合物中に水酸基含有溶媒を添加すると、バインダー樹脂と水酸基含有溶媒とが水素結合してしまい、無機粉末の分散性が低下する原因となる。しかし、混合物中に含まれる水酸基を有する有機溶剤の合計量が5質量%以下であれば、若干量の水酸基含有溶媒を含んでいても問題ない。
このように混練工程を経て、無機粉末を分散させた混合物は、そのまま本発明の無機ペースト組成物として用いることが可能である。
また、無機粉末を分散させた混合物に、さらに他の成分を添加したものを無機ペースト組成物として使用してもよい。例えば、無機粉末を分散させ、無機粉末をバインダー樹脂と水素結合させた後においては、無機粉末―バインダー樹脂間の水素結合は比較的安定に保たれるため、アルコール等の水酸基を有する有機溶剤を添加しても、無機粉末―バインダー樹脂間の水素結合に与える影響は小さい。したがって、混練工程後、必要に応じて、アルコール等の水酸基を有する有機溶剤を添加して無機ペースト組成物の濃度を調整してもよい。
〔C〕ディスプレイパネル製造用シート状未焼成体
本発明に係るシート状未焼成体は、離型支持フィルム上に本発明の無機ペースト組成物を塗布し、この塗膜を乾燥させることにより無機ペースト膜を形成したものである。例えば、非感光性の無機ペースト組成物を用いたシート状未焼成体の場合は、プラズマディスプレイ前面板の誘電体層の形成材料として使用可能であり、感光性の無機ペースト組成物を用いたシート状未焼成体の場合は、プラズマディスプレイ前面板のスペーサ層の形成材料として使用可能である。本発明のシート状未焼成体は、無機ペースト膜の表面を容易に剥離可能な離型フィルムにより保護されて、貯蔵、搬送、および取り扱いが容易とされる。
本発明に係るシート状未焼成体は、無機粉末が均一に分散した本発明の無機ペースト組成物を用いて形成されるため、高い膜平坦性を有する。また、焼成時にシュリンクの発生を抑制することができるため、ひび割れ等のない均一な膜厚を有する誘電体層、スペーサ層を得ることができる。したがって、品質の高いディスプレイパネルを製造することが可能となる。
また、本発明のシート状未焼成体は、予め製造しておき、使用期限はあるものの所定期間を貯蔵しておくことができるので、ディスプレイパネルを製造する場合に、即座に使用することができ、ディスプレイパネルの製造の効率化を高めることができる。
本発明のシート状未焼成体は、無機ペースト膜の両面を容易に剥離可能な離型フィルムにより保護した形態で供給することが好ましい。具体的には、可剥離性の支持フィルム上に、誘電体層を形成し、その上に保護層として保護フィルムを被覆する。
本発明のシート状未焼成体の製造に使用する支持フィルムとしては、支持フィルム上に製膜された各層を支持フィルムから容易に剥離することができ、各層をガラス基板上に転写できる離型フィルムであれば特に限定なく使用でき、例えば膜厚15〜125μmのポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニルなどの合成樹脂フィルムからなる可撓性フィルムが挙げられる。前記支持フィルムには必要に応じて、転写が容易となるように離型処理されていることが好ましい。
支持フィルム上に無機ペースト膜を形成するに際しては、本発明の無機ペースト組成物を調整し、支持フィルム上にアプリケーター、バーコーター、ワイヤーバーコーター、ロールコーター、カーテンフローコーターなどを用いて無機ペースト組成物を塗布する。特にロールコーターが膜厚の均一性に優れ、かつ厚さの厚い膜が効率よく形成できて好ましい。
塗膜を乾燥させた後、無機ペースト膜の表面には未使用時に無機ペースト膜を安定に保護するため保護フィルムを貼着するのがよい。この保護フィルムとしては、シリコーンをコーティングまたは焼き付けした厚さ15〜125μm程度のポリエチレンテレフタレートフイルム、ポリプロピレンフイルム、ポリエチレンフィルムなどが好適である。
ディスプレイパネルの製造に際しては、本発明のシート状未焼成体から保護フィルムを剥離し、ガラス基板の電極設置面に露出した無機ペースト膜を重ね合わせて、支持フィルム上から加熱ローラを移動させることにより、無機ペースト膜を基板の表面に熱圧着させる。
熱圧着は、基板の表面温度を80〜140℃に加熱し、ロール圧1〜5kg/cm2、移動速度0.1〜10.0m/分の範囲で行うのがよい。前記ガラス基板は予熱されていてもよく、予熱温度としては例えば40〜100℃の範囲が選択される。
無機ペースト膜上から剥離した保護フィルムは、順次巻き取りローラでロール状に巻き取って保存すれば再利用が可能である。
このようにして、基板の表面に無機ペースト膜を加熱接着した後、無機ペースト膜から支持フィルムを剥離して、無機ペースト膜を表面に露出させる。無機ペースト膜から剥離した支持フィルムもまた、順次巻き取りローラでロール状に巻き取って保存すれば再利用が可能である。
このようにしてガラス基板の表面に無機ペースト膜を形成した後、500℃〜700℃で焼成することにより、無機ペースト膜に含まれるガラスフリットが焼結され誘電体層および/またはスペーサ層となる。焼成工程で、無機ペースト膜に含まれる有機物は、揮発、分解され、誘電体層およびスペーサ層には有機成分は実質的に残らない。これによって、本発明のディスプレイパネルが得られる。
このようにして、ディスプレイパネルを製造した後、表面に露出している誘電体層をMgO等の保護膜で被覆することが好ましい。
以下、実施例に基づき、本発明についてさらに詳細に説明する。なお、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
実施例1〜7、比較例1
(1)ガラスペースト組成物の調整
下記表1に記載の組成(単位は質量部)に従って、バインダー樹脂、溶剤、およびその他の成分をかきまぜ機で3時間混合することにより有機成分を調整後、該有機成分(固形分50%) 40質量部とガラスフリット(PbO−SiO2系)80質量部を混練りすることでガラスペースト組成物を調整した。
(2)シート状未焼成体の製造
得られたガラスペースト組成物をポリエチレンテレフタレートからなる支持フィルム上にリップコーターを用いて塗布し、塗膜を100℃で6分間乾燥して溶剤を完全に除去し、厚さ60μmのガラスペースト膜を支持フィルム上に形成した。次にガラスペースト膜上に25μm厚みのポリエチレンフィルムを張り合わせシート状未焼成体を製造した。
(3)誘電体フィルム層の形成
(2)で得られたシート状未焼成体のポリエチレンフィルムを剥がしながら、予め80℃に加熱しておいたバス電極が形成されたガラス基板にホットロールラミネーターにより105℃でガラスペースト膜をラミネートした。エア圧力は3kg/cm2とし、ラミネート速度は1.0m/minとした。
(4)ガラスペースト膜の評価
実施例1〜7および比較例1のガラスペースト膜の性能を評価するため、下記の評価項目について試験を行った。結果を下記表1に示す。
(支持フィルム剥離後の外観観察)
上記(3)で得られた誘電体層の支持フィルムであるポリエチレンテレフタレートを剥離した後、ガラスペースト膜の外観観察を行った。
○:スジ及びクレーター等の欠陥は見られなかった。
×:スジ及びクレーター等の欠陥が見られた。
(焼成前の表面粗さRmax)
触針式表面粗さ計にて表面粗さを計測した。
(焼成後の表面粗さRmax)
焼成後の特性を評価するため、昇温スピード1.0℃/minで加熱させ580℃で30分間保持する焼成処理を行った後、触針式表面粗さ計にて表面粗さを計測した。
(耐電圧)
焼成後、耐電圧を測定した。
○:面内で値が安定している。
×:面内で耐電圧にバラツキが見られる。
Figure 0003938919
実施例1〜5および7は、有機溶剤として水酸基を有しない有機溶剤を用いているため、ガラスフリットの分散性が極めて良好であり、表1の焼成前の表面粗さRmaxおよび焼成後の表面粗さRmaxの評価結果からも分かるように、平坦性の高いガラスペースト膜を形成することができ、耐電圧も安定していた。また、実施例6は、有機溶剤の一部に水酸基を有する有機溶剤(3−メトキシ−3−メチルブタノール)を含むものの、その含有量が有機溶剤全体の0.1質量%(ガラスペースト組成物全体の0.0167質量%)と極めて少量であるため、実施例1〜5および7と同じく分散性が極めて良好であり、平坦性の高いガラスペースト膜を形成することができ、耐電圧も安定していた。
これに対し、比較例1は、実施例1〜7と比較してガラスフリットの分散性が不十分であった。これは、比較例1において、有機溶剤として水酸基を有する有機溶剤(3−メトキシ−3−メチルブタノール)を用いており、その含有量がガラスペースト組成物全体の16.7質量%と本発明の基準値(5質量%)を超えているためである。したがって、表1の焼成前の表面粗さRmaxおよび焼成後の表面粗さRmaxの評価結果からも分かるように、実施例1〜7と比較して膜厚平坦性が劣り、面内で耐電圧にバラツキが見られた。
実施例8
(1)シート状未焼成体の製造
光吸収剤としてアゾ染料(商品名染料SS、ダイトーケミックス社製)0.5質量部を足した以外は実施例1と同様にしてシート状未焼成体1を製造した。
さらにガラスペースト膜の厚さが40μmである以外は実施例7と同様にしてシート状未焼成体2を製造した。
(2)シート状未焼成体積層体の形成
シート状未焼成体1のポリエチレンフィルムを剥がしながら、予め80℃に加熱しておいた、バス電極が形成されたガラス基板にホットロールラミネーターにより105℃でラミネート(積層)した。エア圧力は3kg/cm2とし、ラミネート速度は1.0m/minとした。次いで、支持フィルムであるポリエチレンテレフタレートを剥離した。
さらに、シート状未焼成体2のポリエチレンフィルムを剥がしながら、予め80℃で加熱しておいた上記ガラス基板上のシート状未焼成体1の表面に、ロールラミネーターにより常温でラミネートした。エア圧力は3kg/cm2とし、ラミネート速度は1.0m/minとした。以上により、ガラス基板上に、シート状未焼成体1と、シート状未焼成体2からなるシート状未焼成体積層体が形成された。この段階では表面は支持フィルムで覆われている。
(3)シート状未焼成体積層体の評価及び誘電体の製造
上記、シート状未焼成体積層体を、所定のパターンが形成された試験用のパターンマスクを介して、超高圧水銀灯により300mJ/cm2の照射量で紫外線で露光した。続いて、支持フィルムであるポリエチレンテレフタレートを剥離した。続いて、液温30℃の水を用いて3kg/cm2の噴射圧力で、30秒間ノズルから水を吹き付け、スプレー現像を行い、水現像型感光性フィルムの非露光部分を除去し、パターンを形成した。
得られたパターンについてパターン形状を評価したところ、形成された線のうち最小の線幅は60μmであった。次いで、昇温スピード10℃/min.で加熱していき、その後580℃で30分間保持し、焼成処理を行った。その結果、良好な誘電体パターンが得られた。
以上のように、本発明にかかる無機ペースト組成物は、無機粉末の分散性が高く、均一な膜厚の塗膜を形成することができる。また、焼成後のシュリンクを抑制することができるため、多層回路や、プラズマディスプレイ、プラズマアドレス液晶ディスプレイ、フィールドエミッションディスプレイなどの各種のディスプレイ、特に高精密化が要求されるプラズマディスプレイ前面板の誘電体層およびスペーサ層の形成材料として極めて有用である。

Claims (5)

  1. 無機粉末、側鎖に水酸基を有するアクリル系樹脂、および、水酸基を有しない有機溶剤を含有する非感光性無機ペースト組成物であって、
    前記アクリル系樹脂の側鎖に含まれる水酸基の量は、前記アクリル系樹脂のモノマー構成単位あたりの側鎖に含まれる水酸基の平均個数に換算して、1モノマー構成単位あたり0.1個以上0.3個以下であり、
    前記水酸基を有しない有機溶剤は、エーテル類、ケトン類、および、エステル類よりなる群から選ばれる少なくとも一種であり、
    水酸基を有する有機溶剤の含有量が、5質量%以下であることを特徴とする非感光性無機ペースト組成物。
  2. さらに、可塑剤を含有することを特徴とする請求項1記載の非感光性無機ペースト組成物
  3. 前記アクリル系樹脂は、2種類の構成単位からなることを特徴とする請求項1または2に記載の非感光性無機ペースト組成物
  4. 無機粉末、側鎖に水酸基を有するアクリル系樹脂、および、水酸基を有しない有機溶剤を含有する非感光性無機ペースト組成物の製造方法であって、
    少なくとも前記無機粉末、側鎖に水酸基を有するアクリル系樹脂、および、水酸基を有しない有機溶剤からなる3成分を混合し、この混合物を混練する混練工程を含み、
    前記混練工程において、前記混合物中に含まれる水酸基を有する有機溶剤が、5質量%以下であることを特徴とする非感光性無機ペースト組成物の製造方法。
  5. 基板上に誘電体層が形成されてなるディスプレイパネルにおける前記誘電体層を製造するためのシート状未焼成体であって、
    離型支持フィルム上に少なくとも請求項1から3いずれか記載の非感光性無機ペースト組成物からなる無機ペースト膜が形成されてなることを特徴とするシート状未焼成体。
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