JP3938250B2 - 車両用電源装置およびその充電方法 - Google Patents

車両用電源装置およびその充電方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば12ボルトの第1バッテリと、12ボルトの第2バッテリとが直列に接続されたトラック等の車両の車両用電源装置およびその充電方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば特開昭59−127537号公報、特開平3−56040号公報に記載のように、24ボルト電源と12ボルト電源とを両有する目的で、2つの12ボルトバッテリを直列に接続し、一方のバッテリが放電した時、他方のバッテリから充電すべく構成した装置が既に発明されている。
【0003】
すなわち、前者の特開昭59−127537号公報に記載の装置は、低電圧負荷(12V負荷)の電源を兼ねる部分バッテリ(12Vのバッテリ)の端子間の電圧を全バッテリ(2つの12ボルトバッテリを直列接続したもの)の端子間電圧と比較し、所定の電圧比以上に電圧が低下した時、部分バッテリのみを余分に充電することで、電圧の異なる負荷(12V用の負荷と24V用の負荷)を有するバッテリ電源の各バッテリを常に不平衡のない正常な充電状態に保つものである。
【0004】
また後者の特開平3−56010号公報に記載の装置は、負荷量の異なるバッテリの残存容量の差をバッテリ電圧の差により検出し、この検出結果に応じたパルス幅でDC−DCコンバータのトランジスタを導通、非導通制御することによって、負荷量の小さいバッテリにより負荷量の大きいバッテリを充電するように構成したものである。
【0005】
これら各従来装置には2つの12Vバッテリの電圧を互に一致させる制御手段が開示されているものの、自車両の2つのバッテリが完全放電(いわゆるバッテリ上がり)した場合には、トラック等の24V電源車両(他車両)の24V電源を給電する手段か或は普通車等の12V電源車両(他車両)の12V電源を昇圧器で24Vに昇圧した後に給電する手段でしか完全放電からの復帰が望めない。
【0006】
このため、24V電源車両は細い路地への侵入、離合が困難であり、また昇圧器は一般的に身近にないため、バッテリ完全放電からの復帰に対する利便性が悪い問題点があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
この発明の請求項1に係る発明は、第1バッテリに対して外部バッテリを接続した時、この第1バッテリから制御手段に給電し、制御手段を動作することで、第1バッテリおよび第2バッテリが共に完全放電を起こした場合でも、単なる12V電源車両によってバッテリの完全放電からの復帰ができ、斯る復帰に対する利便性の大幅な向上を図ることができ、また、両バッテリの直列電圧でエンジンスタータを駆動すべく構成し、両バッテリの 合計電圧が所定値以下の時、上述の制御手段でスタータ作動禁止の実行またはエンジン起動レベル電圧に達していない旨を報知することで、充電時間が長大化するのを防止することができる車両用電源装置の提供を目的とする。
【0008】
請求項2に係る発明は、第1バッテリに対して同容量の外部バッテリを接続した時、この外部バッテリから制御手段に給電し、制御手段を動作させることで、第1バッテリおよび第2バッテリが共に完全放電を起こした場合でも、単なる12V電源車両によってバッテリの完全放電からの復帰ができ、この復帰に対する利便性の大幅な向上を図ることができ、また、両バッテリの直列電圧でエンジンスタータを駆動すべく構成し、両バッテリの合計電圧が所定値以下の時、上述の制御手段でスタータ作動禁止の実行またはエンジン起動レベル電圧に達していない旨を報知することで、充電時間が長大化するのを防止することができる車両用電源装置の提供を目的とする。
【0009】
請求項3に係る発明は、第1バッテリに対して外部バッテリを接続した時、この第1バッテリから制御手段に給電し、制御手段を動作することで、第1バッテリおよび第2バッテリが共に完全放電を起こした場合でも、単なる12V電源車両によってバッテリの完全放電からの復帰ができ、斯る復帰に対する利便性の大幅な向上を図ることができ、また、上述の制御手段に対して第2バッテリからも給電し、この制御手段が第2バッテリの電気エネルギを第1バッテリに充電することで、外部バッテリを第1および第2の各バッテリの何れに接続しても、制御手段に対する給電、動作を実行させることができ、利便性のさらなる向上を図ることができる車両用電源装置の提供を目的とする。
【0010】
請求項4に係る発明は、第1バッテリに対して同容量の外部バッテリを接続した時、この外部バッテリから制御手段に給電し、制御手段を動作させることで、第1バッテリおよび第2バッテリが共に完全放電を起こした場合でも、単なる12V電源車両によってバッテリの完全放電からの復帰ができ、この復帰に対する利便性の大幅な向上を図ることができ、また、上述の制御手段に対して第2バッテリからも給電し、この制御手段が第2バッテリの電気エネルギを第1バッテリに充電することで、外部バッテリを第1および第2の各バッテリの何れに接続しても、制御手段に対する給電、動作を実行させることができ、利便性のさらなる向上を図ることができる車両用電源装置の提供を目的とする。
【0011】
請求項5に係る発明は、上述の第1バッテリと第2バッテリとを車両に並設する場合、第1バッテリを第2バッテリに対して後方または手前側に配設することで、後方または手前側に位置する第1バッテリに対して他車両のバッテリ(外部バッテリ)を容易に接続することができ、第1バッテリと外部バッテリとの接続性向上を図ることができる車両用電源装置の提供を目的とする。
【0012】
請求項6に係る発明は、上述の制御手段が車両の起動時以外の時にスリープ制御または給電遮断されることで、不要な電力消費を容易に防止することができる車両用電源装置の提供を目的とする。
【0013】
請求項7に係る発明は、バッテリ充電時にバッテリからの放電を禁止する禁止手段を設けることで、充電中の電力消費を確実に禁止することができる車両用電源装置の提供を目的とする
【0014】
請求項8に係る発明は、上述の制御手段で第1バッテリと第2バッテリとの電圧を一致させることで、両バッテリの不均衡を解消することができる車両用電源装置の提供を目的とする。
【0015】
請求項9に係る発明は、車両に装備された低電圧負荷(12V用の負荷)を第2バッテリ側に接続することで、第1バッテリにより給電されて動作する制御手段に対する給電を電圧が安定している第1バッテリ側から実行することができる車両用電源装置の提供を目的とする。
【0016】
請求項10に係る発明は、バッテリの完全放電時に第1バッテリと同容量の外部バッテリを第1バッテリに接続し、制御手段に対して第1バッテリまたは外部バッテリから給電を行なって、バッテリの完全放電からの復帰を実行することで、上記両バッテリが共に完全放電を起こした場合でも、単なる12V電源車両によってバッテリの完全放電からの復帰が実行でき、この復帰に対する利便性の大幅な向上を図ることができる車両用電源装置の充電方法の提供を目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、第1バッテリと第2バッテリとが直列に接続された車両用電源装置であって、上記第1バッテリの電気エネルギを上記第2バッテリに充電させる制御手段を備え、上記制御手段は上記第1バッテリにより給電されて動作し、上記第1バッテリと第2バッテリとの直列電圧によりエンジンスタータが駆動され、上記制御手段は第1バッテリと第2バッテリとの合計電圧が所定値以下の時、上記エンジンスタータの作動を禁止または電圧がエンジン起動レベルに達していないことを報知する車両用電源装置であることを特徴とする。
【0018】
請求項2に係る発明は、第1バッテリと第2バッテリとが直列に接続された車両用電源装置であって、上記第1バッテリの電気エネルギを上記第2バッテリに充電させる制御手段を備え、上記制御手段はバッテリの完全放電時に接続させる第1バッテリと同容量の外部バッテリにより給電されて動作し、上記第1バッテリと第2バッテリとの直列電圧によりエンジンスタータが駆動され、上記制御手段は第1バッテリと第2バッテリとの合計電圧が所定値以下の時、上記エンジンスタータの作動を禁止または電圧がエンジン起動レベルに達していないことを報知する車両用電源装置であることを特徴とする。
【0019】
請求項3に係る発明は、第1バッテリと第2バッテリとが直列に接続された車両用電源装置であって、上記第1バッテリの電気エネルギを上記第2バッテリに充電させる制御手段を備え、上記制御手段は上記第1バッテリにより給電されて動作し、上記制御手段は第2バッテリからも給電され、上記制御手段は第2バッテリの電気エネルギを第1バッテリに充電させる車両用電源装置であることを特徴とする。
【0020】
請求項4に係る発明は、第1バッテリと第2バッテリとが直列に接続された車両用電源装置であって、上記第1バッテリの電気エネルギを上記第2バッテリに充電させる制御手段を備え、上記制御手段はバッテリの完全放電時に接続させる第1バッテリと同容量の外部バッテリにより給電されて動作し、上記制御手段は第2バッテリからも給電され、上記制御手段は第2バッテリの電気エネルギを第1バッテリに充電させる車両用電源装置であることを特徴とする。
【0021】
請求項5に係る発明は、上記第1バッテリと第2バッテリとを車両に並設し、上記第1バッテリは第2バッテリに対して後方または手前側に配設された車両用電源装置であることを特徴とする。
【0022】
請求項6に係る発明は、上記制御手段は、車両の起動時以外の時にスリープ制御または給電遮断される車両用電源装置であることを特徴とする。
【0023】
請求項7に係る発明は、上記制御手段はバッテリ充電時にバッテリからの放電を禁止する禁止手段を備えた車両用電源装置であることを特徴とする
【0024】
請求項8に係る発明は、上記制御手段は第1バッテリと第2バッテリとの電圧を一致させる車両用電源装置であることを特徴とする。
【0025】
請求項9に係る発明は、車両に装備された低電圧負担が第2バッテリ側に接続された車両用電源装置であることを特徴とする。
【0026】
請求項10に係る発明は、請求項2記載の車両用電源装置を用いて上記第1バッテリの電気エネルギを第2バッテリに充電させる車両用電源装置の充電装置であって、上記バッテリの完全放電時に第1バッテリと同容量の外部バッテリを第1バッテリに接続し、上記制御手段に対して第1バッテリまたは外部バッテリから給電を行なって、バッテリの完全放電からの復帰を実行する車両用電源装置の充電方法であることを特徴とする。
【0027】
【発明の作用及び効果】
請求項1に係る発明によれば、上述の制御手段は第1バッテリの電気エネルギを第2バッテリに充電させるが、第1バッテリおよび第2バッテリが共に完全放電を起こした場合、第1バッテリに対して外部バッテリを接続すると、上述の制御手段は第1バッテリにより給電されて動作する。
この結果、単なる12V電源車両によってバッテリの完全放電からの復帰ができ、斯る復帰に対する利便性の大幅な向上を図ることができる効果がある。
【0028】
また、両バッテリの直列電圧でエンジンスタータを駆動すべく構成し、両バッテリの合計電圧が所定値以下の時、上述の制御手段がスタータ作動禁止を実行またはエンジン起動レベル電圧に達していない旨を報知する。
【0029】
このため、充電時間が長大化するのを防止することができる効果がある。つまり両バッテリの合計電圧が所定値以下の時にはスタータを作動させても単に電気エネルギを消費するのみで、エンジンが起動しないから、上述の作動禁止または報知により、このような点を防止することができる。
【0030】
請求項2に係る発明によれば、上述の制御手段は第1バッテリの電気エネルギを第2バッテリに充電させるが、第1バッテリおよび第2バッテリが共に完全放電を起こした場合、第1バッテリに対して該バッテリと同容量の外部バッテリを接続すると、上述の制御手段は外部バッテリにより給電されて動作する。
この結果、単なる12V電源車両(他車両)によって自車両のバッテリの完全放電からの復帰ができ、この復帰に対する利便性の大幅な向上を図るとことができる効果がある。
【0031】
また、両バッテリの直列電圧でエンジンスタータを駆動すべく構成し、両バッテリの合計電圧が所定値以下の時、上述の制御手段がスタータ作動禁止を実行またはエンジン起動レベル電圧に達していない旨を報知する。
【0032】
このため、充電時間が長大化するのを防止することができる効果がある。つまり両バッテリの合計電圧が所定値以下の時にはスタータを作動させても単に電気エネルギを消費するのみで、エンジンが起動しないから、上述の作動禁止または報知により、このような点を防止することができる。
【0033】
請求項3に係る発明によれば、上述の制御手段は第1バッテリの電気エネルギを第2バッテリに充電させるが、第1バッテリおよび第2バッテリが共に完全放電を起こした場合、第1バッテリに対して外部バッテリを接続すると、上述の制御手段は第1バッテリにより給電されて動作する。
この結果、単なる12V電源車両によってバッテリの完全放電からの復帰ができ、斯る復帰に対する利便性の大幅な向上を図ることができる効果がある。
【0034】
また、上述の制御手段は第2バッテリからも給電され、この制御手段が第2バッテリの電気エネルギを第1バッテリに充電するので、外部バッテリを第1バッテリと第2バッテリとの何れに接続しても、制御手段に対する給電と、制御手段の動作とを確保することができ、この結果、利便性のさらなる向上を図ることができる効果がある。
【0035】
請求項4に係る発明によれば、上述の制御手段は第1バッテリの電気エネルギを第2バッテリに充電させるが、第1バッテリおよび第2バッテリが共に完全放電を起こした場合、第1バッテリに対して該バッテリと同容量の外部バッテリを接続すると、上述の制御手段は外部バッテリにより給電されて動作する。
この結果、単なる12V電源車両 ( 他車両 ) によって自車両のバッテリの完全放電からの復帰ができ、この復帰に対する利便性の大幅な向上を図るとことができる効果がある。
【0036】
また、上述の制御手段は第2バッテリからも給電され、この制御手段が第2バッテリの電気エネルギを第1バッテリに充電するので、外部バッテリを第1バッテリと第2バッテリとの何れに接続しても、制御手段に対する給電と、制御手段の動作とを確保することができ、この結果、利便性のさらなる向上を図ることができる効果がある。
【0037】
請求項5に係る発明によれば、上述の第1バッテリと第2バッテリとを車両に並設し、第1バッテリを第2バッテリに対して後方または手前側に配設したので、後方または手前側に位置する第1バッテリに対して他車両のバッテリ(外部バッテリ)を容易に接続することができ、第1バッテリと外部バッテリとの接続作業性の向上を図ることができる効果がある。
【0038】
請求項6に係る発明によれば、上述の制御手段は車両の起動時以外の時にはスリープ制御または給電遮断されるので、不要な電力消費を容易に防止することができる効果がある。
【0039】
請求項7に係る発明によれば、上述の制御手段はバッテリ充電時に禁止手段を駆動してバッテリからの放電を禁止するので、充電中の電力消費を確実に禁止することができる効果がある。
【0040】
請求項8に係る発明によれば、上述の制御手段は第1バッテリの電圧と第2バッテリの電圧とを一致させるので、両バッテリの不均衡を解消することができて、バッテリに接続された負荷を適確に動作させることができる効果がある。
【0041】
請求項9に係る発明によれば、車両に装備された低電圧負荷(12V用の負荷)を第2バッテリ側に接続したので、制御手段は給電電圧が安定した第1バッテリ側から給電実行することができる効果がある。
【0042】
請求項10に係る発明によれば、第1バッテリ、第2バッテリの完全放電時に、まず第1バッテリと同容量の外部バッテリを第1バッテリに接続し、次に制御手段に対して第1バッテリまたは外部バッテリから給電を行なうと、この制御手段は第1バッテリの電気エネルギを第2バッテリに充電させるので、バッテリの完全放電からの復帰を実行することができる。
この結果、両バッテリが共に完全放電を起こした場合でも、単なる12V電源車両によってバッテリの完全放電からの復帰ができ、この復帰に対する利便性の大幅な向上を図ることができる効果がある。
【0043】
【実施例】
この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳述する。
図面は車両用電源装置およびその充電方法を示すが、まず図1を参照して車両用電源装置の回路構成について詳述する。
【0044】
図1において、この車両用電源装置は定格12Vの第1バッテリ1と定格12Vの第2バッテリ2とを直列接続し、第1バッテリ1の正極から出力ライン3を介して24V直流電圧を取出すように構成すると共に、両バッテリ1,2間の交点4から出力ライン5を介して12V直流電圧を取出すように構成している。なお、第2バッテリ2の負極はアース(車両のボディ)6に接続している。
【0045】
一方、第1のMOS型電界効果トランジスタ(以下単に第1MOSトランジスタと略記する)7と、第2のMOS型電界効果トランジスタ(以下単に第2MOSトランジスタと略記する)8とを設け、これら両MOSトランジスタ7,8のゲートはパルス印加ライン9,10を介してCPU20(制御回路)に接続している。
【0046】
また、第1MOSトランジスタ7のソースはライン11を介して第1バッテリ1の正極に接続し、ドレンはライン12、コイル13の第1巻線部13aおよびライン14を介して上述の交点4に接続している。
【0047】
さらに第2MOSトランジスタ8のドレンはライン15を介してアース6に接続し、ソースはライン16、コイル13の第2巻線部13bおよびライン14を介して上述の交点4に接続している。
【0048】
ここで、上述の第1巻線部13aと第2巻線部13bとの巻数は同一に設定され、また各MOSトランジスタ7,8のドレン、ソース間に逆流防止用のダイオード17,18が接続されている。これらの各ダイオード17,18はそのカソードをソースに、アノードをドレインにそれぞれ接続したものである。
【0049】
また第1バッテリ1の正極に接続した給電ライン19と、第2バッテリ2の正極に接続した給電ライン21とを設け、これらの各給電ライン19,21をCPU20に接続して、制御回路としてのCPU20に対して第1バッテリ1または第2バッテリ2から給電を行なうように構成している。
【0050】
上述のCPU20はアクセサリスイッチやその他の必要な信号入力に基づいて、ROMに格納されたプログラムに従って、報知手段22およびリレー23を駆動制御し、またRAMはそれぞれの所定値E1,E2,E3(図4〜図6参照)に相当するデータやその他の必要なデータおよびマップを記憶する。ここで、上述の報知手段22としてはブザーや、報知ランプまたは電子音による報知手段を用いることができる。
【0051】
上述のリレー23におけるリレー接点24,25は出力ライン3,5に介設されている。また上述の各要素4,7〜21で制御手段26が構成され、この制御手段26は第1バッテリ1の電気エネルギを第2バッテリ2に充電させ、また第2バッテリ2の電気エネルギを第1バッテリ1に充電させて、第1バッテリ1と第2バッテリ2との電圧を不均衡にならないように一致させる。
【0052】
つまり、CPU20がパルス印加ライン9を介して第1MOSトランジスタ7のゲートにパルスを印加すると、この第1MOSトランジスタ7が導通し、第1バッテリ1の正極から各要素11,7,12,13a,14,4を介して第2バッテリ2の正極に電流が流れ、第1巻線部13aには電磁エネルギが蓄えられる。
【0053】
第1MOSトランジスタ7のゲートに対するパルス印加を停止すると、第1巻線部13aの磁気エネルギが第2巻線部13bに移行し、該部の逆起電圧が各要素14,4を介して第2バッテリ2の正極に印加されるので、各バッテリ1,2の差電圧に対応して、第2バッテリ2に対する充電が実行される。
【0054】
また、CPU20がパルス印加ライン10を介して第2MOSトランジスタ8のゲートにパルスを印加すると、この第2MOSトランジスタ8が導通し、第2バッテリ2の正極から各要素4,14,13b,16,8,15を介してアース6に電流が流れ、第2巻線部13bには磁気エネルギが蓄えられる。
【0055】
第2MOSトランジスタ8のゲートに対するパルス印加を停止すると、第2巻線部13bの磁気エネルギが第1巻線部13aに移行し、該部の逆起電圧が各要素14,4を介して第1バッテリ1の負極に印加されるので、各バッテリ1,2の差電圧に対応して、第1バッテリ1に対する充電が実行される。
【0056】
ところで、上述の第1および第2の各バッテリ1,2をトラック等の車両27(図2、図3参照)に対して並設する場合、これら各バッテリ1,2を前後に並設する時には、図2に示すように第1バッテリ1は第2バッテリ2に対して後方に配設され、また各バッテリ1,2を車幅方向の奥側と手前側とに並設する時には、図3に示すように第1バッテリ1は第2バッテリ2に対して手前側に配設される。
【0057】
上述の車両27のエンジンスタータは第1バッテリ1と第2バッテリ2との直列電圧すなわち24Vで駆動され、第1バッテリ1と第2バッテリ2との合計電圧(V1+V2)が所定値E3(たとえば20V)以下の時、上述のCPU20はエンジンスタータの作動を禁止する(図4、図6に示す各フローチャートの各ステップS6,Q14参照)。
【0058】
また第1バッテリ1と第2バッテリ2との合計電圧(V1+V2)が所定値E3(たとえば20V)に達した時、上述のCPU20は合計電圧(V1+V2)がエンジン起動レベルに達した旨を報知手段22にて報知する(図4、図6に示す各フローチャートの各ステップS10,Q18参照)。
【0059】
ここで、上述のCPU20による報知手段22の作動は、合計電圧(V1+V2)がエンジン起動レベル(所定値E3参照)に達していない旨を報知するように構成してもよいことは勿論である。
【0060】
さらに上述のCPU20を含む制御手段26は、車両27の起動時以外の時つまりアクセサリスイッチがOFFポジションにある時は省電力化を図る目的でスリープ制御または給電遮断される。
【0061】
上述のCPU20はバッテリ充電時においてリレー23を介してリレー接点24,25(禁止手段)をOFF制御し、バッテリ1,2からの放電を禁止する。なお、図面では上述のリレー接点24,25としてb接点(常閉接点)を図示したが、これはa接点(常開接点)であってもよいことは勿論である。
また車両27に装備された低電圧負荷(12V用の負荷)は第2バッテリ2側に接続されている。
【0062】
しかも、この車両用電源装置において上述の制御手段26はバッテリ1,2の完全放電時には第1バッテリ1または第2バッテリ2にケーブル28,29を介して接続される他車両の同容量(12V)の外部バッテリ30により給電されて動作する。なお、図面では外部バッテリ30を第1バッテリ1に接続した状態で示しているが、この外部バッテリ30は第2バッテリ2に接続してもよいことは勿論である。
【0063】
次に図4に示すフローチャートを参照して車両用電源装置の充電方法について詳述する。
第1バッテリ1および第2バッテリ2が共に完全放電した場合には、例えば第1バッテリ1の正負両極間に図1に示すようにケーブル28,29を介して同容量すなわち12Vの外部バッテリ30を接続する。
【0064】
斯る外部バッテリ30の接続後、第1ステップS1で、CPU20は所定周期T(例えば約2〜3秒)が経過したか否かを判定し、YES判定時にのみ次の第2ステップS2に移行する。なお、所定周期Tの計時はCPU内蔵タイマで実行される。
【0065】
この第2ステップS2で、CPU20は第1MOSトランジスタ7のゲートにパルスを印加(入力)し、既述した如く第1バッテリ1の電気エネルギを第2バッテリ2に充電する。
【0066】
次に第3ステップS3で、CPU20は所定周期Tが経過したか否かを判定し、YES判定時にのみ次の第4ステップS4に移行する。
この第4ステップS4で、CPU20は第2MOSトランジスタ8のゲートにパルスを印加(入力)し、既述した如く第2バッテリ2の電気エネルギを第1バッテリ1に充電する。
【0067】
次に第5ステップS5で、CPU20は第1バッテリ1の電圧V1と、第2バッテリ2の電圧V2との合計電圧(V1+V2)と所定値E3(たとえば20V)と比較して、V1+V2<E3の時(YES判定時)には次の第6ステップS6に移行する一方、V1+V2>E3の時(NO判定時)には別の第9ステップS9に移行する。
【0068】
上述の第6ステップS6で、CPU20はエンジンスタータの作動を禁止する目的で、セルモータに対する通電をしゃ断する。具体的にはリレー接点24をOFFにして、セルモータにより電力が消費されないようにする。
次に第7ステップS7で、CPU20は報知手段22による報知を停止し、次の第8ステップS8で、CPU20はリレー23を介してリレー接点25をOFFにして、放電禁止を実行する。
【0069】
一方、上述の第9ステップS9で、CPU20は第1バッテリ1の電圧V1と第2バッテリ2の電圧V2との合計電圧(V1+V2)が所定値E3以上になったことに対応して、エンジンスタータの作動を許容する。つまり一旦OFFにしたリレー接点24をONにする。
【0070】
次に第10ステップS10で、CPU20は報知手段22を駆動して、合計電圧(V1+V2)がエンジン起動レベル(所定値E3参照)以上となった旨を報知する。なお、第10ステップS10での報知に代えて、先の第7ステップS7で合計電圧(V1+V2)がエンジン起動レベル(所定値E3参照)に達していないことを報知するように構成してもよいことは勿論である。
【0071】
次に第11ステップS11で、CPU20はアクセサリスイッチのポジションを検出し、このアクセサリスイッチがOFFポジションか否かを判定し、NO判定時には第1ステップS1にリターンする一方、YES判定時には処理を終了して、制御手段26をスリープ制御または給電遮断する。
【0072】
このように図1〜図4で示した車両用電源装置によれば、上述の制御手段26は第1バッテリ1の電気エネルギを第2バッテリ2に充電させるが、第1バッテリ1および第2バッテリ2が共に完全放電を起こした場合、第1バッテリ1に対して外部バッテリ30を接続すると、上述の制御手段26は第1バッテリ1により給電されて動作する。
この結果、単なる12V電源車両(他車両)によって自車両のバッテリ1,2の完全放電からの復帰ができ、斯る復帰に対する利便性の大幅な向上を図ることができる効果がある。
【0073】
また、上述の制御手段26は第1バッテリ1の電気エネルギを第2バッテリ2に充電させるが、第1バッテリ1および第2バッテリ2が共に完全放電を起こした場合、第1バッテリ1に対して該バッテリ1と同容量の外部バッテリ30を接続すると、上述の制御手段26は外部バッテリ30により給電されて動作する。
【0074】
この結果、単なる12V電源車両(他車両)によって自車両(車両27参照)のバッテリ1,2の完全放電からの復帰ができ、この復帰に対する利便性の大幅な向上を図るとことができる効果がある。
【0075】
さらに、上述の第1バッテリ1と第2バッテリ2とを車両27に並設し、第1バッテリ1を第2バッテリ2に対して後方(図2参照)または手前側(図3参照)に配設したので、後方または手前側に位置する第1バッテリ1に対して他車両のバッテリ(外部バッテリ30)を容易に接続することができ、第1バッテリ1と外部バッテリ30との接続作業性の向上を図ることができる効果がある。
【0076】
加えて、両バッテリ1,2の直列電圧(つまり24V)でエンジンスタータを駆動すべく構成し、両バッテリ1,2の合計電圧(V1+V2)が所定値E3以下の時、上述の制御手段26がスタータ作動禁止(第6ステップS6参照)を実行またはエンジン起動レベル電圧に達していない旨を報知(第7ステップS7または第10ステップS10参照)する。
【0077】
このため、充電時間が長大化するのを防止することができる効果がある。つまり両バッテリ1,2の合計電圧(V1+V2)が所定値E3以下の時にはスタータを作動させても単に電気エネルギを消費するのみで、エンジンが起動しないから、上述の作動禁止または報知により、このような点を防止することができる。
【0078】
また、上述の制御手段26は車両27の起動時以外の時にはスリープ制御または給電遮断されるので、不要な電力消費を容易に防止することができる効果がある。
【0079】
さらに、上述の制御手段26はバッテリ充電時に禁止手段を駆動(リレー接点24,25をOFF)してバッテリ1,2からの放電を禁止するので、充電中の電力消費を確実に禁止することができる効果がある。
【0080】
さらには、上述の制御手段26は第1バッテリ1と第2バッテリ2とから給電され、この制御手段26が第2バッテリ2の電気エネルギを第1バッテリ1に充電するので、外部バッテリ30を第1バッテリ1と第2バッテリ2との何れに接続しても、制御手段26に対する給電と、制御手段26の動作とを確保することができ、この結果、利便性のさらなる向上を図ることができる効果がある。
【0081】
加えて、上述の制御手段26は第1バッテリ1の電圧V1と第2バッテリ2の電圧V2とを一致させるので、両バッテリ1,2の不均衡を解消することができて、バッテリ1,2に接続された負荷を適確に動作させることができる効果がある。
【0082】
さらに、車両27に装備された低電圧負荷(12V用の負荷)を第2バッテリ2側に接続したので、制御手段26なかんずくCPU20は給電電圧が安定した第1バッテリ1側から給電実行することができる効果がある。
【0083】
一方、図1〜図4で示した車両用電源装置の充電方法によれば、第1バッテリ1、第2バッテリ2の完全放電時に、まず第1バッテリ1と同容量の外部バッテリ30を第1バッテリ1に接続し、次に制御手段26に対して第1バッテリ1または外部バッテリ30から給電を行なうと、この制御手段26は第1バッテリ1の電気エネルギを第2バッテリ2に充電させるので、バッテリ1,2の完全放電からの復帰を実行することができる。
この結果、両バッテリ1,2が共に完全放電を起こした場合でも、単なる12V電源車両(他車両)によってバッテリ1,2の完全放電からの復帰ができ、この復帰に対する利便性の大幅な向上を図ることができる効果がある。
【0084】
図5、図6は車両用電源装置およびその充電方法の他の実施例を示す。先の図4で示したフローチャートでは第1バッテリ1と第2バッテリ2との電圧V1,V2の大小に関係なく、2つのMOSトランジスタ7,8を交互に導通すべく構成したが、この図5、図6に示す一連のフローチャートでは第1バッテリ1と第2バッテリ2との電圧V1,V2の大小に対応して、2つのMOSトランジスタ7,8に対するパルス入力を可変すべく構成したものである。なお、この図5、図6に示す実施例にあっても図1〜図3が示した回路装置を用いる。
【0085】
第1バッテリ1および第2バッテリ2が共に完全放電した場合には、例えば第1バッテリ1の正負両極間に図1に示すようにケーブル28,29を介して同容量すなわち12Vの外部バッテリ30を接続する。
【0086】
斯る外部バッテリ30の接続後、第1ステップQ1で、CPU20は所定周期Tが経過したか否かを判定し、YES判定時にのみ次の第2ステップQ2に移行する。
この第2ステップQ2で、CPU20は第1バッテリ1の電圧V1を検出し、次の第3ステップQ3で、CPU20は第2バッテリ2の電圧V2を検出する。
【0087】
次に第4ステップQ4で、CPU20は各電圧V1,V2の大きさを比較し、V1<V2の時(YES判定時)には次の第5ステップQ5に移行する一方、V1>V2の時(NO判定時)には別の第9ステップQ9に移行する。
【0088】
上述の第5ステップQ5で、CPU20は電圧の差(V2−V1)と第1所定値E1(例えば0.5V)とを比較して、差が小さい時(V2−V1<E1)には第13ステップQ13(図6参照)にスキップする一方、差が大きい時(V2−V1>E1)には次の第6ステップQ6に移行する。
【0089】
この第6ステップQ6で、CPU20は電圧の差(V2−V1)と第2所定値E2(例えば2.0V)とを比較して、差が小さい時(V2−V1<E2)には第7ステップQ7に移行し、差が大きい時(V2−V1>E2)には別の第8ステップQ8に移行する。
【0090】
上述の第7ステップQ7で、CPU20は電圧の差(V2−V1)が第2所定値E2よりも小さいことに対応して、第2MOSトランジスタ8のゲートにパルスを1回入力し、第2バッテリ2の電気エネルギを第1バッテリ1に充電する。
【0091】
一方、上述の第8ステップQ8では、CPU20は電圧の差(V2−V1)が第2所定値E2よりも大きいことに対応して、第2MOSトランジスタ8のゲートにパルスを2回入力し、第2バッテリ2の電気エネルギを第1バッテリ1に充電する。
【0092】
ところで、前述の第9ステップQ9で、CPU20は電圧の差(V1−V2)と第1所定値E1(例えば0.5V)とを比較して、差が小さい時(V1−V2<E1)には第13ステップQ13(図6参照)にスキップする一方、差が大きい時(V1−V2>E1)には次の第10ステップQ10に移行する。
【0093】
この第10ステップQ10で、CPU20は電圧の差(V1−V2)と第2所定値E2(例えば2.0V)とを比較して、差が小さい時(V1−V2<E2)には第11ステップQ11に移行し、差が大きい時(V1−V2>E2)には別の第12ステップQ12に移行する。
【0094】
上述の第11ステップQ11で、CPU20は電圧の差(V1−V2)が第2所定値E2よりも小さいことに対応して、第1MOSトランジスタ7のゲートにパルスを1回入力し、第1バッテリ1の電気エネルギを第2バッテリ2に充電する。
【0095】
一方、上述の第12ステップQ12では、CPU20は電圧の差(V1−V2)が第2所定値E2よりも大きいことに対応して、第1MOSトランジスタ7のゲートにパルスを2回入力し、第1バッテリ1の電気エネルギを第2バッテリ2に充電する。
【0096】
次に図6に示す第13ステップQ13で、CPU20は第1バッテリ1の電圧V1と、第2バッテリ2の電圧V2との合計電圧(V1+V2)と第3所定値E3(たとえば20V)と比較して、V1+V2<E3の時(YES判定時)には次の第14ステップQ14に移行する一方、V1+V2>E3の時(NO判定時)には別の第17ステップQ17に移行する。
【0097】
上述の第14ステップQ14で、CPU20はエンジンスタータの作動を禁止する目的で、セルモータに対する通電をしゃ断する。具体的にはリレー接点24をOFFにして、セルモータにより電力が消費されないようにする。
次に第15ステップQ15で、CPU20は報知手段22による報知を停止し、次の第16ステップQ16で、CPU20はリレー23を介してリレー接点25をOFFにして、放電禁止を実行する。
【0098】
一方、上述の第17ステップQ17で、CPU20は第1バッテリ1の電圧V1と第2バッテリ2の電圧V2との合計電圧(V1+V2)が第3所定値E3以上になったことに対応して、エンジンスタータの作動を許容する。つまり一旦OFFにしたリレー接点24をONにする。
次に第18ステップQ18で、CPU20は報知手段22を駆動して、合計電圧がエンジン起動レベル以上となった旨を報知する。
【0099】
次に第19ステップQ19で、CPU20はアクセサリスイッチのポジションを検出し、このアクセサリスイッチがOFFポジションか否かを判定し、NO判定時には第1ステップQ1にリターンする一方、YES判定時には処理を終了して、制御手段26をスリープ制御または給電遮断する。
【0100】
このように構成しても、電圧V1,V2の大小に対応して、各MOSトランジスタ7,8に対するパルス入力を可変する点以外については、先の実施例と同様の作用、効果を奏するものである。
【0101】
図7は制御手段の他の実施例を示す電気回路図で、この制御手段40は、第1MOSトランジスタ7のソースにライン31を介して上述の出力ライン3を接続し、第2MOSトランジスタ8のソースにライン32を介して第2バッテリ2の負極を接続している。
【0102】
また第1MOSトランジスタ7のドレンと、第2MOSトランジスタ8のドレンとの間にはトランスの巻線33を接続し、この巻線33の中点34をコイル35を介して上述の交点4に接続している。
【0103】
上述の中点34により、上述の巻線33を中点よりも一方側の巻線33aと他方側の巻線部33bとに設定し、一方の巻線部33の端部36とライン32との間にはダイオード37を図示の如く介設すると共に、他方の巻線部33bの端部38とライン31との間にはダイオード39を図示の如く介設している。
【0104】
図7に示すこの制御手段40は2つのMOSトランジスタ7,8を同時に導通させて、第1バッテリ1と第2バッテリ2との電圧値を互に一致させるための回路である。
【0105】
すなわち、CPU20により2つのMOSトランジスタ7,8を同時に導通させると、トランスの巻線33の両端36,38には第1バッテリ1の電圧V1と第2バッテリ2の電圧V2との合計電圧(V1+V2)が印加され、中点34の電圧はV1+V2の中間値となる。
【0106】
この時、V2>V1により交点4に電圧の偏りがあると、第2バッテリ2の正極から各要素4,35,34,33b,38,8,32を介して流れる放電経路が形成され、同一巻数の巻線部33aに発生する起電力によって、各要素36,7,31から第1バッテリ1の正極に至る充電経路が形成され、第1バッテリ1に対して充電が実行される。
【0107】
逆に、2つのMOSトランジスタ7,8を同時に導通させた時、V1>V2により交点4に電圧の偏りがあると、第1バッテリ1の正極から各要素31,7,36,33a,34,35,4を介して流れる放電経路が形成され、同一巻数の巻線部33bに発生する起動力によって、各要素34,35,4から第2バッテリ2の正極に至る充電経路が形成され、第2バッテリ2に対して充電が実行される。
【0108】
この制御手段40を用いる場合には、図4に示すフローチャートの各ステップS1,S2を省略し、第4ステップS4において2つのMOSトランジスタ7,8を同時に導通すべく構成すると、先の実施例とほぼ同様の作用、効果を奏するので、図7において図1と同一の部分には同一符号を付して、その詳しい説明を省略する。
【0109】
図8は制御手段のさらに他の実施例を示す電気回路図で、この制御手段50は、2つのMOSトランジスタ7,8のソースをライン41を介して上述の出力ライン3に接続する一方、複数のタップa,b,c,d,eを備えたトランスの巻線42を設けている。
ここで、各タップc,b間とc,d間との巻数を同一に設定すると共に、各タップa,b間とe,d間との巻数をも同一に設定している。
【0110】
また中間タップcはライン43を介して前述の交点4に接続し、第2バッテリ2の負極に接続したライン44には平滑コイル45を介してライン46を介してライン46を接続し、このライン46を、ダイオード47、ライン48、タップa,b,およびライン49を介して第1MOSトランジスタ7のドレンに接続すると共に、上述のライン46を、ダイオード51、ライン52、タップe,dおよびライン53を介して第2MOSトランジスタ8のドレンに接続している。
【0111】
図8に示すこの制御手段50は、第1MOSトランジスタ7と第2MOSトランジスタ8とを交互に導通制御して、第1バッテリ1側から第2バッテリ2側へ充電するように構成した回路である。
【0112】
まず、第2MOSトランジスタ8を導通させると、第1バッテリ1の正極から各要素41,8,53,d,c,43,4を介して第1バッテリ1の負極に電流が流れ、この時、タップc,b間にタップbを一極性にして第1バッテリ1の電圧と同電圧が発生し、タップaでは巻数に応じて増加されたマイナス電圧が発生する。この結果、中間タップcから各要素43,4,2,44,45,46,47,48,aを介して電流が流れ、第2バッテリ2を充電する。
【0113】
次に、第1MOSトランジスタ7を導通させると、第1バッテリ1の正極から各要素41,7,49,b,c,43,4を介して第1バッテリ1の負極に電流が流れ、この時、タップc,d間にタップdを一極性にして第1バッテリ1の電圧と同電圧が発生し、タップeでは巻数に応じて増加されたマイナス電圧が発生する。この結果、中間タップcから各要素43,4,2,44,45,46,51,52,eを介して電流が流れ、第2バッテリ2を充電する。
【0114】
つまり、第2MOSトランジスタ8と第1MOSトランジスタ7とを交互に導通ON、非導通OFF制御することで、第1バッテリ1から第2バッテリ2への一方向の充電が実行される。
【0115】
この制御回路50を用いる場合には、図4に示すフローチャートを変更することなく、そのままのソフト構成で、先の実施例とほぼ同様の作用、効果を奏するので、図8において、図1と同一の部分には同一符号を付して、その詳しい説明を省略する。
【0116】
この発明の構成と、上述の実施例との対応において、
この発明のバッテリからの放電を禁止する禁止手段は、リレー接点24,25に対応するも、
この発明は、上述の実施例の構成のみに限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の車両用電源装置を示す電気回路図。
【図2】 車両に対するバッテリの搭載構造を示す概略平面図。
【図3】 バッテリ搭載構造の他の実施例を示す概略平面図。
【図4】 本発明の車両用電源装置の充電方法を示すフローチャート。
【図5】 本発明の車両用電源装置の充電方法を他の実施例を示すフローチャート。
【図6】 図5のフローチャートにつづくフローチャート。
【図7】 制御手段の他の実施例を示す電気回路図。
【図8】 制御手段のさらに他の実施例を示す電気回路図。
【符号の説明】
1…第1バッテリ
2…第2バッテリ
24,25…リレー接点(禁止手段)
26,40,50…制御手段
30…外部バッテリ

Claims (10)

  1. 第1バッテリと第2バッテリとが直列に接続された車両用電源装置であって、上記第1バッテリの電気エネルギを上記第2バッテリに充電させる制御手段を備え、上記制御手段は上記第1バッテリにより給電されて動作し、
    上記第1バッテリと第2バッテリとの直列電圧によりエンジンスタータが駆動され、上記制御手段は第1バッテリと第2バッテリとの合計電圧が所定値以下の時、上記エンジンスタータの作動を禁止または電圧がエンジン起動レベルに達していないことを報知する
    車両用電源装置。
  2. 第1バッテリと第2バッテリとが直列に接続された車両用電源装置であって、上記第1バッテリの電気エネルギを上記第2バッテリに充電させる制御手段を備え、上記制御手段はバッテリの完全放電時に接続させる第1バッテリと同容量の外部バッテリにより給電されて動作し、
    上記第1バッテリと第2バッテリとの直列電圧によりエンジンスタータが駆動され、上記制御手段は第1バッテリと第2バッテリとの合計電圧が所定値以下の時、上記エンジンスタータの作動を禁止または電圧がエンジン起動レベルに達していないことを報知する
    車両用電源装置。
  3. 第1バッテリと第2バッテリとが直列に接続された車両用電源装置であって、上記第1バッテリの電気エネルギを上記第2バッテリに充電させる制御手段を備え、上記制御手段は上記第1バッテリにより給電されて動作し、
    上記制御手段は第2バッテリからも給電され、上記制御手段は第2バッテリの電気エネルギを第1バッテリに充電させる
    車両用電源装置。
  4. 第1バッテリと第2バッテリとが直列に接続された車両用電源装置であって、上記第1バッテリの電気エネルギを上記第2バッテリに充電させる制御手段を備え、上記制御手段はバッテリの完全放電時に接続させる第1バッテリと同容量の外部バッテリにより給電されて動作し、
    上記制御手段は第2バッテリからも給電され、上記制御手段は第2バッテリの電気エネルギを第1バッテリに充電させる
    車両用電源装置。
  5. 上記第1バッテリと第2バッテリとを車両に並設し、上記第1バッテリは第2バッテリに対して後方または手前側に配設された
    請求項1〜4の何れか1に記載の車両用電源装置。
  6. 上記制御手段は、車両の起動時以外の時にスリープ制御または給電遮断される
    請求項1〜4の何れか1に記載の車両用電源装置。
  7. 上記制御手段はバッテリ充電時にバッテリからの放電を禁止する禁止手段を備えた
    請求項1〜4の何れか1に記載の車両用電源装置。
  8. 上記制御手段は第1バッテリと第2バッテリとの電圧を一致させる
    請求項1〜4の何れか1に記載の車両用電源装置。
  9. 車両に装備された低電圧負荷が第2バッテリ側に接続された
    請求項1〜4の何れか1に記載の車両用電源装置。
  10. 請求項2記載の車両用電源装置を用いて、上記第1バッテリの電気エネルギを第2バッテリに充電させ
    両用電源装置の充電方法であって、
    上記バッテリの完全放電時に第1バッテリと同容量の外部バッテリを第1バッテリに接続し、
    上記制御手段に対して第1バッテリまたは外部バッテリから給電を行なって、バッテリの完全放電からの復帰を実行する
    車両用電源装置の充電方法。
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