以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
本明細書において、「プリント」(「記録」という場合もある)とは、文字、図形など有意の情報を形成する場合のみならず、有意無意を問わず、また人間が視覚で知覚し得るように顕在化したものであるか否かを問わず、広くプリント媒体上に画像、模様、パターンなどを形成する場合、又はプリント媒体の加工を行う場合をいうものとする。
また、「プリント媒体」とは、一般的なプリンタで用いられる紙のみならず、広く、布、プラスチック・フィルム、金属板等、ガラス、セラミックス、木材、皮革等、インクを受容可能なものもいうものとする。
さらに、「インク」(「液体」という場合もある)とは、上記「プリント」の定義と同様広く解釈されるべきものであり、プリント媒体上に付与されることによって、画像、模様、パターン等の形成、プリント媒体の加工、或いはインクの処理(例えば、プリント媒体に付与されるインク中の色材の凝固又は不溶化)に供される液体をいうものとする。
まず、図1ないし図9に基づき本装置の機械的な基本構成について説明する。本装置は、プリンタ付カメラとして構成されており、その装置本体A001においては、カメラ部A100の背面側にプリンタ部(記録装置部)B100が一体的に組み込まれている。尚、カメラ部A100とプリンタ部B100を着脱可能としてもよい。その場合、双方向の通信接点を双方に設け、装着時に前記通信接点を直結させるように構成する。プリンタ部B100は、メディアパックC100から供給されるインクとプリント媒体を用いて画像を記録する。本構成では、装置本体A001から外装を外して背面側から見た図5から明らかなように、装置本体A001の同図中の右手側にメディアパックC100が挿入され、装置本体A001の同図中左手側にプリンタ部B100が配置される。プリンタ部B100によって記録を行う場合には、液晶表示部A105を上側、レンズA101を下側にするように、装置本体A001を置いた姿勢とすることができる。この記録姿勢において、プリンタ部B100における後述の記録ヘッドB120は、インクを下向きに吐出する姿勢となる。記録姿勢は、カメラ部A100による撮影状態の姿勢と同様の姿勢とすることも可能であり、上記の記録姿勢に限られることはないが記録動作の安定性の面からは、上記のインクを下向きに吐出する記録姿勢が好ましい。
次に、本装置の機械的な基本構成を、A「カメラ部」、B「メディアパック」、C「プリンタ部」に分けて説明する。
A「カメラ部」
カメラ部A100は、基本的には、一般的なデジタルカメラを構成するものであり、後述するプリンタ部B100と共に装置本体A001に一体的に組み合わせられることによって、図1から図3のような外観のプリンタ内蔵のデジタルカメラを構成する。図1から図3において、A101はレンズ、A102は光学ファインダー、A102aはファインダー窓、A103は撮影用閃光照明装置、A104はレリーズボタン、A105は液晶表示部(外部表示部)、ANTはアンテナ、TKYは電話番号入力用キー、102はマイク、113はスピーカである。カメラ部A100は、後述するように、CCDやMOS等の撮像素子を用いて撮像したデータの処理、コンパクトフラッシュ(登録商標)メモリカード(例えばCFカード)A107への画像の記憶、画像の表示用信号処理、プリンタ部B100との間の各種データの授受(双方向通信)などをする。A109は、撮影された画像を後述のプリント媒体C104に記録した場合に、画像が記録されたプリント媒体C104が排出される排出部であり、不図示の蓋がついている。図5に示されるA108は、カメラ部A100及びプリンタ部B100の電源としての電池である。
また、本実施の形態においては、無線通信(電話)機能が設けられ、外部との音声及び/又は画像の通信が可能なように構成されている。
B「メディアパック」
メディアパックC100は、装置本体A001に対して着脱可能であり、本例の場合は、装置本体A001の不図示の蓋を開けて挿入部A002(図3参照)から差し込まれることによって、図1のように装置本体A001に装着される。挿入部A002は、メディアパックC100が装着されていないときは図3のように蓋により閉じられており、メディアパックが装着されるときに開かれる。図5はメディアパックC100が装着された装置本体A001から、外装を外した状態を示す。メディアパックC100のパック本体C101には、図4に示すように、シャッターC102が矢印D方向にスライド可能に設けられている。シャッターC102は、メディアパックC100が装置本体A001に装着されていないときには図4中の2点鎖線の位置に不図示のばねにより付勢されてスライドしており、メディアパックC100が装置本体A001に装着されたときには、前記ばねの付勢に抗して図4中の実線の位置にスライドする。
パック本体C101には、インクパックC103とプリント媒体C104が収容されている。図4において、インクパックC103は、プリント媒体C104の下方に収容される。本例の場合、インクパックC103は、Y(イエロー),M(マゼンタ),C(シアン)のインクを個別に収容するように3つ備えられており、またプリント媒体C104は20枚程度重ねて収容されている。それらのインクとプリント媒体C104は、画像の記録に最適な組合せのものが選択された上、同じメディアパックC100内に収容されている。したがって、インクとプリント媒体の組合せが異なる種々のメディアパックC100(例えば、超高画質用、ノーマル画質用、シール(分割シール)用、光沢紙用、再生紙用、中性紙用等のメディアパック)を用意しておいて、記録すべき画像の種類、及び画像が形成されたプリント媒体の用途などに応じて、それらのメディアパックC100を選択的に装置本体A001に装着することにより、最適な組合せのインクとプリント媒体を用いて、目的に応じた画像を確実に記録することができる。また、メディアパックC100には後述するメモリとしての不揮発性メモリ、例えばEEPROM(識別IC)が設けられており、そのEEPROMには、後述するようにメディアパックが収容しているインクとプリント媒体の種類や残量、インクやプリント媒体の充填又は製造日時情報や異常発生時のエラー内容データ及びその日時情報などの履歴データ、さらにインクとプリント媒体の例えば色特性の経時変化データが記憶される。
インクパックC103は、メディアパックC100が装置本体A001に装着されたときに、Y,M,Cのインクのそれぞれに対応する3つのジョイントC105を通じて、後述する装置本体A001側のインク供給系に接続される。一方、プリント媒体C104は、後述する給紙ローラC110(図9参照)によって取り出され図示しない分離機構によって一枚ずつ分離されて矢印C方向に送り出される。その給紙ローラC110の駆動力は、装置本体A001側に備わる後述の搬送モータM002(図9参照)から、連結部C110aを介して供給される。
また、パック本体C101には、後述するプリンタ部の記録ヘッドを清掃のためにワイピングするためのワイパーC106と、プリンタ部側の廃液ジョイント(不図示)から排出された廃インクを吸収するためのインク吸収体C107とが設けられている。プリンタ部における記録ヘッドは、後述するように矢印Aの主走査方向に往復移動する。メディアパックC100が装置本体A001から外されているときは、シャッターC102が不図示のばねの付勢により図4中の2点鎖線の位置にスライドして、ジョイントC105、ワイパーC106、及びインク吸収体C107などを保護する。
C「プリンタ部」
本例のプリンタ部B100は、インクジェット記録ヘッドを用いるシリアルタイプである。このプリンタ部B100については、C−1「プリント動作部」、C−2「プリント媒体搬送系」、及びC−3「インク供給系」に分けて説明する。
C−1「プリント動作部」
図6はプリンタ部B100全体の斜視図、図7はプリンタ部B100の一部を取り外した斜視図である。
プリンタ部B100の本体内部の定位置には、図5に示すように、装置本体A001に装着されたメディアパックC100の先端部分が位置する。メディアパックC100から図6において矢印C方向に送り出されたプリント媒体C104は、後述するプリント媒体搬送系におけるLFローラB101とLFピンチローラB102との間に挟まれつつ、プラテンB103上にて矢印Bの副走査方向(主走査方向Aに直行する方向)に搬送される。B104は、ガイド軸B105とリードスクリューB106に沿って矢印Aの主走査方向に往復移動されるキャリッジである。
キャリッジB104には、図8に示すように、ガイド軸B105用の軸受けB107と、リードスクリューB106用の軸受けB108が設けられている。キャリッジB104の定位置には、図8示の軸受けB108の内側に突出するスクリューピンB109(図7参照)がばねB110によって取り付けられている。そして、リードスクリューB106の外周部に形成された螺旋溝に対して、スクリューピンB109の先端がはまり合うことによって、リードスクリューB106の回転がキャリッジB104の矢印A方向の往復移動に変換される。
また、図8のキャリッジB104には、Y,M,Cのインクを吐出可能なインクジェット記録ヘッドB120と、その記録ヘッドB120に供給されるインクを収容するサブタンク(図示せず)が搭載されている。記録ヘッドB120には、矢印Aの主走査方向と交差する方向(本例の場合は、直交する方向)に沿って並ぶ複数のインク吐出口B121(図8参照)が形成されている。インク吐出口B121は、サブタンクから供給されたインクを吐出可能なノズルを構成する。インクを吐出させるためのエネルギーの発生手段としては、ノズル毎に備えた電気熱変換体を用いることができる。その電気熱変換体は、発熱駆動されることによってノズル内のインク中に気泡を発生させ、その発泡エネルギーによってインク吐出口B121からインク滴を吐出させる。
サブタンクは、メディアパックC100に収容されているインクパックC103よりも小容量であり、少なくともプリント媒体C104の1枚分の画像記録に必要な量の各色のインクをそれぞれ収容する大きさとなっている。サブタンクにおいて、Y,M,Cのインク毎のインク収容部分には、それぞれインク供給部と負圧導入部が形成されており、それらのインク供給部は対応する3つの中空のニードルB122に個別に接続され、また、それらの負圧導入部は共通の供給エアー口B123に接続されている。このようなサブタンクには、後述するように、キャリッジB104が図6示ホームポジションに移動したときに、後述するようにしてメディアパックC100のインクパックC103からインクが補給される。
図8のキャリッジB104において、B124はニードルカバーであり、ニードルB122とメディアパック側のジョイントC105(図4参照)とが連結していないときは、スプリングの力によって同図のように、ニードルB122を保護する位置に移動しており、ニードルB122とジョイントC105とが連結するときは、スプリングの力に抗して同図中の上方に押されてニードルB122の保護を解く。キャリッジB104のA方向の移動位置は、キャリッジB104側のエンコーダセンサB131と、プリンタ部B100の本体側のリニアスケールB132(図6参照)とによって検出される。また、キャリッジB104がホームポジションに移動したことは、キャリッジB104側のHP(ホームポジション)フラグB133と、プリンタ部B100の本体側のHPセンサB134(図7参照)とによって検出される。
図7において、ガイド軸B105の両端には、その中心軸から偏心した位置に支軸(図示せず)が設けられている。ガイド軸B105は、その支軸を中心として回動調整されることにより、キャリッジ104の位置が調整されて、記録ヘッドB120と、プラテンB103上のプリント媒体C104と、の間の距離(「紙間距離」ともいう)が調整される。また、リードスクリューB106は、スクリューギアB141、アイドラギアB142、及びモータギアB143を介して、キャリッジモータM001によって回転駆動される。また、B150は、後述する制御系と記録ヘッドB120とを電気的に接続するためのフレキシブルケーブルである。
図8の記録ヘッドB120は、キャリッジB104と共に矢印Aの主走査方向に移動しつつ、画像信号に応じてインク吐出口B121からインクを吐出することによって、プラテンB103上のプリント媒体に1行分の画像を記録する。このような記録ヘッドB120による1行分の記録動作と、後述するプリント媒体搬送系による矢印Bの副走査方向におけるプリント媒体の所定量の搬送動作と、が繰り返されることによって、プリント媒体上に順次画像が記録される。
C−2「プリント媒体搬送系」
図9はプリンタ部B100におけるプリント媒体搬送系の構成部分の斜視図である。図9において、B201は対の排紙ローラであり、同図中上側の一方の排紙ローラB201は、排紙ローラギアB202及び中継ギアB203を介して、搬送モータM002により駆動される。同様に、前述したLFローラB101は、LFローラギアB204と中継ギアB203を介して、搬送モータM002により駆動される。排紙ローラB201及びLFローラB101は、搬送モータM002の正転時の駆動力によって、プリント媒体C104を矢印Bの副走査方向に搬送する。
一方、搬送モータM002が逆転したときは、切り替えスライダB211及び切り替えカムB212を介して、圧板ヘッドB213と図示しないロック機構とが駆動されると共に、メディアパックC100側の給紙ローラC110に駆動力が伝達される。すなわち、圧板ヘッドB213は、搬送モータM002の逆転時の駆動力によって、メディアパックC100のシャッターC102の窓部C102A(図4参照)を通って、メディアパックC100内に集積されているプリント媒体C104を図4中の下方に押圧する。これにより、図4中の最下位置のプリント媒体C104がメディアパックC100内の給紙ローラC110上に押し付けられる。また、図示しないロック機構は、搬送モータM002の逆転時の駆動力によって作動状態とされ、装置本体A001に対してメディアパックC100をロックしてメディアパックC100の取り外しを禁止する。また、メディアパックC100側の給紙ローラC110は、搬送モータM002の逆転時の駆動力が伝達されることによって、図4中最下位置の1枚のプリント媒体C104を矢印C方向に搬出する。
このように、搬送モータM002が逆転することによって、メディアパックC100からプリント媒体C104が1枚だけ図9において矢印C方向に取り出され、その後、搬送モータM002が正転することによって、そのプリント媒体C104が矢印B方向に搬送される。
C−3「インク供給系」
プリンタ部B100に装着されたメディアパックC100のジョイントC105は、ホームポジションに移動したキャリッジB104側のニードルB122(図8参照)の下に位置する。プリンタ部B100の本体には、ジョイントC105の下方に位置するジョイントフォーク(図示せず)が設けられており、そのジョイントフォークがジョイントC105を上動させることにより、ジョイントC105がニードルB122に接続される。これにより、メディアパックC100側のインクパックC103と、キャリッジB104側のサブタンクのインク供給部との間のインク供給路が形成される。また、プリンタ部B100の本体には、ホームポジションに移動したキャリッジB104の供給エアー口B123(図8参照)の下に位置する供給ジョイント(図示せず)が設けられている。この供給ジョイントは、供給チューブを介して、負圧発生源としてのポンプのポンプシリンダ(不図示)に接続されている。供給ジョイントは、不図示のジョイントリフトによって上動されることにより、キャリッジB104側の供給エアー口B123に接続される。これにより、キャリッジB104側のサブタンクの負圧導入部と、ポンプシリンダとの間の負圧導入路が形成される。ジョイントリフタは、ジョイントモータM003の駆動力によって、供給ジョイントと共にジョイントフォークを上下動させる。
サブタンクの負圧導入部には、空気の通過を許容し、かつインクの通過を阻止する薄膜状の気液分離部材(図示せず)が備えられている。気液分離部材は、負圧導入路を通して吸引されるサブタンク内の空気の通過を許容し、これによりメディアパックC100からサブタンクにインクが補給される。そして、サブタンク内のインクが気液分離部材に達するまで、インクが充分に補給されたときに、その気液分離部材がインクの通過を阻止することにより、インクの補給が自動的に停止する。気液分離部材は、サブタンクのインク毎のインク収容部分におけるインク供給部に備えられており、それらのインク収容部分毎に、インクの補給を自動的に停止させる。
また、プリンタ部B100の本体には、ホームポジションに移動したキャリッジB104側の記録ヘッドB120(図8参照)に対して、キャッピングが可能な吸引キャップ(不図示)が備えられている。吸引キャップは、その内部に、吸引チューブを通してポンプシリンダから負圧が導入されることによって、記録ヘッドB120のインク吐出口B121からインクを吸引排出(吸引回復処理)させることができる。また、記録ヘッドB120は、必要に応じて、画像の記録に寄与しないインクを吸引キャップ内に吐出させる(予備吐出処理)。吸引キャップ内のインクは、ポンプシリンダから、廃液チューブ(不図示)と廃液ジョイント(不図示)を通して、メディアパックC110内のインク吸収体C107に排出される。
ポンプシリンダは、それを往復駆動するためのポンプモータ(不図示)などと共にポンプユニットを構成する。このポンプモータは、ワイパーリフタ(不図示)を上下動させるための駆動源としても機能する。ワイパーリフタは、プリンタ部B100に装着されたメディアパックC100のワイパーC106を上動させることによって、そのワイパーC106を記録ヘッドB120のワイピングが可能な位置に移動させる。
次に、本装置における制御系を含む信号処理系の基本構成をD「信号処理系」として図10ないし図20を参照しながら説明する。
D「信号処理系」
図10はカメラ部A100、プリンタ部B100と送受信部T100の概略のブロック構成図である。なお、ここで送受信部T100は電話回線、特に無線を用いて本体外部との信号の通信を行う例を挙げるが、本実施の形態の送受信部T100は、有線による送受信回路を含む。勿論、電話回線とは別のLANやブルートゥース、USB、IEEE1394などの通信回線を用いるものも含む。
カメラ部A100において、101は撮像素子としてのCCDを示す。勿論他のタイプの撮像素子(例えばMOS型イメージセンサ等)でもよいことは言うまでもない。102は音声入力のためのマイク、103はハードウェア処理を行なうASIC、104は画像データ等を一時的に記憶する第1メモリ、105は撮像画像を記憶する着脱可能な画像メモリとしてのCFカード(「CFカードA107」に相当)、106は撮影画像又は再生画像を表示するLCD(「液晶表示部A105」に相当)、107はレンズユニット(「レンズA101」に相当)、108は撮影時などに発生する手ぶれを光学的に補正するための手ぶれ補正機構であり本実施の形態では平行な透明な平板を光軸に対して所定角度傾けると共に、この角度を手ぶれ量及び手ぶれ方向に応じて手ぶれを抑制する方向に変化させるように構成している。なお、手ぶれ補正機構としては他にも可変頂角プリズムやいわゆる電子防振(撮像信号を一旦画像メモリに記憶し、手ぶれに応じてこのメモリからの読出し領域をシフトすることにより手ぶれを抑制する技術)を用いてもよい。109は手ぶれの大きさを検知するための手ぶれセンサとしての例えば加速度センサ、111は撮影用閃光照明装置(「撮影用閃光照明装置A103」に相当)、112は各種スイッチを含むSW群(「レリーズボタンA104」を含む)、113は操作音、警告音等を発生するスピーカ、120はカメラ部A100の制御をする第1CPU、150は撮影用閃光照明装置111を発光させるための昇圧回路としてのDC/DCコンバータである。なお、本実施の形態においては、特にプリンタ側のポンピング用のモータ又は記録ヘッドの印刷動作のために供給すべき所定の直流電圧を前記閃光照明装置のための昇圧回路の一部昇圧出力を用いることによって全体の小型化を図った点に特徴を有する。また、送受信部T100の動作状態に応じて昇圧動作(充電動作)の制御をする点に特徴を有する。
更に、カメラ部A100は日付情報を画像1枚ずつに関連付けて記録するための日付情報をカウントする時計TMを有する。また、ASIC103はカメラ部及びプリンタ部の各種の時刻関連の同期制御を前記時計TMによって統一的に制御する。
プリンタ部B100において、210はカメラ部A100とプリンタ部B100との間のインターフェース、201は画像処理部(画像を2値化する2値化処理部を含む)、202は画像処理を行なう上で使用する第2メモリ、203はバンドメモリ制御部、204はバンドメモリ、205はマスクメモリ、206はヘッド制御部、207は記録ヘッド(「記録ヘッドB120」に相当)、208はエンコーダ(「エンコーダセンサB131」に相当)、209はエンコーダカウンタ、220はプリンタ部B100全体を制御する第2CPU、221はモータドライバ、222はモータ(「モータM001,M002,M003」を含む)、223はセンサ(「HPセンサB134」を含む)、224はメディアパックC100に内蔵されているEEPROM(書き換え可能な不揮発性メモリであれば、どのようなタイプでもよい。)230は音声エンコーダ部、250は装置全体に電源を供給する電源部(「電池A108」に相当)、である。
図11はプリンタ付カメラにおける画像信号処理の機能ブロック図である。撮影モード時は、レンズ107を通してCCD101により撮像された画像は、ASIC103により信号処理(CCD信号処理)され、YUV輝度2色差信号に変換される。更に、所定の解像度にリサイズされ、JPEG圧縮されてCFカード105に記録される、又は、送信部から外部に送信される。また、CFカードに画像を一枚ずつ記録したり、送信する際に、自動的に時計TMにより計時された日付(例えば年月日時刻)情報が画像と関連付けられて記録又は送信されるように構成されている。また、音声に関しては、マイク102より入力され、ASIC103を介して音声処理した後CFカード105に記憶され、又は送信部から外部に送信される。音声の記録に関しては、撮影時と同時、又は、撮影後のアフレコとして記憶させることができる。再生モードの時には、CFカード105よりJPEG画像が読み出され、受信時には受信部からJPEG画像が受信され、ASIC103によりJPEG伸張され、更に表示用の解像度にリサイズされてLCD106に表示される。音声についても、受信部で受信された音声は、ASIC103で音声処理された後スピーカ113で再生される。
図12はプリンタ部B100における画像信号処理の機能ブロック図である。
カメラ部A100側で再生された画像、即ちCFカード105より読み出された画像は、図11に示すように、ASIC103によってJPEG伸張され、プリントする解像度に適する解像度にリサイズされる。そして、リサイズされた画像データ(YUV)は図10のインターフェース部210を介してプリンタ部B100へ送られる。プリンタ部B100は、図10、図12に示すように、カメラ部A100より送られた画像データを画像処理部201により画像処理し、画像データのRGB信号への変換、カメラの特性に応じた入力γ補正、ルックアップテーブル(LUT)を用いての色補正及び色変換、プリントするための2値化信号への変換をする。ここで、前記ルックアップテーブルによる色補正は、後述のように、メディアパック内のEEPROM224内の色補正用データによりCPUを介して補正される場合がある。
2値化処理の際には、誤差拡散(ED)処理を行うために、誤差メモリとして第2メモリ202を用いる。本例の場合、画像処理部201における2値化処理部は誤差拡散処理を行なっているが、ディザパターンを使った2値化処理等、他の処理を行うことも可能である。2値化されたプリントデータはバンドメモリ制御部203によって、一旦バンドメモリ204に記憶される。プリンタ部B100のエンコーダカウンタ209には、記録ヘッド207及びエンコーダ208を搭載したキャリッジB104が一定距離移動する毎に、エンコーダ208からのエンコーダパルスが入る。そして、このエンコーダパルスに同期して、バンドメモリ204とマスクメモリ205からプリントデータが読み出され、そのプリントデータに基づき、ヘッド制御部206が記録ヘッド207を制御して記録を行う。
次に、図12中のバンドメモリ制御について説明する。
記録ヘッド207における複数のノズルは、例えば、1200dpiの密度をなすように列状に形成されている。このような記録ヘッド207を用いて画像を記録すべく、キャリッジを図6〜図9のA方向に1回主走査させるときには、副走査方向(図6〜図9のB方向)についてはノズル数分、主走査方向については記録領域分の記録データ(1走査分の記録データ)を、予め作成しておく必要がある。記録データは、画像処理部201にて作成されてから、バンドメモリ制御部203によってバンドメモリ204に一旦蓄えられる。バンドメモリ204に1走査分の記録データが蓄えられた後、キャリッジが主走査方向に走査される。その際、エンコーダ208より入力されたエンコーダパルスがエンコーダカウンタ209によってカウントされ、このエンコーダパルスにしたがってバンドメモリ204から記録データが読み出され、その画像データに基づいて記録ヘッド207からインク滴が吐出される。記録ヘッド207のA方向の往走査時及び復走査時に画像を記録(往路記録及び復路記録)する双方向記録方式を採用した場合には、記録ヘッド207の走査方向に応じて、バンドメモリ204から画像データが読み出される。例えば、往路記録時は、バンドメモリ204から読み出される画像データのアドレスが順次インクリメントされ、復路記録時は、バンドメモリ204から読み出される画像データのアドレスが順次デクリメントされる。
実際には、画像処理部201により作成された画像データ(C,M,Y)がバンドメモリ204に書き込まれて、1バンド分の画像データが準備されたとき、記録ヘッド207の走査が可能となる。そして、記録ヘッド207を走査し、バンドメモリ204より画像データを読み出して、その画像データに基づいて記録ヘッド207が画像を記録する。記録動作の間に、次に記録すべき画像データが画像処理部201にて作成され、その画像データは、その記録位置に対応するバンドメモリ204の領域に書き込まれる。
このように、バンドメモリ制御は、画像処理部201により作成された記録データ(C,M,Y)をバンドメモリ204に書込む作業と、キャリッジの走査動作に合わせて、記録データ(C,M,Y)をヘッド制御部206に送るために読み出す作業とを切替えながら行なう。
次に、図12中のマスクメモリ制御について説明する。
このマスクメモリ制御は、マルチパス記録方式を採用した場合に必要となる。マルチパス記録方式の場合、記録ヘッド207のノズル列の長さに相当する幅をもつ1行分の記録画像は、記録ヘッド207の複数回の走査に分けて記録される。すなわち、副走査方向に間欠的に搬送されるプリント媒体の搬送量がノズル列の長さの1/Nとされ、例えば、N=2のときは、1行分の記録画像が2回の走査に分けて記録(2パス記録)され、N=4のときは、1行分の記録画像が4回の走査に分けて記録(4パス記録)される。同様に、N=8のときは8パス記録、N=16のときは16パス記録となる。したがって、1行分の記録画像が記録ヘッド207の複数回の走査によって完成されることになる。
実際には、マスクメモリ205に、画像データを記録ヘッド207の複数回の走査に割り当てるためのマスクデータが格納されており、そのマスクデータと画像データとの論理積(AND)データに基づき、記録ヘッド207がインクを吐出して画像を記録する。
また、図11に示すように、CFカード105に記憶された音声データは、ASIC103により、画像データと同じように、インターフェース210を介してプリンタ部B100へ送られる。プリンタ部B100に送られた音声データは、音声エンコーダ230においてコード化(エンコード)されて、プリントする画像の中に2次元バーコードデータとして所定の変調を受けることにより「透かし」情報として記録される。プリント画像に音声データを入れる必要がないとき、又は、音声データがない画像をプリントする際には、当然に、2次元バーコード化された音声データはプリントされず、画像のみがプリントされる。
本実施の形態においては、メディアパックC100内の消耗材すなわちインク及びプリンタ媒体の劣化を管理するためのメディアパック消耗材管理制御と、手ぶれセンサ109を用いた撮影モード時における防振制御及びプリントモード時におけるキャリッジ制御と、カメラ部A100における撮影用閃光照明装置発光のための昇圧手段としてのDC/DCコンバータ150を、プリンタ部B100の記録ヘッド207の印刷用又はポンピング用電源として使用する電源供給制御とを行う。
まず、上記メディアパック消耗材管理制御について説明する。図20はメディアパックC100の消耗材補充(充填)の手順を示すフローチャートである。
本実施の形態におけるメディアパックC100は、インク及びプリント媒体の消耗材を補充することが可能なように構成されているとともに、その消耗材及びその補充に関するデータをEEPROM224に書込み可能に構成されている。EEPROM224に書き込まれる消耗材の残量や充填又は製造を行った年月日等の日時データは、消耗材の減少時、や補充(充填)毎に更新され、メディアパックC100内の消耗材の管理に用いられる。
メディアパックC100の消耗材の補充(充填)を行う際には、メディアパックC100が工場又はプリントショップに持ち込まれ、メディアパックC100に対する消耗材の補充(充填)が工場又はプリントショップの作業員により例えば手作業で行われる。この消耗材の補充(充填)においては、図20に示すように、まずステップS101においてメディアパックC100内の各色(Y,M,C)のインクパックC103にインクを充填すると共にステップS102で、プリント媒体C104を充填する。そして、ステップS103において、メモリ書込装置により、メディアパックC100内のEEPROM224に、消耗材を補充(充填)又は製造した日付(年月及び/又は日時)データ、補充したインクの特性データ(色特性データ、粘性等に関するデータなど)、インクの残量データ、プリント媒体の特性データ(例えば光沢紙、中性紙、再生紙等の材質に関するデータ、地色等に関するデータなど)、プリント媒体の残枚数データ、及びインクの劣化特性データ(経過年月日数と色変化の関係をリニアマトリクス係数として記述したルックアップテーブルデータ等)を書き込む。ここで、EEPROM224にルックアップテーブルデータ自体を記憶せず、図12のルックアップテーブルの中に複数種類の色補正用のルックアップテーブルを予め記憶しておき、この内どのテーブルを用いるかを消耗材の劣化に応じて選択するかを示すデータをEEPROM224又はカメラ部内のメモリ又はプリンタ部内のメモリに記憶しておくようにしてもよい。
このようにして、メディアパックC100の消耗材の補充(充填)が完了すると、このメディアパックC100がユーザに発送又は直接手渡される。なお、工場から製品として出荷されるメディアパックC100にも、上記データと同じデータが書き込まれている。
そして、メディアパックC100の使用時には、そのEEPROM224に書込まれている消耗材に関するデータが読み出され、その読み出されたデータを用いて消耗材管理が行われる。これにより、例えば上記データに基づき消耗材の劣化などを推定し、その推定結果に基づき警告、色補正などを行うことが可能である。
次に、撮影モード時における防振制御、プリントモード時におけるキャリッジ制御について説明する。図13はカメラ部における撮影モード時における防振制御及びプリントモード時におけるキャリッジ制御の機能ブロック図である。
本実施の形態においては、撮影モード時には、加速度センサ109の出力信号に基づき手ぶれによる画像のぶれを抑制するための防振制御を行う。この防振制御では、加速度センサ109の出力信号に基づき手ぶれの量及びその方向を検出し、この手ぶれ量及びその方向に基づき手ぶれ補正機構108の補正量を制御する。具体的には、手ぶれによる画像のぶれを抑制する方向にレンズ107に対する入射光路を変化させるための制御量を補正量として算出し、この補正量に基づき手ぶれ補正機構108を駆動制御する。これにより手ぶれによる画像のぶれが補正され、ぶれのない画像データが得られる。
また、プリントモード時においては、同じ加速度センサ109の出力信号に基づき手ぶれの量を検出し、この手ぶれ量に応じてプリント動作を一時停止するためのキャリッジ制御を行う。このキャリッジ制御では、具体的には、検出された手ぶれ量が所定量より大きいときには、キャリッジ225を所定位置(主走査方向への走査開始位置又は主走査終了位置)で停止させるためのコマンドをプリンタ部B100に送出する。このコマンドを受けたプリンタ部B100では、キャリッジ225を駆動するモータを制御し、キャリッジ225を所定位置に一時停止させる。
次に、撮影用閃光照明装置発光のための昇圧用DC/DCコンバータ150をプリンタ部B100の記録ヘッド207の印刷用又はポンピング用の昇圧電源として使用する電源供給制御について説明する。図14は撮影用閃光照明装置発光のためのDC/DCコンバータ150をプリンタ部B100の記録ヘッド207の印刷用又はポンピング用の昇圧電源として使用する電源供給制御の機能ブロック図、図15は図14の電源供給制御における各駆動信号S1〜S5の出力タイミングチャートである。
DC/DCコンバータ150は、図14に示すように、一次側に電源部250からの電圧がスイッチ(SW)14を介して印加されるトランス151と、発振回路152と、トランス151の二次側電圧から撮影用閃光照明装置111に対する所定高電圧を発生させて整流し、充電させるための充電回路154と、撮影用閃光照明装置111へ所定トリガ電圧を印加するためのトリガ155とから構成される。トランス151の二次側においては、充電回路154に対する電圧と、プリンタ部B100の記録ヘッド207の駆動電圧と、ヘッドのポンピング用モータ228の駆動電圧とがそれぞれの出力端子から対応する整流回路RT,RT’を介して出力される。この記録ヘッド207の駆動電圧は、スイッチSW13を介して記録ヘッド207に供給されると共に、ポンピング用モータ228の駆動電圧はスイッチSW13’を介してモータ228に供給される。
上記SW13,13’、14、充電回路154、トリガ155の動作は、カメラ部A100のCPU120による電源供給制御に従い制御される。具体的には、プリンタ付カメラのパワースイッチSW11がオンされると、駆動信号S1がSW14に出力され、SW14がオンされる(15(b)を参照)。そして、モード切換スイッチSW12の出力に基づき現在設定されているモードがカメラモードであるかプリンタモードであるかが判別される。SW12がa側に切り換えられているときには、カメラモードが設定されていると判別し、SW12がb側に切り換えられているときには、プリンタモードが設定されていると判別する。本例では、図15(a)に示すように、例えばデフォルトでSW11のオン時には、カメラモードが設定されているものとする。
カメラモードが設定されていると、撮影用閃光照明装置111を発光させるための準備動作として充電回路154の駆動開始を指示する駆動信号S2が充電回路154に出力される(図15(c)を参照)。そして、所定の撮影動作タイミングで、撮影用閃光照明装置111を発光させるための駆動信号S3がトリガ155に出力され(図15(d)を参照)、撮影用閃光照明装置111が発光される。
ユーザが撮像した画像のプリント出力を行う場合には、ユーザのSW12の切換操作によりプリンタモードが設定される(図15(a)を参照)。プリンタモードが設定されると、プリント動作における記録ヘッド207の印刷動作タイミングに合わせて駆動信号S4がSW13に出力される(図15(e)を参照)。これにより、SW13がオンされ、DC/DCコンバータ150から整流回路RTを介して記録ヘッド207の駆動電圧が記録ヘッド207に供給される。また、インクのポンピング動作のために駆動信号S5がSW13’に出力されると(図15(f)参照)、これによりSW13’がオンし、DC/DCコンバータ150から整流回路RT’を介してポンピング用モータ228に駆動電圧が供給される。
このように、プリンタモードが設定されているときには、DC/DCコンバータ150から記録ヘッド207の印刷用又はポンピング用の駆動電圧が整流回路RT又はRT’を介して記録ヘッド207やモータ228に供給されるので、プリンタ部B100に、記録ヘッド207の印刷用又はポンピング用の駆動電圧供給用昇圧回路を別途設ける必要がなく、構成が簡素化され、装置の大幅な小型化を実現することができる。
また、本実施の形態では、CPU120は送受信部の動作状態に応じて、図15(g)のHのように着信が検出されたとき(t1〜t2)及び図15(h)のHのように通信中(t3〜t4)は、駆動信号S1をLowとし、SW14をOFFしている。従って、昇圧動作は、制限(停止)される。ここで、昇圧動作を完全に停止せず、DC/DCコンバータ150の駆動電流を減らすようにすることによって昇圧動作を制限するようにしてもよい。また、着信時のみ昇圧動作を制限するようにしてもよい。この動作は図21に示すように割込動作(着信/通信検出動作)フローにより行われる。
具体的には、まずステップS201において着信又は通信開始を検出すると、ステップS202で、駆動信号S1をLowとし、続くステップS203で、着信又は通信の終了の検出を待つ。そして、着信又は通信の終了が検出されると、上記ステップS201に戻る。
なお、SW14をOFFする代わりに、発振回路152をOFFしたり、発振回路152の電流を減らすことにより昇圧動作を制限するようにしてもよい。
次に、本装置の動作について説明する。図16ないし図19はプリンタ付カメラの動作手順を示すフローチャートである。
カメラ電源がオンされると、図16に示すように、まずステップS1において不図示のメディアパック装填検出用スイッチの出力に基づきメディアパックが装填されているか否かを検出し、メディアパックが検出された場合には、ステップS2に進み、メディアパック内のメモリ(EEPROM224)に記憶されている各種データを読み込む。そして、ステップS3に進み、データの読み込みが成功したか否かを判定する。
データの読み込みが失敗した場合すなわちメディアパック内のメモリとの通信が失敗した場合(例えば、メディアパックの電気接点とカメラ本体側の電気接点との機械的接続状態不良によってメモリのデータが正しく読み取れなかった場合、電気的接続は正しく行われていても、メモリからのデータにノイズなどが乗っているために、通信不良と判断された場合など)には、ステップS4に進み、メディアパック内のメモリに現在の日時(例えば年月日(更には例えば時刻))を記憶すると共に、エラー内容を前記日時データと共に関連付けて記憶する。この場合には、通信が失敗したので、エラー内容として通信エラーであることを記憶する。
次いで、ステップS5に進み、エラーフラグをメディアパック内のメモリに書き込み、続くステップS6で、第1の表示形態でエラー内容をLCD106に表示する。この第1の表示形態とは、例えばエラー内容を所定のマークや文字等などで表すものである。そして、図17に示すステップS11に進む。
上記ステップS3において通信エラーがなかった場合には、ステップS7に進み、メディアパック内のメモリから読み込んだデータにエラーフラグがないか否かを判定する。ここで、エラーフラグとは、例えばインクがないこと、プリント媒体としての紙がないこと、インクや紙が所定期間以上経過していることなどの少なくとも1つに該当する場合において、このエラー内容と共にメディアパック内のメモリに書込まれているフラグである。
上記ステップS7においてエラーフラグが検出された場合には、ステップS6に進み、そのエラー内容を第1の表示形態でLCD106に表示し、図17に示すステップS11に進む。
上記ステップS7においてエラーフラグが検出されなかった場合には、メディアパック内のメモリから読み込んだデータが正常なデータであると判断して、ステップS8に進み、読み込んだデータに基づきメディアパック内のインク及び/又はプリント媒体としての例えば紙がリフィル(充填)又は製造された日付(例えば年月日)を検出し、リフィル(充填)又は製造の日付(例えば年月日)とカメラ本体の時計TMの日付(例えば年月日)とを比較し、続くステップS9で、その比較結果(両者の差)が所定値Ta(例えば2年)より大きいか否かを判定し、大きい場合すなわちリフィル(充填)又は製造後2年を経過している場合には、消耗材としてのインクや消耗材としての紙等のプリント媒体が劣化していると判断してステップS4に進み、メディアパック内のメモリにインク又はプリント媒体が劣化しているというエラー内容を記憶すると共に、カメラ部内の時計TMによって計時された日付更には時刻をこのエラー内容に関連付けて記憶する。次いで、ステップS5で、エラーフラグをメディアパック内のメモリに書き込み、続くステップS6で、第1の表示形態でエラー内容を表示手段としてのLCD106に表示する。そして、図17に示すステップS11に進む。
上記S9において、上記差が所定値Ta以下の場合には、図17に示すS11に進む。また、上記ステップS1においてメディアパックが装填されていないことが検出されると、メディアパックが装填されていないことを第1の表示形態でLCD106に表示する。このときの第1の表示形態は、上記ステップS6の第1の表示形態と同様の警告レベルの表示である。そして、図17に示すステップS11に進む。
ステップS11では、現在のモードがプリントモードであるか否かを判定し、プリントモードの場合には、ステップS12に進み、メディアパック内のメモリにエラーフラグがある否かを判定する。ここで、エラーフラグがあれば、ステップS13に進み、第2の表示形態により、そのエラー内容をLCD106に表示すると共に、例えば警告音を鳴らす。この第2の表示形態は、前記第1の表示形態とは異なり、より認識し易いように警告レベルをアップした表示形態である。例えば、エラー内容を第1の表示形態と同様の形のマークや文字で表示する場合には、より大きなマークや文字を用いてエラー内容をより認識しやすく表示し、更に、音声を用いて操作者がより気づき易いようにしている。勿論第1の表示形態において音声を用いた場合には、第2の表示形態はそれよりも大きな音量等にすることによって認識しやすくする。そして、ステップS11に戻る。これに対し、上記ステップS12においてエラーフラグが検出されなかった場合、上記ステップS13をスキップしてステップS14に進む。
ステップS14では、メディアパックが装填されているか否かを再度判定し、メディアパックが装填されていなければ、ステップS15に進み、メディアパックが入っていないことを第2の表示形態(すなわち、マークや文字を大きくしたり音声を使ってより認識し易くする表示形態)で表示し、そして上記ステップS14に戻り、メディアパックが装填されるまで待つ。
上記ステップS14においてメディアパックが装填されたことが検出されると、ステップS16に進み、メディアパックのインクパックのキャップを開放し、負圧ノズルを結合し、回復ポンピング動作等のプリント準備動作を行う。本実施の形態においては、プリントモード設定以降、このような準備動作を行うようにしているので、メディアパック装着やカメラのメイン電源のオンによって上記のS16のような動作を行う場合に比べて無駄な電力やインクの消耗を大幅に低減することができる。
次いで、ステップS17に進み、プリントボタンが押されることを待つ。そして押されると、ステップS18に進み、給紙ローラを駆動してメディアパックから1枚のプリント媒体例えば紙を給紙する。続いて、ステップS19に進み、メディアパック内のメモリのプリント媒体枚数を1減じて更新し、そして、ステップS20において、メディアパック内のメモリに記憶された色修正マトリクスの係数データを用いてプリント色のリニアマトリクス変換を行う。ここで、メディアパック内のメモリには、リフィル(充填)又は製造後の経過年月(日)数に応じたインク色(例えばイエロー、シアン、マゼンタ)の変化特性を予め測定してあり、この変化特性を補正するためのリニアマトリクス係数(補正後のイエロー、シアン、マゼンタに対して、マトリクス演算される例えば3×3の9個のマトリクス係数)が、ルックアップテーブルとして記憶されている。或いは前述のように図12のルックアップテーブルの中に複数のテーブルを記憶しておき、その中のどれを選択するかを劣化状態に応じて選択するためのデータがEEPROM224又はカメラ部かプリンタ部内のメモリに記憶されている。従って、経過年月(日)数が上記ステップS9において判断されることによって、この経過年月(日)数に応じたインク色の特性の変化を補正した最適なプリントを行うことが可能となる。なお、以上或いは以降の実施の形態においては日時情報として年月日や更には時刻情報の例を示しているが、日時情報とは必ずしも時刻や日の情報を含まなくてもよく、時を特定可能な情報であればよく、年情報のみ、或いは年月情報のみ、或いは年月日情報のみ等としてもよいのはいうまでもない。又は、年月日時分秒情報を全て含むようにしてもよい。
次に、ステップS21に進み、上記ステップS19で更新されたプリント媒体の残量がゼロになったか否かを判定し、この残量がゼロであれば、ステップS22に進み、このことをエラー内容とするエラー情報をメディアパック内のメモリに書き込むと共に、エラーフラグを書き込む。また、このときのカメラ部内の時計TMによって計時された日付(年月日、更には時刻)もこのエラー内容に関連付けて記憶する。そして、図18に示すステップS23に進む。更新されたプリント媒体の残量がゼロでないときには、上記ステップS22をスキップして図18に示すステップS23に進む。
ステップS23では、プリント動作を開始し、続くステップS24で、加速度センサ109を用いて、手ぶれ量が所定量より大きいか否かを検出し、手ぶれ量が大きい場合には、ステップS25に進み、プリント動作を一時停止する。このとき、プリンタ部B100のキャリッジ225が主走査端にあるときに一時停止するように制御する。そして、手ぶれ量が小さくなるまで待つ。従って、手ぶれ量が小さくなってプリントが再開された場合に、印刷のずれが目立たないという効果がある。
上記手ぶれ量が上記所定量以下である場合、ステップS26に進み、一時停止中であるか否かを判定し、一時停止中であるときには、プリント動作を再開させ、ステップS28に進む。一時停止中でないときには、ステップS27をスキップしてステップS28に進む。ステップS28では、プリントが1枚分終了したか否かを判定し、終了していなければ、上記ステップS24に戻る。プリントが1枚分終了すると、ステップS29に進み、メディアパック内のメモリのインク残量データを更新する。具体的には、メディアパック内のメモリのインク残量データからインクの吐出量(このデータは、実際に吐出したインク量を測定するのではなく、画像データに基づき使用される各色のインク量を演算によって求められるものである。)及び記録ヘッド207内のサブタンクに吸引されたインク量(この量はほぼ一定値とする。)を減じた値に更新する。
次いで、ステップS30に進み、いずれか1つの色のインクがなくなった(必ずしもゼロという意味ではなく、所定量以下になったことを示す。)か否かを判別する。そして、なくなった場合には、ステップS31において、インクがなくなったことをエラー内容とする書込みを行うとともに、エラーフラグを書き込む。また、このときのカメラ部内の時計TMによって計時された年月日(更には時刻)をエラー内容に関連付けて記憶する。
そして、ステップS32おいて、プリント動作に異常(例えば手ぶれや大きな振動によって,印刷が途中で終了し、失敗したことや、プリントヘッドの目詰まり等によって、特定の色が印刷できなかった場合等)があったか否かを判定し、異常がなければ、ステップS33に進み、プリント成功を示す情報をカメラ部内の時計TMによって計時された日付(時刻)とともに関連付けてメディアパック内のメモリに書き込み、続くステップS34において、プリントが正常に終了したことをLCD106に表示した後、上記ステップS11に戻る。
上記ステップS32においてプリント動作に異常があったことが検出されると、ステップS35に進み、メディアパック内のメモリに異常の内容を書き込み、続くステップS36で、エラーフラグを書き込み、これらに関連付けてカメラ部内の時計TMによって計時された年月日(更には時刻)をやはり関連付けて書き込む。そして、ステップS37に進みて、エラー内容をLCD106に表示し、上記ステップS11に戻る。
このように、本実施の形態では、各種のエラー内容とカメラ部内の時計TMによって計時された年月日等や時刻等とを関連付けてメディアパック内のメモリに記憶するようにしているので、パックを後で回収し、又は繰り返し使用する場合にそのメディアパックの修理やデータの補正等を適正に行うことができると共に、メディアパックの改善のための情報を収集できるという効果がある。
上記ステップS11(図17)においてプリンタモードでないすなわちカメラモードであると判定されると、図19に示すステップS38に進み、プランジャによりレンズ107の前面に設けた不図示のレンズバリアを開放し、続くステップS39で、レリーズボタンが第1ストローク位置まで押し込まれることすなわちSW1がオンになるのを待つ。レリーズボタンのSW1がオンになると、ステップS40に進み、測光、測色、測距動作等の測定動作を行う。
次いで、ステップS41に進み、レリーズボタンが第2ストローク位置まで押し込まれることすなわちSW2がオンになるのを待つ。SW2がオンしていなければ、上記ステップS39に戻り、SW2がオンしていれば、ステップS42に進む。ステップS42では、加速度センサ109の出力に基づき手ぶれ量及び手ぶれ方向を検出し、続くステップS43で、前記手ぶれ量が所定量より大きいか否かに応じて手ぶれがあるか否かを判定し、手ぶれがあると、ステップS43に進み、手ぶれ量及び手ぶれ方向に応じて手ぶれ補正機構108を駆動して画像のぶれを補正する。そして、ステップS44に進む。これに対し、手ぶれがないときには、上記ステップS43をスキップしてステップS44に進む。
ステップS44では、絞りやシャッタを用いた露出動作を行い、これによって、所定量の露光をCCD101に対して行う。続いて、ステップS45に進み、ホワイトバランス、ガンマ補正、色補正、圧縮等の画像処理を行い、そして、ステップS46において、画像をCFカード105に記憶する。また、このときカメラ部内の時計TMによって計時された日時情報を画像1枚ずつに対して関連付けて記録するようにしている。
次いで、ステップS47に進み、モードがカメラモードであるか否かを判断し、カメラモードであれば、上記ステップS39に戻り、カメラモードでなければ、ステップS48で、レンズバリアを閉成した後に、上記ステップS11に戻る。
(他の実施の形態)
本発明の他の実施の形態について図22を参照しながら説明する。図22は本発明の他の実施の形態に係るプリンタ付カメラの動作の手順を示すフローチャートである。
本実施の形態は、上述の実施の形態に対し、加速度センサ109を用いたキャリッジ制御において、所定方向の手ぶれ量の大きさに応じてキャリッジ225の走行速度及び紙送りの制御を行う点で異なる。
具体的には、図22に示すように、ステップS240においてプリント動作を開始すると(「図18のステップS23」に相当)、続くステップS250で、加速度センサ109を用いて手ぶれ量及び手ぶれ方向を検知する。そして、ステップS260において、手ぶれ量及び手ぶれ方向から主走査方向の手ぶれ成分量を求め、この手ぶれ成分量が所定量より大きいか否かを判定し、主走査方向の手ぶれ成分量が所定量より大きい場合には、ステップS270に進み、主走査方向の手ぶれ成分量に応じて現在のキャリッジ225の走行速度を低下する。具体的には、主走査方向の手ぶれ成分量に応じてキャリッジ225の走行速度に対する減速量を設定し、この設定された減速量に応じてキャリッジ225の走行速度を制御する。ここで、手ぶれ成分量が中程度の大きさであれば、小さい減速量を設定し、プリント効率の低下を可能な限り抑制する。これに対し、手ぶれ成分量が大きければ、減速量を大きく設定することによって、走査速度の偏差に対する影響度を所定範囲内に収まるように抑制し、記録ヘッド207から吐出されるインクの紙に対する着弾位置の誤差を所定量以下になるように抑制する。
次いで、ステップS280に進み、現在の記録ヘッド207の位置を検知し、記録ヘッド207が主走査端にあるか否かを判定する。記録ヘッド207が主走査端にないときには、上記ステップS250に戻り、再度手ぶれ量を検知する。これに対し、記録ヘッド207が主走査端にあるときには、ステップS290に進み、キャリッジ225を一旦停止し、主走査を一時中断する。そして、ステップS310に進み、手ぶれ量から副走査方向の手ぶれ成分を求め、この手ぶれ成分が所定量より大きいか否かを判定する。
ここで、副走査方向の手ぶれ成分が所定量より大きいときには、ステップS330に進み、紙送りを停止し、そして、上記ステップS250に戻り、再度手ぶれ量を検知する。副走査方向の手ぶれ成分が所定量以下であるときには、ステップS320に進み、所定量の紙送りを実行し、続くステップS340で、記録位置が副走査端まで達しているか否かに応じて1枚分のプリントが終了したか否かを判定する。記録位置が副走査端まで達していないときには、プリントが終了していないので、上記ステップS250に戻り、再度手ぶれ量の検知を行う。
上記ステップS260において主走査方向の手ぶれ成分量が所定量以下であるときには、ステップS300に進み、キャリッジ225を標準速度で駆動する。すなわち、主走査を標準走査速度で行う。また、現在走行速度が減速されているときは、走行速度を標準速度に戻することになる。そして、ステップS310〜330において、副走査方向の手ぶれ成分に応じて紙送りを停止、又は続行する。
上記ステップS340において1枚分のプリントが終了すると、以降は図18に示すステップS29からの処理と同じ処理を行う。
上述の各実施の形態においては、カメラ部A100とプリンタ部B100が一体となったプリンタ付カメラとして説明を行なってきた。しかし、カメラ部A100とプリンタ部B100を分離した別々の装置とし、それらをインターフェース210により接続した構成においても同様に構成して、同様の機能を実現することが可能である。