JP3937899B2 - 熱交換装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱交換器に効率よく空気を導入する熱交換装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両用エンジン等を冷却する熱交換器(ラジエータ、コンデンサ等)を通過した空気は、エンジンルームのアンダーカバー等の穴から排気される。ところが、極低速走行中やアイドル中の停車時には、熱交換器で熱交換された空気がエンジンルームの車体パネルと熱交換器との隙間等から流出し、再び熱交換器に導かれる、いわゆる吹き返しと呼ばれる現象が発生することがある。吹き返しが多く発生した場合、熱交換器は吹き返し空気で熱交換することとなるため、冷却性能が低下し、熱交換器の性能を十分に利用できなくなる。
【0003】
従来は、熱交換器で熱交換された熱気がエンジンルームから車両前方へ流出することを防ぐため、熱交換器と車体パネルとの隙間をウレタン剤等で塞いでいた。また、エンジンルームから車両前方に流出した熱気が再び熱交換器へ導入されないように、熱交換器とバンパーフェイシャやグリルフェイシャとの間を樹脂材やゴム材で覆ってシールしていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の方法では全ての隙間をシールすることは困難であり、しかも、熱交換器と車体パネル等に隙間が残るとその隙間から吹き返しが発生してしまうという問題があった。
【0005】
本発明の目的は、熱交換器によって昇温された熱気が再び熱交換器に導入されることを防止する熱交換装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
一実施の形態を示す図に対応づけて本発明を説明する。
(1)請求項1に記載された熱交換装置は、エンジンルーム10の車両前方に配置され、空気を用いて熱交換を行う熱交換器1,2を有する熱交換装置において、熱交換器1,2へ空気を導入する冷却ファン3と、冷却ファン3による熱交換器1,2への空気の導入を促進するファンシュラウド5と、熱交換されてエンジンルーム10内に流入した空気のうち、エンジンルーム10から熱交換器1,2の入口側に流出した吹き返し空気を、熱交換器1,2を通過させずにエンジンルーム10へ導く通路51と、車両走行時の走行風の風圧によって回転する回転部材54とを備え、通路51は、その開口部を開閉する開閉部材52を有し、開閉部材52は、回転部材52が風圧を受けて回転することによって通路51の前記開口部を閉鎖することにより、上記目的を達成する。
(2)請求項2の発明は、請求項1に記載の熱交換装置において、通路51は、ファンシュラウドと一体となって、熱交換器1,2の側面に沿って車両前後方向に形成されることを特徴とする。
(3)請求項3の発明は、請求項1または請求項2に記載の熱交換装置において、回転部材54A、54Bは、車両前方のバンパ部およびフロントグリル部の開口部60,70内に配置されることを特徴とする。
(4)請求項4の発明は、エンジンルームの車両前方に配置され、空気を用いて熱交換を行う熱交換器を有する熱交換装置において、熱交換器へ空気を導入する冷却ファンと、冷却ファンによる熱交換器への空気の導入を促進するファンシュラウドと、熱交換されてエンジンルーム内に流入した空気のうち、エンジンルームから熱交換器の入口側に流出した吹き返し空気を、熱交換器を通過させずにエンジンルームへ導く通路を設け、通路は、その開口部を車速に応じて開閉する開閉部材を有し、熱交換装置は、さらに、車両が所定速度以上で走行しているか否かを検出する検出器と、検出器によって車両が所定速度以上で走行していることが検出されると、前記通路を閉鎖するように前記開閉部材を駆動する駆動手段とを備えることを特徴とする。
(5)請求項5の発明は、請求項1または請求項2に記載の熱交換装置において、開閉部材の回転軸と回転部材の回転軸は同軸であり、回転部材が車両走行時の風圧を受けて車両後方に倒れこむことにより、開閉部材が回転して通路の開口部を閉鎖することを特徴とする。
【0007】
なお、上記課題を解決するための手段の項では、本発明を分かり易くするために発明の実施の形態の図を用いたが、これにより本発明が発明の実施の形態に限定されるものではない。
【0008】
【発明の効果】
(1)請求項1の発明によれば、熱交換器の入口側に流出する吹き返し空気を、熱交換器を通過させずにエンジンルームに導く通路を設けたので、吹き返し空気が熱交換器に流入することを防止できる。また、吹き返し空気の通路に開閉部材を設けたので、高速走行時等に通路を閉じるようにすれば、走行風が熱交換器よりも抵抗の低い通路に流入することを防ぐことができる。また、極低速走行時あるいはアイドル時に通路を開くようにすれば、吹き返し空気を熱交換器を通過させずにエンジンルームに戻すことができる。また、走行風の風圧によって通路を開閉するようにしたので、構造が簡単であるとともに、車速に応じて通路の開閉制御を自動で行うことができる。
(2)請求項2の発明によれば、吹き返し空気の通路をファンシュラウドと一体として形成したので、車両極低速走行時やアイドル中に冷却ファンによって熱交換器に外気を導入する際に、より効果的に吹き返し空気をエンジンルームに戻すことができる。
(3)請求項3の発明によれば、回転部材をフロントグリルの開口部およびバンパの開口部の中に配置したので、車両フロント部の見栄えが向上するとともに、高速走行時に熱交換器に流入する走行風を増加させることができる。
(4)請求項4の発明によれば、車速が一定車速を超えると吹き返し空気の通路を閉鎖するようにしたので、高速走行時に外気の通路への流入を防止することができるとともに、高速走行以外の時に吹き返し空気を熱交換器に流入させずにエンジンルームに戻すことができる。
(5)請求項5の発明によれば、車速に応じて通路の開閉制御を自動で行うことができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
《第1の実施の形態》
以下、図面を参照して本発明の第1の実施の形態による熱交換装置について説明する。
【0010】
図1は、本発明による熱交換装置の概略構成を示す図(一部断面図)である。図1に示すように、エンジン4、サイドメンバ6および不図示のダッシュパネルによって囲まれるエンジンルーム10の車両前方に、エアコン用の冷媒を冷却するコンデンサ1と、エンジン冷却水を冷却するラジエータ2と、ラジエータ2の車両後方に設けられた冷却ファン3とが設けられている。なお、冷却ファン3より車両前方に配置されるコンデンサ1およびラジエータ2等が熱交換器を構成する。
【0011】
冷却ファン3は車両のエンジン4によって回転駆動され、熱交換器の車両前方から冷却用の空気を吸い込む。冷却ファン3による熱交換器への空気の導入を促進するためのファンシュラウド5が設けられている。コンデンサ1およびラジエータ2は、ラジエータコアパネル11を介し、不図示のボルト等によってサイドメンバ6に固定されている。ファンシュラウド5は、不図示のボルト等によってラジエータ2に固定されている。
【0012】
熱交換器の冷却性能は、一般的に以下の(式1)で表される。
【数1】
Q=H(Ti−Ta) (式1)
Q:放熱量(W)、H:熱交換器の放熱率(W/℃)、Ta:低温側温度(ここでは熱交換器へ流入する空気温度)、Ti:高温側温度(ラジエータ2の場合:冷却水温度、コンデンサ1の場合:冷媒温度)
【0013】
熱交換器を通過して熱交換された空気の一部が熱交換器とラジエータコアパネル11等の車体パネルとの隙間を通ってエンジンルーム10から車両前方に流出した場合、極低車速での走行時またはアイドリング停車時にエンジンルーム10から流出した外気より高温の空気が、冷却ファン3の差圧によって熱交換器に再び流入する、いわゆる吹き返しが発生することがある。なお、極低車速での走行は、アイドリング状態での極低速走行も含む。この吹き返しが発生した場合、熱交換器の冷却性能は以下の(式2)で表される。
【数2】
Q’=H(Ti−(Ta+ΔT)) (式2)
ΔT:熱交換器の通過による空気温度の増加分
【0014】
外気(空気)を低温側として熱交換する熱交換器は、(式2)に示すように吹き返しがある場合、(式1)に示す吹き返しない場合に比べて高い温度の空気で熱交換を行うこととなる。そのため、吹き返しがある場合の熱交換器の冷却性能Q’は、吹き返しがない場合の熱交換器の冷却性能Qよりも低下する(Q’<Q)。
【0015】
本発明の第1の実施の形態においては、極低速走行時またはアイドリング停車時に冷却ファン3が回転駆動している状態で、外気より高温の吹き返し空気が再び熱交換器へ流れ込むことを防ぐために吹き返し空気用の吸い込み通路を設けている。図2に、吸い込み通路周辺の平面図(一部断面図)を示し、図3に、吸い込み通路周辺の斜視図を示す。なお、吸い込み通路の構成は左右同様であるので、図2および図3には、車両正面から見て左側の吸い込み通路周辺のみを示す。
【0016】
図2に示すように、冷却ファン3の側方から車両前方に設けられる樹脂製のファンシュラウド5は、ラジエータ2およびコンデンサ1の側面に沿って車両前後方向に延設されている。延設されたファンシュラウド5の先端部分は、エンジンルーム10から流出する吹き返し空気Arを熱交換器を通過させずに再びエンジンルーム10に導くための吸い込み通路51を形成している。すなわち、本発明の第1の実施の形態において、ファンシュラウド5は、熱交換器の車両後方に位置するシュラウド部分と、吸い込み通路51とを備えている。なお、ファンシュラウド5のシュラウド部分には、冷却ファン3を配置するための開口が設けられている。
【0017】
図3に示すように、吸い込み通路51の車両上下方向の長さ(高さ)はコンデンサ1およびラジエータ2とほぼ同様とし、車両左右方向の長さ(幅)は、車両の特性等に応じてそれぞれ最適な値を実験等によって設定する。吸い込み通路51の車両中央側(図面右側)は、吹き返し空気Arが熱交換器の入口側へ流れることを防ぐために熱交換器よりも車両前方に延設されている。なお、熱交換器よりも車両前方に延設された車両中央側の部分をガイド部55とする。ガイド部55は、吹き返し空気Arが熱交換器側に流出することを防ぐとともに、熱交換器へ流入するべき外気が吸い込み通路51へ吸い込まれることを防ぐ。なお、吸い込み通路51の開口部は、吹き返し空気Arを効率よく吸い込むとともに、熱交換器へ流入するべき外気が吸い込み通路51へ流入することを防ぐために、車両外側(図面左側)に向けて形成されることが好ましい。
【0018】
吸い込み通路51の通路抵抗Pbypassは、熱交換器の通路抵抗Pheよりも低くなる。Pbypass<Pheとすることにより、吹き返し空気Arが熱交換器よりも吸い込み通路51に流入しやすくなる。特に冷却ファン3のみで外気をエンジンルーム10へ導入する極低速走行時またはアイドリング停車時には、エンジンルームから流出してきた吹き返し空気Arが車両中央の熱交換器へ到達する前に、抵抗の低い吸い込み通路51から吸い込まれてエンジンルームに戻される。なお、吹き返し空気Arは、冷却ファン3によって吸い込み通路51を経てファンシュラウド5のシュラウド部分と熱交換器に囲まれた空間に吸い込まれた後、エンジンルーム10へ導かれる。
【0019】
以上述べたように、熱交換器の側面に沿って車両前後方向にファンシュラウド5と一体となった吸い込み通路51を設けることにより、車両極低速時またはアイドリング停車時に冷却ファン3が回転した状態で、外気より高温の吹き返し空気Arが熱交換器に再び流れ込んで熱交換器の冷却性能を低下させることを防止することができる。
【0020】
《第2の実施の形態》
上述した吸い込み通路51は熱交換器よりも抵抗が低いため、高速走行時には外気が吸い込み通路に集中し、熱交換器へ流入する外気が減少してしまう可能性がある。極低速以外で車両が走行している場合、特に高速走行時には、外気は走行による風圧を得て走行風として熱交換器へ流れ込むため、極低速時に比べて吹き返しが問題にならない。そこで、本発明の第2の実施の形態による熱交換装置においては、熱交換器へ流入するべき外気が抵抗の低い吸い込み通路に流入しないように、吸い込み通路を開閉させるように構成する。
【0021】
以下、図面を用いて第2の実施の形態による熱交換装置について説明する。図4に、第2の実施の形態における熱交換装置の車両正面から見て左側の吸い込み通路51周辺を示す。図5は、吸い込み通路51の開閉機構を説明するための側面図であり、図6は、車両左側の吸い込み通路51の開口部付近の拡大図を示す。図4〜6は、吸い込み通路51が開いた状態を示している。図4〜図6において、上述した第1の実施の形態と同様の機能を有する構成要素には同一の符号を付している。ここでは、第1の実施の形態との相違点を主に説明する。
【0022】
図4〜図6に示すように、第2の実施の形態においては、吹き返し空気Arを再びエンジンルーム10に戻すための吸い込み通路51に開閉可能なドア(開閉部材)52を設けている。開閉ドア52は、車両前後方向に回転可能となるようにシャフト53に固定されている。シャフト53は、ガイド部55で回転可能に支持されている。シャフト53は、コンデンサ1およびラジエータ2の車両前方に、コンデンサ1およびラジエータ2にほぼ平行に配置されており、コンデンサ1およびラジエータ2に対向する部分に、開閉ドア52を開閉するための複数の開閉用バタフライ(回転部材)54を備えている。開閉ドア52と開閉用バタフライ54は一定の角度を保ってそれぞれシャフト54に固定されている。
【0023】
本発明の第2の実施の形態においては、シャフト53は車両上下方向に2本配置され、開閉ドア53はシャフト53の左右両端に一つずつ、合計4つ設けられている。複数の開閉用バタフライ54は、車両が高速走行を行うと走行による風圧を受けて車両後方に倒れ込むように構成されている。吸い込み通路51の開口部分は、開閉ドア52とほぼ同様の形状であるが、図7に示すように、その上部が若干、車両前方側に突き出して、斜めに形成されている。吸い込み通路51の開口部分をこのような構成とすることにより、車両が極低速走行を行う場合やアイドリング停車状態で、開閉ドア52が自重で車両前方に倒れ込み、吸い込み通路51を開く。また、ガイド部55の開閉ドア52側には、シャフト53の支持部付近に、開閉ドア52が車両前方に倒れ込み過ぎることを防止するためのストッパー56が設けられている。ストッパー56は、モールディング等でガイド部55に設置されている。なお、吸い込み通路51の開閉ドア52が設けられていない部分は、閉鎖されている。
【0024】
以下、本発明の第2の実施の形態による熱交換器配置構造の作用について説明する。
【0025】
車両が一定車速を超えて走行するときは、開閉用バタフライ54は風圧を受けてシャフト53を中心として車両後方に倒れ込む。開閉用バタフライ54の回転に伴って、開閉用バタフライ54と一定の角度を保ってシャフト53に固定された開閉ドア52は、シャフト53を中心として車両後方に回転し、吸い込み通路51の開口を閉鎖する。車両が高速走行を行っている状態では、開閉用バタフライ54は常に走行風の風圧を受けて車両後方に倒れ込んでいるため、開閉ドア52が開くことはない。
【0026】
このように、高速走行状態で吸い込み通路51を閉鎖することによって、走行風が抵抗の低い吸い込み通路51に流入することを防ぐことができる。外気(走行風)はコンデンサ1,ラジエータ2等の熱交換器へ流入するので、エンジン冷却水の低下の必要性が高い高速走行中に、熱交換器の冷却性能を最大限に発揮させることができる。
【0027】
車両が極低車速で走行する場合またはアイドリング停車状態において、開閉用バタフライ54が受ける風圧では、吸い込み通路51の開口を閉鎖するだけのトルクを開閉ドア52に与えることができない。このとき、吸い込み通路51の開口は上部が車両前方に突き出るように斜めに形成されているので、開閉ドア52は自重によって、ストッパー56に係止されるまで車両前方に倒れ込む。これにより、吸い込み通路51の開口を開くことができる。
【0028】
このように、極低速走行時またはアイドリング停車時に、吸い込み通路51を開くようにしたので、吹き返し空気Arが熱交換器に流入することなくエンジンルーム10に戻される。これにより、吹き返し空気Arの流入によって熱交換器の冷却性能を低下させることがない。
【0029】
以上説明したように、第2の実施の形態においては、車両走行時の走行風による風圧を受けて回転する開閉バタフライ54と、開閉バタフライ54の回転に伴って吸い込み通路51の開口を開閉する開閉ドア52とを設けた。これにより、簡単な構造で吸い込み通路51の開閉を行うことができるとともに、車速に応じて吸い込み通路51の開閉制御を自動で行うことができる。
【0030】
第2の実施の形態において、開閉用バタフライ54の形状、数、および開閉用バタフライ54と開閉ドア52とがなす角度は、開閉ドア52を閉鎖させたい車速によって設定するようにする。例えば、比較的高速で開閉ドア52を閉鎖させたい場合は、開閉用バタフライ54を小さくするとともにその数を少なくする。これにより、複数の開閉用バタフライ54全体が受ける風圧が少なくなり、比較的高速走行を行うときに開閉ドア52が閉じることとなる。一方、開閉用バタフライ54を大きくするとともにその数を多くすれば、比較的低速で開閉ドア52を閉じることができる。
【0031】
開閉ドア52と開閉用バタフライ54とのなす角度は、例えば、開閉用バタフライ54が走行風と平行となったときに、開閉ドア52が吸い込み通路51の開口を完全に閉鎖するようにすることができる。また、この角度を小さく設定すれば、風圧のわずかな変化、つまり車速のわずかな変化に対応して開閉ドア52を開閉させることができる。さらに、開閉ドア52と開閉用バタフライ54とのなす角度、およびストッパー56の位置は、開閉ドア52が完全に開いた状態でも、開閉用バタフライ54が開閉ドア52を閉じる方向に走行風を受けて、開閉ドア52を閉じるためのトルクを発生させることができる様に設定される。
【0032】
吸い込み通路51の開口の数、大きさは、実験等により最も効率的に吹き返し空気Arを吸い込むことができるように設定しておく。
【0033】
《第3の実施の形態》
図8に、本発明の第3の実施の形態による熱交換装置を備えた車両のフロント部の正面図を示す。第3の実施の形態においては、開閉用バタフライを車両前方のフロントグリルの開口部60およびバンパの開口部70の中に配置している。
【0034】
フロントグリルの開口部60やバンパの開口部70に設けられた桟およびグリルは、車両フロント部のデザイン性を向上させるために用いられるもので、車両フロント部の開口面積を減少させ、熱交換器の冷却性能を低下させる一因となっていた。一方、桟やグリルを設けないと、コンデンサ1やラジエータコアパネル11が車両フロント部から丸見えとなり見栄えが悪い。そこで、第3の実施の形態においては、開閉用バタフライをフロントグリルの開口部60およびバンパの開口部70の中に配置し、フロントグリルおよびバンパの造形と一体とすることによって、車両フロント部の開口面積を大きくして走行風を確保するとともに、見栄えを向上させる。
【0035】
図8に示すように、第3の実施の形態においては、開閉用バタフライ54A、54Bはフロントグリルの桟61、およびバンパの桟71に固定されている。ここで、桟61,71は第2の実施の形態で説明したシャフト53に相当し、開閉用バタフライ54A、54Bが走行風の風圧を受けて倒れ込むことに伴って回転する。桟61,71が回転することによって、開閉ドア52が閉鎖される。ただし、第3の実施の形態において、開閉用バタフライ54A、54Bの回転軸(桟61,71)と開閉ドア2の回転軸は同軸ではない。そこで、これらの軸をギア等を介して連結し、開閉用バタフライ54A、54Bの回転力を開閉ドア2にスムーズに伝達できるように構成する。
【0036】
開閉用バタフライ54A、54Bの大きさおよび数は、開閉ドア52を閉鎖するときの車速等の条件に基づくとともに、車両フロント部の外観を損ねないようにフロントグリルの開口部60およびバンパの開口部70の形状に合わせて設定する。例えば、図8に示すように、フロントグリルの開口部60に小さめの開閉用バタフライ54Aを複数設けてもよいし、バンパの開口部70のように幅の広い開閉用バタフライ54Bを一つ設けてもよい。
【0037】
開閉ドア52が完全に開いた状態で、開閉用バタフライ54A、54Bがそれぞれフロントグリルの開口部60およびバンパの開口部70を閉鎖するように開閉ドア52と開閉用バタフライ54A、54Bとのなす角度を設定しておけば、極低速走行中またはアイドリング停車中にフロントグリルの開口部60およびバンパの開口部70の大部分が開閉用バタフライ54A、54Bによって覆われる。これにより、車両フロント部から熱交換器が丸見えとなることはなく、見栄えが向上する。
【0038】
高速走行中には、開閉用バタフライ54A、54Bは風圧によって倒れ込むとともに、従来車両フロント部の開口を減少させていた多くの桟やグリルが無いため、走行風を大量に熱交換器に流入させることができる。
【0039】
このように、開閉用バタフライ54A、54Bをフロントグリルの開口部60およびバンパの開口部70の中に配置することにより、上述した第2の実施の形態と同様の効果を得ることができるとともに、極低速走行中またはアイドリング停車中の車両フロント部の見栄えも向上する。
【0040】
以上、本発明の第1〜第3の実施の形態による熱交換装置について説明したが、本発明はこれらに限定されることなく、種々の変形が可能である。例えば、上述した実施の形態においてはコンデンサ1およびラジエータ2に空気を流入させる冷却ファン3はエンジン4で駆動されるとして説明したが、電動モータによって駆動されるものであってもよい。この場合も、ファンシュラウド5の先端部分をコンデンサ1およびラジエータ2の側面に沿って車両前後方向に延設し、吹き返し空気Arの吸い込み通路51を形成させる。吸い込み通路51に開閉ドア52を設ける場合も上述した実施の形態と同様である。
【0041】
上述した第2の実施の形態においては、極低速走行時やアイドリング停車時に開閉ドア52が自重で開くように、吸い込み通路51の開口部を斜めに形成したが、吸い込み通路51全体を斜めにしてもよい。また、吸い込み通路51の数は2つに限定されず、吹き返し空気Arを効果的に吸い込むことができるような数、また形状であればよい。
【0042】
上述した実施の形態においては、吸い込み通路51が車両外側に向かって湾曲するように構成したが、直線的な形状であってもよい。また、吸い込み通路51は、ファンシュラウド5に一体に形成されなくても、ラジエータ2およびコンデンサ1の側面あるいは側面前方に形成されればよい。つまり、吸い込み通路51は、吹き返し空気Arを効果的に吸い込むことができるとともに、熱交換器に流入するべき空気が必要以上に吸い込み通路51に流れ込むことを防止できれば、どのような形状でもよい。
【0043】
さらに、車速に応じて吸い込み通路51を開閉するように電動モータ等を設けてもよい。この場合、車速センサ等で検出される自車速が所定速度を超えた場合に、電動モータを駆動させ、開閉ドアによって吸い込み通路51の開口を閉鎖する。このように構成すれば、開閉用バタフライ54を省略することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態による熱交換器配置構造を示す平面図。
【図2】 図1に示す熱交換器配置構造の吸い込み通路周辺の平面図。
【図3】 図2に示す吸い込み通路の斜視図。
【図4】 本発明の第2の実施の形態による熱交換器配置構造の吸い込み通路周辺を示す斜視図。
【図5】 図4に示す吸い込み通路の開閉機構を説明するための側面図。
【図6】 図4に示す開閉ドア周辺の拡大図。
【図7】 図6に示す開閉ドアの側面図。
【図8】 本発明の第3の実施の形態による熱交換器配置構造を備えた車両のフロント部を示す正面図。
【符号の説明】
1:コンデンサ
2:ラジエータ
3:冷却ファン
4:エンジン
5:ファンシュラウド
51:吸い込み通路
52:開閉ドア
53:シャフト
54:開閉用バタフライ
55:ガイド部
56:ストッパー
61,71:桟

Claims (5)

  1. エンジンルームの車両前方に配置され、空気を用いて熱交換を行う熱交換器を有する熱交換装置において、
    前記熱交換器へ空気を導入する冷却ファンと、
    前記冷却ファンによる前記熱交換器への空気の導入を促進するファンシュラウドと、
    熱交換されて前記エンジンルーム内に流入した空気のうち、前記エンジンルームから前記熱交換器の入口側に流出した吹き返し空気を、前記熱交換器を通過させずに前記エンジンルームへ導く通路と、
    車両走行時の走行風の風圧によって回転する回転部材とを備え、
    前記通路は、その開口部を車速に応じて開閉する開閉部材を有し、
    前記開閉部材は、前記回転部材が風圧を受けて回転することによって前記通路の前記開口部を閉鎖することを特徴とする熱交換装置。
  2. 請求項1に記載の熱交換装置において、
    前記通路は、前記ファンシュラウドと一体となって、前記熱交換器の側面に沿って車両前後方向に形成されることを特徴とする熱交換装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の熱交換装置において、
    前記回転部材は、車両前方のバンパ部およびフロントグリル部の開口部内に配置されることを特徴とする熱交換装置。
  4. エンジンルームの車両前方に配置され、空気を用いて熱交換を行う熱交換器を有する熱交換装置において、
    前記熱交換器へ空気を導入する冷却ファンと、
    前記冷却ファンによる前記熱交換器への空気の導入を促進するファンシュラウドと、
    熱交換されて前記エンジンルーム内に流入した空気のうち、前記エンジンルームから前記熱交換器の入口側に流出した吹き返し空気を、前記熱交換器を通過させずに前記エンジンルームへ導く通路を設け、
    前記通路は、その開口部を車速に応じて開閉する開閉部材を有し、
    前記熱交換装置は、さらに、
    車両が所定速度以上で走行しているか否かを検出する検出器と、
    前記検出器によって車両が所定速度以上で走行していることが検出されると、前記通路を閉鎖するように前記開閉部材を駆動する駆動手段とを備えることを特徴とする熱交換装置。
  5. 請求項1または請求項2に記載の熱交換装置において、
    前記開閉部材の回転軸と前記回転部材の回転軸は同軸であり、前記回転部材が車両走行時の風圧を受けて車両後方に倒れこむことにより、前記開閉部材が回転して前記通路の前記開口部を閉鎖することを特徴とする熱交換装置。
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