JP3936529B2 - 紙幣入金機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、紙幣を入金する紙幣入金機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、紙幣を入金する紙幣入金機では、例えば複数金種が混在した複数枚の紙幣を入金する場合、紙幣投入部に投入された紙幣を、1枚ずつ搬送経路に送り込み、搬送経路で識別し、識別結果に応じて分類して金種別の一時保留部にそれぞれ一時保留し、投入された紙幣の識別および一時保留が完了した後、一時保留した紙幣の収納指令により、各一時保留部から対応する金種の収納庫にそれぞれ収納している。また、一時保留した紙幣を返却する場合には、複数の一時保留部を一体的に機体から引き出し、各一時保留部から紙幣を取り出している。
【0003】
また、例えば、特開平10−310334号公報に記載されているように、紙幣投入部に投入された紙幣を、1枚ずつ搬送経路に送り込み、搬送経路で識別し、一時保留部に複数金種が混在したまま一括して一時保留し、投入された紙幣の識別および一時保留が完了した後、一時保留した紙幣の収納指令により、一時保留部に一時保留した紙幣を搬送経路に1枚ずつ送り出し、搬送経路で1金種のみを分離して対応する金種の収納庫に搬送して収納するとともに、残りの金種を紙幣投入部に送り込んで一時保留し、その後、紙幣投入部に一時保留した紙幣を搬送経路に1枚ずつ送り出し、搬送経路で次の1金種のみを分離して対応する金種の収納庫に搬送して収納するとともに、残りの金種を一時保留部に送り込んで一時保留し、このような紙幣の収納動作を繰り返して1金種ずつ対応する収納庫に収納している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、投入された紙幣を金種別の一時保留部に一時保留する紙幣入金機では、金種別に一時保留部を必要とするとともに、各一時保留部に対して対応する金種の紙幣を送り込む搬送経路を必要とし、構造が複雑で、コスト高になる問題がある。また、返却時には、複数の一時保留部を一体的に機体から引き出し、各一時保留部から紙幣を取り出す必要があり、返却紙幣の取出操作が煩雑になる問題がある。
【0005】
また、特開平10−310334号公報に記載の装置では、一時保留部に一時保留した紙幣を搬送経路に1枚ずつ送り出し、この搬送経路で1金種のみを分離して対応する金種の収納庫に搬送して収納するので、上述した金種別の一時保留部から金種別の収納庫に紙幣をそれぞれ収納させる場合に比べて、一時保留部から金種別の収納庫に紙幣を搬送して収納させるために複雑な搬送経路が必要になる問題がある。
【0006】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、1つの一時保留部で対応できるとともに、紙幣の搬送経路を簡略化できる紙幣入金機を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の紙幣入金機は、紙幣が投入される紙幣投入部と、この紙幣投入部に投入される紙幣を識別する識別部と、機体前後方向に並設され紙幣を収納する複数の収納庫と、これら収納庫の上部を収納庫の並設方向に移動し、前記識別部で正常と識別された紙幣を受け入れて一時保留する一時保留位置、各収納庫に対応する各収納位置、および機体前部の返却位置に移動可能とし、一時保留位置で一時保留した紙幣の収納時に任意の収納庫の収納位置に移動してその収納庫に一時保留紙幣を収納させるとともに、一時保留紙幣の返却時に返却位置に移動して一時保留紙幣を返却する一時保留部とを具備しているものである。
【0008】
そして、紙幣投入部に投入された紙幣を識別部で識別し、正常と識別された紙幣を一時保留位置に位置する一時保留部に一時保留する。一時保留部に一時保留した紙幣を収納する場合に、一時保留部が任意の収納庫の収納位置に移動してその収納庫に一時保留紙幣を収納し、一方、返却する場合に、一時保留部が返却位置に移動して一時保留紙幣を返却する。このように、一時保留部が、識別部で正常と識別された紙幣を受け入れて一時保留する一時保留位置、複数の各収納庫に対応する収納位置、および機体前部の返却位置に移動可能とし、一時保留位置で一時保留した紙幣の収納時に、任意の収納庫の収納位置に移動してその収納庫に一時保留紙幣を収納させるとともに、一時保留紙幣の返却時に返却位置に移動して一時保留紙幣を返却することにより、1つの一時保留部で対応可能とし、さらに、一時保留部に紙幣を受け入れる一時保留位置を定めるとともに、一時保留部の移動によって各収納庫に紙幣を収納することで、紙幣の搬送経路の簡略化を可能とする。
【0009】
請求項2記載の紙幣入金機は、請求項1記載の紙幣入金機において、前面に紙幣返却口を有する機体と、この機体の紙幣返却口を開閉する紙幣返却扉とを備え、一時保留部は、一時保留した紙幣の返却時に前記紙幣返却口の内側に臨む位置に移動して一時保留した紙幣の取り出しを可能とするものである。
【0010】
そして、一時保留部に一時保留した紙幣の返却時に、一時保留部が機体の前面の紙幣返却口の内側に臨む位置に移動し、紙幣返却口を開閉する紙幣返却扉を開くことで、一時保留部の紙幣を取り出すことが可能となり、返却紙幣の取出操作を簡単にする。
【0011】
請求項3記載の紙幣入金機は、請求項2記載の紙幣入金機において、一時保留部は、紙幣返却口の内側に臨む位置を待機位置とするものである。
【0012】
そして、一時保留部は、紙幣返却口の内側に臨む位置を待機位置とすることにより、仮に紙幣返却扉が壊されて開放された場合でも、一時保留部で紙幣返却口を塞ぎ、機体内の紙幣の盗難を防止する。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態を図面を参照して説明する。
【0014】
図2に紙幣入金機を適用した自動入金機の斜視図を示し、自動入金機11は、銀行等のロビーに設置され、顧客自らの操作によって現金の入金処理を可能としたものである。
【0015】
12は機体で、この機体12の前面側上部に、略水平状の手前側の操作面13、この操作面13の奥側から斜め後方へ立ち上がる奥側の操作面14が形成されている。
【0016】
手前側の操作面13には、一側にシャッタ15によって開閉される紙幣投入口16が形成され、他側にシャッタ17によって開閉される硬貨投入口18が形成され、これら紙幣投入口16および硬貨投入口18に隣接して紙幣や硬貨の入金時に点灯または点滅する表示ランプ19,20が配設されている。
【0017】
奥側の操作面14には、中央に顧客操作部21が配置されており、この顧客操作部21は、ブラウン管や液晶表示器などの表示装置22を有し、この表示装置22の画面23の表面がタッチパネル式の操作部24として兼用されている。画面23の一側には、取扱中または中止を表示する取扱表示部25、顧客情報や入金結果等を印字したレシートが発行されるレシート出口26、通帳が挿入される通帳挿入口27およびこの通帳挿入口27に隣接して通帳の挿入時や返却時に点灯または点滅する表示ランプ28が配設され、また、画面23の他側には、磁気カードやICカードなどが挿入されるカード挿入口29が配設されている。
【0018】
機体11の内部一側には、紙幣投入口16を通じて投入された紙幣の入金処理をする紙幣入金機30が配設されている。機体11の前面一側、すなわち紙幣入金機30の前方には、紙幣返却口31が形成され、この紙幣返却口31を閉塞する紙幣返却扉32が左側の一側を支点として手前側に開放可能に配設され、紙幣返却口31に隣接して紙幣返却時に点灯または点滅する表示ランプ33が配設されている。紙幣返却扉32には、指を引っ掛けて紙幣返却扉32を手前側に開くための取手部34が設けられている。紙幣返却扉32は、図示しないロック機構によって施錠、解錠される。なお、機体11は、紙幣入金機30の機体として兼用されるものである。
【0019】
機体11の内部他側には、硬貨投入口18を通じて投入された硬貨の入金処理をする硬貨入金機35が配設されている。機体11の前面他側には、すなわち硬貨入金機35の前方には、硬貨入金機35の硬貨返却箱36および硬貨リジェクト箱37が引き抜き可能に配設され、これら硬貨返却箱36および硬貨リジェクト箱37に隣接して硬貨返却時およびリジェクト硬貨返却時に点灯または点滅される表示ランプ38,39が配設されている。
【0020】
機体11の内部で、レシート出口26の内方にはレシートを発行するレシート処理部40が配設され、通帳挿入口27の内方には挿入された通帳を処理する通帳処理部41が配設され、カード挿入口29の内方には挿入されたカードを処理するカードリーダとしてのカード処理部42が配設されている。
【0021】
機体11の前面には、機体11の前方域内に顧客が進入したことを検知して、例えば消灯して一時停止状態にあった画面23で受付状態を表示させるための人体検知センサ43が配設されている。
【0022】
次に、図1に紙幣入金機の構成図を示し、紙幣入金機30は、紙幣入金機本体51を有し、この紙幣入金機本体51の前側上方にシャッタ15で開閉される紙幣投入口16が配設され、この紙幣投入口16の下方に紙幣受入空間52が形成されている。
【0023】
紙幣受入空間52は、図3に示すように、前面板53、後面板54、左右の側面板(図示せず)、および底板55で構成され、この紙幣受入空間52の前寄り位置には、紙面を前後方向に向けた複数枚の紙幣(図中に符号Pで示し、以下省略する)が前後方向に集積した状態で一括して投入される紙幣投入部56が形成され、また、後寄り位置には、紙面を前後方向に向けた状態でリジェクト紙幣が返却されるリジェクト紙幣返却部57が形成され、これら紙幣受入部56とリジェクト紙幣返却部57とが仕切部材58によって区画形成されている。
【0024】
紙幣投入部56には、前端下部に紙幣を1枚ずつ繰り出す紙幣繰出口59が形成され、この紙幣繰出口59から紙幣を1枚ずつ繰り出す紙幣繰出手段60が配設されている。紙幣繰出手段60は、紙幣投入部56内の最前部の紙幣に接触して紙幣繰出口59へ送るキックローラ61、紙幣繰出口59に送られる1枚の紙幣を紙幣投入部56内から繰り出す繰出ローラ62、繰出ローラ62によって繰り出される紙幣を1枚に規制する逆転ローラ63、および紙幣投入部56内の紙幣を前方へ押圧してキックローラ61に押し付ける押圧部材64、およびこの押圧部材64を前後方向に移動させる押圧板駆動機構65を有している。押圧板駆動機構65は、押圧部材64の移動方向に沿って回動可能に張設されたベルト66を有し、このベルト66がモータ67の駆動によって回動されることにより、ベルト66に連結された連結部材68を介して押圧部材64が前後方向に移動される。なお、押圧板駆動機構65は、図3では、押圧部材64の下方に図示しているが、実際には側方に位置している。
【0025】
リジェクト紙幣返却部57には、後端下部にリジェクト紙幣が送り込まれてくるリジェクト紙幣受入口69が形成され、このリジェクト紙幣受入口69から受け入れたリジェクト紙幣を後面板54との間で保持する保持片70が前後に揺動可能に配設されている。リジェクト紙幣受入口69には、リジェクト紙幣を挟持してリジェクト紙幣返却部57内に送り込む受入ローラ71が配設されている。
【0026】
前面板53の前方と後面板54の後方とには、検知光を投光する投光器および受光する受光器を備える1組のフォトセンサ等で構成される有無検知センサ72が配設され、この有無検知センサ72の検知光が通る検知ラインに対応して前面板53、後面板54、仕切部材58、押圧部材64および保持片70に、検知孔53a,54a,58a,64a,70aがそれぞれ形成されている。そして、有無検知センサ72の透光状態で紙幣無しを検知し、遮光状態で紙幣有りを検知する。
【0027】
また、図1に示すように、紙幣入金機本体51の上部には、紙幣投入部56から紙幣繰出手段60によって1枚ずつ繰り出される紙幣を受け入れて搬送する搬送経路75が接続されている。この搬送経路75は、紙幣繰出口59から後方へ向けて形成される識別通路76、およびこの識別通路76の後端から識別通路76の上側に折り返して前方へ向かいリジェクト紙幣受入口69に接続される返却通路77を有している。識別通路76および返却通路77は、複数組の対をなすベルトを用い、これらベルト間に紙幣を挟み込んだ状態で下流側に搬送する。識別通路76には、搬送される紙幣を識別計数する識別部78が配設されている。
【0028】
識別通路76の後端には、識別部78で正常と識別された紙幣を下方の紙幣送出部79に分岐させるとともに、識別不能と識別されたリジェクト紙幣を上方の返却通路77に分岐させる分岐部材80が配設されている。紙幣送出部79には、分岐部材80で分岐されてくる正常な紙幣を挟持して下方へ送り出す送出ローラ81が配設されている。
【0029】
また、図1および図4に示すように、紙幣入金機本体51の底部には、機体12の後面または前面から引出可能とする引出ボックス91が配設され、この引出ボックス91の上側に、紙幣送出部79から送り出される紙幣を受け入れて一時保留する一時保留部92を有する一時保留部ユニット93が前後方向に沿って移動可能に配設され、さらに、引出ボックス91内に、一時保留部92に一時保留された紙幣を収納する複数の収納庫94が前後方向に沿って並列に配設されている。なお、一時保留部92の紙幣を収納庫94に収納する場合には、前側の収納庫94から順に満杯にしていくように収納動作が制御される。
【0030】
引出ボックス91は、上面を開口した箱状に形成され、その上面開口を通じて各収納庫94を着脱可能とし、内部には各収納庫94を収納する空間を仕切る複数の仕切板96が配設されている。引出ボックス91の上面両側縁部には一時保留部ユニット93を前後方向に移動可能に支持するガイドレール97が配設され、一側および後部に一時保留部ユニット93を前後方向に沿って、つまり複数の収納庫94の並設方向に沿って移動させる一時保留部移動機構98が配設されている。
【0031】
一時保留部移動機構98は、引出ボックス91の一側の前後部に回転自在に軸支されたプーリ99、およびこれらプーリ99間に張設されたベルト100を有し、このベルト100に連結部材101を介して一時保留部ユニット93が連結されている。引出ボックス91の後部内側において、後部側のプーリ99と同軸に連結された図示しないプーリ、このプーリとの間にベルト102が張設されるプーリ103、およびこのプーリ103を回動させるモータ104が配設され、モータ104の駆動で一時保留部ユニット93が前後方向に移動される。そして、一時保留部移動機構98により、一時保留部ユニット93は、紙幣送出部79から紙幣を受け入れて一時保留する一時保留位置、各収納庫94の上方で一時保留した紙幣を収納庫94に収納させる各収納位置、最前部であって紙幣返却口31の内側に臨む返却位置、および返却位置と同一位置であって紙幣返却口31の内側に臨む待機位置に移動される。
【0032】
また、一時保留部ユニット93は、図1、図4ないし図6に示すように、下面を開口した箱状の枠体111を有し、この枠体111の上面に紙幣送出部79から送り出される紙幣を受け入れる紙幣受入口112が形成され、枠体111の前面に開口部113が形成され、この開口部113に左側の一側のヒンジ114を支点として開閉可能に扉体115が配設されている。扉体115の前面には取手状の係合部116が取り付けられ、一時保留部ユニット93が最前部の返却位置に移動した際に紙幣返却扉32側の図示しない係合機構のピンが係合して、紙幣返却扉32が開かれたときに扉体115も一体的に開かれるように構成されている。
【0033】
枠体115の内部には、開口部113の後側に、紙面を上下方向に向けた紙幣を上下方向に重ねて集積収納する一時保留部92が形成されている。紙幣受入口112の下側には、受け入れた紙幣を挟持して一時保留部92に送り込む搬送部117が配設されている。搬送部117は、紙幣を挟持して搬送する対をなすベルト118を有し、各ベルト118は対のローラ119間に張設され、いずれかのローラ119が図示しないモータで回転駆動される。
【0034】
一時保留部92は、前面側のガイド板としての扉体115、後面側のガイド板120、図示しない両側のガイド板、および底面のステージ121によって囲まれた空間で形成されている。ステージ121は、図5に示すように、ステージ駆動手段122により、一時保留部92内を上下方向に移動されるとともに最下降位置で水平方向に移動されて一時保留部92内に対して進退される。
【0035】
ステージ駆動手段122は、枠体111内に上下方向に沿って配設された上下方向の複数のガイドロッド123、これらガイドロッド123に対して上下方向にスライド可能に支持された水平方向のガイドロッド124、このガイドロッド124に沿って水平方向にスライド可能に支持されたステージ台125、このステージ台125を上下方向および水平方向に移動させる駆動機構126を有している。
【0036】
垂直方向の各ガイドロッド123にはスライド部材127が上下方向にスライド可能に係合し、これらスライド部材127が連結板128で連結され、この連結板128に水平方向のガイドロッド124が支持されている。ステージ台125は、上面にステージ121を支持し、下面に水平方向のガイドロッド124にスライド可能に係合するスライド部材129を有しており、後端側面には駆動機構126と係合するピン130が突設されている。
【0037】
駆動機構126は、垂直方向の両ガイドロッド123間に配置される支軸131を支点として揺動する揺動片132を有し、この揺動片132の先端にステージ台125のピン130が係合する長孔133が形成されている。揺動片132の支軸131にはプーリ134が固定され、このプーリ134とモータ135の駆動プーリ136との間にベルト137が張設され、モータ135の駆動で揺動片132が揺動される。そして、図5に実線で示すように、揺動片132が反時計回り方向に揺動された状態で、一時保留部92内でステージ121が最も上昇されて、紙幣を受け入れて一時保留する待機位置に位置され、さらに、図5に2点鎖線aで示すように、揺動片132が下方に向けて時計回り方向に揺動された状態で、一時保留部92内でステージ121が最下降位置に下降され、さらに、図5に2点鎖線bで示すように、揺動片132が後方へ向けて時計回り方向に揺動された状態で、ステージ121が後面側のガイド板120の下側を通じてガイド板120の後方に水平移動され、一時保留部92内から退避されて、一時保留部92の底面が開放される。
【0038】
一時保留部92の下部周囲には、紙幣をガイドするガイド枠138が配設されている。
【0039】
また、図6および図7に示すように、一時保留部92の上方には紙幣を下方へ押圧する押圧体141が配設され、後面側のガイド板120の後方でステージ駆動手段122の側部位置に押圧体141を上下方向に移動させる押圧体駆動手段142が配設されている。
【0040】
押圧体141は、押圧体駆動手段142で支持される支持板143、紙幣を押圧する平板状の押圧板144、およびこれら支持板143と押圧板144とを伸縮可能に連結する伸縮機構145を有している。支持板143は、枠体111内に上下方向に沿って配設されたガイドロッド146にスライド可能に係合するスライド部材147を有し、ガイドロッド146に沿って上下方向に移動される。
【0041】
伸縮機構145は、支持板143の下面および押圧板144の上面にそれぞれ取り付けられる断面略コ字形の取付板148、およびこれら取付板148の両側に連結される両側のリンク体149を有している。各リンク体149は、中間部が連結軸150で回動可能に連結された対なすリンク151,152を有し、各リンク151,152の一端側が取付板148の両側から立ち上げられた側板部153の一端にピン154によって回動可能に軸支され、各リンク151,152の他端側が一端側とは異なった取付板148の側板部153の他端に形成された長孔155にピン156を介してスライド可能かつ回動可能に連結されている。一方のリンク151のピン156と取付板148との間には、ピン156を一端側のピン154に接近する方向、つまりリンク体149を介して伸縮機構145を伸長方向に付勢するスプリング157が張設されている。一方のリンク151の一端側は延設されてローラ158が回転自在に軸支され、枠体111の上面部にローラ158が当接可能とする当接部159が配設されている。
【0042】
押圧体駆動手段142は、枠体111内に上下方向に沿って支持されたガイドロッド161、このガイドロッド161に沿って上下方向に移動する支持レバー162、および支持レバー162を上下方向に移動させる駆動機構163を有している。支持レバー162は、押圧体141の支持板143の下方に配置され、支持板143とは固定されず、支持板143を載せた状態で上下方向に移動される。駆動機構163は、後面側のガイド板120の後方において、複数のプーリ164およびテンションプーリ165によってベルト166が張設され、複数のプーリ164のうち、ガイド板120の後側で上下に配置されたプーリ164間ではベルト166が上下方向に移動され、このベルト166の部分に支持レバー162が連結されている。1つのプーリ164には同軸にプーリ167が固定され、このプーリ167とモータ168の駆動プーリ169との間にベルト170が張設され、モータ168の駆動で支持レバー162が上下方向に移動される。
【0043】
そして、押圧体駆動手段142により、図7(a)に示すように、支持レバー162とともに押圧体141の支持板143が最も上昇されることにより、ローラ158が当接部159に当接して、伸縮機構145がスプリング157の付勢に抗して収縮し、押圧板144が支持板143に対して最も上昇され、また、図7(b)に示すように、支持レバー162とともに押圧体141の支持板143が少し下降されることにより、スプリング157の付勢で伸縮機構145が少し伸長され、押圧板144が支持板143に対して少し下降され、また、図7(c)に示すように、支持レバー162とともに押圧体141の支持板143がさらに下降され、ローラ158が当接部159から離反することにより、スプリング157の付勢で伸縮機構145が最大に伸長し、押圧板144が支持板143に対して最も下降される。また、押圧体141は支持レバー162上に載っているだけなので、支持レバー162の下降によって自重で下降し、押圧板144が紙幣上に載った状態では押圧体141の自重で紙幣を上方から押圧する。さらに、伸縮機構145の伸長状態では、押圧体141が下降した際に、押圧板144が一時保留部92の下方へ、つまり収納庫94内に進出可能とする。
【0044】
次に、収納庫94は、図1、図4、図8に示すように、縦長の箱状に形成された収納庫本体181を有し、この収納庫本体181の上面に一時保留部92から紙幣を受け入れる長方形状の開口部182が形成され、この開口部182が開口部182の短手方向に移動するシャッタ183で開閉される。このシャッタ183は、複数のシャッタ板184を連続的に回動可能に連結した鎧戸状に形成されており、開口部182の長手方向の両端側において、収納庫本体181の短手方向の一側から上面にかけて連続して形成されたシャッタガイド185に沿って開閉移動がガイドされるとともに、シャッタ駆動手段186によって開閉移動される。シャッタ開閉手段186は、収納庫本体181の一側のシャッタガイド185の上下に回転自在に軸支されたプーリ187、およびこれらプーリ187間に張設されたベルト188を有し、引出ボックス91側に設けられた図示しないモータとの連結でそのモータから駆動力を受けてベルト188が回動され、ベルト188に連結部材189を介して連結されたシャッタ183が開閉移動される。
【0045】
収納庫本体181の内部には、開口部182の下方に、紙面を上下方向に向けた紙幣を上下方向に重ねて集積収納する紙幣収納部190が形成されている。この紙幣収納部190は、側面周囲のガイド壁191、および底面のステージ192によって囲まれた空間で形成されている。ステージ192は、ステージ駆動手段193により、紙幣収納部190内を上下方向に移動されるとともに開口部182を通じて収納庫本体181の上方に対して進退される。
【0046】
ステージ駆動手段193は、収納庫本体181の上下に回転自在に軸支されたプーリ194、およびこれらプーリ194間に張設されたベルト195を有し、引出ボックス91側に設けられた図示しないモータとの連結でそのモータから駆動力を受けてベルト195が回動され、ステージ192が上下方向に移動される。ステージ192は、伸縮機構196およびこの伸縮機構196を伸縮させる伸縮駆動部197を介してベルト195に連結支持されている。
【0047】
開口部182の短手方向の両側には、爪状の複数のガイド体198,199が支軸200,201によって回動可能に配設され、これらガイド体198,199が、図8(a)に示すように、上方に立ち上がるとともに開口部182から突出して収納時の紙幣をガイドするガイド位置と、図8(b)に示すように、紙幣の上方に倒れ込んで紙幣を上方から押え付ける押え位置とに揺動可能とし、図示しない付勢手段によってガイド位置に向けて付勢されている。
【0048】
一側のガイド体198は、シャッタ183の開閉移動域に位置し、シャッタ183が開放されることでガイド位置に自動的に移動されるとともに、シャッタ183が閉じられることでシャッタ183との当接を介して押え位置に自動的に移動される。
【0049】
一側のガイド体198の近傍には作動レバー202が支軸203で揺動可能に軸支され、この作動レバー202に連動リンク204の一端が回動自在に連結され、連動リンク204の他端が他側のガイド体199の支軸201に取り付けられた連動レバー205の先端に回動自在に連結されている。他側のガイド体199がガイド位置に位置する場合には、作動レバー202が立ち上がってシャッタ183の開閉移動域に位置される。したがって、他側のガイド体199は、シャッタ183が開放されることでガイド位置に自動的に移動されるとともに、シャッタ183が閉じられることでシャッタ183で作動レバー202が倒されるとともに連動して押え位置に自動的に移動される。
【0050】
なお、押圧体141の押圧板144には、各ガイド体198,199と干渉しないように切欠部が形成されている。
【0051】
また、図9に示すように、一時保留部92には、搬送部117で送り込まれる紙幣の送り込み高さより少し低い位置に検知ラインを有して一時保留部92に一時保留される紙幣の上面位置を検知する上端検知センサS1が配設されている。そして、ステージ121は、上端検知センサS1の位置より少し下側位置を待機位置とし、紙幣の一時保留時において、ステージ121上に紙幣が集積されて上端検知センサS1が遮光状態となることでステージ121が下降され、つまり紙幣の集積量に応じてステージ121が下降される。また、ステージ121の最も下降位置の下側近傍位置に検知ラインを有する検知センサS2が配設されている。
【0052】
さらに、各収納庫94には、各収納庫94の上端近傍に検知ラインを有して各収納庫94に収納される紙幣の上端位置を検知する上端検知センサS3が配設されている。そして、上端検知センサS3の位置より少し下側位置に、紙幣が載置されていないステージ192の上端、またはステージ192上に載置された紙幣の上端がある位置をステージ192の待機位置とされている。
【0053】
次に、図1に示すように、紙幣入金機30は、制御部211を有し、この制御部211によって紙幣の入金処理が制御される。
【0054】
なお、自動入金機11は、例えば銀行等のロビーに顧客自身によって操作可能に設置され、窓口のカウンタ内に設置されて係員によって操作される機器に対して通信可能に接続されている。機器には、顧客情報および入金結果等を印刷するプリンタや表示するモニタが含まれている。
【0055】
次に、本実施の形態の作用を説明する。
【0056】
まず、自動入金機11の入金処理について説明する。
【0057】
待機状態で、顧客によりカード挿入口29に挿入されたカードをカード処理部42で読み取り、顧客のカードであることを判別すれば、各投入口16,18のシャッタ15,17を開放する。
【0058】
顧客により、少なくとも一方の投入口16,18から対応する現金が投入された後、各投入口16,18のシャッタ15,17を閉鎖し、識別計数処理を開始する。
【0059】
そして、紙幣の投入があった場合、紙幣入金機30では、紙幣投入部56に投入された紙幣を有無検知センサ72で検知し、紙幣の識別計数処理を実行する。シャッタ15を閉じた後、図1および図3(a)に示すように、押圧部材64を前方へ移動させて紙幣投入部56内の紙幣をキックローラ61に押し付け、キックローラ61で紙幣を紙幣繰出口59に送るとともに、繰出ローラ62と逆転ローラ63との作用で紙幣を1枚ずつ分離して識別通路76に順次繰り出す。識別通路76に繰り出された紙幣を搬送し、識別部78で識別し、正常な紙幣を分岐部材80で紙幣送出部79に導いて送り出し、リジェクト紙幣を返却通路77に導いてリジェクト紙幣返却部57に送り込む。
【0060】
一時保留部ユニット93は、紙幣の識別計数処理の開始時に、最前部の待機位置から後方の一時保留位置に移動しており、紙幣送出部79から順次送り出される紙幣を紙幣受入口112を通じて一時保留部ユニット93内に受け入れるとともに搬送部117により一時保留部92内に導き、ステージ121上に集積して一時保留する。
【0061】
紙幣投入部56に投入された紙幣の繰り出しが完了した時点で、リジェクト紙幣がリジェクト紙幣返却部57に返却されていて、有無検知センサ72が遮光状態にあれば、シャッタ15を開いて操作者に返却する。操作者によりリジェクト紙幣が取り出されれば、有無検知センサ72が透光状態となって取り出しを確認し、シャッタ15を閉じる。
【0062】
紙幣投入部56に投入された紙幣の繰り出しが完了した時点で、有無検知センサ72が透光状態にあっても、押圧部材64を前後方向に移動させて紙幣の有無検知を実行する。例えば、図3(a)に示すように、仕切部材58と押圧部材64との間に、紙幣を間違って投入したり、または紙幣が混入し、その紙幣が底板55に沿って倒れている場合、有無検知センサ72は透光状態にあってその紙幣を検知できないが、図3(b)に示すように、押圧部材64を前後方向に移動させることにより、仕切部材58が押圧部材64に接近する際に、底板55に沿って倒れている紙幣を立てたり、中間部を上方に湾曲させるようにして起き上がらせ、有無検知センサ72が遮光状態となって紙幣の残留を検知できる。紙幣の残留が検知された場合には、例えば、シャッタ15を開放し、操作者に返却する。
【0063】
また、硬貨入金機35では、硬貨投入口18に投入された硬貨を1枚ずつ分離して識別計数し、正常な硬貨を一時保留し、リジェクト硬貨を硬貨リジェクト箱37に導いて返却する。
【0064】
そして、投入された現金の計数が完了し、顧客により計数結果の承認指示がなされれば、レシート処理部40で受付番号、顧客情報および計数金額を印刷したレシート(受付票)をレシート出口26から送り出し、カード処理部42でカードをカード挿入口29から送り出す。
【0065】
顧客により、レシートが切り取られ、カードを引き抜く。そして、窓口から受付番号が呼ばれた顧客がレシートおよび預金通帳を窓口の係員に渡し、顧客によって計数された現金の金額の預入がなされる。
【0066】
そして、顧客による承認指示により、紙幣入金機30では、一時保留部ユニット93が一時保留部92に一時保留した紙幣を収納する収納庫94への収納位置に移動し、一時保留部92に一時保留した紙幣を収納庫94に収納する。このとき、前側の収納庫94から順に満杯にしていくように収納動作が制御される。紙幣の収納を完了したら、一時保留部ユニット93が最前部の待機位置に移動して次の入金処理に待機する。この一時保留部ユニット93が、紙幣返却口31の内側に臨む最前部を待機位置とするので、仮に紙幣返却扉32が壊されて開放された場合でも、一時保留部ユニット93で紙幣返却口31を塞ぎ、機体12内の紙幣の盗難を防止できる。
【0067】
また、硬貨入金機35では、一時保留した硬貨を収納する。
【0068】
また、顧客により、返却指示がなされた場合、紙幣入金機30では、一時保留部ユニット93が最前部の返却位置に移動し、紙幣返却扉32側の図示しない係合機構のピンが扉体115に係合するとともに、ロック機構による紙幣返却扉32のロックを解除する。顧客により、紙幣返却扉32が開放されることで、一時保留部ユニット93の扉体115が一体的に開放され、一時保留部92内の紙幣が取り出される。開放された紙幣返却扉32および扉体115が閉鎖されることにより、次の処理が可能となる。また、硬貨入金機35では、一時保留硬貨を硬貨返却箱36に放出する。顧客により、硬貨返却箱36が機体12から前方へ引き出されることにより、硬貨返却箱36内の硬貨が取り出される。引き出された硬貨返却箱36が元に戻されることにより、次の処理が可能となる。
【0069】
次に、紙幣入金機30において、一時保留部92に一時保留した紙幣の収納庫94への収納について図9ないし図11を参照して説明する。
【0070】
一時保留部92のステージ121は、上端検知センサS1の位置より少し下側位置を待機位置としていて、図9(a)に示すように、紙幣の一時保留時において、ステージ121上に紙幣が集積されて上端検知センサS1が遮光状態となることでステージ121が下降され、つまり紙幣の集積量に応じてステージ121が下降される。
【0071】
一時保留が完了した紙幣を収納庫94に収納する場合には、図9(b)に示すように、押圧体141を下降させることにより、押圧体141の伸縮機構145が伸長するとともに押圧板144がステージ121上の一時保留されている紙幣上に載り、押圧体141の自重で紙幣を押圧してステージ121との間で保持する。
【0072】
図9(c)に示すように、ステージ121を一時保留部92内の最下降位置に下降させる。一時保留部ユニット93が紙幣を収納する収納庫94に対応する収納位置に移動する。
【0073】
図9(d)に示すように、対応する収納庫94のシャッタ183を開放させる。このシャッタ183の開放により、開口部182の両側の複数のガイド体198,199が起き上がり、一時保留部92の下部のガイド枠138に接近して、一時保留部92と収納庫94とでの紙幣の受け渡しのガイドとして機能する。
【0074】
図10(a)に示すように、収納庫94のステージ192を上昇させ、ステージ192上に既に収納されている収納済紙幣の上端が検知センサS2で検知される位置まで上昇させて停止させる。ステージ192上に紙幣が収納されていない場合には、ステージ192が検知センサS2で検知される位置まで上昇させて停止させる。ステージ121は、伸縮機構196で支持されており、この伸縮機構196の伸長によってステージ192上の収納済紙幣またはステージ192自体が開口部182より上方まで進出可能としている。
【0075】
図10(b)に示すように、一時保留部92のステージ121を一時保留部92内から後面側のガイド板120の後方へ高速で退避させることにより、ステージ121上の一時保留紙幣がそのまま落下し、収納庫94のステージ192の収納済紙幣上に一体に集積される。このとき、一時保留紙幣の落下距離が少ないので、例えばカールぐせや折れぐせのある紙幣でも確実に収納済紙幣上に集積させることができる。また、一時保留紙幣上に載っている押圧体141の押圧板144が一時保留紙幣と一体に下降し、押圧体141の自重で一体に集積された紙幣を収納庫94のステージ192との間に保持する。
【0076】
図10(c)に示すように、収納庫94のステージ192を下降させ、ステージ192上の紙幣の上端が上端検知センサS3で検知されなくなる位置まで下降させて停止させ、ステージ192上の紙幣を収納庫94内の紙幣収納部190に収納する。紙幣上に載っている押圧体141の押圧板144は紙幣と一体に下降し、押圧体141の自重で一体に集積された紙幣をステージ192との間に保持した状態を継続する。
【0077】
図10(d)に示すように、収納庫94のシャッタ183を少し閉め、開口部182の両側のガイド体198,199を紙幣収納部90に収納された紙幣の上方域に倒し込んで紙幣押え可能な状態とする。
【0078】
図11(a)に示すように、押圧体141の押圧板144を最上昇位置まで上昇させる。このとき、上方からの押圧が解かれた紙幣が上昇しようとするが、紙幣の上方域に倒れ込んで紙幣押え可能な状態にあるガイド体198,199で押えることができる。
【0079】
図11(b)に示すように、収納庫94のシャッタ183を閉じ、ガイド体198,199がさらに倒れ込んで収納済紙幣を上方から押える。一時保留部92のステージ121を一時保留部92内に進入させるとともに上昇させて待機位置に戻す。
【0080】
以上のように、紙幣入金機30によれば、一時保留部92が、識別部78で正常と識別された紙幣を受け入れて一時保留する一時保留位置、および複数の各収納庫94の収納位置に移動可能とし、一時保留位置で一時保留した紙幣の収納時に、任意の収納庫94の収納位置に移動してその収納庫94に紙幣を収納させるので、1つの一時保留部92で対応でき、簡略化できてコストダウンでき、しかも、一時保留部92に紙幣を受け入れる一時保留位置を定めることができるとともに、一時保留部92の移動によって各収納庫94に紙幣を収納できて、紙幣の搬送経路を簡略化できる。
【0081】
さらに、一時保留部92に一時保留した紙幣の返却時に、一時保留部92が機体12の前面の紙幣返却口31の内側に臨む位置に移動し、紙幣返却口31を開閉する紙幣返却扉32を開くことで、一時保留部92の紙幣を取り出すことができ、返却紙幣の取出操作を簡単にできる。
【0082】
さらに、一時保留部92は、紙幣返却口31の内側に臨む位置を待機位置とするので、仮に紙幣返却扉32が壊されて開放された場合でも、一時保留部92で紙幣返却口31を塞ぎ、機体12内の紙幣の盗難を防止できる。
【0083】
【発明の効果】
請求項1記載の紙幣入金機によれば、一時保留部が、識別部で正常と識別された紙幣を受け入れて一時保留する一時保留位置、複数の各収納庫に対応する収納位置、および機体前部の返却位置に移動可能とし、一時保留位置で一時保留した紙幣の収納時に、任意の収納庫の収納位置に移動してその収納庫に一時保留紙幣を収納させるとともに、一時保留紙幣の返却時に返却位置に移動して一時保留紙幣を返却するので、1つの一時保留部で対応でき、簡略化できてコストダウンでき、しかも、一時保留部に紙幣を受け入れる一時保留位置を定めることができるとともに、一時保留部の移動によって各収納庫に紙幣を収納できて、紙幣の搬送経路を簡略化できる。
【0084】
請求項2記載の紙幣入金機によれば、請求項1記載の紙幣入金機の効果に加えて、一時保留部に一時保留した紙幣の返却時に、一時保留部が機体の前面の紙幣返却口の内側に臨む位置に移動し、紙幣返却口を開閉する紙幣返却扉を開くことで、一時保留部の紙幣を取り出すことができ、返却紙幣の取出操作を簡単にできる。
【0085】
請求項3記載の紙幣入金機によれば、請求項2記載の紙幣入金機の効果に加えて、一時保留部は、紙幣返却口の内側に臨む位置を待機位置とするので、仮に紙幣返却扉が壊されて開放された場合でも、一時保留部で紙幣返却口を塞ぎ、機体内の紙幣の盗難を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態を示す紙幣入金機の構成図である。
【図2】同上紙幣入金機を適用した自動入金機の斜視図である。
【図3】同上紙幣入金機の紙幣投入部を示し、(a)は紙幣の繰出処理を示す断面図、(b)は紙幣の残留検知処理を示す断面図である。
【図4】同上紙幣入金機の一時保留部ユニットおよび収納庫の斜視図である。
【図5】同上一時保留部ユニットのステージ駆動手段を示す断面図である。
【図6】同上一時保留部ユニットの押圧体駆動手段を示す断面図である。
【図7】同上一時保留部ユニットの押圧体を示し、(a)(b)(c)の順に伸長する動作を説明する説明図である。
【図8】同上収納庫を示し、(a)はシャッタを開いた状態の説明図、(b)はシャッタを少し締めた状態の説明図である。
【図9】同上紙幣入金機による処理動作を(a)(b)(c)(d)の順に説明する説明図である。
【図10】同上図9に続く紙幣入金機による処理動作を(a)(b)(c)(d)の順に説明する説明図である。
【図11】同上図10に続く紙幣入金機による処理動作を(a)(b)の順に説明する説明図である。
【符号の説明】
12 機体
30 紙幣入金機
31 紙幣返却口
32 紙幣返却扉
56 紙幣投入部
78 識別部
92 一時保留部
94 収納庫
Claims (3)
- 紙幣が投入される紙幣投入部と、
この紙幣投入部に投入される紙幣を識別する識別部と、
機体前後方向に並設され紙幣を収納する複数の収納庫と、
これら収納庫の上部を収納庫の並設方向に移動し、前記識別部で正常と識別された紙幣を受け入れて一時保留する一時保留位置、各収納庫に対応する各収納位置、および機体前部の返却位置に移動可能とし、一時保留位置で一時保留した紙幣の収納時に任意の収納庫の収納位置に移動してその収納庫に一時保留紙幣を収納させるとともに、一時保留紙幣の返却時に返却位置に移動して一時保留紙幣を返却する一時保留部と
を具備していることを特徴とする紙幣入金機。 - 前面に紙幣返却口を有する機体と、この機体の紙幣返却口を開閉する紙幣返却扉とを備え、
一時保留部は、一時保留した紙幣の返却時に前記紙幣返却口の内側に臨む位置に移動して一時保留した紙幣の取り出しを可能とする
ことを特徴とする請求項1記載の紙幣入金機。 - 一時保留部は、紙幣返却口の内側に臨む位置を待機位置とする
ことを特徴とする請求項2記載の紙幣入金機。
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