JP3935644B2 - 動力断続装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、動力の伝達経路上において、動力の伝達と遮断の切り換えに用いられるタンデム構造の動力断続装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
各種機器や車両において、動力源の回転を異なる二つの出力軸に選択的に取り出して駆動する場合、動力の伝達経路上に動力断続装置を組み込み使用する必要がある。
【0003】
このような動力断続装置においては、例えば、動力源の回転を一方出力軸に伝達するとき動力源と他方出力軸の結合を解き、動力源の回転を他方出力軸に伝達するときは動力源と一方出力軸の結合を解き、又は、動力源に両出力軸を結合し、動力源で両出力軸を同時に駆動するような機能が要求され、この機能を得るために、動力源と二つの出力軸の個々の結合と切り離しを行う二つのクラッチ機構の採用が必要になる。
【0004】
従来、上記のような動力断続装置は、二つのクラッチ機構を出力軸の軸方向に間隔をおいて配置し、両クラッチ機構に対して入力源と連なる入力部材をそれぞれ組み合わせた構造になっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のような従来の動力断続装置は、二つのクラッチ機構を出力軸の軸方向に間隔をおいて分割配置する関係上、全長が軸方向に長くなり、組み込みスペースが狭い部分には使用することができず、採用できる部分に制約がある。
【0006】
そこで、この発明の課題は、軸方向に対してコンパクト化を図ることができ、組み込みスペースが狭い部分にも採用でき、用途の拡大を実現することができる動力断続装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記のような課題を解決するため、請求項1の発明は、動力源からの動力を断続させる装置であって、動力源との接続によって回転する入力外輪とそれに嵌合して同軸心状に配置された出力軸の対向面の一方に円筒面を、他方にその円筒面との間で楔空間を形成する複数のカム面を形成し、上記入力外輪と出力軸の対向面間に設けた保持器のポケットに、入力外輪と出力軸の相対回転によって上記円筒面とカム面に係合する係合子を組み込み、弾性部材で上記保持器に係合子を係合しない中立位置に保持するための弾性を付勢した2方向クラッチを、軸方向同軸上に2組配置し、両2方向クラッチの入力外輪が同一回転するように一体化し、両2方向クラッチのロックとフリーを、両2方向クラッチの間に配置した制御手段で各々の保持器を制御することによって行う構成を採用したものである。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、制御手段が、両保持器に対して作用しないニュートラル位置と、何れか一方の保持器に対して作用する結合位置とを切り換えることができるようになっている構成を採用したものである。
【0009】
請求項3の発明は、請求項1の発明において、制御手段が、何れか一方の保持器に対して常時作用するよう結合位置を切り換えることができるようになっている構成を採用したものである。
【0010】
請求項4の発明は、請求項1の発明において、制御手段が、両保持器に対して作用しないニュートラル位置と、何れか一方の保持器に対して作用する結合と、両保持器に対して作用する結合とを切り換えることができるようになっている構成を採用したものである。
【0011】
請求項5の発明は、請求項1乃至4の発明において、制御手段が、保持器と回転方向に結合した摩擦板と、この摩擦板に対する圧接部材と、該圧接部材を摩擦板に対して圧接する位置と離反する位置に移動させる機械的な移動部材とで形成されている構成を採用したものである。
【0012】
請求項6の発明は、請求項1乃至4の発明において、制御手段が、保持器と回転方向に結合した摩擦板と、この摩擦板に対する圧接部材と、該圧接部材を摩擦板に対して圧接する位置に移動させる電磁コイルとで形成されている構成を採用したものである。
【0013】
請求項7の発明は、動力源からの動力を断続させる装置であって、動力源との接続によって回転する入力外輪とそれに嵌合して同軸心状に配置された出力軸の対向面の一方に円筒面を、他方にその円筒面との間で楔空間を形成する複数のカム面を形成し、上記入力外輪と出力軸の対向面間に設けた保持器のポケットに、入力外輪と出力軸の相対回転によって上記円筒面とカム面に係合する係合子を組み込み、弾性部材で上記保持器に係合子を係合しない中立位置に保持するための弾性を付勢した2方向クラッチを、軸方向同軸上に2組配置し、両2方向クラッチの入力外輪及び保持器が同一回転するように一体化し、両2方向クラッチの何れか一方の端部に、保持器を制御することによって2方向クラッチのロックとフリーを行う制御手段を設けた構成を採用したものである。
【0014】
請求項8の発明は、請求項7の発明において、制御手段が、出力軸と相対回転不能に嵌合された摩擦フランジと、保持器と回転不能、軸方向可動に嵌合されたアーマチュアと、摩擦フランジとアーマチュアを互いに吸引させる電磁石で形成されている構成を採用したものである。
【0015】
請求項9の発明は、請求項1乃至8の発明において、前記出力軸が、2方向クラッチの係合子がロックするクラッチ面を有する別体のカム部材を有する構成を採用したものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図示例と共に説明する。
【0017】
図1乃至図5に示す第1の実施の形態において、回転断続装置11は、第1の被駆動部材と接続されて回転可能に配置された第1の出力軸12と、この第1の出力軸12と端部が互いに接近するよう同軸上に配置され、第2の被駆動部材と接続された回転可能の第2の出力軸13と、両出力軸12と13にわたって外嵌し、軸受14、14で回転可能に支持され、両出力軸12、13と同軸心状に配置された円筒状の入力外輪15と、上記第1の出力軸12と入力外輪15との間に設けられた第1の2方向クラッチ16と、上記第2の出力軸13と入力外輪15との間に設けられた第2の2方向クラッチ17と、両2方向クラッチ16、17の間に配置され、両2方向クラッチ16、17のロックとフリーを制御する制御手段18とで構成され、入力外輪15(以下、外輪という)は、第1の2方向クラッチ16の外方部材と第2の2方向クラッチ17の外方部材として同一回転するよう一体化され、歯車等の回転伝達部材15aを介して動力源と接続されている。
【0018】
上記第1の2方向クラッチ16と第2の2方向クラッチ17は、共に等しい構造を有し、同一部分に同一符号を付して説明する。
【0019】
図1と図2のように、外輪15の内径面に円筒面19が形成され、これに対応するよう第1の出力軸12及び第2の出力軸13にスプラインを介して別体のカム部材20が一体に回転するよう固定され、このカム部材20の外径面に所定の間隔をおいて複数の平坦なカム面(クラッチ面)21が形成され、各カム面21は、外輪15の円筒面19との間で円周方向の両側が狭幅になる楔状空間を形成している。
【0020】
前記第1の出力軸12及び第2の出力軸13に固定したカム部材20の外径面と外輪15の円筒面19の間に保持器22が外嵌挿入され、保持器22の一端側は環状の支持部材23を介してカム部材20に回転自在に支持され、この保持器22には、図2のように、周方向にカム面21と同じ数のポケット24が形成され、その各ポケット24に係合子としてのローラ25が組み込まれている。
【0021】
ローラ25は、カム部材20の各カム面21に対してそれぞれ1個ずつ組み込まれており、保持器22によって周方向の何れかに所定量移動すると、カム面21と円筒面19の間に係合し、第1の出力軸12と外輪15及び第2の出力軸13と外輪15を一体化する。
【0022】
図3で示すように、保持器22とカム部材20の両者には、外端側で周方向の一部に切り欠き部26、27が設けられ、そこに弾性部材であるスイッチばね28を撓ませてその両端部28aをセットする。
【0023】
保持器22とカム部材20は、互いの切り欠き部26、27が合致しているときは、カム部材20のカム面21と保持器22のポケット24及びローラ25の位置関係は、図4で示した如くローラ25が中立位置になるよう設定されており、ローラ25と円筒面19の間に隙間aが存在する。従って、スイッチばね28がセットされていると、第1の出力軸12及び第2の出力軸13と外輪15は係合されず、空転が可能な状態となる。
【0024】
図1で示すように、第1の2方向クラッチ16と第2の2方向クラッチ17の間に、両2方向クラッチ16と17のロックとフリーを外輪15の外部から制御する制御手段18が設けられている。
【0025】
この制御手段18は、両2方向クラッチ16と17の隣接する端部に、保持器22と回転方向に結合され、軸方向に移動しないよう対向面間に所定の間隔を形成して拘束された2枚の摩擦板29と、この摩擦板29の対向面間に軸方向への移動が可能となるよう配置され、外輪15と一体に回転する圧接部材30と、該圧接部材30を摩擦板29に対して圧接する位置と離反する位置に移動させる移動部材31とで形成されている。
【0026】
上記摩擦板29は、カム部材20に対して回転可能に嵌合する環状板で形成され、その外周部と保持器22の端部が切り欠きと突部の係合により、回転方向に一体となるよう結合され、また、圧接部材30は、外輪15の内部に納まる径を有し、対向する摩擦板29間に位置する環状板32と、外輪15の外側に位置する溝環33と、環状板32と溝環33を結合する複数本のアーム部34とからなり、外輪15の略中間部には、アーム部34を内外に貫通させる長孔35がアーム部34の数だけ設けられている。従って、圧接部材30は外輪15と一体に回転することになる。
【0027】
この圧接部材30を軸方向に移動させるための移動部材31は、回転断続装置11の近接位置に第1、第2の出力軸12、13と軸心が平行するロッド36を、適宜固定部分への取付けによって軸方向に移動自在となるよう配置し、このロッド36に固定したフオーク部材37を前記圧接部材30における溝環33に、軸方向へは一体に移動し、圧接部材30の回転を許容するように結合し、ロッド36の途中と固定部分38の間に位置決め機構39を設けた構造になっている。
【0028】
位置決め機構39は、ロッド36に3つの凹部40、41、42を軸方向に並べて設け、固定部分に固定した保持部材43に凹部40、41、42の何れかに係合する弾性が付勢されたボール44を組み込んで形成され、ロッド36を凹部40、41、42の間隔で位置決め停止させることができるようになっている。
【0029】
中央の凹部41は、ニュートラル位置であり、この凹部41がボール44に係合しているとき、圧接部材30の環状板32は、図1に示すように、両2方向クラッチ16、17の摩擦板に対して接触しない中立位置にある。
【0030】
また、図1右側の凹部40は、第1の2方向クラッチ16のロック用で同左側の凹部42は、第2の2方向クラッチ17のロック用となる。
【0031】
図1のニュートラル状態からロッド36を左右何れかに移動させて左右何れかの凹部40、42をボール44に係合させれば、フオーク部材37を介してロッド36と一体に圧接部材30が移動し、環状板32は両2方向クラッチ16、17の何れかの摩擦板29、29に対して接触することになる。なお、環状板32と摩擦板29、29の接触面は、接触時のスリップ発生を防ぐため、粗面に形成してある。
【0032】
図示省略したが、上記ロッド36はロッド36の位置センサを有するモータや油圧等のリニアアクチュエータ等により移動させ、ニュートラル状態と第1又は第2の2方向クラッチ16、17のロックの状態の検出と保持が行えるようになっている。
【0033】
第1の実施の形態の回転断続装置11は上記のような構成であり、ロッド36がニュートラル位置にあるとき、摩擦板29、29に対して環状板32は非接触になり、第1及び第2の2方向クラッチ16、17は、スイッチばね28の作用により、上述のようにローラ25はカム面21に係合しない中立位置へ保持され、第1と第2の2方向クラッチ16、17は共に出力軸12、13と外輪15の係合を解き、外輪15の回転が第1と第2の出力軸12、13の何れにも伝達されない。
【0034】
外輪15が回転する状態で、ロッド36を図1の左側に凹部40がボール44に係合する位置に移動させると、ロッド36と一体に移動する圧接部材30の環状板32が第1の2方向クラッチ16の摩擦板29に圧接し、この状態で外輪15と第1の出力軸12が相対回転しようとすると、外輪15と一体に回転する圧接部材30の環状板32と摩擦板29の間に発生した摩擦力によって、摩擦板29とこれと回転方向に一体となる保持器22に外輪15の回転が伝達され、第1の出力軸12に対して保持器22の位相が変化し、この位相の変化により図5のように、ローラ25はカム面21の中立位置から楔空間の係合位置へ移動し、第1の2方向クラッチ16は第1の出力軸12と外輪15を結合し、外輪15の回転が第1の出力軸12に伝達される。
【0035】
このとき、第2の2方向クラッチ17は、第2の出力軸13と外輪15の係合を解いているので、外輪15の回転は第2の出力軸13に伝達されることはない。
【0036】
次に、外輪15が回転する状態で、ロッド36を図1の右側に凹部42がボール44に係合する位置まで移動させると、ロッド36と一体に移動する圧接部材30の環状板32は、第1の2方向クラッチ16の摩擦板29から離れ、これにより、第1の2方向クラッチ16はスイッチばね28の作用により、ローラ25がカム面21に係合しない中立位置へ移動し、第1の出力軸12と外輪15の結合が解かれる。
【0037】
この後、圧接部材30は第2の2方向クラッチ17の摩擦板29に圧接し、上記した第1の2方向クラッチ16の場合と同様に第2の2方向クラッチ17がロックして第2の出力軸13と外輪15を結合し、外輪15の回転が第2の出力軸13に伝達される。
【0038】
このように第1の実施の形態の動力断続装置は、ニュートラルと第1の2方向クラッチ16のロック、第2の2方向クラッチ17のロックの選択ができる3モード型となる。
【0039】
図6は、動力断続装置の第2の実施の形態を示している。なお、上述した第1の実施の形態と同一部分については同一符号を付して説明に代え、相違する部分を説明する。それ以降の実施の形態についても同様である。
【0040】
この第2の実施の形態の動力断続装置11は、第1の実施の形態の移動部材31として、圧接部材30の移動を電磁コイルで行うようにしたものであり、圧接部材30を挟む両側の位置にコイルばね等の弾性部材51を設け、該圧接部材30に両摩擦板29、29から離れた中立位置に常時位置する弾性を付勢し、圧接部材30の溝環33にアーマチュア52を回転可能で軸方向に一体動するよう嵌合し、アーマチュア52を挟む両側の位置に電磁コイル53と53を固定配置し、通電した側の電磁コイル53にアーマチュア52を磁力で吸引して移動させ、この移動で圧接部材30を第1又は第2の2方向クラッチ16、17の摩擦板29に圧接させ、第1又は第2の2方向クラッチ16、17のロックを選択する。
【0041】
このように、第2の実施の形態の動力断続装置は、電磁コイル53と53への通電を切れば、圧接部材30が中立位置に保持されてニュートラルとなり、何れかの電磁コイル53の通電を行うことで、第1の2方向クラッチ16のロック、第2の2方向クラッチ17のロックの選択ができる3モード型となる。
【0042】
図7に示す第3の実施の形態の動力断続装置は、第1の2方向クラッチ16のロックと第2の2方向クラッチ17のロックの選択ができる2モード型の例であり、圧接部材30にコイルばね等の弾性部材51で、第1、第2の2方向クラッチ16、17の何れか一方の摩擦板29に対して圧接する弾性を付勢したものである。図7では第2の2方向クラッチ17の摩擦板29に常時圧接する弾性を付勢している。なお、移動部材31は、図1の第1の実施の形態と略同様の構造を採用している。
【0043】
従って、第2の2方向クラッチ17は常にロック状態となり、このままでは外輪15の回転が第2の出力軸13に伝達され、この状態から移動部材31のロッド36を弾性部材51の弾性に抗して、図7左側に移動させると、第2の2方向クラッチ17はロックが解けてフリーとなり、同時に第1の2方向クラッチ16がロックし、外輪15の回転が第1の出力軸12に伝達される。
【0044】
この第3の実施の形態の動力断続装置においては、第1の2方向クラッチ16のロック、第2の2方向クラッチ17のロックの選択ができる2モード型となり、移動部材31のロッド36の位置決めは2つの凹部40、42を設けるだけでよく、ロッド36の位置を検出する必要はない。
【0045】
図8に示す第4の実施の形態の動力断続装置は、第3の実施の形態と同様の第1の2方向クラッチ16のロックと第2の2方向クラッチ17のロックの選択ができる2モード型において、圧接部材30の移動を電磁コイル53で行うようにしたものであり、圧接部材30にコイルばね等の弾性部材51で、第1、第2の2方向クラッチ16、17の何れか一方の摩擦板29に対して圧接する弾性を付勢し、移動部材31は、圧接部材30の溝環33にアーマチュア52を軸方向に一体動するよう嵌合し、アーマチュア52に対して弾性部材51と同じ側の位置に電磁コイル53を配置したものである。
【0046】
この第4の実施の形態においては、電磁コイル53の通電を切った状態では、第2の2方向クラッチ17が常にロック状態となり、このままでは外輪15の回転が第2の出力軸13に伝達され、この状態から電磁コイル53に通電すると、弾性部材51の弾性に抗してアーマチュア52を磁力で吸引して移動させ、この移動で圧接部材30を第1の2方向クラッチ16の摩擦板29に圧接させ、第1の2方向クラッチ16がロックし、第2の2方向クラッチ17をフリーにする。
【0047】
図9に示す第5の実施の形態の動力断続装置11は、第1の2方向クラッチ16と第2の2方向クラッチ17のロックとフリーが個々に選択でき、ニュートラル、第1の2方向クラッチ16のロック、第2の2方向クラッチ17のロック及び第1、第2の2方向クラッチ16、17の同時ロックの4モード型の例である。
【0048】
この第5の実施の形態においては、第1の2方向クラッチ16の圧接部材30にコイルばね等の弾性部材51で摩擦板29に対して離反する方向の弾性を付勢し、移動部材31として、圧接部材30の溝環33にアーマチュア52を回転可能で軸方向に一体動するよう嵌合し、アーマチュア52に対して弾性部材51と同じ側の位置に電磁コイル53を配置している。
【0049】
また、第2の2方向クラッチ17においても、これと同様に、圧接部材30にコイルばね等の弾性部材51で摩擦板29に対して離反する方向の弾性を付勢し、移動部材31として、圧接部材30の溝環33にアーマチュア52を回転可能で軸方向に一体動するよう嵌合し、アーマチュア52に対して弾性部材51と同じ側の位置に電磁コイル53を配置している。
【0050】
従って、第1、第2の2方向クラッチ16と17は、電磁コイル53、53への通電切れのとき、共にロックが解かれてフリーとなり、外輪15の回転が第1、第2の出力軸12、13に伝わらないニュートラルの状態となる。
【0051】
また、何れかの電磁コイル53に対して通電すると、通電した側の第1又は第2の2方向クラッチ16と17がロックし、第1又は第2の2方向クラッチ16と17のロックが選択でき、外輪15の回転が第1、第2の出力軸12、13の何れかに伝達でき、更に両電磁コイル53、53に対して同時に通電すると、第1と第2の2方向クラッチ16と17を同時にロックでき、外輪15の回転を第1と第2の出力軸12、13の両方に同時に伝達することができる。
【0052】
図10と図11に示す第6の実施の形態の動力断続装置は、第1と第2の出力軸12、13の相対回転を可能にしたニュートラルの状態と、外輪15に対して第1と第2の出力軸12、13を同時に連結することができる2モード型の例である。
【0053】
この第6の実施の形態の動力断続装置11は、外輪15が、第1の2方向クラッチ16の外方部材と第2の2方向クラッチ17の外方部材として同一回転するよう一体化され、両2方向クラッチ16と17の保持器22も同一回転するよう一体化されている。
【0054】
第1の2方向クラッチ16と第2の2方向クラッチ17は、図11(A)に示すように、第1と第2の出力軸12、13に固定した別体の円筒部材20aの外周面を円筒面19とし、これと対向する外輪15の内周面に所定の間隔をおいて複数の平坦なカム面(クラッチ面)21が形成され、各カム面21は、円筒部材20aの円筒面19との間で円周方向の両側が狭幅になる楔状空間を形成し、それぞれに保持器22とローラ25を組み込んで形成されている。なお、保持器22を中立位置に保持するスイッチばね28は、図11(B)に示すように、その両端28aが保持器22の切り欠き26と外輪15の切り欠き27aとに係合し、保持器22に設けたポケット24は、第1の2方向クラッチ16と第2の2方向クラッチ17で位相を合わせて形成されている。
【0055】
上記スイッチばね28は、図11(B)では保持器22の内側に配置したが、該スイッチばね28は、図11(C)のごとく、外輪15の内周に沿うよう保持器22の外側に配置し、スイッチばね28の両端28aを内側に屈曲させ、その屈曲基部をストッパーピン54で外輪15に固定し、両端28aを保持器22の切り欠き26に係合させ、保持器22を中立位置に保持するようにしてもよい。
【0056】
前記両2方向クラッチ16、17の何れか一方の端部、図示では第2の2方向クラッチ17の端部に、保持器22を制御する電磁クラッチ55が、第2の出力軸13と外輪15の間に納まるように組み込まれている。
【0057】
上記電磁クラッチ55は、外輪15の端部から外部に突出する固定部材56に電磁コイル57を取付け、この電磁コイル57に対して回転可能に外嵌するロータ58が第2の出力軸13に一体に回転するよう固定され、ロータ58と対面するアーマチュア59が保持器22と回転方向に一体で軸方向に可動となるよう結合されている。
【0058】
この第6の実施の形態の動力断続装置11は、上記のような構成であり、電磁コイル57に通電しないときは、第1の2方向クラッチ16と第2の2方向クラッチ17は、スイッチばね28で保持器22が中立位置に保持され、しかも両2方向クラッチ16、17のポケット24は位相が等しいので、共にフリーの状態となり、外輪15の回転は両出力軸12、13に伝達されないと共に、両出力軸12、13は相対回転が可能なフリーの状態になる。
【0059】
また、第2の出力軸13に回転を伝達するために、電磁コイル57に通電すると、電磁コイル57、ロータ58、アーマチュア59間で磁気回路が形成され、電磁コイル57の吸引でアーマチュア59がロータ58に圧接して摩擦トルクが発生する。ロータ58は第2の出力軸13と一体に回転するよう固定され、アーマチュア59は保持器22と回転方向に結合されているので、アーマチュア59がロータ58に圧接すると、保持器22は外輪15と同方向に回動し、第2の2方向クラッチ17は、ローラ25が楔空間に対して食い込み、外輪15と第2ので力軸13を結合して回転を伝達する。
【0060】
このとき、第1の2方向クラッチ16においても、そのローラ25が楔空間に対して食い込み、第1の出力軸12を外輪15に結合し、外輪15の回転を第1の出力軸12に伝達することができる。
【0061】
電磁コイル57への通電を切れば、アーマチュア59とロータ58の結合が解け、保持器22は中立位置に戻るため、両2方向クラッチ16、17はフリーとなり、両出力軸12、13に対する回転の伝達が停止する。
【0062】
【発明の効果】
以上のように、この発明によると、2方向クラッチを、入力外輪が同一回転するように一体化して軸方向同軸上に2組配置し、両2方向クラッチのロックとフリーを、両2方向クラッチの間又は一方2方向クラッチの端部に配置した制御手段で各々の保持器を制御することによって行うようにしたので、入力外輪の回転の両出力軸に対する伝達と遮断の切り換えが制御手段を制御するのみで行え、しかも、入力外輪の共通化により、動力断続装置の軸方向の長さを短くしてコンパクト化を図ることができ、動力断続装置を組み込みスペースが狭い部分にも採用でき、用途の拡大が可能になる。
【0063】
また、両2方向クラッチに対する制御手段の構造を選ぶことにより、ニュートラルやロックの組み合わせからなる切り換えモードの選択肢が広い動力断続装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】動力断続装置の第1の実施の形態を示す縦断正面図
【図2】2方向クラッチの要部を示す縦断側面図
【図3】保持器とスイッチばねの関係構造を示す縦断側面図
【図4】2方向クラッチの要部を拡大した縦断側面図
【図5】2方向クラッチの要部を拡大したロック状態の縦断側面図
【図6】動力断続装置の第2の実施の形態を示す縦断正面図
【図7】動力断続装置の第3の実施の形態を示す縦断正面図
【図8】動力断続装置の第4の実施の形態を示す縦断正面図
【図9】動力断続装置の第5の実施の形態を示す縦断正面図
【図10】動力断続装置の第6の実施の形態を示す縦断正面図
【図11】(A)は第6の実施の形態における2方向クラッチの要部を示す縦断側面図、(B)は保持器とスイッチばねの関係構造を示す縦断側面図、(C)は同保持器とスイッチばねの関係構造を示す他の例の縦断側面図
【符号の説明】
11 動力断続装置
12 第1の出力軸
13 第2の出力軸
15 入力外輪
16 第1の2方向クラッチ
17 第2の2方向クラッチ
18 制御手段
19 円筒面
21 カム面
22 保持器
24 ポケット
25 ローラ
28 スイッチバネ
29 摩擦板
30 圧接部材
31 移動部材

Claims (9)

  1. 動力源からの動力を断続させる装置であって、動力源との接続によって回転する入力外輪とそれに嵌合して同軸心状に配置された出力軸の対向面の一方に円筒面を、他方にその円筒面との間で楔空間を形成する複数のカム面を形成し、上記入力外輪と出力軸の対向面間に設けた保持器のポケットに、入力外輪と出力軸の相対回転によって上記円筒面とカム面に係合する係合子を組み込み、弾性部材で上記保持器に係合子を係合しない中立位置に保持するための弾性を付勢した2方向クラッチを、軸方向同軸上に2組配置し、両2方向クラッチの入力外輪が同一回転するように一体化し、両2方向クラッチのロックとフリーを、両2方向クラッチの間に配置した制御手段で各々の保持器を制御することによって行うことを特徴とする動力断続装置。
  2. 制御手段が、両保持器に対して作用しないニュートラル位置と、何れか一方の保持器に対して作用する結合位置とを切り換えることができるようになっていることを特徴とする請求項1に記載の動力断続装置。
  3. 制御手段が、何れか一方の保持器に対して常時作用するよう結合位置を切り換えることができるようになっていることを特徴とする請求項1に記載の動力断続装置。
  4. 制御手段が、両保持器に対して作用しないニュートラル位置と、何れか一方の保持器に対して作用する結合と、両保持器に対して作用する結合とを切り換えることができるようになっていることを特徴とする請求項1に記載の動力断続装置。
  5. 制御手段が、保持器と回転方向に結合した摩擦板と、この摩擦板に対する圧接部材と、該圧接部材を摩擦板に対して圧接する位置と離反する位置に移動させる機械的な移動部材とで構成されていることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の動力断続装置。
  6. 制御手段が、保持器と回転方向に結合した摩擦板と、この摩擦板に対する圧接部材と、該圧接部材を摩擦板に対して圧接する位置に移動させる電磁コイルとで構成されていることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の動力断続装置。
  7. 動力源からの動力を断続させる装置であって、動力源との接続によって回転する入力外輪とそれに嵌合して同軸心状に配置された出力軸の対向面の一方に円筒面を、他方にその円筒面との間で楔空間を形成する複数のカム面を形成し、上記入力外輪と出力軸の対向面間に設けた保持器のポケットに、入力外輪と出力軸の相対回転によって上記円筒面とカム面に係合する係合子を組み込み、弾性部材で上記保持器に係合子を係合しない中立位置に保持するための弾性を付勢した2方向クラッチを、軸方向同軸上に2組配置し、両2方向クラッチの入力外輪及び保持器が同一回転するように一体化し、両2方向クラッチの何れか一方の端部に、保持器を制御することによって2方向クラッチのロックとフリーを行う制御手段を設けたことを特徴とする動力断続装置。
  8. 制御手段が、出力軸と相対回転不能に嵌合された摩擦フランジと、保持器と回転不能、軸方向可動に嵌合されたアーマチュアと、摩擦フランジとアーマチュアを互いに吸引させる電磁石で形成されていることを特徴とする請求項7に記載の動力断続装置。
  9. 前記出力軸が、2方向クラッチの係合子がロックするクラッチ面を有する別体のカム部材を有することを特徴とする請求項1乃至8の何れかに記載の動力断続装置。
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