JP2000240690A - 動力断続装置 - Google Patents

動力断続装置

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JP2000240690A
JP2000240690A JP11046842A JP4684299A JP2000240690A JP 2000240690 A JP2000240690 A JP 2000240690A JP 11046842 A JP11046842 A JP 11046842A JP 4684299 A JP4684299 A JP 4684299A JP 2000240690 A JP2000240690 A JP 2000240690A
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Takahide Saito
隆英 斎藤
Tatsuo Kawase
達夫 川瀬
Takashi Nozaki
孝志 野崎
Makoto Yasui
誠 安井
Shiro Goto
司郎 後藤
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NTN Corp
Original Assignee
NTN Corp
NTN Toyo Bearing Co Ltd
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  • Arrangement And Mounting Of Devices That Control Transmission Of Motive Force (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 軸方向に対してコンパクト化を図ることがで
き、組み込みスペースが狭い部分にも採用でき、用途の
拡大を実現することができる動力断続装置を提供する。 【解決手段】 動力軸と接続された第1の入力部材12
と、この第1の入力部材12と同軸心状に配置された出
力部材14と、上記第1の両部材12、14間に設けら
れた第1の2方向クラッチ15と、上記出力部材14と
同軸心状に配置された第2の入力部材17と、上記出力
部材14と第2の入力部材17間で第1の2方向クラッ
チ15の外側に二段的な配置で設けられた第2の2方向
クラッチ18とからなり、動力の断続を第1及び第2の
2方向クラッチ15、18を制御手段19、20で制御
することによって行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、動力の伝達経路
上において、動力の伝達と遮断の切り換えに用いられる
動力断続装置に関する。
【0002】
【従来の技術】各種機器や車両において、異なる二つの
動力源の回転を選択的に取り出して駆動する場合、動力
の伝達経路上に動力断続装置を組み込み使用する必要が
ある。
【0003】このような動力断続装置においては、例え
ば、一方動力源の回転を出力部材に伝達するとき他方動
力源と出力部材の結合を解き、他方動力源の回転を出力
部材に伝達するときは一方動力源と出力部材の結合を解
き、又は、両動力源を出力部材に結合し、出力部材の回
転と共に一方動力源で他方動力源を駆動するような機能
が要求され、この機能を得るために、二つの動力源と出
力部材の個々の結合と切り離しを行う二つのクラッチ機
構の採用が必要になる。
【0004】従来、上記のような動力断続装置は、二つ
のクラッチ機構を出力部材の軸方向に間隔をおいて配置
し、一方のクラッチ機構に一方動力源と連なる入力部材
を、他方のクラッチ機構に他方動力源と連なる入力部材
をそれぞれ組み合わせた構造になっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
な従来の動力断続装置は、二つのクラッチ機構を出力部
材の軸方向に間隔をおいて配置する関係上、全長が軸方
向に長くなり、組み込みスペースが狭い部分には使用す
ることができず、採用できる部分に制約がある。
【0006】そこで、この発明の課題は、軸方向に対し
てコンパクト化を図ることができ、組み込みスペースが
狭い部分にも採用でき、用途の拡大を実現することがで
きる動力断続装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記のような課題を解決
するため、請求項1の発明は、動力源からの動力を断続
させる装置であって、動力軸と接続された第1の入力部
材とそれに嵌合して同軸心状に配置された出力部材の対
向面の一方に円筒面を、他方にその円筒面との間で楔空
間を形成する複数のカム面を形成し、上記第1の入力部
材と出力部材の対向面間に設けた保持器のポケットに、
第1の入力部材と出力部材の相対回転によって上記円筒
面とカム面に係合する係合子を組み込んで第1の2方向
クラッチを構成し、上記出力部材とそれに嵌合して同軸
心状に配置された第2の入力部材の対向面の間に、前記
第1の2方向クラッチと同様の構造を有する第2の2方
向クラッチを構成し、この第2の2方向クラッチが上記
第1の2方向クラッチの径方向外側に同軸状で位置する
よう両2方向クラッチを2段的に配置し、前記出力部材
を第1の2方向クラッチの外方部材と第2の2方向クラ
ッチの内方部材として共用一体化し、両2方向クラッチ
のロックとフリーを各々の保持器を制御手段で制御する
ことによって行う構成を採用したものである。
【0008】請求項2の発明は、請求項1の発明におい
て、前記第1の入力部材が、第1の2方向クラッチの係
合子がロックするクラッチ面を有する別体の部材を有す
る構成を採用したものである。
【0009】請求項3の発明は、請求項1の発明におい
て、前記出力部材が、第2の2方向クラッチの係合子が
ロックするクラッチ面を有する別体の部材を有する構成
を採用したものである。
【0010】請求項4の発明は、請求項1乃至3の発明
において、前記係合子が、ローラである構成を採用した
ものである。
【0011】請求項5の発明は、動力源からの動力を断
続させる装置であって、動力軸と接続された第1の入力
部材とそれに嵌合して同軸心状に配置された出力部材の
対向面にそれぞれ円筒面を形成し、上記第1の入力部材
と出力部材の対向面間に設けた保持器のポケットに、第
1の入力部材と出力部材の相対回転によって上記両円筒
面と係合する係合子を組み込んで第1の2方向クラッチ
を構成し、上記出力部材とそれに嵌合して同軸心状に配
置された第2の入力部材の対向面の間に、前記第1の2
方向クラッチと同様の構造を有する第2の2方向クラッ
チを構成し、この第2の2方向クラッチが上記第1の2
方向クラッチの径方向外側に同軸状で位置するよう両2
方向クラッチを2段的に配置し、前記出力部材を第1の
2方向クラッチの外方部材と第2の2方向クラッチの内
方部材として共用一体化し、両2方向クラッチのロック
とフリーを各々の保持器を制御手段で制御することによ
って行う構成を採用したものである。
【0012】請求項6の発明は、請求項5の発明におい
て、前記係合子が、スプラグである構成を採用したもの
である。
【0013】請求項7の発明は、請求項1乃至6の発明
において、前記制御手段が、電磁石からなる構成を採用
したものである。
【0014】請求項8の発明は、請求項1乃至7の発明
において、前記出力部材の途中又は出力部材と第2の入
力部材の間に、ショックを和らげる抵抗手段を設けた構
成を採用したものである。
【0015】請求項9の発明は、請求項8の発明におい
て、前記抵抗手段が、多板クラッチである構成を採用し
たものである。
【0016】請求項10の発明は、請求項8の発明にお
いて、前記抵抗手段が、単板クラッチである構成を採用
したものである。
【0017】請求項11の発明は、請求項8の発明にお
いて、前記抵抗手段が、ゴム又は同効の弾性体である構
成を採用したものである。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図
示例と共に説明する。
【0019】図1乃至図6に示す第1の実施の形態にお
いて、回転断続装置11は、動力軸と接続されて回転可
能に配置された軸体である第1の入力部材12と、この
第1の入力部材12に外嵌して軸受13で回転可能に支
持され、該入力部材12と同軸心状に配置された円筒状
の出力部材14と、上記第1の入力部材12と出力部材
14との間に設けられた第1の2方向クラッチ15と、
上記出力部材14に外嵌して軸受16で回転可能に支持
され、該出力部材14と同軸心状に配置された円筒状の
第2の入力部材17と、上記第2の入力部材17と出力
部材14との間に設けられた第2の2方向クラッチ18
とからなり、動力の断続を第1及び第2の2方向クラッ
チ15、18を第1及び第2の制御手段19、20で制
御することによって行う構成になっている。
【0020】図示のように、出力部材14は、第1の2
方向クラッチ15の外方部材と第2の2方向クラッチ1
8の内方部材として共用一体化し、第1の2方向クラッ
チ15と第2の2方向クラッチ18は、第2の2方向ク
ラッチ18が上記第1の2方向クラッチ15の径方向外
側に同軸状で位置するよう2段的な配置となり、また、
第1及び第2の制御手段19、20も、第1の制御手段
19の径方向外側に第2の制御手段20が同軸状で位置
するよう2段的な配置となっている。
【0021】上記第1の2方向クラッチ15は、図1と
図2のように、出力部材14の内径面に円筒面21が形
成され、これに対応するよう第1の入力部材12にスプ
ライン22を介して別体のカム部材23が一体に回転す
るよう固定され、このカム部材23の外径面に所定の間
隔をおいて複数の平坦なカム面(クラッチ面)24が形
成され、各カム面24は、出力部材14の円筒面21と
の間で円周方向の両側が狭幅になる楔状空間を形成して
いる。
【0022】前記第1の入力部材12に固定したカム部
材23の外径面と出力部材14の円筒面21の間に第1
の保持器25が外嵌挿入され、第1の保持器25の一端
はプレート26を介してカム部材23に回転自在に支持
され、この保持器25には、図2のように、周方向にカ
ム面24と同じ数のポケット25aが形成され、その各
ポケット25aに係合子としてのローラ27が組み込ま
れている。ローラ27は、カム部材23の各カム面24
に対してそれぞれ1個ずつ組み込まれており、第1の保
持器25によって周方向の何れかに所定量移動すると、
カム面24と円筒面21の間に係合し、第1の入力部材
12と出力部材14を一体化する。
【0023】図4で示すように、第1の保持器25とカ
ム部材23の両者には、周方向の一部に切り欠き部2
8、28aが設けられ、そこに弾性部材であるスイッチ
ばね29を撓ませてその両端部29aをセットする。
【0024】ここで、両者の切り欠き部28、28a
は、後述するアーマチュアに隣接する側面に設けられて
いる。
【0025】第1の保持器25とカム部材23は、互い
の切り欠き部28、28aが合致しているときは、カム
部材23のカム面24と保持器25のポケット25a及
びローラ27の位置関係は、図3で示した如くローラ2
7が中立位置になるよう設定されており、ローラ27と
円筒面21の間に隙間aが存在する。従って、スイッチ
ばね29がセットされていると、第1の入力部材12と
出力部材14は係合されず、空転が可能な状態となる。
【0026】図1で示すように、出力部材14の端部は
一段大径になり、この大径部分の内側と第1の入力部材
12の間に第1の制御手段19である第1の電磁クラッ
チAが組み込まれている。
【0027】この電磁クラッチAは、第1の出力部材1
4の端部より外側に位置する固定部材30に電磁コイル
31を収納するフィールドコア32が嵌合固定され、こ
のフィールドコア32に回転可能となるよう外嵌するロ
ータ33が、第1の入力部材12に嵌挿したロータガイ
ド34と出力部材14の内部に嵌挿したロータガイド3
5との間に組み込まれ、ロータ33とロータガイド35
はピン36によって出力部材14と結合され、このロー
タ33と第1の保持器25の間に、電磁コイル31の磁
力によって移動吸着されるアーマチュア37がロータ3
3と対面するよう配置されている。
【0028】上記アーマチュア37は、カム部材23に
嵌挿した保持部材38で、軸方向に移動可能で一体に回
転するよう支持され、この保持部材38は第1の保持器
25の切り欠き部28と係合し、該アーマチュア37と
第1の保持器25は、保持部材38を介して回転方向に
一体化されている。
【0029】このアーマチュア37は、スプリング39
でロータ33に対して常時離反する方向の弾性が軽く付
勢され、電磁コイル31への通電による磁力によって移
動してロータ33に吸着固定化され、また、電磁コイル
31に通電がないときは、アーマチュア37とロータ3
3の対向面間に隙間を形成し、ロータ33とアーマチュ
ア37の相対回転時における対向面の摩耗発生を防いで
いる。
【0030】従って、フィールドコア32は固定部材で
あり、また、出力部材14、ロータガイド35、ロータ
33はピン36の結合でいかなるときも相対回転しない
と共に、ロータ33が出力部材14に固定された摩擦部
材となる。
【0031】すなわち、ロータ33は出力部材14とつ
ながっており、アーマチュア37は、保持器25、スイ
ッチばね29、カム部材23を介して第1の入力部材1
2とつながつているため、出力部材14と第1の入力部
材12の相対回転が可能である。
【0032】前記第2の2方向クラッチ18は、第2の
入力部材17の内径面に円筒面40が形成され、これに
対応するよう出力部材14の外径にスプライン41を介
してカム部材42が一体に回転するよう固定され、この
カム部材42の外径面に所定の間隔をおいて複数の平坦
なカム面43が形成され、各カム面43は、第2の入力
部材17の円筒面40との間で円周方向の両側が狭幅に
なる楔状空間を形成している。
【0033】前記出力部材14に固定したカム部材42
の外径面と第2の入力部材17の円筒面40の間に第2
の保持器44が挿入され、第2の保持器44の一端はプ
レート45を介してカム部材42に回転自在に支持さ
れ、この保持器44には、図2のように、周方向にカム
面43と同じ数のポケット46が形成され、その各ポケ
ット46に係合子としてのローラ47が組み込まれてい
る。ローラ47は、カム部材42の各カム面43に対し
てそれぞれ1個ずつ組み込まれており、第2の保持器4
4によって周方向の何れかに所定量移動すると、カム面
43と円筒面40の間に係合し、第2の入力部材17と
第2の出力部材14を一体化する。
【0034】図示省略したが、第1の2方向クラッチ1
5と同様に、第2の保持器44とカム部材42の両者に
は、周方向の一部に切り欠き部が設けられ、そこに弾性
部材であるスイッチばね48を撓ませて両端をセットす
る。
【0035】第2の保持器44とカム部材42は、互い
の切り欠き部が合致しているときは、カム部材42のカ
ム面43と保持器44のポケット46及びローラ47の
位置関係は、図3で示したと同様に、ローラ47が中立
位置になるよう設定されており、ローラ47と円筒面4
0の間に隙間が存在する。従って、スイッチばね48が
セットされていると、第2の入力部材17と出力部材1
4は係合されず、空転が可能な状態となる。
【0036】図1に示すように、第2の入力部材17の
端部は一段大径になり、この大径部分の内側と出力部材
14の間に第2の制御手段20である第2の電磁クラッ
チBが組み込まれている。
【0037】この電磁クラッチBは、第2の入力部材1
7の端部より外側に位置する固定部材30に電磁コイル
49を収納するフィールドコア50が嵌合固定され、こ
のフィールドコア50に回転可能となるよう外嵌するロ
ータ51が、第2の入力部材17に嵌挿したロータガイ
ド52と出力部材14の外部に嵌挿したロータガイド5
3との間に組み込まれ、ロータ51とロータガイド53
はピン54によって第2の入力部材17と結合され、こ
のロータ51と第2の保持器44の間に、電磁コイル4
9の磁力によって移動吸着されるアーマチュア55がロ
ータ51と対面するよう配置されている。
【0038】上記アーマチュア55は、カム部材42に
嵌挿した保持部材56で、軸方向に移動可能で一体に回
転するよう支持され、この保持部材56は第2の保持器
44の切り欠き部と係合し、該アーマチュア55と第2
の保持器44は、保持部材56を介して回転方向に一体
化されている。
【0039】このアーマチュア55は、スプリング57
でロータ51に対して常時離反する方向の弾性が軽く付
勢され、電磁コイル49への通電による磁力によって移
動し、ロータ51に吸着固定化され、また、電磁コイル
49に通電がないときは、アーマチュア55とロータ5
1の対向面間に隙間を形成し、ロータ51とアーマチュ
ア55の相対回転時における対向面の摩耗発生を防いで
いる。
【0040】従って、フィールドコア50は固定部材で
あり、また、第2の入力部材17、ロータガイド52、
ロータ55はいかなるときも相対回転しないと共に、ロ
ータ55が第2の入力部材17に固定された摩擦部材と
なる。
【0041】すなわち、ロータ55は第2の入力部材1
7とつながっており、アーマチュア55は、保持器4
4、スイッチばね48、カム部材42を介して第2の出
力部材14とつながっているため、出力部材14と第2
の入力部材17の相対回転が可能である。
【0042】図1で示したように、上記した第2の2方
向クラッチ18は、第1の2方向クラッチ15の径方向
の外側に位置し、第2の電磁クラッチBは、第1の電磁
クラッチAの径方向の外側に位置するよう配置され、こ
の二段配置により動力断続装置11の軸方向の長さを短
尺化することができる。
【0043】図5と図6は、第1の2方向クラッチ15
において、ローラ27を常に一方の係合位置に保持する
ようにした例を示している。この例では、第1の保持器
25とカム部材23に設けた切り欠き部28、28aに
対し、スイッチばね29の一端をカム部材23の切り欠
き部28に係合させ、スイッチばね29の他端を第1の
保持器25の切り欠き部28aに係合させることによ
り、カム部材23に対して第1の保持器25に一方周方
向への回転弾性を付勢し、ローラ27を一方の係合位置
に保持している。
【0044】このように、第1の2方向クラッチ15を
常時一方に係合状態とすれば、第1の電磁クラッチAに
よる一方への係合のための制御が省けるという利点があ
る。なお、第2の2方向クラッチ18も当然ながら同様
の構造を採用すればよい。
【0045】第1の実施の形態の回転断続装置11は上
記のような構成であり、第1及び第2の電磁コイル3
1、49への電流が流れていないとき、第1及び第2の
2方向クラッチ15、18は、スイッチばね29、48
の作用により、上述のようにローラ27、47はカム面
24、43に係合しない中立位置へ保持され、第1の2
方向クラッチ15は第1の入力部材12と出力部材14
の係合を解き、かつ、第2の2方向クラッチ18は第2
の入力部材17と出力部材14の係合を解き、第1及び
第2の入力部材12、17の回転が出力部材14に伝達
されない。
【0046】第1の入力部材12が回転する状態で、第
1の電磁クラッチAの電磁コイル31に電流が流れる
と、該電磁コイル31の磁力により、アーマチュア37
とロータ33が圧接され、この状態で第1の入力部材1
2と出力部材14が相対空転しようとすると、アーマチ
ュア37とロータ33間に発生した摩擦力によって、保
持器25との出力部材14を一体化させるため、ローラ
27はカム面24の中立位置から楔空間の係合位置へ移
動し、第1の2方向クラッチ15は第1の入力部材12
と出力部材14を結合し、第1の入力部材12の回転が
出力部材14に伝達される。
【0047】したがって、第1の電磁クラッチAの電磁
コイル31をONすると、第1の入力部材12と出力部
材14をロックできるのである。このとき、ローラ27
が係合位置に移動するが、図4に示すように、スイッチ
ばね29が保持器25に作用する一方向の力は、アーマ
チュア37から作用するモーメントに対して軸方向に隣
接しており、保持器25には中心軸に垂直な軸まわりの
モーメントは働かない。このため、保持器25は第1の
入力部材12に対してスムーズに回ることができ、特に
軸受等を用いる必要がない。
【0048】また、上記のように、スイッチばね29を
係止する切り欠き部28aとアーマチュア37の支持部
材38が係合する切り欠きを共通で用いることにより、
加工工数を減らし、コストダウンを図ることができる。
【0049】次に、第2の入力部材17が回転する状態
で、第2の電磁コイル49に電流が流れると、上記した
第1の電磁クラッチAの場合と同様、該電磁コイル49
の磁力により、アーマチュア55とロータ51が圧接さ
れ、この状態で第2の入力部材17と出力部材14が相
対空転しようとすると、アーマチュア55とロータ51
間に発生した摩擦力によって、第2の保持器44と第2
の入力部材17を一体化させるため、ローラ47はカム
面43の中立位置から楔空間の係合位置へ移動し、第2
の2方向クラッチ18は第2の入力部材17と出力部材
14を結合し、第2の入力部材17の回転が出力部材1
4に伝達される。
【0050】このように、第1又は第2の入力部材1
2、17が回転する状態で、第1、第2の電磁クラッチ
A、BをON、OFF制御することにより、第1、第2
の入力部材12、17の回転を出力部材14に対して伝
達と切り離しが行え、しかも、第1、第2の入力部材1
2、17の相互間の回転伝達も可能になり、動力断続装
置11を駆動力の伝達と遮断を切り換える用途に広く使
用できる。
【0051】即ち、第1、第2の入力部材12、17の
一方が回転する状態で、第1、第2の電磁クラッチA、
Bの双方をONすると、第1、第2の2方向クラッチ1
5、18は共に係合状態となり、出力部材14を介して
第1、第2の入力部材12、17は直結され、相互間の
回転伝達が行える。
【0052】図7と図8は、動力断続装置11の第2の
実施の形態を示している。この第2の実施の形態では、
第1、第2の2方向クラッチ15、18の係合子にスプ
ラグを用いている。なお、第1、第2の2方向クラッチ
15、18は基本的な構造が等しいので、第1の2方向
クラッチ15の場合を例に説明する。
【0053】第1の入力部材12の外径面と出力部材1
4の対向する内径面に円筒形の係合面61と62を設
け、両係合面61と62間に径の異なる制御用保持器6
3と固定保持器64が組み込まれ、両保持器63と64
にはそれぞれ複数のポケット65、66が周方向に等間
隔に形成され、その対向するポケット65、66内に係
合子としてのスプラグ67が挿入され、このスプラグ6
7の両端は、周方向のどちらか一方に倒れたとき、係合
面61と62に係合して、第1の入力部材12と出力部
材14を結合する円弧面68、68になっている。
【0054】上記制御用保持器63には、スプラグ67
を両側から保持するためのスプリング69が設けられ、
この制御用保持器63は第1の電磁クラッチAにおける
アーマチュア37と、回転方向に一体で軸方向に移動可
能となるよう結合され、固定保持器64は第1の入力部
材12に固定され、制御用保持器63と固定保持器64
に設けた切り欠け部にスイッチばね70の両端が係合
し、制御用保持器63を介してスプラグ67を中立の位
置に保持するようになっている。
【0055】この第1の2方向クラッチ15において
は、第1の電磁クラッチAの通電をONしたとき、アー
マチュア37がロータ33に吸着することにより、制御
用保持器63と固定保持器64に周方向への位相のずれ
が生じ、スプラグ67が傾斜することにより第1の入力
部材12の回転が出力部材14に伝達されることにな
る。
【0056】図9乃至図12は、動力断続装置11の第
3の実施の形態を示している。この第3の実施の形態
は、出力部材14の途中、又は第2の入力部材17と出
力部材14の間に、ショックを和らげる抵抗手段を設け
たものである。
【0057】図9に示す第1の例は、出力部材14の途
中を分断して内外に嵌め合わせ、その内部に抵抗手段7
1として多板クラッチ72を組み込んだものであり、こ
の多板クラッチ72は、内側の出力部材14aに対して
回転不能で軸方向の可動となる複数枚のインナープレー
ト73と、外側の出力部材14に対して回転不能で軸方
向の可動となる複数枚のアウタープレート74を交互に
重ね合わせ、これらを板ばね75で軸方向に圧接させた
構造になっている。
【0058】図10に示す第2の例は、第1の出力部材
14を途中で分断し、この分断した出力部材14aと1
4bを、抵抗手段71としてゴムや同効の弾性材料で形
成した弾性カップリング76で結合した構造になってい
る。
【0059】図11に示す第3の例は、第2の入力部材
17と出力部材14の間に抵抗手段71として、第2の
電磁クラッチBに多板クラッチ77を採用したものであ
る。この多板クラッチ77は、第2の入力部材17に対
して回転不能で軸方向の可動となる複数枚のアウタープ
レート78と、出力部材14に対して回転不能で軸方向
の可動となる複数枚のインナープレート79とを交互に
重ね合わせ、固定配置となる電磁コイル82への通電に
よる磁力でアウタープレート78とインナープレート7
9を圧着し、第2の入力部材17と出力部材14を結合
するようになっている。
【0060】図12に示す第4の例は、抵抗手段71と
して、上記多板クラッチ77に代えて、第2の入力部材
12と出力部材14の間に単板クラッチ80を設けたも
のである。この単板クラッチ80は、第2の入力部材1
7の端部にクラッチ板81を回転不能で軸方向に可動と
なるよう設け、固定配置となる電磁コイル82aへの通
電による磁力でクラッチ板81を吸着することにより、
第2の入力部材17と出力部材14を結合するようにな
っている。
【0061】この第3の実施の形態における各例の動力
断続装置11は、出力部材14の途中、又は第2の入力
部材17と出力部材14の間に、ショックを和らげる抵
抗手段71を設けたことにより、第1又は第2の2方向
クラッチ15、18が係合した回転連結時に、出力部材
14に生じる衝撃を、抵抗手段71のスリップや回転方
向への弾力的な撓みにより吸収して緩和することがで
き、衝撃のない円滑な回転伝達の切り換えが行える。
【0062】なお、抵抗手段71として、第2の入力部
材17と出力部材14の間に多板クラッチ77や単板ク
ラッチ80を採用した例では、第2の入力部材17と出
力部材14の結合と切り離しが直接行えるので、第2の
2方向クラッチ18の使用を省くことができる。
【0063】
【発明の効果】以上のように、この発明によると、動力
軸と接続された第1の入力部材と、この第1の入力部材
と同軸心状に配置された出力部材と、上記第1の両部材
間に設けられた第1の2方向クラッチと、上記出力部材
と同軸心状に配置された第2の入力部材と、上記第2の
両部材間に設けられた第2の2方向クラッチとからな
り、第1と第2の2方向クラッチを径方向に二段重ねに
配置し、かつ、動力の断続を第1及び第2の2方向クラ
ッチを制御手段で制御することによって行うようにした
ので、第1及び第2の入力部材の回転の出力部材に対す
る伝達と遮断の切り換えが制御手段を制御するのみで行
え、しかも、第1と第2の2方向クラッチの径方向への
二段重ねの配置により、動力断続装置の軸方向の長さを
短くしてコンパクト化を図ることができ、動力断続装置
を組み込みスペースが狭い部分にも採用でき、用途の拡
大が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】動力断続装置の第1の実施の形態を示す縦断面
【図2】図1の矢印II-II に沿う断面図
【図3】2方向クラッチの要部を拡大した断面図
【図4】保持器とスイッチばねの関係構造を示す断面図
【図5】2方向クラッチの他の例を示す断面図
【図6】2方向クラッチの他の例とスイッチばねの関係
構造を示す断面図
【図7】動力断続装置の第2の実施の形態を示し、
(A)はスプラグを用いた2方向クラッチの縦断正面
図、(B)は同縦断側面図
【図8】(A)と(B)は同上のスプラグの作動を示す
拡大断面図
【図9】動力断続装置の第3の実施の形態の第1の例を
示す縦断面図
【図10】動力断続装置の第3の実施の形態の第2の例
を示す縦断面図
【図11】動力断続装置の第3の実施の形態の第3の例
を示す縦断面図
【図12】動力断続装置の第3の実施の形態の第4の例
を示す縦断面図
【符号の説明】
11 回転伝達装置 12 第1の入力部材 14 出力部材 15 第1の2方向クラッチ 17 第1の入力部材 18 第2の2方向クラッチ 19 第1の制御手段 20 第2の制御手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 野崎 孝志 静岡県磐田市東貝塚1578番地 エヌティエ ヌ株式会社内 (72)発明者 安井 誠 静岡県磐田市東貝塚1578番地 エヌティエ ヌ株式会社内 (72)発明者 後藤 司郎 静岡県磐田市東貝塚1578番地 エヌティエ ヌ株式会社内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 動力源からの動力を断続させる装置であ
    って、動力軸と接続された第1の入力部材とそれに嵌合
    して同軸心状に配置された出力部材の対向面の一方に円
    筒面を、他方にその円筒面との間で楔空間を形成する複
    数のカム面を形成し、上記第1の入力部材と出力部材の
    対向面間に設けた保持器のポケットに、第1の入力部材
    と出力部材の相対回転によって上記円筒面とカム面に係
    合する係合子を組み込んで第1の2方向クラッチを構成
    し、上記出力部材とそれに嵌合して同軸心状に配置され
    た第2の入力部材の対向面の間に、前記第1の2方向ク
    ラッチと同様の構造を有する第2の2方向クラッチを構
    成し、この第2の2方向クラッチが上記第1の2方向ク
    ラッチの径方向外側に同軸状で位置するよう両2方向ク
    ラッチを2段的に配置し、前記出力部材を第1の2方向
    クラッチの外方部材と第2の2方向クラッチの内方部材
    として共用一体化し、両2方向クラッチのロックとフリ
    ーを各々の保持器を制御手段で制御することによって行
    うことを特徴とする動力断続装置。
  2. 【請求項2】 前記第1の入力部材が、第1の2方向ク
    ラッチの係合子がロックするクラッチ面を有する別体の
    部材を有することを特徴とする請求項1に記載の動力断
    続装置。
  3. 【請求項3】 前記出力部材が、第2の2方向クラッチ
    の係合子がロックするクラッチ面を有する別体の部材を
    有することを特徴とする請求項1に記載の動力断続装
    置。
  4. 【請求項4】 前記係合子が、ローラであることを特徴
    とする請求項1乃至3の何れかに記載の動力断続装置。
  5. 【請求項5】 動力源からの動力を断続させる装置であ
    って、動力軸と接続された第1の入力部材とそれに嵌合
    して同軸心状に配置された出力部材の対向面にそれぞれ
    円筒面を形成し、上記第1の入力部材と出力部材の対向
    面間に設けた保持器のポケットに、第1の入力部材と出
    力部材の相対回転によって上記両円筒面と係合する係合
    子を組み込んで第1の2方向クラッチを構成し、上記出
    力部材とそれに嵌合して同軸心状に配置された第2の入
    力部材の対向面の間に、前記第1の2方向クラッチと同
    様の構造を有する第2の2方向クラッチを構成し、この
    第2の2方向クラッチが上記第1の2方向クラッチの径
    方向外側に同軸状で位置するよう両2方向クラッチを2
    段的に配置し、前記出力部材を第1の2方向クラッチの
    外方部材と第2の2方向クラッチの内方部材として共用
    一体化し、両2方向クラッチのロックとフリーを各々の
    保持器を制御手段で制御することによって行うことを特
    徴とする動力断続装置。
  6. 【請求項6】 前記係合子が、スプラグであることを特
    徴とする請求項5に記載の動力断続装置。
  7. 【請求項7】 前記制御手段が、電磁石からなることを
    特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の動力断続装
    置。
  8. 【請求項8】 前記出力部材の途中又は出力部材と第2
    の入力部材の間に、ショックを和らげる抵抗手段を設け
    たことを特徴とする請求項1乃至7の何れかに記載の動
    力断続装置。
  9. 【請求項9】 前記抵抗手段が、多板クラッチであるこ
    とを特徴とする請求項8に記載の動力断続装置。
  10. 【請求項10】 前記抵抗手段が、単板クラッチである
    ことを特徴とする請求項8に記載の動力断続装置。
  11. 【請求項11】 前記抵抗手段が、ゴム又は同効の弾性
    体であることを特徴とする請求項8に記載の動力断続装
    置。
JP11046842A 1999-02-24 1999-02-24 動力断続装置 Pending JP2000240690A (ja)

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DE10008278A DE10008278A1 (de) 1999-02-24 2000-02-23 Vorrichtung zur Leistungsübertragung/-unterbrechung
US09/511,786 US6257386B1 (en) 1999-02-24 2000-02-23 Power cut/connect device

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