JP3935604B2 - コンバイン - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンバインの前部に配置し、穀稈を引き起し、刈り取り、脱穀部へ搬送する刈取部を、左右にスライド可能とし、該刈取部のスライドに追随して縦搬送装置を回動するようにする構成に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来からコンバインによる刈取作業は、圃場の周囲から中央に順次回りながら刈り取る「回り刈り作業」と、圃場の幅方向の中途部を刈り取って刈取作業効率を上げる「中割り作業」が行われるが、圃場端の畦際刈取作業や中割り作業の場合には刈取部を機体中央側にスライドさせて機体幅全面で刈取作業を行い、回り刈り作業の場合には未刈り側の穀稈から離れて、未刈り穀稈を踏みつけたり、切断藁を未刈り側へ排出しないように、刈取部を未刈り側へスライドさせて刈取作業を行えるようにしたコンバインが公知となっている。例えば、特開平7−303412号公報の技術である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前記特開平7−303412号の技術は、刈取部の上下回動支点となる横回動支点パイプから前下方へ縦連結パイプを延設して、該縦連結パイプの前下端にギアケースを設けてスライドパイプを左右方向に摺動自在に支持し、該スライドパイプに刈取フレームを取り付けて刈取部をスライド可能に支持していた。
そして、この刈取部の下部搬送装置の後部と、縦搬送装置の前部の間に連結機構を設けて、縦搬送装置が刈取部のスライドに追随するように構成していた。
【0004】
しかし、前記縦搬送装置の前部は、下部搬送装置の後部と連結アームによって連結していたのであるが、該連結アームの両端は軸で枢結する構成であったために、刈取部をスライドさせたり、縦搬送装置を昇降させたときに捩じれたり無理な力がかかったり、スムースな回動ができないことがあった。
また、前記縦搬送装置は穀稈の穂先部が脱穀部の定位置へ搬送されるように回動させて扱き深さを調節できるようにしており、この扱き深さを調節するために、モーターによって縦搬送装置を回動するようにしていたが、該モーターを取り付けるブラケットが、板体を略水平方向に設けられていたために、ブラケット上に配置されたリミットスイッチの部分や摺動部等に藁屑や塵埃等が堆積して、動作不良の原因となっていたのである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次に該課題を解決するための手段を説明する。
請求項1においては、刈取部6の上下回動支点軸22から前方に突設した縦連結パイプ25の先端において、該刈取部6を左右スライド可能し、該縦連結パイプ25の側に縦搬送装置45を付設し、該縦搬送装置45を穀稈の扱き深さを調節の為に、フィードチェーン8に対して位置調節すべく構成し、該刈取部6の左右スライドに追従して、該縦搬送装置45をも左右回動できるように、該縦搬送装置45の側と、刈取部6の後部の間を追従機構により連結したコンバインにおいて、該刈取部6の上下回動支点軸22の近傍の入力ギヤケース23の側部より上方に回動ケース136を左右回動自在に突出し、該回動ケース136の上部より左側方に横支持ケース130を上下回動自在に突出支持し、該横支持ケース130に縦搬送装置45を支持し、該縦搬送装置45は左右と上下に回動可能とし、前記回動ケース136より突出した支持部材の先端に、後端141aを上下回動自在に枢支した追従リンク141を設け、前記刈取部6を支持するフレームの後部より後方に連結リンク105を突出し、該連結リンク105の後端に左右回動自在に枢支体143を設け、該枢支体143を前記追従リンク141に対して摺動自在に連結し、該枢支体143から垂直方向に枢軸144が突出され、該枢軸144に連結リンク105の後端を左右回動自在に枢支したものである。
【0006】
請求項2においては、請求項1記載のコンバインにおいて、該縦搬送装置45を構成するチェーンケースの下面にストッパー杆162を設け、刈取部6の上下回動支点部近傍の横支持ケース130側より突出した支持部材に前記ストッパー杆162の位置に合わせて当接体163を設けたものである。
請求項3においては、請求項1記載のコンバインにおいて、該縦搬送装置45を構成するチェーンケースの下面にストッパー杆162を設け、刈取部6の上下回動支点軸22より前下方に突出して刈取部6を支持する縦連結パイプ25に、縦搬送装置45の左右回動支点を中心とした円弧状のレール165を設け、該レール165を前記ストッパー杆162の回動軌跡に合わせて配置したものである。
請求項4においては、請求項1記載のコンバインにおいて、該縦搬送装置45の挟扼杆167の後端またはチェーンケースまたは挟扼杆167を支持する部材168に押さえ部材166を付設し、該押さえ部材166は、前端を左右回動可能に支点軸169に枢支され、該押さえ部材166の後端はフィードチェーン8の前部上に当接させたものである。
請求項5においては、請求項1記載のコンバインにおいて、該刈取部6の上下回動支点軸22の近傍の回動ケース136よりモーターブラケット139を突設し、該モーターブラケット139に縦搬送装置45を昇降駆動する昇降モーター140を装着し、該モーターブラケット139の面を上下方向に配置したものである。
請求項6においては、請求項1記載のコンバインにおいて、前記フィードチェーン8の前部上に挟扼杆172を配置し、該挟扼杆172とフィードチェーン8の間で穀稈を挟持して搬送し、更に、フィードチェーン8の前部側上には、挟扼ガイド173を配置し、該挟扼ガイド173は側面視で、前部が高く、前辺は斜め後下方へ下がるように構成し、穀稈がフィードチェーン8と挟扼杆172の間に入り易くし、バネ176により、挟扼ガイド173と挟扼杆172を下方に付勢したものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
次に、発明の実施例を説明する。
図1は本発明の刈取装置を装備したコンバインの全体側面図、図2は同じく平面図、図3は刈取部の側面図、図4は同じく平面図、図5は刈取スライドの上部ガイド部の平面図、図6は刈取部の上下回動支点部の平面断面図である。
【0008】
図1、図2よりコンバインの全体構成から説明する。
クローラー式走行装置1上に機体フレーム2を支持し、該機体フレーム2の進行方向右側前部上に運転部3を配置し、該運転部3は前部にフロントコラム4を立設して、該フロントコラム4上に操向レバーやアクセルレバー等を配置し、フロントコラム4側部の機体中央側にサイドコラム5を立設し、該サイドコラム5上に作業クラッチレバーや変速レバーやスライドレバー等を配置している。
【0009】
そして、機体フレーム2の進行方向左側から前方へスライド可能とする刈取部6が突出配置され、穀稈を引き起こして株元を刈刃によって刈り取り、搬送装置によって後方へ搬送する。該刈取部6の後部には脱穀部7が配置され、搬送装置によって搬送された穀稈の株元をフィードチェーン8によって挟持して後方へ搬送しながら、扱胴9によって脱粒する。脱穀後の排藁は排藁チェーン10によって後方へ搬送され、カッターや結束装置等の排藁処理装置11によって処理される。
【0010】
前記脱穀部7下部には選別装置が配置され、該選別装置によって選別された後の二番物は再度扱胴9または処理胴へ還元され、ゴミ等は排出され、穀粒は一番コンベアや揚穀コンベア12を介して運転部3後部に配置したグレンタンク13に搬送される。該グレンタンク13内の下部には下部コンベアが配置され、該下部コンベアは排出オーガ14に連通され、該下部コンベア及び排出オーガ14を駆動することによって、グレンタンク13内の穀粒を排出できるようにしている。
【0011】
また、前記運転部3における座席15下方にはエンジン16が配置され、該エンジン16の駆動力を前記クローラー式走行装置1に伝えて走行し、刈取部6、脱穀部7、選別部等の各部に伝えて、連続的に刈り取り、脱穀・選別作業を行い穀粒をグレンタンク13に貯留するのである。
【0012】
次に、刈取部6の構成を図3〜図6より説明する。
機体フレーム2の前部上に回動支点台20・21を設け、該回動支点台20・21上部にパイプより構成された上下回動支点軸22を枢支し、該上下回動支点軸22は入力ギヤケース23より左右に突出され、該上下回動支点軸22内には刈取入力軸(伝動1軸)19が軸支されて、該刈取入力軸19の一端は進行方向右側に突出されて入力プーリー24を固設している。
【0013】
前記入力ギヤケース23より前下方に縦連結パイプ25が突設され、該縦連結パイプ25の中途部と機体フレーム2の間に昇降用油圧シリンダー26が介装されて、該縦連結パイプ25の前端にスライド支持ケース27が固設されている。該スライド支持ケース27にスライドパイプ30を摺動自在に支持し、該スライドパイプ30両側にベベルギアケース80・81を介して支持プレート31・31を固設して、該支持プレート31・31の前部間に横連結フレーム32を固設している。そして、前記スライド支持ケース27とベベルギアケース81の間に油圧シリンダー82を介装し、該油圧シリンダー82を伸縮することで刈取部6を左右にスライド可能としている。
【0014】
前記横連結フレーム32より前方に刈取フレーム33・33・・・が前方に突設され、該刈取フレーム33・33・・・前端に、それぞれ分草板34・34・・・が固設されている。該分草板34・34・・・の後部には、3条の引き起しケース35・35・35が立設され、該引き起しケース35・35・35には、それぞれタイン36・36・・・を設けたチェーンが収納され、該引き起しケース35・35・35の上部の裏面からそれぞれ動力が入力され、各入力軸は引き起しケース35・35・35の上方に横設した、引き起し駆動ケース37内の伝動軸と連動連結されている。
【0015】
該引き起し駆動ケース37の右側下部には、右側刈取フレーム33より上方に立設した支持フレーム28が連結されて支持され、引き起し駆動ケース37の左側下部にはパイプ状に構成した左伝動ケース29が連結され、該左伝動ケース29の下部はスライドパイプ30の左側に連結して、左伝動ケース29内に軸支した伝動軸を介して引き起しケース35に動力を伝える構成としている。
【0016】
また、前記刈取フレーム33・33・・・の後部間の下側には刈刃39が横設され、刈取フレーム33・33・・・上方には、穀稈の株元側を掻き込むスターホイル40・40・40と掻込ベルト41・41・41が配置され、更に上後方へ株元搬送装置42L・42Rが配置され、その上方には上部搬送装置43L・43R、前穂先搬送装置44・44が配置されて、前記刈刃39によって刈り取った後の穀稈が、株元搬送装置42L・42R、上部搬送装置43L・43R、前穂先搬送装置44・44によって後方へ搬送されて一つに合流される。更にその後部で機体側に縦搬送装置45と後穂先搬送装置46が配置されて、搬送された穀稈の株元側は縦搬送装置45、穂先側は後穂先搬送装置46に受け継がれて、穀稈の株元側は更に前記フィードチェーン8に受け継がれて脱穀部7へ搬送するようにしている。
【0017】
前記縦搬送装置45は、後部側が上下回動自在に支持されて後述するモーターを駆動することによって前側を上下に回動可能とされ、穀稈の長さに合わせて上下に回動するように制御されている。また、縦搬送装置45の前部は後述するリンク等を介して刈取フレーム側から延出したフレームと連結されて、左右スライドさせた時に追随して回動され、受け継ぎミスが生じないようにしている。
【0018】
次に、刈取部6の上部を支持するための構成を、図3、図5により説明する。
前記縦連結パイプ25と入力ギヤケース23からそれぞれ右上方に補強フレーム50・51が延設され、該補強フレーム50・51の上端部は上部フレーム52に固設され、該上部フレーム52は前後フレーム52aと、その先端より左方へ延設する左右フレーム52bからなり、平面視略L字状に構成されている。該前後フレーム52aは前記サイドコラム5の側部に配置され、左右フレーム52bは前記引き起し駆動ケース37の後部上に平行に配置される。
【0019】
更に、該上部フレーム52の左右フレーム52bの左端より前後フレーム52aの後部上までの間にL字状に構成した防塵カバー支持フレーム53が固設されて、該防塵カバー支持フレーム53と前記上部フレーム52とで枠状に構成して剛性を高めて、その上部に防塵カバー54を固定している。
【0020】
前記補強フレーム50・51の上端部に、支点軸55が回転自在に支持され、該支持軸55に揺動フレーム56の後端部が固設されて揺動フレーム56が上部フレーム52に対して揺動自在に支持されている。該揺動フレーム56の前部は平面視略L字状に構成して、引き起し駆動ケース37の裏側に枢支されている。前記刈取部6の左側は左右フレーム52b上で摺動体59が左右摺動自在に支持される構成としている。
【0021】
このように構成することで、刈取部6は縦連結パイプ25から下方で支持するだけでは、前方へ倒れてしまうので、刈取部6の上部位置を縦連結パイプ25から上方に突出した補強フレーム50・51や上部フレーム52や揺動フレーム56等を介して連結支持することで、前方への倒れを防止し、また、刈取部6を左右スライドさせた場合でも、それに追随して揺動フレーム56が回動し、該揺動フレーム56は穀稈の搬送経路から離れた刈取部6の上部右側に配置されて、穀稈の刈取搬送時に穀稈が揺動フレーム56やそれを支持する部材等に引っ掛かることもないのである。また、刈取部6を左側へスライドさせると、重心が左側へ移動するが、前記摺動体59によって左側を支持して刈取部6の左側が傾くことを防止している。
【0022】
次に、本発明の要部である縦搬送装置45の回動駆動と株元搬送装置42との連結構成を説明する。
図7は株元搬送装置後部と縦搬送装置の回動支持部の連結機構を示す側面図、図8は昇降モーターのブラケットと連結ブラケットの側面図、図9は同じく平面図、図10は昇降モーター取付部の平面図一部断面図、図11は同じく後面図、図12は同じく右側面図、図13は連結部の他の実施例を示す図、図14は縦搬送装置下面にストッパーを設けた側面図、図15は同じく平面図、図16は縦搬送装置下面に設けたストッパーをレールで受ける実施例の平面図、図17は縦搬送装置後部とフィードチェーンとの間に押さえ部材を設けた斜視図である。
【0023】
図6において、前記入力ギヤケース23の両側に、上下回動支点軸22が固設され、該上下回動支点軸22の両側が回動支点台20・21に回動自在に支持され、前記入力ギヤケース23の前部より前下方に、前記縦連結パイプ25を突出し、該縦連結パイプ25内に伝動二軸62を軸支して、前記上下回動支点軸22に軸支した刈取入力軸19より刈取部6へ動力を伝えるようにしている。
【0024】
また、前記入力ギヤケース23の側部より上方に回動ケース136を回動自在に突出して、該回動ケース136の軸心を、縦搬送装置45と後穂先搬送装置46の左右回動中心としている。該回動ケース136の上部より左側方に横支持ケース130が回動自在に支持されて突出され、該横支持ケース130の軸心を縦搬送装置45と後穂先搬送装置46の上下回動中心としている。該横支持ケース130の左端部に、略上下斜め方向にスプロケット駆動軸131が回転自在に支持されて、該スプロケット駆動軸131の上部に、駆動スプロケット132を固設して、タインを付設したチェーン133を前方に配置した従動スプロケットとの間に巻回して後穂先搬送装置46を構成している。
また、前記スプロケット駆動軸131下端に駆動スプロケット134を固設して、該駆動スプロケット134と前方に配置した従動スプロケットとの間にチェーン135を巻回して縦搬送装置45を構成している。
【0025】
また、図6〜図9に示すように、前記回動ケース136の側面に設けたフランジ137に支持部材となるモーターブラケット139の後部が上下方向に固定され、該モーターブラケット139が前方へ突出されている。
但し、図18、図19に示すように、縦連結パイプ25より左側方に支持バー170を突設し、該支持バー170のー左端と前記横支持ケース130との間を前後方向に配置した連結杆171で連結し、該支持バー170上にモーターブラケット139を載置して支持する構成とすることもでき、片持ち支持する構成に比べて、強度アップが図れる。
【0026】
そして、前記モーターブラケット139の側面に後述する昇降モーター140が固設され、該モーターブラケット139前端に追従リンク141の後端が上下回動自在に枢支され、該追従リンク141は平面視L字状に構成されて、追従リンク141の後端141aが枢軸の役目を果たしている。該追従リンク141の前部に枢支体143が軸方向に摺動自在に嵌合され、該枢支体143の外周にから垂直方向に枢軸144が突出され、該枢軸144に連結リンク105の後端が左右回動自在に枢支されている。
但し、前記枢支体143の代わりに図13に示すようにU字状のプレート143’にその開放側をボルト144’の頭部を固定して、U字状のプレート143’内を追従リンク141が摺動する構成とした枢支体とし、簡単な構成でコスト低減化を量こともできる。
【0027】
該連結リンク105の前端は、図7に示す支持パイプ100の後端に固設され、該支持パイプ100は前記刈取部6の右側の刈取フレーム33に立設した支持フレーム28に連結され、該支持パイプ100には右側の株元搬送装置42Rやスターホイル40や掻込ベルト41等が支持されている。
【0028】
このように構成することによって、刈取部6が左右スライドさせたときに、上下方向は追従リンク141の後端141aを中心とした回動によって対応でき、左右回動は枢軸144を中心とした回動によって対応でき、前後方向の動きは枢支体143が追従リンク141上を前後に摺動することによって対応できるようになり、刈取部6がスライドされたときに、縦搬送装置45を無理なく左右に追従してスムースに回動することが可能となるのである。
【0029】
また、前記縦搬送装置45及び後穂先搬送装置46を上下に回動させるために、前記モーターブラケット139の前部側面には昇降モーター140が固設されている。図10、図11、図12に示すように、モーターブラケット139の右側面の後部に平面視L字状に曲げた支持板145を固定して右方へ突設し、モーターブラケット139の右側面の前部に支持体146を右方へ突設して、該支持板145と支持体146の間に扱き深さ駆動ネジ147を回転自在に支持し、該扱き深さ駆動ネジ147上にナット体149を螺装している。該扱き深さ駆動ネジ147の後端が、昇降モーター140の駆動に連結されて、該昇降モーター140を駆動することによって扱き深さ駆動ネジ147を回動してナット体149を前後に摺動する構成としている。
【0030】
また、前記支持板145と支持体146の間のモーターブラケット139の右側面には取付板150が固設され、該取付板150の前後にリミットスイッチ151・152が固設されている。一方、前記ナット体149の下面には当接片149aが下方に突設されて、前記リミットスイッチ151・152の接点に当接可能に配置され、該リミットスイッチ151・152は昇降モーター140の駆動回路と接続されて、前記ナット体149が前方端へ摺動したときや後方端へ摺動したときに、リミットスイッチ151・152がONされて昇降モーター140の駆動を停止して、リミットスイッチ151・152の間で摺動し、限界を越えて摺動しないようにしている。
【0031】
このように、前記モーターブラケット139は板体に構成されてその面は上下方向となって、モーターブラケット139上には藁屑や塵埃等が堆積することがなく、ナット体149の摺動に支障を来すことがないようにしている。
また、リミットスイッチ151・152の接点が扱き深さ駆動ネジ147の下方に位置し、リミットスイッチ151・152の接点にも藁屑や塵埃等が堆積し難い構造として、作動不良がないように構成している。
【0032】
そして、前記ナット体149上に連結ステー149bを突設して、該連結ステー149bに昇降リンク154の前端を枢結し、該昇降リンク154の後端を前記横支持ケース130に固設した支持プレート155に枢結している。該支持プレート155には支持パイプ156(図7・図17)と逆U字状の支持パイプ157(図7・図12・図17)の一端が固設され、支持パイプ156の他端には前記縦搬送装置45と後穂先搬送装置46の各チェーンケースが固設され、支持パイプ157の他端に縦搬送装置45の挟扼杆と後穂先搬送装置46のガイド杆が固定されている。なお、図7に於ける支持パイプ156・157と縦搬送装置45’は上昇させた位置を示している。
【0033】
更に、図7に示す如く、前記支持プレート155には係止ステー159が下方に突設され、該係止ステー159にバネ160の一端が係止され、該バネ160の他端は前記モーターブラケット139の左側面より突出した支持パイプ161(図10)に係止され、該バネ160の付勢力によって縦搬送装置45と後穂先搬送装置46を上方へ持ち上げるように付勢して、昇降モーター140の駆動力を軽減し、小さなトルクのモーターでも昇降駆動できるようにしている。
【0034】
このように構成することによって、前記昇降モーター140を駆動して、ナット体149を前後に摺動させると、昇降リンク154が前後に移動されて、支持パイプ156・157が横支持ケース130の軸心を中心に上下に回動されて、該支持パイプ156・157に固定された縦搬送装置45と後穂先搬送装置46が上下に回動されるのである。このようにして、刈取部6に設けた穂先を検知するセンサーからの信号でコントローラを介して昇降モーター140が駆動され、縦搬送装置45を回動して扱き深さを調節するようにしているのである。
【0035】
また、図14、図15に示すように、縦搬送装置45のチェーンケースの前下面にはストッパー杆162が固設され、該ストッパー杆162は側面視L字状に構成して弾性を持たせ、後述する当接体163(図15)に当接するときに大きな衝撃とならないようにしている。一方、モーターブラケット139より左側方に支持ステー164を後方に突設し、該支持ステー164と前記モーターブラケット139の間にシャフト状の当接体163を前記ストッパー杆162の下方位置に合わせて横架している。
【0036】
このように構成することによって、当接体163はモーターブラケット139に取り付けられているので、縦搬送装置45が刈取部6に追従して左右回動するときに同時に回動し、当接体163とストッパー杆162の左右方向は常に一定の関係となる。そして、縦搬送装置45を最下降させた状態のとき、ストッパー杆162がないと、機体の走行時の振動や停止のショック等で縦搬送装置45が上下動すると、縦連結パイプ25やその他の機器と当接して損傷を与えることがあるが、本発明のように構成することで、ストッパー杆162が当接体163に当接して停止し、他の機器と干渉して損傷を与えることがないのである。
【0037】
また、当接体163に代わる他の構成として、図16に示すように、縦連結パイプ25上に前記縦搬送装置45の回動中心(回動ケース136)を中心とした円弧状のレール165をストッパー杆162の位置に合わせて設け、刈取部6をスライドさせても、前記ストッパー杆162が前記レール165上に当接するように構成とすることも可能である。
【0038】
また、図17に示すように、前記縦搬送装置45の後部から後方に押さえ部材166が設けられ、該押さえ部材166は板状のバネにて構成されて、その幅は前記フィードチェーン8の左右のローラーリンク間の幅よりも狭くしている。該押さえ部材166の前端は縦搬送装置45の挟扼杆167の後端またはチェーンケースまたは挟扼杆167を支持する部材168に左右回動可能に支点軸169に枢支され、該押さえ部材166の後端はフィードチェーン8のローラーリンク間に挿入されて、下方へ押さえるようにしている。但し、押さえ部材166は図20、図21に示すように、棒状の押さえ部材166’で構成することも可能である。
【0039】
このように構成することによって、刈取部6をスライドさせると、押さえ部材166は前部の支点軸169を中心にして後部がフィードチェーン8に係合されたままとなり、穀稈が搬送されたときに縦搬送装置45とフィードチェーン8との間の受け継ぎ部で穀稈がこぼれることがないのである。そして、縦搬送装置45は後部を中心に前部が上下に回動するので、押さえ部材166は縦搬送装置45の上下動で外れたりすることはないのである。
【0040】
また、図20〜図22に示すように、フィードチェーン8の上方には挟扼杆172が配置されて、該挟扼杆172とフィードチェーン8の間で穀稈を挟持して搬送できるようにし、更に、フィードチェーン8の前部側上には、挟扼ガイド173が配置され、該挟扼ガイド173は側面視で四角形状に構成され、前部が高くなるように構成して、前辺は斜め後下方へ下がるように構成して、穀稈がフィードチェーン8と挟扼杆172の間に入り易くしている。そして、挟扼ガイド173の後部上を枢支ピン174で枢支体175に枢支され、該枢支体175の後部は脱穀カバーに枢支されて、バネ176によって下方に付勢されている。なお、前記挟扼杆172の前端は挟扼ガイド173の上面に開口した長孔173aに挿入されて上方に突出されている。また、枢支体175に挟扼杆172が支持されて、該挟扼杆172と挟扼ガイド173は同時に昇降回動される。
【0041】
また、前記上下回動支点軸22の左端面には株元はらい杆177の後端が固設され、該株元はらい杆177は平面視において略T字状に構成されて、前方に突出され、他側の杆部177aは縦搬送装置45の後部からフィードチェーン8の前端まで延設され、該杆部177aによって穀稈をフィードチェーン8と挟扼杆172の間に確実に入るようにガイドしている。
【0042】
【発明の効果】
本発明は以上の如く構成したので、次のような効果を奏するのである。
請求項1の如く、刈取部6の上下回動支点軸22から前方に突設した縦連結パイプ25の先端において、該刈取部6を左右スライド可能し、該縦連結パイプ25の側に縦搬送装置45を付設し、該縦搬送装置45を穀稈の扱き深さを調節の為に、フィードチェーン8に対して位置調節すべく構成し、該刈取部6の左右スライドに追従して、該縦搬送装置45をも左右回動できるように、該縦搬送装置45の側と、刈取部6の後部の間を追従機構により連結したコンバインにおいて、該刈取部6の上下回動支点軸22の近傍の入力ギヤケース23の側部より上方に回動ケース136を左右回動自在に突出し、該回動ケース136の上部より左側方に横支持ケース130を上下回動自在に突出支持し、該横支持ケース130に縦搬送装置45を支持し、該縦搬送装置45は左右と上下に回動可能とし、前記回動ケース136より突出した支持部材の先端に、後端141aを上下回動自在に枢支した追従リンク141を設け、前記刈取部6を支持するフレームの後部より後方に連結リンク105を突出し、該連結リンク105の後端に左右回動自在に枢支体143を設け、該枢支体143を前記追従リンク141に対して摺動自在に連結し、該枢支体143から垂直方向に枢軸144が突出され、該枢軸144に連結リンク105の後端を左右回動自在に枢支したので、刈取部を左右スライド可能とし、該刈取部の左右スライドに追従して縦搬送装置を回動するように、縦搬送装置の前部と株元搬送装置の後部の間に配置した連結機構において、刈取部の上下回動支点部より突出した支持部材の先端に上下回動自在に追従リンクを設け、前記株元搬送装置を支持するフレームの後部より後方に連結リンクを突出し、該連結リンク後端に左右回動自在枢支体を設け、該枢支体を前記追従リンクに対して摺動自在に連結したので、支持部材と追従リンクの間及び枢支体の部分で上下左右に回動できるようになり、刈取部の左右スライドに対して連結部において上下左右に回動でき、更に、枢支体が追従リンクに対して摺動して、捩じれたり、無理な力がかかることなく追従できるようになったのである。
【0043】
請求項2の如く、請求項1記載のコンバインにおいて、該縦搬送装置45を構成するチェーンケースの下面にストッパー杆162を設け、刈取部6の上下回動支点部近傍の横支持ケース130側より突出した支持部材に前記ストッパー杆162の位置に合わせて当接体163を設け、又は、
請求項3の如く、請求項1記載のコンバインにおいて、該縦搬送装置45を構成するチェーンケースの下面にストッパー杆162を設け、刈取部6の上下回動支点軸22より前下方に突出して刈取部6を支持する縦連結パイプ25に、縦搬送装置45の左右回動支点を中心とした円弧状のレール165を設け、該レール165を前記ストッパー杆162の回動軌跡に合わせて配置したので、縦搬送装置を最下端に位置させたときや、最下端に位置させた状態で刈取部昇降させたり、機体を停止させたりした時等のショックで、縦搬送装置が縦連結パイプやその他の機器と当接したり干渉して損傷を与えることがないのである。
【0044】
また、請求項4の如く、請求項1記載のコンバインにおいて、該縦搬送装置45の挟扼杆167の後端またはチェーンケースまたは挟扼杆167を支持する部材168に押さえ部材166を付設し、該押さえ部材166は、前端を左右回動可能に支点軸169に枢支され、該押さえ部材166の後端はフィードチェーン8の前部上に当接させたので、刈取部を左右スライドさせても、押さえ部材は縦搬送装置の後部とフィードチェーン前部の間に位置して、その受継部で稈こぼれ等が発生せず、確実に穀稈を搬送することができるようになったのである。
【0045】
また、請求項5の如く、請求項1記載のコンバインにおいて、該刈取部6の上下回動支点軸22の近傍の回動ケース136よりモーターブラケット139を突設し、該モーターブラケット139に縦搬送装置45を昇降駆動する昇降モーター140を装着し、該モーターブラケット139の面を上下方向に配置したので、藁屑や塵埃等がモーターブラケット上に堆積することがなく、昇降モーターの駆動を阻害したり、リミットスイッチが作動不良を起こしたりすることがなくなり、縦搬送装置の昇降を確実に行えるようになったのである。
【0046】
また、請求項6の如く、請求項1記載のコンバインにおいて、前記フィードチェーン8の前部上に挟扼杆172を配置し、該挟扼杆172とフィードチェーン8の間で穀稈を挟持して搬送し、更に、フィードチェーン8の前部側上には、挟扼ガイド173を配置し、該挟扼ガイド173は側面視で、前部が高く、前辺は斜め後下方へ下がるように構成し、穀稈がフィードチェーン8と挟扼杆172の間に入り易くし、バネ176により、挟扼ガイド173と挟扼杆172を下方に付勢したので、縦搬送装置からフィードチェーンへ穀稈を確実に受け継ぐことができるようになり、稈こぼれや詰まり等を防止することができたのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の刈取装置を装備したコンバインの全体側面図である。
【図2】 同じく平面図である。
【図3】 刈取部の側面図である。
【図4】 同じく平面図である。
【図5】 刈取スライドの上部ガイド部の平面図である。
【図6】 刈取部の上下回動支点部の平面断面図である。
【図7】 株元搬送装置後部と縦搬送装置の回動支持部の連結機構を示す側面図である。
【図8】 昇降モーターのブラケットと連結ブラケットの側面図である。
【図9】 同じく平面図である。
【図10】 昇降モーター取付部の平面図一部断面図である。
【図11】 同じく後面図である。
【図12】 同じく右側面図である。
【図13】 連結部の他の実施例を示す図である。
【図14】 縦搬送装置下面にストッパーを設けた側面図である。
【図15】 同じく平面図である。
【図16】 縦搬送装置下面に設けたストッパーをレールで受ける実施例の平面図である。
【図17】 縦搬送装置後部とフィードチェーンとの間に押さえ部材を設けた斜視図である。
【図18】 モーターブラケットを支持する他の実施例を示す側面図である。
【図19】 同じく平面図である。
【図20】 フィードチェーン前部の側面図である。
【図21】 同じく平面図である。
【図22】 同じく正面図である。
【符号の説明】
6 刈取部
25 縦連結パイプ
42 株元搬送装置
45 縦搬送装置
105 連結リンク
139 モーターブラケット
140 昇降モーター
141 追従リンク
143 枢支体
162 ストッパー杆
163 当接体
165 レール
166 押さえバネ
173 挟扼ガイド
Claims (6)
- 刈取部6の上下回動支点軸22から前方に突設した縦連結パイプ25の先端において、該刈取部6を左右スライド可能し、該縦連結パイプ25の側に縦搬送装置45を付設し、該縦搬送装置45を穀稈の扱き深さを調節の為に、フィードチェーン8に対して位置調節すべく構成し、該刈取部6の左右スライドに追従して、該縦搬送装置45をも左右回動できるように、該縦搬送装置45の側と、刈取部6の後部の間を追従機構により連結したコンバインにおいて、該刈取部6の上下回動支点軸22の近傍の入力ギヤケース23の側部より上方に回動ケース136を左右回動自在に突出し、該回動ケース136の上部より左側方に横支持ケース130を上下回動自在に突出支持し、該横支持ケース130に縦搬送装置45を支持し、該縦搬送装置45は左右と上下に回動可能とし、前記回動ケース136より突出した支持部材の先端に、後端141aを上下回動自在に枢支した追従リンク141を設け、前記刈取部6を支持するフレームの後部より後方に連結リンク105を突出し、該連結リンク105の後端に左右回動自在に枢支体143を設け、該枢支体143を前記追従リンク141に対して摺動自在に連結し、該枢支体143から垂直方向に枢軸144が突出され、該枢軸144に連結リンク105の後端を左右回動自在に枢支したことを特徴とするコンバイン。
- 請求項1記載のコンバインにおいて、該縦搬送装置45を構成するチェーンケースの下面にストッパー杆162を設け、刈取部6の上下回動支点部近傍の横支持ケース130側より突出した支持部材に前記ストッパー杆162の位置に合わせて当接体163を設けたことを特徴とするコンバイン。
- 請求項1記載のコンバインにおいて、該縦搬送装置45を構成するチェーンケースの下面にストッパー杆162を設け、刈取部6の上下回動支点軸22より前下方に突出して刈取部6を支持する縦連結パイプ25に、縦搬送装置45の左右回動支点を中心とした円弧状のレール165を設け、該レール165を前記ストッパー杆162の回動軌跡に合わせて配置したことを特徴とするコンバイン。
- 請求項1記載のコンバインにおいて、該縦搬送装置45の挟扼杆167の後端またはチェーンケースまたは挟扼杆167を支持する部材168に押さえ部材166を付設し、該押さえ部材166は、前端を左右回動可能に支点軸169に枢支され、該押さえ部材166の後端はフィードチェーン8の前部上に当接させたことを特徴とするコンバイン。
- 請求項1記載のコンバインにおいて、該刈取部6の上下回動支点軸22の近傍の回動ケース136よりモーターブラケット139を突設し、該モーターブラケット139に縦搬送装置45を昇降駆動する昇降モーター140を装着し、該モーターブラケット139の面を上下方向に配置したことを特徴とするコンバイン。
- 請求項1記載のコンバインにおいて、前記フィードチェーン8の前部上に挟扼杆172を配置し、該挟扼杆172とフィードチェーン8の間で穀稈を挟持して搬送し、更に、フィードチェーン8の前部側上には、挟扼ガイド173を配置し、該挟扼ガイド173は側面視で、前部が高く、前辺は斜め後下方へ下がるように構成し、穀稈がフィードチェーン8と挟扼杆172の間に入り易くし、バネ176により、挟扼ガイド173と挟扼杆172を下方に付勢したことを特徴とするコンバイン。
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