JP3935603B2 - プラズマディスプレイパネル用の背面板ないし前面板の作製方法 - Google Patents

プラズマディスプレイパネル用の背面板ないし前面板の作製方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プラズマディスプレイパネル用の背面板、前面板の作製方法に関し、特に、使用するガラス基板のアニール工程と、加工用素材の焼成工程とを同時に行う処理を採り入れた方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、プラズマディスプレイパネル(以下PDPとも記す)は、その奥行きの薄いこと、軽量であること、更に鮮明な表示と液晶パネルに比べ視野角が広いことにより、種々の表示装置に利用されつつある。
一般に、プラズマディスプレイパネル(PDP)は、2枚の対向するガラス基板にそれぞれ規則的に配列した一対の電極を設け、その間にネオン、キセノン等を主体とするガスを封入した構造となっている。そして、これらの電極間に電圧を印加し、電極周辺の微小なセル内で放電を発生させることにより、各セルを発光させて表示を行うようにしている。特に情報表示をするためには、規則的に並んだセルを選択的に放電発光させている。
【0003】
ここで、PDPの構成を、図6に示すAC型PDPの1例を挙げて説明しておく。
図6はPDP構成斜視図であるが、分かり易くするため前面板(ガラス基板610)、背面板(ガラス基板620)とを実際より離して示してある。
図6に示すように、2枚のガラス基板610、620が互いに平行に且つ対向して配設されており、両者は背面板となるガラス基板620上に互いに平行に設けられた障壁(セル障壁とも言う)630により、一定の間隔に保持されている。
前面板となるガラス基板610の背面側には、放電維持電極である透明電極640とバス電極である金属電極650とで構成される複合電極が互いに平行に形成され、これを覆って、誘電体層660が形成されており、更にその上に保護層(MgO層)670が形成されている。
また、背面板となるガラス基板620の前面側には前記複合電極と直交するように障壁630間に位置してアドレス電極680が互いに平行に形成されており、更に障壁630の壁面とセル底面を覆うように螢光面690が設けられている。
障壁630は放電空間を区画するためのもので、区画された各放電空間をセルないし単位発光領域と言う。
このAC型PDPは面放電型であって、前面板上の複合電極間に交流電圧を印加し、で放電させる構造である。この場合、交流をかけているために電界の向きは周波数に対応して変化する。そして、この放電により生じる紫外線により螢光体690を発光させ、前面板を透過する光を観察者が視認できるものである。
なお、DC型PDPにあっては、電極は誘電体層で被膜されていない構造を有する点でAC型と相違するが、その放電効果は同じである。
また、図6に示すものは、ガラス基板620の一面に下地層667を設けその上に誘電体層665を設けた構造となっているが、下地層667、誘電体層665は必ずしも必要としない。
【0004】
そして、AC型のプラズマディスプレイ(PDP)は、例えば、図5に示すようにして、作製されていた。
図5はAC型のPDP作製工程を示したもので、背面板、前面板をそれぞれ別個の工程で作製し、両者を用いてPDPをアセンブリするものである。
先ず、背面板の作製工程を説明する。
尚、S51〜S74は処理ステップを表す。
はじめに、ガラス基板を用意し(S51)、ガラス基板上に電極配線用ペーストを一面に塗布、乾燥し、これを製版処理を経て、所定形状に加工して、あるいは、ガラス基板に厚膜印刷法により電極配線用ペーストを所定形状に印刷した後、これを乾燥、焼成し、電極配線を形成する。(S52)
次いで、形成された電極上にガラス基板面を覆うように全面に誘電体層を形成する。(S53)
次いで、このガラス基板の誘電体層上に障壁(バリアリブとも言う)を、印刷法ないしサンドブラスト法により形成する。(S54)
印刷法の場合、ガラス基板に厚膜印刷法により障壁(バリアリブ)形成用ペーストを所定のパターンに印刷し、これを乾燥する。障壁の層厚は厚く(例えば100〜200μmの厚さ)1回の厚膜印刷ではこの膜厚が得られないため、障壁形成用ペーストの印刷および乾燥は複数回行う。所定の膜厚が得られた後、ペーストの焼成がなされる。
サンドブラスト法の場合は、障壁形成材料をガラス基板上に塗布し、更にこの上に所定のレシストパターンを形成した後、研磨砂を吹きかけレジストパターンに対応した形状に障壁形成材料を加工して、これを焼成して障壁を形成する。
更に、障壁が形成された基板に厚膜印刷法により蛍光体用ペースト(例えば、酸化インジウム含有の螢光体用ペースト)を所定パターンに印刷し、次いでその乾燥及び焼成を行い(S55)、背面板を形成する。(S56)
【0005】
次に、前面板の作製工程を説明する。
先ず、ガラス基板を用意し(S61)、ガラス基板に例えばITO(Indium Tin Oxide)の蒸着層をパターニングする。(S62)
パターニングは通常のフォトリソ工程(リゾグラフィー技術)により行う。
次いで、Cr−Cu−Cr(クロム、銅、クロム)の3層を蒸着やスパッタリングにより成膜し、同様にフォトリソ工程(リゾグラフィー技術)によりパターニングして、パターニングされたITO膜とともに、放電用の電極配線を形成する。(S63)
次いで、ペースト状にした低融点ガラスのベタ印刷により、透明誘電体層を形成して(S64)、前面板が得られる。(S65)
【0006】
次いで、このようにして得られた、背面板、前面板を用い、以下のようにしてPDPを作製する。
先ず、前面板及び背面板の位置合わせを行い、その状態で両基板の縁部分にシール用鉛ガラスを塗布し、次いでシールが行われる。(S71)
次に、両基板(背面板と前面板)及びシール部で囲われる空隙内が排気管を介して排気された後、この排気管を介して上述の空隙に放電ガスが封入される。(S72)
その後、排気管の焼きちぎり(チップオフ)を行い、ドライバIC取付けを行い(S73)、PDP(プラズマディスプレイパネル)が得られる。(S74)
【0007】
上記のように、PDPの作製に際し、これに使用する背面板、前面板は、それぞれ、各種工程を経て、電極配線部、障壁部、螢光体部、誘電体層部等が形成され、併せてPDPとなる。
このようなPDPの作製においては、通常、電極配線部の形成、障壁の形成は、それぞれ、フォトマスクを用いた露光、現像等を行う製版工程により行われ、その形状が決められている。
背面板、前面板用のガラス基板は、ガラス基板製造業者から支給されるもので、従来、PDPの作製においては、支給されたガラス基板に一旦アニール処理を施した後、各工程における焼成処理、製版処理を行っていたが、ガラス基板自体の伸縮量のが無視できず、製版処理では、各々の焼成処理の前後での、ガラス基板の寸法変化を把握し、これを基に、パターニングするためのフォトマスクのピッチ補正を行っていた。
したがって、同一品種でも工程(層)が異なると、ピッチが異なるフォトマスクが必要で、フォトマスク作製や管理上の問題となっていた。
特に、電極配線部形成工程、障壁部形成工程における製版に用いられるフォトマスクの設計には、それぞれの工程に対応した補正が必要とされていた。
【0008】
一方、ガラス基板製造業者は、通常、ガラス基板をアニールしない状態でPDP作製業者に納入している。あるいは、1度アニールした状態で、PDP作製業者にガラス基板を納入することもあるが、この場合のアニールは、所定温度に上げた後に、完全な徐冷をおこなっているとは限らなく、PDP作製業者側のPDP作製のための焼成処理条件とマッチングしているとは限らない。
したがって、この納入されたままのガラス基板にPDP作製の各焼成工程を施した場合、各焼成工程に影響を受け、ガラス基板の伸縮量にバラツキが生じるため、PDP作製業者は、ガラス基板を受け入れ後、はじめに、ガラス基板を再度アニールした後に、各処理を行うのが一般的である。
【0009】
このように、PDP作製業者側では、ガラス基板製造業者から支給されたガラス基板をアニール処理した後、更に、ガラス基板面上にて加工する加工素材を焼成するための焼成処理を、それぞれ行っていた。この為、プロセスが長く、コスト面、作業性の面で問題となっていた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、従来のプラズマディスプレイパネルの作製においては、これに使用する背面板、前面板を作成する際、アニール処理、各加工素材の焼成処理とをそれぞれ別に行ってきたため、プロセスが長く、コスト面、作業性の面で問題となっており、この対応が求められていた。
本発明は、これに対応するもので、プラズマディスプレイパネル用の背面板、前面板の作製において、プロセス全体を短かくできる方法を提供しようとするもので、具体的には、アニール処理と加工素材の焼成処理を同時に行う方法を採り入れた、プラズマディスプレイパネルの製造方法を提供しようとするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明のプラズマディスプレイパネル用の背面板および前面板の作製方法は、背面板ないし前面板用のガラス基板上での低融点ガラスペーストからなる加工用素材の焼成工程を少なくとも1回行い、且つ、焼成工程の後にフォトマスクを用いた製版工程を行うプラズマディスプレイパネル用の背面板ないし前面板の作製方法であって、ガラス基板として高歪点ガラスを用い、昇温後、ピーク温度で一定時間保持し、その後、ガラス基板の歪点まで徐冷することを含む、ガラス基板の永久歪を除去するアニール工程と、焼結できる温度および保持時間をアニール工程のピーク温度およびその保持時間に合わせた低融点ガラスペーストからなる加工用素材を焼結する1回目の焼成工程とを同時に行うことを特徴とするものである。
そして、上記において、1回目の焼成工程における低融点ガラスペーストからなる加工用素材が、ガラス基板上に電極配線を形成する際に下地とする下地層を形成するための加工用素材であることを特徴とするものである。
そしてまた、上記において、1回目の焼成工程における低融点ガラスペーストからなる加工用素材が、電極配線を形成するための加工用素材であることを特徴とするものである。
【0012】
アニール処理とは、ガラス基板を徐冷点近くまで加熱し、その温度で一定時間保持することで永久歪を除去し、さらに歪点まで徐冷することで永久歪が残らないようにする処理である。
尚、徐々冷却点としては、15分間に歪みが消失する温度とするLittletonの定義が広く用いられている。
また、焼成工程のピーク温度は、通常、加工用素材を焼結するための温度で、所定時間、このピーク温度で保持するため、ここでは、これをキープ温度とも言う。
したがって、ここで言う、ガラス基板の永久歪を除去するアニール工程と、低融点ガラスペーストからなる加工用素材の焼成工程とを同時に行う処理とは、ガラス基板のアニール処理のピーク温度を、加工用素材の焼成処理におけるキープ温度とするもので、低融点ガラスペーストからなる加工用素材をガラス基板上に形成した後に、ガラス基板のアニール処理のピーク温度に相当する加工用素材を焼成するキープ温度で、所定時間保持した後、ガラス基板の歪点まで徐冷し、さらに常温まで冷却するのものである。
尚、ガラス基板の歪点とは、この温度からどんなに急冷しても、その急冷のために新しく永久歪を生ぜしめる可能性が全くない温度である。即ち、歪点(温度)から常温まで温度を急冷する際、この間でもガラス基板は縮むが、急冷速度を一定としておけば、その縮む値を固定化することができる。
即ち、ピーク温度から歪点までの冷却速度の値により、伸縮量を制御できるという訳である。
【0013】
また、通常、プラズマディスプレイパネル用の背面板の作製においては、電極配線形成用の導電性ペーストを加工用素材として、ガラス基板上に一面に塗布、乾燥し、これをフォトマスクによる製版処理を経て、所定形状に加工した後、あるいは、ガラス基板に厚膜印刷法により電極配線用ペーストを所定形状に印刷した後、焼成処理を施して所定の形状に電極配線を加工している。
そして、この後、誘電体層形成用のペーストを加工用素材として、これを電極配線上、ガラス基板面を覆うように全面に塗布し、乾燥、焼成処理を経て誘電体層を電極配線上に形成してから、更に、障壁形成用のペーストを加工用素材として、これを誘電体層上に塗布し、フォトマスクによる製版処理、サンドブラスト処理、焼成処理を経て所定形状に加工している。
尚、通常、電極配線形成用の導電性ペーストは、金属微粒子(例えばAg)、低融点ガラスフリット、樹脂、溶剤からなり、誘電体層形成用のペーストは、低融点ガラスフリット、樹脂、溶剤からなり、必要に応じフィラー、顔料等も加えたものである。そして、通常、障壁形成用のペーストは、低融点ガラスフリット、フィラー(アルミナ、ジルコニア等)、顔料、樹脂、溶剤からなる。
これらのペーストは、焼成過程で流動して固着するための低融点ガラスフリットを主成分とし含むことから、一般に、低融点ガラスないし低融点ガラスペーストと呼ばれている。
【0014】
【作用】
本発明のプラズマディスプレイパネル用の背面板および前面板の作製方法は、このような構成にすることにより、プラズマディスプレイパネル用の背面板、前面板の作製において、プロセスを短かくでき、コスト面、作業性の面で有利な方法の提供を可能としている。
具体的には、背面板ないし前面板用のガラス基板上での低融点ガラスペーストからなる加工用素材の焼成工程を少なくとも1回行い、且つ、焼成工程の後にフォトマスクを用いた製版工程を行うプラズマディスプレイパネル用の背面板ないし前面板の作製方法であって、ガラス基板の永久歪を除去するアニール工程と、1回目の低融点ガラスペーストからなる加工用素材を焼結する焼成工程とを同時に行うことにより、これを達成している。
詳しくは、ガラス基板のアニール処理のピーク温度を、加工用素材の焼成処理におけるキープ温度とし、低融点ガラスペーストからなる加工用素材をガラス基板上に形成した後に、ガラス基板のアニール処理のピーク値でもある加工用素材のキープ温度で、所定時間保持した後、ガラス基板の歪点まで徐冷するもので、これにより、ガラス基板のアニール処理と、加工用素材の焼成処理とを同時に行うものである。
更に具体的には、1回目の焼成工程における低融点ガラスペーストからなる加工用素材が、ガラス基板上に電極配線を形成する際に下地とする下地層を形成するための加工用素材である。あるいは、電極配線の形成の際に下地層を必要としない場合には、低融点ガラスペーストからなる加工用素材が、電極配線を形成するための加工用素材である。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態の1例を挙げて説明する。
実施の形態の1例は、ガラス基板の一面上に、それぞれ、低融点ガラスペーストからなる加工用素材を用い、順次、下地層、電極配線、誘電体層、障壁を形成していく、図6に示すような、プラズマディスプレイパネル用の背面板の作製における処理の例である。
そして、本例は、下地層、電極配線、誘電体層、障壁は、それぞれを形成するための低融点ガラスペーストからなる加工用素材を、それぞれ焼成処理し、形成されるが、電極配線、障壁の形成には、フォトマスクを用いた製版処理が採られているものである。
図1は、実施の形態の1例の処理工程を示したもので、図2はガラス基板のアニール処理を示した図である。
図2中、T0はアニール前後の温度、Tpはピーク温度、Tsは歪点(温度)、110は昇温処理、120はピーク温度保持処理、130は徐冷処理、140は急冷処理である。
図1中、S110〜S170は処理ステップを示したものである。
以下、図1に基づいて本例を説明する。
先ず、アニール処理を行っていないガラス基板を準備する。(S110)
次いで、下地層を形成する。(S120)
ガラス基板の一面上に下地層を形成するための低融点ガラスペーストを塗布し(S121)、これを焼結するための第1回目の焼成処理を行うが、ここの第1回目の焼成処理の際に、ガラス基板の永久歪を除くためのアニール処理を、同時に行う。(S125)
ここで、簡単に、ガラス基板のアニール処理について、図2に基づいて説明しておく。
ガラス基板のアニール処理は、図2に示すように、ガラス基板を所定の温度Tp(ピーク温度とここでは言う)まで温度を上げ、その温度で一定時間保持することで、永久歪を除去し、さらに歪点までゆっくり冷却(これを徐冷と言う)することで、永久歪が残らないようにする処理である。
前述した通り、歪点(温度)Tsとは、この温度からどんなに急冷しても、その急冷のために新しく永久歪みを生ぜしめる可能性が全くない温度である。
本例では、図2に示すピーク温度Tpとその保持時間を、下地層を形成するための低融点ガラスペーストを焼結できる温度と保持時間に合わせている為、ガラス基板のアニール処理と加工用素材の焼成処理とを同時にできるのである。
ここでは、焼成工程のピーク温度でもあるアニール処理のピーク温度Tpは、焼成工程では、焼成のためにこのピーク温度で所定時間保持する必要があるため、これをキープ温度とも言う。
【0016】
次いで、電極配線の形成を行う。(S130)
第1回目の焼成処理後、電極配線形成用の低融点ガラスペーストを下地層上に塗布した(S131)後、フォトマスクを用いた製版処理(S132)、電極配線形成用の低融点ガラスペーストのエッチング処理を行い(S133)、不要なレジストの除去等を行う。
次いで、電極配線形成用の低融点ガラスペーストを焼結するための第2回目の焼成処理を行い(S135)、電極配線を形成する。
この第2回目の焼成処理も基本的には、第1回目の焼成処理と同じように、図2に示すような、温度プロファイルを示すが、焼成処理のピーク温度は、形成された下地層を軟化させる温度より下であることが好ましい。
【0017】
次に、誘電体層の形成を行う。(S140)
電極配線形成後、誘電体層形成用の低融点ガラスペーストを塗布した(S141)後、誘電体層形成用の低融点ガラスペーストを焼結するため、第3回目の焼成処理を行う。(S145)
この焼成処理も基本的には、第1回目、第2回目の焼成処理と同じように、図2に示すような、温度プロファイルを示すが、焼成処理のピーク温度は、形成された下地層、および電極配線を軟化させる温度より下であることが好ましい。
【0018】
次いで、障壁の形成を行う。(S150)
誘電体層形成後、障壁形成用の低融点ガラスペーストを塗布した(S151)後、図4に示すように、製版処理(S152)、障壁形成用の低融点ガラスペーストのサンドブラスト処理(S153)、不要なレジストの除去等を行う。
次いで、障壁形成用の低融点ガラスペーストを焼結するため、第4回目の焼成処理を行い(S155)、障壁を形成する。
この焼成処理も基本的には、第1回目、第2回目、第3回目の焼成処理と同じように、図2に示すような、温度プロファイルを示すが、焼成処理のピーク温度は、形成された下地層、電極配線、および誘電体層を軟化させる温度より下であることが好ましい。
更に、螢光体の形成を行い(S160)、背面板を得る。(S170)
螢光体の形成は、螢光体形成用の低融点ガラスペーストを塗布した(S161)後に、同様に、図2に示すような、温度プロファイルで、第5回目の焼成処理を行う。(S165)
【0019】
尚、図3に低融点ガラスペーストからなる加工用素材を塗布し、製版処理、エッチング処理を経て電極配線の形成し、更に焼成処理を施す、電極形成の工程図を示し、また図4に低融点ガラスペースト加工用素材を塗布し、製版処理、サンドブラスト処理を経て、焼成処理を行う、障壁の形成工程を示し、簡単にこれらを説明しておく。
図3、図4中、310はガラス基板、320は下地層、330は電極形成用の加工用素材、330Aは電極配線、340、345はレジスト、350は誘電体層、360は障壁形成用の加工用素材、360Aは障壁である。
先ず、電極配線の形成を図3にもとづいて簡単に説明する。
図3(a)に示すように、ガラス基板310の一面に、下地層320を設け、該下地層320上に、電極配線形成用の低融点ガラスペーストからなる加工用素材330を塗布した後、加工用素材330上に、感光性のレジスト340を塗布、乾燥する。(図3(b)
次いで、形成する電極配線に対応した所定形状の絵柄を有するフォトマスクを用いて、レジスト340の所定領域のみを露光し、これを現像して、所定形状にパターン化する。(図3(c))
そして、レジスト340を加工用素材330をエッチングするための耐エッチング性のマスクとして、所定のエッチング液にてエッチングして、加工用素材330を所定の形状にする。(図3(d))
この後、レジスト330を除去して、焼成処理を施して電極配線を下地層320上に形成する。(図3(e))
【0020】
次に、障壁の形成を図4に基づいて簡単に説明する。
図3(e)に示すように、電極配線を形成した後、該電極配線330A上に、ガラス基板310面を覆うように、更に、誘電体層350を形成する。(図4(a))
次いで、誘電体層350上全面に、障壁形成用の低融点ガラスペーストからなる加加工用素材360を塗布した(図4(b))後、加工用素材360上に、サンドブラスト処理に耐性のある感光性のレジスト345を配設し(図4(c))、次いで、形成する障壁の形状に対応した所定形状の絵柄を有するフォトマスクを用いて、レジスト345の所定領域のみを露光し、これを現像して、所定形状にパターン化する。(図4(d))
そして、レジスト345を加工用素材360をサンドブラスト処理する際のマスクとして、サンドブラスト処理を行い、マスクから露出している加工用素材360のみを切削して、所定の形状にする。(図4(e))
この後、レジスト345を除去して、焼成処理を施して障壁を誘電体層350上に形成する。(図4(f))
【0021】
【実施例】
更に、具体的に実施例を挙げて、本発明を説明する。
(実施例1)
本実施例は、図1に示す実施の形態の例において、ガラス基板として、アニール処理を行っていない、厚さ2.8mmの高歪点ガラスであるPD200(旭硝子株式会社製、熱膨張係数83×10-7/°C、軟化点830°C、徐冷点620°C、歪点570°C)を用いたものである。
下層層、電極配線、誘電体層、障壁形成用の、それぞれの加工用素材としては、それぞれ、焼成過程で軟化しない無機粉体と、焼成過程で流動して固着するための低融点ガラス粉末を主成分とし、さらに、焼成前のこれら粉体を塗膜化するために焼成により気化、燃焼、分解等をして焼失し得る樹脂を少量含んだ低融点ガラスペースを用いた。
下地層形成用の加工素材を塗布した後、下地層形成のための第1回目の焼成処理を、ガラス基板のアニール処理を兼ねて行った。
図2における、ピーク温度Tpは600°Cで、この温度まで昇温した後、この温度で10分間保持してから、ガラス基板の歪点(570°C)以下の450°Cまで、徐冷し、この後常温まで急冷した。
尚、徐冷の冷却速度は2.5°C/分とした。
ガラス基板の徐冷点は620°Cであるが、ピーク温度Tpは600°Cで10分間の保持、この後の450°Cまでの徐冷で、ガラス基板の永久歪は実用レベルで除去できた。
また、第1回目の焼成処理で、下地層形成用素材の成分である、焼成過程で流動して固着するための低融点ガラス粉末は600°Cで、10分間の保持で十分に流動し、且つ、樹脂分も焼失した。
電極配線形成用の加工用素材を焼成するための第2回目の焼成処理は、ピーク温度Tpは600°Cで10分間の保持、この後の450°Cまでの徐冷にて、冷却し、更に常温まで急冷却した。
そして、誘電体層、障壁形成用の加工用素材を、それぞれ焼成するための、第3回目、第4回目の焼成処理は、それぞれ、ピーク温度Tpは570°Cで10分間の保持、この後の450°Cまでの徐冷にて、冷却し、更に常温まで、急冷却した。
2回目の焼成処理のピーク温度が600°Cである理由は、電極形成用の加工素材を完全に焼結させるためで、3回目の焼成処理以降のピーク温度を570°Cとした理由は、各加工用素材を焼結し、且つ、前に焼結した加工用素材(ペースト)が、後の焼成工程で流動するのを防止するためである。
これらの加工用素材を焼結させるために、各焼成工程のピーク温度としては、前の焼成処理と同じピーク温度あるいは、それより下のピーク温度で焼成することが望ましい。これにより、前に焼結した加工用素材(ペースト)が、後の焼成工程で流動するのを防止できる。
【0022】
(実施例2)
実施例1において、下地層を設けない場合で、電極配線、誘電体層、障壁形成用の、それぞれの加工用素材の焼成処理を第1回目、第2回目、第3回目の焼成処理とするものであり、ここでは、電極配線形成用の加工用素材を塗布した後、電極配線形成用の第1回目の焼成処理をガラス基板のアニール処理を兼ねて行った。
ガラス基板の焼成処理を兼ねる第1回目の焼成処理では、図2における、ピーク温度Tpは600°Cで、この温度まで昇温した後、この温度で10分間保持してから、ガラス基板の歪点(570°C)以下の450°Cまで、徐冷し、この後常温まで急冷した。
尚、徐冷の冷却速度は2.5°C/分とした。
実施例2でも、実施例1の場合と同様、ガラス基板の徐冷点は620°Cであるが、ピーク温度Tpは600°Cで10分間の保持、この後の450°Cまでの徐冷で、ガラス基板の永久歪は実用レベルで除去できた。
第2回目、第3回目の焼成処理は、それぞれ、ピーク温度Tpは570°Cで10分間の保持、この後の450°Cまでの徐冷にて、冷却し、更に常温まで、急冷却した。
【0023】
(比較例)
比較例は、実施例2において、ガラス基板のアニール処理を兼ねる第1回目の焼成処理に代え、ガラス基板のアニール処理を予め行った後に、電極形成用の加工素材を塗布し、これを焼成するための第1回目の焼成処理を行ったものである。
アニール処理は、図2における、ピーク温度Tpは600°Cで、この温度まで昇温した後、この温度で10分間保持してから、ガラス基板の歪点(570°C)以下の450°Cまで、徐冷し、この後常温まで急冷した。
第1回目〜第3回目の焼成処理は、それぞれ、ピーク温度Tpは570°Cで10分間の保持、この後の450°Cまでの徐冷にて、冷却し、更に常温まで、急冷した。
尚、徐冷の冷却速度は2.5°C/分とした。
【0024】
このように、上記実施例2の電極配線形成のための製版、障壁形成のための製版における製版性は、特に比較例と差はみられず、実施例2と比較例では、作製された背面板の品質面でも特に差は見られなかった。
また、実施例1のものも、特に、製版性、品質面で問題はなかった。
実施例は、プラズマディスプレイ用の背面板の作製工程に本発明の方法を適用したものであるが、その適用がこれに限定されないことは言うまでもない。
【0025】
【発明の効果】
本発明は、上記のように、プラズマディスプレイパネル用の背面板、前面板の作製において、作業性や品質面で悪影響を与えることなく、プロセス全体を短かくできる方法の提供を可能とした。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の1例を説明するための工程図
【図2】アニール処理を説明するための図
【図3】電極配線形成の製版処理を説明するための工程図
【図4】障壁形成の製版処理を説明するための工程図
【図5】PDPの製造工程を説明するための工程図
【図6】PDP基板を説明するための図
【符号の説明】
110 昇温処理
120 ピーク温度保持処理
130 徐冷処理
140 急冷処理
T0 焼成前後の温度
Tp ピーク温度
Ts 歪点(温度)
310 ガラス基板
320 下地層
330 電極形成用の加工用素材
330A 電極配線
340、345 レジスト
350 誘電体層
360 障壁形成用の加工用素材
360A 障壁

Claims (3)

  1. 背面板ないし前面板用のガラス基板上での低融点ガラスペーストからなる加工用素材の焼成工程を少なくとも1回行い、且つ、焼成工程の後にフォトマスクを用いた製版工程を行うプラズマディスプレイパネル用の背面板ないし前面板の作製方法であって、ガラス基板として高歪点ガラスを用い、昇温後、ピーク温度で一定時間保持し、その後、ガラス基板の歪点まで徐冷することを含む、ガラス基板の永久歪を除去するアニール工程と、焼結できる温度および保持時間をアニール工程のピーク温度およびその保持時間に合わせた低融点ガラスペーストからなる加工用素材を焼結する1回目の焼成工程とを同時に行うことを特徴とするプラズマディスプレイパネル用の背面板ないし前面板の作製方法。
  2. 請求項1において、1回目の焼成工程における低融点ガラスペーストからなる加工用素材が、ガラス基板上に電極配線を形成する際に下地とする下地層を形成するための加工用素材であることを特徴とするプラズマディスプレイパネル用の背面板ないし前面板の作製方法。
  3. 請求項1において、1回目の焼成工程における低融点ガラスペーストからなる加工用素材が、電極配線を形成するための加工用素材であることを特徴とするプラズマディスプレイパネル用の背面板ないし前面板の作製方法。
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