JP3935490B2 - 豆乳ケフィア及びその製造方法 - Google Patents

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本発明は、人体に保健効果を与える健康食品に関する。本発明は、より詳細には、乳発酵産物の風味を損なうことなく、人体に対する保健効果を総合的に向上させる有効成分を含む新規組成の健康食品に関する。また、本発明は豆乳を原料としたケフィアに関する。
近年の健康食品ブームを反映して多様な健康食品が開発、市販されている。例えば、獣乳の発酵産物であるヨーグルトは、発酵乳のもつ保健効果への関心の高まりと共に消費量が増大し、各家庭に普及している。本発明者等は発酵産物の健康食品として、生理効果を有し、保健上有効な凍結乾燥ヨーグルトとこの凍結乾燥ヨーグルトを牛乳及びケフィア菌から製造する方法を開発して、既に特開昭62−83842号(特許文献1)として提案した。
このようにして製造されたケフィアには、抗腫瘍活性、抗血栓作用や初期免疫賦活作用があることも知られている。
しかしながら、このような乳発酵産物の保健効果は、この乳発酵産物の製造における発酵過程で使用される菌に由来する発酵物に影響されることが多く、自ずから特定の効果に限定される欠点があった。
この欠点を改善する方法として、乳発酵産物に他の成分を添加して、全体として調和のとれた健康食品とする試みが行われてきた。例えば、乳発酵産物にカルシウム塩、オリゴ糖及び蜂蜜類を添加したもの(特開平9−37711号・特許文献2)や、乳発酵産物に、カルシウム塩及びオリゴ糖並びに核酸食品、鮫軟骨、クロレラ、コラーゲンなどの補助成分を添加したもの(特開平9−191852号・特許文献3)などが報告されている。
乳発酵産物に前記のような成分を添加して、総合的な健康食品を提供する試みが行われているが、必ずしもその効果は充分ではなく、少ない成分数で充分な効果を挙げることも困難であった。
特開昭62−83842号 特開平9−37711号 特開平9−191852号
本発明は上記欠点を解消し、乳発酵産物の保健効果を、従来の乳発酵産物由来の健康食品では得られなかった総合的かつより高い保健効果を人体に与えることができる健康食品の提供を目的とするものである。
また、ハーブ類は単独では苦みなどが強く、これを単独で服用することが困難であった。したがって、本発明は、ハーブ類の呈味を改善し、服用のしやすいハーブ類含有組成物を提供することも目的としている。
本発明は、乳発酵産物にハーブ類の少なくとも1種を含有させてなる健康食品に関する。本発明の健康食品は前記したハーブ類の他にさらに、コラーゲン類、コンドロイチン類、及び、グルコサミン類からなる群から選ばれた少なくとも一つの成分を添加したものであってもよい。
また、本発明は、苦味などの呈味が改善されたハーブ類及び乳発酵産物、好ましくはケフィアを含有してなる経口組成物に関する。
本発明の健康食品は、ヨーグルトやケフィア等の乳発酵産物にハーブ類の1種以上を配合したものであり、各成分固有の生理作用に加えて、これら各成分の相乗効果により人体に対する総合的保健効果を高めるとともに味覚的にも優れた食品である。更に、これにコラーゲン類、コンドロイチン類、ビタミン類及び/又はグルコサミン類などを添加すれば、より一層優れた保健効果を有する健康食品として供することができる。また、本発明はハーブ類特有の苦味等を改善し、服用のしやすいハーブ類含有組成物を提供する。
本発明の健康食品における乳発酵産物とは、獣乳又は豆乳の発酵産物であるヨーグルト、乳発酵液またはケフィアであり、獣乳としては、例えば、牛、馬、羊、山羊などの乳が挙げられ、豆乳としては、例えば、大豆などの乳化物が挙げられる。これらの獣乳又は豆乳から発酵産物を製造する方法は特に限定されるものではなく、例えば現在、牛乳を原料とするヨーグルト、乳発酵液またはケフィアの製造方法、もしくは東欧などで行われている馬乳からの発酵乳クーミスの製造方法などを採用することができる。しかし、とくに牛乳又は豆乳にケフィア菌を添加し、その発酵によって得られる乳発酵産物のケフィアが好ましく用いられ、該ケフィアは例えば特開昭62−83842号の方法と同様な方法によって製造することができる。
また本発明は豆乳をケフィア菌を用いて発酵させた豆乳ケフィア及びその製造方法並びに豆乳ケフィアを含有してなる健康食品に関する。
本発明の豆乳ケフィアは、獣乳を原料とする代わりに豆乳を原料として用いて、同様な方法により製造することができる。例えば、豆乳に適当なケフィア菌スターターを接種してヨーグルトを製造する。
ケフィア菌は、生物学的にひとつの生体としてふるまうものであるが、学術的には各種微生物の天然の共生体となっているものである。ケフィア菌の集合体であるケフィア粒は、小豆大〜小指大の大きさで、その構成菌は休眠状態にある。
このケフィア粒を牛乳中などで20〜25℃で培養して活性化することにより、ケフィア菌スターターを得ることができる(特開昭62−83842号)。
活性化したケフィアスターターを豆乳に対して0.1〜10%、好ましくは0.5〜5%、より好ましくは2〜5%の割合で加え、培養温度15〜30℃、好ましくは18〜25℃で、10〜35時間、好ましくは20〜25時間培養する。
培養液の乳酸度が0.5〜1.5%、好ましくは0.7〜1.2%程度に達したら、冷却等により発酵をとめ、ヨーグルト状の生成物を得ることができる。これを適宜乾燥、例えば凍結乾燥法などにより乾燥して、乾燥豆乳ケフィアとすることができる。
原料の豆乳は、豆乳のみを使用してもよいが、これに獣乳、例えば、牛乳などや、他の乳製品を必要に応じて加えることもできる。
本発明の豆乳ケフィアは、ケフィアの特徴を有し、かつ、動物脂肪が少なく、健康食品として優れている。
乳発酵産物の形態は、乳白色泥状を呈するヨーグルト状、あるいは該ヨーグルト状産物を凍結乾燥のような乾燥処理を施して得られる粉末状産物、または該粉末状産物を成形して得られる顆粒状、錠剤、又は、カプセルなどであっても良い。また、該乳発酵産物を加工して、飲用に適した液体状としたものでもよい。
本発明の健康食品は、乳発酵産物に有効成分としてハーブ類の少なくとも1種からなる成分を添加したものである。
ハーブ類は、古くからの民間療法等で、また、最近ではいわゆる西洋医学の医療の代替療法(オルタナティブ療法)にも用いられているハーブも、本発明の健康食品の有効成分として用いることができる。
本発明に使用するハーブ類としては、特に限定はなく、一般に食用・飲用されているものの他、薬草として知られるものなどの1種又は2種以上を使用できるが、これらを2種以上組み合わせることで互いの含有成分の効果が薄れないよう考慮する必要がある。また、成分によってはそのままの風味が食品として適さない場合は、甘味料または果実等の添加により味覚を調整することもできる。さらに、ハーブの形態は、乾燥したもの(ドライ)または生のもの(フレッシュ)のどちらでも使用できるが、一般に入手しやすく、取扱、保存及び加工も簡便なことから乾燥ハーブが好ましい。
本発明で使用する好ましいハーブとしては、例えば、月見草、各種のシソ、バレンギク(エキナツェア)、西洋オトギリソウ、マリアアザミ、キバナアザミ、イチョウ葉、カモミール(カモミラ)、スギナ、ギムネマなどが挙げられ、より好ましいハーブとしては、月見草、シソ類、バレンギク、西洋オトギリソウ、マリアアザミ、キバナアザミ、イチョウ葉などが挙げられる。また、その配合比率も、効能及び風味上の問題が生じない範囲で、特に制限はないが、通常は乾燥乳発酵産物と乾燥ハーブ類の合計重量の5〜100重量%、好ましくは10〜80重量%、より好ましくは15〜50重量%である。
本発明におけるハーブ類のひとつである月見草は、好ましくは月見草の種子油が挙げられる。月見草種子油は古くから民間薬として用いられており、「王様の万能薬」とも呼ばれていた。
月見草種子油にはγ−リノレン酸が約7〜7.5%、リノール酸が約72%含まれており、これらの脂肪酸がプロスタグランジンの生合成経路に関与していることから、プロスタグランジンが関与する多数の生理機能に寄与するハーブ類である。特にリノール酸からγ−リノレン酸の転換が阻害されている人にとってはγ−リノレン酸の摂取が不可欠のものとなる。さらに、月見草種子油には、抗アレルギー作用やアトピー性疾患に効果があることも報告されている。
シソ類は、好ましくは乾燥した赤シソの葉が用いられる。この中のペリラアルデヒドが精油成分で、シソ特有の香気成分でもある。シソの効能としては、発汗作用、胃液分泌や胃腸蠕動の促進等の健胃作用、利尿作用、抗アレルギー作用等が挙げられる。また、古来、防腐作用に優れていることも知られ、食中毒、魚毒等の中和に有効であるとされている。シソの葉には、ビタミンAが多く含有され、その含有量は100g中に4800IUと非常に多量である。
バレンギク(エキナツェア)はキク科の植物で、エキナケアまたはエキナセアとも呼ばれる。近年、米国において、免疫力を高める効果を持つハーブとして注目を集め。我が国でも関心が高まっている。ヨーロッパでも繁用されているハーブであり、特にドイツでは医薬品として認可されている。バレンギクの持つ他の効能としては、SOD様作用(活性酸素消去作用)、アレルギー改善作用、消炎作用等が挙げられる。現在知られている有効成分は、イヌリン、ベタイン、ユーメチルテトラデカディエン、エキナセイン及びエキナコシドがある。
西洋オトギリソウは、欧米では古くより非常に良く知られたハーブで、西洋腫と日本種がある。欧米の民間療法では種子を煎じて用いられ、利尿、頭痛、不眠症、胃腸カタル等に効果があるといわれている。また、日本種は全草を煎じて、心臓病、腰痛、腹痛、子宮出血にも用いられる。西洋種、日本種のいずれにも、有効成分として、下記式(I)で示されるヒペリシンが含有される。近年の研究により、ヒペリシンは、精神安定作用(トランキライザー)、抗うつ作用、抗ストレス作用、自律神経安定作用、更年期障害の諸症状改善作用等が期待されている。ラベンダー等の他の精神安定効果のあるハーブとの併用により、相乗効果も期待できる。
Figure 0003935490
マリアアザミは、古くからヨーロッパで肝臓疾患の薬として繁用されてきた。この効果は、近年の研究によっても確認されている。また、アーティーチョークと呼ばれる野菜も同じアザミの仲間で肝臓に良いことが知られる。マリアアザミの効果は、肝疾患、特に急性肝炎、アルコール性肝炎、ウィルス性肝炎、慢性肝炎、肝硬変、虚血性肝臓障害等に対して認められる他、民間療法では葉を煎じて強壮剤、食欲増進剤、解熱剤循環器障害改善のためにも用いられている。さらに種子を煎じた汁はアレルギー改善に効果があることがわかっている。有効成分はシルマリンと総称されるシリビン(下記式(II)参照)、シリジアニンやシリクリスチンなどのフラボノリグナンである。
Figure 0003935490
また、キバナアザミ(サントリソウ)も同じアザミの仲間で欧米では良く知られたハーブであるが、効用は解熱作用、利尿作用、食欲増進作用等である。
さらに、マリアアザミは、前述のバレンギクやイチョウ葉と同様にSOD様作用を持つことも知られている。
イチョウ葉は、前記のSOD様作用の他にも、古くから漢方薬として肺疾患に種子と共に用いられてきた。また、ドイツでもエキスが血液循環改善薬として用いられてきた。この効能は、イチョウ葉に含有される約20種のフラボノイドによるものと考えられる。フラボノイドは種子の発芽と成長の調整物質として全ての植物と海藻類に含有されるが、イチョウ葉の場合は二重フラボンという自然界では他に見られない特有の成分が数種見つかっている。中でも、ギンコライドという成分は末梢血管を拡張する働きがあることがわかっている。
カモミール(カモミラ)は、ハーブとして最も古くから知られるものであり、その花頭を用いた煮だし汁は鎮静作用と消化作用とに優れている。長年お茶として飲料にも用いられるほど香りも穏やかで、他のハーブ等の効能を打ち消すこともほとんどない。
本発明では、上記の他、多種のハーブが使用可能であり、特に風味の向上や相乗効果のために2種以上を配合して利用してもよい。また、ハーブの持つ色素を利用して、製品に着色を施すことも可能である。
また、本発明の健康食品には、さらにコラーゲン類、コンドロイチン類、グルコサミン類及びビタミン類からなる群から選ばれる少なくとも1種の成分をさらに添加してもよい。コラーゲンは、細長い線維状のタンパク質であり、人体のタンパク質の1/3を占め、細胞間物質の主成分である。さらに、水分を除く皮膚組織の70〜80%を占め、美粧品の有効保湿成分として注目されてきたが、骨、関節、筋肉及び血管にも多く存在し、その組成にも重要な役割を果たすことから、健康食品の有効成分としても利用が可能である。すなわち、細胞の増殖、細胞組織をつないで骨・筋肉・臓器等器官を形成することにおいて重要である。
また、コラーゲンは細胞中でアミノ酸を原料として絶えず生成され、細胞外に分泌され、体内のいたるところで作用する。この生成が不十分だと細胞増殖の衰えや生体機能の低下が起こり、ひいては各種の疾患につながりやすい。さらに、コラーゲンは代謝スピードが遅いため分解されるまでに老化現象を起こして変性してしまい、そこから細胞機能が低下しまた代謝が悪くなるという悪循環が起こる。そのため、通常の食事からの摂取と併せて、適切な量を機能性食品や健康食品から摂取することが望ましいといえる。
本発明のコラーゲンは、通常の方法により得られるものを使用できる。
コンドロイチンはグリコサミノグリカンともいい、ムコ多糖の一種であり、スルメイカの皮から単離したり、下記の一般式(III)で示される繰返し単位を有するコンドロイチン硫酸を脱硫酸すると得られる。このように、コンドロイチンはアミノ糖とウロン酸またはガラクトースからなる二糖の繰り返し構造を持ち、人体では、骨、角膜、血管壁等の結合組織に多く含まれ、組織中でタンパク質と結合している。また、コンドロイチン硫酸の生合成での前駆体ともいわれる。
コンドロイチン硫酸は、動物性で牛、サメの軟骨、魚の骨、眼球に含まれており、その塩は体内の水分調節、潤滑作用、感染防止(免疫力強化)、化骨形成、創傷治癒、脂血浄化、角膜透明度の維持、血液凝固阻止等の効果が知られている。
Figure 0003935490
(式中、Rは水素原子又はSOHを示す。)
グルコサミンは、ヒト及び動物の生体内のアミノ糖の一種で、粘性を持つムコ多糖の成分として軟骨や結合組織の多くに存在する軟骨細胞形成に重要な成分である。塩酸で加水分解したものがグルコサミン塩酸塩である。すでに、欧米では関節炎・関節痛に効果があることが知られている。このような関節障害の改善の他に、カルシウム代謝や軟骨組織の代謝を高めることや生体内でコンドロイチン及びヒアルロン酸に生成されることが知られ、高齢者のための保健効果を期待できる。
本発明の成分として加えられるコラーゲン類、コンドロイチン類、又は、グルコサミン類の1種若しくは2種以上の成分の添加量は、乳酸発酵産物の発酵液そのものの重量に対して2〜25%、好ましくは3〜20%、より好ましくは3〜15%であり、より詳細にはコラーゲン類の場合は2〜25%、好ましくは2〜10%であり、コンドロイチン類又はグルコサミン類の場合は2〜5%、好ましくは2〜4%である。
また、本発明の健康食品には前記した必須の成分の他に、必要に応じてカルシウム塩、オリゴ糖類、蜂蜜類、食物繊維類、甲殻類由来の塩基性糖類、カロチン類、脂肪酸塁などを適宜、配合して添加することもできる。
本発明の健康食品は、呈味や風味付けをするために、食品類に通常使用される添加物をさらに添加してもよい。
本発明の健康食品は、粉末状、顆粒状、錠剤状、またはヨーグルト状のいずれの形態であっても良く、それぞれの目的に応じて適宜の形態で製品とすることができる。なお、ヨーグルト状形態で製品化する場合において、配合された各有効成分の比率あるいは有効成分比率と補助成分の比率によって摂取に不便、不都合を生ずる程度に濃厚な状態のときには、適宜な濃度で水に希釈する。特に、夏期においては積極的に希釈すると共に冷却することにより清涼飲料水としての効果を期待することもできる。
更に本発明の健康食品は他の食品、たとえば菓子類、パン等への添加物として使用することもできる。したがって、本発明は、本発明の健康食品を含有する食品類にも関する。
本発明の健康食品は、乳発酵産物が有する整腸効果などに加えて、ハーブ類の有するおだやかな生理活性作用がほどよく調和したものであり、これにさらに、異なる生理活性を有するコラーゲン類、コンドロイチン類、ビタミン類及び/又はグルコサミン類を配合することにより、生体にバランスよく生理活性を与える機能性食品として有用である。また、ハーブ類の有する苦味などの好ましくない味を乳発酵産物、特にケフィアの配合により顕著に改善することができ、ハーブ類の味覚の改善された健康食品である。
更に、これらの有効成分に加えて前記した補助成分を配合することにより、これらの各有効成分、あるいは有効成分と補助成分の相乗作用に基づく優れた効果が発揮される。例えば、ハーブ類により、人体の生理活性が高められる。この活性化効果は、乳発酵産物摂取による整腸、免疫賦活作用や抗腫瘍活性を促進すると共に、ハーブ類の吸収効率を高めてハーブ類の生理活性を亢進する。このような相乗的作用によりハーブ類、並びに、コラーゲン類、コンドロイチン類、ビタミン類及び/又はグルコサミン類の効用並びに乳発酵産物の効用を更に一層高めることができる。
以下、本発明の健康食品および本発明の健康食品を他の食品に添加した実施例に基づいて詳細に説明するが、本発明はこれらの態様に限定されるものではない。
実施例1(大豆豆乳を用いたケフィアの製造方法)
選別した大豆を洗浄して、水に浸析して、磨砕して蒸煮釜で蒸煮し、濾別してオカラを除き更に殺菌、冷却して豆乳の原料とする。
一方、篩別に特定のケフィア菌種の培養に必要な栄養分を含んだ培地(例えば牛乳等)を用いて培養増殖させてスターターを調製する。
予め殺菌冷却した適温の豆乳を準備しておき(23〜26℃)、これに前記で調製したケフィアスターターを3〜5%の濃度になるように混入し、充分撹拌して培養を始める。培養温度は18〜28℃時間は15〜24時間程度で、必要な乳酸酸度0.8〜1.2%に達したならば5〜2℃まで冷却して発酵の進行をとめる。これを液状のまま或いは乾燥粉末化して原料として用いる。
実施例2
乳発酵産物としてケフィアの凍結乾燥粉末を用い、有効成分であるハーブ類として月見草種子油及びシソ油(エゴマ)を用い、これに各種補助成分を使用し、下記の割合で充分に混合して均一な混合粉末を調製した。次いで、この混合粉末を成形して顆粒状および錠剤状の健康食品を製造した。
ケフィア 140.00mg
月見草油 50.00mg
シソ油(エゴマ) 10mg
ビタミンE60% 10.00mg
ミツロウ 適量
脂肪 適量
得られた健康食品は、凍結乾燥ケフィアが有する乳状の芳香があり美味な食品であり、かつ滋養豊かな保健効果の優れた食品であった。
実施例3
実施例2で得た粉末状の健康食品を、下記の示す配合比率により各種の食品類に配合した。得られた食品類は、いずれも保健効果が付与され、健康食品としての効能を十分発揮するものであった。
(a)食パン
強力粉:390g、スキムミルク:8g、砂糖:24g、ドライイースト:4g、バター:15g、水:300g、塩:7g、実施例2の健康食品:10g。
(b)ビスケット
小麦粉:454g、還元麦芽糖:113g、砂糖:113g、スキムミルク:17g、卵:28g、ベーキングパウダー:4.5g、フレーバー:0.5g、実施例2の健康食品:100g、マーガリン:170g。
(c)力マボコ
すり身:400g、グルタミン酸ナトリウム:6g、水:280g、でんぷん:20g、塩:10g、実施例2の健康食品:l0g。
実施例4(エキナセア例)
ハーブ類としてエキナセアを使用し、実施例2と同様にして健康食品を得た。
ケフィア 70.00mg
エキナセア 30.00mg
ビタミンE 10.00mg
スクワレン 10.00mg
乳化剤など 適量
実施例5(セントジョンズワート例)
ハーブ類としてセントジョンズワートを使用し、実施例2と同様にして健康食品を得た。
ケフィア 100.00mg
セントジョンズワート 70.00mg
ビタミンE 10.00mg
乳化剤など 適量
実施例6(イチョウ葉例)
ハーブ類としてイチョウ葉を使用し、実施例2と同様にして健康食品を得た。
ケフィア 100.00mg
イチョウ葉 20.00mg
ビタミンE 10.00mg
他 適量
試験例1
ケフィアに月見草を混ぜたカプセルをアトピー性疾患に悩む方々20名ほどに8週間ほど飲用してもらった。対照群として20名ほどにケフィア単体(粉末状)を飲んでもらった。
結果を表1に示す。
Figure 0003935490
このように、ケフィアに月見草を加えた粉末を飲んだ場合は、ケフィアのみを飲んだ時に比べ著明改善の割合が2.5倍になり、かなり改善も1.5倍となりケフィア単体で飲用するよりも有用である。
試験例2
ケフィアにイチョウ葉を加え粉末化し、イチョウ葉単体の粉末と味覚の比較をした。10名の方に飲用してもらった。
結果を表2に示す。
Figure 0003935490
上記のようにイチョウ葉のみに比べケフィアにイチョウ葉を加えることにより味が顕著に改善された。イチョウ葉は元来苦味が強くカプセルなどで飲用するケースが多いがケフィアに加えることで発酵食品のそのさわやかな味と酸味が苦味をマスキングし飲み易くなった。

Claims (10)

  1. 豆乳を殺菌する工程、
    該豆乳を、23〜26℃の範囲の温度に加温する工程、
    該豆乳に、3〜5%の範囲の濃度となるようにケフィア菌を混入し、撹拌する工程、
    ケフィア菌の混入された豆乳を、18〜28℃の範囲の温度で、15〜24時間、培養し、発酵させる工程、
    豆乳の発酵が乳酸濃度0.8〜1.2%に達することを基準として、豆乳を5〜2℃の範囲の温度に冷却して、発酵の進行を停止する工程、
    を含んでなる、豆乳ケフィアの製造方法。
  2. 発酵の進行を停止する工程の後に、
    発酵産物を凍結乾燥する工程、
    を設ける、請求項1に記載の製造方法。
  3. ケフィア菌をケフィアスターターとして添加する請求項1又は請求項2に記載の製造方法。
  4. 請求項1又は請求項2に記載の工程の後に、
    月見草、シソ、バレンギク(エキナツェア)、西洋オトギリソウ、マリアアザミ、イチョウ葉、カモミール(カモミラ)からなる群から選ばれた少なくとも一つの成分を、ハーブ類として豆乳ケフィアに含有させる工程、
    を設けてなる、健康食品の製造方法。
  5. 請求項1又は請求項2に記載の工程の後に、
    月見草、西洋オトギリソウ及びイチョウ葉からなる群から選ばれた少なくとも一つの成分を、ハーブ類として豆乳ケフィアに含有させる工程、
    を設けてなる、健康食品の製造方法。
  6. 月見草、西洋オトギリソウ及びイチョウ葉からなる群から選ばれた少なくとも一つの成分が、月見草である、請求項5に記載の製造方法。
  7. さらに、コラーゲン類、コンドロイチン類、ビタミン類、及び、グルコサミン類からなる群から選ばれた少なくとも一つの成分を含有させる工程、
    を設けてなる、請求項4〜6の何れかに記載の製造方法。
  8. 請求項4〜7の何れかに記載の製造方法によって得られる健康食品。
  9. 健康食品が、カプセル、顆粒状、錠剤、ペースト状又は飲料の形態である請求項8に記載の健康食品。
  10. 請求項8〜9の何れかに記載の健康食品を他の食品類に含有させてなることを特徴とする食品。
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