JP3935218B2 - 放射性遷移金属窒化物へテロ錯体 - Google Patents

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Description

発明の属する技術分野
本発明は,放射性遷移金属窒化物ヘテロ錯体,該錯体を含んでなる放射性医薬品及び該錯体の製造方法に関する。さらに詳しくは,本発明は,放射性テクネチウム又は放射性レニウムの窒化物に二種の異なる配位子が配位した放射性遷移金属窒化物ヘテロ錯体,該錯体を有効成分とする放射性イメージング診断剤又は放射性治療薬及びそれらの製造方法に関する。
背景技術
放射性医薬品として用いられる放射性遷移金属の中でも,99mTcは放射性イメージング診断剤の分野では最もよく使用される核種であり,186Re及び188Reは治療剤の分野で好ましく用いられている核種である。これらの放射性遷移金属は,種々の酸化状態で異なる配位数を有し,多数の配位子と種々の錯体を形成することができるので,一般に錯体の形態で用いられる。例えば錯体を得る方法として,配位子をまずTcにキレートさせ,次いでキレートに生理活性物質を結合させるか,又は最初に配位子に生理活性物質を結合させた後,Tcを配位させるという方法があるが,いずれの方法を採用しても,通常は生理活性物質の活性をそっくり維持したまま上記結合を行うことは困難であり,特に小さな化合物ではなおさら困難である。
最近,生理活性物質の一部を,その活性を損なうことなく金属イオンを含む錯体で置換する方法が提案されている(D.Y.Chi et al., J.Med.Chem. 1994, 37, 928-937)。この方法は,金属を含有するブロックが正確に生理活性物質に結合し,オリジナルの生理活性物質と非常に近い構造を保つことができるという利点を有する。しかし,一般的に用いることができる方法は未だ確立されていない。
遷移金属の窒化物錯体は,加水分解に対する安定性に優れているので,医薬品への適用に際して種々の有用な生理活性を有する配位子と交換反応を行う場合に,窒化物錯体のニトリド基が金属原子と強固に結合したまま留まることができる。したがって,種々の置換基を有する遷移金属窒化物錯体が提案されてきた。例えば,WO90/06137には,ビスジチオカルバミン酸ジエチル−Tc窒化物錯体,ビスジチオカルバミン酸ジメチル−Tc窒化物錯体,ビスジチオカルバミン酸−ジ−n−プロピル−Tc窒化物錯体,ビスジチオカルバミン酸−N−エチル−N−(2−エトキシエチル)−Tc窒化物錯体等が開示されている。
また,WO89/08657には,遷移金属の酸化物に遷移金属の還元剤としてポリホスフィン等を作用させ,次いで窒化物の窒素源として金属又はアンモニウムの窒化物を反応させて窒化物とした後,生理活性を有するモノクローナル抗体等を配位させて遷移金属窒化物錯体を得る方法が開示されている。
しかしこれらの方法では,生理活性基を有する配位子の選択が得られる医薬品の性質を決定づけるほどに非常に重要であるにもかかわらず,金属窒化物錯体が単座から四座までの様々な数の配位座を採り得るので複数の型の錯体が形成されてしまい,生理活性を有する特定の配位子を化学量論的に有する単一の錯体を得ることが困難であった。
発明の開示
放射性金属がテクネチウム又はレニウムでは酸化数が+I価から+VII価まで存在し,窒化物錯体は通常+V価で,それらの金属原子は5つの配位座を有し,その立体的な分子配置として下記式(V)又は式(VI)のような配置をとることが予想されている。
Figure 0003935218
Figure 0003935218
式(V)の配置構造を正方錐構造(Square Pyramidal Geometry,sp構造),式(VI)の配置構造を三方両錐構造(Trigonal Bipyramidal Geometry, tbp構造)という。ただし,a,b,c,d及びa',b',c',d'は説明の便宜上配位座に付した符号である。
式(V)のsp構造は,配位座a,b,c,dが正方形を形成し,この正方形を底面としてNを頂点とする正方錐構造である。式(VI)のtbp構造は,b',c',及びNが同一平面で一の三角形を形成し,この三角形を共通の底面としてa'及びd'をそれぞれ頂点とする二つの三角錐構造からなると考えられる。
本発明者等は,二座配位子,三座配位子,四座配位子等遷移金属窒化物に配位する可能性のある配位子の中から,単一構造の錯体を形成させることのできる配位子の組合せ及びそのような錯体を形成する方法について鋭意検討した結果,異なる二つの二座配位子を非対称的に配位させることによって単一で且つ安定な遷移金属窒化物が得られることを見出し,本発明を完成した。
本発明は,ペプチド,ホルモン等の生理活性物質を,その活性を損なうことなく,標識することができる新規な単一の放射性遷移金属窒化物ヘテロ錯体を提供することを目的とする。
本発明は,放射性遷移金属の窒化物に二つの異なる配位子が配位してなる下記式(1)で表される放射性遷移金属窒化物ヘテロ錯体である:
(M≡N)XY (I)
ただし,放射性遷移金属Mは放射性テクネチウム又は放射性レニウム,Nは窒素原子,Xはジホスフィン化合物又はジアルシン化合物,YはO,S及びNからなる群より選ばれる二つの電子供与性原子の組合せを有する二座配位子であって,該電子供与性原子は荷電していてもいなくてもよい。
本発明の他の態様は,放射性遷移金属Mの酸化物を,溶液中で還元剤の存在下又は非存在下に,カルバジン酸若しくはその誘導体又はヒドラジン若しくはその誘導体のいずれかと,ジホスフィン化合物又はジアルシン化合物とを反応させて放射性遷移金属窒化物中間体を得る第一の工程,及び該中間体を,O,S及びNからなる群より選ばれる二つの電子供与性原子の組合せを有する二座配位子と反応させる第二の工程からなる請求項1記載の放射性遷移金属窒化物ヘテロ錯体の製造方法である。
本発明の新親な放射性遷移金属窒化物ヘテロ錯体の製造法によって,光学異性体等を生成することなく単一の放射性遷移金属窒化物ヘテロ錯体が高収率で得られる。該錯体は遷移金属窒化物のコアに一つの中性二座配位子であるジホスフィン化合物と一つの電子供与性二座配位子より構成された新規な錯体であり,かつ電子供与性二座配位子自体の生理活性又はこれに結合された生理活性種の分子構造が損なわれることが少ない。このように本発明により,厳密にコントロールされた分子構造を有する放射性医薬品を得ることが可能となった。
【図面の簡単な説明】
図1は,テクネチウム−99m−窒化物中間錯体の酸性におけるクロマトグラムを示す。
図2は,テクネチウム−99m−窒化物中間錯体のアルカリ性におけるクロマトグラムを示す。
図3は,ビス(ジフェニルホスフィノエチル)エチルアミン(PNP)及び1−チオ−β−D−グルコース(β−glu)が配位したテクネチウム−99m−窒化物ヘテロ錯体のクロマトグラムを示す。
図4は,PNP及びチオサリチル酸(tsa)が配位したテクネチウム−99m−窒化物ヘテロ錯体のクロマトグラムを示す。
図5は,PNP及びジチオカルバミン酸−N−エトキシ−N−エチル(NOEt)が配位したテクネチウム−99m−窒化物ヘテロ錯体のクロマトグラムを示す。
図6は,PNP及びシステイン(Cys)が配位したテクネチウム−99m−窒化物ヘテロ錯体のクロマトグラムを示す。
図7は,PNP及びシステインエチルエステル(CysOEt)が配位したテクネチウム−99m−窒化物ヘテロ錯体のクロマトグラムを示す。
図8は,PNP及びCys−Lys−Pro−Val−NH2が配位したテクネチウム−99m−窒化物ヘテロ錯体のクロマトグラムを示す。
図9は,システイン−デシプラミン(DESI)の合成スキームを示す図である。図中の略称は,以下の置換基又は化合物を表す。
Me:メチル基
Et:エチル基
HOBt:N−ヒドロキシベンゾトリアゾール
EDC:1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド
TFA:トリフルオロ酢酸
TIS:トリイソプロピルシラン
BOC:tert−ブトキシカルボニル基
Trt:トリチル基
図10は,ビス(ジメトキシプロピルホスフィノエチル)メトキシエチルアミン(PNP3)及びシステイン−デシプラミン(DESI)が配位したテクネチウム−99m−窒化物ヘテロ錯体の構造式を示す図である。
発明を実施するための最良の形態
本発明の放射性遷移金属窒化物ヘテロ錯体は,M≡N結合を有する金属窒化物のコアに異なる二つの二座配位子X,Yが配位してなるものである。二種の配位子X,YはM≡N結合を有する金属窒化物のコアに配位し,かつ配位に際して光学異性体や幾何異性体を生じさせずに非対称なtbp構造をとって錯体を安定化するように選ばれる。式(VI)に示すtbp構造において金属窒化物のコアが有するa',b',c',d'の四つの配位座のうち,最も遠い位置で相対するa'及びd'の二座を架橋するように,金属イオンに対してトランス位に配位する配位子が好適に選ばれる。このようにa'及びd'の二座に配位させることによって,残りの二座b',c'に選択的にもう一つの配位子をシス位に配位させることができる。このような2つの配位子X,Yの結合状態を模式的に示すと,式(VII)のようであると考えられる。
Figure 0003935218
ただし,
Figure 0003935218
は配位子Xを表す。
このような配位子Xとしては,ジホスフィン化合物又はジアルシン化合物を挙げることができ,π電子との親和性を有するリン原子又はヒ素原子のような原子を対称的な位置に有するジホスフィン化合物又はジアルシン化合物であることが好ましい。例えば,π電子受容体である2個のリン原子を有し,かつそれらのリン原子がTcに対してトランス位に配位するように適当な長さでメチレン基,酸素原子,イオウ原子,窒素原子,エチレンジオキシ基等を介して結合されている,下記式(II)に示すようなビスホスフィン化合物が好適である。
Figure 0003935218
ただし,R1,R2,R3及びR4は各々水素原子,アルキル基,置換アルキル基,アリール基及び置換アリール基からなる群より選ばれる一つであって,互いに同じであっても異なっていてもよく,R5はメチレン基,Zは各々酸素原子,イオウ原子,メチレン基,NR6(ただし,Nは窒素原子,R6は水素,アルキル基,置換アルキル基,アリール基,置換アリール基,アミノ基,アミノ酸鎖,生理活性を有する基又は−C(=O)R7基(ただし,R7は水素,アルキル基,置換アルキル基,アリール基,置換アリール基,アミノ基,アミノ酸鎖又は生理活性を有する基である))又はエチレンジオキシ基からなる群より選ばれる一つであり,Pはリン原子,nは1≦n≦5の整数,mは0又は1である。より好適にはnは2≦n≦4の整数である。
上記式(II)のジホスフィン化合物のうち,ZがNR6の場合,具体的には下記式(III)又は式(IV)で表されるビスホスフィン化合物(以下PNP型と略す)が好適に用いられる。
Figure 0003935218
ただし,Phはフェニル基,R6は水素,アルキル基,置換アルキル基,アリール基,置換アリール基,アミノ基,アミノ酸鎖,生理活性を有する基又は−C(=O)R7基(ただし,R7は水素,アルキル基,置換アルキル基,アリール基,置換アリール基,アミノ基,アミノ酸鎖又は生理活性を有する基である)を示す。
Figure 0003935218
ただし,Xは0≦X≦4の整数,Wは0≦W≦3の整数であり,R6は水素,アルキル基,置換アルキル基,アリール基,置換アリール基,アミノ基,アミノ酸鎖,生理活性を有する基又は−C(=O)R7基(ただし,R7は水素,アルキル基,置換アルキル基,アリール基,置換アリール基,アミノ基,アミノ酸鎖又は生理活性を有する基である)を示す。
式(III)のジホスフィン化合物の例として,ビス(ジフェニルホスフィノエチル)アミン((C652−P−CH2CH2−NH−CH2CH2−P−(C652),ビス(ジフェニルホスフィノエチル)メチルアミン((C652−P−CH2CH2−N(CH3)−CH2CH2−P−(C652),ビス(ジフェニルホスフィノエチル)エチルアミン((C652−P−CH2CH2−N(CH2CH3)−CH2CH2−P−(C652),ビス(ジフェニルホスフィノエチル)プロピルアミン((C652−P−CH2CH2−N(CH2CH2CH3)−CH2CH2−P−(C652),ビス(ジフェニルホスフィノエチル)ブチルアミン((C652−P−CH2CH2−N(CH2CH2CH2CH3)−CH2CH2−P−(C652),ビス(ジフェニルホスフィノエチル)アセトニルアミン((C652−P−CH2CH2−N(CH2COCH3)−CH2CH2−P−(C652),ビス(ジフェニルホスフィノエチル)メトキシエチルアミン((C652−P−CH2CH2−N(CH2CH2OCH3)−CH2CH2−P−(C652)等が挙げられる。
式(IV)のジホスフィン化合物の例として,ビス(ジメトキシホスフィノエチル)アミン((CH3O)2−P−CH2CH2−NH−CH2CH2−P−(OCH32),ビス(ジメトキシホスフィノエチル)メチルアミン((CH3O)2P−CH2CH2−N(CH3)−CH2CH2−P−(OCH32),ビス(ジメトキシホスフィノエチル)エチルアミン((CH3O)2−P−CH2CH2−N(CH2CH3)−CH2CH2−P−(OCH32),ビス(ジメトキシホスフィノエチル)プロピルアミン((CH3O)2−P−CH2CH2−N(CH2CH2CH3)−CH2CH2−P−(OCH32),ビス(ジメトキシプロピルホスフィノエチル)エチルアミン([CH3O(CH232−P−CH2CH2−N(CH2CH3)−CH2CH2−P−[(CH23OCH32),ビス(ジメトキシプロピルホスフィノエチル)プロピルアミン([CH3O(CH232−P−CH2CH2−N(CH2CH2CH3)−CH2CH2−P−[(CH23OCH32),ビス(ジエトキシエチルホスフィノエチル)エチルアミン((CH3CH2OCH2CH22−P−CH2CH2−N(CH2CH3)−CH2CH2−P−(CH2CH2OCH2CH32),ビス(ジエトキシエチルホスフィノエチル)プロピルアミン((CH3CH2OCH2CH22−P−CH2CH2−N(CH2CH2CH3)−CH2CH2−P−(CH2CH2OCH2CH32),ビス(ジメトキシプロピルホスフィノエチル)メトキシエチルアミン([CH3O(CH232−P−CH2CH2−N(CH2CH2OCH3)−CH2CH2−P−[(CH23OCH32)及びビス(ジエトキシエチルホスフィノエチル)メトキシエチルアミン((CH3CH2OCH2CH22−P−CH2CH2−N(CH2CH2OCH3)−CH2CH2−P−(CH2CH2OCH2CH32)等が挙げられる。
また,上記式(II)のジホスフィン化合物のうち,Zがエチレンジオキシ基である場合(以下POOP型と略す)の例として,ビス(ジフェニルホスフィノエチル)ジオキシエチレン((C652−P−CH2CH2−OCH2CH2O−CH2CH2−P−(C652)又はビス(ジメトキシホスフィノエチル)ジオキシエチレン((CH3O)2−P−CH2CH2−OCH2CH2O−CH2CH2−P−(OCH32),Zが酸素である場合(以下POP型と略す),ビス(ジフェニルホスフィノエチル)エーテル((C652−P−CH2CH2−O−CH2CH2−P−(C652),Zが硫黄である場合(以下PSP型と略す),ビス(ジフェニルホスフィノエチル)スルフィド((C652−P−CH2CH2−S−CH2CH2−P−(C652),Zがメチレン基である場合(以下P(CH2nP型と略す),ビス(ジフェニルホスフィノエチル)アルキレンとして,ビス(ジフェニルホスフィノエチル)テトラメチレン((C652−P−CH2CH2−(CH24−CH2CH2−P−(C652),ビス(ジフェニルホスフィノエチル)ペンタメチレン((C652−P−CH2CH2−(CH25−CH2CH2−P−(C652)等が挙げられる。
上記のように配位子Xとしてジホスフィン化合物がM≡N結合に配位した中間体は,残りの二つの配位座にCl-,OH-等が配位してtbp構造を形成して安定化されている。安定化された中間体は,電子供与性原子対を有する二座配位子Yと容易に交換反応を行い,有用な放射性遷移金属窒化物ヘテロ錯体を形成する。このような中間体を形成すると,ひき続いて電子供与性原子対を有する二座配位子と交換反応を行わせる際に,光学異性体等を発生させることなく単一の配位構造の錯体を得ることができる。
二座配位子YはO,S及びNからなる群より選ばれる二つの電子供与性原子の組合せを有するが,この電子供与性原子は荷電していてもいなくてもよい。上記電子供与性原子の組合せとして,[N-,S-],[O-,S-],[S-,S-],[N-,S],[N,S-],[O,S-],[O,O-],[O-,N-,],[N-,N-],[O-,S],[O-,O-],[O-,N],[S,S-],[N,N-],[O,N-],[O,N],[N,N],[S,S],[O,O],[N,S]及び[O,S]が挙げられる。好ましくは,[N-,S-],[O-,S-],[S-,S-],[N-,S],[N,S-],[O,S-],[O,O-],[O-,N-],[N-,N-],[O-,S],[O-,O-],[O-,N]及び[S,S-]が挙げられる。二座配位子自体が生理活性物質からなることが好ましい。生理活性物質としては,糖,アミノ酸,脂肪酸,ホルモン,ペプチド,リセプター結合性リガンド等が挙げられる。これらの生理活性物質に,上記電子供与性原子の組合せを結合せしめることにより,種々の有用な放射性金属窒化物ヘテロ錯体を形成する二座配位子が得られる。例えば,電子供与性原子の組合せ[O-,S-]を有する化合物の例として,1−チオ−β−D−グルコース,チオサリチル酸及びそれらの誘導体等,電子供与性原子の組合せ[N-,S-]を有する化合物の例として,システイン及びシステインのエチルエステル等のエステル類,システイン残基を有するペプチド,2−アミノエタンチオール(H2N−CH2CH2−SH)等,電子供与性原子の組合せ[S,S-]を有する化合物の例として,ジチオカルバミン酸[H2N−C(=S)−SH]及びジチオカルバミン酸−N−メチル−S−メチル[HN(CH3)−C(=S)−SCH3],ジチオカルバミン酸−N−ジエチル[(C252N−C(=S)−SH],ジチオカルバミン酸−N−エチル[HN(C25)−C(=S)−SH],ジチオカルバミン酸−N−エトキシ−N−エチル[C25ON(C25)−C(=S)−SH]等のジチオカルバミン酸誘導体,ジチオカルバジン酸−N−エチル[H2N−N(C25)−C(=S)−SH],ジチオカルバジン酸−N−メチル−S−メチル[H2N−N(CH3)−C(=S)−SCH3]等のジチオカルバジン酸誘導体や[(シクロペンタジエニル)(ジチオカルボニルシクロペンタジエニル)鉄(II)]{Fe(C55)[C54C=S(SH)]}等が挙げられる。[N,N]を有する化合物の例としてエチレンジアミン類,フェニレンジアミン類,[O,O]を有する化合物の例としてサリチル酸,[O,N]を有する化合物の例としてグルコサミン等が挙げられる。これらの化合物自体も生理活性を有しているが,さらに糖,アミノ酸,脂肪酸,ホルモン,ペプチド,リセプター結合性リガンド等の生理活性物質をこれらの化合物に結合してもよい。
本発明の放射性遷移金属窒化物ヘテロ錯体は,まず放射性遷移金属Mの酸化物と上述のジホスフィン化合物又はジアルシン化合物Xとから,tbp構造又は擬tbp構造を有する遷移金属窒化物錯体の中間体[(M≡N)X]int.を得,次いでこれと上述の電子供与性原子の組合せを有する二座配位子Yとを反応させることにより製造される。
すなわち,下記の如く反応が行われる:
MO4 -+X+D → [(M≡N)X]int. (1)
[(M≡N)X]int.十Y → (M≡N)XY (2)
ここで,Dは金属窒化物を形成するための窒素ドナーである。窒素ドナーは,原則として官能基>N−N<を有する化合物から選ばれる。窒素ドナーDの例として,カルバジン酸及びジチオカルバジン酸−N−メチル−S−メチル(H2N−N(CH3)−C(=S)SCH3),ジチオカルバジン酸−S−メチル(H2N−NH−C(=S)SCH3),ジチオカルバジン酸−N−メチル−S−2−プロピオン酸(H2N−N(CH3)−C(=S)SCH(CH3)COOH)等のカルバジン酸誘導体;ヒドラジン及びヒドラジン誘導体,コハク酸ジヒドラジド,アセチルヒドラジド,イソニコチン酸ヒドラジド等のヒドラジド誘導体,及びアジ化ナトリウムなどが挙げられる。ジチオカルバジン酸−N−メチル−S−メチル,コハク酸ジヒドラジド,アセチルヒドラジド,イソニコチン酸ヒドラジド,アジ化ナトリウム等が,窒素ドナーDとして好適に用いられる。窒素ドナーDは単独で用いてもよいが,異なる種類を併用したり追加したりして用いることによって中間体の収率を向上することもできる。(1)式の中間体の生成反応において,塩化第一スズ,亜ジチオン酸ナトリウム等の還元剤を併用してもよい。遷移金属Mの酸化物としては,99mTcO4 -186ReO4 -188ReO4 -等が用いられる。
生理活性分子と遷移金属窒化物との配位をより厳密にコントロールすることは,得られる放射性医薬品の性質を決定する上で非常に重要である。上記(1)式で得られる中間体は,反応溶液のpHが酸性領域である場合は,ビスホスフィン化合物が配位した後の残りの配位子にCl-又はOH-等が配位した中間体の混合物であるので,pH緩衝液の存在下でpHを7〜10に調整することによって単一の構造の中間体を得ることができ,交換反応をより厳密にコントロールすることができる。
中間体の生成反応は,室温〜150℃,酸性pHで10〜30分間実施される。上記(2)式で表される配位子の交換反応は,(1)式で生成した中間体を,室温〜50℃に冷却後,pHが7〜10好ましくは約8になるように,例えばHCO3 -/CO3 2-緩衝液を添加して行われる。緩衝液はpHを7〜10に保つことができればその種類は制限されず,リン酸二水素カリウム/リン酸水素二ナトリウム,リン酸二水素カリウム/水酸化ナトリウム等のリン酸ナトリウム緩衝液も使用される。
配位子Xと二座配位子Yとの化学量論比X/Yは得られる放射性金属窒化物ヘテロ錯体の収率に影響するが,配位子Xと二座配位子Yの組み合わせによって適切な比率は異なる。例えば,配位子XがPNP型の場合,二座配位子Yがジチオカルバジン酸−N−メチル−S−メチル,アミノエタンチオール,システインエチルエステル,1−チオ−β−D−グルコース,チオサリチル酸の場合は特に化学量論比X/Yの制限はないが,ジチオカルバミン酸ジメチル,ジチオカルバミン酸−N−ジエチル,ジチオカルバミン酸−N−エトキシ−N−エチルを用いた場合はX/Y<1では二座配位子Yが二つ置換した錯体,99mTc(N)(Y)2が副産物として生成し目的とする非対称な放射性金属窒化物ヘテロ錯体の収率が減少する。従ってX/Y≧1となるように条件を選択するのが好ましい。
又,Yの二置換錯体99mTc(N)(Y)2の生成を防ぐ他の方法として,Yの立体障害を増大させることが考えられる。例えば,Yとして[(シクロペンタジエニル)(ジチオカルボニルシクロペンタジエニル)鉄(II)](以下FcCSと略す)を用いた場合,FcCSの二置換錯体の生成は殆どなく,X/FcCS=1のとき99mTc(N)(FcCS)2の生成率は5%以下であった。これは例えば,この二座配位子の大きい立体障害によって二置換体の生成が抑制されたものと考えられる。このことは,R(R′)−N−C(=S)S-やR(R′)−C−C(=S)S-タイプの大きい立体障害を有する二座配位子を用いると二置換錯体99mTc(N)(Y)2の生成が少いことを示している。
(1)式及び(2)式の反応により得られた放射性遷移金属窒化物ヘテロ錯体は,薬学的に許容されるアスコルビン酸,p−アミノ安息香酸等の安定化剤,炭酸ナトリウム緩衝液,リン酸ナトリウム緩衝液等のpH調節剤,メグルミン等の溶解剤,D−マンニトール等の賦形剤等の添加物と無菌的に混合することにより,放射性イメージング診断剤又は放射性治療薬に調製することができる。また,これらの添加物と組合せた用時調製用キットの形態でも本発明の放射性イメージング診断剤又は放射性治療薬の提供が可能である。
本発明の放射性イメージング診断剤及び放射性治療薬は,静脈内投与等の一般的に用いられる非経口手段により投与することができ,その投与量は患者の年齢,体重,対象疾患状態,使用する放射線イメージング装置等を考慮し,イメージング及び治療が可能と考えられる放射能の量に応じて決定される。ヒトを対象とする場合,99mTcの標識物を用いた診断剤の投与量は,99mTcの放射活性に換算して,37MBq〜1,850MBqであり,好ましくは185MBq〜740MBqである。
186Re又は188Reの標識物を用いた治療薬の投与量は,放射活性に換算して,37MBq〜18,500MBqであり,好ましくは370MBq〜7,400MBqである。
本発明に係る放射性イメージング診断剤及び放射性治療薬は上述の投与量で使用する限り,何ら急性毒性は見られなかった。
実施例
以下本発明を実施例により,さらに詳細に説明するが,本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
以下の実施例の配位子Xとして用いるジホスフィン化合物および二座配位子Yに次のように略称を付する。
ジホスフィン化合物X:
PNP ;(C6H52PCH2CH2N(C2H5)CH2CH2P(C6H52
PNPl;(C6H52CH2CH2PCH2CH2N(CH2CH2CH3)CH2CH2PCH2CH2(C6H52
PNP2;(C6H52PCH2CH2N(CH2CH2OCH3)CH2CH2P(C6H52
PNP3;[CH3O(CH232PCH2CH2N(CH2CH2OCH3)CH2CH2P[(CH23OCH32
PNP4;(C6H52PCH2CH2N(CH2CH2CH2CH3)CH2CH2P(C6H52
PNP5;(C6H52PCH2CH2N(CH2COCH3)CH2CH2P(C6H52
POP ;(C6H52PCH2CH2OCH2CH2P(C6H52
POOP;(C6H52PCH2CH2OCH2CH2OCH2CH2P(C6H52
PSP ;(C6H52PCH2CH2SCH2CH2P(C6H52
二座配位子Y:
DTC;ジチオカルバジン酸−N−メチル−S−メチル
NS ;アミノエタンチオール
CysOEt;システインエチルエステル
tsa;チオサリチル酸
DEDC;ジチオカルバミン酸−N−ジエチル
NOEt; ジチオカルバミン酸−N−エトキシ−N−エチル
β−glu;1−チオ−β−D−グルコース
FcCS;[(シクロペンタジエニル)(ジチオカルボニルシクロペンタジエニル)鉄(II)]
例1 中間体の生成反応
5mgのコハク酸ジヒドラジド(以下SDHと略す)を含むバイアルに,1.5mgのビス(ジフェニルホスフィノエチル)エチルアミン(PNP)をエタノール0.6mlと塩酸水溶液0.1ml(1.0mol/l)との混合物に溶解させて得られた溶液を,次いで生理学的に認容性の99mTcO4 -溶液(0.5ml,50MBq)を加え,得られた混合物を80℃で20分間加熱した。
得られた中間錯体を高速薄層クロマトグラフィー(HTLC)及び高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によって分析した。図1及び図2にエタノール/クロロホルム/ベンゼン(0.85/2/1.5)混合物でシリカゲルプレートに展開した錯体のラジオクロマトグラムを示す。酸性におけるクロマトグラムには3つのピークが見られ,3種の生成物が得られたことが分かる(図1)。一方pHを約8以上に調整するとクロマトグラムは単一のピークとなる(図2)。このことからは,PNPが配位した残りの配位座が,酸性においてはCl-又は水分子のような不安定な配位子によって占められ,pHを約8以上に変化させることによって,これらの配位子がOH基により置換され単一のピークを示すと考えられる。
例2 1−チオ−β−D−グルコース(β−glu)と中間体との反応
5mgのSDHと1.5mgのPNPとを,エタノール0.6ml及びHCl水溶液0.1ml(1mol/l)の混合物に溶解し,次いで生理学的に認容性の99mTcO4 -溶液(0.5ml,50MBq)を加えた。混合物を80℃で20分間加熱し,次いで40℃に冷却後,これに0.25mlのHCO3 -/CO3 2-緩衝液を加えてpHを約8.0に調整し,続いて1.5mlの水に溶解した0.5mgのβ−gluを添加した。最終的に得られた錯体をHTLC及びHPLCによって分析した。図3にテトラヒドロフランでシリカゲルプレートに展開した錯体のラジオクロマトグラムを示す。最終錯体の放射化学的純度は95%より高かった。錯体はTc≡N基を含み,その金属イオンに一つのPNP二座配位子がトランス位に配位し,また残りの二座にジアニオンを含むもう一つの二座配位子であるβ−gluが,陰性イオウ原子とヒドロキシ基のプロトンを失った酸素とを介してシス位に配位しており,錯体は安定であった。
例3 チオサリチル酸(tsa)と中間体との反応
5mgのSDHと1.5mgのPNPとを,エタノール0.6ml及びHCl水溶液0.1ml(1mol/l)の混合物に溶解し,次いで生理学的に認容性の99mTcO4 -溶液(0.5ml,50MBq)を加えた。混合物を80℃で20分間加熱し,次いで室温に冷却後,これに0.05mol/lのリン酸ナトリウム緩衝液1mlを加えてpHを約7.8に調整し,続いて0.20mlのエタノールに溶解した5.0mgのtsaを加え,混合物を室温に5分間放置した。最終的に得られた錯体をHTLC及びHPLCによって分析した。図4にエタノール/クロロホルム/ベンゼン(0.7/2/1.5)混合物でシリカゲルプレートに展開した錯体のラジオクロマトグラムを示す。最終錯体の放射体の放射化学的純度は95%より高かった。錯体はTc≡N基を含み,その金属イオンに一つのPNP二座配位子がトランス位に配置し,また残りの一座に,二座配位子であるジアニオンtsaが,プロトンを失った陰性イオウ原子とカルボキシル基のプロトンを失った酸素とを介して配位しており,錯体の溶液は安定であった。
例4 ジチオカルバミン酸−N−エトキシ−N−エチル(NOEt)と中間体との反応
5mgのSDHと1.5mgのPNPとを,エタノール0.6ml及びHCl水溶液0.1ml(1mol/l)の混合物に溶解し,次いで生理学的に認容性の99mTcO4 -溶液(0.5ml,50MBq)を加えた。混合物を80℃で20分間加熱し,次いで室温に冷却後,これに0.05mol/lのリン酸ナトリウム緩衝液1mlを加えてpHを約7.8に調整し,続いて0.50mlの水に溶解した5.0mgのNOEtを加え,混合物を室温に5分間放置した。最終的に得られた錯体をHTLC及びHPLCによって分析した。図5にエタノール/クロロホルム/ベンゼン(1/2/1.5)混合物でシリカゲルプレートに展開した錯体のラジオクロマトグラムを示す。最終錯体の放射化学的純度は95%より高かった。錯体はTc≡N基を含み,その金属イオンに一つのPNP二座配位子がトランス位に配位し,またモノアニオンNOEtがCS2 -基の二つのイオウ原子により残りの二座に配位しており,錯体の溶液は安定であった。
例5 システイン(Cys)及びシステインエステル(CysOEt)と中間体との反応
5mgのSDHと1.5mgのPNPとを,エタノール0.6ml及びHCl水溶液0.1ml(1mol/l)の混合物に溶解し,次い生理学的に認容性の99mTcO4 -溶液(0.5ml,50MBq)を加えた。混合物を80℃で20分間加熱し,次いで室温に冷却後,これに0.05mol/lのリン酸ナトリウム緩衝液1mlを加えてpHを約7.8に調整し,続いて0.50mlの水に溶解した3.0mgのCysを加え,混合物を室温に30分間放置した。最終的に得られた錯体をHTLC及びHPLCによって分析した。図6にエタノール/クロロホルム/ベンゼン(0.85/2/1.5)混合物でシリカゲルプレートに展開した錯体のラジオクロマトグラムを示す。最終錯体の放射化学的純度は90%より高かった。錯体はTc≡N基を含み,その金属イオンに一つのPNP二座配位子がトランス位に配位し,ジアニオンCysが,プロトンを失ったイオウ原子及びプロトンを失ったアミノ基の窒素原子により残りの二座に配位している。Cysのカルボキシル基が金属の配位に関与していないことは,上記工程において,エステル誘導体(CysOEt)を用いる実験によってわかった。CysOEtはCysのカルボキシル基のOH基がエトキシ基で置換されてなるものであるが,この配位子(CysOEt)から得られた最終錯体の放射化学的純度は93%より高かった(図7)。すべての錯体の溶液は安定であった。
例6 テトラペプチドCys−Lys−Pro−Val−NH 2 と中間体との反応
5mgのSDHと1.5mgのPNPとを,エタノール0.6ml及びHCl水溶液0.1ml(1mol/l)の混合物に溶解し,次いで生理学的に認容性の99mTcO4 -溶液(0.5ml,50MBq)を加えた。混合物を80℃で20分間加熱し,次いで室温に冷却後,これに0.05mol/lのリン酸ナトリウム緩衝液1mlを加えてpHを約7.8に調整し,続いて0.20mlの水に溶解した1.0mgのテトラペプチドCys−Lys−Pro−Val−NH2を加え,混合物を室温に30分間放置した。最終的に得られた錯体をHTLC及びHPLCによって分析した。図8にメタノール/アセトニトリル/テトラヒドロフラン/酢酸アンモニウム(3/3/2/2)混合物で逆相C18プレートに展開した錯体のラジオクロマトグラムを示す。最終錯体の放射化学的純度は90%より高かった。錯体はTc≡N基を含み,その金属イオンに一つのPNP二座配位子がトランス位に配位し,ジアニオン性テトラペプチドリガンドが,プロトンを失ったイオウ原子及び末端システイン残基のプロトンを失った窒素原子により残りの二座に配位しており,錯体の溶液は安定であった。
例7 中間体の生成反応
(1)式で示される金属窒化物ヘテロ錯体の中間体の製造において,窒素ドナーDの種類およびジホスフィン化合物Xの種類を変えて,それらの影響について調べた。
遷移金属として99mTc,窒素ドナーDとしてDTC,ジホスフィン化合物XとしてPNP1,PNP2,PNP4,PNP5,POP,POOPを用いた。
1.0mgのDTCと3.0mgのX(X=PNP1,PNP2,PNP4,PNP5,POP,POOP)をそれぞれ1mlのエタノールに溶解し,0.1mlの塩酸水溶液(1.0mol/l)と1.0mlの99mTcO4Na(約400MBq)をバイアルに加え,15−30分間室温に保った。
得られた中間体を薄層クロマトグラフィー(TLC:シリカゲルプレート)で展開したところ,ジホスフィン化合物Xの種類を変更した中間体のいずれも単一のピークを示し収率は98%以上であった。
TLC(シリカゲルプレート)の条件は,移動相;エタノールクロロホルム/ベンゼン(1.5/2/1.5;Rf=0.53),又は,エタノール/クロロホルム/トルエン/酢酸アンモニウム(0.5M)(5/3/3/1;Rf=0.68)で行った。
例8 中間体の生成反応
例7と同様にして,5.0mgのSDHと3.0mgのX(X=PNP1,PNP2,PNP4,PNP5,POP,POOP)を,それぞれ1mlのエタノールに溶解し,0.lmlの塩酸水溶液(1.0mol/1)と1.0mlの99mTcO4Na(約400MBq)をバイアルに加え,15−30分間室温に保った。
得られたそれぞれの中間体をTLC(シリカゲルプレート)で展開したところ,残留パーテクネテートは見られなかったが中間体はいずれも混合物であった。そこでこの混合物に,二座配位子Yとして1.0mgのDTCを更に室温で加えるといずれの中間体混合物も瞬間的に単一のピークを示す化合物に変化した。収率は98%以上であった。この化合物のTLCのパターンは例7の化合物と同じであることから,同一化合物であると考えられた。このことからDTCは窒素ドナーDとして有用であると同時に,二座配位子Yとしても有用であることが明らかにされた。
例9 中間体の生成反応
例7と同様にして,窒素ドナーDとして5.0mgのDTCOOH(ジチオカルバジン酸−N−メチル−S−2−プロピオン酸)と3.0mgのジホスフィン化合物X(X=PNP1,PNP2,PNP4,PNP5,POP,POOP)をそれぞれ0.1mlのエタノールに溶解し,0.1mlの塩酸水溶液(1.0mol/l)と1.0mlの99mTcO4Na(約400MBq)をバイアルに加えた。バイアルを15−30分間室温に保った後,pHを0.25mgのNaHCO3/Na2CO3(0.5M)を加えてpH=10に調整した。
得られた中間体をTLC(シリカゲルプレート)で展開した。ジホスフィン化合物Xの異なるいずれの中間体も,単一ピークを示し収率は98%以上であった。
例10 錯体の生成反応
非対称な放射性金属窒化物ヘテロ錯体の生成反応に対するジホスフィン化合物Xと二座配位子Yの影響を調べるため,式(1)で示される中間体の生成反応に続いて,緩衝液(NaH2PO4/Na2HPO4,pH=7.4又はNaHCO3/Na2CO3,pH=10)を添加して反応液のpHを調整し,適当な二座配位子Yを添加してバイアルを室温に保った。最終的に得られた錯体99mTc(N)(X)(Y)をTLCでモニターした。
窒素ドナーDとしてSDH,ジホスフィン化合物XとしてPNP1,PNP2,PNP4,PNP5,二座配位子Yとして電子供与性原子対[NH-,S],[NH,S-]又は[O-,S-]を有するDTC,NS,CysOEt,tsa,β−gluをそれぞれ用いた。
5.0mgのSDHと3.0mgのX(X=PNP1,PNP2,PNP4,PNP5)それぞれを1mlのエタノールに溶解し,0.1mlの塩酸水溶液(1.0mol/l)と1.0mlの99mTcO4Na(約400MBq)をバイアルに加え,混合物を30分間室温に保った。0.25mgのNaHCO3/Na2CO3(0.5M)を加えpH=10に調整した後,0.7mgのNSを加えた。錯体99mTc(N)(X)(NS)の形成は一瞬のうちに行われ,収率は95%以上であった。NS以外の二座配位子Yについても同様であった。
得られた錯体をTLC(シリカゲルプレート)に展開したところ,単一のピークを示した。TLC(シリカゲルプレート)は,移動相;エタノール/クロロホルム/ベンゼン(1.5/2/1.5;Rf=0.45),又はエタノール/クロロホルム/トルエン/酢酸アンモニウム(0.5M)(5/3/3/0.5;Rf=0.52)で行った。
例11 錯体の生成反応
ジホスフィン化合物XとしてPNP1,PNP2,PNP4,PNP5,二座配位子Yとして電子供与性原子対[S-,S]を有するDEDC,NOEt,FcCSを用いてその錯体形成に対する影響を検討した。典型的な工程をY=DEDCの場合について示す。
5.0mgのSDHと3.0mgのX(X=PNP1,PNP2,PNP4,PNP5)をそれぞれ1mlのエタノールに溶解し,0.1mlの塩酸水溶液(1.0mol/l)と1.0mlの99mTcO4Na(約400MBq)をバイアルに加え,混合物を30分間室温に保った。0.25mgのNaHCO3/Na2CO3(0.5M)を加えpH=10に調整した後,0.2mgのDEDCを加えた。錯体99mTc(N)(X)(DEDC)の形成は一瞬のうちに行われ,収率は90%以上であった。
得られた錯体をTLC(シリカゲルプレート)で展開したところ,単一のピークを示した。TLC(シリカゲルプレート)は,移動相;エタノール/クロロホルム/ベンゼン(1.5/2/1.5;Rf=0.34),又はエタノール/クロロホルム/トルエン/酢酸アンモニウム(0.5M)(5/3/3/0.5;Rf=0.75)で行った。
二座配位子DEDC,NOEtを用いた場合,二座配位子Yの使用量を増大すると,非対称な99mTc窒化物ヘテロ錯体形成の副反応である99mTc(N)(Y)2の生成反応が伴ったが,生成量はXとYの比率によって変化し,Yの絶対量に依存するものではなかった。即ち,本実施例で用いた二座配位子Yはいずれのジホスフィン化合物に対しても,ジホスフィン化合物Xと二座配位子Yの化学量論比X/Y≧1のとき非対称な99mTc窒化物ヘテロ錯体の収率は高く,X/Y<1のときは二座配位子の二置換体99mTc(N)(Y)2の生成が多く見られ非対称な99mTc窒化物ヘテロ錯体の生成は減少した。又,二座配位子FcCSを用いた場合99mTc(N)(Y)2の生成は殆どなく,X/FcCS=1のとき5%以下であった。
DEDCを用いた場合のXとYの比率X/Y,Xの使用量,Yの使用量,及び99mTc(N)(PNP1)(DEDC)の収率との関係を下表に示す。
Figure 0003935218
例12 錯体の生成反応
ジホスフィン化合物XとしてPOP,二座配位子Yとして[NH-,S],[NH-,S-],[O-,S-],[S,S-]等を有するDTC,DEDC,NOEt,tsa,FcCS,β−glu,CysOEt,NSを用いてその錯体形成に対する影響を,実施例10と同様に錯体99mTc(N)(X)(Y)を合成し検討した。
Y=DTCの場合,99mTc窒化物ヘテロ錯体99mTc(N)(POP)(DTC)+が放射化学純度95%以上で得られた。しかし,Y=DEDC,NOEt,tsa,FcCS,β−glu,CysOEt,NSを用いた場合はYの二置換体である錯体99mTc(N)(Y)2の生成が常に伴った。Yを二つ含む二置換錯体の生成の程度は,DEDC>NOEt>tsa>FcCS>β−glu>CysOEt>NSの順であった。
例13 錯体の生成反応
ジホスフィン化合物XとしてPOOP,二座配位子Yとして[NH-,S],[NH-,S-],[O-,S-],[S,S-]等を有するDTC,DEDC,NOEt,tsa,FcCS,β−glu,CysOEt,NSを用いてその錯体形成に対する影響を,実施例10と同様に錯体99mTc(N)(X)(Y)を合成し検討した。
POOPを用いた場合は,使用したすべての二座配位子に対して99mTc窒化物ヘテロ錯体99mTc(N)(POOP)(Y)0/+が得られ,Yの二置換錯体は生成しなかった。
例14 体内分布
一般式99mTc(N)(X)(Y)で示される99mTc窒化物ヘテロ錯体の体内分布を,二座配位子YとしてDTCを用い,下記のジホスフィン化合物Xについて99mTc窒化物ヘテロ錯体を合成し,それらのラットにおける体内分布について検討した。
99mTc(N)(X)(DTC)+タイプの99mTc窒化物ヘテロ錯体を,下記ジホスフィン化合物POP,PNP1,PNP2,PNP3を用いて合成した。
POP:(C6H52PCH2CH2OCH2CH2P(C6H52
PNP1:(C6H52PCH2CH2N(CH2CH2CH3)CH2CH2P(C6H52
PNP2:(C6H52PCH2CH2N(CH2CH2OCH3)CH2CH2P(C6H52
PNP3:[CH3O(CH232PCH2CH2N(CH2CH2OCH3)CH2CH2P[(CH23OCH32
99m Tc窒化物ヘテロ錯体 99m Tc(N)(X)(DTC) + の生成
1.0mgのDTC,0.1mgのSnCl2を溶解した水0.1ml,1.0mlのエタノール及び3.0mgのX(X=POP,PNP1,PNP2,PNP3)を含むバイアルに0.25mlの99mTcO4 -(100−500MBq)を添加し,このバイアルを室温で30分又は80℃で15分放置した。錯体の収率は90%以上であった。得られた錯体は,逆相クロマトグラフィーで,使用カラム;PRP−1ハミルトンカラム,移動層;[NH4][CH3COO](0.1M)/CH3CN(0.1%THFを含む)=90/10,流速;0.5ml/minの条件で確認した。
体内分布測定
ラットに注射する前に,バイアルの内容物を10%のTween80(ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート)を含むリン酸緩衝液(0.1mol/dm3,pH=7.06)で希釈した。錯体は溶液中又はヒト血漿中で少なくとも6時間安定であった。
体重200−250gの雄のSpraque-Dawleyラット(SDラット)を用いて体内分布を測定した。24時間断食の後ラットに腹腔内麻酔を行い,頸静脈に注射の後異なる時間ごとに器官を切除し,洗浄,重量測定を行った。又血液サンプルを集め重量測定した。体内分布データは投与放射能量に対する器官重量当り(g)の放射能量の割合(% dose/g)を平均値±有意差で示した。ラット数はn=5で行った。測定結果を表1〜表4に示す。
実験に用いたヘテロ錯体の構造は,ジホスフィン化合物の相違点以外は同じなので体内分布の相違はジホスフィン化合物の相違を反映していると考えられる。ここで用いたジホスフィン化合物は,R2P−CH2CH2−Z−CH2CH2−PR2と表すことができ,二つのR基がそれぞれリン原子に結合し,橋掛け基であるZは,二つのエチレン基に結合している。Rがフェニル基で,Z基をZ=O,>N−CH2CH2CH3,>N−CH2CH2OCH3の如く変化させたとき,すべての錯体の体内分布は,脳および心臓に対する集積は特に著しいものではなく,肺および血液からのウォッシュアウトは比較的早く,錯体は肝臓および腎臓を通じて排泄された。
Rを−CH2CH2CH2OCH3で置換し,Zを>N−CH2CH2OCH3とした錯体99mTc(N)(PNP3)(DTC)+は特に心臓に著しく高い集積を示しかつ測定時間内は殆ど一定の値を示した。肺,血液からのウォッシュアウトは速く,腎臓及び肝臓からも比較的速く排出され,この錯体の代謝は容易であると思われる。このような心臓への高い集積は,99mTc(N)(PNP3)(DTC)+或いはその誘導体が心筋血流の診断薬として用いることができる可能性を示すものである。
例15 二座配位子システイン−デシプラミンおよびその 99m Tc窒化物ヘテロ錯体の合成
システイン−デシプラミンの合成
抗うつ作用を有する生理活性物質であるイミプラミンの誘導体であるデシプラミンにシステインを結合したシステイン−デシプラミン(以下DESIと略す)を図9に示した合成スキームにしたがって合成した。
この二座配位子DESIはシステインのカルボキシル基とデシプラミンの末端窒素原子間のアミド結合により得られる。
錯体の合成
ジホスフィン化合物XとしてPNP3,二座配位子YとしてDESIを用いた99mTc窒化物ヘテロ錯体(以下99mTcN−DESIと略す)を下記の如く合成した。
(1)5mgのSDHと0.1mgのSnCl2を懸濁させた0.1mlの生理食塩水の入ったバイアルに,0.250mlの99mTcO4Na(50.0MBq−3.0GBq)を加え1.0mlのエタノールを添加し,室温に15分保った。次いで,この溶液に0.1mlのエタノールに溶解した3.0mgのPNP3および0.1mlの水に溶解した5.0mgのDESIを加え,100℃で15分加熱した。この放射化学的純度は95%以上であった。
(2)99mTcO4Na,SDH,SnCl2,PNP3およびDESIを同じバイアルに,次のような方法で添加する一段法で(1)と同じ錯体を合成した。SDH5mg,SnCl20.1mg,PNP33.0mgおよびDESI5mgを,1.0mlのエタノール,0.5mlの生理食塩水を含むバイアルに加え,次いで0.250mlの99mTcO4Na(50.0MBq−3.0GBq)を添加した。このバイアルを100℃で30分間加熱した。放射化学的純度は90%以上であった。
分析
得られた99mTcN−DESI錯体を薄層クロマトグラフィー(TLC),高速液体クロマトグラフィー(HPLC),電気泳動及びイオン交換クロマトグラフィーによって同定した。測定条件は以下の通りである。
TLC:シリカゲルプレート;移動相;エタノール/クロロホルム/ベンゼン(1.5/2/1.5),Rf:0.19:逆相;C18プレート:移動相;メタノール/アセトニトリル/テトラヒドロフラン/酢酸アンモニウム(0.5mol/cc),Rf:0.31
HPLC:ベックマン社製高速液体クロマトグラフィーを用いた。逆相;C18プレート:溶出;1ml/min,A:トリエチルアミン(NEt30.1M,pH=3(1M−H3PO4添加),B:アセトニトリル
錯体の保持時間25分に対し,錯体を形成していないリガンドの保持時間は7分であった。
電気泳動:ワットマンペーパー,電圧(△V):150V,1.5hr,リン酸緩衝液(0.1M)を用いて行った。錯体が中性であるということを示す移動は見られなかった。
イオン交換クロマトグラフィー:陽イオン交換樹脂;Sep−Pak CM(COONa),Millpore,陰イオン交換樹脂;Sep−Pak QMA(CONH(CH23N(CH33 +Cl),Millpore,逆相カラム;Sep−Pak C18 Millporeを用いた。錯体は,陽イオン交換樹脂では約95%,陰イオン交換樹脂では約60%,逆相カラムでは99.5%保持された。逆相カラムの高い保持は,錯体が高い脂質親和性を有することを示している。
99m TcN−DESIの構造
以上の実験から,99mTcN−DESIの構造は,図10に示した如くであると推定した。
例16 99m TcN−DESIの体内分布
例15で得られた99mTcN−DESIのSDラットにおける体内分布を測定した。
ラットに注射する前に,99mTcN−DESIをHPLCによって過剰の遊離した二座配位子から分離精製した。活性成分は5m1の95%エタノールで活性化したSeP−Pakカートリッジに通して,更に精製した。最終の活性成分を95%により回収し,10%Tween80を含む生理食塩水で希釈した。
ラットはA群とB群の二つのグループに分けた。A群には20μCiの99mTcN−DESIを注射した。B群には,20μCiの99mTcN−DESIを注射すると同時に1.0mg/kgの未標識のデシプラミンを注射した。
体重約250gのSDラットをキシラジン(18mg/kg),ケタミン(15mg/kg)の混合物で腹腔内麻酔を行い,頸静脈に注射の後異なる時間ごとに器官(脳,心臓,肺,肝臓,脾臓,腎臓,筋肉,副腎,顎下腺)を切除し,洗浄,重量測定を行った。又血液サンプルを重量測定した。体内分布データは投与放射能量に対する器官重量当り(g)の放射能量の割合(%dose/g)を平均値±有意差で示した。ラット数はn=3で行った。測定結果を表5〜表8に示す。
99mTcN−DESI錯体は,心臓にかなり集積し,副腎には非常に高い集積を示した。活性成分は肝臓および腎臓を通じて極めて速い速度で排泄された。又,表7,8に示したように,脳領域における体内分布については,非標識デシプラミンを投与したB群は,皮質への集積が極度に低いのに対して非標識デシプラミンを投与していないA群は,99mTcN−DESI錯体が皮質に特異的に集積していることが示されており,セロトニンレセプター対する特異性が保持されていることを示唆している。
Figure 0003935218
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Claims (25)

  1. 放射性遷移金属の窒化物に二つの異なる配位子が配位してなる下記式(I)で表される放射性遷移金属窒化物ヘテロ錯体:
    (M≡N)XY (I)
    (ただし,放射性遷移金属Mは放射性テクネチウム又は放射性レニウム,Nは窒素原子,Xは下記式(II)で表されるビスホスフィン化合物
    Figure 0003935218
    (ただし,R1,R2,R3及びR4は各々水素原子,アルキル基,置換アルキル基,アリール基及び置換アリール基からなる群より選ばれる一つであって,互いに同じであっても異なっていてもよく,R5はメチレン基,Zは酸素原子,イオウ原子,NR6(ただし,Nは窒素原子,R6は水素,アルキル基,置換アルキル基,アリール基,置換アリール基,アミノ基,アミノ酸鎖,生理活性を有する基又は−C(=O)R7基(ただし,R7は水素,アルキル基,置換アルキル基,アリール基,置換アリール基,アミノ基,アミノ酸鎖又は生理活性を有する基である))及びエチレンジオキシ基からなる群より選ばれる一つであり,Pはリン原子,nは1≦n≦5の整数である)又はジアルシン化合物であり、YはO,SおよびNからなる群から選ばれる二つの電子供与性原子の組合せを有する二座配位子であって,該電子供与性原子は荷電していてもいなくてもよい。)
  2. 前記ジホスフィン化合物Xが下記式(III)又は下記式(IV)で表されるビスホスフィン化合物である請求項1記載の放射性遷移金属窒化物ヘテロ錯体:
    Figure 0003935218
    (ただし,Phはフェニル基,R6は水素,アルキル基,置換アルキル基,アリール基,置換アリール基,アミノ基,アミノ酸鎖,生理活性を有する基又は−C(=O)R7基(ただし,R7は水素,アルキル基,置換アルキル基,アリール基,置換アリール基,アミノ基,アミノ酸鎖又は生理活性を有する基である)を示す。)、
    Figure 0003935218
    (ただし,xは0≦x≦4の整数,wは0≦w≦3の整数であり,R6は水素,アルキル基,置換アルキル基,アリール基,置換アリール基,アミノ基,アミノ酸鎖,生理活性を有する基又は−C(=O)R7基(ただし,R7は水素,アルキル基,置換アルキル基,アリール基,置換アリール基,アミノ基,アミノ酸鎖又は生理活性を有する基である)を示す。)
  3. 前記ジホスフィン化合物Xが,ビス(ジフェニルホスフィノエチル)アミン,ビス(ジフェニルホスフィノエチル)メチルアミン,ビス(ジフェニルホスフィノエチル)エチルアミン,ビス(ジフェニルホスフィノエチル)プロピルアミン,ビス(ジフェニルホスフィノエチル)ブチルアミン,ビス(ジフェニルホスフィノエチル)アセトニルアミン及びビス(ジフェニルホスフィノエチル)メトキシエチルアミンからなる群より選ばれる請求項1又は2に記載の放射性遷移金属窒化物ヘテロ錯体。
  4. 前記ジホスフィン化合物Xが,(CH3O)2−P−CH2CH2−NH−CH2CH2−P−(OCH32,(CH3O)2−P−CH2CH2
    N(CH3)−CH2CH2−P−(OCH32,(CH3O)2−P−
    CH2CH2−N(CH2CH3)−CH2CH2−P−(OCH32
    (CH3O)2−P−CH2CH2−N(CH2CH2CH3)−CH2CH2−P−(OCH32,[CH3O(CH232−P−CH2CH2
    N(CH2CH3)−CH2CH2−P−[(CH23OCH32
    [CH3O(CH232−P−CH2CH2−N(CH2CH2CH3)−
    CH2CH2−P−[(CH23OCH32,(CH3CH2OCH2CH22−P−CH2CH2−N(CH2CH3)−CH2CH2−P−
    (CH2CH2OCH2CH32,(CH3CH2OCH2CH22−P−CH2CH2−N(CH2CH2CH3)−CH2CH2−P−
    (CH2CH2OCH2CH32,[CH3O(CH232−P−CH2CH2−N(CH2CH2OCH3)−CH2CH2−P−[(CH23OCH32及び(CH3CH2OCH2CH22−P−CH2CH2−N(CH2CH2OCH3)−CH2CH2−P−(CH2CH2OCH2CH32からなる群より選ばれる請求項1又は2に記載の放射性遷移金属窒化物ヘテロ錯体。
  5. 前記ジホスフィン化合物Xがビス(ジフェニルホスフィノエチル)ジオキシエチレン,ビス(ジメトキシホスフィノエチル)ジオキシエチレン,ビス(ジフェニルホスフィノエチル)エーテル,ビス(ジフェニルホスフィノエチル)スルフィド及びビス(ジフェニルホスフィノエチル)アルキレンからなる群より選ばれる請求項1に記載の放射性遷移金属窒化物ヘテロ錯体。
  6. 前記二座配位子Yが,[N-,S-],[O-,S-],[S-,S-],[N-,S],[N,S-],[O,S-],[O,O-],[O-,N-],[N-,N-],[O-,S],[O-,O-],[O-,N],[S,S-],[N,N-],[O,N-],[O,N],[N,N],[S,S],[O,O],[N,S]及び[O,S]からなる群より選ばれる電子供与性原子の組合せを有する二座配位子である請求項1から5のいずれか一項に記載の放射性遷移金属窒化物ヘテロ錯体。
  7. 前記二座配位子Yが,生理活性を有する請求項1から6のいずれか一項に記載の放射性遷移金属窒化物ヘテロ錯体。
  8. 前記二座配位子Yが,糖,アミノ酸,脂肪酸,ホルモン,ペプチド及びリセプター結合性リガンドからなる群より選ばれる生理活性物質と前記電子供与性原子との組合せからなる請求項1から7のいずれか一項に記載の放射性遷移金属窒化物ヘテロ錯体。
  9. 前記二座配位子Yが,1−チオ−β−D−グルコース,チオサリチル酸,システイン,システインエチルエステル,2−アミノエタンチオール,ジチオカルバミン酸及びその誘導体,及びジチオカルバジン酸及びその誘導体からなる群より選ばれる一つである請求項7又は8記載の放射性遷移金属窒化物ヘテロ錯体。
  10. 前記ジチオカルバミン酸誘導体が,ジチオカルバミン酸−N−メチル−S−メチル,ジオチカルバミン酸−N−ジエチル,ジチオカルバミン酸−N−エチル及びジチオカルバミン酸−N−エトキシ−N−エチル,又は前記ジチオカルバジン酸誘導体が,ジチオカルバジン酸−N−エチル及びジチオカルバジン酸−N−メチル−S−メチルからなる群より選ばれる一つである請求項9に記載の放射性遷移金属窒化物ヘテロ錯体。
  11. 前記放射性遷移金属元素Mが,99mTc,186Re及び188Reからなる群より選ばれる一つである請求項1から10のいずれか一項に記載の放射性遷移金属窒化物ヘテロ錯体。
  12. 請求項1から11に記載の放射性遷移金属窒化物ヘテロ錯体を有効成分として含有する放射性医薬品。
  13. 放射性遷移金属Mの酸化物を,溶液中で還元剤の存在下又は非存在下に,カルバジン酸若しくはその誘導体又はヒドラジン若しくはその誘導体のいずれかと,ジホスフィン化合物又はジアルシン化合物とを反応させて放射性遷移金属窒化物中間体を得る第一の工程,及び
    該中間体を,O,S及びNからなる群より選ばれる二つの電子供与性原子の組合せを有する二座配位子と反応させる第二の工程からなる請求項1記載の放射性遷移金属窒化物ヘテロ錯体の製造方法。
  14. 前記カルバジン酸誘導体がジチオカルバジン酸−N−メチル−S−メチル,ジチオカルバジン酸−S−メチル及びジチオカルバジン酸−N−メチル−S−2−プロピオン酸からなる群より選ばれる請求項13記載の方法。
  15. 前記ヒドラジン誘導体が,コハク酸ヒドラジド,アセチルヒドラジド及びイソニコチン酸ヒドラジドからなる群より選ばれる請求項13記載の方法。
  16. 前記ジホスフィン化合物Xが下記式(II)で表されるビスホスフィン化合物である請求項13から15のいずれか一項に記載の方法。
    Figure 0003935218
    (ただし,R1,R2,R3及びR4は各々水素原子,アルキル基,置換アルキル基,アリール基及び置換アリール基からなる群より選ばれる一つであって,互いに同じであっても異なっていてもよく,R5はメチレン基,Zは酸素原子,イオウ原子,NR6(ただし,Nは窒素原子,R6は水素,アルキル基,置換アルキル基,アリール基,置換アリール基,アミノ基,アミノ酸鎖,生理活性を有する基又は−C(=O)R7基(ただし,R7は水素,アルキル基,置換アルキル基,アリール基,置換アリール基,アミノ基,アミノ酸鎖又は生理活性を有する基である))及びエチレンジオキシ基からなる群より選ばれる一つであり,Pはリン原子,nは1≦n≦5の整数である)。
  17. 前記ジホスフィン化合物Xが,ビス(ジフェニルホスフィノエチル)アミン、ビス(ジフェニルホスフィノエチル)メチルアミン,ビス(ジフェニルホスフィノエチル)エチルアミン,ビス(ジフェニルホスフィノエチル)プロピルアミン、ビス(ジフェニルホスフィノエチル)ブチルアミン,ビス(ジフェニルホスフィノエチル)アセトニルアミン及びビス(ジフェニルホスフィノエチル)メトキシエチルアミンからなる群より選ばれる請求項13から16のいずれか一項に記載の方法。
  18. 前記ジホスフィン化合物Xが,(CH3O)2−P−CH2CH2−NH−CH2CH2−P−(OCH32,(CH3O)2−P−CH2CH2
    N(CH3)−CH2CH2−P(OCH32,(CH3O)2−P−CH2CH2−N(CH2CH3)−CH2CH2−P−(OCH32,(CH3O)2−P−CH2CH2−N(CH2CH2CH3)−CH2CH2−P−(OCH32
    [CH3O(CH232−P−CH2CH2−N(CH2CH3)−CH2CH2−P−[(CH23OCH32,[CH3O(CH232−P−CH2CH2−N(CH2CH2CH3)−CH2CH2−P−[(CH23OCH32
    (CH3CH2OCH2CH22−P−CH2CH2−N(CH2CH3)−
    CH2CH2−P−(CH2CH2OCH2CH32
    (CH3CH2OCH2CH22−P−CH2CH2−N(CH2CH2CH3)−CH2CH2−P−(CH2CH2OCH2CH32,[CH3O(CH232−P−CH2CH2−N(CH2CH2OCH3)−CH2CH2−P−
    [(CH23OCH32及び(CH3CH2OCH2CH22−P−CH2CH2−N(CH2CH2OCH3)−CH2CH2−P−(CH2CH2OCH2CH32からなる群より選ばれる請求項13から17のいずれか一項に記載の方法。
  19. 前記ジホスフィン化合物Xが,ビス(ジフェニルホスフィノエチル)ジオキシエチレン,ビス(ジメトキシホスフィノエチル)ジオキシエチレン,ビス(ジフェニルホスフィノエチル)エーテル,ビス(ジフェニルホスフィノエチル)スルフィド及びビス(ジフェニルホスフィノエチル)アルキレンからなる群より選ばれる請求項13から16のいずれか一項に記載の方法。
  20. 前記二座配位子Yが,
    [N-,S-],[O-,S-],[S-,S-],[N-,S],[N,S-],[O,S-],[O,O-],[O-,N-],[N-,N-],[O-,S],[O-,O-],[O-,N],[S,S-],[N,N-],[O,N-],[O,N],[N,N],[S,S],[O,O],[N,S]及び[O,S]からなる群より選ばれる電子供与性原子の組合せを有する二座配位子である請求項13から19のいずれか一項に記載の方法。
  21. 前記二座配位子Yが生理活性を有する請求項13から20のいずれか一項に記載の方法。
  22. 前記二座配位子Yが、糖,アミノ酸,脂肪酸,ホルモン,ペプチド及びリセプター結合性リガンドからなる群より選ばれる生理活性物質と前記電子供与性原子との組合せよりなる請求項13から21のいずれか一項に記載の方法。
  23. 前記二座配位子Yが,1−チオ−β−D−グルコース,チオサリチル酸,システイン,システインエチルエステル,2−アミノエタンチオール,ジチオカルバミン酸及びその誘導体,及びジチオカルバジン酸及びその誘導体からなる群より選ばれる請求項21又は22に記載の方法。
  24. 前記ジチオカルバミン酸誘導体が,ジチオカルバミン酸−N−メチル−S−メチル,ジオチカルバミン酸−N−ジエチル,ジチオカルバミン酸−N−エチル及びジチオカルバミン酸−N−エトキシ−N−エチル,又は前記ジチオカルバジン酸誘導体が,ジチオカルバジン酸−N−エチル及びジチオカルバジン酸−N−メチル−S−メチルからなる群より選ばれる一つである請求項23に記載の方法。
  25. 前記放射性遷移金属Mの酸化物が99mTcO4 -186ReO4 -及び188ReO4 -からなる群より選ばれる請求項13から23のいずれか一項に記載の方法。
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