JP3934514B2 - クリプトスポリジウムの検出方法及び検出装置 - Google Patents

クリプトスポリジウムの検出方法及び検出装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、試料水中のクリプトスポリジウムを検出するクリプトスポリジウムの検出方法及びこの方法を実施する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、耐塩素性病原性微生物の一種であるクリプトスポリジウムの検出に関しては、厚生労働省(旧厚生省)が策定した試験法により実施されている。これは10〜50Lの試料水からメンブレンフィルターを用いて微生物を分離、濃縮し、免疫磁気分離法や密度勾配遠心法により精製、蛍光標識抗体を用いて染色し、顕微鏡によって観察する方法であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記の試験法は非常に手間が掛かり、各工程の処理に長時間を要し、かつ、各工程の全てを手作業で行っていたため、試験を行う人の熟練度に応じて検出精度などに対して個人差が大きかった。また、検鏡作業においても、その熟練度が大きく影響し、精度が低いものとなっていた。
【0004】
本発明は上記従来技術の課題を解決するためになされたもので、高効率かつ大量処理を可能にすると共に、高精度のクリプトスポリジウムの検出方法及びこの方法を実施する装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、
試料水中のクリプトスポリジウムを検出するクリプトスポリジウムの検出方法において、
中空糸膜を用いて試料水中の微生物を分離、濃縮し、メンブレンフィルターを用いてさらに分離、濃縮するステップと、
メンブレンフィルターによって分離、濃縮された微生物のうち、クリプトスポリジウムに対してそのオーシスト外殻に損傷を与えるステップと、
クリプトスポリジウムに含まれる核酸と相補的なプローブを用いて蛍光発光in-situハイプリダイゼーションを行うとともに、クリプトスポリジウムに関連する物質に対する抗体を用いて免疫染色を行って2重染色を行うステップと、
2重染色された微生物の微分干渉像及び蛍光発光像を得るステップと、
得られた微分干渉像及び蛍光発光像を解析してクリプトスポリジウムを認識するステップと、
を順次実行することを特徴とするクリプトスポリジウムの検出方法。
【0006】
請求項2に係る発明は、
試料水中のクリプトスポリジウムを検出するクリプトスポリジウム検出装置において、
中空糸膜を用いて試料水中の微生物を分離、濃縮し、メンブレンフィルターを用いてさらに分離、濃縮する微生物回収手段と、
微生物回収手段によって分離、濃縮された微生物のうち、クリプトスポリジウムに対してそのオーシスト外殻に損傷を与える前処理手段と、
クリプトスポリジウムに含まれる核酸と相補的なプローブを用いて蛍光発光in-situハイプリダイゼーションを行うと共に、クリプトスポリジウムに関連する物質に対する抗体を用いて免疫染色を行う染色手段と、
染色手段により染色された微生物の微分干渉像及び蛍光発光像を得て、これらの画像を解析してクリプトスポリジウムを認識する検出手段と、
を備えたことを特徴とするクリプトスポリジウムの検出装置。
【0007】
請求項3に係る発明は、請求項2に記載のクリプトスポリジウムの検出装置において、前処理手段は、熱処理、マイクロウェーブ処理及び電気的な処理の少なくとも1つの処理を行い、かつ、ホルマリン固定を行うことを特徴とする。
【0008】
請求項4に係る発明は、請求項2又は3に記載のクリプトスポリジウムの検出装置において、染色手段は、Cy3蛍光標識プローブを用いて蛍光発光in-situハイブリダイゼーションを行い、かつ、それとは異なる識別可能な標識物質を用いて免疫染色をすることを特徴とする。
【0009】
請求項5に係る発明は、請求項2乃至4のいずれか1項に記載のクリプトスポリジウムの検出装置において、検出手段は、試料中に2重染色発光が検出され、かつ、蛍光検出位置の微分干渉像が目的対象微生物形状と認識された場合、オペレータに報知する手段を備えたことを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。図1は本発明に係るクリプトスポリジウムの検出方法を実施する装置のうち、クリプトスポリジウム回収部の第1の実施形態の構成を示す系統図である。このクリプトスポリジウム回収部10Aは前段に孔径が1μm以下の中空糸膜分離ユニット11を備え、後段に孔径が1μm以下のメンブレンフィルターユニット14を備えている。このうち、中空糸膜分離ユニット11に対する試料水の導入経路に試料水導入用バルブV1が設けられ、その排水経路に試料水排出用バルブV2及び及び吸引ポンプ12が設けられている。
【0011】
また、中空糸膜分離ユニット11の逆洗水の導入経路に逆洗用ポンプ13及び逆洗水注入用バルブV3が設けられ、逆洗水の排出経路に逆洗水誘導用バルブV4が設けられている。この逆洗水誘導用バルブV4の出側の経路にメンブレンフィルターユニット14が接続され、このメンブレンフィルターユニット14の排水経路に排水用バルブV5が設けられている。さらに、メンブレンフィルターユニット14の誘出液注入経路に誘出液注入用ポンプ15及び誘出液注入用バルブV6が設けられ、このメンブレンフィルターユニット14の試料水排出経路に、試料水排出用バルブV7を介して、サンプル回収部16が設けられている。
【0012】
上記のように構成されたクリプトスポリジウム回収部の動作について以下に説明する。先ず、逆洗水注入用バルブV3及び逆洗水誘導用バルブV4を閉じた状態で、試料水導入用バルブV1及び試料水排出用バルブV2を開き、吸引ポンプ12を駆動する。これによって大量の試料水が中空糸膜分離ユニット11を通過して排水される。このように、前段の耐塩素性病原性微生物の分離媒体として中空糸膜分離ユニット11を用いると共に、この中空糸膜分離ユニット11を通過する試料水を吸引ポンプ12で吸引することにより、試料水の大量処理及び連続処理が可能となり、例えば、試料水の処理量を100L以上とすることで、回収対象微生物の回収量及び回収確率が向上する。この場合、処理量の上限は特に設けないが、中空糸膜の処理能力(仕様)により設定する。また、処理速度も中空糸膜の処理能力(仕様)に準ずるものとする。
【0013】
次に、試料水導入用バルブV1及び試料水排出用バルブV2を閉じ、逆洗水注入用バルブV3及び逆洗水誘導用バルブV4を開く。そして、メンブレンフィルターユニット14の接続経路に設けられた誘出液注入用バルブV6及び試料水排出用バルブV7を閉じたままで排水用バルブV5を開く。この状態で逆洗用ポンプ13を駆動することによって、逆洗水が中空糸膜分離ユニット11に供給され、耐塩素性病原性微生物を含む微生物が逆洗水と共にメンブレンフィルターユニット14に導かれ、ここで、耐塩素性病原性微生物を含む微生物が逆洗水から分離され、逆洗水は排水用バルブV5を通して排水される。ここで、中空糸膜の逆洗水は試料水に比べて非常に少ない量であり、かつ、1μm以下の不純物は中空糸膜分離ユニット11で除去されているため、メンブレンフィルターによる分離工程では、直接試料水を処理する場合に比べて負荷が非常に小さく抑えられ、膜性能を長く維持でき、また、膜の交換などの作業も低減される。耐塩素性病原性微生物としては、例えば、クリプトスポリジウム、ジアルジア、サイクロスポーラ、マイクロスポーラ類などが挙げられる。
【0014】
次に、逆洗水誘導用バルブV4及び排水用バルブV5を閉じ、誘出液注入用バルブV6を開いた状態で誘出液注入用ポンプ15を駆動して所定量の誘出液をメンブレンフィルターユニット14内に滞留させる。そして、所定の時間の経過後に試料水排出用バルブV7を開く。この後段の処理によって、回収対象のクリプトスポリジウムを含む濃縮試料水がサンプル回収部16に回収される。ここで、メンブレンフィルターユニット14の誘出液は中空糸膜分離ユニット11の逆洗水に比べて非常に少ない量で済む。
【0015】
上述したように中空糸膜分離ユニット11による前段処理と、メンブレンフィルターユニット14による後段処理とを組み合わせることによって、高効率かつ大量処理が可能なクリプトスポリジウム回収部を提供することができる。
【0016】
なお、上記実施形態では、誘出液をメンブレンフィルターユニット14内に所定時間滞留させたが、誘出液の注入時に試料水排出用バルブV7を開いたままにして誘出液の注入操作に応じて濃縮試料水を捕集することもできる。また、誘出液をメンブレンフィルターユニット14内に所定時間滞留させている状態でメンブレンフィルターユニット14に超音波を照射したり、電気的な振動を与えたりすることによって、メンブレンフィルターから耐塩素性病原性微生物をより短時間にて捕集することができる。必要であれば、上記の操作を複数回繰り返す。
【0017】
図2はクリプトスポリジウムの検出方法を実施する装置のうち、クリプトスポリジウム検出部の構成を示すブロック図である。ここに示したクリプトスポリジウム検出部100は、主に、クリプトスポリジウムに対してそのオーシスト外殻に損傷を与える前処理部101と、クリプトスポリジウムに含まれる核酸と相補的なプローブを用いて蛍光発光in-situハイプリダイゼーションを行うとともに、クリプトスポリジウムに関連する物質に対する抗体を用いて免疫染色を行って2重染色を行う反応部102と、スライドガラス等に検体を固定する固定化部103と、2重染色された微生物の微分干渉像及び蛍光発光像を得て、それらの像を解析してクリプトスポリジウムを認識する検出部104とで構成されている。
【0018】
ここで、前処理部101は、検体を検出し易い状態にする処理を行うプロセスであり、特にin-situハイブリダイゼーションに関わるものである。何らかの物理的手法もしくは化学的手法を用いて、クリプトスポリジウムのオーシスト外殻に損傷を与え、殻内へDNAプローブの導入ができる状態にする。
【0019】
次に、反応部102においては、in-situハイブリダイゼーション102a及び免疫抗体反応102bの2つの処理を実行する。このうち、in-situハイブリダイゼーション102aでは、クリプトスポリジウムに含まれる核酸と相補的な塩基配列を有する、蛍光標識を施したDNAプローブを用いる。核酸配列としては、クリプトスポリジウム内に含まれる18S rRNAユニバーサルや、クリプトスポリジウムの特異的配列を含むDNAを利用する。蛍光標識物質に関しては、その種類を問わないが、免疫抗体に標識するものとは異なるものとする識別が可能なものとする。検体に前処理を行った後、Hybridization buffer中に蛍光標識プローブとともに検体を添加し、一定条件下でハイブリダイゼーションを行う。例えば、48℃/1時間の条件を設定する。免疫抗体反応102bでは、ハイブリダイゼーション用DNAプローブに標識した蛍光物質と異なる蛍光物質で標識した抗体を検体に添加して、一定時間静置することにより、免疫反応を起こさせる。蛍光標識物質に関しては、その種類は問わないが、DNAプローブに標識するものとは異なる蛍光物質を用いて標識する。なお、in-situハイブリダイゼーション102a及び免疫抗体反応102bはどちらを先に行っても良く、場合によっては同時に行っても良い。
【0020】
次に、固定化部103においては、上述したように2重染色されたクリプトスポリジウムを含む耐塩素性病原性微生物を、固定媒体としてのスライドガラスや、メンブレンフィルターに固定する。スライドガラスを用いる場合には、検体を含む溶液を滴下して固定化する。
【0021】
次に、検出部104は、蛍光観察及び微分干渉顕微鏡による観察を通しての画像取得104aと、蛍光画像処理及び形状認識画像処理104bを実行するものである。
【0022】
図3は検出部104において明視野像及び微分干渉像を取得する場合の装置の構成例である。これは制御手段41によって点灯制御される励起光源42、励起フィルタ、ハーフミラー及び蛍光フィルタからなる蛍光フィルタシステム43、微分干渉フィルタ44及びこれらを切り替えるためのフィルタ切り替え手段45を固定化プレート32から撮像手段46までの光路上に設ける。適用するフィルタを順次変更するか、あるいは、外すことにより、蛍光画像、明視野像、微分干渉像を取得することができる。ここで、取得した画像は画像記録手段47に保存され、得られた画像に対して画像解析手段48が画像処理を施すことにより、微生物31の存在点を抽出する。
【0023】
この場合、励起フィルタは、例えば、B励起及びG励起フィルターを備え、先ず、一方のフィルターで検体をスキャンする。次に、もう一方のフィルタで同様に検体をスキャンし、最後に、微分干渉フィルタにより微分干渉像を取得する。これにより3種の画像を画像解析手段48が解析し、2重に蛍光染色され、かつ、形状認識された部分がクリプトスポリジウムとして認識され、画像表示手段49に表示される。
【0024】
かくして、図1乃至図3を用いて説明した第1の実施形態によれば、高効率かつ大量処理を可能にすると共に、高精度にてクリプトスポリジウムを検出することができる。
【0025】
なお、上記の実施形態では、孔径が1μm以下の中空糸膜分離ユニット11を設けたが、中空糸膜の孔径を2μm以下とすることもできる。すなわち、クリプトスポリジウムは一般に3〜5μm径であると報告されている。このことから、安全率も考慮に入れて、中空糸膜の孔径は2μm以下が望ましいと考えられる。このように孔径をできるだけ大きなものを用いることによって、膜の透過性や長期運転性を確保でき、さらには、対象微生物に対して微小な不純物を除き、分離成分中の不純物の割合を低減することができる。
【0026】
図4は本発明に係るクリプトスポリジウムの検出方法を実施する装置のうち、クリプトスポリジウム回収部の第2の実施形態の構成を示す系統図である。図中、図1に示す第1の実施形態と同一の要素には同一の符号を付してその説明を省略する。この実施形態に係る微生物回収部10Bは、試料水を中空糸膜分離ユニット11に供給する試料水導入用バルブV1よりも上流の経路に、試料水導入用バルブV0及び殺菌処理ユニット20を設け、さらに、試料水導入用バルブV0と殺菌処理ユニット20との間の試料水導入経路に、分散剤注入用バルブV8を介して分散剤導入ユニット21を接続したものである。
【0027】
上記のように構成された第2の実施形態の動作について、特に、第1の実施形態と構成を異にする部分について説明する。試料水中には検出対象とする耐塩素性病原性微生物のみならず、大腸菌などの一般微生物や菌体も存在する。そこで、塩素、オゾン、UV(紫外線)のいずれか1つ又は複数を利用した殺菌処理ユニット20を中空糸膜分離ユニット11の前段工程に導入する。これにより、耐塩素性ではない一般の微生物は死滅、溶解し、分離媒体には捕捉されない。一方、耐塩素性微生物は塩素殺菌処理では死滅しない。また、オゾンやUV処理などでは、感染能の低下や不活化などを生じるが、芽胞を有する形状であるため、個体形状の変化はなく、分離媒体を通過することはない。これにより、不純物の含有率が低下し、分離選択性が向上し、かつ膜性能(寿命も含む)も維持できる。
【0028】
一方、クリプトスポリジウムは表面電荷を有しており、他の夾雑物と凝集塊を形成して試料水中に存在している可能性が高い。そこで、分散剤導入ユニット21を中空糸膜分離ユニット11の前段工程に導入し、被検水の採水開始と同時に分散剤注入用バルブV8を開き、試料水に注入界面活性剤などの分散剤を添加することにより、不純物とクリプトスポリジウムが形成している凝集塊を分散させる。また、分散剤導入ユニット21の後工程に、孔径10μm〜100μmの分離フィルターユニット(図示を省略)を導入し、前記分散剤効果により分散させた、上記サイズより大きい不純物及び微生物等を除去することもできる。分離フィルター媒体の種類は問わず、中空糸膜フィルター、メンブレンフィルター、セラミックフィルター、プランクトンネットなどが挙げられる。なお、工程としては、分散剤導入ユニット21及び分離フィルターユニットは殺菌処理ユニット20の前段に設置することが望ましい。
【0029】
かくして、第2の実施形態によれば、耐塩素性ではない一般の微生物を死滅、溶解させ、また、凝集塊を分散させてクリプトスポリジウムに近似した外形の微生物のみが回収されるため、第1の実施形態よりも高効率かつ大量処理を可能にすると共に、高精度にてクリプトスポリジウムを検出することができる。
【0030】
ところで、上記の各実施形態において、サンプルの固定媒体としてメンブレンフィルターを使用することについて説明したが、このメンブランフィルターの材質としては、親水性PTFEが望ましい。この場合には、回収した検体を前処理後、Hybridization buffer中に蛍光標識プローブとともに添加し、一定条件下でハイブリダイゼーションを行い、そのまま、蛍光標識抗体を添加し、免疫反応も行う。その後、メンブレンフィルター上に吸引固定する。この場合、反応は全て均一系にて行われるため、非均一系に比べ反応速度が速くなるという利点がある。
【0031】
また、上記の実施形態でin-situハイブリダイゼーションを行うにあたっては、前処理を行う必要がある。その一例としては熱処理又はマイクロウェーブ処理又は電気的処理を行い、かつ、ホルマリン固定を行う。これら各々の処理は、各々単独で行ってもよいし、組合せて行ってもよい。例えば、16%ホルマリン溶液中で検体であるクリプトスポリジウムを固定化し、500W/2分間マイクロウェーブ処理を行う。
【0032】
さらにまた、in-situハイブリダイゼーションに用いる蛍光標識プローブにおいて、G励起蛍光発光のCy3で蛍光標識をし、かつそれと異なる標識物質、例えばB励起のFITCで免疫抗体を標識する。Cy3は励起保持時間が長い特徴を持つ。in-situハイブリダイゼーションは、免疫抗体反応に比べてその反応量が少なく、同じ標識を行った場合には励起光が弱い。また、in-situハイブリダイゼーションにおいて、Cy3標識とFITC標識を比較すると、Cy3標識の方が退色し難く、長時間明るい蛍光が得られる。
【0033】
上述した各実施形態の変形例として、採水から染色までの一連の工程に関わる装置を1ユニットとして、このユニットを並列に運転させ、各ユニットに時間的な位相差をつけて運転させることも可能である。ユニット数及び時間的位相差は適宜に設定する。また、運転周期はユニットの処理能力や仕様によるものとする。例えば、3ユニットを並列させ、1周期120分のサイクルで中空糸膜による分離工程を40分として、夫々40分の位相差をつけて運転させる。これにより、120分毎ではなく、40分毎のサンプルと、測定結果を得ることが可能となる。
【0034】
また、他の変形例として、in-situハイブリダイゼーションおよび免疫抗体による2重染色処理を行い、固定化した検体について2種類の励起光で蛍光画像観察および微分干渉画像観察をした結果、検体中に2重染色発光が検出され、かつ、蛍光検出位置の微分干渉像が目的対象微生物形状と認識された場合、オペレータに何らかの形で報知することによって、検出に留まらず監視の機能を持たせることができる。
【0035】
【発明の効果】
以上の説明によって明らかなように、本発明によれば、最初に中空糸膜を用い、続いてメンブレンフィルターを用いてそれぞれ試料水中の微生物を分離、濃縮し、クリプトスポリジウムに含まれる核酸と相補的なプローブを用いて蛍光発光in-situハイプリダイゼーションを行うとともに、クリプトスポリジウムに関連する物質に対する抗体を用いて免疫染色を行って2重染色し、その微分干渉像及び蛍光発光像を解析してクリプトスポリジウムを認識するようにしたので、高効率かつ大量処理を可能にすると共に、高精度のクリプトスポリジウムの検出方法及び検出装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るクリプトスポリジウムの検出方法を実施する装置のうち、クリプトスポリジウム回収部の第1の実施形態の構成を示す系統図。
【図2】本発明に係るクリプトスポリジウムの検出方法を実施する装置のうち、クリプトスポリジウム検出部の構成を示すブロック図。
【図3】図2に示す検出部において明視野像及び微分干渉像を取得する場合の装置の構成例。
【図4】本発明に係るクリプトスポリジウムの検出方法を実施する装置のうち、クリプトスポリジウム回収部の第2の実施形態の構成を示す系統図。
【符号の説明】
10A,10B 微生物回収部
11 中空糸膜分離ユニット
12 吸引ポンプ
13 逆洗用ポンプ
14 メンブレンフィルターユニット
15 誘出液注入用ポンプ
16 サンプル回収部
20 殺菌処理ユニット
21 分散剤導入ユニット
31 微生物
32 固定化プレート
41 制御手段
42 励起光源
43 蛍光フィルタシステム
44 微分干渉フィルタ
45 フィルタ切り替え手段
46 撮像手段
47 画像記録手段
48 画像解析手段
49 画像表示手段
100 クリプトスポリジウム検出部
101 前処理部
102 反応部
103 固定化部
104 検出部

Claims (5)

  1. 試料水中のクリプトスポリジウムを検出するクリプトスポリジウムの検出方法において、
    中空糸膜を用いて試料水中の微生物を分離、濃縮し、メンブレンフィルターを用いてさらに分離、濃縮するステップと、
    前記メンブレンフィルターによって分離、濃縮された前記微生物のうち、クリプトスポリジウムに対してそのオーシスト外殻に損傷を与えるステップと、
    クリプトスポリジウムに含まれる核酸と相補的なプローブを用いて蛍光発光in-situハイプリダイゼーションを行うとともに、クリプトスポリジウムに関連する物質に対する抗体を用いて免疫染色を行って2重染色を行うステップと、
    2重染色された前記微生物の微分干渉像及び蛍光発光像を得るステップと、
    得られた微分干渉像及び蛍光発光像を解析してクリプトスポリジウムを認識するステップと、
    を順次実行することを特徴とするクリプトスポリジウムの検出方法。
  2. 試料水中のクリプトスポリジウムを検出するクリプトスポリジウム検出装置において、
    中空糸膜を用いて試料水中の微生物を分離、濃縮し、メンブレンフィルターを用いてさらに分離、濃縮する微生物回収手段と、
    前記微生物回収手段によって分離、濃縮された前記微生物のうち、クリプトスポリジウムに対してそのオーシスト外殻に損傷を与える前処理手段と、
    クリプトスポリジウムに含まれる核酸と相補的なプローブを用いて蛍光発光in-situハイプリダイゼーションを行うと共に、クリプトスポリジウムに関連する物質に対する抗体を用いて免疫染色を行う染色手段と、
    前記染色手段により染色された前記微生物の微分干渉像及び蛍光発光像を得て、これらの画像を解析してクリプトスポリジウムを認識する検出手段と、
    を備えたことを特徴とするクリプトスポリジウムの検出装置。
  3. 前記前処理手段は、熱処理、マイクロウェーブ処理及び電気的な処理の少なくとも1つの処理を行い、かつ、ホルマリン固定を行うことを特徴とする請求項2に記載のクリプトスポリジウムの検出装置。
  4. 前記染色手段は、蛍光標識プローブを用いて蛍光発光in-situハイブリダイゼーションを行い、かつ、それとは異なる識別可能な標識物質を用いて免疫染色をすることを特徴とする請求項2又は3に記載のクリプトスポリジウムの検出装置。
  5. 前記検出手段は、試料中に2重染色発光が検出され、かつ、蛍光検出位置の微分干渉像が目的対象微生物形状と認識された場合、オペレータに報知する手段を備えたことを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項に記載のクリプトスポリジウムの検出装置。
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