JP3934254B2 - 嵌合体の成形方法及びその成形装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、嵌合体の成形方法及びその成形装置に係り、詳しくはモータのハウジングの成形に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図10(a)は、モータ40のモータケース41及びハウジング42の断面を示す。筒状のモータケース41の下端部は、ハウジング42の周縁部に嵌着している。図10(b)に示すように、該ハウジング42の中央部には回転軸43を軸通するための貫通孔44が形成されている。その貫通孔44の周囲には凹部45が形成されている。該凹部45には軸受け46が固設されている。
【0003】
又、該ハウジング42の周縁には8個の凸部47が等角度間隔に形成されている。図8(c)に示すように、該凸部47のほぼ中央にはV字状の凹部48が形成されている。更に、該凸部47の外端部には嵌合面49が形成されている。
【0004】
この嵌合面49を形成する方法が、例えば特開昭52−39992号公報に開示されている。
図11は該ハウジング42を成形するための成形装置を示す。
【0005】
ワーク(ハウジング)42が打ち出しダイ50上に載置されている。打ち出しパンチ51がノックアウトピン52からの圧力に抗して圧下すると、ノックアウト53はその力に押されて下動する。この際、ワーク42には凸部47か形成されるとともに、その凸部47の外端部には嵌合面49が形成される。又、この嵌合面49の形成時に、ノックアウト53の上面に形成された突出部54によって、ワーク42は、更に打ち出しダイ50の内周面へ押し出される。その結果、その嵌合面49は円柱側面に形成される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記した成形装置によって成形されたハウジング42には、図11に示すように嵌合面49の下部にその部分の肉薄に起因して亀裂55が生じる可能性がある。
【0007】
更に、ハウジング42の上面には、モータケース41と嵌合する8個の凸部47が形成されている。この8個の凸部47について高さ及び幅等の形状のばらつきが生じると、モータケース41との嵌合がうまく出来なくなる。しかし、各凸部47は、個々の打ち出しパンチ51とノックアウトピン52とで成形されるため、凸部47についてすべて等しい精度の高い形状を成形するのは非常に難しく高度の技術を必要とするとともに、製造コストを上昇させていた。
【0008】
又、この成形装置は8組の打ち出しパンチ51とノックアウト52が必要で、その構成の複雑さによって金型の製造コストを更に上昇させていた。更に、打ち出しパンチ51及びノックアウトピン52は、細長い形状であり、大きな力を受けるため摩耗も早く、交換する回数が増大する問題があった。
【0009】
本発明の目的は、成形装置の金型部品を簡単な形状にすることができるとともに、金型寿命を長くし、製造コストを低減する嵌合体の成形方法及びその成形装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、嵌合体本体に形成した嵌合面が被嵌合体と嵌合する嵌合体の成形方法において、嵌合体本体の基材となる金属板材の下面を半抜きパンチ上方に載置し、前記半抜きパンチからはみ出した外周部分の上面に半抜きダイスを当接させ、同半抜きダイスを上方から下方に向かって押圧して半抜き加工して半抜き端部及び前記半抜きパンチに支持されている金属板材の上面と半抜き端部の上面との間に嵌合面を形成するとともに、前記半抜きパンチの上面外周縁に形成した欠切部にて前記半抜き端部の下面と前記金属板材の下面を結ぶ段差面に肉厚部を形成したことを要旨とする。
【0012】
請求項2に記載の発明は、嵌合体本体に形成した嵌合面が被嵌合体と嵌合する嵌合体の成形装置において、嵌合体本体の基材となる金属板材の下方に載置される半抜きパンチと、前記半抜きパンチの上面外周縁に形成した欠切部と、前記半抜きパンチからはみ出した金属板材の外周部分の上面に当接し、同上面を上方から下方に向かって押圧する半抜きダイスと、前記半抜きダイスに対して前記当接した状態から金属板材の下方に向かって荷重をかけるダイホルダとを備え、前記金属板材の下面を半抜きパンチ上方に載置し、前記半抜きパンチからはみ出した外周部分の上面に半抜きダイスを当接させ、前記ダイホルダにて半抜きダイスを上方から下方に向かって押圧して半抜き加工して半抜き端部及び前記半抜きパンチに支持されている金属板材の上面と半抜き端部の上面との間に嵌合面を形成するとともに、前記半抜きパンチの欠切部にて前記半抜き端部の下面と前記金属板材の下面を結ぶ段差面に肉厚部を形成することを要旨とする。
【0013】
請求項1に記載の発明によれば、半抜きパンチにて支持された金属板材は、半抜きダイスの押圧により、その半抜きパンチからはみ出した外周部分が半抜き加工されて半抜き端部となる。この時、半抜きパンチに支持されている金属板材の上面と半抜き端部の上面との間の円周上に嵌合面が形成される。更に、半抜きパンチの上面外周縁に形成した欠切部にて半抜き端部の下面と金属板材の下面を結ぶ段差面に肉厚部が形成される。
【0014】
従って、簡単な構成及び動作で、被嵌合体と強固に嵌合する嵌合面とその嵌合面と反対側の面に肉厚部を形成することができる。そして、金属板材から形成された嵌合体は、その嵌合面と反対側の面に形成された肉厚部にて剛性を上げることができる。
【0016】
請求項2に記載の発明によれば、半抜きパンチは、金属板材の下面を支持する。半抜きダイスは、半抜きダイスからはみ出した金属板材の外周部分の上面に当接した状態からダイホルダからの荷重にてその上面を上方から下方に向かって押圧する。このとき、半抜きパンチからはみ出した外周部分は半抜き加工されて半抜き端部となる。又、半抜きパンチに支持されている金属板材の上面と半抜き端部の上面との間に嵌合面が形成される。更に、半抜きパンチの上面外周縁に形成した欠切部にて半抜き端部の下面と金属板材の下面を結ぶ段差面に肉厚部が形成される。
【0017】
従って、簡単な金型部品の構成で、被嵌合体と強固に嵌合する嵌合面及びその嵌合面と反対側の面に肉厚部を形成することができる。そして、金属板材から形成される嵌合体は、その嵌合面と反対側の面に形成された肉厚部にて剛性を上げることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した超音波モータ1の一実施形態を図1〜図9に従って説明する。
【0019】
超音波モータ1のカバー2は、被嵌合体としてのモータケース3と嵌合体としてのハウジング4とから構成されている。
モータケース3は、有蓋円筒状に形成され、その中央部内側を凹設して軸受収納凹部5が形成されている。モータケース3は、ハウジング4に嵌合固着されている。
【0020】
ハウジング4は、円筒状の軸受保持部6と、その軸受保持部6の上端から外側に延出形成され、モータケース3の開口部を閉塞するハウジング本体7と、軸受保持部6の上端から内側に環状に延出された環状支持部8を備えている。
【0021】
図1において、軸受保持部6にはボールベアリング9が配設され、そのボールベアリング9は前記モータケース3に形成した軸受収納凹部5に配設したボールベアリング10とで回転軸11を回転可能に支持している。
【0022】
図2は、ハウジング4をモータケース3側から見た図であり、図3はハウジング4をモータケース3とは反対側から見た図である。
前記ハウジング本体7は、図2及び図3に示すように、外周形状がモータケース3の開口部と同じ円形をなし、その外周面(嵌合面)12にモータケース3を嵌合させることにより、同ケース3の開口部が閉塞される。ハウジング本体7の外周部下側には、半抜き端部としての鍔部13が延出形成されている。鍔部13は、相対向する位置に2箇所に形成されている。又、相対向する鍔部13間における同じくハウジング本体7の外周部下側には、一対の半抜き端部としての取付ブラケット14が延出形成されている。鍔部13のモータケース3側の面(以下、上面という)13aと取付ブラケット14のモータケース3側の面(以下、上面という)14aは、同一水平面を形成している。又、両上面13a,14aは、図4及び図5に示すように、前記嵌合面12に対して90度の角度をなすとともに、ハウジング本体7のモータケース3側の面(以下、上面という)7aより下方に位置するようになっている。そして、ハウジング本体7にモータケース3が嵌合固着されるとき、モータケース3の開口部内周面3aが嵌合面12に圧接し、モータケース3の開口部端面3bが前記上面13a,14aに当接する。
【0023】
尚、ハウジング本体7の上面7aの外周部はテーパ状に形成され、その面をテーパ面7cとしている。更に、鍔部13のモータケース3と反対側の面(以下、下面という)13bと取付ブラケット14のモータケース3と反対側の面(以下、下面という)14bは、同一水平面を形成している。即ち、鍔部13と取付ブラケット14の肉厚は同じ厚さに形成されている。又、両下面13b,14bは、図4及び図5に示すように、前記嵌合面12に対して90度の角度をなすとともに、ハウジング本体7のモータケース3と反対側の面(以下、下面という)7bより下方に位置するようになっている。そして、その鍔部13の下面13bとハウジング本体7の下面7bを結ぶ段差面13cには所定の間隔で肉厚部としての補強リブ15が形成されている。又、取付ブラケット14の下面14bとハウジング本体7の下面7bを結ぶ段差面14cには所定の範囲でテーパ状の肉厚部としての補強部16が形成されている。前記取付ブラケット14には取付穴17が形成されている。
【0024】
前記ハウジング4の環状支持部8は、前記回転軸11の外側に位置し、所定の間隔にネジ孔18が形成されている。そして、環状支持部8に対して公知の超音波モータ1のステータ19をネジ18aにて固定することによって、該ステータ19はハウジング4(カバー2)に対して固定されることになる。前記回転軸11には公知の超音波モータ1を構成するロータ20が固着されている。そして、ステータ19に設けた圧電素子に高周波駆動電圧を印加することにより、圧電素子は振動し、その振動に基づいて、ロータ20は回転して回転軸11を回転させる。
【0025】
次に、ハウジング4のハウジング本体7を成形する方法について説明する。
ハウジング4は、金属板材(ワーク)Wを半抜き加工することによって成形される。
【0026】
図6は、金属板材Wを半抜き加工するための成形装置を示す。この成形装置は、パンチホルダ21、半抜きパンチ22、クッションプレート23、ダイホルダ24、半抜きダイス25、ノックアウト26等の金型部品を備えている。
【0027】
パンチホルダ21は、半抜きパンチ22及びクッションプレート23を支持している。半抜きパンチ22は、円柱状をなし、図7に示すようにその上面22aの外周縁には前記各補強リブ15を形成するための欠切部としての三角溝22bが切り欠き形成されている。又、その上面22aの外周縁には前記テーパ状の各補強部16を形成するための欠切部としてのテーパ溝22cが形成されている。
【0028】
前記クッションプレート23は、その中央に貫通孔23aが形成されたリング状のプレートであって、その貫通孔23a内に半抜きパンチ22が嵌合する。この貫通孔23aの内径R1は、円柱状の半抜きパンチ22の外径と一致させて、クッションプレート23が半抜きパンチ22に沿って摺動可能となるように嵌合されている。クッションプレート23は、その高さ(軸線方向の長さ)h1が半抜きパンチ22の高さ(軸線方向の長さ)h2より低く設計されている。
【0029】
従って、半抜きパンチ22及びクッションプレート23の両下面がパンチホルダ21に当接した状態で支持されている時、半抜きパンチ22はクッションプレート23から上方に突出し、その突出量hxはhx=h2−h1となる。本実施形態では、突出量hxは前記板材Wの厚さの半分となるように設定している。
【0030】
前記クッションプレート23とパンチホルダ21との間には、スプリング収容室27が等角度の間隔に複数個形成されている。そのスプリング収容室27にはクッションプレートスプリング28が配設されている。クッションプレートスプリング28は、クッションプレート23に上方から下方に向かって荷重がかかっていない時、同クッションプレート23を上動させるようになっている。本実施形態では、クッションプレートスプリング28は、クッションプレート23の上面23bが半抜きパンチ22の上面22aと面一になる位置までクッションプレート23を上動させている。
【0031】
従って、クッションプレート23に上方から下方に向かっての荷重がかかると、クッションプレート23はクッションプレートスプリング28の弾性力に抗してパンチホルダ21に当接するまで下動する。
【0032】
ダイホルダ24は、半抜きダイス25を支持している。半抜きダイス25は、中央に貫通孔25aが形成されたリング状のプレートであって、その貫通孔25aの内径R2はモータケース3の開口部の内周面3aに嵌合する適正な内径と一致させている。半抜きダイス25に形成された貫通孔25aの上部には、貫通孔25aの内径より大きい内径の嵌合凹部25bが拡開形成されている。
【0033】
前記ノックアウト26は円柱状をなし、半抜きダイス25の貫通孔25a内に嵌合されている。ノックアウト26の外径は、半抜きダイス25の貫通孔25aの内径R2と一致させ、ノックアウト26が貫通孔25aに沿って摺動可能となるように嵌合されている。ノックアウト26の上部外周には、大径部26aが形成され、その大径部26aは前記半抜きダイス25の嵌合凹部25bに嵌合するように配設されている。
【0034】
従って、大径部26aの係合面26bが嵌合凹部25bの係合面25cと係合することにより、ノックアウト26は半抜きダイス25に対して吊下された状態となる。ノックアウト26は、その高さ(軸線方向の長さ)h3が半抜きダイス25の高さ(軸線方向の長さ)h4より低く設計されている。
【0035】
従って、ノックアウト26及び半抜きダイス25の両上面がダイホルダ24に当接した状態にある時、半抜きダイス25はノックアウト26より下方に突出し、その突出量hyはhy=h4−h3となる。そして、この状態において、大径部26aの係合面26bと嵌合凹部25bの係合面25cとの間隔D1が突出量hy(=h4−h3)と一致するように、大径部26aと嵌合凹部25bは形成されている。又、本実施形態では、この突出量hyは、前記突出量hxと一致させている。
【0036】
ノックアウト26とダイホルダ24との間には、スプリング収容室29が形成されている。そのスプリング収容室29にはノックアウトスプリング30が配設されている。ノックアウトスプリング30は、大径部26aの係合面26bと嵌合凹部25bの係合面25cが当接するようにノックアウト26を下方に押圧する。そして、ノックアウト26に下方から上方に向かって荷重がかかった時、ノックアウト26はノックアウトスプリング30の弾性力に抗して上動するようになっている。
【0037】
次に、上記のように構成された成形装置の作用について説明する。
半抜きパンチ22上にワーク(金属板材)Wをその下面7bと半抜きパンチ22の上面22aとを対向させて載置する。このとき、回転軸11の中心となるワークWの中心と半抜きパンチ22の上面22aの中心を一致させて位置決めるとともに、ワークWの外周部に形成した取付ブラケット14の円弧状の基端部と半抜きパンチ22の上面22aに形成した隣接する2個のテーパ溝22cの周縁部を対向させる。
【0038】
この時、クッションプレート23はクッションプレートスプリング28によって下方から弾性力を受けて、その上面は半抜きパンチ22の上面22aと面一をなしている。又、ノックアウト26はノックアウトスプリング30によって吊下されて、その下面は半抜きダイス25の下面と面一をなしている。
【0039】
この状態から、クッションプレート23及びノックアウト26を下動させる。ノックアウト26の下面がワークWの上面7aに接触するまで、クッションプレート23及びノックアウト26は共に下動する。そして、ノックアウト26はその下面がワークWの上面7aに接触すると、ワークWから反力を受けて、その上面がダイホルダ24の下面に当接するまで、半抜きダイス25に対して上動する。又、半抜きダイス25はワークWからの反力に対向しながら、ワークWの厚さの半分まで更に下動する。そして、ワークWから圧力を受けたクッションプレート23は、クッションプレートスプリング28の弾性力に対向しながら、その下面がパンチホルダ21の上面に当接するまで下動する。
【0040】
この時、図8に示すようにワークWの上面7aの外周部は、半抜きダイス25の下面によって、ノックアウト26の下面に押圧されている面7aより、更に突出量hy(=h4−h3)だけ下方に押し下げられる。そして、鍔部13の上面が形成される。前記鍔部13の上面13aは、平面に押圧されるとともに、ワークWの外周面12は前記平面に垂直な平面(嵌合面)12に半抜き形成される。この時、ワークWの上面はノックアウト26の下面によって押圧されて、凸部が形成されない。又、ワークWの下面の外周部(鍔部13の下面7b)はクッションプレート23の上面によって支持され、半抜きパンチ22の上面22aに支持されている面7bより、更に突出量hx(=h2−h1)だけ押し下げられて鍔部13の下面13bが形成される。前記鍔部13の下面13bは、平面に押圧される。
【0041】
更に、ワークWの下面7bの外周部は、半抜きダイス25の下面によって半抜きパンチ22に形成した三角溝22bに向かって押し広げられて補強リブ15が形成される。前記補強リブ15は、その鍔部13の下面13bとワークWの下面7bを結ぶ段差面13cに形成される。この時、この補強リブ15の上部にあるワークWの上面7aは、その肉が前記三角溝22bに向かって引き込まれて斜面が形成される。
【0042】
取付ブラケット14の上面14aは、半抜きダイス25の下面によって、ノックアウト26の下面に押圧されている面7aより、更に突出量hy(=h4−h3)だけ押し下げられる。前記取付ブラケット14の上面14aは、平面に押圧される。又、前記取付ブラケット14の基端部に位置するワークWの外周面12は、前記平面に垂直な平面(嵌合面)12に半抜き成形される。この時、取付ブラケット14より内側にあるワークWの上面7aは、ノックアウト26の下面によって押圧されて、凸部が形成されない。又、取付ブラケット14の下面14bはクッションプレート23の上面によって支持され、半抜きパンチ22の上面22aに支持されている面7bより、更に突出量hx(=h2−h1)だけ押し下げられる。前記取付ブラケット14の下面7bは、平面に押圧される。取付ブラケット14の基端部に位置するワークWの下面7bの外周部は、半抜きダイス25の下面によって半抜きパンチ22に形成したテーパ溝22cに向かって押し広げられて補強部16が形成される。前記補強部16は、取付ブラケット14の下面14bとワークWの下面7bを結ぶ段差面14cにテーパ状に形成されている。この時、この補強部16の上部にあるワークWの上面は、その肉が前記テーパ溝22cに向かって引き込まれてテーパ面7cが形成される。
【0043】
本実施形態によれば、以下のような特徴を得ることができる。
(1)本実施形態では、ハウジング本体7の外周部を半抜き加工によってモータケース3と反対側に屈曲させて鍔部13及び取付ブラケット14を形成する。そして、その半抜き加工において、その鍔部13の上面13a及び取付ブラケット14の上面14aとハウジング本体7の上面7aとの間に形成される外周面、即ち嵌合面12にモータケース3を嵌合させるようにした。
【0044】
従って、モータケース3は嵌合面12、即ちハウジング本体7の外周面全体に嵌合するため、従来のようにハウジングに突出形成させた複数個(8個)の凸部47でモータケース41と嵌合するのと比べて、その嵌合は強固となる。
【0045】
(2)本実施形態では、前記嵌合面12を成形するに際して、パンチホルダ21、半抜きパンチ22、クッションプレート23、ダイホルダ24、半抜きダイス25、ノックアウト26等の金型を用いた。
【0046】
つまり、従来のように、8個の独立した凸部47を成形するための特別の打ち出しパンチ51とノックアウトピン52の金型部品を個々に用意する必要がない。
【0047】
従って、その分だけ金型部品の部品点数は低減される。又、従来のように8個の独立した凸部47の成形精度を上げるために、コスト高につながる打ち出しパンチ51とノックアウトピン52の金型部品の加工精度を上げるといった必要もない。更に、摩耗の激しく寿命の短い打ち出しパンチ51のノックアウトピン52を頻繁に交換するといったコスト高につながる問題もない。
【0048】
(3)本実施形態では、鍔部13の下面13bとハウジング本体7の下面7bを結ぶ段差面13cには所定の間隔で補強リブ15を形成した。
従って、補強リブ15は、ハウジング本体7の外周部に形成された嵌合面12の下方の肉薄部を補強する。その結果、ハウジング本体7の周縁部における剛性がよくなる。しかも、図3に示すように鍔部13の側端部13dと対応する段差面13cに補強リブ15を形成している。
【0049】
従って、成形加工時に、肉が厚くなって、側端部13dが剥がれたり、亀裂が生じることはない。
(4)本実施形態では、前記補強リブ15は円柱状の半抜きパンチ22の上面22aに形成した三角溝22aにて成形される。つまり、半抜きパンチ22の上面22aの外周縁に三角溝22bを形成するだけの簡単な構成で補強リブ15を形成することができる。
【0050】
(5)本実施形態では、取付ブラケット14の下面14bとハウジング本体7の下面7bを結ぶ段差面14cには所定の範囲でテーパ状の補強部16を形成した。
【0051】
従って、補強部16は取付ブラケット14の基端部に位置するハウジング本体7に形成された肉薄部を補強する。その結果、ハウジング本体7の周縁部における剛性がよくなる。
【0052】
(6)本実施形態では、前記補強部16は円柱状の半抜きパンチ22の上面22aの形成したテーパ溝22cにて成形される。つまり、半抜きパンチ22の上面22aの外周縁にテーパ溝22cを形成するだけの簡単な構成で補強部16を形成することができる。
【0053】
なお、本発明の実施形態は以下のように変更してもよい。
○上記実施形態では、超音波モータ1のハウジング4に実施されたが、嵌合面12を備える他の部材に実施してもよい。更に、モータ以外にも被嵌合体と嵌合する嵌合体であれば、どの機器に実施してもよい。
【0054】
○上記実施形態では、前記半抜きダイス25は、高さh4、内径R2のリング状に形成されたが、リング状に代えて矩形又はその他の多角形を形状を備えた枠状に形成してもよい。
【0055】
○上記実施形態では、前記ノックアウト26は、高さh3(<h4)、外径R2の円柱状に形成されたが、四角柱又はその他の角柱に形成してもよい。
○上記実施形態では、前記クッションプレート23は、高さh1、内径R1のリング状に形成されたが、矩形又はその他の多角形を形状を備えた枠状に形成してもよい。
【0056】
○上記実施形態では、半抜きパンチ22は、外径R1、高さh2(>h1)を備えた円柱状に形成されたが、四角柱又はその他の角柱に形成してもよい。
○上記実施形態では、半抜きパンチ22の上面の周縁部には三角溝22bが11カ所に形成されたが、任意の箇所に任意の数量だけ形成してもよい。
【0057】
○上記実施形態では、半抜きパンチ22の上面の周縁部にはテーパ溝22cが4カ所に形成されたが、任意の箇所に任意の数量だけ形成してもよい。
○上記実施形態では、ハウジング本体7の外周は円に形成されていたが、矩形又はその他の形状に形成してもよい。
【0058】
○上記実施形態では、ハウジング本体7に取付ブラケット14が形成されたが、形成されなくてもよい。
○上記実施形態では、嵌合面12はハウジング本体7の周縁部に形成されたが、前記嵌合面12はハウジング本体7のどの位置に形成されてもよい。
【0059】
このようにした場合にも、前記実施形態に記載の特徴と同様な特徴を得ることができる。
次に、前記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について、それらの効果と共に以下に記載する。
【0060】
(1)嵌合面を備え、その嵌合面にて被嵌合体と嵌合する嵌合体において、その外周部に延出形成された半抜き端部(13,14)と、前記半抜き端部(13,14)の上面(13a,14a)に形成された水平面と、前記半抜き端部(13,14)の内周縁に前記水平面と90度の角度をなす嵌合面(12)と、前記半抜き端部(13,14)の下面(13b,14b)と嵌合体(7)の下面(7b)を結ぶ段差面(13c,14c)に所定の間隔で複数の肉厚部(15、16)とを備えた嵌合体。
【0061】
従って、この(1)に記載の発明によれば、被嵌合体は嵌合面、即ち嵌合体の外周面全体に嵌合するため、その嵌合は強固となる。
(2)上記(1)に記載の嵌合体において、前記複数の肉厚部(15)は、前記嵌合体(7)の外周部下側に延出形成された鍔部(13)の下面(13b)と嵌合体(7)の下面(7b)を結ぶ段差面(13c)に形成されたことを特徴とする嵌合体。
【0062】
従って、この(2)に記載の発明によれば、鍔部13の基端部における剛性がよくなる。
(3)上記(1)に記載の嵌合体において、前記複数の肉厚部(16)は、前記嵌合体(7)の外周部下側に延出形成された取付ブラケット(14)の下面(14b)と嵌合体(7)の下面(7b)を結ぶ段差面(14c)に形成されたことを特徴とする嵌合体。
【0063】
従って、この(3)に記載の発明によれば、取付ブラケット14の基端部における剛性がよくなる。
【0064】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1に記載の発明によれば、簡単な構成及び動作にて被嵌合体と強固に嵌合する嵌合面とその嵌合面と反対側の面に肉厚部を形成することができる。
【0065】
請求項2に記載の発明によれば、簡単な金型部品の構成で、被嵌合体と強固に嵌合する嵌合面及びその嵌合面と反対側の面に肉厚部を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 超音波モータの断面図。
【図2】 ハウジング本体の平面図。
【図3】 ハウジング本体の底面図。
【図4】 図3に示したハウジング本体のA−A線における断面図。
【図5】 図3に示したハウジング本体のB−B線における断面図。
【図6】 本実施形態における成形装置の断面図。
【図7】 本実施形態における半抜きパンチの平面図。
【図8】 図6における成形装置の要部拡大図。
【図9】 図6における成形装置の要部拡大図。
【図10】 、従来のモータの破断図であり、(a)はそのモータケース41及びハウジング42の断面図、(b)はハウジング42の平面図、(c)はハウジング42の腰部拡大図。
【図11】 従来の成形装置の破断図。
【符号の説明】
W…金属板材、3…被嵌合体としてのモータケース、7…嵌合体本体としてのハウジング本体、7a…上面、7b…下面、12…嵌合面、13…半抜き端部としての鍔部、13a…半抜き端部としての鍔部の上面、13b…半抜き端部としての鍔部の下面,13c,14c…段差面、14…半抜き端部としての取付ブラケット、14a…下半抜き端部としての取付ブラケットの上面、14b…下半抜き端部としての取付ブラケットの下面、22a…半抜きパンチの上面、15…肉厚部としての補強リブ,16…肉厚部としての補強部、21…パンチホルダ、22…半抜きパンチ、22b…欠切部としての三角溝,22c…欠切部としてのテーパ溝、23…クッションプレート、23a…クッションプレートの貫通孔,24…ダイホルダ、25…半抜きダイス、25a…半抜きダイスの貫通孔、25b…嵌合凹部、26…ノックアウト、26a…大径部。
Claims (2)
- 嵌合体本体(7)に形成した嵌合面(12)が被嵌合体(3)と嵌合する嵌合体の成形方法において、
嵌合体本体(7)の基材となる金属板材(W)の下面を半抜きパンチ(22)上方に載置し、前記半抜きパンチ(22)からはみ出した外周部分の上面に半抜きダイス(25)を当接させ、同半抜きダイス(25)を上方から下方に向かって押圧して半抜き加工して半抜き端部(13,14)及び前記半抜きパンチ(22)に支持されている金属板材(W)の上面(7a)と半抜き端部(13,14)の上面(13a,14a)との間に嵌合面(12)を形成するとともに、前記半抜きパンチ(22)の上面外周縁に形成した欠切部(22b,22c)にて前記半抜き端部(13,14)の下面(13b,14b)と前記金属板材(W)の下面(7b)を結ぶ段差面(13c,14c)に肉厚部(15,16)を形成したことを特徴とする嵌合体の成形方法。 - 嵌合体本体(7)に形成した嵌合面(12)が被嵌合体(3)と嵌合する嵌合体の成形装置において、
嵌合体本体(7)の基材となる金属板材(W)の下方に載置される半抜きパンチ(22)と、
前記半抜きパンチ(22)の上面外周縁に形成した欠切部(22b,22c)と、
前記半抜きパンチ(22)からはみ出した金属板材(W)の外周部分の上面に当接し、同上面を上方から下方に向かって押圧する半抜きダイス(25)と、
前記半抜きダイス(25)に対して前記当接した状態から金属板材(W)の下方に向かって荷重をかけるダイホルダ(24)と
を備え、
前記金属板材(W)の下面を半抜きパンチ(22)上方に載置し、前記半抜きパンチ(22)からはみ出した外周部分の上面に半抜きダイス(25)を当接させ、前記ダイホルダ(24)にて半抜きダイス(25)を上方から下方に向かって押圧して半抜き加工して半抜き端部(13,14)及び前記半抜きパンチ(22)に支持されている金属板材(W)の上面(7a)と半抜き端部(13,14)の上面(13a,14a)との間に嵌合面(12)を形成するとともに、前記半抜きパンチ(22)の欠切部(22b,22c)にて前記半抜き端部(13,14)の下面(13b,14b)と前記金属板材(W)の下面(7b)を結ぶ段差面(13c,14c)に肉厚部(15,16)を形成することを特徴とする嵌合体の成形装置。
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JP19174298A JP3934254B2 (ja) | 1998-07-07 | 1998-07-07 | 嵌合体の成形方法及びその成形装置 |
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