JP3933953B2 - 複数の局部発振周波数を用いる受信機のagc回路 - Google Patents

複数の局部発振周波数を用いる受信機のagc回路 Download PDF

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    • H03G3/30Automatic control in amplifiers having semiconductor devices
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  • Circuits Of Receivers In General (AREA)
  • Control Of Amplification And Gain Control (AREA)
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、2つ以上の局部発振周波数を択一的に使用して周波数変換を行うミキサ部を含んだ受信機のAGC(Automatic Gain Control;自動利得調整)回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の受信機のフロントエンド部におけるミキサ回路、及びAGC回路周辺の回路構成を図1に示す。
同図において、アンテナ1から入力した周波数frなる受信信号は、利得調整回路2を経てミキサ3に供給される。一方、局部発振回路4からは、周波数flなる局部発振周波数信号がミキサ3に供給される。
【0003】
ミキサ3は、例えばダイオードやトランジスタを利用した2重平衡変調器やリング変調器で構成されており、両信号の和及び差の周波数、即ち│fr±fl│の周波数成分を持った中間周波信号を生成する。つまり、受信信号の周波数は、ミキサ3を経ることによってその後の復調・再生処理に適した中間周波数に変換されるのである。
【0004】
ミキサ3から出力される中間周波信号は、後段の復調・再生回路7に供給されるとともに検波器5にも供給される。検波器5は、かかる中間周波信号を検波してその信号レベルを検出し、該信号レベルをAGC制御回路6へ出力する。AGC制御回路6は、該信号レベルに応じて利得調整回路2におけるAGC動作の実行開始を制御する。
【0005】
このようなフィードバック制御を行うことによって、受信電界強度の変化により受信信号の信号レベルが変動しても、ミキサ3からの出力信号レベルを所定の値に保つことができるのである。
ところで、アンテナ1から入力する電波には、受信を所望する希望波のみならず種々の妨害波が含まれている。例えば、OFDM(Orthgonal Frequency Division Multiplexing:直交周波数分割多重)方式による変調処理を受けた信号(以下、単に“OFDM変調信号”と称する)が妨害波として入力した場合は、以下のような不具合が生ずる。すなわち、OFDM変調方式は、複数の異なる周波数の搬送波(キャリア)をその帯域内に多数配列した、いわゆるマルチキャリア方式を採用している。それ故、妨害波であるOFDM変調信号の信号レベルが或る程度以上になると、各キャリア間に生ずる相互変調歪みが大きくなる。これによって、図2に示す如く、その周波数スペクトラムが希望波の周波数帯域にまで拡がり希望波の受信に障害を及ぼすおそれがある。そこで、前述のAGC制御においていわゆる広帯域AGCという概念を導入し、希望波の信号レベルのみならず妨害波の信号レベルにも着目して、利得調整回路2によって妨害波の入力信号レベルに対して減衰を与える方式が用いられている。
【0006】
しかしながら、例えば、2つの局部発振周波数を有して、これらの周波数を切り替えて使用する受信機においては以下のような問題が生ずる。すなわち、受信信号を局部発振周波数flで周波数変換した場合と、局部発振周波数fuで周波数変換した場合とでは、ミキサ3で生成される中間周波数が当然異なるものとなる。
【0007】
今、アンテナ1からの妨害波であるOFDM変調信号の周波数スペクトラムの中心周波数がfi、入力レベルをX[dBm]と想定する。そして、周波数fにおけるアンテナ1から検波器5の入力、即ちミキサ3の出力までの変換ゲインをG(f)[dB]とする。この場合、局部発振周波数flで周波数変換された妨害波の検波器5への入力信号レベルLlは、
Ll=G(│fi−fl│)+X [dBm]となる。一方、局部発振周波数fuで周波数変換された妨害波の検波器5への入力信号レベルLuは、
Lu=G(│fi−fu│)+X [dBm]となる。
【0008】
アンテナ1からミキサ3の出力までの変換ゲインG(f)は、一般に周波数特性を有するため、上式におけるG(│fi−fl│)と、G(│fi−fu│)とは異なる値である。従って、
Ll ≠ Lu
となり、妨害波fiをflで周波数変換を行った場合と、fuで周波数変換した場合とでは、で検波器5に入力する妨害波の信号レベルが異なるものとなってしまう。
【0009】
それ故、例えば、妨害波のアンテナ入力がχ[dBm]を越えたときに利得調整回路2によるAGC動作を開始するような設定が必要な場合、かかる設定を、例えばflで周波数変換したときの検波器5への入力信号レベルLlで行うと、fuで周波数変換したときに妨害波のアンテナ入力がχ[dBm]を越えてもAGCが動作しない場合が生じてしまう。
【0010】
これでは、ユーザーが、局部発振周波数の切替が必要な受信チャンネルの変更を行った場合に、それまでAGCが動作して受信可能であった放送が受信不可能になるという不具合を生ずる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような問題を解決するために為されたものであり、複数の局部発振周波数を有する受信機において、局部発振周波数を切り替えても妨害波に対するAGC動作の開始レベルを一定に保つAGC回路を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、複数の局部発振周波数を択一的に使用する受信機のAGC回路であって、
利得制御信号に基づいてアンテナからの受信信号の利得を調整する利得調整回路と、前記利得調整回路からの出力信号に所定の局部発振周波数信号を乗積して前記出力信号の周波数変換を行うミキサ回路と、少なくとも2つの異なる周波数の局部発振周波数信号を生成して、該局部発振周波数信号のうちの1つを前記ミキサ回路に供給する局部発振回路と、前記ミキサ回路の出力に接続され、所定の周波数帯域において前記ミキサ回路の出力における周波数特性を補正する周波数特性補正回路と、前記周波数特性補正回路を経た信号の信号レベルを表す検出信号を生成する検出信号生成回路と、前記検出信号に基づいて前記利得制御信号を生成してこれを前記利得調整回路に供給する利得制御信号生成回路とを含むことを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明によるAGC回路の第1の実施例を図3のブロック図に示す。
同図において、アンテナ10から入力した受信信号は、利得調整回路20を経てミキサ30に供給される。一方、2つの局部発振回路51及び52からは、それぞれ異なる周波数fl及びfuを有する局部発振周波数信号が信号切替回路40を経てミキサ30に択一的に供給される。なお、かかる局部発振周波数信号の切替は、ユーザーが受信を希望する希望波のチャンネルを切り替えるときに連動して為されるものとする。
【0014】
ミキサ30は、例えば、ダイオードやトランジスタを利用した2重平衡変調器やリング変調器で構成されており、受信信号と局部発振周波数信号との周波数の差をその周波数とする中間周波信号を生成する。つまり、受信信号の周波数は、ミキサ30を経ることによってその後の復調・再生処理に適した中間周波数に変換されるのである。
【0015】
ミキサ30から出力される中間周波信号は、後段の復調・再生回路90に供給されるとともに補償回路60にも供給される。補償回路60は、例えば、図4に示されるインダクタL及びキャパシタCから成る直列枝の共振を利用した、いわゆる周波数トラップ回路によって構成されている。このような周波数トラップ回路は、入力信号に対して回路中のLC直列枝の共振周波数においてのみ大きな減衰特性を示す。従って、LC直列枝を構成する各回路定数を適宜調整することにより所望の周波数特性を設定することができるのである。本実施例では、理想的な例として、所定の周波数帯域内において、アンテナ10からミキサ30の出力までの周波数特性G(f)の逆特性となるような周波数特性H(f)が補償回路60に設定されているものとする。即ち、所定の周波数帯域内では、周波数特性G(f)、及びH(f)の間に次式の関係が成立する。
【0016】
G(f)+H(f)=A[dB] (A;周波数に関わらず一定の利得又は減衰)なお、所定の周波数或いは周波数帯域を有する妨害波信号が、ミキサ30において局部発振周波数flで周波数変換された場合の信号レベルと、局部発振周波数fuで周波数変換された場合の信号レベルとを同じにする機能を、補償回路60は、備えていれば良い。それ故、妨害波の周波数或いは周波数帯域の中心周波数をfiとすると、補償回路60に設定される周波数特性H(f)は、│fi−fl│から│fi−fu│の全ての周波数帯域に亘って、周波数特性G(f)の逆特性を有する必要はない。
【0017】
一方、補償回路60からの出力信号は、検波器70に供給され、その信号レベルが検出される。検波器70は、検出した信号レベルの値を次のAGC制御回路80に出力する。AGC制御回路80は、かかる信号レベルの検出値を基に利得調整回路20に対するAGC動作を開始する制御を行うのである。
次に、本実施例の動作を、いわゆるXM放送の受信機の場合を例にとって説明する。因みに、XM放送とは、現在、北米において実施されている衛星デジタル音声放送システムであり、一般にXMラジオと呼称されている。XMラジオは、地上波と衛星波の双方の電波を利用して、2.3GHz帯域のいわゆるSバンドを用いた音声及びデータサービスの放送を行っている。
【0018】
ここで、XMラジオにおける送信信号の周波数スペクトラムを図5に示す。同図において、fl、fuの各々が、それぞれ受信機における低域側局部発振周波数、高域側局部発振周波数を示している。また、SA,TA,TB,SBがそれぞれ、衛星波によるAチャンネル信号、地上波によるAチャンネル信号、地上波によるBチャンネル信号、衛星波によるBチャンネル信号の各々の周波数スペクトラムを表している。因みに、Aチャンネル信号には、例えば1〜50chの番組が含まれており、Bチャンネル信号には、例えば51〜100chの番組が含まれているものとする。また、衛星波と地上波とでは、同一の信号を各々が異なる変調方式を用いて送信しているものとする。
【0019】
さらに、図5において、fiは妨害波のスペクトラムの中心周波数を表している。なお、本実施例では、かかる妨害波として実際に運用がなされている、いわゆるシリウス放送システムによる信号を想定している。同システムの技術的な内容については、前述のXMラジオと同等であるためその説明を割愛する。
XMラジオによる信号のスペクトラムは、図5に示す如く、使用帯域の中心周波数を境にしてAチャンネルとBチャンネルのスペクトラムが左右対称に配列されている。そして、ユーザーがAチャンネルに含まれる番組を選択した場合、受信機は、低域側局部発振周波数flを用いて衛星波SAと地上波TAの信号を周波数変換して受信処理を行う。一方、ユーザーがBチャンネルの番組を選択した場合は、高域側局部発振周波数fuを用いて衛星波SBと地上波TBの信号の周波数変換が為される。低域側局部発振周波数flで周波数変換が行われた場合の中間周波信号のスペクトラムを図6に、高域側局部発振周波数fuを用いて周波数変換が行われた場合の中間周波信号のスペクトラムは図7に示す。
【0020】
ところで、本実施例において妨害波として想定するシリウス放送システムは、信号の変調方式としてOFDM変調方式を用いている。それ故、受信機におけるシリウス放送システムからの対妨害特性を向上させるには、妨害波の入力信号レベルを利得調整回路20においてAGC動作により低減させることが望ましい。従って、妨害波の入力信号レベルがアンテナ入力において、例えばχ[dBm]を越えた場合に、利得調整回路20におけるAGC動作が開始され、妨害波の入力信号レベルを抑圧するように定めるものとする。
【0021】
しかしながら、図6及び図7に示す如く、妨害波がfl又はfuによって周波数変換が行われた場合、妨害波の周波数スペクトラムは、その中心周波数のみに着目すれば、それぞれ│fl−fi│又は│fu−fi│の周波数に現れる。
従って、アンテナ10の入力からミキサ30の出力までの変換利得の周波数特性G(f)を図8に示すものとすると、上記各々の周波数における変換利得は、それぞれG(│fl−fi│)[dB]、及びG(│fu−fi│)[dB]となる。
【0022】
図8からも明らかなように
G(│fl−fi│)[dB] < G(│fu−fi│)[dB]
であるから、ミキサ30の出力における、flとfuで変換された各々の妨害波の中間周波信号レベルの関係は次式のようになる。
G(│fl−fi│)+χ[dBm] < G(│fu−fi│)+χ[dBm]
となる。
【0023】
つまり、fuで周波数変換を行う場合を基準としてAGC動作の開始点を定めると、受信機がflで周波数変換を行っているときに、妨害波のアンテナ入力レベルがχ[dBm]に達してもAGC動作が開始されないおそれがある。
本発明は、かかる不具合を防止すべく補償回路60を設けているのである。前述の如く、補償回路60の周波数特性H(f)は、アンテナ10の入力からミキサ30の出力までの変換利得の周波数特性G(f)を、所定の周波数範囲において周波数に関わらず一定に補正する特性を有するものである。なお、かかる所定の周波数範囲には、上述の│fl−fi│から│fu−fi│の周波数範囲が含まれることはいうまでもない。
【0024】
従って、本実施例においては、アンテナ10の入力から補償回路60を経て検波器70に到るまでの変換利得は、│fl−fi│及び│fu−fi│の各々の周波数において、それぞれ
G(│fl−fi│)+H(│fl−fi│)=A[dB]
G(│fu−fi│)+H(│fu−fi│)=A[dB]
となる。因みに、Aは、周波数に関わらず一定の利得、若しくは減衰を示す値である。
【0025】
すなわち、本実施例では、flで周波数変換を行った場合でも、fuで周波数変換を行った場合でも、アンテナ10から検波器70に到るまでの変換利得は、A[dB]の値となる。なお、補償回路60はL及びCの受動素子のみで構成されるためH(f)は減衰値となり、上式において利得G(f)に対してはマイナスの値となることはいうまでもない。
【0026】
本実施例は、かかる構成を有するが故に、アンテナ10における妨害波の入力信号レベルが、AGCの制御を必要とするχ[dBm]となった場合、検波器70に入力する妨害波の信号レベルは以下のようになる。
先ず、低域側局部発振周波数flで周波数変換が行われたときの信号レベルLl[dBm]は、
Ll=G(│fl−fi│)+H(│fl−fi│)+χ=A+χ[dBm]
となる。
【0027】
一方、高域側局部発振周波数fuで周波数変換が行われたときの信号レベルLu[dBm]は、
Lu=G(│fu−fi│)+H(│fu−fi│)+χ=A+χ[dBm]
となる。
従って、
Ll= Lu
となり、flで周波数変換を行った場合でも、或いはfuで周波数変換を行った場合でも、検波器70に入力する妨害波の信号レベルは等しくなる。
【0028】
以上説明した妨害波の信号レベルの変化の様子を図9に示す。同図において9Aはミキサ30の出力信号レベルを表し、9Bは補償回路60における周波数特性を表し、9Cは検波器70に入力する信号レベルを表している。なお、補償回路60における周波数特性は所定の信号レベルL0からの減衰値を示すものである。
【0029】
次に、本発明による第2の実施例について、図10に示すブロック図を参照しつつ説明を行う。なお、同図に示す構成は、XMラジオの受信機において地上波と衛星波の各々について、それぞれ独立したフロントエンドを設けたものであり、その動作原理は前述の第1の実施例と同様である。
図10において、アンテナ10から入力した地上波系統の受信信号は、利得調整回路20を経てミキサ30に供給される。同様に、アンテナ110から入力した衛星波系統の受信信号は、利得調整回路120を経てミキサ130に供給される。
【0030】
一方、2つの局部発振回路51及び52からは、それぞれ異なる周波数fl及びfuを有する局部発振周波数信号が信号切替回路40を介して択一的に、ミキサ30及びミキサ130の各々に供給される。なお、かかる局部発振周波数信号の切替は、ユーザーが受信を希望する希望波のチャンネルを切り替えるときに連動して為されるものとする。
【0031】
ミキサ30及びミキサ130は、例えば、ダイオードやトランジスタを利用した2重平衡変調器やリング変調器で構成されており、各々の受信信号と局部発振周波数信号との周波数の差をその周波数とする中間周波信号を生成する。つまり、各々の受信信号の周波数は、ミキサ30又はミキサ130を経ることによってその後の復調・再生処理に適した中間周波数に変換されるのである。
【0032】
ミキサ30又はミキサ130から出力される中間周波信号は、後段の復調・再生回路90に供給される。
一方、ミキサ30から出力される中間周波信号は、補償回路60にも供給される。なお、本実施例においては、ミキサ30からの中間周波信号出力を用いてAGCの制御行っているが、本発明はかかる事例に限定されるものではなく、ミキサ130からの出力を用いてAGCの制御行っても良い。
【0033】
補償回路60は、例えば、図4に示されるインダクタL及びキャパシタCから成る直列枝の共振を利用した、いわゆる周波数トラップ回路によって構成されている。このような周波数トラップ回路は、入力信号に対して回路中のLC直列枝の共振周波数においてのみ大きな減衰特性を示す。従って、LC直列枝を構成する各回路定数を適宜調整することにより所望の周波数特性を設定することができるのである。本実施例では、理想的な例として、所定の周波数帯域内において、アンテナ10から検波器70までの周波数特性G(f)の逆特性となるような周波数特性H(f)が補償回路60に設定されているものとする。即ち、所定の周波数帯域内では、周波数特性G(f)、及びH(f)の間に次式の関係が成立する。
【0034】
G(f)+H(f)=A[dB] (A;周波数に関わらず一定の利得又は減衰)なお、所定の周波数或いは周波数帯域を有する妨害波信号が、ミキサ30において局部発振周波数flで周波数変換された場合の信号レベルと、局部発振周波数fuで周波数変換された場合の信号レベルとを同じにする機能を、補償回路60は、備えていれば良い。それ故、妨害波の周波数或いは周波数帯域の中心周波数をfiとすると、補償回路60に設定される周波数特性H(f)は、│fi−fl│から│fi−fu│の全ての周波数帯域に亘って、周波数特性G(f)の逆特性を有する必要はない。
【0035】
一方、補償回路60からの出力信号は、検波器70に供給され、その信号レベルが検出される。検波器70は、検出した信号レベルの値を次のAGC制御回路80に出力する。AGC制御回路80は、かかる信号レベルの検出値を基に利得調整回路20、及び利得調整回路120に対するAGC制御を開始するのである。
【0036】
なお、本実施例における、処理動作については、前述した第1の実施例の場合と同様であるためその説明を省略する。
以上説明したように、第1及び第2の実施例によれば、受信機において局部発振周波数の切替に影響されることなく、妨害波に対するAGC動作の開始点を常に一定に保つことができる。
【0037】
なお、以上の実施例においては、XMラジオの受信機を例として説明を行ったが、本発明はかかる事例に限定されるものではなく、ミキサ部において2つ以上の局部発振周波数を択一的に切り替えて使用する受信機であれば、本発明の適用が可能である。
また、以上の実施例では、補償回路60として図4に示す如く、LC直列回路を入出力間に並列に接続する形式のトラップ回路を用いたが、本発明はかかる構成に限定されるものではない。例えば、LC並列回路を入出力間に直列に接続する形式のトラップ回路を使用しても良い。
【0038】
【発明の効果】
以上詳述した如く、本発明によれば、受信機において局部発振周波数の切替に伴う対妨害特性のバラツキを抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、従来の受信機のフロントエンドの構成を示すブロック図である。
【図2】図2は、OFDM変調された妨害波が希望波に影響を与える様子を示す図である。
【図3】図3は、本発明によるAGC回路の第1の実施例を示すブロック図である。
【図4】図4は、図3のブロック図における補償回路60の構成を示す回路図である。
【図5】図5は、XM放送における送信信号の周波数スペクトラムの様子を示す図である。
【図6】図6は、図5のXM放送の信号を、低域側局部発振周波数flを用いて周波数変換した場合の中間周波信号の周波数スペクトラムを示す図である。
【図7】図7は、図5のXM放送の信号を、高域側局部発振周波数fuを用いて周波数変換した場合の中間周波信号の周波数スペクトラムを示す図である。
【図8】図8は、図3のブロック図においてアンテナ10からミキサ回路30の出力までの変換利得特性示す図である。
【図9】図9は、図3のブロック図において、異なる局部発振周波数で変換された妨害波の信号レベル偏差が補正される様子を示した図である。
【図10】図3は、本発明によるAGC回路の第2の実施例を示すブロック図である。
【符号の説明】
1,10,110 … アンテナ
2,20,120 … 利得調整回路
3,30,130 … ミキサ
4 … 局部発振回路
5,70 … 検波器
6,80 … AGC制御回路
7,90 … 復調・再生回路
40 … 信号切替回路
51 … 低域側局部発振回路(周波数fl)
52 … 高域側局部発振回路(周波数fu)
60 … 補償回路

Claims (7)

  1. 複数の局部発振周波数を択一的に使用する受信機のAGC回路であって、
    利得制御信号に基づいてアンテナからの受信信号の利得を調整する利得調整回路と、
    前記利得調整回路からの出力信号に所定の局部発振周波数信号を乗積して前記出力信号の周波数変換を行うミキサ回路と、
    少なくとも2つの異なる周波数の局部発振周波数信号を生成して、該局部発振周波数信号のうちの1つを前記ミキサ回路に供給する局部発振回路と、
    前記ミキサ回路の出力に接続され、所定の周波数帯域において前記ミキサ回路の出力における周波数特性を補正する周波数特性補正回路と、
    前記周波数特性補正回路を経た信号の信号レベルを表す検出信号を生成する検出信号生成回路と、
    前記検出信号に基づいて前記利得制御信号を生成してこれを前記利得調整回路に供給する利得制御信号生成回路と、を含むことを特徴とするAGC回路。
  2. 前記周波数特性補正回路は、前記アンテナから前記ミキサ回路までの信号経路の周波数特性と逆特性の周波数特性を有することを特徴とする請求項1に記載のAGC回路。
  3. 複数の局部発振周波数を択一的に使用する受信機のAGC回路であって、
    利得制御信号に基づいて第1のアンテナからの受信信号の利得を調整する第1の利得調整回路と、
    前記第1の利得調整回路からの出力信号に所定の局部発振周波数信号を乗積して前記出力信号の周波数変換を行う第1のミキサ回路と、
    利得制御信号に基づいて第2のアンテナからの受信信号の利得を調整する第2の利得調整回路と、
    前記第2の利得調整回路からの出力信号に所定の局部発振周波数信号を乗積して前記出力信号の周波数変換を行う第2のミキサ回路と、
    少なくとも2つの異なる周波数の局部発振周波数信号を生成して、該局部発振周波数信号のうちの1つを前記第1及び第2のミキサ回路に供給する局部発振回路と、
    前記第1のミキサ回路の出力に接続され、所定の周波数帯域において前記第1のミキサ回路の出力における周波数特性を補正する周波数特性補正回路と、
    前記周波数特性補正回路を経た信号の信号レベルを表す検出信号を生成する検出信号生成回路と、
    前記検出信号に基づいて前記利得制御信号を生成してこれを前記第1及び第2の利得調整回路に供給する利得制御信号生成回路と、を含むことを特徴とするAGC回路。
  4. 前記周波数特性補正回路は、前記第1のアンテナから前記第1のミキサ回路までの信号経路の周波数特性と逆特性の周波数特性を有することを特徴とする請求項3に記載のAGC回路。
  5. 前記異なる周波数の局部発振周波数信号のうちの何れかの局部発振周波数信号により前記受信信号が前記周波数変換される場合でも、前記周波数特性補正回路は、前記受信信号に含まれる所定の妨害電波信号を同じ信号レベルとする補正を施すことを特徴とする請求項1ないし請求項4の何れかに記載のAGC回路。
  6. 前記周波数特性補正回路は、1つの固定された周波数特性を有することを特徴とする請求項1ないし請求項5の何れかに記載のAGC回路。
  7. 前記周波数特性補正回路は、所定のトラップ周波数を有するトラップ回路であることを特徴とする請求項1ないし請求項6に記載のAGC回路。
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