JP3583760B2 - Catv受信装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、CATV放送を受信可能なCATV受信装置に関し、特に局部発振信号のリークやリターンロスの悪化を抑制して高周波ユニットチューナの機器性能を向上させ且つ低コスト化を実現するのに好適のCATV受信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年のディジタル化、マルチメディア化に伴い、放送分野においては、現行の無線系の放送だけでなく、放送と通信の融合化がなされたケーブルテレビジョン放送(以下、CATVと称す)が注目されている。
【0003】
CATVは、従来より有線系の放送形態として幅広く普及しており、最近ではCATV先進国の米国におけるCATVの双方向サービス事業化の実現に伴い、我が日本においても、CATVの双方向サービスの事業化が進められている。
【0004】
また、CATVでは、既存の地上波テレビ、BS/CS衛星テレビ等の再送信、自主番組等を都市でサービスする都市型ケーブルテレビの普及も目ざましく、またインターネットにCATVにおけるケーブルテレビ網を利用したケーブルインターネットやケーブルカラオケ等の放送サービスシステムも強い人気がある。
【0005】
ところで、アナログ方式またはディジタル方式のCATVを受信可能なCATV受信装置には、ケーブルや電波等の伝送媒体を介して送信された送信信号から所望の伝送帯域の信号を受信するチューナが組み込まれており、このようなチューナは、通常、タブルスーパ方式と呼ばれ、2つの周波数変換器と2つの局部発振器を備えている。このようなダブルスーパ方式のCATVチューナを図4に示す。
【0006】
図4は従来のCATV受信装置を示し、ダブルスーパ方式のCATVチューナの一例を示すブロック図である。
【0007】
図4に示すように、CATVチューナには、入力信号を取り込むための入力端子1aが設けられ、該入力端子1aには、図示しないヘッドエンドと呼ばれるセンター設備により受信されるとともにケーブル等の伝送媒体を介して伝送された受信信号(RF信号)が供給されるようになっている。入力端子1aを介して入力されたRF信号は、LPF,HPF1によって所定周波数帯域のみを通過させた後に、AGC回路2に供給される。
【0008】
AGC回路2は、図示しないAGC回路制御部からのRFAGC信号に基づいて、入力されたRF信号の利得を最適なレベルに制限して出力する。つまり、入力電波が強い場合には、図示しない映像中間増幅回路の利得を一定の小利得にしながら、この高周波増幅回路の利得制御を行い、混変調妨害等の発生を抑制する。
【0009】
AGC回路の出力信号は、アンプ3によって増幅された後、第1の混合器4に与える。第1の混合器4は、別に設けられた発振周波数が可変の第1の局部発振器(以下、LOとして説明する場合もある)13から供給される発振周波数と、供給されたRF信号の周波数とを混合して二つの周波数差に等しいうなり周波数とするビート信号を生成して出力する。即ち、混合器4は第1の周波数変換部であって、前記第1の局部発振器13からの発振周波数を用いることにより、アンプ3からの入力信号をアップコンバートして1stIF信号(中間周波数信号)に変換してHPF5に与える。
【0010】
HPF5は入力された1stIF信号の高域成分を通過させてBPF6に供給し、通過された高域成分の1stIF信号はBPF6によって所定の帯域が制限されることでCATV1チャンネル相当の帯域の信号となる。その後、BPF6の出力信号は、アンプ7によって増幅された後、第2の混合器8に与えられる。
【0011】
第2の混合器8は、第2の周波数変換部であって、第2の局部発振器15からの発振周波数を用いて、アンプ7からの入力信号をダウンコンバートして2ndIF信号(中間周波数信号)に変換してLPF9に与える。
【0012】
LPF9は、入力された2ndIF信号の低域成分を通過させてアンプ10に供給する。アンプ10は入力信号を増幅し、その後に増幅された信号はBPF11に与えることにより所定の帯域が制限され、さらにアンプ12によって増幅された後に、図示しない信号処理部へと出力されるようになっている。
【0013】
このような構成により、例えば一段目の第一周波数変換部によって入力周波数を高い周波数に変換することで、局部発振器の発振周波数を入力RFの帯域外に設定することができ、また局部発振器の周波数変化比を小さくすることを可能にする。また、第一周波数変換部と第二周波数変換部との間にBPF6等の固定周波数フィルタ(帯域通過フィルタともいう)を設けて使用することにより、如何なる入力信号でもその出力波形を安定させることが可能となる。
【0014】
ところで、最近のディジタル放送でのCATVチューナの傾向として、夫々1つの周波数変換器及び局部発振器を備えて構成されるため低価格で有利な利点があることから、シングルコンバージョンタイプの使用が見直されている。一般に、現在使用されているシングルコンバージョンタイプのチューナとしては、テレビジョン受像機(以下、TVと略記)に採用されているものが周知である。このようなシングルコンバージョンタイプのTV用チューナの一例を図5に示す。
【0015】
図5は従来のシングルコンバージョンタイプのTV用チューナの構成例を示し、図5(a)はチューナの構成を示すブロック図、図5(b)はチューナに用いられるPLL回路の具体な構成を示すブロック図である。尚、構成の説明は説明簡略化のために3バンドある内、1つのバンドについてのみ説明する。
【0016】
図5(a)に示すように、TV用チューナには、入力信号を取り込むための入力端子11aが設けられ、該入力端子11aには、図示しない受信アンテナにより受信された受信信号(テレビジョン信号であり、以下、RF信号と称す)が供給されるようになっている。入力端子11aを介して入力されたRF信号は、LPF,HPF11によって所定周波数帯域のみを通過させた後に、スイッチ12に供給される。
【0017】
スイッチ12は、入力されたRF信号を夫々の周波数に合わせて3つに切り替えてそれぞれ対応する可変トラッキングフィルタ(13、19、25)に出力する。例えばスイッチ12によって入力端bに基づくバンドに切り替えたものとすると、入力されたRF信号は、局部発振に同期した可変トラッキングフィルタ19に供給され、該可変トラッキングフィルタ19によって所定の帯域が制限されてアンプ(FET AMP)20に与えられる。
【0018】
アンプ20は、入力信号を図示しないAGC回路からの利得制御信号に基づくレベルで増幅するようにレベル調整して、後段の可変トラッキングフィルタ21に与える。トラッキングフィルタ21は、さらに入力信号の帯域を制限して出力する。この出力信号は、その後アンプ22によって増幅された後、混合器(周波数変換部)23に与える。
【0019】
混合器23は、局部発振器24からの発振周波数を用いて、アンプ22からの入力信号をIF信号(中間周波数信号)に変換して出力する。このIF信号は、その後、BPF(単同調フィルタ)31に与えることにより所定の帯域が制限され、さらにアンプ32によって増幅された後に、出力端子32aを介して図示しない信号処理部へと出力される。
【0020】
また、図中に示すPLL回路34は、局部発振器18、24及び30の発振周波数に基づいて制御信号を生成し、該制御信号を上記局部発振器18、24及び30に与えることにより、各発振器の発振周波数を制御するものである。
【0021】
具体的には、図5(b)に示すように、PLL回路34は、局部発振器18、24及び30の何れかの発振器からの発振周波数LOを検出し固定分周プリスケーラ38で1/Nに分周した後に、更に可変分周器37で1/Mに分周し、この分周した信号と高精度な固定発振器(図示せず)からの信号REFを分周する固定分周器35からの信号とを位相比較器36によって位相比較を行い、該位相比較結果に基づいて制御電圧VTを生成し、前記何れかの局部発振器の発振周波数を可変させる。つまり、PLL回路34を用いることで、局部発振器18、24及び30の発振周波数を制御することが可能となる。
【0022】
したがって、上記構成のシングルコンバージョンタイプのチューナであるTV用チューナでは、PLL回路34には、固定分周のプリスケーラ38が設けられているため、局部発振の選局ステップ幅と、PLLの比較周波数とは、夫々異なった値となっている。
【0023】
ところで、上述した2種類のタイプのチューナを比較すると、次のような違いがある。例えば、現状のアナログ及びディジタル用CATVチューナのダブルコンバージョンタイプでは、周波数変換処理を2回行うために局部発振器を2つ有しているため、局部発振器が1つで且つIC化の進んでいるシングルコンバージョンタイプのチューナと比べて、価格的に不利である。つまり、コストが高価となる不都合がある。
【0024】
また、ダブルコンバージョンタイプのものは、2つの局部発振の周波数が1〜2GHzと高く可変幅も1GHzと広いため、電圧に対する周波数感度が高くなることから(ex.35MHz/V程度)、位相雑音が悪化する傾向がある。また、出力信号の位相雑音については、2つの局部発振器の位相雑音が加算されて出力されるため、局部発振器が1つしかなく、さらに周波数が100〜900MHzと低い(ex.15MHz/V程度)シングルコンバージョンタイプのものと比較すると不利である。
【0025】
近年、実用化の進んでいるディジタル放送CATV、特に大量のデータを高レートで伝送する多値QAM伝送(256QAM伝送)では、コンスタレーション(信号配置図)でのシンボルの間隔が狭く、つまりeyeパターンが小さく位相雑音が悪いと、各シンボルが位相方向に広がりを持ってしまうため、結果としてコンスタレーションがぼやけて(eyeパターンがつぶれる)固定劣化増加の要因となる。
そこで、このような不都合を回避するために、局部発振器を1つしか持たないシングルコンバージョンタイプのチューナを用いて、位相雑音等の改善を図ることを考慮すると、上記の如くシングルコンバージョンタイプのチューナとしてTV用チューナを参考にすることが考えられる。
【0026】
ところが、従来のTV用のチューナの構成では、混合器の入力発振周波数と入力信号とのアイソレーションが十分ではなく、また前段の2個のトラッキングフィルタでは、発振周波数の影響をなくすための処理が十分でない。さらに、アンプの出入力のアイソレーションが十分でないために、入力端子への発振周波数のリーク性能(以下、LOリークと称す)が不十分であったり、あるいは可変なフィルタにより帯域外のリターンロスが全反射に近い状態になってしまうため、全帯域でのリターンロス性能が不十分だったりと、CATVに必要な性能レベルまで達していない場合もある。このため、伝送ケーブルを介して接続されている加入者に対して妨害を与えてしまい、結果として画像の劣化に起因するという不都合が発生する場合も考えられ、そのままの状態では使用することが不可能である。
【0027】
一方、シングルコンバージョンタイプのチューナでは、上述したようにPLL回路にLO用の固定分周プリスケーラが設けられているため、局部発振の選局ステップ幅(ステップ周波数)と、PLLの比較周波数は異なった値をとっている。例えば、現状では4MHzのリファレンス信号を512分周して7.8125KHzの比較周波数でPLLを動作させているが、LO用の固定分周を1/8にすると、LOの選局ステップ幅は、62.5KHzになる。つまり、現状のチューナでは、比較周波数が選局ステップ幅の1/(固定分周)となり、数KHzと小さくなるとともに、PLLの揺らぎがLO用固定分周器のために固定分周倍されるため、キャリアにFMのかかったような状態となってしまい、このため、1KHz程度の低域オフセットでの低位相雑音は、実現が困難で固定劣化増加要因の1つになっている。
【0028】
【発明が解決しようとする課題】
上記の如く、従来のCATV受信装置では、ダブルコンバージョンタイプのチューナのものを用いたとすると、シングルコンバージョンタイプのチューナよりも高価となり、局部発振周波数に起因する位相雑音も悪化してしまう。このような不都合を回避するためにシングルコンバージョンタイプのものを用いることが最適であるが、しかし、そのままの状態でCATVの受信信号を選局すると、アイソレーションが不十分であることからLOリークやリターンロス等に不都合が生じてしまい、その結果、伝送ケーブルに接続される他の加入者に対して、ゴーストやちらつき等が発生し、画像の劣化に起因してしまうという問題点があった。
【0029】
そこで、本発明は上記問題点に鑑みてなされたもので、低域オフセットの位相雑音及びLOリークやリターンロス等を改善して高性能化を可能にするとともに、低コスト化を実現することのできるCATV受信装置の提供を目的とする。
【0030】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るCATV受信装置は、高周波信号が入力される入力端子と、
前記入力端子に接続され、ハイパスフィルタ及びローパスフィルタで構成した広帯域フィルタ回路と、
前記広帯域フィルタ回路を通過した高周波信号を複数のバンド毎に切換えて出力するためのバンド切換えスイッチを有し、かつ前記バンド切換えスイッチからの高周波信号がそれぞれ入力され、入力された高周波信号のうち1つのチャンネルの高周波信号を選択する通過帯域可変のフィルタと、この通過帯域可変のフィルタからの高周波信号を入力し単一の中間周波数信号に変換して出力する周波数変換手段とが、複数のバンド毎に設けられたシングルコンバージョンタイプのチューナと、
入力と出力を有し、入力が前記広帯域フィルタ回路の出力端に接続され、出力が前記バンド切換えスイッチの入力端に接続された各バンドに共通の付加回路とを備え、
前記付加回路は、前記入力端子と前記チューナとのアイソレーションのため、前記広帯域フィルタ回路の出力端に接続した利得制御回路と、この利得制御回路の出力に直列に接続した増幅回路とを有し、受信した複数チャンネルの高周波信号をそれぞれ前記チューナへ通過させるとともに、前記通過帯域可変のフィルタの通過帯域外の高周波信号及び前記選択された高周波信号を中間周波数信号に変換する際に前記チューナによって発生するリーク信号が前記入力へ通り抜けるのを抑制することを特徴とする。
【0031】
本発明によれば、シングルコンバージョンタイプのチューナの前段に、入力と出力を有し出力が前記チューナの入力端に接続された付加回路を設け、さらに、前記付加回路の前段にハイパスフィルタ及びローパスフィルタで構成した広帯域フィルタ回路を設け、前記付加回路には、前記入力に接続した利得制御回路と、これに直列に接続し、出力側から入力側へ高周波信号の通り抜けを抑制する増幅回路を設けたので、チューナ内の高周波信号選択用の通過帯域可変のフィルタにて発生する通過帯域外の高周波信号、及び前記選択された高周波信号を周波数変換する際に前記チューナにて発生するリーク信号が、前記付加回路の入力側へ通り抜けるのを抑制でき、局部発振のリークやリターンロスを抑制できる。
【0032】
前記広帯域フィルタ回路の入力はケーブルに接続され、前記付加回路は、前記通過帯域外の高周波信号及び前記チューナによって発生したリーク信号が、前記ケーブルに接続された他の加入者用受信装置に伝送されるのを抑制することもできる。
【0036】
【発明の実施の形態】
実施形態例について図面を参照して説明する。
【0037】
図1は本発明に係るCATV受信装置の一実施形態例を示すブロック図である。
【0038】
図1に示すように、本発明に係るCATV受信装置(CATV用チューナとして説明する場合もある)101は、位相雑音を改善するために、従来技術で説明した如く局部発振器を1つしか持たないことで位相雑音の改善が可能なシングルコンバージョンタイプのものを採用して構成されている。つまり、TV用チューナに近似する回路構成となる。しかし、TV用チューナをそのままの状態でCATV用チューナとして用いると、LOリークやリターンロス等に起因する問題や低域オフセットでの位相雑音等の問題も発生する場合がある。そこで、本発明に係るCATV受信装置では、上記課題を解決するための手段が設けられている。これらの手段を採用した具体的な回路構成を次に示す。
【0039】
図中に示すように、CATVチューナ101には、入力信号を取り込むための入力端子41aが設けられ、該入力端子41aには、図示しないヘッドエンドと呼ばれるセンター設備により受信されるとともにケーブル等の伝送媒体を介して伝送された受信信号(RF信号)が供給されるようになっている。入力端子41aを介して入力されたRF信号は、HPF,LPF41に供給される。
【0040】
HPF,LPF41は、入力RF信号に広帯域のフィルタ処理を施して出力する。このHPF,LPF41の出力は、その後、本実施形態例で新たに設けられた付加回路としてのAGC回路70に供給される。
【0041】
付加回路は、例えば前記入力端子41aと後述するチューナ主要部との間に配置され、その構成はAGC回路70、アンプ80、LPF90が順に前記入力端子41aに接続された構成となっている。
【0042】
AGC回路70は、図示しないAGC回路制御部からのRFAGC信号に基づいて、入力されたRF信号の利得を最適なレベルに制限して出力する。つまり、入力電波が強い場合には、図示しない映像中間増幅回路の利得を一定の小利得にしながら、この高周波増幅回路の利得制御を行い、混変調妨害等の発生を抑制する。
【0043】
AGC回路70の出力信号は、アンプ80によって増幅された後、LPF90に与えられる。LPF90は入力信号の低域の周波数成分を通過させて、従来同様に動作するバンド切換え用のスイッチ42の入力端に供給する。即ち、スイッチ42以降のチューナ主要部に与える入力信号を付加回路の出力RF信号とすることにより、後段の混合器(図中にはMIXと記載)47、53、59における入力のアイソレーションを改善させることが可能となる。また、AGC回路70及びアンプ80は、スイッチ42の前段に設けているため、各バンドに共通に利用できるから、各バンド毎に設ける必要はない。
【0044】
スイッチ42は、入力されたRF信号を夫々の周波数に合わせて3つに切り替えてそれぞれ対応する可変トランッキングフィルタ(43、49、55)に出力する。例えばスイッチ42によって入力端bに基づくバンドに切り替えたものとすると、入力されたRF信号は、局部発振器54を制御する制御電圧(同調電圧Vt)によって周波数通過帯域が調整される可変トラッキングフィルタ49に供給され、該トラッキングフィルタ49によって所定の帯域が制限されてアンプ(FET AMP)50に与えられる。
【0045】
アンプ50は、入力信号を図示しないAGC回路からの利得制御信号に基づくレベルで増幅するようにレベル調整して、後段の可変トラッキングフィルタ51に与える。可変トラッキングフィルタ51は、上記可変トラッキングフィルタ49と同様に局部発振器54を制御する制御電圧(同調電圧Vt)によって周波数通過帯域が調整されるようになっており、入力信号の帯域をさらに制限して出力する。この出力信号は、その後アンプ52によって増幅された後、混合器(周波数変換部)53に与えられる。
【0046】
混合器53は、局部発振器54からの発振周波数を用いて、アンプ52からの入力信号をIF信号(中間周波数信号)に変換して出力する。このIF信号は、その後、BPF(単同調フィルタ)61に与えることにより所定の帯域が制限され、さらにアンプ62によって増幅された後に、出力端子62aを介して図示しない信号処理部へと出力される。
【0047】
また、その他のバンド、即ちスイッチ42により入力端a、入力端cに基づくバンドに切り替えられた場合にも、上述したバンドのときとほぼ同様に動作して、混合器47または混合器59の出力IF信号がBPF61、アンプ62を介して出力端子62aから出力されるようなっている。
【0048】
このような構成によれば、ダブルコンバージョンタイプよりも高域オフセットでの位相雑音を効果的に軽減させることが可能となり、ディジタル伝送、特に256QAMのような多値QAMにおいて、固定劣化の増加を抑制させることが可能となる。
【0049】
また、上記の如く、AGC回路70、アンプ80及びLPF90の付加回路ブロックを可変トラッキングフィルタ43、49、55の前段に設けることにより、各混合器における入力アイソレーションを改善することができるため、結果としてLOリークの発生を抑制することが可能となる。換言すれば、可変トラッキングフィルタの前段に(即ち、入力端子と可変トラッキングフィルタの間に)、前記付加回路ブロックを設けることにより、可変トラッキングフィルタにて選択された高周波信号を周波数変換する際にチューナ内の局部発振によって発生するリーク信号が入力端子側へ通り抜けるのを抑制することができる。また、リターンロスについても、従来のTV用チューナのように受信チャンネルのみが良好でその他は全反射に近い状態でなく、付加回路ブロックを設けることにより、入力端子における可変トラッキングフィルタの影響を軽減させることができることから、全帯域において良好なリターンロス性能を得ることが可能となる。換言すれば、可変トラッキングフィルタの前段に(即ち、入力端子と可変トラッキングフィルタの間に)、前記付加回路ブロックを設けることにより、可変トラッキングフィルタによる帯域制限に起因したフィルタ通過帯域外の高周波信号が該フィルタにて反射して入力端子側へ通り抜けるのを抑制することができ、リターンロスを改善できる。
【0050】
一方、図中に示すPLL回路64は、局部発振器48、54及び60の発振周波数に基づいて制御信号を生成し、該制御信号を上記局部発振器48、54及び60に与えることにより、各発振器の発振周波数を制御する。
【0051】
また、本実施形態例における上記PLL回路64は、局部発振周波数の低域オフセットの位相雑音を低減するために工夫が為されている。
【0052】
例えば、PLL回路64は、図2に示すように、リファレンス信号(REF)を分周する固定分周器65と、局部発振周波数(LO)を分周する可変分周器67と、固定分周器65の出力と可変分周器67の出力を位相比較する位相比較器66を有し、位相比較出力VTによって局部発振周波数を制御するようにしている。つまり従来用いられていた固定分周プリスケーラ38(図5(b)参照)を削除した構成となっている。該固定分周プリスケーラを削除することにより、PLLの比較周波数をLO(局部発振器)のステップ周波数と同一にするようにしている。
【0053】
したがって、本実施形態例におけるPLL回路64では、図2に示すように局部発振器48、54及び60の何れかの発振器からの発振周波数を可変分周器67により(1/N)/(1/N+1)で分周し、この分周した信号と高精度な固定発振器(図示せず)からの信号(REF)を固定分周器65で分周した信号とを位相比較器66によって位相比較を行い、該位相比較結果の制御電圧VTによって局部発振器の発振周波数を可変させる。このように、PLL回路64は、局部発振器48、54及び60の発振周波数を制御するようになっている。
【0054】
これにより、ディジタル伝送でのシングルコンバージョンタイプのチューナにおいて、低域オフセットでの位相雑音の発生に起因したPLL回路の固定分周プリスケーラを削除する代わりに可変分周器67を用いて分周することで、PLLの比較周波数と局部発振の選局ステップ幅とを合わせることが可能となり、結果として上記低域オフセットでの位相雑音を低減させることも可能となる。
【0055】
尚、上記PLL回路64は、従来技術(図5)に示す固定分周プリスケーラを含む通常のPLL回路構成を採用して図1に示すCATV受信装置を構成しても良いが、図2に示すPLL回路64を採用して構成した方がさらに効果的に固定劣化の改善を図ることができる。
【0056】
図3は本発明に係るCATV受信装置の他の実施形態例を示し、該受信装置の応用例を示すブロック図で、図3(a)はIF信号復調タイプのものであり、図3(b)はI,Q信号復調タイプのものが示されている。尚、図3に示すチューナ101は、図1に示すチューナと同様な構成要件で構成されたものが用いられているものとする。
【0057】
本実施形態例では、図1に示すCATV受信装置の後段に、さらに付加回路群を付加することにより、2種類の異なる復調処理の可能なCATVチューナ、即ち、IF出力タイプのものと、I,Q出力タイプのものをそれぞれ構成することが可能となる。
【0058】
具体的には、図3(a)に示すように、IF出力タイプのチューナは、図1に示すCATV用チューナ101の出力端子62aからの出力IF信号を入力するBPF102を備える。BPF102は、入力IF信号の所定帯域を制限して、アンプ103に供給する。アンプ103は、BPF102の出力信号を増幅して、さらに設けられた混合器(図中にはMIXと記載)104に供給する。
【0059】
混合器104は、局部発振器107の局部発振周波数とアンプ103からの出力信号とを混合することで、入力IF信号をさらにダウンコンバートして出力する。このとき、図示しないA/Dコンバータ(該受信装置に接続されるA/D変換器)が直接動作するIF信号の周波数までダウンコンバートする。
【0060】
混合器104によってさらに周波数変換されたIF信号は、LPF105によって信号の低域成分のみが通過され、その後、アンプ106によって増幅された後、図示しない信号処理部へと出力される。このように、さらにダウンコンバートして復調することにより、図示しない信号処理部に与えるIF信号を得ることが可能となる。
【0061】
一方、もう一つのI,Q出力タイプのチューナは、図3(b)に示すように、上記同様図1に示すCATV用チューナ101の出力端子62aからの出力IF信号を入力するBPF102を備える。BPF102は、入力IF信号の所定帯域を制限して、アンプ103に供給する。アンプ103は、BPF102の出力信号を増幅して、それぞれ周波数に応じて入力IF信号を分配する分配器108に供給する。
【0062】
分配器108は、入力IF信号を周波数に応じて分配し、一方を混合器109に、もう一方は他の混合器112に出力する。これらの混合器109、112には、局部発振器117からの局部発振周波数の位相がそれぞれ設けられた移相器115によって90度位相がずらされた局部発振周波数信号がそれぞれ供給されるようになっている。
【0063】
これらの混合器109、112は、それぞれ入力されたIF信号と、それぞれ位相が異なる局部発振周波数信号とを混合して周波数変換し、得られたIF信号を、接続されるLPF110、113にそれぞれ供給する。その後、各LPF110、113によってそれぞれ入力信号の低域成分が通過された後、アンプ111、114によってそれぞれ増幅されて各出力端子111a、114aより、図示しない信号処理回路へと供給される。このように復調処理を行うことにより、90度位相が異なるI信号及びQ信号を得ることが可能となる。
【0064】
したがって、本実施形態例によれば、図1に示す前記実施形態例と同様の効果を得ることができる他、異なる復調処理を行う2種類のタイプ別チューナを構成することが可能となり、簡単な回路構成で高性能なCATV用チューナの実現を図ることができる。
【0065】
尚、本発明に係る実施形態例においては、図1に示すチューナ構成において、3バンドに切換可能な3バンド方式のものについて説明したが、これに限定されることはなく、例えば最近実用化されている2画面表示可能なTV用チューナのように2バンド方式として構成するようにしても良い。このような場合でも、本実施形態例と同様の効果を得ることが可能となる。
【0066】
【発明の効果】
以上述べたように本発明によれば、利得制御回路と増幅回路の直列回路を含んで構成される付加回路を、通過帯域可変のフィルタの前段におけるバンド切換え用のスイッチの前に設けることにより、簡単な構成で混合器の入力のアイソレーションを改善することができるため、LOリークやリターンロス等に起因する影響を低減することができるとともに、位相雑音を抑制することが可能となり、高性能化及び低コスト化に寄与する。これにより、伝送ケーブルを介して接続された他の加入者に対する画像劣化を防止することができる。また、PLL回路にて、PLL比較周波数と局部発振周波数の選局ステップ幅との値を一致させるように位相比較を行わせることにより、局部発振周波数の低域オフセットでの位相雑音を低減して、固定劣化の改善を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るCATV受信装置の一実施形態例を示すブロック構成図。
【図2】図1のPLL回路の構成を示すブロック図。
【図3】他の実施形態例を示すブロック図。
【図4】従来のタブルコンバージョンタイプのチューナの一例を示すブロック図。
【図5】従来のシングルコンバージョンタイプのチューナの一例を示すブロック図。
【符号の説明】
41a…入力端子、42…スイッチ、
43、45、49、51、55、57…可変トラッキングフィルタ、
44、50、56…アンプ(FET AMP)、
47、53、59…混合器(MIX)、
48、54、59…局部発振器(LO)、61…BPF、
64…PLL回路、62a…出力端子。
Claims (2)
- 高周波信号が入力される入力端子と、
前記入力端子に接続され、ハイパスフィルタ及びローパスフィルタで構成した広帯域フィルタ回路と、
前記広帯域フィルタ回路を通過した高周波信号を複数のバンド毎に切換えて出力するためのバンド切換えスイッチを有し、かつ前記バンド切換えスイッチからの高周波信号がそれぞれ入力され、入力された高周波信号のうち1つのチャンネルの高周波信号を選択する通過帯域可変のフィルタと、この通過帯域可変のフィルタからの高周波信号を入力し単一の中間周波数信号に変換して出力する周波数変換手段とが、複数のバンド毎に設けられたシングルコンバージョンタイプのチューナと、
入力と出力を有し、入力が前記広帯域フィルタ回路の出力端に接続され、出力が前記バンド切換えスイッチの入力端に接続された各バンドに共通の付加回路とを備え、
前記付加回路は、前記入力端子と前記チューナとのアイソレーションのため、前記広帯域フィルタ回路の出力端に接続した利得制御回路と、この利得制御回路の出力に直列に接続した増幅回路とを有し、受信した複数チャンネルの高周波信号をそれぞれ前記チューナへ通過させるとともに、前記通過帯域可変のフィルタの通過帯域外の高周波信号及び前記選択された高周波信号を中間周波数信号に変換する際に前記チューナによって発生するリーク信号が前記入力へ通り抜けるのを抑制することを特徴とするCATV受信装置。 - 前記広帯域フィルタの入力はケーブルに接続され、前記付加回路は、前記通過帯域外の高周波信号及び前記チューナによって発生したリーク信号が、前記ケーブルに接続された他の加入者用受信装置に伝送されるのを抑制することを特徴とする請求項1記載のCATV受信装置。
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