JP3933241B2 - 紙葉搬送装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、紙葉等を送り出す紙葉搬送装置に関し、特に装置の組み立てが簡単で、搬送動作もスムーズな紙葉搬送装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、発券機などには、入金された紙幣を収納したり、又は釣り札の紙幣を出すときなどに、紙幣の入ったスタッカから紙幣を取り出す紙幣処理装置が設けられている。
【0003】
このような紙幣処理装置には、低摩擦性の外周面と、その外周面の所定の位置に高摩擦性の外周面を形成させた紙葉送り出しローラが組み込まれているものがあり、前記紙葉送り出しローラの外周は、例えば、スタッカの最下段の紙幣の表面に当接しながら回転している。
【0004】
このような紙幣処理装置では、スタッカの最下段の紙幣の表面が、回転する紙葉送り出しローラの高摩擦面に当接しているときだけ紙幣が送り出され、スタッカの最下段の紙幣の表面が、紙葉送り出しローラの低摩擦面に当接しているときには、紙幣は送り出されない。これによって、スタッカに収納された紙幣は、間欠的に取り出すことが可能となる。
【0005】
このような紙幣処理装置に用いられる紙葉搬送装置としては、例えば、図8に示すようなものがある。
図8に示す紙葉搬送装置は、低摩擦性の外周面110aに高摩擦性の外周面112を形成させたローラ110と、歯付プーリ113と、ローラ110と歯付プーリ113とを回転軸114に固定させ、軸方向のズレと回転方向のズレを防止するための押しネジ115,117と、タイミングベルト(媒体)118とを有している。
図8に示すように、ローラ110は、歯付プーリ113を挟み込むようにして、回転軸114に取付ける。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図8に示す紙葉搬送装置は、ローラ110と歯付プーリ113が別体なので、装置を作製するためには、二つのローラと歯付プーリ113を、それぞれ所定の位置に位置決めしたあと、押しネジ115,117で固定していくという組立作業が必要であり、手間がかかっていた。
【0007】
ローラ110が低摩擦性の外周面110aと高摩擦性の外周面112を有しているため、例えば、紙幣を安定して間欠的に取り出すようにするためには、二つのローラ110の高摩擦性の外周面112の位置を正確に揃える必要があり、煩雑な位置決め作業が発生し問題であった。
【0008】
プーリ113に掛かるタイミングベルト118の交換作業でも、ベルト交換後取り外したローラ110を復元するとき、取り外したローラ110の高摩擦性の外周面112を既設のローラ110の高摩擦性の外周面112に正確に合わせる必要があるため、調整作業に手間がかかり問題であった。
また、微細なズレを調整するときでも、ローラ110の押しネジ115を緩める必要があり、調整に手間がかかり問題であった。
【0009】
また、部品点数も多く、低価格化できないという問題があった。
さらに、ローラ110と歯付プーリ113が別体であり、それぞれに一体的な繋がりを持たないため、時折動作のスムーズさに欠けることがあった。
【0010】
本発明は、上述した従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、組み立て作業や、ベルトやチェーンなどの交換作業、調整作業が簡単にでき、安価で、しかも紙葉の搬送動作がよりスムーズな紙葉搬送装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上述した目的を達成するために、本発明に係る紙葉搬送装置は、所定半径の第1低摩擦性外周面を有する第1ローラ部と、前記第1ローラ部に設けられた第1高摩擦性外周面とを有し、紙葉に当接する第1ローラ外周面のうち、周方向の第1所定位置が前記第1高摩擦性外周面により、前記第1所定位置以外が前記第1低摩擦性外周面により構成される第1ローラと、前記所定半径の第2低摩擦性外周面を有する第2ローラ部と、前記第2ローラ部に設けられた第2高摩擦性外周面とを有し、紙葉に当接する第2ローラ外周面のうち、周方向の第2所定位置が前記第2高摩擦性外周面により、前記第2所定位置以外が前記第2低摩擦性外周面により構成され、前記第1高摩擦性外周面と前記第2高摩擦性外周面とが相互に同じ角度で回転するように、前記第1ローラに対して同軸状に固定された第2ローラと、前記第1ローラ部と前記第2ローラ部との間に、前記第1ローラ部及び前記第2ローラ部に対して同軸状に固定された回転体と、前記回転体の外周面を介して当該回転体に回転運動を伝達する、又は、前記回転体の外周面を介して当該回転体から回転運動が伝達される媒体とを備え、前記回転体は、当該回転体の外周面の一部を有し、前記第1ローラ部と一体に形成された第1分割体と、当該回転体の外周面の残りの部分を有し、前記第2ローラ部と一体に形成された第2分割体とからなる。
【0012】
本発明に係る紙葉搬送装置は、前記第1ローラ部及び前記第2ローラ部の回転中心にそれぞれ形成された回転軸取り付け用穴に挿通される回転軸を有し、前記回転軸取付け用穴の内周面が、第1ローラ部及び前記第2ローラ部の半径方向に直交する面を有し、前記回転軸の外周面が、前記直交する面と当接する面を有し、前記第1及び第2ローラ部の両外側の前記回転軸上に、スナップリングを取り付けることが好ましい。
前記回転軸外周面は、前記ローラの回転方向のズレを防止するために設けられた平面である。
前記スナップリングは、前記ローラの前記回転軸方向のズレを防止するものであり、前記スナップリングの取り付け位置には、前記回転軸に止め溝を設け、また前記回転軸の外周面に上述の面を設けるのであれば、E型スナップリングを用いるとよい。
【0013】
好適には、前記第1分割体及び前記第2分割体は、前記回転体の回転軸に直交する断面が、それぞれ半円状に形成されている。
好適には、前記第1ローラ、前記第2ローラ、及び、前記回転体を有するローラ組を2組有し、前記媒体は、前記2組のローラ組の一方における前記回転体の回転運動を他方における前記回転体に伝達する。
また、本発明に係る紙葉搬送装置は、前記媒体がベルト,チェーン又は歯車列のいずれかであれば、それに対応した前記回転体はプーリ,スプロケット又は歯車のいずれかを形成させる。
【0014】
前記ローラのローラ部において、前記高摩擦性の外周面が形成されている位置は、前記低摩擦性の外周面がくり抜かれている。そして、そのくり抜き部に、例えばゴムチップなどの弾性部材を、接着剤などで固定することで、高摩擦性の外周面を形成させている。この他にも前記高摩擦性の外周面を形成させる方法として、特開平8−217272による、ローラ本体に高摩擦性のエンドレス部材を巻き付ける方法等がある。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明に係る紙葉搬送装置についての実施例を説明する。
第一実施例
本発明の第一実施例を図1,図2及び図3に基づいて説明する。
図1は、本発明に係る第一実施例の歯付プーリ一体型紙葉搬送ローラを具備する紙葉搬送装置を例示する斜視図である。図2は、第一実施例の紙葉搬送ローラに用いる歯付プーリ一体型紙葉搬送ローラの斜視図である。図3(a)は、図2の歯付プーリ一体型紙葉搬送ローラの上面図であり、図3(b)は、正面図であり、図3(c)は、側面図である。
【0016】
図1に示すように、本発明の第一実施例の紙葉搬送装置は、紙葉を搬送する二つの同一のローラ10を互いに、歯付プーリ(分割体)10bの側方に形成され、ローラ10のローラ部の高摩擦性の外周面12をローラ10の回転軸方向に二等分する面10cで接合し、回転軸取り付け穴19に通し、さらにモータによって回転駆動される回転軸14固定したものを二組作製し、紙葉の大きさによって決まる所定の間隔を設けて位置決めし、それら二組の間に歯付タイミングベルト(媒体)18を巻き付けて、相互に回転運動が伝達できるようにし、回転軸14が回転したとき、高摩擦性の外周面12が相互に同じ角度で回転するように位置決めした紙葉搬送装置である。
【0017】
また前記装置のローラ10には、ローラ10の回転方向のズレ防止のため、軸取り付け穴19の内周面に面10cと直交する面19aが設けてあり、回転軸14にもこの面に当接する面が設けてある。
さらにローラ10の両外側の回転軸14上には、ローラ10の回転軸方向のズレの防止のため、スナップリング16が取り付けてある。
【0018】
図2,3に示すように、高摩擦性の外周面12は、所定の半径を有するローラ10のローラ部の低摩擦性の外周面10a上の所定の位置に形成されている。
図2,3に示すように、歯付プーリ10bは、ローラ10と一体で形成され、歯付プーリ10bの周方向の断面が半円状をしており、回転軸14の回転運動を入力したり、出力したりする役割を果たす。
二つの同一のローラ10を、互いに面10cで接合すると、歯付プーリ本体(回転体)が形成される。これに歯付タイミングベルト18を巻き付けることで、回転運動が二つの回転軸14間で伝達可能となる。
【0019】
次に、紙葉の搬送動作を説明する。
モータより入力された回転運動は、紙葉が送り出される側の回転軸14に伝達され、その回転軸に固定されたローラを回す。次に回転運動は、ローラに一体形成された歯付プーリ10bから、歯付タイミングベルト18を介して、片方側の歯付プーリ10bに伝わり、それは回転軸14を回し、また一体形成されたローラを回す。例えば、紙葉の表面にローラが当接しながら回転しているとすると、紙葉は、ローラ10の高摩擦性の外周面12に当接したときだけ送り出され、ローラ10の低摩擦性の外周面10aに当接したときには送り出されない。これによって、紙葉は、間欠的に取り出すことが可能となる。
【0020】
本紙葉搬送装置は、軸取り付け穴19と回転軸14に回転方向のズレ防止用の面を有し、また、軸方向のズレ防止のためにスナップリング16を使用することから、ローラを軸に固定するための押しネジが廃止でき、締め付け作業をする必要がない。また、ローラ10と歯付プーリ10bが一体形成なので、歯付プーリ単体の取り付け作業をする必要がないし、押しネジの締め付け作業も不要である。したがって、組み立て作業が簡単にできる。
【0021】
本紙葉搬送装置の歯付プーリ10bの周方向の断面は半円状であり、また、歯付プーリ10bの側面10cは、対となるローラ10の側面10cと完全に密着する。これにより、ベルト交換作業などでローラ10の一方を取り外し、これを再び復元するときでも、高摩擦性の外周面12の位置決め作業や調整作業をする必要がない。したがって、ベルト交換作業、所定の位置決め作業及び調整作業が簡単にできる。
【0022】
本紙葉搬送装置は、ローラ10のローラ部と歯付プーリ10bを一体形成したので、従来のように歯付プーリ用の鋳型を製作する必要がないし、歯付プーリを回転軸に固定する必要もないため押しネジを廃止できる。したがって、部品点数が少なくなり、低価格化が図れる。
本紙葉搬送装置は、ローラ10のローラ部と歯付プーリ10bが一体形成されており、また歯付プーリ10bの側面10cは、対となるローラ10の側面10cと完全に密着されているので、従来に比べて回転軸上のローラどうしの一体性が増し、紙葉の搬送動作がよりスムーズとなる。
【0023】
以下、図1に示す第一実施例の紙葉搬送装置を組み込んだ紙幣処理装置について説明する。
図4は、図1に示す紙葉搬送装置が用いられている紙幣処理装置の概略構成図である。
図5は、図4に示す紙幣処理装置の詳細な構成図である。
【0024】
図4,5に示すように、紙幣処理装置は、上部から下部に向かって、識別部61、リジェクト部62、一時保留・排出部63、千円札収納部64、千円札・五千円札払出し部65、五千円札収納部66及び1万円札収納部67が設けてある。
【0025】
識別部61は、紙幣挿入口68を介して挿入された紙幣の、真偽判定及び金種の判定を行う。
リジェクト部62は、切換部70による切り換えによって、二枚重ね判定などでエラーとなった紙幣を入力し、これを収納する。
【0026】
一時保留・排出部63は、釣り札としての紙幣を千円札・五千円札払出し部65から入力し、この紙幣を保留する。そして、釣り札としての紙幣が全てそろった後に、保留した紙幣を全て同時に釣り札出口69から払い出す。
【0027】
千円札収納部64は、千円札を収納する。五千円札収納部66は、五千円札を収納する。1万円札収納部67は、1万千札を収納する。尚、五千円札収納部66および1万円札収納部67には、収納された紙幣を上方に押し上げるように弾性力を付与するバネなどが設けてある。
【0028】
図4,5に示すように、千円札・五千円札払出し部65は、切換部72の切り換え操作によって入力した千円札を、千円札収納部64に収納させると共に、切換部73の切り換え操作によって入力した五千円札を、五千円札収納部66に収納させる。また、千円札・五千円札払出し部65は、千円札収納部64及び五千円札収納部66に収納してある千円札及び五千円札を、切換部72,73を介して選択的に、一時保留・排出部63に出力する。
尚、図5において、ローラ20は、紙幣戻しローラを示す。
【0029】
以下、千円札・五千円札払出し部65について詳細に説明する。
図5に示すように、千円札収納部64の下方に位置する千円札・五千円札払出し部65は、図2,3に示す紙幣搬送ローラ10、紙幣送り羽根車50、ゲートローラ51及び搬送ピンチローラ52を備え、千円札収納部64に収納された紙幣(千円札)のうち最下段に位置する紙幣を紙幣搬送ローラ10の回転に応じて、紙幣送り羽根車50を介して図4,5に示す一時保留・排出部63に向かって間欠的に送り出す。このとき、図5に示すアーム80は実線の位置にあり、千円札収納部64に収納された最下段の紙幣が、紙幣搬送ローラ10に当接する。一方、図5に示すアーム81は点線の位置にあり、五千円札収納部66に収納された紙幣は下方に位置し、五千円札収納部66に収納された最上段の紙幣は、紙幣搬送ローラ10に当接しない。
【0030】
また、千円札・五千円札払出し部65は、図5に示す五千円札収納部66に収納された紙幣(五千円札)のうち最上段に位置する紙幣を紙幣搬送ローラ10の回転に応じて、取り込み羽根車55、ゲートローラ56及び搬送ピンチローラ57に応じた経路に沿って、図4,5に示す一時保留・排出部63に向かって非間欠的に送り出す。このとき、図5に示すアーム81は実線の位置にあり、五千円札収納部66に収納された最上段の紙幣が、紙幣搬送ローラ10に当接する。一方、図5に示すアーム80は点線の位置にあり、千円札収納部64に収納された紙幣は上方に位置し、千円札収納部64に収納された最下段の紙幣は紙幣搬送ローラ10に当接しない。
【0031】
千円札・五千円札払出し部65によれば、紙幣搬送ローラ10の回転に応じて、五千円札収納部66に収納された紙幣(五千円札)及び千円札収納部64に収納された紙幣(千円札)を正確に取り出し、切換部72を介して一時保留・排出部63に送り出すことができる。
【0032】
図5に示すアーム80,81は、それぞれ独自の駆動形を有し、相互に独立して動作する。アーム80は、千円札収納部64に収納された紙幣全体を昇降させる。アーム81は、五千円札収納部66及び1万円札収納部67に収納された紙幣を連動して昇降させる。
【0033】
第二実施例
本発明の第二実施例を図6に基づいて説明する。
図6は、本発明に係る第二実施例の紙葉搬送装置に用いるスプロケット一体型紙葉搬送ローラの斜視図である。
本発明のスプロケット一体型紙葉搬送ローラ30は、第一実施例の紙葉搬送装置に用いている歯付プーリ一体型紙葉搬送ローラ10に置き換えて使用するためのローラである。
【0034】
高摩擦性の外周面32は、所定の半径を有するローラ30のローラ部の低摩擦性の外周面30a上の所定の位置に形成されている。
スプロケット(分割体)30bは、ローラ30と一体で形成され、スプロケット30bの周方向の断面が半円状をしており、回転軸34の回転運動を入力したり、出力したりする役割を果たす。
二つの同一のローラ30を、互いに面30cで接合すると、スプロケット本体(回転体)が形成される。これにチェーン(媒体)38を巻き付けることで、回転運動が二つの回転軸14間で伝達可能となる。
【0035】
次に、紙葉の搬送動作を説明する。
モータより入力された回転運動は、紙葉が送り出される側の回転軸34に伝達され、その回転軸に固定されたローラを回す。次に回転運動は、ローラに一体形成されたスプロケット30bから、チェーン38を介して、片方側のスプロケット30bに伝わり、それは回転軸34を回し、また一体形成されたローラを回す。例えば、紙葉の表面にローラが当接しながら回転しているとすると、紙葉は、ローラ30の高摩擦性の外周面32に当接したときだけ送り出され、ローラ30の低摩擦性の外周面30aに当接したときには送り出されない。これによって、紙葉は、間欠的に取り出すことが可能となる。
【0036】
本紙葉搬送装置は、軸取り付け穴39と回転軸34に回転方向のズレ防止用の面を有し、また、軸方向のズレ防止のためするためにスナップリング36を使用することから、ローラを軸に固定するための押しネジが廃止でき、締め付け作業をする必要がない。また、ローラ30とスプロケット30bが一体形成なので、スプロケット単体の取り付け作業をする必要がないし、押しネジの締め付け作業も不要である。したがって、組み立て作業が簡単にできる。
【0037】
本紙葉搬送装置のスプロケット30bの周方向の断面は半円状であり、また、スプロケット30bの側面30cは、対となるローラ30の側面30cと完全に密着する。これにより、チェーン交換作業などでローラ30の一方を取り外し、これを再び復元するときでも、高摩擦性の外周面32の位置決め作業や調整作業をする必要がない。したがって、チェーン交換作業、所定の位置決め作業及び調整作業が簡単にできる。
【0038】
本紙葉搬送装置は、ローラ30のローラ部とスプロケット30bを一体形成したので、従来のようにスプロケット用の鋳型を製作する必要がないし、スプロケットを回転軸に固定する必要もないため押しネジを廃止できる。したがって、部品点数が少なくなり、低価格化が図れる。
本紙葉搬送装置は、ローラ30のローラ部とスプロケット30bが一体形成されており、またスプロケット30bの側面30cは、対となるローラ30の側面30cと完全に密着されているので、従来に比べて回転軸上のローラどうしの一体性が増し、紙葉の搬送動作がよりスムーズになる。
【0039】
本発明のスプロケット一体型紙葉搬送ローラ30は、回転に大きなトルクが必要な場合や、装置の設置環境上ベルトが使用できない場合などに使用するのがよい。
【0040】
第三実施例
本発明の第三実施例を図7に基づいて説明する。
図7は、本発明に係る第三実施例の紙葉搬送装置に用いる歯車一体型紙葉搬送ローラの斜視図である。
本発明の歯車一体型紙葉搬送ローラ40は、第一実施例の紙葉搬送装置に用いている歯付プーリ一体型紙葉搬送ローラ10に置き換えて使用するためのローラである。
【0041】
高摩擦性の外周面42は、所定の半径を有するローラ40のローラ部の低摩擦性の外周面40a上の所定の位置に形成されている。
歯車(分割体)40bは、ローラ40と一体で形成され、歯車40bの周方向の断面が半円状をしており、回転軸44の回転運動を入力したり、出力したりする役割を果たす。
二つの同一のローラ40を、互いに面40cで接合すると、歯車本体(回転体)が形成される。これに二つ以上の歯車を有する歯車列(媒体)48を係合させることで、回転運動が二つの回転軸44間で伝達可能となる。
【0042】
次に、紙葉の搬送動作を説明する。
モータより入力された回転運動は、紙葉が送り出される側の回転軸44に伝達され、その回転軸に固定されたローラを回す。次に回転運動は、ローラに一体形成された歯車40bから、歯車列48を介して、片方側の歯車40bに伝わり、それは回転軸44を回し、また一体形成されたローラを回す。例えば、紙葉の表面にローラが当接しながら回転しているとすると、紙葉は、ローラ40の高摩擦性の外周面42に当接したときだけ送り出され、ローラ40の低摩擦性の外周面40aに当接したときには送り出されない。これによって、紙葉は、間欠的に取り出すことが可能となる。
【0043】
本紙葉搬送装置は、軸取り付け穴49と回転軸44に回転方向のズレ防止用の面を有し、また、軸方向のズレ防止のためするためにスナップリング46を使用することから、ローラを軸に固定するための押しネジが廃止でき、締め付け作業をする必要がない。また、ローラ40と歯車40bが一体形成なので、歯車単体の取り付け作業をする必要がないし、押しネジの締め付け作業も不要である。したがって、組み立て作業が簡単にできる。
【0044】
本紙葉搬送装置の歯車40bの周方向の断面は半円状であり、また、歯車40bの側面40cは、対となるローラ40の側面40cと完全に密着する。これにより、歯車列のメンテナンス作業などでローラ40の一方を取り外し、これを再び復元するときでも、高摩擦性の外周面42の位置決め作業や調整作業をする必要がない。したがって、歯車列のメンテナンス作業、所定の位置決め作業及び調整作業が簡単にできる。
【0045】
本紙葉搬送装置は、ローラ40のローラ部と歯車40bを一体形成したので、従来のように歯車用の鋳型を製作する必要がないし、歯車を回転軸に固定する必要もないため押しネジを廃止できる。したがって、部品点数が少なくなり、低価格化が図れる。
本紙葉搬送装置は、ローラ40のローラ部と歯車40bが一体形成されており、また歯車40bの側面40cは、対となるローラ40の側面40cと完全に密着されているので、従来に比べて回転軸上のローラどうしの一体性が増し、紙葉の搬送動作がよりスムーズになる。
【0046】
本発明の歯車一体型紙葉搬送ローラ40は、装置のサイズに比較的ゆとりがない場合や、紙葉が小さい場合、又は装置の設置環境上ベルト,チェーンの使用ができない場合などに使用するのがよい。
【0047】
本発明の紙葉搬送装置は、上述した実施例には限定されない。紙葉が紙幣の場合だけでなく、紙葉のサイズの大小、厚さの度合い等いかなる紙葉にも用いることができる。
【0048】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明に係る紙葉搬送装置によれば、装置を簡単に組み立てることができる。
本発明に係る紙葉搬送装置によれば、ベルトやチェーンなどの交換作業や、煩雑な位置決め作業及び調整作業を簡単に行うことができる。
【0049】
また、本発明に係る紙葉搬送装置によれば、低価格化が図れる。
さらに、本発明に係る紙葉搬送装置によれば、紙葉の搬送動作がスムーズにできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は本発明に係る第一実施例の歯付プーリ一体型紙葉搬送ローラを具備する紙葉搬送装置を例示する斜視図である。
【図2】 図2は第一実施例の紙葉搬送装置に用いる歯付プーリ一体型紙葉搬送ローラの斜視図である。
【図3】 図3(a)は図2の歯付プーリ一体型紙葉搬送ローラの上面図であり、図3(b)は正面図であり、図3(c)は側面図である。
【図4】 図4は図1に示す紙葉搬送装置が用いられている紙幣処理装置の概略構成図である。
【図5】 図5は図4に示す紙幣処理装置の詳細な構成図である。
【図6】 図6は本発明に係る第二実施例の紙葉搬送装置に用いるスプロケット一体型紙葉搬送ローラの斜視図である。
【図7】 図7は本発明に係る第三実施例の紙葉搬送装置に用いる歯車一体型紙葉搬送ローラの斜視図である。
【図8】 図8(a)は従来の歯付プーリと紙葉搬送ローラを有する紙葉搬送装置を例示する平面図であり、図8(b)は図8(a)のH−Hに沿う断面図である。
【符号の説明】
10,20,30,40,110…ローラ
10a…低摩擦性の外周面
10b…分割体
10c…高摩擦性外周面を二等分する面
12…高摩擦性の外周面
14…回転軸
16…スナップリング
18…媒体
19…回転軸取付け用穴
19a…平面部
50…紙葉送り羽根車
51…ゲートローラ
52…搬送ピンチローラ
68…紙幣挿入口
69…釣り札出口
70,71,72,73…切換部
80,81…アーム
113…歯付プーリ
115,117…押しネジ
Claims (7)
- 所定半径の第1低摩擦性外周面を有する第1ローラ部と、前記第1ローラ部に設けられた第1高摩擦性外周面とを有し、紙葉に当接する第1ローラ外周面のうち、周方向の第1所定位置が前記第1高摩擦性外周面により、前記第1所定位置以外が前記第1低摩擦性外周面により構成される第1ローラと、
前記所定半径の第2低摩擦性外周面を有する第2ローラ部と、前記第2ローラ部に設けられた第2高摩擦性外周面とを有し、紙葉に当接する第2ローラ外周面のうち、周方向の第2所定位置が前記第2高摩擦性外周面により、前記第2所定位置以外が前記第2低摩擦性外周面により構成され、前記第1高摩擦性外周面と前記第2高摩擦性外周面とが相互に同じ角度で回転するように、前記第1ローラに対して同軸状に固定された第2ローラと、
前記第1ローラ部と前記第2ローラ部との間に、前記第1ローラ部及び前記第2ローラ部に対して同軸状に固定された回転体と、
前記回転体の外周面を介して当該回転体に回転運動を伝達する、又は、前記回転体の外周面を介して当該回転体から回転運動が伝達される媒体と
を備え、
前記回転体は、
当該回転体の外周面の一部を有し、前記第1ローラ部と一体に形成された第1分割体と、
当該回転体の外周面の残りの部分を有し、前記第2ローラ部と一体に形成された第2分割体とからなる
紙葉搬送装置。 - 前記第1ローラ部及び前記第2ローラ部の回転中心にそれぞれ形成された回転軸取り付け用穴に挿通される回転軸を有し、
前記回転軸取り付け用穴の内周面が、第1ローラ部及び前記第2ローラ部の半径方向に直交する面を有し、
前記回転軸の外周面が、前記直交する面と当接する面を有し、
前記第1及び第2ローラ部の両外側の前記回転軸上に、スナップリングを取り付けた
請求項1に記載の紙葉搬送装置。 - 前記第1分割体及び前記第2分割体は、前記回転体の回転軸に直交する断面が、それぞれ半円状に形成されている
請求項1又は2に記載の紙葉搬送装置。 - 前記第1ローラ、前記第2ローラ、及び、前記回転体を有するローラ組を2組有し、
前記媒体は、前記2組のローラ組の一方における前記回転体の回転運動を他方における前記回転体に伝達する
請求項1〜3のいずれか1項に記載の紙葉搬送装置。 - 前記媒体がベルトであり、前記回転体がプーリである
請求項1〜4のいずれか1項に記載の紙葉搬送装置。 - 前記媒体がチェーンであり、前記回転体がスプロケットである
請求項1〜4のいずれか1項に記載の紙葉搬送装置。 - 前記媒体が歯車列であり、前記回転体が歯車である
請求項1〜4のいずれか1項に記載の紙葉搬送装置。
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JP07986097A JP3933241B2 (ja) | 1997-03-31 | 1997-03-31 | 紙葉搬送装置 |
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JPH10273250A JPH10273250A (ja) | 1998-10-13 |
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