JP3932571B2 - バッグインカートン - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、袋体40に取付けた注出口栓50を、箱体20の前方の上面折込み片22に貫通させて固定した、バッグインカートンに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、主に液体状の内容物を収容した柔軟性を有する樹脂フィルム製などの袋体を、剛性を有する段ボール製や板紙製などの直方体状箱体内に収容したバックインカートンが広く知られており、内容物としてインキ等の高粘度液体を収納し、かつ注出口栓から内容物を吸引し、袋を変形させながら内容物を取り出すバックインカートンが特開平7−257645号公報等で提案されている。
図4A乃至図4Bに示すように、袋体40に取付けた注出口栓50を、箱体20の前方の側面板24に貫通させて固定し、図4Cに示すように、袋体40に取付けた注出口栓50を、箱体20の特に設けた(箱体20の仮想直方体の延長線から、注出口栓50がはみ出さない)上斜面板28に貫通させ、内容物を袋上部の開口部から収容した後に、図4Aに示すように、袋体40を前後方向に直線状に熱融着して密封して、上面折込み片22・22を折込んで上面板21・21を貼着したものである。
【0003】
ところが従来の容器は、前方の側面板24に注出口栓を固定するため、箱体20が立方体か、それに近似した直方体の場合は大きな問題はないが、箱体が図4Cに示すような、注出口栓の反対方向に長さを長くした直方体とした場合は、袋体の開口部が大形状となってしまい、この折込み部分の面積が大きくなり、フィルムの無駄な部分が多く発生し、また、封止作業においても袋の開口部の折込み操作が困難であり、かつ大型のヒートシール治具、機械が必要となる等の問題が起こり、実際的にはこのような直方体形状の製造は困難で、容器形態の設定の自由度が低かった。
【0004】
そこで、本発明の目的は、袋体40に取付けた注出口栓50を、箱体20の上方に貫通させて固定した、液体状の内容物の注出が容易なバッグインカートンであって、バックインカートンの形状寸法を、注出口栓の反対方向に自由に長さの設定が行え、注出口栓50付近の袋体40に皺が発生しない、最後に液体状の内容物の残液量が少ないバッグインカートンを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明のバッグインカートンは、図1・図2・図3に示すように、柔軟性を有する樹脂フィルム製などの袋体40を、剛性を有する段ボール製や板紙製などの箱体20内に収容して、箱体20を貫通する注出口栓50を袋体40に取付けたバッグインカートンであって、箱体20の左右の上面板21・21’に、それぞれ口栓回避切欠き52を設けて、箱体20の前後の上面折込み片22・22’の前後幅を、箱体20の前後幅の1/2以下にして、袋体40に取付けた注出口栓50を、この前方の上面折込み片22に貫通させて、前後の上面折込み片22・22’の少なくとも前方の上面折込み片22の内面側に、注出口栓50の周辺を含む袋体40の上部を貼着して固定したバッグインカートンにおいて
袋体40の上部を三角耳部を形成するように左右方向に引張りながら、箱体20の前後の上面折込み片22・22’を折込んだ状態で、袋体40を直線状に熱融着して密封した後に、それぞれ口栓回避切欠き52を設けた箱体20の左右の上面板21・21’を、三角耳部を形成した袋体40とともに折込んで順に貼着したバッグインカートンである。
【0007】
【作用】
本発明のバッグインカートンにおいて、箱体20の左右の上面板21・21’に、それぞれ口栓回避切欠き52を設けて、箱体20の前後の上面折込み片22・22’の前後幅を、箱体20の前後幅の1/2以下にして、図3Aに示すように、袋体40に取付けた注出口栓50を、この前方の上面折込み片22に貫通させて、前後の上面折込み片22・22’の少なくとも前方の上面折込み片22の内面側に、注出口栓50の周辺を含む袋体40の上部を貼着して固定した(この時内容物を充填することもできる)バッグインカートンにおいて
図3Bに示すように、袋体40の上部を三角耳部を形成するように左右方向に引張りながら、箱体20の前後の上面折込み片22・22’を折込んだ状態で、袋体40を直線状に熱融着して密封した後に、図3Cに示すように、それぞれ口栓回避切欠き52を設けた箱体20の左右の上面板21・21’を、三角耳部を形成した袋体40とともに折込んで順に貼着した(折込み順は適宜選択できる)ことによって
図2に示すように、袋体40に取付けた注出口栓50を、箱体20の前方の上面折込み片22に貫通させて固定して、注出口栓50からインキ等の内容物を充填した後に、キャップ等の栓を取り付けた、液体状の内容物の注出が容易なバッグインカートンを提供することができる。
【0008】
すなわち、本発明のバッグインカートンにおいては、図3Bに示すように、袋体40の上部を三角耳部を形成するように左右方向に引張りながら、箱体20の前後の上面折込み片22・22’を折込んだ状態で、袋体40を直線状に熱融着して密封した後に、図3Cに示すように、それぞれ口栓回避切欠き52を設けた箱体20の左右の上面板21・21’を、三角耳部を形成した袋体40とともに折込んで順に貼着したことによって、注出口栓50付近の袋体40に皺が発生しない、最後に液体状の内容物の残液量が少ないバッグインカートンを提供することができる。
【0009】
加えて、本発明のバッグインカートンにおいては、箱体20の前後の上面折込み片22・22’の少なくとも前方の上面折込み片22の内面側に、注出口栓50の周辺を含む袋体40の上部を貼着して固定したことによって、図3Bに示すように、袋体40の上部を三角耳部を形成するように左右方向に引張りながら、箱体20の前後の上面折込み片22・22’を折込んだ状態で、箱体20の左右の上面板21・21’を、三角耳部を形成した袋体40とともに折込んで順に貼着する作業が容易なバッグインカートンを提供することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明のバッグインカートンにおける、柔軟性を有する樹脂フィルム製などの袋体40については、ポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)やポリエステル(PET)などの、通常の包装材料用の適宜の厚さの熱融着性樹脂フィルム又はこれらの積層樹脂フィルムなどを用いて、内容量が500〜4000ml程度の、上部に口栓取付け孔(図示せず)を設けた通常の又は筒状の三方シール袋や合掌シール袋や折込みシール袋(ガゼット袋と通称する)などの袋体40を、通常の製袋工程で制約なく製袋できるものである。
【0011】
本発明のバッグインカートンにおける、剛性を有する段ボール製や板紙製などの箱体20については、通常の段ボール紙や厚手の板紙などを用いて、主に液体状の内容物を収容した前記の袋体40を隙間なく収容できる大きさであって、前方の上面折込み片22に口栓固定孔51を設けた直方体状の箱体20を、通常の製箱工程で制約なく製箱できるものである。
【0012】
本発明のバッグインカートンにおける、箱体20を貫通する注出口栓50については、通常のポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)などを用いて、袋体40に熱融着して取付ける円板状のフランジ部(図示せず)を設けた円筒状の注出口栓50を、通常の射出成形方法で制約なく成形できるものである。
【0013】
【実施例】
図1は、本発明の実施例における、バッグインカートンの箱体20のブランクの平面図である。
また図2は、本発明の実施例における、バッグインカートンの斜視図である。さらに図3は、実施例のバッグインカートンにおける、製箱工程の一部を示す斜視図である。
【0014】
すなわち、それぞれ口栓回避切欠き52を設けた左右の上面板21・21’と、それぞれ前後幅(図1では上下幅)が40mmの前後の上面折込み片22・22’と、左右の側面板23・23’と、前後の側面板24・24と、糊代片25と、左右の底面板26・26と、前後の底面折込み片27・27とを、それぞれ折り目線(符号がない1点鎖線;以下同じ)を介して連設して、前方の上面折込み片22に、袋体40に取付けた注出口栓50を貫通させて固定する口栓固定孔51を設けた、図1に示す箱体20のブランクであって、通常の印刷をした450g/m2 の、耐水性を付与した裏クラフトボール紙を用いて、通常の打抜型を用いた打抜工程で、800gの家庭用の液体洗剤を収容した袋体40を収容する、縦・横・高さが82×96×120mmの、本発明の実施例における、バッグインカートンの箱体20のブランクを作製した。
【0015】
次に、全ての符号がない折り目線を山折り(印刷をした表面側が山になる;以下同じ)して、予め斜線で示す袋体との貼着位置41に接着剤を塗布した、図1に示す箱体20のブランクの上に、予め上部所定位置にポリプロピレン(PP)製の円筒状の注出口栓50を熱融着して取付けた、厚さ200μmのポリプロピレンPP製の、図1に破線で示す175×240mmの偏平筒状の袋体40を、口栓固定孔51に注出口栓50を貫通させながら、載置して圧着して、箱体20の後方の側面板24と糊代片25とを機械的に貼着して、図3Aに示すように、予め袋体40の上部所定位置に取付けて、箱体20の前方の上面折込み片22の口栓固定孔51に貫通させた注出口栓50を、図示しない固定リングを締付けて固定してキャッピングして、従来と同様の製箱工程で、袋体40の下部を熱融着して密封して、底面折込み片27・27を折込んで底面板26・26を貼着して、図3Bに示すように、袋体40の上部を三角耳部を形成するように左右方向に引張りながら、箱体20の前後の上面折込み片22・22’を折込んだ状態で、袋体40を直線状に熱融着して密封して、続いて図3Cに示すように、それぞれ口栓回避切欠き52を設けた箱体20の左右の上面板21・21’を、三角耳部を形成した袋体40とともに折込んで順に貼着して、本発明の実施例における、図2に示すバッグインカートンを作製した。この後、注出口栓50から800gのインキを充填し、図示しないキャップ等の栓により封止して完成する。
【0016】
本実施例のバッグインカートンにおいては、箱体20の左右の上面板21・21’に、それぞれ口栓回避切欠き52を設けて、箱体20の前後の上面折込み片22・22’の前後幅(40mm)を、箱体20の前後幅(82mm)の1/2以下にしたことによって、図3Bに示すように、袋体40の上部を三角耳部を形成するように左右方向に引張りながら、箱体20の前後の上面折込み片22・22’を折込んだ状態で、袋体40を直線状に熱融着して密封できるために、続いて図3Cに示すように、それぞれ口栓回避切欠き52を設けた箱体20の左右の上面板21・21’を、三角耳部を形成した袋体40とともに折込んで順に貼着できるために、袋体40に取付けた注出口栓50を、図2に示すように、箱体20の前方の上面折込み片22に貫通させて固定した、液体状の内容物の注出が容易なバッグインカートンが得られた。
【0017】
加えて、本実施例のバッグインカートンにおいては、図1に斜線で示すように、箱体20の前後の上面折込み片22・22’の内面側ほかに、注出口栓50の周辺を含む袋体40の上部ほかを貼着したことによって、図3Bに示すように、袋体40の上部を三角耳部を形成するように左右方向に引張りながら、箱体20の前後の上面折込み片22・22’を折込んだ状態で、箱体20の左右の上面板21・21’を、三角耳部を形成した袋体40とともに折込んで順に貼着する作業が容易であって、注出口栓50付近の袋体40に皺が発生しないバッグインカートンが得られた。
【0018】
本実施例の袋体40と箱体20との接着パターンは、箱本体の側面板23,23’,24,24の略上半分で行う。より好ましいパターンとしては、側面板23,23’24,24の半分より小さい上半分で行う。この長さの設定は、側面板23,23’,24,24の縦長の半分の長さに対して1〜10%、好ましくは4〜6%程度小さく、側面板の半分より上方に設ける。これはインキ等の高粘度の内容物を対象とし、注出口栓50から吸引し、袋体を注出口栓50側へ変形させながら行うことを想定しての実施例である。
【0019】
本発明における前記実施例の他の形態として、袋の三角耳部と上面板21,21’の折込み順を変えることができる。すなわち、一方の三角耳部と一方の上面板21を先に折込み、次いで他方の三角耳部と他方の上面板21’を折込む順の方法と、両方の三角耳部を先に折込んだ後に、両方の上面板21,21’を折込む順の方法とがある。
【0020】
本発明の他の実施例として、左右の上面板21,21’は前後の側面板24,24に相当する長さとする他に、それぞれ側面板24,24の略半分として組み立てたとき、突き合わせ状にすることもできる。この場合も、両上面板21,21’には口栓回避切欠き52は端部に設けられる。また他に、一方の上面板21のみを側面板と同じ長さにし、他方の上面板21’を、口栓固定孔51に達しない長さとすることもできる。この場合、上面板21’には口栓回避切欠き52は設けない。
【0021】
【発明の効果】
以上、作用及び実施例に示すとおり、本発明のバッグインカートンにおいては、箱体の左右の上面板に、それぞれ口栓回避切欠きを設けて、箱体の前後の上面折込み片の前後幅を、箱体の前後幅の1/2以下にしたことによって、袋体の上部を三角耳部を形成するように左右方向に引張りながら、箱体の前後の上面折込み片を折込んだ状態で、袋体を直線状に熱融着して密封できるために、続いて、それぞれ口栓回避切欠きを設けた箱体の左右の上面板を、三角耳部を形成した袋体とともに折込んで順に貼着できるために、袋体に取付けた注出口栓を、箱体の前方の上面折込み片に貫通させて固定した、液体状の内容物の注出が容易なバッグインカートンであって、容器の形態を箱体の側面板が長くなる直方体状に設計しても、袋体の開口部の形状、寸法は一切変わらないので、袋体の開口部の封止を容易に行うことができ、かつ注出口栓付近の袋体に皺が発生しない、最後に液体状の内容物の残液量が少ないバッグインカートンを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例における、バッグインカートンの箱体20のブランクの平面図である。
【図2】本発明の実施例における、バッグインカートンの斜視図である。
【図3】実施例のバッグインカートンにおける、製箱工程の一部を示す斜視図である。
【図4】従来の、バッグインカートンの斜視図である。
【符号の説明】
20 …箱体
21 …左右の上面板
22 …前後の上面折込み片
23 …左右の側面板
24 …前後の側面板
25 …糊代片
26 …左右の底面板
27 …前後の底面折込み片
28 …上斜面板
40 …袋体
41 …袋体との貼着位置
50 …注出口栓
51 …口栓固定孔
52 …口栓回避切欠き

Claims (1)

  1. 柔軟性を有する樹脂フィルム製等の袋体40を、剛性を有する段ボール製や板紙製などの箱体20内に収容して、箱体20を貫通する注出口栓50を袋体40に取付けたバッグインカートンであって、箱体20の左右の上面板21・21’に、それぞれ口栓回避切欠き52を設けて、箱体20の前後の上面折込み片22・22’の前後幅を、箱体20の前後幅の1/2以下にして、袋体40に取付けた注出口栓50を、この前方の上面折込み片22に貫通させて、前後の上面折込み片22・22’の少なくとも前方の上面折込み片22の内面側に、注出口栓50の周辺を含む袋体40の上部を貼着して固定したバッグインカートンにおいて
    袋体40の上部を三角耳部を形成するように左右方向に引張りながら、箱体20の前後の上面折込み片22・22’を折込んだ状態で、袋体40を直線状に熱融着して密封した後に、それぞれ口栓回避切欠き52を設けた箱体20の左右の上面板21・21’を、三角耳部を形成した袋体40とともに折込んで順に貼着したことを特徴とするバッグインカートン。
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